【発明の詳細な説明】[産業上の利用分野]本発明はセラミック基板の上に所定のパターンを有する
電極が形成されたたとえばストリップラインフィルタの
ようなセラミック電子部品の製造方法に関する。
[従来の技術]セラミック電子部品の一例として、ストリップラインフ
ィルタの電極構造の一例を第2図に示す。
上記ストリップラインフィルタlは、セラミック基板2
の一方の主面3に形成された各々がたとえば三段のコム
ライン型の共振電極パターン4゜5と、上記セラミック
基板2の他方の主面6に形成されたアース電極7とを含
む。アース電極7はセラミック基板2の上記他方の主面
6からさらにその側表面8を経て上記一方の主面3にま
で延びて形成される。そして、上記共振電極パターン4
゜5の共振電極9:l lはその各一端側がこのアース
電極7の延長端12に共通接続され、−枚のセラミック
基板2上に2組のストリップラインフィルタla、lb
が形成される。上記共振電極9および共振電極11はl
/4波長のものとして構成され、上記共振電極9および
共振電極11のアース電極7側の端部は、短絡端、すな
わち、電圧定在波が零となっている。従って、共振電極
9の寸法Aは通過マイクロ波波長の1/4に、また、共
振電極11の寸法Bは通過マイクロ波波長の1/4に設
定される。
これら2組のストリップラインフィルタlは、接続電極
13により互いに接続され、外部引出電極14およびア
ース電極7の延長端12等には、リード端子15が接続
される。
ところで、上記のような電極パターン構造を有するスト
リップラインフィルタlのエレメント16は、従来、第
3図(a)ないし第3図(d)に示すようにして形成し
ていた。
まず、第3図(a)に示すように、高い誘電率を有する
セラミック基板2を用意し、このセラミック基板2の一
方の主面3に、第3図(b)に示すように、各々がたと
えば三段のコムライン型の共振電極パターン4.5およ
び接続電極13をスクリーン印刷等の手法で形成する。
そして、この共振電極パターン4.5および接続電極1
3を乾燥したのち、第3図(C)に示すように、上記セ
ラミック基板2の他方の主面6全体にアース電極7を塗
布する。このアース電極7が乾燥すると、第3図(d)
に示すように、上記セラミック基板2の側表面8に上記
共振電極パターン4.5とアース電極7とを接続する側
面電極17を塗布し、乾燥させる。その後、セラミック
基板2にこれら共振電極パターン4.5、接続電極13
、アース電極7および側面電極17が焼き付けられる。
[発明が解決しようとする課題]ところで、上記従来のストリップラインフィルタ1の製
造方法では、セラミック基板2の2つの主面3,6と1
つの側表面8に電極を形成する毎に、印刷もしくは塗布
された電極の乾燥が必要であり、ストリップラインフィ
ルタlの製造に時間がかかるという問題があった。
また、上記側面電極17の塗布の効率をあげるために、
セラミック基板2を何枚か重ねて電極材料を塗布もしく
は印刷することも行なわれているが、このようにすると
、セラミック基板2のエツジ部18で共振電極パターン
4.5とアース電極7との接続が切れることがあり、ま
た、セラミンク基板2の一枚毎に側面電極17を塗布す
ると、側面電極17の形成に時間がかかるという問題が
あった。
本発明の目的は、セラミック基板への電極形成の効率が
高く、かつ、電極の形成精度および信頼性が高いセラミ
ック電子部品の製造方法を提供することである。
[課題を解決するための手段1このため、本発明は、セラミック基板の2つの主面に形
成された電極膜をこれら2つの主面の間の側表面に形成
された電極膜によって互いに接続された電極構造を有す
るセラミック電子部品の製造方法であって、上記セラミック基板の全面に導電膜を形成する工程と、
このセラミック基板の上記主面の上の導電膜上にフォト
レジスト材料膜を形成する工程と、このフォトレジスト
材料膜を露光してセラミック基板の」−記主面に形成す
る電極パターンに対応するパターンを有するレジスト膜
を形成する工程と、セラミック基板の側表面上の上記電
極膜の形成位置にフレキシブルテープを貼り付ける工程
と、全体をエツチング液に浸漬して上記レジスト膜およ
びフレキシブルテープに覆われた部分を残して上記導電
膜を除去する工程とからなることを特徴としている。
[作用]上記セラミック基板の全面に形成された導電膜は、エツ
チング液中では、上記レジスト膜およびフレキシブルテ
ープにより保護される。そして、上記レジスト膜および
フレキシブルテープにより保護されていない部分の導電
膜は、エツチング液によって除去される。
[発明の効果1本発明によれば、フォトマスクは比較的短時間で形成す
ることができ、しかも、レジスト膜およびフレキシブル
テープにより保護されていない部分の導電膜をエツチン
グにより除去すれば、セラミック基板に必要な電極膜が
一度で形成されるので、所定のパターンを有するセラミ
ック電子部品の電極膜を効率よく形成することかでさ、
しかも、電極膜はセラミック基板の全面に一体的に形成
された導電膜の一部分であるから、電極膜がセラミック
基板のエツジで切断されるといったことがなく、信頼性
の高いセラミック電子部品を得ることができる。
[実施例]以下、添付の図面を参照して本発明の詳細な説明する。
第2図において電極構造を説明し、たストリフプライン
フィルタ1の製造Jこ本発明を適用した実施例を、第r
 w<a>ないし第1図(r−)により説明する。
まず、第1図(a)に示すように、たとえばストリップ
ラインフィルタ等用として従来公知の高誘電率材料から
なるセラミック基板2を用意する。
このセラき、ツタ基板2の全面1こ、第11N(h)i
こ示すように、メツキや塗布等の手法により、銀(Ag
)もしくは銅(Cu)等の導電膜21を形成する。
そして、全面に導電膜21が形成された上記セラミンク
基板2の対向する2つの主面3,6に、第1図(C)に
示すように、夫々フォトレジスト材料膜22.23を形
成し、上記セラミック基板2の一方の主面3側のフォト
レジスト材料膜を7オトマスク(図示せず。)を通して
、第1図(c)に矢印Aで示すように露光し、第1図(
d)に示すように、各々がたとえば三段のコムライン型
の共振電極9.11および接続電極13のパターンを有
するレジスト膜24を形成する。また、上記セラミック
基板2の他方の主面6上のフォトレジスト材料膜23は
その全面を露光し、レジスト膜24を形成する。
次いで、セラミック基板2の側表面18上に、第1図(
d)に示すように、たとえばストリップラインフィルタ
等用として従来公知のフレキシブルテープ25を貼り付
ける。
上記のようにして、2つの主面3.6にレジスト膜24
.24を形成し、か゛つ、側表面8をフレキシブルテー
プ25で保護したセラミック基板2をエツチング液に浸
漬し、第1図(e)に示すように、−F記しジスト膜2
4.2’4およびフレキシブルテープ25に覆われた部
分を残しでと記導電膜21を除去した後、上記レジスト
膜24.24およびフレキシブルテープ25を除去し、
ストリンブラインフィルりlのニレメンN6t=?Iる
。
このようにして、ストリップラインフィルタlのエレメ
ント16の電極を形成するようにすれば、セラミック基
板2の2つの主面3.6および側表面8の電極膜がエツ
チングによって、−度に形成される。
上記実施例の説明からも分かるように、全面に導電膜を
形成しt;セラミック基板2を予め多数枚製作して保存
しておけば、ストリップラインフィルりlのエレメント
16は、はぼフォトマスクの製作とエツチングの時間だ
けで、非常に短時間でパターンをかえて試作することが
でき、試作にも自由に応用できる。すなわち、従来のよ
うに、スクリーン印刷によって電極パターンを形成する
と、スクリーン印刷のマスクを作成するだけで3日以上
もかかるが、7オトマスクであれば、簡単なものならば
数時間で作成することができ、ストリップラインフィル
タ1のエレメント16の試作を短時間で効率よく行なう
ことができる。
上記実施例において、フレキシブルテープ25は、フォ
トレジスト材料膜22.23の塗布前にセラミック基板
2に接着するようにしてもよい。
また、セラミック基板2のいま一つの主面6側には、フ
ォトレジスト材料膜23に代えて、単なる樹脂膜を、レ
ジスト膜として形成するようにしてもよい。
本発明は、上記のような電極パターンを有するストリッ
プラインフィルタlのエレメント16の製造に限らず、
圧電共振子やセラミックコンデンサ等のセラミック電子
部品にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】第1図(a)、第1図(b)、第1図(C)、第1図(
d)および第1図(e)は夫々本発明に係るセラミック
電子部品の製造方法の一実施例の工程説明図、第2図は
ストリップラインフィルタのエレメントの電極構造を示
す斜視図、第3図(a)、第3図(b)、第3図(C)、および第
3図(d)は夫々従来のセラミック電子部品の製造方法
の説明図である。■・・・ストリップラインフィルタ。2・・・セラミック基板、3・・・一方の主面。4.5・・・共振電極パターン、6・・・他方の主面。7・・・アース電極、8・・・側表面。13・・・接続電極、17・・・側面電極、18・・・
エツジ部。21・・・導電膜、22.23・・・フォトレジスト材
料膜。24・・・レジスト膜、25・・・フレキシブルテープ
。