実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
最初に、ゲート電極の下に絶縁膜を形成した構造の窒化物半導体を用いたHEMTである図1に示す構造の半導体装置において、ゲートしきい値電圧が不安定になる原因等について、図2に示す構造の容量測定用試料等を作製し検討を行った。
図1に示す構造の半導体装置は、基板10の上に、窒化物半導体により電子走行層21、電子供給層22、キャップ層23が積層されている。また、電子走行層21、電子供給層22及びキャップ層23の一部には、素子分離のための素子分離領域29が形成されている。キャップ層23の上には、絶縁層30、ソース電極42及びドレイン電極43が形成されており、絶縁層30の上にはゲート電極41が形成されている。尚、基板10の上に、必要に応じてバッファ層が形成されていてもよく、この場合、上述した窒化物半導体はバッファ層の上に形成される。
この構造の半導体装置の製造方法は、最初に、基板10の上に、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)により、不図示のバッファ層、電子走行層21、電子供給層22、キャップ層23を順次積層して形成する。電子走行層21は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層22は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。キャップ層23は厚さ5nmのn−GaNにより形成されており、n型となる不純物元素としてSiが1×1018/cm3ドープされている。これにより、電子走行層21と電子供給層22との界面近傍における電子走行層21には、2DEG21aが生成される。
次に、キャップ層23の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、素子分離領域29が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの開口部におけるキャップ層23、電子供給層22及び電子走行層21の一部において、塩素系ガスを用いたドライエッチングまたはAr等のイオンの注入を行うことにより、素子分離領域29を形成する。この後、この不図示のレジストパターンを除去する。
次に、再び、キャップ層23の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極42及びドレイン電極43が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの開口部におけるキャップ層23をRIE(Reactive Ion Etching)等により除去し、電子供給層22を露出させた後、不図示のレジストパターンを有機溶剤等により除去する。
次に、再び、電子供給層22及びキャップ層23の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ソース電極42及びドレイン電極43が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターン及び開口部における電子供給層22の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ソース電極42及びドレイン電極43が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ti/Alの金属積層膜であり、この後、約700℃の温度で熱処理することにより、オーミックコンタクトさせる。
次に、キャップ層23の上に、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)により、基板温度350℃の条件で、厚さが約40nmのAl2O3からなる絶縁層30を形成する。この後、絶縁層30、ソース電極42及びドレイン電極43の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート電極41が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、このレジストパターン及び開口部における絶縁層30の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ゲート電極41が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ni/Auの金属積層膜である。このように形成された図1に示される構造のHEMTでは、ゲートしきい値電圧が不安定になりやすい。
次に、図2に示される構造の容量測定用試料について説明する。この容量測定用試料は、基板10の上にn−GaN層51を形成し、n−GaN層51の上に、第1の電極71及び絶縁膜60を形成し、絶縁膜60の上に第2の電極72を形成した構造のものである。n−GaN層51は、MOVPEにより厚さが約1μmのn−GaNにより形成されており、不純物元素としてSiが1×1017/cm3ドープされている。第1の電極71は、上述したソース電極42及びドレイン電極43に対応するものであり、ソース電極42及びドレイン電極43と同様の方法により形成されている。また、第2の電極72は、上述したゲート電極41に対応するものであり、ゲート電極41と同様の方法で形成されている。また、絶縁膜60は、上述した絶縁層30に対応するものであり、絶縁層30の形成方法と同様の方法により、厚さが約40nmのAl2O3を形成することにより形成されている。
次に、図2に示される構造の容量測定用試料を用いて測定した絶縁膜60を形成する際の基板温度とC−Vヒステリシス幅との関係等について説明する。具体的には、絶縁膜60を形成する際の基板温度を変化させて、容量測定用試料を複数作製し、作製した各々の容量測定用試料において、第1の電極71と第2の電極72との間に印加される電圧を上昇及び降下させながら容量を測定する。この結果、作製した容量測定用試料において、第1の電極71と第2の電極72との間に印加される電圧を上昇させながら容量を測定した場合と、降下させながら容量を測定した場合とでは、異なる電圧の値においても容量が同じとなる場合がある。即ち、C−V特性においてヒステリシス曲線を描く場合がある。本実施の形態においては、測定されたC−V特性におけるヒステリシス曲線において、測定された容量の平均の値のヒステリシス曲線における電圧の値の幅となる電圧差をC−Vヒステリシス幅と記載する。従って、C−Vヒステリシス幅が大きくなればなる程、電圧を上昇させた場合と降下させた場合とにおいて、ヒステリシス曲線において同じ容量における電圧差が大きくなる。このようなC−Vヒステリシス幅が広くなると、図1に示される構造のHEMTのように、ゲートしきい値電圧が変動しやすくなり、動作が不安定になりやすくなる。
図3は、図2に示される構造の容量測定用試料について、基板温度を変化させたものを複数作製し、C−Vヒステリシス幅を測定した結果である。尚、絶縁膜60は、TMA(トリメチルアルミニウム)と酸素プラズマを用いたALDによりAl2O3を成膜することにより形成されている。図3に示されるように、基板温度を250℃からも上昇させることにより、C−Vヒステリシス幅が狭くなり、400℃以上、550℃以下において、C−Vヒステリシス幅が1V以下となる。このように、C−Vヒステリシス幅が1V以下となる場合においては、C−V特性においてヒステリシスを無視することができるため、このような絶縁膜を用いてHEMTを作製することにより、ゲートしきい値電圧の変動も少なくすることができるため好ましい。尚、基板温度を更に上昇させ、約570℃にした場合には、C−Vヒステリシス幅は広がり1Vを超えてしまうため、あまり好ましくはない。
ところで、基板温度とC−Vヒステリシス幅との関係について、更に検討を行ったところ、絶縁膜60に含まれる−OH数とC−Vヒステリシス幅との間に相関があり、基板温度と絶縁膜60における−OH数とに相関があるという知見を得るに至った。以下、得られた知見について詳細に説明する。尚、本実施の形態においては、−OH数とは、単位体積当たりに含まれる−OH(水酸基)の数を示すものであり、従って、絶縁膜において−OH数が多い場合には、絶縁膜に単位体積当たりに含まれる−OH(水酸基)の量も多くなる。
図4は、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより成膜された絶縁膜60であるAl2O3において、絶縁膜60に含まれる−OH数とC−Vヒステリシス幅との関係を示すものである。図4に示されるように、絶縁膜60に含まれる−OH数が少なくなるとC−Vヒステリシス幅が狭くなる傾向にある。従って、C−V特性においてヒステリシス曲線が生じる原因は、絶縁膜60とn−GaN層51との界面において、−OHが存在していることによるものと推察される。よって、絶縁膜60に含まれる−OH数が少ない場合には、絶縁膜60とn−GaN層51との界面における−OHの数も少なくなるため、C−Vヒステリシス幅が狭くなるもの考えられる。
図5は、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより成膜された絶縁膜60であるAl2O3において、基板温度と−OH数との関係を示すものである。図5に示されるように、250℃よりも基板温度を上昇させることにより、−OH数は減少し、400℃以上、550℃以下において、−OH数は最も低くなる。
図6は、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより成膜された絶縁膜60であるAl2O3に含まれる−OH数と絶縁膜60におけるリーク電流との関係を示すものである。図6に示されるように、絶縁膜60に含まれる−OH数が少ないとリーク電流は高くなり、絶縁膜60に含まれる−OH数が多くなるとリーク電流は低くなる傾向にある。
図7(a)は、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより成膜された絶縁膜60であるAl2O3において、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析を行った結果を示すものである。尚、このTDS分析では、図7(b)に示されるような基板10の上に、基板温度が350℃と500℃の条件で、厚さが40nmの絶縁膜60を成膜した試料を作製し、測定を行った。絶縁膜60であるAl2O3中においては、−OHはAlOHの状態で存在しているものと考えられるため、加熱することにより、
2Al−OH → Al−O−Al+H2O
となる反応により、H2Oが生じるものと推察される。よって、基板温度が350℃で成膜された絶縁膜60では−OH数が多いため、これよりも−OH数が少ない基板温度が500℃で成膜された絶縁膜60よりも、多くのH2Oが脱ガスとして発生している。
図8(a)は、図8(b)に示す試料を作製し、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)分析を行った結果である。具体的には、図8(b)に示すような基板10の上に、n−GaN層51を形成し、n−GaN層51の上に、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより絶縁膜60であるAl2O3を成膜した試料を作製しXPS分析を行った。尚。試料は、基板温度が350℃と500℃との2条件において、絶縁膜60であるAl2O3を各々厚さ5nmとなるように成膜することにより2種類作製した。この結果、図8(b)に示されるように、基板温度が500℃で絶縁膜60を成膜した試料よりも、基板温度が350℃で絶縁膜60を成膜した試料の方が、スペクトルが高エネルギー側にシフトしている。このように、XPS分析においてスペクトルが高エネルギー側にシフトしているということは、−OHが多く含まれていることを示唆している。尚、XPS分析においては、絶縁膜60を成膜する際の基板温度が350℃であっても、500℃であっても、カーボン量の違いは殆どみられなかった。
以上の知見は、Al2O3に関するものであるが、酸素プラズマを用いたALDにより成膜された絶縁膜であれば同様の傾向にあるものと推察される。即ち、酸素プラズマを用いたALDにより成膜されたHfO2(酸化ハフニウム)、SiO2(酸化シリコン)等の酸化膜についても同様の傾向にあるものと考えられる。
(半導体装置)
次に、図9に基づき、本実施の形態における半導体装置について説明する。本実施の形態における半導体装置は、基板110の上に、窒化物半導体により電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123が積層されている。また、電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123の一部には、素子分離のための素子分離領域129が形成されている。キャップ層123の上には、積層された第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132が形成されており、キャップ層123の一部が除去されている電子供給層122の上には、ソース電極142、ドレイン電極143が形成されている。また、第2の絶縁層132の上には、ゲート電極141が形成されている。尚、基板110の上に、必要に応じてバッファ層が形成されていてもよく、この場合、上述した窒化物半導体はバッファ層の上に形成される。
本実施の形態においては、電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。キャップ層123は厚さ5nmのn−GaNにより形成されており、不純物元素としてSiが1×1018/cm3ドープされている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。尚、本実施の形態においては、電子走行層121を第1の半導体層と記載し、電子供給層122を第2の半導体層と記載し、キャップ層123を第3の半導体層と記載する場合がある。
第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132は、ともにALDによりTMAと酸素プラズマを用いて成膜されたAl2O3(酸化アルミニウム)により形成されている。第1の絶縁層131は、膜厚が1nm以上、96nm以下であることが好ましく、第2の絶縁層132は、膜厚が4nm以上、99nm以下であることが好ましい。また、第1の絶縁層131の膜厚と第2の絶縁層132の膜厚の和は、5nm以上、100nm以下であることが好ましい。尚、本実施の形態においては、第1の絶縁層131における膜厚は約20nm、第2の絶縁層132における膜厚は約20nmとなるように形成されている。
本実施の形態においては、後述するように基板温度等の成膜条件を変えることにより、第1の絶縁層131に含まれる−OH数が、第2の絶縁層132に含まれる−OH数よりも少なくなるように形成されている。具体的には、第1の絶縁層131を成膜する際の基板温度を第2の絶縁層132を成膜する際の基板温度よりも高くすることにより、第1の絶縁層131に含まれる−OH数が、第2の絶縁層132に含まれる−OH数よりも少なくなるように形成することができる。本実施の形態においては、第1の絶縁層131を成膜する際の基板温度は400℃以上、550℃以下、例えば、約500℃で形成されており、第2の絶縁層132を成膜する際の基板温度は約350℃で形成されている。
このように、本実施の形態においては、第1の絶縁層131と第2の絶縁層132とを積層して形成することにより、双方の利点、即ち、ゲートしきい値電圧の変動をすることができるとともに、ゲートリーク電流を少なくすることができる。
図10は、上述した第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132等を用いて、図2に示す構造の容量測定用試料を作製したもののC−V特性を測定した結果である。具体的には、図10における10Aは、図2の示す構造の容量測定用試料において、本実施の形態における半導体装置の第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132により絶縁膜60を形成したもののC−V特性である。尚、上述したように、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132はともに、ALDによりTMAと酸素プラズマを用いて成膜されたAl2O3により形成されている。第1の絶縁層131は基板温度500℃の条件で厚さが約20nm形成されており、第2の絶縁層132は基板温度350℃の条件で厚さが約20nm形成されている。また、図10における10Bは、図2の示す構造の容量測定用試料において、ALDによりTMAと酸素プラズマを用いた成膜されたAl2O3により、基板温度350℃の条件で厚さが約40nmの絶縁膜60を形成したもののC−V特性である。
図10に示されるように、C−V特性におけるヒステリシス曲線において測定した容量の平均の値におけるC−Vヒステリシス幅(ΔV)は、10Aにおいては0.4Vであるのに対し、10Bにおいては2.4Vであった。よって、本実施の形態における絶縁膜を用いた容量測定用試料の方が、C−Vヒステリシス幅を狭くすることができるため、本実施の形態における半導体装置においては、ゲートしきい値電圧の変動を小さくすることができる。
図11は、半導体装置におけるVg−Ig(ゲート電圧−ゲート電流)特性を示すものである。図11における11Aは、図9に示される本実施の形態における半導体装置におけるVg−Ig特性である。図11における11Bは、図1に示される構造の半導体装置におけるVg−Ig特性である。図11に示されるように、図1に示される構造の半導体装置における11Bよりも、本実施の形態における半導体装置の特性の方が、ゲート電流Igが低くなっており、特に、ゲート電圧Vgが12V近傍においては、この傾向が顕著である。よって、本実施の形態における半導体装置は、図1に示される構造の半導体装置よりもゲートリーク電流を少なくすることができる。
尚、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132は、酸素プラズマを用いたALDにより成膜された絶縁膜であれば同様の効果を得ることができるものと考えられるため、HfO2(酸化ハフニウム)、SiO2(酸化シリコン)等の酸化膜であってもよい。
また、本実施の形態においては、電子供給層122をAlGaNにより形成した場合について説明したが、電子供給層122は、InGaAlNやInAlNにより形成した場合についても同様である。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図12及び図13に基づき説明する。
最初に、図12(a)に示すように、基板110の上に、MOVPEにより、不図示のバッファ層、電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123を順次積層して形成する。電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。また、キャップ層123は厚さ5nmのn−GaNにより形成されており、n型となる不純物元素として、Siが1×1018/cm3ドープされている。
次に、図12(b)に示すように、素子分離領域129を形成する。具体的には、キャップ層123の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、素子分離領域129が形成される領域に開口部181aを有するレジストパターン181を形成する。この後、レジストパターン181の開口部181aにおけるキャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、Ar等のイオンの注入を行うことにより、素子分離領域129を形成する。尚、素子分離領域129は、塩素系ガスを用いたドライエッチングにより、キャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部等を除去することにより形成してもよい。
次に、図12(c)に示すように、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域のキャップ層123を除去し、電子供給層122を露出させる。具体的には、レジストパターン181を有機溶剤等により除去した後、再び、キャップ層123の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの開口部におけるキャップ層123をRIE等により除去することにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域において、電子供給層122を露出させる。この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
次に、図13(a)に示すように、露出している電子供給層122の上にソース電極142及びドレイン電極143を形成する。具体的には、再び、キャップ層123及び電子供給層122の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターン及び開口部における電子供給層122の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ti/Alの金属積層膜であり、この後、約700℃の温度で熱処理することにより、オーミックコンタクトさせる。
次に、図13(b)に示すように、キャップ層123の上に、ALDにより、Al2O3等からなる第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を積層して形成する。具体的には、キャップ層123の上に、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより形成されるAl2O3により第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成する。本実施の形態においては、第1の絶縁層131は基板温度約500℃の条件で、厚さ約20nm成膜することにより形成し、第2の絶縁層132は基板温度約350℃の条件で、厚さ約20nm成膜することにより形成する。尚、キャップ層123が露出している領域に第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成するためには、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成した後、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、キャップ層123の上の第2の絶縁層132の上に、不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない領域における第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132をRIE等により除去することにより、キャップ層123の上に第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成することができる。不図示のレジストパターンは、この後、有機溶剤等により除去する。
次に、図13(c)に示すように、第2の絶縁層132の上の所定の領域にゲート電極141を形成する。具体的には、第2の絶縁層132、ソース電極142及びドレイン電極143の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート電極141が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、このレジストパターン及び開口部における第2の絶縁層132の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ゲート電極141が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ni/Auの金属積層膜である。
以上の製造方法により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における半導体装置の第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132が形成されている部分の絶縁層を、成膜条件を変化させながら形成した構造のものである。具体的には、本実施の形態における半導体装置は、キャップ層123の上において、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより、基板温度を徐々に降下させながらAl2O3を成膜することにより絶縁層230を形成した構造のものである。これにより、絶縁層230は、キャップ層123との界面近傍において、−OH数が最も低くなり、キャップ層123が設けられている側から絶縁層230の表面に向かって、徐々に−OH数が増加するように形成することができる。尚、形成される絶縁層230の膜厚は約40nmである。
本実施の形態においては、絶縁層230は、例えば、絶縁層230の成膜開始時における基板温度は500℃であり、絶縁層230の成膜終了時における基板温度は350℃となる条件で形成されている。このようにして形成される本実施の形態における半導体装置は、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態においては、絶縁層230は基板温度を降下させながら成膜する場合について説明したが、絶縁層230は、基板温度の異なる条件で3層以上の絶縁膜が積層された構造のものであってもよい。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
(半導体装置)
次に、本実施の形態における半導体装置について図15に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置は、基板110の上に、窒化物半導体により電子走行層121、電子供給層122が積層されている。また、電子走行層121、電子供給層122の一部には、素子分離のための素子分離領域129が形成されている。電子供給層122の上には、ソース電極142、ドレイン電極143とともに、積層された第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132が形成されている。また、第2の絶縁層132の上には、ゲート電極141が形成されている。尚、基板110の上に、必要に応じてバッファ層が形成されていてもよく、この場合、上述した窒化物半導体はバッファ層の上に形成される。
本実施の形態においては、電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。
第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132は、ともにTMAと酸素プラズマを用いてALDにより成膜されたAl2O3により形成されている。第1の絶縁層131は、膜厚が1nm以上、96nm以下であることが好ましく、第2の絶縁層132は、膜厚が4nm以上、99nm以下であることが好ましい。また、第1の絶縁層131の膜厚と第2の絶縁層132の膜厚の和は、5nm以上、100nm以下であることが好ましい。尚、本実施の形態においては、第1の絶縁層131における膜厚は約20nm、第2の絶縁層132における膜厚は約20nmとなるように形成されている。
本実施の形態においては、基板温度等の成膜条件を変えることにより、第1の絶縁層131に含まれる−OH数が、第2の絶縁層132に含まれる−OH数よりも少なくなるように形成されている。具体的には、第1の絶縁層131を成膜する際の基板温度を第2の絶縁層132を成膜する際の基板温度よりも高くすることにより、第1の絶縁層131に含まれる−OH数が、第2の絶縁層132に含まれる−OH数よりも少なくなるように形成することができる。本実施の形態においては、第1の絶縁層131を成膜する際の基板温度は400℃以上、550℃以下、例えば、約500℃で形成されており、第2の絶縁層132を成膜する際の基板温度は約350℃で形成されている。
このように、第1の絶縁層131と第2の絶縁層132とを積層して形成することにより、双方の利点、即ち、ゲートしきい値電圧の変動をすることができるとともに、ゲートリーク電流を少なくすることができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図16及び図17に基づき説明する。
最初に、図16(a)に示すように、基板110の上に、MOVPEにより、不図示のバッファ層、電子走行層121、電子供給層122を順次積層して形成する。電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。
次に、図16(b)に示すように、素子分離領域129を形成する。具体的には、電子供給層122の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、素子分離領域129が形成される領域に開口部181aを有するレジストパターン181を形成する。この後、レジストパターン181の開口部181aにおける電子供給層122及び電子走行層121の一部に、Ar等のイオンの注入を行うことにより、素子分離領域129を形成する。尚、素子分離領域129は、塩素系ガスを用いたドライエッチングにより、電子供給層122及び電子走行層121の一部等を除去することにより形成してもよい。
次に、図16(c)に示すように、電子供給層122の上にソース電極142及びドレイン電極143を形成する。具体的には、電子供給層122の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターン及び開口部における電子供給層122の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ti/Alの金属積層膜であり、この後、約700℃の温度で熱処理することにより、オーミックコンタクトさせる。
次に、図17(a)に示すように、電子供給層122の上に、ALDにより、Al2O3等からなる第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を積層して形成する。具体的には、電子供給層122の上に、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより形成されるAl2O3により第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成する。本実施の形態においては、第1の絶縁層131は基板温度約500℃の条件で、厚さ約20nm成膜することにより形成し、第2の絶縁層132は基板温度約350℃の条件で、厚さ約20nm成膜することにより形成する。尚、電子供給層122が露出している領域に第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成するためには、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成した後、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、電子供給層122の上の第2の絶縁層132の上に、不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない領域における第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132をRIE等により除去することにより、電子供給層122の上に、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成することができる。不図示のレジストパターンは、この後、有機溶剤等により除去する。
次に、図17(b)に示すように、第2の絶縁層132の上の所定の領域にゲート電極141を形成する。具体的には、第2の絶縁層132、ソース電極142及びドレイン電極143の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート電極141が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、このレジストパターン及び開口部における第2の絶縁層132の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ゲート電極141が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ni/Auの金属積層膜である。
以上の製造方法により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また本実施の形態は、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132に代えて、第2の実施の形態における絶縁層230を形成してもよい。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態における半導体装置について図18に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置は、基板110の上に、窒化物半導体により電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123が積層されている。また、電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123の一部には、素子分離のための素子分離領域129が形成されている。ゲート電極141が形成される領域の直下においては、キャップ層123及び電子供給層122の一部を除去することによりゲートリセス220が形成されている。また、キャップ層123を除去することにより露出している電子供給層122の上には、ソース電極142、ドレイン電極143が形成されている。ゲートリセス220が形成されている領域を含む窒化物半導体の上には、積層された第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132が形成されており、ゲートリセス220が形成されている領域における第2の絶縁層132の上には、ゲート電極141が形成されている。尚、基板110の上に、必要に応じてバッファ層が形成されていてもよく、この場合、上述した窒化物半導体はバッファ層の上に形成される。
本実施の形態においては、電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。キャップ層123は厚さ5nmのn−GaNにより形成されており、不純物元素としてSiが1×1018/cm3ドープされている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。
ゲートリセス220は、キャップ層123と電子供給層122を除去し、電子走行層121を露出させたものであってもよく、また、キャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部を除去することにより形成されたものであってもよい。
第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132は、ともにTMAと酸素プラズマを用いてALDにより成膜されたAl2O3により形成されている。第1の絶縁層131は、膜厚が1nm以上、96nm以下であることが好ましく、第2の絶縁層132は、膜厚が4nm以上、99nm以下であることが好ましい。また、第1の絶縁層131の膜厚と第2の絶縁層132の膜厚の和は、5nm以上、100nm以下であることが好ましい。尚、本実施の形態においては、第1の絶縁層131における膜厚は約20nm、第2の絶縁層132における膜厚は約20nmとなるように形成されている。
本実施の形態においては、基板温度等の成膜条件を変えることにより、第1の絶縁層131に含まれる−OH数が、第2の絶縁層132に含まれる−OH数よりも少なくなるように形成されている。具体的には、第1の絶縁層131を成膜する際の基板温度を第2の絶縁層132を成膜する際の基板温度よりも高くすることにより、第1の絶縁層131に含まれる−OH数が、第2の絶縁層132に含まれる−OH数よりも少なくなるように形成することができる。本実施の形態においては、第1の絶縁層131を成膜する際の基板温度は400℃以上、550℃以下、例えば、約500℃で形成されており、第2の絶縁層132を成膜する際の基板温度は約350℃で形成されている。
このように、第1の絶縁層131と第2の絶縁層132とを積層して形成することにより、双方の利点、即ち、ゲートしきい値電圧の変動をすることができるとともに、ゲートリーク電流を少なくすることができる。
また、本実施の形態における半導体装置においては、ゲートリセス220を形成することにより、ノーマリーオフにすることができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図19から図21に基づき説明する。
最初に、図19(a)に示すように、基板110の上に、MOVPEにより、不図示のバッファ層、電子走行層121、電子供給層122、キャップ層123を順次積層して形成する。電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。また、キャップ層123は厚さ5nmのn−GaNにより形成されており、n型となる不純物元素として、Siが1×1018/cm3ドープされている。
次に、図19(b)に示すように、素子分離領域129を形成する。具体的には、キャップ層123の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、素子分離領域129が形成される領域に開口部181aを有するレジストパターン181を形成する。この後、レジストパターン181の開口部181aにおけるキャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部に、Ar等のイオンの注入を行うことにより、素子分離領域129を形成する。尚、素子分離領域129は、塩素系ガスを用いたドライエッチングにより、キャップ層123、電子供給層122及び電子走行層121の一部を除去することにより形成してもよい。
次に、図19(c)に示すように、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域のキャップ層123を除去し、電子供給層122を露出させる。具体的には、レジストパターン181を有機溶剤等により除去した後、再び、キャップ層123の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの開口部におけるキャップ層123をRIE等により除去することにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域において、電子供給層122を露出させる。この後、不図示のレジストパターンは有機溶剤等により除去する。
次に、図20(a)に示すように、露出している電子供給層122の上にソース電極142及びドレイン電極143を形成する。具体的には、再び、キャップ層123及び電子供給層122の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターン及び開口部における電子供給層122の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ti/Alの金属積層膜であり、この後、約700℃の温度で熱処理することにより、オーミックコンタクトさせる。
次に、図20(b)に示すように、ゲート電極141が形成される領域の直下において、キャップ層123及び電子供給層122の一部を除去することにより、ゲートリセス220を形成する。具体的には、キャップ層123、ソース電極142及びドレイン電極143等の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲートリセス220が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等によりレジストパターンの開口部におけるキャップ層123及び電子供給層122の一部を除去することによりゲートリセス220を形成する。この際形成されるゲートリセス220は、レジストパターンの開口部におけるキャップ層123及び電子供給層122を除去し、電子走行層121を露出させたものであってもよく、更には、電子走行層121の一部が除去されているものであってもよい。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。
次に、図20(c)に示すように、ゲートリセス220の側面及び底面、キャップ層123の上に、ALDにより、Al2O3等からなる第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を積層して形成する。具体的には、ゲートリセス220の底面となる電子供給層122の上、ゲートリセス220の側面、キャップ層123の上に、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより形成されるAl2O3により第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成する。本実施の形態においては、第1の絶縁層131は基板温度約500℃の条件で、厚さ約20nm成膜することにより形成し、第2の絶縁層132は基板温度約350℃の条件で、厚さ約20nm成膜することにより形成する。尚、ゲートリセス220を含む窒化物半導体が露出している領域に第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成するためには、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成した後、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、ゲートリセス220が形成されている電子供給層122及びキャップ層123の上の第2の絶縁層132の上に、不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない領域における第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132をRIE等により除去する。これにより、ゲートリセス220が形成されている電子供給層122及びキャップ層123の上に、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成することができる。不図示のレジストパターンは、この後、有機溶剤等により除去する。
次に、図21に示すように、ゲートリセス220が形成されている領域における第2の絶縁層132の上にゲート電極141を形成する。具体的には、第2の絶縁層132、ソース電極142及びドレイン電極143等の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート電極141が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターン及び開口部における第2の絶縁層132の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ゲート電極141が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ni/Auの金属積層膜である。
以上の製造方法により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態においては、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132に代えて、第2の実施の形態における絶縁層230を形成してもよい。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態における半導体装置について図22に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置は、基板110の上に、窒化物半導体により電子走行層121、電子供給層122が積層されている。また、電子走行層121、電子供給層122の一部には、素子分離のための素子分離領域129が形成されている。ゲート電極141が形成される領域の直下においては、電子供給層122の一部を除去することによりゲートリセス220が形成されており、電子供給層122の上には、ソース電極142、ドレイン電極143が形成されている。ゲートリセス220が形成されている領域を含む電子供給層122の上には、積層された第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132が形成されており、第2の絶縁層132の上には、ゲート電極141が形成されている。尚、基板110の上に、必要に応じてバッファ層が形成されていてもよく、この場合、上述した窒化物半導体はバッファ層の上に形成される。
本実施の形態においては、電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。
ゲートリセス220は、電子供給層122を除去することにより形成されたものであってもよく、電子供給層122及び電子走行層121の一部を除去することにより形成されたものであってもよい。
第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132は、ともにTMAと酸素プラズマを用いてALDにより成膜されたAl2O3により形成されている。第1の絶縁層131は、膜厚が1nm以上、96nm以下であることが好ましく、第2の絶縁層132は、膜厚が4nm以上、99nm以下であることが好ましい。また、第1の絶縁層131の膜厚と第2の絶縁層132の膜厚の和は、5nm以上、100nm以下であることが好ましい。尚、本実施の形態においては、第1の絶縁層131における膜厚は約20nm、第2の絶縁層132における膜厚は約20nmとなるように形成されている。
本実施の形態においては、基板温度等の成膜条件を変えることにより、第1の絶縁層131に含まれる−OH数が、第2の絶縁層132に含まれる−OH数よりも少なくなるように形成されている。具体的には、第1の絶縁層131を成膜する際の基板温度を第2の絶縁層132を成膜する際の基板温度よりも高くすることにより、第1の絶縁層131に含まれる−OH数が、第2の絶縁層132に含まれる−OH数よりも少なくなるように形成することができる。本実施の形態においては、第1の絶縁層131を成膜する際の基板温度は400℃以上、550℃以下、例えば、約500℃で形成されており、第2の絶縁層132を成膜する際の基板温度は約350℃で形成されている。
このように、第1の絶縁層131と第2の絶縁層132とを積層して形成することにより、双方の利点、即ち、ゲートしきい値電圧の変動をすることができるとともに、ゲートリーク電流を少なくすることができる。
また、本実施の形態における半導体装置においては、ゲートリセス220を形成することにより、ノーマリーオフにすることができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図23及び図24に基づき説明する。
最初に、図23(a)に示すように、基板110の上に、MOVPEにより、不図示のバッファ層、電子走行層121、電子供給層122を順次積層して形成する。電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。
次に、図23(b)に示すように、素子分離領域129を形成する。具体的には、電子供給層122の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、素子分離領域129が形成される領域に開口部181aを有するレジストパターン181を形成する。この後、レジストパターン181の開口部181aにおける電子供給層122及び電子走行層121の一部に、Ar等のイオンの注入を行うことにより、素子分離領域129を形成する。尚、素子分離領域129は、塩素系ガスを用いたドライエッチングにより、電子供給層122及び電子走行層121の一部を除去することにより形成してもよい。
次に、図23(c)に示すように、電子供給層122の上にソース電極142及びドレイン電極143を形成する。具体的には、電子供給層122の上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターン及び開口部における電子供給層122の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ソース電極142及びドレイン電極143が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ti/Alの金属積層膜であり、この後、約700℃の温度で熱処理することにより、オーミックコンタクトさせる。
次に、図24(a)に示すように、ゲート電極141が形成される領域において、電子供給層122の一部を除去することにより、ゲートリセス220を形成する。具体的には、電子供給層122の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲートリセス220が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等によりレジストパターンの開口部における電子供給層122の一部を除去することによりゲートリセス220を形成する。この際形成されるゲートリセス220は、レジストパターンの開口部における電子供給層122を除去し、電子走行層121を露出させたものであってもよく、更には、電子走行層121の一部が除去されているものであってもよい。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。
次に、図24(b)に示すように、ゲートリセス220の側面及び底面を含む電子供給層122の上に、ALDにより、Al2O3等からなる第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を積層して形成する。具体的には、ゲートリセス220が形成されている領域を含む電子供給層122の上に、TMAと酸素プラズマを用いたALDにより形成されるAl2O3により第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成する。本実施の形態においては、第1の絶縁層131は基板温度約500℃の条件で、厚さ約20nm成膜することにより形成し、第2の絶縁層132は基板温度約350℃の条件で、厚さ約20nm成膜することにより形成する。尚、電子供給層122が露出している領域に第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成するためには、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成した後、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、ゲートリセス220が形成されている領域を含む電子供給層122の上の第2の絶縁層132の上に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない領域における第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132をRIE等により除去する。これにより、ゲートリセス220が形成されている領域を含む電子供給層122の上に、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132を形成することができる。不図示のレジストパターンは、この後、有機溶剤等により除去する。
次に、図24(c)に示すように、ゲートリセス220が形成されている領域の第2の絶縁層132の上にゲート電極141を形成する。具体的には、第2の絶縁層132、ソース電極142及びドレイン電極143の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ゲート電極141が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、このレジストパターン及び開口部における第2の絶縁層132の上に、真空蒸着により金属膜を成膜し、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜された金属膜をレジストパターンとともに、リフトオフにより除去する。これにより、不図示のレジストパターンの開口部において残存する金属膜により、ゲート電極141が形成される。この際、成膜される金属膜は、Ni/Auの金属積層膜である。
以上の製造方法により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態においては、第1の絶縁層131及び第2の絶縁層132に代えて、第2の実施の形態における絶縁層230を形成したものであってもよい。
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態における半導体装置について図25に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置は、基板110の上に、窒化物半導体により電子走行層121、電子供給層122が積層されている。また、電子走行層121、電子供給層122の一部には、素子分離のための素子分離領域129が形成されている。電子供給層122の上には、ソース電極142、ドレイン電極143、絶縁層330が形成されており、絶縁層330の上には、ゲート電極141が形成されている。尚、基板110の上に、必要に応じてバッファ層が形成されていてもよく、この場合、上述した窒化物半導体はバッファ層の上に形成される。
本実施の形態においては、電子走行層121は厚さ3μmのi−GaNにより形成されており、電子供給層122は厚さ20nmのi−Al0.25Ga0.75Nにより形成されている。これにより、電子走行層121と電子供給層122との界面近傍における電子走行層121には、2DEG121aが生成される。
絶縁層330は、TMAと酸素プラズマを用いてALDにより成膜されたAl2O3により形成されている。絶縁層330は、膜厚が40nm以上、100nm以下であることが好ましく、膜厚は約40nmとなるように形成されている。
本実施の形態においては、絶縁層330を成膜する際の基板温度は400℃以上、550℃以下、例えば、約500℃で形成されている。これにより、ゲートしきい値電圧の変動をすることができる。また、絶縁層330の膜厚を厚くすることにより、ゲートリーク電流を低くすることができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態は、第3の実施の形態から第5の実施の形態の構造の半導体装置においても適用することができる。
〔第7の実施の形態〕
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、半導体デバイス、電源装置及び高周波増幅器である。
(半導体デバイス)
本実施の形態における半導体デバイスは、第1から第6の実施の形態における半導体装置をディスクリートパッケージしたものであり、このようにディスクリートパッケージされた半導体デバイスについて、図26に基づき説明する。尚、図26は、ディスクリートパッケージされた半導体装置の内部を模式的に示すものであり、電極の配置等については、第1から第6の実施の形態に示されているものとは、異なっている。
最初に、第1から第6の実施の形態において製造された半導体装置をダイシング等により切断することにより、GaN系の半導体材料のHEMTの半導体チップ410を形成する。この半導体チップ410をリードフレーム420上に、ハンダ等のダイアタッチ剤430により固定する。尚、この半導体チップ410は、第1から第6の実施の形態における半導体装置に相当するものである。
次に、ゲート電極411をゲートリード421にボンディングワイヤ431により接続し、ソース電極412をソースリード422にボンディングワイヤ432により接続し、ドレイン電極413をドレインリード423にボンディングワイヤ433により接続する。尚、ボンディングワイヤ431、432、433は、Al等の金属材料により形成されている。また、本実施の形態においては、ゲート電極411はゲート電極パッドの一種であり第1から第6の実施の形態における半導体装置のゲート電極141と接続されている。また、ソース電極412はソース電極パッドの一種であり、第1から第6の実施の形態における半導体装置のソース電極142と接続されている。また、ドレイン電極413はドレイン電極パッドの一種であり、第1から第6の実施の形態における半導体装置のドレイン電極143と接続されている。
次に、トランスファーモールド法によりモールド樹脂440による樹脂封止を行なう。このようにして、GaN系の半導体材料を用いたHEMTのディスクリートパッケージされている半導体デバイスを作製することができる。
(PFC回路、電源装置及び高周波増幅器)
次に、本実施の形態におけるPFC回路、電源装置及び高周波増幅器について説明する。本実施の形態におけるPFC回路、電源装置及び高周波増幅器は、第1から第6の実施の形態におけるいずれかの半導体装置を用いた電源装置及び高周波増幅器である。
(PFC回路)
次に、本実施の形態におけるPFC(Power Factor Correction)回路について説明する。本実施の形態におけるPFC回路は、第1から第6の実施の形態における半導体装置を有するものである。
図27に基づき、本実施の形態におけるPFC回路について説明する。本実施の形態におけるPFC回路450は、スイッチ素子(トランジスタ)451と、ダイオード452と、チョークコイル453と、コンデンサ454、455と、ダイオードブリッジ456と、不図示の交流電源とを有している。スイッチ素子451には、第1から第6の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている。
PFC回路450では、スイッチ素子451のドレイン電極とダイオード452のアノード端子及びチョークコイル453の一方の端子とが接続されている。また、スイッチ素子451のソース電極とコンデンサ454の一方の端子及びコンデンサ455の一方の端子とが接続されおり、コンデンサ454の他方の端子とチョークコイル453の他方の端子とが接続されている。コンデンサ455の他方の端子とダイオード452のカソード端子とが接続されており、コンデンサ454の双方の端子間にはダイオードブリッジ456を介して不図示の交流電源が接続されている。このようなPFC回路450においては、コンデンサ455の双方端子間より、直流(DC)が出力される。
(電源装置)
次に、本実施の形態における電源装置について説明する。本実施の形態における電源装置は、第1から第6の実施の形態における半導体装置であるHEMTを有する電源装置である。
図28に基づき本実施の形態における電源装置について説明する。本実施の形態における電源装置は、前述した本実施の形態におけるPFC回路450を含んだ構造のものである。
本実施の形態における電源装置は、高圧の一次側回路461及び低圧の二次側回路462と、一次側回路461と二次側回路462との間に配設されるトランス463とを有している。
一次側回路461は、前述した本実施の形態におけるPFC回路450と、PFC回路450のコンデンサ455の双方の端子間に接続されたインバータ回路、例えばフルブリッジインバータ回路460とを有している。フルブリッジインバータ回路460は、複数(ここでは4つ)のスイッチ素子464a、464b、464c、464dを有している。また、二次側回路462は、複数(ここでは3つ)のスイッチ素子465a、465b、465cを有している。尚、ダイオードブリッジ456には、交流電源457が接続されている。
本実施の形態においては、一次側回路461におけるPFC回路450のスイッチ素子451において、第1から第6の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている。更に、フルブリッジインバータ回路460におけるスイッチ素子464a、464b、464c、464dにおいて、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている。一方、二次側回路462のスイッチ素子465a、465b、465cは、シリコンを用いた通常のMIS構造のFETが用いられている。
(高周波増幅器)
次に、本実施の形態における高周波増幅器について説明する。本実施の形態における高周波増幅器は、第1から第6の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている構造のものである。
図29に基づき、本実施の形態における高周波増幅器について説明する。本実施の形態における高周波増幅器は、ディジタル・プレディストーション回路471、ミキサー472a、472b、パワーアンプ473及び方向性結合器474を備えている。
ディジタル・プレディストーション回路471は、入力信号の非線形歪みを補償するものである。ミキサー472aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号をミキシングするものである。パワーアンプ473は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅するものであり、第1から第6の実施の形態における半導体装置であるHEMTを有している。方向性結合器474は、入力信号や出力信号のモニタリング等を行なう。尚、図29では、例えばスイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー472bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路471に送出することができる。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上に形成された絶縁層と、
前記第2の半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
前記絶縁層の上に形成されたゲート電極と、
を有し、
前記絶縁層は、酸化物を含む材料により形成されており、前記第2の半導体層の側より、第1の絶縁層、第2の絶縁層の順で積層することにより形成されているものであって、
前記第2の絶縁層に単位体積当たりに含まれる水酸基の量よりも、前記第1の絶縁層に単位体積当たりに含まれる水酸基の量が少ないことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上に形成された絶縁層と、
前記第2の半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
前記絶縁層の上に形成されたゲート電極と、
を有し、
前記絶縁層は、酸化物を含む材料により形成されており、前記第2の半導体層の側より前記絶縁層の表面に向かって、単位体積当たりに含まれる水酸基の量が増加していることを特徴とする半導体装置。
(付記3)
前記絶縁層は、酸素を含むプラズマを用いた原子層堆積により形成されたものであって、
前記第1の絶縁層を形成する際の基板温度は、前記第2の絶縁層を形成する際の基板温度よりも、高い温度であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記4)
前記第1の絶縁層を形成する際の基板温度は、400℃以上、550℃以下であることを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記5)
基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上に形成された絶縁層と、
前記第2の半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
前記絶縁層の上に形成されたゲート電極と、
を有し、
前記絶縁層は、酸素を含むプラズマを用いた原子層堆積により形成されたものであって、
前記絶縁層は、400℃以上、550℃以下の基板温度で形成されたものであることを特徴とする半導体装置。
(付記6)
前記絶縁層は、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化シリコンのうちのいずれかを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体装置。
(付記7)
前記第2の半導体層の上には、窒化物半導体により第3の半導体層が形成されており、
前記絶縁層は、前記第3の半導体層の上に形成されていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記8)
前記ゲート電極が形成される領域の前記第2の半導体層を除去することによりゲートリセスが形成されていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記9)
前記第2の半導体層の上には、窒化物半導体により第3の半導体層が形成されており、
前記ゲート電極が形成される領域の前記第3の半導体層及び前記第2の半導体層を除去することによりゲートリセスが形成されており、
前記絶縁層は、前記ゲートリセス及び前記第3の半導体層の上に形成されていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記10)
前記第3の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記7または9に記載の半導体装置。
(付記11)
前記第1の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の半導体装置。
(付記12)
前記第2の半導体層は、AlGaN、InGaAlN、InAlNのうちのいずれかを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から11のいずれかに記載の半導体装置。
(付記13)
基板の上に、窒化物半導体により第1の半導体層及び第2の半導体層を順次形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、酸素プラズマを用いた原子層堆積により第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層の上に、酸素プラズマを用いた原子層堆積により第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層の上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記第1の絶縁層を形成する際の基板温度は、前記第2の絶縁層を形成する際の基板温度よりも、高い温度であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記第1の絶縁層を形成する際の基板温度は、400℃以上、550℃以下であることを特徴とする付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層は、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化シリコンのうちのいずれかを含む材料により形成されていることを特徴とする付記13または14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
基板の上に、窒化物半導体により第1の半導体層及び第2の半導体層を順次形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、酸素プラズマを用いた原子層堆積により絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記絶縁層は、前記第2の半導体層の側を成膜する際の基板温度よりも低い基板温度で、前記絶縁層の表面側を成膜することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記17)
基板の上に、窒化物半導体により第1の半導体層及び第2の半導体層を順次形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、酸素プラズマを用いた原子層堆積により絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記絶縁層を形成する際の基板温度は、400℃以上、550℃以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記18)
前記絶縁層は、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化シリコンのうちのいずれかを含む材料により形成されていることを特徴とする付記16または17に記載の半導体装置の製造方法。
(付記19)
付記1から12のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
(付記20)
付記1から12のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする増幅器。