【発明の詳細な説明】(産業上の利用分野)本発明はコンデンサー容量測定方式を採用したガス中の
露点温度を連続的に測定する電気容量型湿度計に関する
ものであ°る。
(従来の技術)従来に於いては、単一の電気容量型湿度センサーを用イ
て単一個所の湿度を検出測定しているが該センサーによ
る測定指示値が一応正しいと信じているものの実際に正
しいのか否か、例へばセンサーが故障しているためにも
かかわらず一定の誤った指示値を出力している場合もあ
り、その指示値の信頼性に問題があった。
(技術的課題)而して、本発明は従来技術の欠点に鑑みなされたもので
、電気容量型湿度センサーによる検出測定値の信頼性を
向上せしめることを技術的課題とするものである。
(技術的手段)本発明では上記の技術的課題を解決するために、水蒸気
を感知する電気容量型湿度センサーの導体面を2以上の
複数個の容量測定ゾーンに適宜の形状に分割し、該分割
したゾーンよりの出力電気信号を冗長システム回路に入
力すべく成したものである。
具体的には図示の実施例に示す如く下記の構成となる。
第一の実施例(第1図乃至第5図)について。
1は電気容量型の湿度センサー本体で全体形状を円筒型
に形成しである。 2は中空円筒状の金属アルミニウム
から成る基質層であり、後述する如く湿度センサー本体
1のコモン電極(共通電極)2Aを形成するものである
。 3は外表面に多数の吸着孔3Aを有する多孔性の誘
電性吸湿層であり、ガス中の水蒸気分子が脱吸着するこ
とにより誘電率が可変するように成っている。 又、こ
の誘電性吸湿層3は前記円筒状の基質層2表面に陽極酸
化により絶縁性の良好な多孔質の酸化アルミ薄膜を形成
することにより構成しである。 4は多孔質導電性の導
体面であり、前記誘電性吸湿層3上から金等の薄い蒸着
膜を形成してあり、従って、前記基質層2と導体面4と
によって誘電性吸湿層3をサンドイッチ状に挟んで湿度
センサー本体1を構成している。
又、この誘電性吸湿層3と導体面4との厚幅は略10乃
至数10ミクロン単位に形成しである。
5は前記導体面4を同一間隔に等分割して導体面4を夫
々3つの同一面積を有するように分割構成すべく成した
間隙である。
而して、夫々同一面積を有する3つの容量測定ゾーン(
6A 、6B 、6C)を構成することとなる。
本実施例に於いてはこの間隙5を3木とも湿度センサー
本体1の円筒軸線方向に沿って並行になるように位置付
けしてあり、従って、1本のセンサーと同一容積で奇数
個3個のほぼ等価のセンサーが出来るようにしである。
 又、本実施例では容量測定ゾーン(6A 、6B 、
6C)を3つに分割構成したが、これに限定されること
なく2個以上であればよい。
7は冗長システム回路であり並列冗長、2outof2
冗長、待機冗長、2out  of3冗長等の種々の冗
長がある。 本実施例ではツーアウトオブスリ一方式即
ち2/3多数決選択方式を採用して全システムの信頼度
を向上すべく冗長化を図った測定手段を採用しである。
 前記した導体面4の夫々分割した3つの容量測定ゾー
ン(6A 、6B 、6C)とそこから夫々1本ずつ接
続して引き出した信号リードケーブル(8A 、8B 
、8C)を前記した冗長システム回路7に信号導線(8
0A、80B、80C)を介して接続せしめると共にコ
モン電極2Aと接続したコモンケーブル9も前記冗長シ
ステム回路7に接続しである。(第5図参照)第4図、第5図は信号リードケーブル(8A、8B、8
C)と各容量測定ゾーン(6A 、6B 、6C)との
接続例を具体的に示したものであり、IOはテフロン、
ネオプレンゴム等から成る絶縁性のバンドで各信号リー
ドケーブル(8A 、8B 、8C)の裸銅線部(ll
A、IIB、IIC)を容量測定ゾーン(6A 、8B
 、6C)に接触固定するものである。
12はガラス又はセラミック製のハーメチック基板で導
体13を埋設突出せしめてハーメチックシール構造体1
4を形成しである。 このハーメチックシール構造体1
4は第5図に示す如くコモン電極2Aである金属アルミ
ニウムの中空円筒状の縁部15とフランジ16との間に
Oリング17を、介してフランジ用ねじ18により密圧
着しである。
本実施例ではハーメチックシール構造体14を0リング
17を採用してフランジねじ18により密圧着しである
が、これに限定されるものではなく、ろう付け、接着剤
等の手段を用いてもよいことは勿論である。  19は
ろう付は部分である。  20は絶縁被覆材でゴム等を
採用してあり湿度センサー本体1を取付は金具21に装
着する際に有効である。
22及び23はテフロンリング、24及び25は締付は
ナツト、26はコモン接続端子、27はテフロンリング
、28は螺条部である。 又、前記した種々の冗長シス
テム回路7のうち、本実施例で採用した2out  o
f3方式の3個のセンサーの内、2個のセンサーの指示
値が等しければ1個が故障して別の指示値を示していて
もこれを無視して、2個の指示値を採用するものである
。 27は電気容量測定器、28は警報器である。
(作 用)上記の技術的手段は下記の如く作用する。
被測定ガスが容量測定ゾーンの周囲を流れると各容量測
定ゾーン(6A 、8B 、6C)によって湿度が検出
測定され、その測定信号は信号リードケーブル(8A、
8B 、8C) 、導体13、信号導線(80A、80
B、80C)を通して冗長システム回路7の各端子(A
 、 B 、 C)へと送られる。
然る時、容量測定ゾーン(6A、8B、8C)(7)内
何れか2つの容量測定ゾーンの測定値が許容誤差の範囲
で等しい場合は他の1つが違っていても冗長システム回
路7による出力信号が多数、決選択により電気容量測定
器27に、等しい2つの測定値が正しいものとして表示
される。 又、3つの容量測定ゾーン(6A 、6B 
、6C)による測定値が全て不一致の場合は前記冗長シ
ステム回路7からの出力信号は表示されないで警報器2
8を作動する。
尚、警報器28として赤ランプを点灯するようにしても
良い。
而して、本実施例の場合は奇数個の容量測定ゾーン(6
A、6B 、6C)の多数決選択によって測定値を指示
すべく成したので誤差の介入が殆んどなくシステム全体
の信頼性が向上するものである。
尚、以下に述べる他の実施例に於いて、第一の実施例と
同じ部分には同じ番号を附しである。
第二の実施例(第6図乃至87図)について。
本実施例の特徴は導体面4を分割する間隙5をその円筒
軸線に沿って且つ螺線状に設けた点にあり、被測定ガス
の接触確率を均等によるようにしたものである。
第三の実施例(第8図)について。
本実施例の特徴は導体面4上の間隙5をその円筒軸線に
直角な円筒円周状に沿って並設せしめ、はぼ同一表面積
を有する容量測定ゾーンとして輪切り円筒状に等分割し
た点にある。
(効 果)而して、本発明は第一乃至第三の実施例に基き下記の如
き特有の効果を有するものである。
(a)湿度センサー本体の導体面を2個以上の容量測定
ゾーンに分割し、夫々の容量測定ゾーンからの信号を冗
長システム回路へ入力せしめたので、1本のセンサーと
ほとんど同一の容積で2個以上のセンサーができ、且つ
同一個所に2個以上のセンサーがあるので測定誤差の介
入が極力低減できシステム全体としての信頼度が向上す
る。 又、製作も簡単容易である。
(b)冗長システムの採用によりセンサーの寿命が格段
に延長できる。
(C)冗長システム回路を種々勘案して選択できその選
択自由度が大となる。
【図面の簡単な説明】第1図乃至第5図は本発明の第一の実施例を示し、第1
図は湿度センサー本体の要部の一部拡大断面図、第2図
は湿度センサー本体の平面図、第3図は第2図の斜視図
で原理的説明図である。 第4図は湿度センサー本体の
要部の具体的斜視図、第5図は第4図の具体的縦断側面
図である。 第6図乃至第7図は本発明の第二の実施例
を示し、第6図は全体斜視図、第7図は導体面の全体展
開図である。第8図は本発明の第三の実施例を示す全体斜視図である
。l・・・湿度センサー本体 2A・、・・コモン電極4
φ・・導体面 5・・・間隙 6A 、 6B 、 6
C・・・容量測定ゾーン 7・・・冗長システム回路特
許出願人  株式会社テクネ祥行