本発明の実施形態は、配管検査装置および配管検査方法に関する。 Embodiments described herein relate generally to a pipe inspection apparatus and a pipe inspection method.
配管の減肉や腐食の検査は、例えば、超音波探傷法を用いて行われる。超音波探傷法では、被試験体の表面に超音波を送受信する探触子を押し当て、被試験体内部に各種周波数の超音波を伝播させる。そして、被試験体内部の欠陥や被試験体の裏面で反射して戻ってきた超音波(エコー)を受信し、被試験体内部の状態を把握する。欠陥の位置は、超音波の送信から受信までに要する時間から測定され、欠陥の大きさは、受信したエコーの強度や欠陥エコーの出現する範囲の測定により算出される。 Inspection of pipe thinning and corrosion is performed using, for example, an ultrasonic flaw detection method. In the ultrasonic flaw detection method, a probe that transmits and receives ultrasonic waves is pressed against the surface of a test object, and ultrasonic waves of various frequencies are propagated inside the test object. And the ultrasonic wave (echo) which reflected and returned by the defect in a to-be-tested object and the back surface of a to-be-tested object is received, and the state inside a to-be-tested object is grasped | ascertained. The position of the defect is measured from the time required from transmission to reception of the ultrasonic wave, and the size of the defect is calculated by measuring the intensity of the received echo and the range where the defect echo appears.
超音波による検査法は、原子力発電プラントにおいて、素材の板厚の測定や、ラミネーションなどの溶接欠陥の検出に用いられている。また、原子炉圧力容器回りのノズル開口部、ブランチ、配管継手を補強する溶接肉盛部の検査においても、超音波による検査法が用いられている。 Ultrasonic inspection methods are used in nuclear power plants to measure the thickness of materials and to detect welding defects such as lamination. In addition, an ultrasonic inspection method is also used in the inspection of the weld overlay that reinforces the nozzle openings, branches, and pipe joints around the reactor pressure vessel.
発電プラントでは、流れ加速型腐食(FAC:Flow Accelerated Corrosion)やエロージョンなどにより、配管のエルボ部やオリフィス部の下流側などに減肉が生じやすい傾向がある。このような知見に基づいて、配管減肉管理に関する規格(発電用設備規格JSME S CA1-2005)が日本機械学会(JSME)により策定されている。この規格によれば、配管減肉管理は、超音波肉厚測定器を用いた配管肉厚測定により行われる。しかしながら、この手法は、肉厚測定のたびに配管を覆う断熱材を解体、復旧する必要があるため、多大な時間とコストを要する。 In power plants, there is a tendency for thinning to occur easily in the elbow part of the piping or the downstream side of the orifice part due to FAC (Flow Accelerated Corrosion) or erosion. Based on such knowledge, a standard (JSME S CA1-2005) for pipe thinning management has been established by the Japan Society of Mechanical Engineers (JSME). According to this standard, pipe thickness reduction management is performed by pipe thickness measurement using an ultrasonic thickness measuring instrument. However, this method requires a great deal of time and cost because it is necessary to disassemble and restore the heat insulating material covering the pipe every time the wall thickness is measured.
そこで、低コストの減肉管理を実現するため、埋め込み型の定点測定用センサが開発されている。例えば、電磁超音波発振子(EMAT:Electro Magnetic Acoustic Transducer)と光ファイバセンサとを組み合わせた超音波光プローブを使用する光ファイバEMAT法が知られている。電磁超音波発振子は、電磁力の作用により配管内に超音波を励起する発振子である。光ファイバセンサは、励起された超音波の共振波をレーザ光により検出するためのセンサである。光ファイバEMAT法では、このレーザ光の検出結果を解析することにより、配管の肉厚や配管内部の欠陥の情報を得ることができる。 Therefore, in order to realize low-cost thinning management, an embedded type fixed point measuring sensor has been developed. For example, an optical fiber EMAT method using an ultrasonic optical probe in which an electromagnetic ultrasonic transducer (EMAT) and an optical fiber sensor are combined is known. The electromagnetic ultrasonic oscillator is an oscillator that excites ultrasonic waves in a pipe by the action of electromagnetic force. The optical fiber sensor is a sensor for detecting a resonance wave of an excited ultrasonic wave with a laser beam. In the optical fiber EMAT method, by analyzing the detection result of the laser light, information on the thickness of the pipe and defects inside the pipe can be obtained.
図1は、マトリクス定点法および3D−UT全面探傷法について説明するための斜視図である。図2は、配管減肉現象について説明するための断面図である。 FIG. 1 is a perspective view for explaining a matrix fixed point method and a 3D-UT whole surface flaw detection method. FIG. 2 is a cross-sectional view for explaining the pipe thinning phenomenon.
JSMEの減肉管理規格要求では、図1(a)に示すように、配管1のFACを検出するために、マトリクス定点における配管1の肉厚を測定するのみでよい。図1(a)は、サイズが150A以上の配管1のエルボ部1aを示している。JSMEの配管減肉規格によれば、配管1のサイズが150A以上の場合、測定点P間の軸方向ピッチは配管外径以下の長さに設定され、配管1の周方向には1周あたり8個(45°ピッチ)の測定点Pが設けられる。配管1の肉厚は、測定点Pに板厚センサ3を押し当てることで測定される。 In the JSME thinning management standard request, as shown in FIG. 1A, in order to detect the FAC of the
しかしながら、実際の発電プラントの配管1では、図2に示すように、FAC4だけでなく、LDI(Liquid Droplet Impingement:液滴衝撃エロージョン)2と呼ばれるピンホール状の局部減肉が発生している。図2は、オリフィス部1bの下流に位置するエルボ部1aを示している。マトリクス定点のみでのUT測定では、このようなLDI2を見逃す恐れがある。 However, in the actual
そこで、発電事業者は、LDI2が発生する可能性の高いエルボ部1aについて、UT全面探傷による検知漏れのない肉厚測定を管理指針に追加する方針を示している。UT全面探傷は、図1(b)に矢印Sで示すように、板厚センサ3を機械走査する3D−UT全面探傷法で実行できる。しかしながら、3D−UT全面探傷法では、走査機構の設置や調整に長い時間がかかる。そのため、短時間で簡易にエルボ部1aを全面探傷できる配管検査方法が必要とされている。 Therefore, the power generation company has indicated a policy of adding to the management guideline a thickness measurement that does not cause a detection omission due to the UT entire surface flaw detection for the
光ファイバEMAT法では、配管1の表面に複数の超音波光プローブを取り付け、これらの超音波光プローブの設置箇所の配管1の肉厚を測定する。しかしながら、従来の光ファイバEMAT法では、超音波光プローブの設置箇所の直下の配管1の肉厚しか測定することができない。よって、光ファイバEMAT法では、配管1のLDI2の検出漏れが生じる可能性がある。そのため、配管1のFAC4とLDI2とを高精度に検出できる配管検査方法が必要とされている。 In the optical fiber EMAT method, a plurality of ultrasonic optical probes are attached to the surface of the
そこで、本発明は、超音波光プローブの設置箇所以外の場所における配管の状態を検査可能な配管検査装置および配管検査方法を提供することを課題とする。 Then, this invention makes it a subject to provide the piping inspection apparatus and piping inspection method which can test | inspect the state of piping in places other than the installation location of an ultrasonic optical probe.
一の実施形態によれば、配管検査装置は、配管に取り付けられた複数の超音波光プローブの中から第1および第2の超音波光プローブを選択する選択部を備える。さらに、前記装置は、前記第1の超音波光プローブの超音波発振子に電力を供給して、前記超音波発振子から前記配管に超音波を入力し、前記超音波を前記配管を介して前記第2の超音波光プローブの光ファイバセンサに供給する電力供給部を備える。さらに、前記装置は、前記第2の超音波光プローブの前記光ファイバセンサ中を透過したレーザ光を検出する光検出部を備える。 According to one embodiment, the pipe inspection apparatus includes a selection unit that selects the first and second ultrasonic optical probes from a plurality of ultrasonic optical probes attached to the pipe. Further, the apparatus supplies power to the ultrasonic oscillator of the first ultrasonic optical probe, inputs ultrasonic waves from the ultrasonic oscillator to the pipe, and transmits the ultrasonic waves through the pipe. A power supply unit configured to supply the optical fiber sensor of the second ultrasonic optical probe; The apparatus further includes a light detection unit that detects laser light transmitted through the optical fiber sensor of the second ultrasonic optical probe.
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。 Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態の配管検査システムの構成を示す概略図である。(First embodiment)
FIG. 3 is a schematic diagram illustrating a configuration of the pipe inspection system according to the first embodiment.
図3の配管検査システムは、配管1の表面に取り付けられた複数の超音波光プローブ5と、配管検査装置6と、コンピュータ7とを備えている。図3は、これらの超音波光プローブ5のうちの1つを示している。配管1の例は、原子力発電プラントや、火力発電プラントや、地熱発電プラント内の配管や、パイプラインや水道管を構成する配管である。 The pipe inspection system of FIG. 3 includes a plurality of ultrasonic
各超音波光プローブ5は、電磁超音波発振子(以下「EMAT」と呼ぶ)11と、光ファイバセンサ12とを備えている。配管検査装置6は、光源21と、光干渉計22と、波形信号発生器23と、増幅器24と、電気スイッチ25と、光スイッチ26と、モードスイッチ27とを備えている。光干渉計22は、光検出部の例である。波形信号発生器23および増幅器24は、電力供給部の例である。電気スイッチ25、光スイッチ26、およびモードスイッチ27は、選択部の例である。また、電気スイッチ25と光スイッチ26はそれぞれ、第1および第2スイッチの例である。 Each ultrasonic
EMAT11は、光ファイバセンサ12を介して配管1に取り付けられており、電磁力の作用により配管1内に超音波を励起する。光ファイバセンサ12は、線状の光ファイバが渦巻状(蚊取り線香状)に巻かれて可撓性を有する円形平板になっており、励起された超音波の共振波をレーザ光により検出するために使用される。この円形平板は例えば、5円玉硬貨と同程度のサイズを有している。 The
波形信号発生器23と増幅器24は、コンピュータ7による制御のもと、高周波電流を発生および増幅させ、EMAT11に供給する。これにより、EMAT11に電力が供給される。光源21は、基準レーザ光を発生させ、光ファイバセンサ12に供給する。光干渉計22は、光ファイバセンサ12中を透過した基準レーザ光の変動を検出する。 The
コンピュータ7は、配管1の腐食や減肉など、配管1の劣化に関する判定閾値が格納された診断データベースを有している。コンピュータ7は、光干渉計22から受信した原波形の検出結果や、この原波形に信号処理を施した処理結果を、診断データベース内のデータと照合して、配管1の劣化度を判定する。 The
図3の配管検査システムは、第1の光ファイバ31と、第2の光ファイバ32と、電源線33とを備えている。第1の光ファイバ31は、光源21から各超音波光プローブ5の光ファイバセンサ12にレーザ光を伝達するために使用され、第2の光ファイバ32は、各超音波光プローブ5の光ファイバセンサ12から光干渉計22にレーザ光を伝達するために使用される。電源線33は、増幅器24から各超音波光プローブ5のEMAT11に高周波電流を供給するために使用される。 The piping inspection system in FIG. 3 includes a first
配管検査装置6は、電源線33上に設けられた電気スイッチ25と、第2の光ファイバ32上に設けられた光スイッチ26と、第1および第2の光ファイバ31、32に接続されたモードスイッチ27とを備えている。なお、光スイッチ26は、第1の光ファイバ31上に設けられていてもよいし、第1および第2の光ファイバ31、32上に設けられていてもよい。 The
電気スイッチ25は、複数の超音波光プローブ5の中から、増幅器24に接続する超音波光プローブ5を選択するために使用される。電気スイッチ25によりある超音波光プローブ5が選択されると、増幅器24からその超音波光プローブ5のEMAT11に高周波電流が供給される。本実施形態の電気スイッチ25は、96チャンネルを有し、96個の超音波光プローブ5を制御可能である。 The
光スイッチ26は、複数の超音波光プローブ5の中から、光干渉計22に接続する超音波光プローブ5を選択するために使用される。光スイッチ26によりある超音波光プローブ5が選択されると、その超音波光プローブ5の光ファイバセンサ12から光干渉計22にレーザ光が供給される。本実施形態の光スイッチ26は、32チャンネルを有し、32個の超音波光プローブ5を制御可能である。 The
モードスイッチ27は、複線化された第1および第2の光ファイバ31、32に接続された超音波光プローブ5と、単線化された光ファイバ41(図10)に接続された超音波光プローブ5との切り替え用に使用される。モードスイッチ27の詳細は後述する。 The
なお、本実施形態の電気スイッチ25、光スイッチ26、およびモードスイッチ27の制御は、コンピュータ7により行われる。 Note that the
図4は、第1実施形態の各超音波光プローブ5の構成を示す概略図である。 FIG. 4 is a schematic diagram showing the configuration of each ultrasonic
EMAT11は、永久磁石A1と電気コイルA2とを備えている。永久磁石A1と電気コイルA2は、樹脂シート13を介して一体化されている。 The
永久磁石A1の耐熱性や耐久性を支配する要素としては、永久磁石A1の材質がある。耐熱性のよい永久磁石A1の材質の例は、サマリウムコバルトである。サマリウムコバルトの減磁点は350℃〜400℃の間にあるため、サマリウムコバルトの永久磁石A1を高温で使用する場合には、350℃以下で使用することが望ましい。 As a factor governing the heat resistance and durability of the permanent magnet A1, there is a material of the permanent magnet A1. An example of the material of the permanent magnet A1 having good heat resistance is samarium cobalt. Since the demagnetization point of samarium cobalt is between 350 ° C. and 400 ° C., when the samarium cobalt permanent magnet A1 is used at a high temperature, it is desirable to use it at 350 ° C. or less.
また、コバルトを希少金属と考える観点から、コバルトの代替材料を使用した永久磁石A1も開発され始めている。例えば、サマリウム鉄系(Sm−Fe−N系など)の永久磁石A1が、ボンド磁石として商品化されている。高温アプリケーションである光ファイバEMAT法を実行するために、永久磁石A1としてサマリウム鉄系の焼結磁石を使用すれば、より安価で環境にやさしい超音波光プローブ5を実現することができる。 Further, from the viewpoint of considering cobalt as a rare metal, a permanent magnet A1 using an alternative material for cobalt has also been developed. For example, a samarium iron-based (Sm—Fe—N-based) permanent magnet A1 has been commercialized as a bonded magnet. If a samarium iron-based sintered magnet is used as the permanent magnet A1 in order to execute the optical fiber EMAT method which is a high temperature application, the ultrasonic
電気コイルA2には、増幅器24から高周波電流が供給される。その結果、電気コイルA2内の電磁誘導で発生するローレンツ力や磁歪により、配管1の内部に超音波が励起される。なお、高周波電流は、コンピュータ7による波形信号発生器23および増幅器24の制御により、所定の周波数および振幅を有するように調整される。電気コイルA2は、環形状に巻かれて円形平板になっている。 A high frequency current is supplied from the
光ファイバセンサ12は、樹脂シート13と接着剤14により、EMAT11と一体化されている。また、超音波光プローブ5は、接着剤14により、測定対象の配管1に接着されている。 The
EMAT11から配管1に超音波を入力すると、この超音波の一部が光ファイバセンサ12に到達する。ここで、光源21からの基準レーザ光が光ファイバセンサ12に入力されている状態で、光ファイバセンサ12に超音波が到達すると、光ファイバセンサ12が超音波の影響で微小に伸縮し、基準レーザ光にドップラー周波数のシフトや偏波面の変動が生じる。 When an ultrasonic wave is input from the
光干渉計22は、この光ファイバセンサ12中を透過してきた基準レーザ光を光電変換して計測することで、この変動を検出する。このように、光干渉計22は、超音波の肉厚方向の共振状態を、基準レーザ光の検出を通して検出することができる。コンピュータ7は、光干渉計22による基準レーザ光の検出結果に基づいて、配管1の状態を判定することができる。 The
このように、EMAT11から配管1に入力された超音波は、配管1を介して光ファイバセンサ12に供給される。 As described above, the ultrasonic wave input from the
この際、本実施形態の配管検査システムは、EMAT11から同じ超音波光プローブ5の光ファイバセンサ12に超音波を供給し、この光ファイバセンサ12中を透過した基準レーザ光を光干渉計22により検出することができる。この場合、電気スイッチ25と光スイッチ26は、同じ超音波光プローブ5を選択する。コンピュータ7は、この基準レーザ光の検出結果に基づいて、この超音波光プローブ5の設置箇所の直下の配管1の状態を判定することができる。 At this time, the pipe inspection system of this embodiment supplies ultrasonic waves from the
一方、本実施形態の配管検査システムは、EMAT11から異なる超音波光プローブ5の光ファイバセンサ12に超音波を供給し、この光ファイバセンサ12中を透過した基準レーザ光を光干渉計22により検出することもできる。この場合、電気スイッチ25と光スイッチ26は、異なる超音波光プローブ5を選択する。電気スイッチ25により選択される超音波光プローブ5は、第1の超音波光プローブの例であり、光スイッチ26により選択される超音波光プローブ5は、第2の超音波光プローブの例である。コンピュータ7は、この基準レーザ光の検出結果に基づいて、これらの超音波光プローブ5の設置箇所以外の場所の配管1の状態を判定することができる。この処理の詳細は後述する。 On the other hand, the pipe inspection system of this embodiment supplies ultrasonic waves from the
超音波光プローブ5は、EMAT11の形状を図4のような単純な形状としても、肉厚計測上は十分な信号強度が得られる。肉厚計測の精度や感度を左右する要因としては、EMAT11の発振パワーと、光ファイバセンサ12の配管1への密着度が挙げられる。そのため、高温下での永久磁石A1の磁力と、光ファイバセンサ12と配管1との接合部の信頼性(耐久性)が重要となる。 The ultrasonic
永久磁石A1の磁力に関しては、高温用の耐熱性の永久磁石A1を使いこれを鍍金することにより、永久磁石A1の酸化を防ぐ方法がある。鍍金した高温用の永久磁石A1と、ポリイミドコーティングの電気コイルA2とを使うことで、EMAT11の発振パワーを高温下でも保持することができる。 Regarding the magnetic force of the permanent magnet A1, there is a method of preventing oxidation of the permanent magnet A1 by using a heat-resistant permanent magnet A1 for high temperature and plating it. By using the plated high-temperature permanent magnet A1 and the polyimide-coated electric coil A2, the oscillation power of the
一方、光ファイバセンサ12と配管1との接合方法の例は、高温接着剤による接着や、溶射などである。光ファイバセンサ12は、配管1の表面形状や曲率などに合わせて配管1の表面に密着させるように配置し、接着や溶射により配管1の表面に固定することが望ましい。この際、光ファイバセンサ12と配管1は、直接密着させてもよいし、フレキシブルシートなどの間接材を介して密着させてもよい。後者の場合、接合強度が高くなることで耐熱性や耐久性などの信頼性を長期に渡って向上させることや、施工が容易なため安価な材料で接合を行うことが可能となる。 On the other hand, examples of the method for joining the
ポリイミドコーティングの光ファイバセンサ12を接着する場合には、ポリイミド系の接着剤が長期信頼性がよく、エポキシ系やシリコン系の接着剤は比較的劣化が早い傾向がある。ポリイミドコーティングの光ファイバセンサ12を金属製の配管1に接合する際には、ポリイミド系の接着剤を使用して真空含浸法にて接着することが望ましい。 When bonding the polyimide-coated
真空含浸法ではまず、光ファイバセンサ12を、接着剤を含浸させたガラスクロスで挟む。次に、これを面状ヒーターまたはラバーヒーターと一緒に配管1の表面に真空パックして大気圧で押し付けつつ、ヒーターの温度調整により所定の加熱硬化を行う。次に、硬化および接着後に、リリースフィルム、ブリーザー、ヒーター、パックフィルムなどを、ガラスクロスの表面から取り外す。 In the vacuum impregnation method, first, the
また、光ファイバセンサ12は、次の手順で作製可能である。まず、耐熱性コーティングファイバを渦巻状に巻く。次に、渦巻状に巻いた耐熱性コーティングファイバを、ポリイミドなどの耐熱材からなるフレキシブルシート上に、ポリイミドワニスを用いて固定する。なお、光ファイバセンサ12は、このフレキシブルシートと一緒に接着剤を含浸したガラスクロスに挟んでもよいし、直接ガラスクロスに挟んでもよい。 The
また、ポリイミド系の接着剤の代わりに、金属粉を配合したセラミックス系の接着剤を使用してもよい。金属粉を配合したセラミックス系の接着剤には、施工性と耐久性の良いものあることが確認されている。このような接着剤を用いる場合、光ファイバセンサ12を配管1の表面において単純に接着剤を塗布して保持し、接着剤を室温硬化させることにより、十分な接合強度を得られる。この場合、光ファイバセンサ12と配管1の間にガラスクロスを介在させてもよいし、介在させなくてもよい。 Moreover, you may use the ceramic type adhesive agent which mix | blended the metal powder instead of the polyimide-type adhesive agent. It has been confirmed that ceramic adhesives containing metal powder have good workability and durability. When such an adhesive is used, sufficient bonding strength can be obtained by simply applying and holding the
図5は、第1実施形態の超音波光プローブ5の配管1への取り付け例を示す概略図である。 FIG. 5 is a schematic diagram illustrating an example of attachment of the ultrasonic
本実施形態では、複数の超音波光プローブ5を配管1の外面に取り付け、配管1の内面と外面から多重反射した共振超音波信号をコンピュータ7により解析することで、配管1の肉厚を測定する。配管1の材質は、例えば炭素鋼である。本実施形態では、超音波光プローブ5をあらかじめ配管1と断熱材(保温材)8との間に埋め込んでおくことで、肉厚測定(劣化度判定)をオンラインで行うことが可能となる。本実施形態によれば、肉厚測定のたびに断熱材8を解体、復旧する必要がないため、発電プラントの安全性や設備稼働率を高めることができる。 In the present embodiment, the thickness of the
配管減肉管理規格では、配管1の肉厚測定点の位置が、配管1の径に応じて決められている。配管1のサイズが150A(外径:約165mm)以上の場合は、配管1の周方向に8箇所(45°間隔)と決められている。また、配管1のサイズが150A未満の場合は、配管1の周方向に4箇所(90°間隔)と決められている。図5は、前者の場合の例を示している。なお、配管1の軸方向については、配管1の外径長さ以下の間隔で配管1の肉厚測定点を設定することが決められている。 In the pipe thinning management standard, the position of the thickness measurement point of the
これらの超音波光プローブ5を用いて配管1の肉厚を測定する方法を説明する。 A method for measuring the thickness of the
EMAT11の電気コイルA2は、高周波電流が流れると、配管1を振動させ、配管1内に超音波を発生させる。この際、コンピュータ7は、波形信号発生器23を通じて高周波電流の周波数を変化させることにより、超音波の周波数を所望の周波数帯域でスイープさせる。 When a high-frequency current flows, the electric coil A2 of the
配管1内の超音波は、光ファイバセンサ12に伝播する。光ファイバセンサ12に基準レーザ光が入力されている状態で光ファイバセンサ12に超音波が到達すると、基準レーザ光にドップラー周波数のシフトや偏波面の変動が生じる。この変動値(伸縮速度)を光干渉計2bが光電変換により電圧値に変換することで、配管1内を伝播する超音波の周波数を計測することが可能となる。 The ultrasonic waves in the
配管1の肉厚dと、配管1内の超音波の波長λとの間に、λ=2dの関係が成り立つとき、超音波の入射波と反射波とが共振し、これらの合成波の振幅が大きくなる。この関係は、配管1内の超音波の周波数fと音速vを用いて、f=v/2dと表すことができる。よって、共振発生時の超音波の周波数fと音速vとが得られれば、配管1の肉厚dを求めることができる。 When the relationship of λ = 2d is established between the thickness d of the
そこで、本実施形態では、配管1の肉厚dを測定する際、超音波の周波数を所望の周波数帯域でスイープさせ、共振周波数fを測定する。一方、音速vは、配管1の材質から算出可能である。よって、本実施形態では、測定された共振周波数fと、算出された音速vとを用いて、配管1の肉厚dを導出することができる。 Therefore, in this embodiment, when measuring the wall thickness d of the
例えば、肉厚15mmの鋼製の配管1の場合、200kHzの超音波を入力すると共振が生じる。本実施形態によれば、配管1が鋼製であることと、共振周波数fが200kHzであることが分かれば、配管1の肉厚dが15mmであることを決定できる。 For example, in the case of a
本実施形態の超音波光プローブ5は、原子力発電所や火力発電所の配管1のエルボ部やオリフィス部の下流側など、統計的に減肉しやすいと考えられる箇所や、地熱発電所配管や水道管を構成する配管1の閉塞を起こしやすい箇所等に取り付けることが望ましい。また、本実施形態の波形信号発生器23は、配管1内に発生させる振動の周波数を、配管1の厚さに応じて1Hz〜10MHzの任意の周波数に設定可能なように構成することが望ましい。また、本実施形態のコンピュータ7は、光干渉計22を介して、周波数20kHz〜10MHzの超音波振動だけでなく、周波数1Hz〜20kHzの非超音波振動も検出可能なように構成することが望ましい。 The ultrasonic
図5は、第2の光ファイバ32を示している。第1および第2の光ファイバ31、32は、表面が露出していてもよいし、樹脂シートやフレキシブルシート材などの部材で挟まれていてもよいし、これらの組み合わせで構成されていてもよい。また、第1および第2の光ファイバ31、32とこれらを挟む部材との間の隙間には、接着剤が充填されていてもよい。 FIG. 5 shows the second
(1)第1実施形態の配管検査方法
図6は、第1実施形態の配管検査方法を説明するための断面図および側面図である。(1) Pipe Inspection Method of First Embodiment FIG. 6 is a cross-sectional view and a side view for explaining the pipe inspection method of the first embodiment.
図6(a)および図6(b)は、配管1の1本分のスプールの断面および側面を示している。具体的には、JSMEの発電用火力設備規格(JSME S CA1-2009年)に従い、150A以上のサイズを有する配管1に4列の超音波光プローブ5を設置した例を示している。各列は、8つの超音波光プローブ5を等間隔に含んでいる。これらの列間の距離は、配管1の直径(外径)φと同じ値に設定されている。この例では、このように32個の超音波光プローブ5が配管1の各スプールに設置されている。 FIG. 6A and FIG. 6B show a cross section and a side surface of one spool of the
本実施形態の配管検査システムは通常、EMAT11から同じ超音波光プローブ5の光ファイバセンサ12に超音波を供給し、この光ファイバセンサ12中を透過した基準レーザ光を光干渉計22により検出する。この場合、コンピュータ7は、この光ファイバセンサ12の設置箇所の配管1の肉厚(すなわち、この光ファイバセンサ12の直下における配管1の肉厚)を測定することができる。 In the pipe inspection system of this embodiment, an ultrasonic wave is normally supplied from the
本実施形態の配管検査システムは、このような測定により、配管1のFAC4(図2)を検出することができる。一般に、光ファイバEMAT法を実行する際の超音波光プローブ5同士の設置間隔は、配管1のFAC4を十分な精度で検出可能な値に設定される。 The piping inspection system of this embodiment can detect FAC4 (FIG. 2) of the
また、本実施形態の配管検査システムは、EMAT11から異なる超音波光プローブ5の光ファイバセンサ12に超音波を供給し、この光ファイバセンサ12中を透過した基準レーザ光を光干渉計22により検出することもできる。この場合、コンピュータ7は、この光ファイバセンサ12の設置箇所以外の場所の配管1の肉厚を測定することができる。 In the pipe inspection system of this embodiment, ultrasonic waves are supplied from the
図6(b)は、超音波光プローブ5aのEMAT11から超音波光プローブ5cの光ファイバセンサ12に超音波を供給する例や、超音波光プローブ5bのEMAT11から超音波光プローブ5dの光ファイバセンサ12に超音波を供給する例を示している。本実施形態では、超音波を発信する超音波光プローブ5(EMAT11)と、超音波を受信する超音波光プローブ5(光ファイバセンサ12)との様々な組合せを設定することで、超音波を様々なルートで伝播させることができる。例えば、これらのルートが配管1の表面を網目状に覆うように、様々なルートを設定することができる。 FIG. 6B shows an example in which ultrasonic waves are supplied from the
本実施形態の配管検査システムは、このような測定により、超音波光プローブ5の設置箇所以外の場所の配管1の減肉や欠陥を検出することができる。図6(b)は、このような場所にある配管1のLDI2を検出する様子を示している。 The pipe inspection system according to the present embodiment can detect a thinning or a defect of the
このLDI2は、超音波光プローブ5a、5cを最短距離で結ぶルート付近に存在しているため、超音波光プローブ5aのEMAT11から超音波光プローブ5cの光ファイバセンサ12に供給される超音波を用いて検出することができる。また、このLDI2は、超音波光プローブ5b、5dを最短距離で結ぶルート付近に存在しているため、超音波光プローブ5bのEMAT11から超音波光プローブ5dの光ファイバセンサ12に供給される超音波を用いても検出することができる。 Since this LDI2 exists in the vicinity of the route connecting the ultrasonic
このように、本実施形態の配管検査システムは、配管1のFAC4とLDI2の両方を検出することができる。本実施形態の配管検査システムは、電気スイッチ25と光スイッチ26により超音波を発信する超音波光プローブ5と超音波を受信する超音波光プローブ5との組合せを切り替えることで、超音波の伝播ルートを調整することができ、配管1の様々な箇所のFAC4やLDI2を検出することができる。 Thus, the piping inspection system of this embodiment can detect both FAC4 and LDI2 of the
本実施形態では、異なる超音波光プローブ5間で超音波を送受信する。そのため、EMAT11の超音波伝播距離や、光ファイバセンサ12の超音波受信面積を増加させることが望ましい。以下、超音波伝播距離や超音波受信面積の増加方法の具体例を説明する。 In the present embodiment, ultrasonic waves are transmitted and received between different ultrasonic
図7は、第1実施形態における超音波伝播距離の増加方法の例を説明するための断面図である。 FIG. 7 is a cross-sectional view for explaining an example of a method for increasing the ultrasonic propagation distance in the first embodiment.
図7(a)は、超音波光プローブ5の構成の第1の例を示す断面図である。 FIG. 7A is a cross-sectional view showing a first example of the configuration of the ultrasonic
図7(a)のEMAT11は、2つの永久磁石A1と、1つの電気コイルA2とを備えている。電気コイルA2は、環形状に巻かれている。電気コイルA2の外径は、例えば15mmである。永久磁石A1の一方は、円柱形の磁石であり、電気コイルA2側にN極、電気コイルA2の反対側にS極を有している。永久磁石A1の他方は、円柱形の磁石を取り囲む円管形の磁石であり、電気コイルA2側にS極、電気コイルA2の反対側にN極を有している。円管形の磁石の外径は、例えば20mmである。N極とS極はそれぞれ、第1極と第2極の例である。 The
このように、これらの永久磁石A1は、反対向きの磁化を有している。よって、図7(a)のEMAT11は、配管1の肉厚方向に垂直な磁場Bを発生させる。よって、配管1内の電荷には、電場Eおよび磁場Bに垂直なローレンツ力F、すなわち、配管1の肉厚方向に平行なローレンツ力Fが作用する。これらの永久磁石A1間の隙間は、空隙でもよいし、アモルファス合金などの高透磁率材料が挿入されていてもよい。 Thus, these permanent magnets A1 have opposite magnetizations. Therefore, the
このように、図7(a)の超音波光プローブ5は、配管1の肉厚方向に垂直な磁場Bを配管1にかけることができる。このような磁場Bには例えば、配管1の肉厚方向での共振のSN比を高めることができるという利点がある。よって、図7(a)の構成によれば、EMAT11の共振信号を、このEMAT11から離れた光ファイバセンサ12で検出することが可能となる。実験によれば、軸方向に2φ、周方向に180°離れた超音波光プローブ5間で共振信号を検出することができた。 As described above, the ultrasonic
図7(b)は、超音波光プローブ5の構成の第2の例を示す断面図である。 FIG. 7B is a cross-sectional view showing a second example of the configuration of the ultrasonic
図7(b)のEMAT11は、1つの永久磁石A1と、1つの電気コイルA2とを備えている。電気コイルA2は、環形状に巻かれている。電気コイルA2の外径は、例えば30mmである。永久磁石A1は、電気コイルA2の内径d2よりも直径d1が大きい円柱形の磁石である。永久磁石A1の直径d1は、例えば25mmである。永久磁石A1の厚さは、例えば5mmである。永久磁石A1は、電気コイルA2側にS極、電気コイルA2の反対側にN極を有している。 The
よって、図7(b)のEMAT11は、配管1の肉厚方向に平行な磁場Bを発生させる。よって、配管1内の電荷には、電場Eおよび磁場Bに垂直なローレンツ力F、すなわち、配管1の肉厚方向に垂直なローレンツ力Fが作用する。 Therefore, the
また、図7(b)のEMAT11は、電気コイルA2の内径d2より大きな直径d1を有する大型の永久磁石A1を備えている。このような構成には例えば、EMAT11の共振信号の強度を高めることができるという利点がある。よって、図7(b)の構成によれば、EMAT11の共振信号を、このEMAT11から離れた光ファイバセンサ12で検出することが可能となる。 Moreover, EMAT11 of FIG.7 (b) is provided with the large sized permanent magnet A1 which has the diameter d1 larger than the internal diameter d2 of the electric coil A2. Such a configuration has an advantage that the intensity of the resonance signal of the
このように、本実施形態では、配管1の肉厚方向に平行な方向にも、配管1の肉厚方向に垂直な方向にも広域に伝播する超音波を励起可能なEMAT(広域励起EMAT)11を使用することが望ましい。 Thus, in this embodiment, EMAT (wide area excitation EMAT) that can excite ultrasonic waves propagating in a wide area both in the direction parallel to the thickness direction of the
図8は、第1実施形態の配管検査方法を説明するための断面図および側面図である。 FIG. 8 is a cross-sectional view and a side view for explaining the pipe inspection method of the first embodiment.
図8(a)および図8(b)は、図6(a)および図6(b)と同様に、配管1の1本分のスプールの断面および側面を示している。ただし、図8(a)および図8(b)は、広域励起EMAT11を使用した配管検査方法の例を示している。 8 (a) and 8 (b) show a cross section and a side surface of one spool of the
本実施形態では、広域励起EMAT11を備える超音波光プローブ5を使用することにより、離れた超音波光プローブ5間で超音波を送受信することができる。図8(b)は、超音波光プローブ5eから、超音波光プローブ5eの隣の列の超音波光プローブ5fに超音波を供給する例を示している。図8(b)はさらに、超音波光プローブ5eから、超音波光プローブ5fの隣の列の超音波光プローブ5gに超音波を供給する例を示している。この場合には例えば、これらの列の間に位置するLDI2を検出することができる。 In the present embodiment, ultrasonic waves can be transmitted and received between the separated ultrasonic
また、本実施形態では、広域励起EMAT11を備える超音波光プローブ5を使用することにより、各スプールの超音波光プローブ5の個数を減らすことができる。図8(a)および図8(b)では、各スプールに4列の超音波光プローブ5を設置し、各列に8つの超音波光プローブ5を設置している。よって、各スプールは、32個の超音波光プローブ5を有している。 In this embodiment, the number of the ultrasonic
しかしながら、本実施形態の広域励起EMAT11を使用する場合、軸方向に2φ、周方向に180°離れた超音波光プローブ5間で共振信号を検出することが可能である。よって、本実施形態では、各スプールに2列の超音波光プローブ5を設置し、各列に2つの超音波光プローブ5を設置する構成を採用可能である。この場合、各スプールの超音波光プローブ5の個数を1/8に(32個から4個に)減らすことができる。 However, when the wide-
本実施形態によれば、配管1の肉厚の測定精度(例えば±0.1mm)を維持しつつ、配管1に設置する超音波光プローブ5の個数を低減することが可能となる。なお、本実施形態では、EMAT11の超音波伝搬距離をさらに増加させることで、配管1に設置する超音波光プローブ5の個数をさらに低減できる可能性がある。 According to the present embodiment, it is possible to reduce the number of ultrasonic
ただし、JSME規格上は、マトリクス定点上でEMAT11を発振させる必要があるため、本実施形態では、広域励起EMAT11を各スプールの32箇所に設置し、光ファイバセンサ12を各スプールの前述の4箇所に設置し、これら4箇所の光ファイバセンサ12でスプール全域の肉厚測定をカバーする形とする。 However, according to the JSME standard, it is necessary to oscillate the
図9は、第1実施形態における超音波受信面積の増加方法の例を説明するための側面図である。 FIG. 9 is a side view for explaining an example of a method for increasing the ultrasonic wave reception area in the first embodiment.
本実施形態では、各光ファイバセンサ12がカバーする配管1の表面領域を増大させるために、各光ファイバセンサ12の巻き数を増やしたり、各光ファイバセンサ12の面積を広げることが望ましい。 In the present embodiment, it is desirable to increase the number of turns of each
そこで、本実施形態では、図9に示すように、惰円形に巻かれた光ファイバセンサ12を備える超音波光プローブ5を使用してもよい。図9では、超音波光プローブ5が、配管1の周りにN個(Nは2以上の整数)の超音波光プローブ5ごとに環状に取り付けられている。図9では、Nの値は8である。図9では、これらの超音波光プローブ5が、楕円形の長軸が配管1の周方向に平行となるように配管1に取り付けられている。なお、N個の超音波光プローブ5は、光ファイバセンサ12同士が互いに接触または近接するように配管1に取り付けることが望ましい。 Therefore, in the present embodiment, as shown in FIG. 9, an ultrasonic
図9の構成によれば、配管1の各スプールのLDIカバー率を向上させることができ、例えば、LDIカバー率を100%に近い値に高めることができる。LDIカバー率は、各スプールの全表面積に占めるLDI2を検出可能な表面積の割合である。LDIカバー率の詳細は後述する。 According to the configuration of FIG. 9, the LDI cover ratio of each spool of the
なお、図9の各光ファイバセンサ12の形状は、数学的に厳密な楕円形である必要はなく、長軸方向と短軸方向とを有し、楕円形と認識可能な形状であれば十分である。実際、図9の各光ファイバセンサ12は、2本の直線と2本の円弧とを組み合わせたような形状を有している。例えば、各光ファイバセンサ12の形状は、卵型や長円でもよい。 Note that the shape of each
また、本実施形態では、EMAT11と光ファイバセンサ12とを備える超音波光プローブ5を配管1に取り付ける代わりに、EMAT11と光ファイバセンサ12とを分離して配管1に取り付けてもよい。図9は、EMAT11と、EMAT11と分離された光ファイバセンサ12とを示している。 In this embodiment, instead of attaching the ultrasonic
この場合、複数のEMAT11と、これらのEMAT11と分離された複数の光ファイバセンサ12とが配管1に取り付けられる。電気スイッチ25は、これらのEMAT11の中から、増幅器24に接続するEMAT11を選択するために使用される。電気スイッチ25により選択されるEMAT11は、第1の超音波発振子の例である。光スイッチ26は、これらの光ファイバセンサ12の中から、光干渉計22に接続する光ファイバセンサ12を選択するために使用される。光スイッチ26により選択される光ファイバセンサ12は、第1の光ファイバセンサの例である。EMAT11と光ファイバセンサ12とを分離する構成は例えば、図11〜図16に示すLDI検出にも適用可能である。 In this case, a plurality of
また、本実施形態では、EMAT11と光ファイバセンサ12とを備える超音波光プローブ5を配管1に取り付けると共に、EMAT11と光ファイバセンサ12とを分離して配管1に取り付けて、前者と後者のEMAT11および光ファイバセンサ12を併用してもよい。 In the present embodiment, the ultrasonic
図10は、第1実施形態の光ファイバセンサ12の構成例を説明するための図である。 FIG. 10 is a diagram for explaining a configuration example of the
図10(a)は、図3の光ファイバセンサ12と同じ構造を有する光ファイバセンサ12を示す。図10(a)の光ファイバセンサ12は、第1の光ファイバ31に接続された第1端部B1と、第2の光ファイバ32に接続された第2端部B2とを有している。 FIG. 10A shows an
図10(a)の光ファイバセンサ12では、光源21からの基準レーザ光が、第1の光ファイバ31を介して第1端部B1に入力される。このとき、光ファイバセンサ12に基準レーザ光が入力されている状態で光ファイバセンサ12に超音波が到達すると、基準レーザ光にドップラー周波数のシフトや偏波面の変動が生じる。 In the
この基準レーザ光は、光ファイバセンサ12中を第2端部B2に向かって進み、第2端部B2から出力され、第2の光ファイバ32を介して光干渉計22に供給される。コンピュータ7は、光干渉計22による基準レーザ光の検出結果に基づいて、配管1の状態を判定することができる。 The reference laser light travels through the
一方、図10(b)は、この変形例に相当する光ファイバセンサ12を示す。図10(b)の光ファイバセンサ12は、光ファイバ41に接続された第1端部B1と、反射部の例である反射端43に接続された第2端部B2とを有している。光ファイバ41は、サーキュレータ42を介して第1および第2の光ファイバ31、32に接続されている。サーキュレータ42は、行きと戻りの基準レーザ光を区別するために設置されている。サーキュレータ42の例は、偏光板である。反射端43は、基準レーザ光を反射可能な反射面を有している。 On the other hand, FIG. 10B shows an
図10(b)の光ファイバセンサ12では、光源21からの基準レーザ光が、光ファイバ31、41を介して第1端部B1に入力される。このとき、光ファイバセンサ12に基準レーザ光が入力されている状態で光ファイバセンサ12に超音波が到達すると、基準レーザ光にドップラー周波数のシフトや偏波面の変動が生じる。 In the
この基準レーザ光は、光ファイバセンサ12中を第2端部B2に向かって進み、反射端43の反射面にて反射され、光ファイバセンサ12中を第1端部B1に向かって戻っていく。そして、この基準レーザ光は、第1端部B1から出力され、光ファイバ41、32を介して光干渉計22に供給される。コンピュータ7は、光干渉計22による基準レーザ光の検出結果に基づいて、配管1の状態を判定することができる。 The reference laser light travels through the
本実施形態の配管検査システムは、図10(a)の光ファイバセンサ12と、図10(b)の光ファイバセンサ12の両方を採用可能である。そのため、本実施形態の配管検査装置6は、図10(a)の光ファイバセンサ12を使用するための複線モードと、図10(b)の光ファイバセンサ12を使用するための単線モードとを切り替えるモードスイッチ27を備えている(図3参照)。複線モードと単線モードはそれぞれ、第1モードと第2モードの例である。 The pipe inspection system of this embodiment can employ both the
本実施形態の単線モードでは、例えばサーキュレータ42が使用される。本実施形態の複線モードでは、例えばサーキュレータ42が不使用状態となる。 In the single line mode of the present embodiment, for example, the
(2)第1実施形態のLDI検出
図11は、第1実施形態のLDI検出について説明するための図である。(2) LDI Detection of First Embodiment FIG. 11 is a diagram for explaining LDI detection of the first embodiment.
本実施形態の超音波光プローブ5は、配管1の表面を軸方向(z方向)に延びる複数本のラインL1と、配管1の表面を周方向(θ方向)に延びる複数本のラインL2との交点Pに取り付けられる。軸方向と周方向はそれぞれ、第1および第2方向の例である。ラインL1、L2はそれぞれ、第1および第2ラインの例である。交点Pは、マトリクス定点法の測定点に相当する。 The ultrasonic
図11は、ある交点Pに配置されたEMAT11aと、その隣の交点Pに配置された光ファイバセンサ12aと、EMAT11aと光ファイバセンサ12aとを結ぶ直線上に存在するLDI2aとを示している。図11は、EMAT11aを周方向に所定距離だけ移動し、移動後のEMAT11aから配管1に超音波を入力し、光ファイバセンサ12a中を透過した基準レーザ光を検出し、この基準レーザ光の検出結果からLDI2aを検出する実験の様子を示している。EMAT11bは、移動後のEMAT11aを示す。なお、この実験では、広域励起EMAT11ではない通常のEMAT11を使用した。 FIG. 11 shows an
図12は、第1実施形態のLDI検出について説明するためのグラフである。 FIG. 12 is a graph for explaining LDI detection according to the first embodiment.
図12は、図11の実験結果を示している。図12は、検出された基準レーザ光の周波数成分ごとの強度を示す。基準レーザ光の周波数は、図12に示すように、配管1の肉厚に対応している。また、図12の各曲線の数値は、EMAT11aの移動距離(mm)を示す。 FIG. 12 shows the experimental results of FIG. FIG. 12 shows the intensity for each frequency component of the detected reference laser light. The frequency of the reference laser beam corresponds to the thickness of the
この実験では、肉厚が11.82mmの配管1を使用した。図12の囲みRは、LDI2aの検出結果を示している。これにより、LDI2aの部分の配管1の肉厚は、10.71mmであることが分かる。よって、LDI2aは、配管1を1.11mm減肉させている。 In this experiment, the
図13は、第1実施形態のLDI検出エリアについて説明するための図である。 FIG. 13 is a diagram for explaining the LDI detection area of the first embodiment.
図12のグラフによれば、EMAT11aの移動距離が±θ方向に30mm以下の場合に、LDI2aを検出できる。EMAT11c、11dはそれぞれ、±θ方向に30mm移動後のEMAT11aを示している。EMAT11c、11dを使用する場合には、LDI2aを検出可能である。一方、EMAT11aの移動距離が±θ方向に30mmを超えると、LDI2aを検出できない。よって、図11の実験では、図13の領域R1内に存在するLDI2を検出できることが分かる。領域R1を、LDI検出エリアと呼ぶことにする。 According to the graph of FIG. 12, the
図11の実験と同じ超音波光プローブ5を使用する場合、超音波を発信する超音波光プローブ5(EMAT11)と超音波を受信する超音波光プローブ5(光ファイバセンサ12)との様々な組合せを設定して、LDI2の検出を繰り返しても、所定の領域外のLDI2は検出することができない。すなわち、この場合には、配管1の各スプールのLDIカバー率を100%にすることができない。LDIカバー率は、各スプールの全表面積に占めるLDI2を検出可能な表面積の割合である。 When the same ultrasonic
図14は、第1実施形態のLDI検出について説明するための図である。 FIG. 14 is a diagram for explaining LDI detection according to the first embodiment.
図14のLDI検出では、図7(a)または図7(b)の広域励起EMAT11を備える超音波光プローブ5を使用する。よって、軸方向に2φ、周方向に180°離れた超音波光プローブ5間で共振信号を検出することができる。 In the LDI detection of FIG. 14, the ultrasonic
図14は、図11のEMAT11aから軸方向に−φ、周方向に+45°移動した交点Pに配置されたEMAT11eと、図11のEMAT11aから軸方向に−φ、周方向に−45°移動した交点Pに配置されたEMAT11fとを示している。よって、EMAT11e、11fと光ファイバセンサ12aは、軸方向に2本のラインL2分、周方向に1本のラインL1分だけ離れている。図14はさらに、EMAT11eと光ファイバセンサ12aとを結ぶ直線上に存在するLDI2bを示している。 FIG. 14 shows an
EMAT11e、11fは広域励起EMAT11であるため、EMAT11e、11fと光ファイバセンサ12aとの間では共振信号を検出することが可能である。よって、図14のLDI検出では、領域R2がLDI検出エリアとなり、領域R2内に存在するLDI2を検出可能となる。領域R2は、底辺が102mm、高さが150mmの二等辺三角形である(ただしこれは、平面上の三角形ではなく、曲面上の三角形である)。図14のLDI検出では、LDI2aやLDI2bを検出することができる。 Since the
よって、本実施形態の配管検査システムは、超音波を発信する超音波光プローブ5と超音波を受信する超音波光プローブ5との様々な組合せを設定する際、軸方向に2本のラインL2分、周方向に1本のラインL1分だけ離れた超音波光プローブ5の様々な組合せを設定する。このような組合せの例は、EMAT11eを備える超音波光プローブ5と光ファイバセンサ12aを備える超音波光プローブ5との組合せや、EMAT11fを備える超音波光プローブ5と光ファイバセンサ12aを備える超音波光プローブ5との組合せである。 Therefore, when setting various combinations of the ultrasonic
これらの組合せでLDI2の検出を繰り返す場合、これらの検出時のLDI検出エリアを重ねると、配管1の各スプールを、領域R2と合同な多数のLDI検出エリアにより完全に覆うことができる。これは、各スプールの全領域のLDI2を検出でき、各スプールのLDIカバー率が100%に達することを意味する。よって、本実施形態によれば、配管1のLDI2を各スプールの全領域にわたり高精度に検出することが可能となる。各スプールのLDIカバー率は、各スプールの肉厚測定のカバー率(各スプールの全表面積に占める肉厚測定が可能な表面積の割合)の例である。 When the detection of LDI2 is repeated with these combinations, if the LDI detection areas at the time of detection are overlapped, each spool of the
なお、本実施形態の配管検査システムは、各スプールのLDIカバー率が100%に達するような組合せであれば、図14のような組合せ以外の超音波光プローブ5の組合せを設定してもよい。 Note that the pipe inspection system of the present embodiment may set a combination of the ultrasonic
各組合せのLDI検査の際の基準レーザ光は、光干渉計22により検出され、基準レーザ光の検出結果がコンピュータ7に提供される。コンピュータ7は、基準レーザ光の検出結果に基づいて、超音波の減衰率を算出する。この減衰率は、EMAT11から発生した超音波の振幅に対する、基準レーザ光から算出された超音波の振幅の比である。コンピュータ7は、この減衰率に基づいて、配管1の減肉発生箇所(LDI2の発生箇所)と受信側の超音波光プローブ5との距離を算出することができる。また、コンピュータ7は、2つの組合せから算出された2つの減衰率に基づいて、配管1の減肉発生箇所(LDI2の発生箇所)の位置を算出してもよい。 The reference laser light at the time of LDI inspection of each combination is detected by the
図15は、第1実施形態の変形例のLDI検出について説明するための図である。 FIG. 15 is a diagram for explaining LDI detection according to a modification of the first embodiment.
図15は、超音波光プローブ51〜55に同時に電力が供給され、超音波光プローブ5xが、超音波光プローブ51〜55から発信された超音波を受信する様子を示している。超音波光プローブ51〜55は、超音波光プローブ5xに対して異なる方向に位置している。具体的には、超音波光プローブ54、55は、超音波光プローブ5xの周方向(±θ方向)に位置している。超音波光プローブ52は、超音波光プローブ5xの軸方向(−z方向)に位置している。超音波光プローブ51、53は、超音波光プローブ5xのらせん方向に位置している。Figure 15 is simultaneously power the ultrasonic
本変形例では、個々の超音波光プローブ51〜55からの超音波は弱くても、超音波光プローブ5xは、これらの超音波が合成された強い合成超音波を受信することができる。よって、本変形例によれば、LDI検出の精度を向上させることが可能となる。この場合、超音波光プローブ51〜55は、複数の第1の超音波光プローブの例であり、超音波光プローブ5xは、1つ以上の第2の超音波光プローブの例である。In this modified example, even if ultrasound is weak from the individual
図15はさらに、超音波光プローブ5xと超音波光プローブ5yが、超音波光プローブ51〜53から発信された超音波を受信する様子を示している。Figure 15 further
本変形例では、光源21からの基準レーザ光を超音波光プローブ5x、5yに同時に供給し、超音波光プローブ5x、5yから出力された基準レーザ光を光干渉計22により同時に検出する。よって、本変形例によれば、2つの超音波光プローブ5x、5yによる検査を短時間で行うことが可能となる。また、本変形例によれば、後述するように、2つの超音波光プローブ5x、5yからの基準レーザ光を検出することで、LDI2の形状や位置を推定することが可能となる。この場合、超音波光プローブ51〜53は、1つ以上の第1の超音波光プローブの例であり、超音波光プローブ5x、5yは、複数の第2の超音波光プローブの例である。In this modification, the reference laser light from the
図15はさらに、超音波光プローブ5zが、超音波光プローブ5xから発信された超音波を受信する様子を示している。図15に示すLDI2は、超音波光プローブ5x、5zを結ぶ直線上に位置している。超音波光プローブ5zは、超音波光プローブ5xのらせん方向に隣接しているため、超音波光プローブ5x、5z間の距離は、配管1の直径φ(=150mm)よりも長くなっている。よって、超音波光プローブ5xからの超音波が弱いと、図15に示すLDI2を超音波光プローブ5zにより検出できない可能性がある。 FIG. 15 further shows a state in which the ultrasonic
そこで、本変形例では、超音波光プローブ51〜55からの超音波の位相が超音波光プローブ5xの位置でそろい、これらの超音波の合成超音波の振幅が超音波光プローブ5xの位置で増強されるように、超音波光プローブ51〜55のEMAT11を動作させる。さらに、本変形例では、超音波光プローブ5xからの超音波の位相がこの合成超音波の位相と超音波光プローブ5xの位置でそろい、超音波光プローブ5xからの超音波がこの合成超音波により増強されるように、超音波光プローブ5xのEMAT11を動作させる。よって、本変形例によれば、超音波光プローブ5x、5zを結ぶ直線上に強い超音波を伝搬させることが可能となり、LDI2の検出精度を向上させることが可能となる。また、本変形例によれば、高次のモードも検出可能になり、LDI検出の信頼性を向上させることが可能となる。Therefore, in this modification, from the ultrasonic
なお、超音波光プローブ5x、5zの位置関係は、図15の位置関係とは別の位置関係に設定してもよい。また、超音波光プローブ5xに超音波を供給する超音波光プローブ5の組合せは、超音波光プローブ51〜55以外でもよい。本変形例では、超音波光プローブ5x、5zの様々な位置関係や、超音波光プローブ5xに超音波を供給する超音波光プローブ5の様々な組合せを設定し、これらの設定下で、超音波光プローブ5x、5zを結ぶ直線上にLDI2がある場合の基準レーザ光の挙動を調査し、この調査結果をデータベースとしてコンピュータ7内に保持しておいてもよい。これにより、コンピュータ7は、超音波光プローブ5zからの基準レーザ光の検出結果をデータベースと照合することで、LDI2を容易に検出することが可能となる。データベースは例えば、後述するように、LDI2の形状や位置を推定するためのデータを含んでいてもよい。Note that the positional relationship between the ultrasonic
図16は、第1実施形態のLDI2の種類を説明するための断面図である。 FIG. 16 is a cross-sectional view for explaining types of the
図16(a)〜図16(c)は、配管1に発生したLDI2を示している。符号T1は、LDI2の直径を表す。LDI2の直径T1は、例えば20〜30mm程度である。符号T2は、LDI2の深さを表す。LDI2の深さT2は、例えば2mm程度である。 FIG. 16A to FIG. 16C show the
符号Kは、各LDI2の底面と側面との角部を示している。図16(a)のLDI2の角部Kは、90度の角度を有している。図16(b)のLDI2の角部Kは、90度よりも大きい角度(例えば135度)を有している。図16(c)のLDI2は、底面と側面との境界があいまいな角部Kを有している。このように、図16(a)〜図16(c)は、角部Kの形状が異なるLDI2を示している。以下、図16(a)〜図16(c)のLDI2の断面形状をそれぞれ、直角形状、鈍角形状、曲線形状と呼ぶ。 A symbol K indicates a corner portion between the bottom surface and the side surface of each
実験の結果、超音波は、直角形状のLDI2は透過しやすく、曲線形状のLDI2は透過しにくく、鈍角形状のLDI2はさらに透過しにくいことが判明した。すなわち、これらのLDI2に対する超音波の透過性は、直角形状のLDI2で最も高く、鈍角形状のLDI2で最も低い。ただし、鈍角形状のLDI2の角部Kは135度に設定した。また、実験の結果、あるLDI2に軸方向に超音波が当たった場合の超音波の透過性は、このLDI2に周方向に超音波が当たった場合の超音波の透過性よりも高いことが判明した。 As a result of the experiment, it was found that the LDI2 having a right-angle shape is easily transmitted, the LDI2 having a curved shape is hardly transmitted, and the LDI2 having an obtuse angle shape is further difficult to transmit. That is, the ultrasonic wave permeability with respect to these LDI2 is highest in the right-angled LDI2 and lowest in the obtuse-angled LDI2. However, the corner K of the obtuse LDI2 was set to 135 degrees. Further, as a result of the experiment, it was found that the ultrasonic wave permeability when an ultrasonic wave hits an LDI2 in the axial direction is higher than the ultrasonic wave permeability when an ultrasonic wave hits the LDI2 in the circumferential direction. did.
これらの実験結果を踏まえると、軸方向と周方向の超音波の透過性の違いが無視できる場合、直角形状のLDI2に超音波が当たると、強い強度の透過波と弱い強度の反射波が観測されると考えられる。一方、鈍角形状のLDI2に超音波が当たると、弱い強度の透過波と強い強度の反射波が観測されると考えられる。 Based on the results of these experiments, when the difference in the transmission of ultrasonic waves between the axial direction and the circumferential direction can be ignored, when ultrasonic waves hit the LDI2 having a right angle, a strong transmitted wave and a weak reflected wave are observed. It is thought that it is done. On the other hand, when an ultrasonic wave hits the obtuse-shaped LDI2, it is considered that a transmitted wave having a weak intensity and a reflected wave having a strong intensity are observed.
よって、図15の変形例において、コンピュータ7は、基準レーザ光の検出結果に基づいて、超音波中の透過波および反射波を検出する。そして、コンピュータ7は、透過波の強度と反射波の強度の比に基づいて、LDI2の形状を推定する。例えば、透過波の割合が第1の所定値よりも高ければ、LDI2の形状は直角形状と推定される。また、透過波の割合が第1の所定値と第2の所定値との間であれば、LDI2の形状は曲線形状と推定される。また、透過波の割合が第2の所定値よりも低ければ、LDI2の形状は鈍角形状と推定される。 Therefore, in the modification of FIG. 15, the
例えば、超音波光プローブ5xからの超音波を、超音波光プローブ5zと超音波光プローブ54とが受信する場合を想定する。この場合、図15に示すように超音波光プローブ5x、5zを結ぶ直線上にLDI2が存在すると、LDI2の影響を受けた基準レーザ光が超音波光プローブ5zと超音波光プローブ54とで検出される。超音波光プローブ5zからの基準レーザ光から超音波を検出する場合、この超音波はおおむね透過波であると考えられる。一方、超音波光プローブ54からの基準レーザ光から超音波を検出する場合、この超音波はおおむね反射波であると考えられる。この場合、透過波と反射波の強度の比は、前者の超音波と後者の超音波の強度の比におおむね一致する。よって、これらの超音波の検出結果に基づいて透過波と反射波の強度の比を算出することができ、この比に基づいてLDI2の形状を推定することができる。For example, the ultrasonic wave from the
ただし、軸方向と周方向の超音波の透過性の違いが無視できない場合には、この透過性の違いを考慮に入れないと、LDI2の形状を正しく推定できない場合がある。そこで、本変形例では、上述の強度比からLDI2の形状を推定するためのテーブルを、この透過性の違いを考慮に入れて設定し、このテーブルをデータベースとしてコンピュータ7内に保持しておいてもよい。この場合、このテーブルを利用することでLDI2の形状をより正確に推定することが可能となる。 However, when the difference in the transmissivity of the ultrasonic waves between the axial direction and the circumferential direction cannot be ignored, the shape of the
また、コンピュータ7は、透過波の伝搬方向と反射波の伝搬方向に基づいて、LDI2の位置を推定することができる。例えば、超音波光プローブ5xからの超音波を超音波光プローブ5zと超音波光プローブ54とが受信する場合、超音波光プローブ5zは、透過波の伝搬方向を検出することができ、超音波光プローブ54は、反射波の伝搬方向を検出することができる。この場合、コンピュータ7は、超音波光プローブ5zから透過波の伝搬方向に沿って直線を伸ばし、超音波光プローブ54から反射波の伝搬方向に沿って直線を伸ばし、これらの直線の交点を算出することにより、LDI2の位置を推定することができる。なお、LDI2の位置の推定でも、上記のデータベースを利用してもよい。Further, the
以上のように、本実施形態では、超音波を発信する超音波光プローブ5と超音波を受信する超音波光プローブ5として異なる超音波プローブ5を選択して配管1の検査を行うことができる。よって、本実施形態によれば、超音波光プローブ5の設置箇所以外の場所における配管1の状態を検査することが可能となる。 As described above, in the present embodiment, the
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。 Although several embodiments have been described above, these embodiments are presented as examples only and are not intended to limit the scope of the invention. The novel apparatus and methods described herein can be implemented in a variety of other forms. In addition, various omissions, substitutions, and changes can be made to the forms of the apparatus and method described in the present specification without departing from the spirit of the invention. The appended claims and their equivalents are intended to include such forms and modifications as fall within the scope and spirit of the invention.
1:配管、1a:エルボ部、1b:オリフィス部、
2:LDI、3:板厚センサ、4:FAC、
5:超音波光プローブ、6:配管検査装置、7:コンピュータ、8:断熱材、
11:電磁超音波発振子、12:光ファイバセンサ、
13:樹脂シート、14:接着剤、
21:光源、22:光干渉計、23:波形信号発生器、24:増幅器、
25:電気スイッチ、26:光スイッチ、27:モードスイッチ、
31:第1の光ファイバ、32:第2の光ファイバ、33:電源線、
41:光ファイバ、42:サーキュレータ、43:反射端1: piping, 1a: elbow part, 1b: orifice part,
2: LDI, 3: Plate thickness sensor, 4: FAC,
5: Ultrasonic optical probe, 6: Pipe inspection device, 7: Computer, 8: Heat insulating material,
11: Electromagnetic ultrasonic oscillator, 12: Optical fiber sensor,
13: Resin sheet, 14: Adhesive,
21: Light source, 22: Optical interferometer, 23: Waveform signal generator, 24: Amplifier
25: Electric switch, 26: Optical switch, 27: Mode switch,
31: 1st optical fiber, 32: 2nd optical fiber, 33: Power supply line,
41: optical fiber, 42: circulator, 43: reflection end
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