以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明にかかる文書管理方法が適応される複合機1のハードウェア構成を、その制御装置2を中心に例示する図である。
図1に示すように、複合機1(文書管理装置、画像形成装置)は、制御装置2および複合機本体10から構成され、文書ファイルを印刷する印刷機能、原稿から光学的に読み取られた画像を印刷するコピー機能、および、原稿から光学的に読み取られた画像を送受信するファクシミリ機能を実現する。
制御装置2は、CPU202およびメモリ204などを含む制御装置本体20、通信装置22、HDD・CD装置などの記録装置24、並びに、LCD表示装置あるいはCRT表示装置およびキーボード・タッチパネルなどを含むユーザインターフェース装置(UI装置)26から構成される。
図2は、図1に示した複合機本体10のハードウェア構成を例示する図である。
図2に示すように、複合機本体10は、用紙トレイ部12、ゼログラフィなどにより画像を印刷用紙42(画像形成媒体)に印刷するプリントエンジン14(像形成手段)、原稿用紙40の画像を読み取るスキャナ16、および、原稿用紙40を送る原稿送り装置18などから構成される。
つまり、本例の複合機1は、印刷機能、コピー機能およびファクシミリ機能を有する通常の複合機であって、後述する印刷プログラム5(図4)および登録認証プログラム6(図5)がインストールされたものである。
なお、制御装置2(図1)は、図2に示すように、実際には複合機本体10の内部に収容される。
[アクセスキー文書]
図3(A)は、アクセスキー文書を例示する図であり、図3(B)は、アクセスキー文書に埋め込まれるコード情報を例示する図である。
図3(A)に例示するように、アクセスキー文書(第1の文書)は、コード情報400が添付された原稿用紙40である。コード情報400は、出力文書のデータファイルにアクセスするための情報であり、このコード情報400が添付された原稿用紙40(すなわち、アクセスキー文書)は、出力文書のデータファイルにアクセスするための文書である。ここで、出力文書(第2の文書)とは、アクセスキー文書によりアクセスが可能になる文書データであり、アクセスキー文書に表示される画像とは異なる画像(以下、出力画像)を含む。
本例のコード情報400は、コードパターン(例えば、バーコード、ステガノグラフなど)として原稿用紙40に印刷されている。
また、本例の原稿用紙40(アクセスキー文書)には、出力文書の内容を示唆するサムネイル画像410と、出力文書へのアクセスをガイドするガイド情報422と、出力文書に関する情報を示す関連情報424とが印刷されている。
図3(B)に例示するように、コード情報400には、機能コード402、キー文書ID404および出力文書ID406が含まれている。
機能コード402は、原稿用紙40の繊維パターン(特徴情報)の認証を要するか否かを示す認証要求情報である。本例の機能コード402は、繊維パターンの認証が必要であることを示す認証要求オン(ビット「1」)、又は、繊維パターンの認証が不要であることを示す認証要求オフ(ビット「0」)である。
キー文書ID404は、アクセスキー文書(すなわち、原稿用紙40)を識別する識別情報である。
出力文書ID406は、このキー文書IDに対応付けられた出力文書を識別するための出力文書識別情報である。
[印刷プログラム]
図4は、制御装置2(図1,図2)により実行され、本発明にかかる文書管理方法を実現する印刷プログラム5の構成を示す図である。
図4に示すように、印刷プログラム5は、キー画像入力部500、出力文書登録部510、コード生成部530、画像合成部540、印刷部550、画像読取部560、コード解析部570、および出力文書取得部580から構成される。
印刷プログラム5は、例えば記録媒体240(図1)を介して制御装置2に供給され、メモリ204にロードされて実行される。
印刷プログラム5において、キー画像入力部500は、アクセスキー文書となる原稿用紙40(図3)に印刷すべき画像のデータを、外部(例えば、図1に例示した通信装置22又は記録装置24)から取得し、取得した画像データを画像合成部540に出力する。アクセスキー文書の発行者は、例えば、図3(A)に例示したアクセスキー文書の画像(サムネイル画像410、ガイド情報422および関連情報424などが含まれた画像)を作成し記録装置24(図1)に記録させると、キー画像入力部500は、記録装置24から、このアクセスキー文書の画像データを読み出して画像合成部540に出力する。
出力文書登録部510は、出力文書の画像データ(すなわち、アクセスキー文書に対応付けられる出力文書のデータファイル)を文書管理データベース(文書管理DB)700に登録する。
より具体的には、アクセスキー文書の発行者が、出力文書のデータファイルと、この出力文書に対応するアクセスキー文書の発行数とを入力すると、出力文書登録部510は、入力された出力文書の出力文書ID406を生成し、さらに、入力された発行数だけ、アクセスキー文書のキー文書ID404を生成し、生成された出力文書IDおよびキー文書ID404と、入力された出力文書の画像データとを互いに対応付けて出力文書登録部510に格納する。また、出力文書登録部510は、この出力文書について生成された出力文書ID406およびキー文書ID404をコード生成部530に出力する。
コード生成部530は、出力文書登録部510から入力された出力文書ID406およびキー文書ID404に基づいて、コード情報400を生成する。
より具体的には、アクセスキー文書の発行者が、繊維パターンの認証を要するか否かを指定すると、コード生成部530は、発行者の指定に応じた機能コード402と、出力文書登録部510から入力された出力文書IDおよびキー文書ID404とを合成して、コード情報400(図3)を生成し、生成されたコード情報400に対応するコード画像(例えば、バーコード、ステガノグラフなど)を画像合成部540に出力する。
画像合成部540(付加情報付与手段)は、キー画像入力部500から入力された画像データ(サムネイル画像410など)と、コード生成部530から入力されたコード情報400の画像データとを合成し、合成された画像(以下、アクセスキー画像)のデータを印刷部550に出力する。
印刷部550は、用紙トレイ部12(図2)及びプリントエンジン14(図2)などを制御して、画像を印刷用紙42に印刷する。
より具体的には、印刷部550は、画像合成部540からアクセスキー画像の画像データが入力されると、入力された画像データに応じて、印刷用紙42にアクセスキー画像を印刷する(すなわち、アクセスキー文書を生成する)。アクセスキー画像が印刷された印刷用紙42(すなわち、アクセスキー文書)は、発行者から各所持者に配布され、出力文書を印刷するためのアクセスキー文書(原稿用紙40)として利用される。
また、印刷部550は、出力文書取得部580から出力文書の画像データが入力されると、印刷用紙42に出力文書の画像を印刷する。
画像読取部560(特徴情報読取手段)は、スキャナ16(図2)を制御して、原稿用紙40に表示された画像(例えば、アクセスキー画像)を読み取り、読み取られた画像データをコード解析部570に出力する。
コード解析部570は、画像読取部560から入力された画像データの中に、コード画像(コード情報を示す画像パターン)が含まれているか否かを判定する。
コード解析部570(認証要求情報取得手段)は、読み取られた画像の中にコード画像が含まれている場合には、このコード画像に基づいて、コード情報400(機能コード402(認証要求情報)、キー文書ID404および出力文書ID406を含む)を生成し、生成されたコード情報400と、読み取られた画像データとを登録認証プログラム6(図5を参照して後述)に出力する。コード解析部570は、登録認証プログラム6から認証結果が入力されると、この認証結果と、出力文書ID406とを出力文書取得部580に出力する。
なお、コード解析部570は、読み取られた画像の中にコード画像が含まれていない場合には、読み取られた画像データをそのまま印刷部550に出力し、印刷させる(コピー機能)。
出力文書取得部580(文書出力手段)は、コード解析部570から入力された認証結果に応じて、コード解析部570から入力された出力文書IDに対応する出力文書の画像データを文書管理DB700から取得し、取得された出力文書の画像データを印刷部550に出力する。
より具体的には、出力文書取得部580は、登録認証プログラム6により出力文書へのアクセスが許可された場合に、コード解析部570から入力された出力文書IDに対応する出力文書の画像データを文書管理DB700から読み出し、読み出された出力文書の画像データを印刷部550に出力する。
なお、出力文書取得部580は、登録認証プログラム6により出力文書へのアクセスが許可されなかった場合には、出力文書へのアクセスが許可されなかった旨をUI装置26(図1,2)に出力する。
文書管理DB700は、印刷プログラム5および登録認証プログラム6により共用されるデータベースであり、アクセスキー文書に関連付けられた出力文書のデータファイルを、この出力文書を識別する出力文書ID、それぞれのアクセスキー文書を識別するキー文書ID、および、それぞれのアクセスキー文書の繊維パターンのデータに対応付けて記憶する。
[登録認証プログラム]
図5は、制御装置2(図1,図2)により実行され、本発明にかかる文書管理方法を実現する登録認証プログラム6の構成を示す図である。
図5に示すように、登録認証プログラム6は、特徴情報取得部600、キーID取得部610、特徴情報登録部620、認証情報取得部630、認証部640、認証結果出力部650、および認証結果表示部660から構成される。
登録認証プログラム6は、例えば記録媒体240(図1)を介して制御装置2に供給され、メモリ204にロードされて実行される。
登録認証プログラム6において、特徴情報取得部600(特徴取得手段)は、原稿用紙40(アクセスキー画像の媒体)に固有の特徴を示す特徴情報を、原稿用紙40から取得し、取得された特徴情報を特徴情報登録部620に出力する。
より具体的には、特徴情報取得部600は、原稿用紙40の繊維パターンを特徴情報として取得し、取得された繊維パターンを特徴情報登録部620に出力する。例えば、特徴情報取得部600は、スキャナ16(図2)を制御して、原稿用紙40の表面をスキャンして、原稿用紙40の繊維パターンを抽出する。
キーID取得部610は、アクセスキー文書(原稿用紙40)に付与されたキー文書IDを、アクセスキー文書から取得し、取得されたキー文書IDを特徴情報登録部620に出力する。
より具体的には、キーID取得部610は、スキャナ16(図2)を制御して、アクセスキー文書(原稿用紙40)に添付されたコード情報400(図3)を読み取り、読み取られたコード情報400からキー文書ID404を抽出する。
特徴情報登録部620(特徴情報登録手段)は、特徴情報取得部600により原稿用紙40から取得された特徴情報(本例では、繊維パターン)と、キーID取得部610によりこの原稿用紙40から取得されたキー文書ID404とを互いに対応付けて、文書管理DB700に登録する。
また、1つのキー文書ID404について登録できる特徴情報の数に対して、上限が設定されており、特徴情報登録部620は、キー文書ID404について特徴情報の登録数が上限に達した場合には、以後、このキー文書ID404に関して、特徴情報の登録を禁止する。なお、本例の上限は1であり、特徴情報登録部620は、キー文書ID404に対して既に特徴情報が登録されている場合には、このキー文書ID404に対する特徴情報の登録を禁止して、特徴情報(繊維パターン)の二重登録を防止する。
認証情報取得部630(識別情報取得手段)は、原稿用紙40(アクセスキー文書)から、このアクセスキー文書(キー媒体)に付与されたキー文書ID404(識別情報)と、この原稿用紙40の特徴情報とを取得し、取得されたキー文書ID404および特徴情報を認証部640に出力する。
より具体的には、認証情報取得部630は、原稿用紙40から光学的に読み取られた画像データに基づいて、この原稿用紙40(すなわち、アクセスキー文書)に付与されたキー文書ID404と、この原稿用紙40の繊維パターン(特徴情報)とを取得する。
本例の認証情報取得部630は、印刷プログラム5のコード解析部570(図4)から、キー文書ID404と、原稿用紙40から読み取られた画像データとを取得し、取得されたキー文書ID404と、原稿用紙40の画像データ(繊維パターンが含まれた画像データ)とを認証部640に出力する。
認証部640(認証手段)は、認証情報取得部630により原稿用紙40から取得されたキー文書ID404および特徴情報に基づいて、この原稿用紙40(すなわち、アクセスキー文書)に対応する出力文書へのアクセスを許可するか否かを判断し、この判断の結果を認証結果として認証結果出力部650に出力する。
より具体的には、認証部640は、文書管理DB700に登録されている特徴情報(本例では、繊維パターン)の中から、入力されたキー文書ID404に対応する特徴情報が存在するか否かを判断し、キー文書ID404に対応する特徴情報が文書管理DB700に登録されていない場合に、この原稿用紙40(すなわち、アクセスキー文書)に対応する出力文書へのアクセスを禁止する。
換言すると、認証部640は、原稿用紙40(アクセスキー文書)のキー文書ID404について、特徴情報が登録されていることを条件として、このキー文書ID40に対応する出力文書へのアクセスを許可する。
また、認証部640は、キー文書ID404に対応する特徴情報(本例では、繊維パターン)が文書管理DB700に登録されている場合に、文書管理DB700に登録されている特徴情報(繊維パターン)と、原稿用紙40から読み取られた特徴情報(本例では、原稿用紙40表面の画像データ)とを比較して、一致しているか否かを判断する。この場合の「一致」とは、文書管理DB700に登録されている特徴情報と、原稿用紙40から取得された特徴情報との差異が既定の範囲内におさまることを意味する。
本例の認証部640は、文書管理DB700に登録されている繊維パターンと、原稿用紙40から読み取られた繊維パターンとの差異が既定の範囲内である場合に、出力文書に対するアクセスを許可し、これらの差異が既定の範囲外である場合に、出力文書に対するアクセスを禁止する。この場合の「既定の範囲」は、複数の特徴情報が同一の媒体(本例では、原稿用紙40)から抽出されたことを認証できる範囲であることが望ましい。
認証結果出力部650は、認証部640から入力された認証結果を外部に出力する。
より具体的には、認証結果出力部650は、認証部640から入力された認証結果(アクセス許可又はアクセス禁止)を印刷プログラム5のコード解析部570(図4)に出力する。
また、認証結果出力部650は、アクセスキー確認モードである場合に、認証結果を認証結果表示部660に出力する。アクセスキー確認モードとは、それぞれのアクセスキー文書(原稿用紙40)について、対応する出力文書へのアクセスが可能であるか否かを判定する動作モードであり、複合機1は、アクセスキー確認モードが設定されている場合に、アクセスキー文書に対応する出力文書の出力(印刷)を行うことなく、これらの出力文書に対してアクセス可能であるか否かを出力する。
認証結果表示部660(表示手段)は、アクセスキー確認モードが設定されている場合に、認証結果出力部650から入力された認証結果を、UI装置26(図1,2)に表示させる。
図6(A)は、アクセスキー文書が発行された当初の文書管理DB700の登録情報を例示し、図6(B)は、アクセスキー文書の特徴情報が登録された後の文書管理DB700の登録情報を例示し、図6(C)は、認証部640による認証結果を例示する図である。
キー文書生成ユニット(図4に示されたキー画像入力部500、出力文書登録部510、コード生成部530および画像合成部540)が、新たにアクセスキー文書(すなわち、出力文書に関連付けられた原稿用紙40)を発行すると、文書管理DB700には、図6(A)に例示するように、それぞれのアクセスキー文書に関連付けられた出力文書の出力文書IDと、それぞれのアクセスキー文書を識別するキー文書IDとが、互いに対応付けられて登録される。アクセスキー文書が登録された直後には、各アクセスキー文書(原稿用紙40)の特徴情報(繊維パターン)が登録されていないため、文書管理DB700の特徴情報の欄には、「未登録」であることを示す情報が書き込まれている。
このように、文書管理DB700の特徴情報が「未登録」である場合には、いずれのアクセスキー文書を用いて出力文書へのアクセスが要求されても、認証部640(図5)は、出力文書へのアクセスを許可しない。
登録ユニット(図5に示された特徴情報取得部600、キーID取得部610および特徴情報登録部620)は、アクセスキー文書の所持者からの要求に応じて、アクセスキー文書の特徴情報(原稿用紙40の繊維パターン)を登録すると、文書管理DB700には、図6(B)に例示するように、原稿用紙40(すなわち、アクセスキー文書)の紙パターン(繊維パターン)が、アクセスキー文書のIDに対応づけて登録される。
本例では、「キー001」、「キー003」および「キー004」のアクセスキー文書について、それぞれ、「紙パターン01」、「紙パターン02」および「紙パターン03」が登録されており、「キー002」のアクセスキー文書については、まだ特徴情報(紙パターン)が登録されていない。
認証部640は、図6(B)に例示されたテーブル(文書管理データベースに登録された情報)を参照して、アクセスキー文書の認証を行う。本例では、図6(C)に例示するように、キー文書ID「キー001」が付されたアクセスキー文書(原本)、「キー002」が付されたアクセスキー文書(原本)、「キー003」が付されたアクセスキー文書(原本)、および、「キー001」が付されたアクセスキー文書(コピー)が認証の対象となる。ここで、「キー001」が付されたアクセスキー文書(原本)、および、「キー002」が付されたアクセスキー文書(原本)は、それぞれ、少なくとも特徴情報(紙パターン)の登録時と同一のアクセスキー文書(用紙)であり、「キー003」が付されたアクセスキー文書(原本)は、発行されたアクセスキー文書と同一であるが、特徴情報(紙パターン)が登録されていないアクセスキー文書であり、「キー001」が付されたアクセスキー文書(コピー)は、「キー001」が付されたアクセスキー文書(原本)を複写したものである。本例では、キー文書IDがコード画像として用紙(キー媒体)に付されているため、この用紙が複写されると、キー文書IDも複製される。
この場合に、認証部640は、図6(C)に例示するように、「キー001」が付されたアクセスキー文書(原本)、および、「キー002」が付されたアクセスキー文書(原本)については、紙パターン(特徴情報)が登録されており、かつ、登録されている紙パターンと、アクセスキー文書の紙パターンとが一致するため、出力文書「001」へのアクセスを許可し、「キー003」が付されたアクセスキー文書(原本)については、紙パターン(特徴情報)が登録されていないため、出力文書「001」へのアクセスを禁止し、「キー001」が付されたアクセスキー文書(コピー)については、紙パターン(特徴情報)が登録されているが、登録されている紙パターンと、アクセスキー文書(コピー)の紙パターンとが一致しないため、出力文書「001」へのアクセスを禁止する。
また、アクセスキー確認モードが設定されている場合に、認証結果表示部660(図5)は、図6(C)に例示された認証結果をUI装置26(図1,2)に表示させる。
[動作]
以下、複合機1の動作を説明する。
図7は、複合機1(登録認証プログラム6)による登録処理(S10)を示すフローチャートである。
図7に示すように、ステップ100(S100)において、ユーザ(アクセスキー文書の所持者)は、アクセスキー文書を原稿送り装置18(図2)にセットして、UI装置26(図1,図2)に対して特徴情報登録のための操作を行う。
登録ユニット(図5)は、この操作を受け入れて、特徴情報の登録処理を開始する。
登録ユニットの特徴情報取得部600およびキーID取得部610は、原稿送り装置18およびスキャナ16(図2)を制御して、セットされたアクセスキー文書をスキャンして、アクセスキー文書の表面を読み取る。
ステップ102(S102)において、キーID取得部610(図5)は、アクセスキー文書から読み取られた画像データの中から、コード情報400(図3)に対応するコード画像を探索する。
登録認証プログラム6は、アクセスキー文書から読み取られた画像データにコード情報400が埋め込まれている場合に、S104の処理に移行し、コード情報400が埋め込まれていない場合に、S112の処理に移行する。
すなわち、キーID取得部610は、読み取られた画像データの中からコード情報400が発見できない場合には、特徴情報の登録が不可能であると判定し、エラー処理(S112)に移行させる。
ステップ104(S104)において、キーID取得部610は、読み取られた画像データに含まれるコード情報400(図3)の中から、機能コード402およびキー文書ID404を抽出する。
ステップ106(S106)において、キーID取得部610は、機能コード402がオンであるか否かを判定する。
登録認証プログラム6は、機能コード402がオンである場合に、S108の処理に移行し、機能コード402がオフである場合に、S112の処理に移行する。
すなわち、キーID取得部610は、コード情報400に含まれる機能コード402に基づいて、特徴情報(繊維パターン)による認証が必要なアクセスキー文書であると判定した場合に、特徴情報の登録処理を続行し、特徴情報による認証が不要なアクセスキー文書であると判定した場合に、エラー処理(S112)に移行させる。
ステップ108(S108)において、特徴情報取得部600(図5)は、読み取られた画像データの既定の領域を、登録すべき繊維パターンとして特徴情報登録部620に出力する。
キーID取得部610は、読み取られた画像データから抽出されたキー文書ID404を特徴情報登録部620に出力する。
特徴情報登録部620は、文書管理DB700を参照して、キーID取得部610から入力されたキー文書ID404に対応する特徴情報(繊維パターン)が登録されているか否かを判定する。
登録認証プログラム6は、キー文書ID404に対応する特徴情報が既に登録されている場合に、S112の処理に移行し、キー文書ID404に対応する特徴情報が登録されていない場合に、S110の処理に移行する。
すなわち、特徴情報登録部620は、キー文書ID404に対応する特徴情報の登録数が既定の上限(本例では1)に達している場合には、このキー文書ID404に対応する特徴情報の追加登録および上書き登録を禁止して、エラー処理(S112)に移行させる。
ステップ110(S110)において、特徴情報登録部620は、特徴情報取得部600から入力された繊維パターンを、キーID登録部610から入力されたキー文書ID404に対応付けて文書管理DB700に登録する。
ステップ112(S112)において、登録認証プログラム6は、このアクセスキー文書について特徴情報(繊維パターン)が登録されなかった旨をUI装置26(図1,2)に表示させて、登録処理(S10)を終了する。
図8は、複合機1(印刷プログラム5および登録認証プログラム6)による出力文書の印刷処理(S20)を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップ200(S200)において、ユーザ(アクセスキー文書の所持者)は、アクセスキー文書(原稿用紙40)を原稿送り装置18(図2)にセットして、UI装置26(図1,図2)に対してコピー動作のための操作を行う。
出力文書生成ユニット(図4)は、この操作を受け入れて、コピー動作を開始する。
出力文書生成ユニットの画像読取部560(図4)は、原稿送り装置18およびスキャナ16(図2)を制御して、セットされたアクセスキー文書をスキャンして、アクセスキー文書の表面を読み取り、アクセスキー文書から読み取られた画像データをコード解析部570に出力する。
ステップ202(S202)において、コード解析部570(図4)は、アクセスキー文書から読み取られた画像データの中から、コード情報400(図3)に対応するコード画像を探索する。
印刷プログラム5は、アクセスキー文書から読み取られた画像データにコード情報400が埋め込まれている場合に、S204の処理に移行し、コード情報400が埋め込まれていない場合に、S220の処理に移行する。
すなわち、コード解析部570は、読み取られた画像データの中からコード情報400が発見された場合には、アクセスキー文書に関連付けられた出力文書の印刷処理に移行させ、読み取られた画像データの中からコード情報400が発見できない場合には、読み取られた画像データをそのまま印刷するコピー動作に移行させる。
ステップ204(S204)において、コード解析部570は、読み取られた画像データに含まれるコード情報400(図3)の中から、機能コード402、キー文書ID404および出力文書ID406を抽出する。
ステップ206(S206)において、コード解析部570(図4)は、機能コード402がオンであるか否かを判定する。
印刷プログラム5は、機能コード402がオンである場合に、S208の処理に移行し、機能コード402がオフである場合に、S216の処理に移行する。
すなわち、コード解析部570は、コード情報400に含まれる機能コード402に基づいて、特徴情報(繊維パターン)による認証が必要なアクセスキー文書であると判定した場合に、特徴情報の認証処理に移行し、特徴情報による認証が不要なアクセスキー文書であると判定した場合に、エラー処理(S112)に移行させる。
ステップ208(S208)において、コード解析部570(図4)は、コード情報400から抽出されたキー文書ID404、および、アクセスキー文書から読み取られた画像データの既定領域(すなわち、繊維パターンの対比対象となる領域)を登録認証プログラム6に出力して、特徴情報(繊維パターン)の認証を依頼する。
登録認証プログラム6の認証情報取得部630(図5)は、印刷プログラム5のコード解析部570からキー文書ID404および既定領域の画像データを受け取ると、これらのキー文書ID404および既定領域の画像データを認証部640に出力する。
認証部640(図5)は、文書管理DB700を参照して、認証情報取得部630から入力されたキー文書ID404(すなわち、アクセスキー文書から取得されたキー文書ID)に対応する特徴情報(繊維パターン)が登録されているか否かを判断する。
登録認証プログラム6は、キー文書ID404に対応する特徴情報(繊維パターン)が既に登録されている場合に、S210の処理に移行し、キー文書ID404に対応する特徴情報が登録されていない場合に、S214の処理に移行する。
すなわち、認証部640は、キー文書ID404に対応する特徴情報(繊維パターン)が登録されていない場合には、このキー文書ID404(すなわち、アクセスキー文書)に関連付けられた出力文書へのアクセスを禁止して、エラー処理(S214)に移行させる。
ステップ210(S210)において、認証部640(図5)は、認証情報取得部630から入力された既定領域の画像データ(アクセスキー文書から読み取られた繊維パターン)と、文書管理DB700においてこのキー文書ID404に対応付けて登録されている特徴情報(繊維パターン)とを比較する。
例えば、認証部640は、既定領域の画像データ、および、登録されている繊維パターンから、それぞれエッジの方向およびエッジの長さなどの評価要素を抽出し、抽出された評価要素を用いて、既定領域の画像データと、登録されている繊維パターンとに関するマハラノビスの距離を算出する。
ステップ212(S212)において、登録認証プログラム6は、入力された既定領域の画像データと、文書管理DB700に登録されている特徴情報(繊維パターン)とが一致する場合に、S216の処理に移行し、これらが一致しない場合に、S214の処理に移行する。
例えば、認証部640は、算出されたマハラノビスの距離が既定の閾値以下である場合に、一致すると判定して、出力文書へのアクセスを許可し、マハラノビスの距離が既定の閾値を超える場合に、一致しないと判定して、出力文書へのアクセスを禁止する。
ステップ214(S214)において、認証部640(図5)は、認証結果出力部650を介して、アクセスキー文書に関連付けられた出力文書へのアクセスを禁止する旨を、印刷プログラム5(図4)に出力する。
印刷プログラム5は、UI装置26(図1,2)に、出力文書へのアクセスが許可されない旨を表示して、印刷処理(S20)を終了する。
ステップ216(S216)において、認証部640(図5)は、認証結果出力部650を介して、アクセスキー文書に関連付けられた出力文書へのアクセスを許可する旨を、印刷プログラム5のコード解析部570(図4)に出力する。
コード解析部570は、アクセスが許可された旨が入力されると、出力文書ID406を出力文書取得部580に出力する。
また、コード解析部570は、機能コード402がオフであった場合に、出力文書ID406を出力文書取得部580に出力する。
出力文書取得部580(図4)は、コード解析部570から出力文書ID406が入力されると、文書管理DB700にアクセスして、出力文書IDに対応する出力文書のデータファイルを取得し、取得された出力文書のデータファイルを印刷部550に出力する。 すなわち、印刷プログラム5は、登録認証プログラム6により特徴情報(繊維パターン)の認証に成功した場合(すなわち、出力文書へのアクセスが許可された場合)、または、機能コード402がオフであった場合(すなわち、特徴情報に基づく認証が不要である場合)に、アクセスキー文書に関連付けられた出力文書のデータファイルを文書管理DB700から取得する。
ステップ218(S218)において、印刷部550は、用紙トレイ部12およびプリントエンジン14(図2)を制御して、出力文書取得部580から入力された出力文書のデータファイルを用いて、出力文書を印刷用紙42に印刷する。
ステップ220(S220)において、コード解析部570は、画像読取部560から入力された画像データを印刷部550に出力する。
印刷部550は、用紙トレイ部12およびプリントエンジン14(図2)を制御して、コード解析部570から入力された画像データ(すなわち、原稿用紙40から読み取られた画像データ)を用いて、原稿用紙40の複製画像を印刷用紙42に印刷する。
図9は、複合機1(印刷プログラム5および登録認証プログラム6)によるアクセスキー文書(原稿用紙40)の確認処理(S30)を示すフローチャートである。
図9に示すように、ステップ300(S300)において、ユーザ(アクセスキー文書の所持者)は、アクセスキー文書(原稿用紙40)を原稿送り装置18(図2)にセットして、UI装置26(図1,図2)に対してアクセスキー確認動作のための操作を行う。
出力文書生成ユニット(図4)および認証ユニット(図5)は、この操作を受け入れて、アクセスキー確認モードに設定し、アクセスキー確認動作を開始する。
出力文書生成ユニットの画像読取部560(図4)は、原稿送り装置18およびスキャナ16(図2)を制御して、セットされたアクセスキー文書(原稿用紙40)をスキャンして、アクセスキー文書(原稿用紙40)の表面を読み取り、アクセスキー文書から読み取られた画像データをコード解析部570に出力する。
ステップ302(S302)において、コード解析部570(図4)は、アクセスキー文書から読み取られた画像データの中から、コード情報400(図3)に対応するコード画像を探索する。
印刷プログラム5は、アクセスキー文書から読み取られた画像データにコード情報400が埋め込まれている場合に、S306の処理に移行し、コード情報400が埋め込まれていない場合に、S304の処理に移行する。
すなわち、コード解析部570は、読み取られた画像データの中からコード情報400が発見された場合には、コード情報400を用いた認証処理に移行し、読み取られた画像データの中からコード情報400が発見できない場合には、この原稿用紙40には出力文書が関連付けられていないと判断し、その旨を認証結果表示部660に出力して、S304の処理に移行させる。
ステップ304(S304)において、認証結果表示部660(図5)は、認証情報取得部630、認証部640および認証結果出力部650を介して、コード解析部570から出力文書が関連付けられていない旨を取得すると、その旨をUI装置25(図1,2)に表示する。
ステップ306(S306)において、コード解析部570(図4)は、読み取られた画像データに含まれるコード情報400(図3)の中から、機能コード402、キー文書ID404および出力文書ID406を抽出する。
ステップ308(S308)において、コード解析部570(図4)は、機能コード402がオンであるか否かを判定する。
印刷プログラム5は、機能コード402がオンである場合に、S310の処理に移行し、機能コード402がオフである場合に、S320の処理に移行する。
すなわち、コード解析部570は、コード情報400に含まれる機能コード402に基づいて、特徴情報(繊維パターン)による認証が必要なアクセスキー文書であると判定した場合に、特徴情報の認証処理(S310〜S318)に移行し、特徴情報による認証が不要なアクセスキー文書であると判定した場合に、出力文書へのアクセスが可能である旨を表示させる(S320)。
ステップ310(S310)において、コード解析部570(図4)は、コード情報400から抽出されたキー文書ID404、および、アクセスキー文書から読み取られた画像データの既定領域(すなわち、繊維パターンの対比対象となる領域)を登録認証プログラム6に出力して、特徴情報(繊維パターン)の認証を依頼する。
登録認証プログラム6の認証情報取得部630(図5)は、印刷プログラム5のコード解析部570からキー文書ID404および既定領域の画像データを受け取ると、これらのキー文書ID404および既定領域の画像データを認証部640に出力する。
認証部640(図5)は、文書管理DB700を参照して、認証情報取得部630から入力されたキー文書ID404(すなわち、原稿用紙40から取得されたキー文書ID)に対応する特徴情報(繊維パターン)が登録されているか否かを判断する。
登録認証プログラム6は、キー文書ID404に対応する特徴情報(繊維パターン)が既に登録されている場合に、S314の処理に移行し、キー文書ID404に対応する特徴情報が登録されていない場合に、S312の処理に移行する。
ステップ312(S312)において、認証部640は、特徴情報が未登録であるため出力文書へのアクセスを許可できない旨を、認証結果出力部650を介して、認証結果表示部660に出力する。
認証結果表示部660は、認証部640から、特徴情報が未登録であるため出力文書へのアクセスを許可できない旨が入力されると、その旨をUI装置26(図1,2)に表示する。
ステップ314(S314)において、認証部640(図5)は、認証情報取得部630から入力された既定領域の画像データ(アクセスキー文書から読み取られた繊維パターン)と、文書管理DB700においてこのキー文書ID404に対応付けて登録されている特徴情報(繊維パターン)とを比較する。
ステップ316(S316)において、登録認証プログラム6は、入力された既定領域の画像データと、文書管理DB700に登録されている特徴情報(繊維パターン)とが一致する場合に、S320の処理に移行し、これらが一致しない場合に、S318の処理に移行する。
ステップ318(S318)において、認証部640(図5)は、認証結果出力部650を介して、出力文書へのアクセスを禁止する旨を、認証結果表示部660に出力する。
認証結果表示部660は、認証部640からアクセスが禁止された旨が入力されると、UI装置26(図1,2)に、アクセスキー文書が原本でないため出力文書へのアクセスが許可されない旨(または、アクセスキー文書に関連付けられた出力文書の印刷が不可能である旨)を表示する。
ステップ320(S320)において、認証部640(図5)は、認証結果出力部650を介して、出力文書へのアクセスを許可する旨を、認証結果表示部660に出力する。
認証結果表示部660は、認証部640からアクセスが許可された旨が入力されると、UI装置26(図1,2)に、出力文書へのアクセスが許可される旨(または、アクセスキー文書に関連付けられた出力文書の印刷が可能である旨)を表示する。
ステップ322(S322)において、複合機1は、原稿送り装置18にセットされた全ての原稿用紙40について、確認処理(S30)が完了したか否かを判定し、完了した場合に、確認処理(S30)を終了し、これ以外の場合に、S300の処理に戻って、次の原稿用紙の確認処理を行う。
以上説明したように、本実施形態における複合機1は、アクセスキー文書(原稿用紙40)に固有の特徴情報(繊維パターン)が登録されることを条件として、このアクセスキー文書に関連付けられた出力文書へのアクセス(出力)を許可する。
これにより、アクセスキー文書の所持者に対して、自己のアクセスキー文書の特徴情報を登録するように促すことが可能になる。
したがって、複合機のハードウェア構成に変更を加えることなく、アクセスキー文書の生成および登録を行うことができる。
また、アクセスキー文書に固有の特徴情報を登録させ、登録された特徴情報で認証を行うことにより、たとえアクセスキー文書が複製された場合であっても、出力文書へのアクセスを制限することができる。すなわち、有効なアクセスキー文書の数を制限することができる。
また、本実施形態における複合機1は、アクセスキー確認モードに設定することにより、それぞれのアクセスキー文書について、関連付けられた出力文書の出力が可能であるか否かを判定することができる。
すなわち、アクセスキー文書の特徴情報が、登録されている特徴情報と一致するか否かを複合機1に確認させることができる。
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
上記実施形態では、コード情報400がコード画像として印刷用紙(アクセスキー文書)に印刷される形態を具体例として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、印刷用紙に付された半導体チップにコード情報400を書き込むようにしてもよい。
また、上記実施形態では、用紙の繊維パターンを特徴情報として登録し認証に用いたが、これに限定されるものではなく、コード情報400の媒体に固有の情報であればなんでもよい。
なお、媒体に固有の特徴情報は、コード情報400と比較して、複製が困難であることが望ましい。
また、上記実施形態では、アクセスキー文書の生成処理、アクセスキー文書の特徴情報の登録処理、アクセスキー文書の特徴情報の認証処理、および、アクセスキー文書に関連付けられた出力文書の出力処理を、1台の複合機1で実現したが、これに限定されるものではなく、これらの処理の一部を、他の複合機、ファクシミリ装置、コピー機、コンピュータまたはデータ記憶装置で実現してもよい。例えば、複合機1に印刷プログラム5(図4)をインストールし、外部のサーバ装置に登録認証プログラム6(図5)をインストールして、これらの複合機1およびサーバ装置からなる文書管理システムを構築してもよい。
また、登録認証プログラム6に含まれる登録ユニットを、ファクシミリ装置で実現してもよい。この場合に、ファクシミリ装置は、アクセスキー文書から、既定領域の画像データ(繊維パターン)と、キー文書IDとを読み取り、外部に設けられた文書管理DB700に送信する。
また、文書管理DB700は、単一または複数の記憶装置を用いて実現され、単一の複合機に占有されてもよいし、複数の複合機等に共有されてもよい。