【発明の詳細な説明】[産業上の利用分野]本発明は,透明なプラスチック材料等の基材表面に塗布
し、硬化させることにより、優れた透明性、耐摩耗性、
染色性および無機物質からなる反射防止コート1111
(以後無機蒸着膜と呼ぶ)との密着性を付与すること
を特徴とするコーティング用組成物に関するちのである
.[従来の技術]現在使用されているプラスチック材料の中でアクリル系
、メタクリル系、ビニル系、ポリカーボネート系および
アリル系の透明なプラスチック材料は、ガラスに較べ,
耐衝撃性,軽量性,加工性、被着色性等の性質が優れて
いる為、レンズ,透過ガラス等、光学用材料として無機
ガラスに替って多量に使用されている.しかし.これら
は無機ガラスに較べ、耐擦傷性、耐薬品性が劣るという
欠点を有する。比較的、耐擦傷性に優れている樹脂とし
て、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂
(以後CR−39と呼ぶ)があるが、この6のも実用上
充分とは言えない.プラスチック材料のこれらの欠点を
改良する手段として、例えば、特公昭57−2735号
広報には、コロイダルシリ力とエポキシ基含有アルコキ
シシランからなる熱硬化塗料が,また,特公昭57−4
3168、同56−34033、同55−29102号
,特開昭57−67666号等には,エポキシ基含有ア
ルコキシシランとテトラアルコキシシランを主成分とす
る熱硬化塗料が、また、特公昭57−15608.同5
7−43578、同57−20968、特開昭57−1
28755号には、光重合性塗料がそれぞれ開示されて
おり,それぞれ,耐薬品性,耐擦傷性の向上がはかられ
ている.一方、これら熱硬化性塗料と光硬化性塗料の相方の性能
を有するものとして,特公表昭57−500984号広
報に、熱エネルギーの消費が少なく、プラスチック基材
への密着が優れることが提案されている.また、特開昭59−204669、同60−l3793
9号等には,疎水性コロイダルシリ力を用いて多官能ア
クリレートとの親和性を高める方法が開示されている.[発明が解決しようとする課題1しかし、前述の熱硬化性塗料は.CR−39との密着性
は充分であるが、ポリカーボネート,ポJメチルメタク
リレート、ボリスチレン等の特定のプラスチックに対し
て密着性が不充分である.しがち、染色性と無機蒸IF
lllとの密着性の双方を充分に満足させるものは得ら
れていない.また、光硬化性塗料は、染色性および無機
蒸着膜との密着性に乏しく、前述の特公表昭57−50
0984.特開昭60−137939号による方法では
r!!1liの硬度、耐久性は向上するものの、本発明
が目的とする耐摩耗性、染色性および無機蒸着膜との密
着性を同時に満足するものは得られない.〔課題を解決するための手段]本発明者らは、これらの問題点を解法するため鋭意検討
を行ったところ、多官能(メタ)アクリル化合物〔(メ
タ)アクリレートとは、メタクリレートとアクリレート
とを表わす]、ウレタン(メタ)アクリレート、シリカ
微粒子、重合性シラン化合物、多官能エポキシ化合物お
よび/またはエポキシ(メタ)アクリレートを主成分と
する組成物を光硬化及び熱硬化を併用して得られるコー
ティング被膜において、透明性,耐摩耗性に優れ且つ染
色性、無機蒸着膜との密着性ともに優れる性能が得られ
ることを見い出した。
すなわち本発明は、少なくと6下記の成分(A),+8
1 . FC+ . (01および(El を主成分と
することを特徴とするコーティング用組成物に関するち
のである。
(Al一分子中に2個以上の(メタ)アクリル基を有す
る多官能性モノマー或いはブレボリマー,5〜40重量
%f81一分子中に1個以上の(メタ)アクリル基を有す
るウレタン(メタ)アクリレート、4〜30重量%fc)粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒子、l
O〜50重量%(Dl少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有する
シラン化合物.15〜50%(El 多官能性エポキシ化合物および/または一分子
中に2個以上の(メタ)アクリル基を有するエポキシ(
メタ)アクリレート、5〜40重量%本発明で使用する
IA)成分は、光重合可能な基として、(メタ)アクリ
ル基を分子内に2個以上有するモノマーまたはブレボリ
マーで,硬化成分の主成分となるものであり、これらの
化合物の具体的なちのとして、(ポリ)エチレングリコ
ール、ブロビレングリコール、ヘキサンジ才一ル,グリ
セリンやトリメチロールプロパンのジ或いはトリ(メタ
)アクリレートや、ペンタエリスリトール,ジペンクエ
リスリトール,ソルビトール、ソルビタンの、トリない
しテトラまたはヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる.また、ジアリリデンペンタエリスリット等の不飽
和シクロアセクール化合物に2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等の重合性不飽和基を導入したスビラ
ン(メタ)アクリレート6、基材への接着性を向上させ
る為に有効である.硬化膜の硬さを増す為に,前記の反
応性官能基の数の多い6のを増したり,更にビスフェノ
ールAやヒドロキノン骨格にエチレンオキシドを付加し
た多価アルコールのジ(メタ)アクリレートを用いるこ
とが効果的である.その他、粘着性を向上させる為に、
ポJブタジエン等の樹脂中の反応性基をアクリル化した
多価アクリレートを用い、また、シリコンオノゴマー末
端にアクリル基を有するシリコンアクJレートや、メチ
ロールメラミンと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートから誘導されるメラミンアクリレート等を用い、
塗膜の耐粘性や耐薬品性を改善することができる.この
他にエチレングリコール等の多価アルコールとフクル酸
等の多塩基酸から誘導されるポリエステルのジ(メタ)
アクリレートやポリウレタンアクリレートなども使用で
きる.これらの多価(メタ)アクリレートは,二種以上
組み合わせて使うと良く、その使用量は全組成物の5〜
40重量%であることが必要である.すなわち、5重量
%未満では硬化膜の耐摩耗性が低下するかもしくは,特
定のプラスチックに対しての密着性が不充分となりやす
く,40重量%を越えると染色性および無機蒸IF膜と
の密着性が不充分となる.続いて,(B)成分の(メタ)アクリル基を有するウレ
タン(メタ)アクリレートとしては,(ポノ)イソシア
ネート化合物とヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレ
ートとを付加反応させることにより製造できる.(ポリ
)イソシアネート化合物としては、テトラメチレンジイ
ソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート、2、
2,4−トリメチルへキサメチレンジイソシアネート、
シクロヘキサンジイソシアネート、インホロンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート,
イソシアノエチルメタクリレート、プロビルイソシアネ
ート等が挙げられるが、これらイソシアネート化合物の
3量体〜5量体、イソシアネート化合物とアミノ基、水
酸基、カルボキシル基、水等の活性水素原子を少なくと
も2個有する化合物との反応により得られるイソシアネ
ート基を有する化合物ら用いることができる.(ポリ)
イソシアネートと反応させるヒドロキシル基含有(メタ
)アクリレートとしては,2ーヒドロキシエチル(メタ
)アクリレート,2−ヒドロキシプ口ビル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
,4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、および
プチルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシ
ジルエーテル、フエニルグリシジルエーテル等のモノエ
ポキシ化合物やグリシジルメタクリレート等と(メタ)
アクリル酸との付加反応物、ポリエチレングリコール、
ポリブロビレングリコール等の(メタ)アクリル酸モノ
エステル等が挙げられる.(ポリ)イソシアネートとヒドロキシル基含有の(メタ
)アクリレートとの付加反応は公知の方法,例えばイソ
シアネート化合物存在下にヒドロキシル基含有(メタ)
アクリレートと触媒,例えばジブチルチンジラウレート
との混合物を50℃〜90℃の条件下で滴下することに
より製造できる.上記したようなウレタン(メタ)アクリレートの他に、
特に染色性を向上させる目的で分子内にポリエチレング
リコール基,ポリプロビレングリコール基、ポリエステ
ル基等の親水性基を導入するとより染色性に優れるコー
ティング被膜が得られる.これらのウレタン(メタ)アクリレートは、前述の(ポ
リ)イソシアネートと(ポリ)ヒドロキシ化合物をl:
o.05〜1:0 9の範囲になるように反応させた後
、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させ
ることにより製造できる.(ポリ)ヒドロキシ化合物の具体例としては,ポリエチ
レングリコール(平均分子量200〜5000).ボリ
プロビレングリコール(平均分子量200〜50001
.ポリカブロラクトンジオール(平均分子量200〜
5000).ビスフェノールAのエチレン才キシド又は
、ブロビレンオキシド付加物のジオール(分子量500
〜5000)、ビスフェノールSのエチレン才キサイド
又は、プロピレンオキシド付加物のジオール(500〜
5000)等が挙げられる.本発明において、[Bl成分は、一種を単独であるいは
2種以上を混合して用いることらでき、その使用量は全
組成物の4〜30重量%であることが必要である.すな
わち,4重量%未溝では、染色性と硬化膜の耐摩耗性の
どちらか一方が不充分となる.30重量%を越えると硬
化膜の耐摩耗性が不充分となる.続いて、(Cl成分の粒径1〜100ミリミクロンのシ
リカ微粒子の効果的な例としては、シリカゾルおよび粉
末状シリカ微粒子がある.シリカゾルとは分散媒たとえ
ば水、アルコール系らしくはその他の有機溶媒に,高分
子量無水ケイ酸をコロイド状に分散させたちのである.
また粉末状シリ力微粒子は、コロイド状シリカの表面を
疎水化処理された粉末であり、いずれも市販されている
ものである.この発明の目的のためには平均粒子径1〜
100ミリミクロンのものが使用されるが,好ましくは
5〜30ミリミクロンの径の6のが使用される.粒子径
が1ミリミクロン以下であると微粒子状シリカが安定に
存在せず,一定した品質が得られない.また100ミリ
ミクロン以上であるとコーティング被膜が白濁するとい
う問題が生じる.また,使用量は全組成物の10〜50重量%であること
が必要である.すなわち、lO重量%未満では、無機蒸
着膜との密着性と硬化膜の耐摩耗性のどちらかが不充分
となる.また,50重量%を越えると硬化膿にクラック
が生じる。また染色性ら不充分となる.続いて,{D}成分は、ビニル基、アリル基、アクリル
基、メタクリル基、エポキシ基,メルカブト基、シアノ
基、イソシアノ基,アミノ基等の重合可能な反応基を有
するシラン化合物であり,その具体的なものとして、ビ
ニルトリアルコキシシラン,ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリ(β一メトキシーエトキシ)シラン、アリル
トリアルコキシシラン、アクリルオキシプロビルトリア
ルコキシシラン,メタクリル才キシブロビルトリアルコ
キシシラン、メタクリルオキシプ口ビルジアルコキシメ
チルシラン、j−グリシドオキシプロピルトリアルコキ
シシラン、β一(3、4−エポキシシクロヘキシル)一
エチルトリアルコキシシラン、メルカブトブロピルトリ
アルコキシシラン、j−アミノブロビルトリアルコキシ
シラン、N−8(アミノエチル)一j−アミノブロビル
メチルジアルコキシシラン等がある。
このfil成分は、加水分散を行なってから用いるか、
もしくは硬化した後の被膜に酸処理を行なうか、どちら
かの方法を取った方がより有効である.また,(D)成分の使用量は、全組成物の15〜50重
量%であることが必要である.すなわち,15重量%未
満であると、無機蒸着膿との密着性が不充分となる.ま
た50重量%を越えると、硬化膜にクラックを生じさせ
る原因となり、同時に耐水性が不充分となる.続いて、(El成分の多官能性エポキシ化合物としては
、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)ブロビレング
リコール、ネオベンチルグリコール、カテコール,レゾ
ルシノール、アルキレングJコールなどの二官能性アル
コールのジグリシジルエーテル、グリセリン、トリメチ
ロールプロパンなどの三官能性アルコールのジまたはト
リグリシジルエーテルなどがあげられ、一分子中に2個
以上の(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ
)アクリレートの具体例としては、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールS、トリフェノール
メタン、クレゾールノボラック、フェノールノボラック
等の(ポリ)グリシジルエーテルとアクリル酸、メタク
リル酸、無水フタル酸とヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシブ口ビル(メタ)アクリレート,
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート,グリシジル(
メタ)アクリレートとの反応付加物とのグリシジル基と
カルボキシル基を付加反応させることにより製造できる
化合物があげられ、多官能エポキシ化合物、エポキシ(
メタ)アクリレート化合物単独で使用してt 2 f!
1以上を混合して使用してもよい.また、この(El成分の使用量は、5〜40重量%であ
ることが必要である.すなわち、10重量%未満では、
染色性と硬化膜の耐摩耗性のどちらか一方が不充分とな
り、40重量%を越えると硬化膜の耐摩耗性と無機蒸I
FIIIどの密着性のどちらか一方が不充分となる.以上述べた(Al. (B). El. FD+ およ
び(El成分の他にも、光重合開始剤、1分子中に1個
以上の光重合可能な基を有する化合物1種以上からなる
反応希釈用モノマー或いはブレボリマーおよび、シラノ
ールあるいはエポキシ化合物の硬化触媒を添加すること
も可能である.光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル,ベンゾインイソ
プロビルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイ
ン、ベンジル、ペンゾフエノン、p−クロルベンゾフェ
ノン、p−メトキシベンゾフエノンなどのカルボニル化
合物、テトラメチルチウラムモノスルフイドなどの硫黄
化合物が挙げられる.また熱重合開始剤としては,アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビス−2、4−ジメチル
バレロニトリルなどのアゾ化合物、ペンゾイルパーオキ
サイド、ジターシャリープチルバーオキサイドなどのパ
ー才キサイド化合物などが挙げられる.これらの光重合
開始剤および熱重合開始剤は単独で使用してらよいし2
種以上組合わせて用いてもよい.使用量は、硬化成分の
0:1〜5重量%が適当であり、0.1重量%未満では
、重合が充分進まず、5重量%を越えて加えても効果は
向上しない.この他,光重合開始剤と併せて、光増感剤
を併用することら効果がある.かかる化合物の例として
は、n−プチルアミン、ジーn−ブチルアミン、トリー
n−プチルホスフインアリルチ才尿素,ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、トリエチレンテトラミン等があ
る.次に1分子中に1個以上の光重合可能な基を有する
化合物1種以上からなる反応希釈用モノマー或いは、ブ
レボリマーとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、2ーエチルへキシルアクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ
)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ口ビル(
メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α−メチ
ルスチレン、a−クロルスチレン、(メタ)アクリルア
ミド、ビニルナフタレン、ビニル力ルバゾール、γ−メ
タクリ口イルオキシプ口ビルトJメトキシシラン、β−
アクリ口イルオキシエチルトリメトキシシラン等が用い
られる。この使用目的は、fAl成分の粘度を下げ塗布
作業性を向上させるとともに重合し、塗膜に適度な弾力
性、密着性を与える為に必要でfA+成分の種類に応じ
て、硬化成分のO.1〜60重量%、より好ましくは,
2〜40重量%使用することが望ましい。
即ち、(Al成分のみで適度な弾力性と剛直さを産みだ
す組成物を組み合せた場合は、反応用希釈モノマーは無
くてもよいが、一般に2i量%以上用いた方が均質な硬
化膜が得られる。また、この成分を60重量%を越えて
用いると、硬化膜の耐摩耗性および無機蒸@膜との密着
性が不充分となりやすい.また.シラノールあるいはエポキシ化合物の最ち好まし
い触媒としては,過塩素酸マグネシウムがあげられるが
、その他に6、アルミニウムアセチルアセテート等の金
属アセチルアセトネート、アミン、グリシン等のアミノ
酸、ルイス酸、有機酸金属塩,過塩素酸アンモニウム等
がある。添加量は、固形分濃度の0 01〜5 0%の
範囲内が望ましい.このようにして得られるコーティング用組成物は、必要
に応じ、溶剤に希釈して用いることができる.溶剤とし
ては、アルコール類、エステル類、ケトン類,エーテル
類、芳香族類等の溶剤が用いられる.また,塗布面の欠
陥を改良する為のシリコーン系界面活性剤や非イオン系
界面活性剤、チキントロビー剤、スリップ剤としてシリ
コンオイルや、紫外線吸収剤,帯電防止剤等を添加する
ことも有用である.本発明における硬化被膜の膜厚としては、005〜30
I1であることが好ましい.すなわち、0.05μ未満
では、基本となる性能が出ず、30μを越えると,表面
の平滑性が損われたり、光学的歪が発生する為好ましく
ない.その塗布方法としては,浸漬法、スプレー法、ロールコ
ート法,スビンコート法、フローコート法等があげられ
る.このようにして得られたコーティング用組成物は基材に
塗布後、光硬化を行ない、その@貼硬化を行なう.すな
わち光と熱の併用で硬化を行なうのが一番好ましい硬化
方法である.光硬化せしめるためには波長200〜8000mの活性
光線が好ましい.照射する雰囲気としては、窒素ガス等
の不活性ガス雰囲気下あるいは酸素濃度を低下させた雰
囲気下でも勿論さしつかえないが、本発明に係るコーテ
ィング用組成物は通常の空気雰囲気下でも充分である。
また光源としては公知のケミカルランプ、キセノンラン
プ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ラン
プ等が適用できる.また、熱硬化せしめるためには.80℃〜200゜Cの
温風中にて縮合反応させる方法が好ましい。特に耐熱性
の劣る基材の場合は,80℃〜130℃の間がより望ま
しい.このようにして得られた硬化被膜を有するプラスチック
基材に、以下に述べる反射防止膜を設けることが可能で
ある.即ち、真空蒸着法、イオンスパッタリング法等に
周知の方法により.SiO.SiOz .Six N4
.TtOz .ZrOgA l 2 0s 、Mg
F2の無機誘導体よりなる単層あるいは多層の薄膜を積
層することにより、大気との界面の反射を低く抑えるこ
とができる。蒸着用材料として,これら以外に、利えば
、SbiOn .CaFs .Cent .CeFs
.Nax AI Fa .Lag Ox .LaFs
.PbFs .NdFs . Prs O++t
That . ThF4 . ZnS.
Ge. PbTe. Ti* Ox . H
fo 2 、Tag O* .Yx Ox .Yb
a Os等の材料がある.ここで使用する反射防止膜の膜厚は、丸。/4(丸。=
450〜650nm)の単層構造、あるいは,λ。/4
−,t./2一丸。/4または、え。/4−え。/4一
丸。/4の屈折率の異なる三層構造の多層膜あるいは,
一部等価膿でおきかえた多11J膜による反射防止薄膜
からなるちのが有用であり,その屈折率は、例えば,単
層の場合には、空気、反射防止膜、基材(または、硬化
被膜層)の屈折率を各々、nO ) n I + n
2とすると、n+ =「717Tである時が最も反射の
少ないちのとなる.多層膜の場合、実施例に一部を示し
たように屈折率の異なるものを組み合せる事により単層
膿より優れた効果を発揮することができる。反射防止薄
膜形成を真空蒸着で行なうときには、予めレンズを酸素
やアルゴン等のガスプラズマで表面処理を行うことによ
り密着性を向上させることかできる場合らある。
以下、実施例により更に詳細に説明する.〔実 施 例
1実施例により本発明を更に詳しく説明するが.本発明は
これらに限定されるものではない.実施例−1(1)塗液の調整ジベンタエリスリトールへキサアクリレート30g,ト
リメチロールブロバントリアクリレート30g.ジエチ
レングリコールジアクリレート20gを混合した後,テ
トラヒド口フルフリルアクノレート5gおよびグリシジ
ルアクリレート15gを混合した.この混合液にキシリ
レンジイソシアネートと2−ヒドロキシブロビルメタク
リレートとを反応させて得られたウレタンジメタクリレ
ートを25g添加し、この液を(A)滝とした。
また、メタノール分散コロイダルシリカ(触媒化成工業
(株)製,商品名「オスカルll32J固形分濃度30
%)185gに、j−メタクリルオキシブ口ビルトリメ
トキシシラン77g、0.05N塩酸水溶液20gを添
加し4時間撹拌後、トリメチロールプロパンボリグリシ
ジルエーテル(長瀬産業(株)製,商品名「デナコール
EX−321J )76gおよび過塩素酸マグネシウム
1.3gを添加し撹拌後一昼夜熟成させた.この液を(
B)液とした.この(A)液と(B)液を混合し、さらにシリコン系界
面活性剤(日本ユニカ−(株)製、商品名rY7002
J )0 10gおよびペンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤(日本チバガイギー(株)製、商品名「チヌビンP
J 0.4gおよび、ベンゾフエノン2gを添加し塗痛
とした。
(2)塗布および硬化このようにして得られた塗液で、CR−39製眼鏡レン
ズにスビンナー法にて塗布を行なった。
コーティング条件は以下の通りである。
回転数 200rpmでlO秒回転数1700rpmで 2秒回転数 20Orpmで10秒塗布後、80℃で15分間風乾した後、4KW?圧水銀
灯を用い、両面を各々光源直下15cmに配置し、15
秒間照射し、さらに,130℃で90分間焼成を行なっ
た.このようにして得られた硬化被膜の厚みは約2 5ミク
ロンであり,硬さ、光沢、外観とりに優れたものであっ
た.実施例−2実施例−1で得られたレンズに、それぞれ以下の方法で
無機物質からなる反射防止コート薄膜の形成を行なった
.(1)反射防止薄膜の形成得られたレンズをプラズマ処理(アルゴンプラズマ4
0 0WX 6 0秒)を行なった後、基板から大気に
むかって順に.Stow.ZrOt.SiOx .Zr
Oz .S fogの5層からなる反射防止多層膜を真
空蒸着法(真空器械工業(株)製BMC−1000)に
て形成を行なった.膜厚は、最初のSi O zの膜厚
、次のZrO■とSi02の合計膜厚、次のZ r O
xの膜厚、最上層のS i O *の膜厚すべてがん
/4となる様に形成させた。なお、設計波長尤は520
nmとした。
(2)試験および評価結果実施例−1で得られたレンズ(以下ハードコートレンズ
と呼ぶ)および実施例−2で得られたレンズ(以下ハー
ドマルチコートレンズと呼ぶ)をそれぞれ次に述べる方
法で試験を行ない、その結果を第1表に示した.試験内
容中の密着性とは,ハードコートレンズの場合、レンズ
とハードコート膜,ハードマルチコートレンズの場合、
レンズとハードコート膜およびハードコート膿とマルチ
コート膜との密着性を評価している.a)耐摩耗性:aooooスチールウールでlKgの荷重をかけ、1
0往復,表面を摩擦し,傷ついた程度を目視で次の段階
に分けて評価した。
A : 1 cmX3cmの範囲に全く傷がつかない.B:上記範囲内に1〜10本の傷がつく.C:上記範囲
内に10〜100本の傷がつく。
D.無数の傷がついているが,平滑な表面が残っている
。
E:表面についた傷のため平滑な表面が残っていない。
b)ii1水・耐薬品性:水、アルコール、灯油中に4
8時間浸漬し、表面状態を調べた.C)耐酸、耐洗剤性二0 1N塩酸およびi%ママレモ
ン(ライオン油脂(株)製)水溶液にl2時間浸漬し、
表面状態を調べた.d)耐候性:キセノンランプによるサンシャインウエザ
ーメーターに400時間暴露した後の表面状態を調べた
.e)密着性:硬化被膜と基材および無ti蒸@膜と硬化
被膜との密着性は、JISD−0202に準じてクロカ
ットテーブ試験によって行った。即ち、ナイフを用い,
レンズ表面に1間隔に切れ目を入れ、12のマス目を1
00111形成させる.次に、その上へセロファン粘着
テープ(日東科学(株)製“セロテープ)を強くおしつ
けた後,表面から90゜方向へ急に引っぱり剥離したの
ち、コート被膜の残っているマス目をもって密着性指標
とした.f)耐久性;耐久性は本質的に密着性の接続であると考
え、a)からd)の試験を行なったものについて,上記
のクロス力ットテーブ試験を行い評価した.g)耐熱性(冷却サイクル性):レンズを70℃の温風
中に1時間保存し外観を調べた.更に一5℃15分,6
0℃15分のサイクルを5回くり返し,外観およびクロ
スカットテーブ試験を行いコート膜の剥離のないちのを
良とした.h)染色性(ハードコートレンズのみ):9
2゜C12の純水に、セイコーブラックスダイヤコート
染色剤アンバーD:2gを分散させ染色液を調製した。
この液に、5分間浸漬させ染色を行ない、染色ムラがな
く、かつ金光練透過率が染色前と染色後の差が30%以
上のものを良とした.実施例−3(1)塗液の調整ペンタエリスリトールテトラアクリレート25g,ジベ
ンタエリスリトールベンタアクリレート25g,テトラ
ヒド口フルフリルアクリレートlogおよびジアリリデ
ンペンクエリスリットのアクリレートエステル30g、
ヘキサンジオールジメタクリレートlogおよび2 2
−ジエトキシアセトフエノン2gを加え混合撹拌しこれ
に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートと2−ヒ
ドロキシプ口ビルアクリレートとを反応させて得られた
ウレタンジアクリレートを40g添加し混合撹拌しこれ
を(C)液とした.また、酢酸ブチル47gに、j−グ
リシドオキシブ口ビルトリメトキシシランl02g、0
.05N塩酸水溶7a28gおよびシリカ微粒子(日本
アイロジル(株)製、商品名「アイロジルJ)140g
を添加し6時間撹拌後グリセリンジグリシジルエーテル
(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「エボライト8
0MFJ )1 1 5gおよび、塩化第一スズ45g
を加え一昼夜熟成させ、これを(D)液とした.この(
C)液と(D)液を混合しさらに,ノニオン系界面活性
剤(日本油脂(株)製、商品名「ニッサンノニオンLT
−220J )0.2gおよび前述のチヌビンPを0.
6g添加し塗液を調整した.(2)塗布および硬化このようにして得られた塗液で、セイコーハイロードM
X用の生地レンズ(セイコーエプソン(株)製)にスビ
ンナー法にて塗布を行なった.コーティング条件は実施
例−1と同様な方法で行なった.塗布後.80℃で15分間風乾した後、4KW高圧水銀
灯を用い、両面を各々光源直下15cmに配置し、15
秒間照射し、さらに、100℃で4時間焼成を行なった
.このようにして得られた硬化被膜の厚みは約3 5ミ
クロンであり、硬さ、光沢、外観と6に優れたちのであ
った.実施例−4(1)反射防止薄膜の形成実施例−3で得られたレンズを実施例−2と同様の方法
で無機物からなる反射防止コート薄膜の形成を行なった
.(2)試験および評価結果実施例−3、4で得られたレンズは、実施例−1、2と
同様の方法で試験を行ない、その結果を第1表に示した
.実施例−5(1)塗液の調整ジペンタエリスリトールへキサアクリレート30g、ジ
ペンクエリスリトールベンタアクリレート30g.ジベ
ンタエリスリトールテトラアクリレート15g.}リメ
チロールプロパントリアクリレート15g、テトラヒド
ロフルフリルアクリレート10g、ペンゾフエノン2g
および、酢酸エチル130gを混合撹拌した.この液に
、テトラメチルキシレンm−ジイソシアネートと2−ヒ
ドロキシブ口ビルアクリレートを反応させて得られたウ
レタンジアクリレートを90g添加し、この液を(E)
液とした.また、プチルセロソルプ430gに、j−グリシドオキ
シブ口ビルトリメトキシシラン314gおよび0.05
N塩酸水溶液86gを添加し6時間撹拌後,イソブロビ
ルアルコール分散ユロイダルシリカ(触媒化成工業(株
)製、商品名「オスカル1432J.固形分濃度30%
)1150gおよび、ネオベンチルグリコールジグリシ
ジルエーテル(共栄社油脂化学工業(株)製、商品名「
エボライト1500NPJ )383gおよび過塩素酸
マグネシウム13 5gを添加撹拌し、昼夜熟成させた
.この液を(F)液とした。この(E)液と(F)液を
混合し,さらにシリコン系界面活性剤(日本ユニカ−(
株)製,商品名「Y7002J )0.45gおよび老
化防止剤(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージ
BHTJO.8g添加し塗液を調整した.(2)塗布および硬化このようにして得られた塗液で、アクリル板(三菱レイ
ヨン(株)製、商品名「アクリライトLJ ; 1 0
0mmX30mmX2mm)を浸漬法にて塗布を行なっ
た。引き上げ速度は、12cm/ m i nとした.
これを50℃で10分間風乾した後,80W高圧水銀灯
を用い、両面を各々光源直下ioamに配置し、20秒
照射した.これをさらに、80℃で4時間焼成を行なっ
た。このようにして得られた硬化被膜の厚みは約265
ミクロンであり、硬さ、光沢、外観とちにすぐれたもの
であった.実施例−6(1)反射防止薄膜の形成実施例−5で得られたアクリル板を実施例−2と同様の
方法で無機物質からなる反射防止コートaIIiiの形
成を行なった.(2)試験および評価結果実施例−5、6で得られたアクリル板を、実施例−1、
2と同様の方法で試験を行ない,その結果を第1表に示
した.実施例−7(1)塗液の調整ジベンタエリスリトールベンタアクリレート40g、ベ
ンタエリスリトールトリアクリレート30g、トリエチ
レングリコールジメタフリレート20g、ビスフェノー
ルAジフリシジルエーテル(油化シェルエポキシ(株)
商品名エビコート828)とアクリル酸とから合成した
エポキシジアクリレート70g、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フエニルプロパン−1−オン3gおよび、
トルエン200g、酢酸エチル60g、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル200gを混合撹拌し、これに
、イソホロンジイソシアネート25mo l、ボリブロ
ビレングリュール(アデカ(株)製商品名rP−100
0J平均分子量1000)1.5molと2−ヒドロキ
シエチルアクノレート2mo lを反応させたウレタン
ジアクリレートを40g添加し、この液を(G)とした
。
また,(イソブロビルアルコール)分散コロイダルシリ
力(日産化学(株)製商品名rI PA−STJ固形分
濃度30%)785gに、γ−グリシドオキシブロビル
トリメトキシシラン286gに0.05N塩酸水溶液7
8gを添加し、4時間撹拌後一昼夜熟成させこの濠を(
H)とした.この(G)と(H)液を冫昆合し、さらに
シリコン系界面活性剤(ビッグケミ−(株)製商品名B
YK−300)0.5gおよび老化防止剤(チバガイキ
−(株)製商品名i rganox 1 222)0.
2gを添加し塗液を調整した。
(2)塗布および硬化上記塗液を用いて、インジエクション成形したアクリル
板(ベレット:三菱レイヨン(株)製アクリベットVH
1 0 0mmx 100mmX3mmt)にスプレ
ー法にて塗装を行なった。
スプレーは、イワクワイダー61(岩田塗装機(株)製
ノズルロ径1mmlを用い、スプレー圧力3 K g/
crn’、塗料吐出量100ml/minで行なった.これを50℃でlO分間風乾した後、80W/cm高圧
水銀灯3灯を用い、光源下10cmで2m/minの速
度で通過させて硬化した。これをさらに80℃で2時間
後硬化を行なった.このようにして得られた硬化被膜の
厚みは約4ミクロンであり硬度、光沢、外観と6にすぐ
れ,染色性ら良好であった.実施例−8(1)反射防止薄膜の形成実施例−7で得られたアクリル板を実施例−2と同様の
方法で無機物質からなる反射防止コート薄膿の形成を行
なった.(2)試験および評価結果実施例−7、8で得られたアクリル板を、実施例−1,
2と同様の方法で試験を行ない、その結果を第1表に示
した.比較例−1実施例一lにおいて、キシリレンジイソシアネートと2
−ヒドロキシブ口ビルメタクリレートとを反応させて得
られたウレタンジメタクリレート25gを添加しないこ
と以外すべて同様な方法で行なった.比較例−2比較例一lで得られたレンズを実施例−2と同様な方法
で、反射防止膜の形成を行なった。
比較例−3実施例−3において、(D)液を除いたちのを塗液とし
たこと以外はすべて同様な方法で行なった.比較例−4比較例−3で得られたレンズを実施利−2と同様な方法
で、反射防止膿の形成を行なった。
比較例−5実施例−7において、トリメチルキシレンm −ジイソ
シアネートと2−ヒドロキシブロビルアクリレートを反
応させて得られたウレタンジアクリレートを添加せず,
且つ(F)ifflを除いたちのを塗液としたこと以外
はすべて同様な方法で行なった.比較例−6比較例−5で得られたアクリル板を実施例−2と同様な
方法で、反射防止膜の形成を行なった.比較例1〜6す
べて実施例−1、2と同様な方法で試験を行ない結果を
第1表に示した。
〔発明の効果〕以上、詳述したように,本発明により従来の熱硬化型塗
料では不可能であった、良好な染色性と無機反射防止膜
との密着性とを同時に得ることができ、その表面の高硬
度化が可能となり、且つ従来アクリル樹脂等の光学用プ
ラスチック材料において、密着性が不充分な為、実用化
されなかった無機物質による反射防止加工が可能となっ
た効果は、大きい.即ちプラスチックレンズ材料として
,(メタ)アクリル樹脂をはじめとしてスチレン樹脂、
カーボネート樹脂、アリル樹脂、アリルカーボネート樹
脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂,ポリエーテル樹脂
,更に新たなモノマーやコモノマーの重合体等各種機能
をちった樹脂に応用し得られる、優れた耐擦傷性と良好
な染色性および良好な無機反射防止膜との密着性を施し
たプラスチック材料は、眼鏡レンズ、カメラレンズ、光
ビーム集光レンズや光拡散用レンズ等光学用レンズとし
て民生用或いは産業用に広く応用することができる.更
に本発明による効果は,ウオッチガラスやディスプレイ
用カバーガラス等の透明ガラスやカバーガラス等の光学
用途の透明プラスチック全般に応用利用が可能であり、
得られる効果は多大である.以上