【発明の詳細な説明】[発明の目的](産業上の利用分野)この発明は、X0丁を用いた診断装置、特にXCTによ
り血管の機能を診断する診断装置を提供することにある
。
(従来の技1)血管の機能、特に脳の血管の機能、例えば血液脳関門(
Blood  Brain  Barricr)を診断
する@置が°’J  Con0Ut  Δ5sist 
 Tomogr、  Vo!、11.No。
3.1987”の390−397頁にrsrmplif
ied、  Non1nvasive  PEP  M
easurement  of  Blood−3ar
rir  PermeabilitVJのタイトルにて
紹介されている。この文猷の装置によると、造影剤とし
て放射性物質、例えば[68G]EDTAが用いられ、
この造影剤が注入される被検体がCT I (sing
le ring positron calera )
によって走査される。この走査により得られるPE T
 (Po5itron Emission Tomog
raphy)データに基づいて血液脳関門の機能に関す
るパラメータが求められ、このパラメータがフンクショ
ナルイメ−・ジとして表示され、診断に供される。
(発明が解決しようとする課題)上記従来の装置によると、造影剤として放射性物質が用
いられる。この放射性物質は寿命が短く、高々数時間程
度であり、このために造影剤としての放射性物質を診r
IfIM前に作る必要がある。従って、診断部署に造影
剤の製造機器(ホットラボ)を備えておく必要がある。
また、PE丁を得るためにCTIがスキャナとして用い
られるが、このCTIはかなり高価な機器であり、空間
分解能が511111〜1(lnと比較的に低いという
問題がある。
従って、この発明の目的は、XCTを用い、普通の造影
剤を使用し、解像度が良く、安価である診断装置を提供
することにある。
1琵明の構成Jこの琵明によると、被検体をX線によりダイナミック走
査するXFAスキャナと、前記被検体に造影、剤を注入
するインジェクタと、X@スキャナにより得られるデー
タを収集するデータ収集装置と、収集データにより画像
を再構成し、造影剤注入画像を含む複数の断層画像に対
応する画像データを生成する画像再構成装置と、この画
像再構成装置により得られる画像データを解析し、血管
の血流状態を示すパラメータを算出する画像解析装置と
により構成される、XCTを用いた診断装置が提供され
る。
(作用)インジェクタはヨード系造影剤を被検体に注入し、xi
スギャナは被検体をダイナミックスキャンする。画像解
析装置は各断層画像の各点におけるパラメータを求め、
これらパラメータからファンクショナルイメージを形成
する。
(実施例)第1図はXCTを示し、このXCTは被検体をX線走査
するXaスキャナを含むガントリ12、このガントリ1
2に給電するX@電源11、寝台(Couch)13、
@影剤を被検体に注入するインジェクタ14、コンソー
ル15及びモニタ16により構成される。
第2図には、上記XCTのブロック回路が示されている
。ガン)・す12に含まれるX線スキャナ12xの出力
がデータ収集装ff121に結合される。
j%−タ収集装置21はX線スキャナにより19られる
X線データを収集する。データ収集装置21の出力は両
像再構成装置22に結合される。この画像再構成装置2
2は収集データを処理し、断層画像データを生成する。
2両像再構成装置22の出力(,117戸イル23に結
合され、rIfI層画像データが画像ファイル23に記
憶される。
画像ファイル23はコンピュータ24に結合さ1、コン
ビ1−夕24を介して画像データの伝送4へねる。コン
ピユー・り24はXCTの全体を制御(1能を有し、X
線スキャンナ12x、データ1N集装買21、画像再構
成装置22、インジェクタ″14、表示装[16、画像
解析装置25、賽台占:牡装置27及び時計26に結合
される。
画像解析装置25は画像再構成装置22から出−・A秩
、画像ファイル23に記憶された画像デー:(Iq J
、(づいて各画像の各点に関するパラメータを累め、フ
ァンクシ1ナルイメージデータを形成する。
次に、上記装置の動作を説明する。
先ず、ガントリ12に被検体(患者の頭部)が挿入され
、固定される。次に、X線スキャナ12Xが作動され、
被検体の同一部位に対して複数回のスキャン(ダイナミ
ックスキャン)が行なわれる。これにより、被検体に対
応するX線データがXaスギャナ12xから出力され、
データ収集装@21に供給される。スキャンの開始と共
にまたは開始後にインジェクタ14によりヨード系の造
影剤が被検体に注入される。X線スキャナ12xは造影
剤注入後、30分程度の間、節穴的に繰返し被検体をス
キャンし、X線投影データを出力する。スキャンを行な
った時刻は時計26から読取られる。
データ収集装置21はX線スキャナ12xからのX線投
影データを収集し、収集データを画像再構成装置22に
供給する。再構成装置により収集データが再愼成画像デ
ータに変換される。再構成両値データは画像ファイル2
3に記憶されるっこの場合、第3図に示すように時間軸
<1)に沿った複数の再構成画像が画像ファイル23に
スキャンを行なった時刻と共に記憶される。
画像ファイル23の画像(第3図)が読出され、コンピ
ュータ24に入力される。この時、第4図のフローに示
されるように各画素Pはノイズ成分を除去するために平
滑化される。その後、各画素について位置(x、y)に
おけるCT値データが時間軸を方向に収集される。即ち
、CT値の変化分としてCi (t>=P(x、 y、
t)が集められる。データCi (t)の収集により、
例えばことなる3つの画素について第5図及び第6図中
カーブB、C,Dで示すような3種類の血中造影剤濃度
カーブが得られる。ここで、カーブAは後述する方法で
測定された血管の造影剤の濃度(Cp(t))を示し、
カーブBは血管が多い11Bmにおける造影剤濃度を示
し、カーブCは正常組織における濃度を示す。第6図に
おけるカーブDはN影剤が漏れて9\る組織における造
影剤濃度を示す。
画像解析装置25はCi (t)とCD(t)を用いて
次式よりパラメータKb、λ、vpを最小中 VpCp
(t)      ・・・ (1)但し、Cp(t)は
予め測定された血管中の造影剤の濃度Kbは漏れの速さλは生体組織の隙間の呈Vpは血管の量尚、Cp(t>は次のような方法により求められる。
■頭部の静脈側のCT値の変化を画像ファイルに記憶さ
れている画像から測定する。
■頭部の正常組織のCT値の平均の変化を検出する。正
常組織においては、造影剤は殆んど漏れないので、この
正常組織における11度は血管中の濃度に比例している
。従って、正常組織における濃度は血管中の濃度として
扱うことができる。この場合、濃度はV−Cp (t)
として表わされる。
但し、■は正常組織における血管の体積の比率をホす。
このような計算によると、前記最小二乗方によって求め
られるλ、Kbは変らないが、Vpは少し変ってしまう
。即ち、■として、解剖学的に標準とされている値を使
用する。この場合、Vpの値はVのFl差分だけ誤差と
なる6Vが実際値Vの0倍、即ちC−■となっていると
、Vpの値は実際の値Vpの0倍となる。
これに対して、■を仮に1とすると、Vp=Vp/Vと
なる。即ち、Vpは血管の体積比率ではなく、正常組織
における血管の量Vに比べて何倍の血管が存在するかを
表わす係数となる。これは血管の体積比率よりも価値が
低いが診断を行なうための有効な情報である。
■血液を繰返し採取してこれを科学的に分析し造影剤濃
度を測定する。
■腕の血管と頭部とを同時にスキャンし、それにより得
られる腕の血管のCT値により求める。
■血液を通すシャントチューブを被検体に接続し、この
シャントチューブを頭部と共にスキャンし、シャントチ
ューブのCT値がらCt (t)を求める。
第4図のフローに従った画像解析は全ての画素に対して
繰返し行われる。全ての画素についてパラメータKb、
λ、Vpが画像解析装@25によって求められ、ファン
クショナルイメージを形成する。また、これらのパラメ
ータを組合せて別のファンクショナルイメージを作るこ
とができる。
以下は診断上有用なファンクショナルイメージの幾つか
の例である。
Iλ(X、V)=λ、IKi (x、y)=λxl(1)。
IKb (X、V)=Kb。
tvp (x、y)=VI)。
tpe  (x、  y>= λ x K b /vp
上記ファンクショナルイメージのファクタにおいて、■
λは@胞組織の隙間を表わし、λ=1のとき全てが隙間
であり、λ=0のときには隙間がないことを示すa I
 K iは血管の透過性、Kbは漏れの速さ(時定数の
逆数)、IVpは血管の@、。
つまり所定体積の脳組織に対する血管の吊を示フ91μ
は単位体積当°りの漏れの度合いを示す。
ファンクショナルイメージはコンピュータ24を介して
表示装ff16に表示され、また画像ファイル23に記
憶される。このようにして得られるファンクショナルイ
メージが第7図に示されている。この図において、(a
)はJ Vp、即ち血管の吊、つまり所定体積の脳組織
に対する血管の昂を示す画像、(b)はKb、即ち漏れ
の速さを示す画像、(C)はIKi、即ち血管の透過性
を示す画像、(d)はIλ、即ち細胞!11織の隙間を
示す画像である。
上記説明したようにこの発明によると、造影剤として血
液脳関門(BBB)を通らない一般的なヨード系造影剤
を用い、XCTにより被検体をスキャンし、このCTス
キャンにより得られる画像データから脳血管の状態を容
易に知ることができる。
上記動作において、パラメータを求める方法として下記
のような方法を取ることができる。
(1)式を変形して次式(2)を得る。
但し、xl =)(b×3 たVpX1〜X3を決めると、b、Htcが既知であるので、
パラメータKb、Ki、vpが求まる。
(2)式を変形すると、これによりQiに関する積分方程式が得られる。
Zl =X2 +XI X3Z2=−Xt             ・・・(4)
F3 (t)=Cp  (t)F2 (t)は未知の閏、数Ciを含んでいる。しかし
ながら、ここではy(t)に一致するC1(1)を求め
ることを目的としているのであり、Ciがデータyにか
なり近φと仮定することができる。すなわち、Ci (t)÷y(t>       ・・・(5)そ
こで、F2は次式(6>で近似することがでこれにより
Qiは3つの既知の関数F、F2、F3 に夫々未知の
3つのパラメータZ1、Z2、Zaを掛算し、それらの
結果を加口して得られる値、即ち次式(7)のように求
めることができる。
C1(t)+2 +  F +  (t)  十 Z2
  F z  (t)  ÷ Z、  F、  (t 
)・・・(7)この間数Ci (t)がy (t)に点1=1.,12
、・・・tnにおいて最もよく近似するようにzs 、
Z2 、Zsを決定することが好ましい。そこで、Z】
、Z2 、Zlは線形最小二乗法によって埠出される。
残差二乗和Eは次式で求められる。
E=Σ  (Ci  (tj)−y(tj)!」亀l・・・ (8)即ち、Eを最小とするためには、次式(9)を計算すれ
ば良い。
式(7)及び(8)を用いてこれらの偏微分を具体的に
求めることによって次の三元連立方程式%式%上記方程式を解くことにより(8)式のEを最小にする
Zs 、22 、Zlを求めることができる。
言替えれば、y(t)に最も近似するC1(t>を決め
ることができる。即ち、青られたZr、Z2、Z3から
(4)式の関係を用いてXJ 、 X2 。
×3の値を計算し、これを(2)式に代入すれば、Ci
 (t)が任意のtについて計算できる。
Xj 、X2 、x3の値が算出されたので、(3)式
を逆に利用して、パラメータ)(b、l(i、vpを求
めることができ、またλ=K i/Kb、Pe=Ki/
Vpが計算できる。尚、λ、PeはKb。
Ki、vpから副次的に算出される値である。
上記の計算から明らかなように(1)式は既知の関数が
非線形に組合されていて(1)式に従ってCi (t)
をy (t)に合うようにしようとすると非線形最小二
乗法を用いなけねばならず、このために計算量が大きく
なる。これに対して(6)(7)式のように妥当な近似
を導入することによってこれを線形最小二乗法に帰着し
、計算を著しく簡単にできる。
この発明の診断装置によりBBBの情報を正確に得るた
めにはX線スキャンにおいて患者が動かないように患者
の部位を固定する必要がある。そこで、第8図に示すよ
うに寝台13にヘッドレスト30を固定し、このヘッド
レスト30に患者の頭部が載置され、頭部がバンド31
により確実にヘッドレスト30に固定する。更に、顎当
て板32が患者の顎を固定するために寝台13に取付け
られる。、′gA部はヘッドレスト30と顎当て板32
によって固定することができるが、1=0のときの画像
をtjにおける画像から減算することによって造影剤の
濃度分布を求めるのであるから患者が動くと正しい濃度
分布が求められない。そこで、患者がバンドなどで確実
に固定される。
上記のように患者を寝台に固定しても緩み等により患者
が動いてしまっても、患者の動き量を検出し、画像処理
において画像の位置を修正することができる。
上記実施例では、1つのスライス領域を数回スキャンし
、複数のファンクショナルイメージを得ているが、複数
のスライス領域を同時にスキャンし、各スライス領域の
複数のファンクショナルイメージを得るようにしてもよ
い。
また、このようにして得られた複数のスライスに関する
一連のファンクショナルイメージを三次元化し、血管の
分布などを三次元像により表示できるようにしてもよい
。
更に、マルチスライス、即ち所定部位を所定間隔で複数
スライスし、これにより得られる複数のファンクショナ
ルイメージから所定部位の中のパラメータの積分を測定
することができる。即ち、全てのイメージにつ(\て関
心領域中に入る全ての画素を持つ値が累積され、この総
和を3iとすると、次式により積分Vが求められる。
■=Σ 3iXΔh×ΔP2  ・・・(11)’li但し、kはスライスの数、Δhはスライスの間隔(nn
)、ΔPはビクセル寸i1!(III)例えば、ファン
クショナルイメージIVpにこれを適用すると、腫瘍内
の血管の体積が測定できる。また、ファンクショナルイ
メージ1λにこれを適用し、さらに次式を用いると、m
腐肉の細胞の隙間の割合いの平均を求めることができる
。
従来ダイナミックCT画件の解析に用いられているガン
マフイツチングによると、血液が生体組織に入ってから
出ていく間での時間、すなわち平均通過時間を求めるこ
とができる。ガンマフイツチングによって測定された血
液の平均通過時間下mと、この発明によって測定された
Voとを組合せることによってVp/Tmから局所平均
血流量を求めることができる。
尚、上記実施例では、脳のBBBの状態を測定するもの
として説明したが、この発明は肝臓等信の部位の状態を
測定するために用いることができる。
[発明の効果Jこの発明によると、造形剤としてヨード系造影剤等の一
般的な造影剤を用い、XCTによりCTスキャンするの
で、高解像度の診断画体が得られ、安全かつ安価な血管
透過性状態診断装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】第1図はこの発明の一実施例に従ったXCTによる診断
装置の概略構成図、第2図は第1図の診Wfx装置のブ
ロック回路図、第3図はX線スキャンによって得られる
断層像を示す図、第4図はこの発明の診断装置の動作を
説明するフローチャート図、第5図及び第6図は種々の
血管状態において得られる造影剤9度カーブを示す図、
第7図はファンクショナルイメージを示す図、そして第
8図は患者を固定する状態を示す図である。12・・・ガントリ、12x・・・Xs!スキャナ、1
4・・・インジェクタ、16・・・表示装置、21・・
・データ収i装置、22・・・画像再構成装置、23・
・・画像ファイル、24・・・コンピュータ、25・・
・画像解析装M。出願人代理人 弁理士 鈴 江 武 彦悄図図面の浄書(内容l二変ytc戸(a)(b)(c)(d)手続ネ1i正書(方式)%式%1、事件の表示特願昭63−261987号2、発明の名称X線CT装置を用いた診断装置3、補正をする者事件との関係 特許出願人(307)株式会社 東 芝4、代理人5、補正命令の日イ1    平成元年1月31日6、
補正の対象図 面(企図)7、補正の内容