













本発明は、プログラム、情報処理方法、情報処理装置及びモデル生成方法に関する。 The present invention relates to a program, an information processing method, an information processing apparatus, and a model generation method.
医療機関等において医師が患者の病状を診断する際に支援するシステムが提案されている。例えば特許文献1では、患者の診察記録、看護記録、検査結果、投薬記録、医療画像等を含む診療情報に基づいて、罹患可能性のある診断名あるいは患者の状態を推定するシステムが開示されている。特許文献1に開示されたシステムでは、患者に対して行われた薬剤の処方及び注射オーダの内容に基づいて、患者の診断名を推定して提示すること、また、診断名と、薬剤の処方及び注射オーダの内容とに基づいて、オーダされた薬剤が診断名の病状に対して禁忌の薬剤である場合に警告を出力すること等が開示されている。 2. Description of the Related Art A system has been proposed that assists a doctor in diagnosing a patient's condition in a medical institution or the like. For example,
医療機関等では、多種の薬剤が取り扱われており、薬剤によって投与量及び投与速度が異なるため、医師は正確に薬剤を処方する必要があり、看護師は処方内容に従って正確に薬剤を投与する必要がある。薬剤の種類、投与量、又は投与速度を誤った場合、患者が重篤な状態となるおそれがあるため、医師及び看護師には正確な作業が求められ、負担が大きい。また、薬剤の種類、投与量、又は投与速度を誤って投与した場合、投与後に患者がどのような状態となるかを予測して処置を行う必要があるが、医師及び看護師の経験及び知識が乏しい場合には、適切な判断を行うことは難しい。特許文献1に開示されたシステムは、診断名又は患者の状態と、使用可能な薬剤名又は禁忌の薬剤名とが関連付けられていることにより、患者に対してオーダされた薬剤から診断名を推定し、また、オーダされた薬剤が禁忌の薬剤であるか否かを判定しているに過ぎず、誤った投薬が行われた場合に患者がどのような状態となるかを提示することはできない。 Medical institutions handle a wide variety of drugs, and the dosage and administration rate differ depending on the drug, so doctors need to prescribe drugs accurately, and nurses need to administer drugs accurately according to the prescription. There is If the type, dose, or rate of administration of the drug is incorrect, the patient may be in a serious condition, so accurate work is required of doctors and nurses, which places a heavy burden on them. In addition, if the type, dosage, or rate of administration of the drug is incorrect, it is necessary to predict the state of the patient after administration and take appropriate measures, but the experience and knowledge of doctors and nurses It is difficult to make good decisions when the The system disclosed in
一つの側面では、投薬後の患者の状態を提示することが可能なプログラム等を提供することを目的とする。 An object of one aspect is to provide a program or the like capable of presenting a patient's condition after medication.
一つの側面に係るプログラムは、患者に投与する注射剤の種類、投与量及び投与速度を取得し、注射剤の種類、投与量及び投与速度を入力した場合に、前記注射剤を投与された患者の状態を示す状態情報を出力するように学習された学習モデルに、取得した前記注射剤の種類、投与量及び投与速度を入力して、前記注射剤を投与された患者に係る状態情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。 A program according to one aspect acquires the type, dosage, and administration rate of an injection to be administered to a patient, and when the type, dosage, and administration rate of the injection are input, the patient who received the injection Input the obtained type, dosage and administration rate of the injection into a learning model trained to output the state information indicating the state of the injection, and output the state information related to the patient who received the injection. Make the computer perform the process to
一つの側面では、投薬後の患者の状態を提示することができる。 In one aspect, the patient's status after medication can be presented.
以下、本開示のプログラム、情報処理方法、情報処理装置及びモデル生成方法について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。 Hereinafter, the program, the information processing method, the information processing apparatus, and the model generation method of the present disclosure will be described in detail based on the drawings showing the embodiments.
(実施形態1)
注射剤の種類(薬剤名)、投与量、及び投与速度を含む投薬情報に基づいて、当該投薬情報に従った投薬が行われた場合に投薬後の患者の状態を予測して医師及び看護師等の医療従事者に提示する情報処理装置について説明する。本実施形態では、例えば輸液ポンプ又はシリンジポンプを用いて血管内に直接薬剤を投与する投薬方法で使用される注射剤について、投薬後の患者の状態を予測する。なお、注射剤は、血管内に直接投与される薬剤に限定されず、注射針を用いて皮内、皮下、筋肉等の体内組織に投与される薬剤であってもよい。(Embodiment 1)
Based on medication information, including the type of injection (drug name), dosage, and administration rate, doctors and nurses can predict the patient's condition after medication is administered according to the medication information. An information processing device to be presented to a medical worker such as In this embodiment, for example, the state of a patient after administration of an injection used in a method of directly administering a drug into a blood vessel using an infusion pump or a syringe pump is predicted. Injections are not limited to drugs that are directly administered into blood vessels, and may be drugs that are administered intracutaneously, subcutaneously, or into body tissues such as muscles using an injection needle.
図1は情報処理装置の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。情報処理装置10は、複数台設けられて分散処理する構成でもよく、1台の装置内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよい。情報処理装置10は、例えば医療機関内に設置されて利用される。情報処理装置10をサーバコンピュータで構成する場合、情報処理装置10は、医療機関内に設置されたローカルサーバであってもよく、インターネット等のネットワークを介して通信接続されたクラウドサーバであってもよい。 FIG. 1 is a block diagram showing a configuration example of an information processing apparatus. The
情報処理装置10は、患者に投与する薬剤(注射剤)に関する投薬情報と、当該患者の投薬前のバイタルデータとに基づいて、当該患者の投薬後の状態を示す状態情報を出力する処理を行う。具体的には後述のように、情報処理装置10は、所定の訓練データを学習する機械学習を行い、投薬情報及びバイタルデータを入力として、投薬後の状態情報を出力する学習モデル12M(図3参照)を予め用意してある。情報処理装置10は、患者の投薬情報及びバイタルデータを学習モデル12Mに入力し、投薬後の状態情報を学習モデル12Mから取得する。 The
情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)又はAIチップ(AI用半導体)等の1又は複数のプロセッサを有する。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを適宜実行することにより、情報処理装置10が行うべき種々の情報処理、制御処理等を行う。 The
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12P(プログラム製品)及び制御プログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11が制御プログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部12は、例えば機械学習によって訓練データを学習済みの学習モデル12Mを記憶している。学習モデル12Mは、患者の投薬情報及びバイタルデータが入力された場合に、投薬後の状態を示す状態情報を出力するように学習された学習済みモデルである。学習モデル12Mは、人工知能ソフトウェアを構成するプログラムモジュールとしての利用が想定される。学習モデル12Mは、入力値に対して所定の演算を行い、演算結果を出力するものであり、記憶部12には、この演算を規定する関数の係数や閾値等のデータが学習モデル12Mとして記憶される。また記憶部12は、後述する電子カルテDB12aを記憶している。電子カルテDB12aは、情報処理装置10に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、情報処理装置10が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。 The
通信部13は、有線通信又は無線通信によって、インターネット又はLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続するための通信モジュールであり、ネットワークを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。入力部14は、ユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部14及び表示部15は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。 The
読み取り部16は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード等を含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶される制御プログラム12P(プログラム製品)及び各種のデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に記憶される制御プログラム12P及び各種のデータは、制御部11が通信部13を介して他の装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。 The
図2は電子カルテDB12aの構成例を示す模式図である。電子カルテDB12aは、医療機関を利用する患者の電子カルテデータ(診療記録)を格納するデータベースである。図2に示す電子カルテDB12aは、患者ID列、患者情報列、バイタルデータ列、投薬情報列等を含む。患者ID列は、各患者を識別するための識別情報(患者ID、患者コード)を記憶する。患者IDは例えば医療機関で発行された診察券の診察券番号であってもよい。患者情報列は、患者IDに対応付けて、患者に関する患者情報を記憶する。患者情報は、例えば患者の年齢及び性別を含む属性情報、診断名、既往歴、身長及び体重等を含む。バイタルデータ列は、患者IDに対応付けて、患者から計測したバイタルデータを記憶する。バイタルデータは、例えば血圧、脈拍数、心拍数、呼吸数、心電図、体温等を含み、これらのデータは、例えば計測日時に対応付けて各列に記憶される。なお、バイタルデータの各データは、時間的変化を示すグラフで表されてもよく、グラフのデータは、例えば計測日時と計測した値との組を、計測を行うたびに記録した一連のデータである。投薬情報列は、患者IDに対応付けて、患者に投与済みの注射剤又は投与予定の注射剤(薬剤)に関する投薬情報を記憶する。投薬情報は、例えば投薬日時、薬剤名(薬剤の種類)、投与量、投与速度、投薬後の経過状態等を含む。投薬後の経過状態は、正常状態(良好)及び正常ではない状態を含む。正常ではない状態とは、例えば投薬を開始してから所定時間が経過するまでの間にバイタルデータ(血圧、脈拍数、心拍数、呼吸数、心電図、体温等)が正常範囲から逸脱した状態であり、例えば血圧の正常範囲以上への上昇又は正常範囲以下への下降、心拍数の正常範囲以上への増加又は正常範囲以下への減少、呼吸数の正常範囲以上への増加又は正常範囲以下への減少、心電図の正常でない波形、体温の正常範囲以上への上昇又は正常範囲以下への下降等を含む。 FIG. 2 is a schematic diagram showing a configuration example of the electronic
電子カルテDB12aの記憶内容は図2に示す例に限定されず、患者に実施した血液検査及び尿検査等の各種検査に関する検査情報、治療に関する治療情報、手術に関する手術情報、薬の服用歴、医師等が入力したコメント等、患者に関する各種の情報が記憶されてもよい。なお、検査情報は、X線画像、超音波画像、CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影法)画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像法)画像、PET(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影法)画像等の医用画像を含んでもよい。 The contents stored in the electronic
図3は学習モデル12Mの構成例を示す模式図である。図3に示す学習モデル12Mは、患者の投薬情報(薬剤名、投与量及び投与速度)及びバイタルデータ(血圧、脈拍数、心拍数、呼吸数、心電図等)を入力とし、入力されたデータに基づいて、当該患者の投薬後の状態を判別する演算を行い、演算した結果(投薬後の状態を示す状態情報)を出力するように学習してある。なお、学習モデル12Mは、電子カルテDB12aに記憶してある患者の投薬情報と、電子カルテデータに含まれるデータとが入力されるように構成されていてもよい。学習モデル12Mは、例えば深層学習によって生成されるニューラルネットワークモデルであるCNN(Convolutional Neural Network)で構成される。なお、学習モデル12Mは、CNNのほかに、RNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)、Transformer、決定木、ランダムフォレスト、SVM(Support Vector Machine)等のアルゴリズムを用いて構成されてもよく、複数のアルゴリズムを組み合わせて構成されてもよい。情報処理装置10は、所定の訓練データを学習する機械学習を行って学習モデル12Mを事前に生成しておく。そして情報処理装置10は、電子カルテDB12aに登録してある患者の投薬情報及びバイタルデータを学習モデル12Mに入力し、学習モデル12Mからの出力情報に基づいて、患者の投薬後の状態を予測する。なお、学習モデル12Mは、複数の入力ノードを有しており、各入力ノードには、それぞれ入力すべき情報が対応付けられており、投薬情報及びバイタルデータの各情報がそれぞれ対応付けられた入力ノードを介して学習モデル12Mに入力される。学習モデル12Mに入力されるバイタルデータは、定期的に計測された時系列データであってもよい。 FIG. 3 is a schematic diagram showing a configuration example of the
図3に示す学習モデル12Mは複数の出力ノードを有しており、各出力ノードには、予め設定された投薬後の状態がそれぞれ対応付けられており、各出力ノードから、対応付けられた状態であると判別すべき確率を出力する。投薬後の状態は、正常状態及び正常ではない状態を含み、正常ではない状態は、例えば血圧の正常範囲以上への上昇又は正常範囲以下への下降、心拍数の正常範囲以上への増加又は正常範囲以下への減少、呼吸数の正常範囲以上への増加又は正常範囲以下への減少、心電図の正常でない波形等を含む。図3に示す例では、出力ノード0は、投薬後の状態として良好であると判別すべき確率を出力し、出力ノード1は、投薬後の状態として血圧が正常範囲以上に上昇する可能性があると判別すべき確率を出力し、出力ノード2は、投薬後の状態として血圧が正常範囲以下に下降する可能性があると判別すべき確率を出力する。なお、各出力ノードに対応付けられる状態は図3に示す例に限定されず、例えば誤った薬剤が投与された場合、あるいは、誤った投与量又は投与速度で薬剤が投与された場合に患者に生じる可能性がある状態を含む。各出力ノードの出力値は例えば0~1.0の値であり、各出力ノードから出力された判別確率の合計が1.0(100%)となる。上述した構成により、本実施形態の学習モデル12Mは、患者の投薬情報及びバイタルデータが入力された場合に、患者の投薬後の状態に係る情報(各状態に対する判別確率)を出力する。 The
なお、情報処理装置10は、上述した学習モデル12Mにおいて、例えば、各出力ノードからの出力値のうちで最大の出力値(判別確率)を出力した出力ノードに対応付けられている状態を、予測すべき投薬後の状態に特定する。なお、学習モデル12Mは、それぞれの状態に対する判別確率を出力する複数の出力ノードを有する代わりに、判別確率が最も高い状態を出力する1個の出力ノードを有する構成でもよい。 Note that, in the
学習モデル12Mは、訓練用の投薬情報及びバイタルデータと、投薬後の状態を示す情報(正解ラベル)とを含む訓練データを用いて、未学習の学習モデルを機械学習させることにより生成される。訓練データは、各種の注射剤が投与された患者について、患者の投薬情報及び投薬前のバイタルデータに対して、投薬後の状態(経過状態)を示す情報が付与されて生成される。投薬情報、バイタルデータ、及び投与後の状態は、電子カルテDB12aに記憶してある投薬済みの患者の投薬情報、バイタルデータ、及び経過状態から取得することができる。 The
学習モデル12Mは、訓練用の投薬情報及びバイタルデータが入力された場合に、正解ラベルが示す状態に対応する出力ノードからの出力値が1.0に近づき、他の出力ノードからの出力値が0.0に近づくように学習する。学習処理において学習モデル12Mは、入力された投薬情報及びバイタルデータに基づく演算を行い、各出力ノードからの出力値を算出する。そして学習モデル12Mは、算出した各出力ノードの出力値と正解ラベルに応じた値(正解ラベルが示す状態に対応する出力ノードに対しては1、それ以外の出力ノードに対しては0)とを比較し、各出力値がそれぞれ正解ラベルに応じた値に近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。当該パラメータは、学習モデル12Mにおけるニューロン間の重み等である。パラメータの最適化の方法は特に限定されないが、誤差逆伝播法、最急降下法等を用いることができる。これにより、患者の投薬情報及びバイタルデータが入力された場合に、投薬後の患者の状態を予測し、予測結果を出力するように学習された学習モデル12Mが得られる。 When training medication information and vital data are input to the
学習モデル12Mの学習は他の学習装置で行われてもよい。他の学習装置で学習が行われて生成された学習済みの学習モデル12Mは、例えばネットワーク経由又は可搬型記憶媒体1a経由で学習装置から情報処理装置10にダウンロードされて記憶部12に記憶される。学習モデル12Mは、図3に示す構成に限定されない。学習モデル12Mは、注射剤の投与後の状態を予測する際に用いられる各種の情報が入力される構成とすることができる。例えば、電子カルテデータに含まれる身長及び体重、既往歴、検査情報、治療情報、手術情報、薬の服用歴、医師等が入力したコメント等の各情報のいずれか又は複数が入力される構成でもよい。この場合、学習モデル12Mは、投薬情報及びバイタルデータだけでなく、電子カルテデータに含まれる各種の情報に基づいて投与後の状態を判別し、各状態に対する判別確率を出力するように構成される。なお、学習モデル12Mに入力される電子カルテデータは時系列データであってもよく、例えば定期的に行われた血液検査又は尿検査等の検査結果の時系列データ(検査情報)、定期的に行われた各種治療に関する時系列データ(治療情報)であってもよい。この場合、例えば患者の直近の1日分の電子カルテデータ、又は直近の1週間分の電子カルテデータ等が学習モデル12Mに入力されるように構成することができる。 Learning of the
以下に、訓練データを学習して学習モデル12Mを生成する処理について説明する。図4は学習モデル12Mの生成処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、情報処理装置10の制御部11が、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って行うが、他の学習装置で行われてもよい。 Processing for learning the training data and generating the
情報処理装置10の制御部11はまず、訓練データに用いる患者の情報を電子カルテDB12aから取得して訓練データを生成し、生成した訓練データを用いて学習モデル12Mの学習を行う。例えば制御部11は、電子カルテDB12aに記憶してある各患者の投薬情報の経過状態に基づいて、投薬後に状態が悪化した患者がいるか否かを判断する(S11)。具体的には、制御部11は、投薬を開始してから所定時間(例えば数10分、数時間等)が経過するまでの間にバイタルデータ(血圧、脈拍数、心拍数、呼吸数、心電図、体温等)が正常範囲から逸脱した患者がいるか否かを判断する。投薬後に状態が悪化した患者がいると判断した場合(S11:YES)、制御部11は、当該患者の投薬情報、投薬前のバイタルデータ、及び投薬後の経過状態を示す情報を電子カルテDB12aから取得する(S12)。なお、制御部11は、投薬前のバイタルデータとして、例えば投薬開始前の所定時間(数分、数10分程度)のバイタルデータを取得する。制御部11は、取得した投薬情報及びバイタルデータに対して、取得した経過状態を示す正解ラベルを付与して訓練データを生成し、記憶部12に記憶する(S13)。 First, the
制御部11は、投薬後に状態が悪化した患者のうちで、訓練データの生成処理を実行していない患者(未処理の患者)がいるか否かを判断する(S14)。未処理の患者がいると判断した場合(S14:YES)、制御部11は、ステップS12の処理に戻り、未処理の患者の投薬情報、投薬前のバイタルデータ、及び投薬後の経過状態を示す情報を電子カルテDB12aから取得し(S12)、訓練データとして記憶部12に記憶する(S13)。制御部11は、未処理の患者がいないと判断するまでステップS12~S14の処理を繰り返す。これにより、投薬後に状態が悪化した患者の情報に基づいて、学習モデル12Mの学習に用いる訓練データを生成して蓄積できる。 The
投薬後に状態が悪化した患者がいないと判断した場合(S11:NO)、制御部11は、上述した処理を行わずに処理を終了する。なお、投薬後に状態が悪化しなかった患者についても、訓練データの生成対象としてもよい。この場合、制御部11は、投薬後に状態が悪化しなかった患者の投薬情報、投薬前のバイタルデータ、及び投薬後の経過状態(良好)を示す情報を電子カルテDB12aから取得し、各情報を対応付けて訓練データとして記憶部12に記憶する。投薬後に状態が悪化しなかった患者は、適切な投薬が行われた患者に加えて、投薬に関して何らかのミス(医療過誤)が発生したにもかかわらず状態が悪化しなかった患者を含む。なお、投薬に関して何らかのミスが発生した患者について、投薬情報、投薬前後のバイタルデータ、投薬後の状態情報を予め収集しておき、収集しておいたデータに基づいて、制御部11が、学習モデル12Mの学習に用いる訓練データを生成する構成でもよい。投薬に関するミス(医療過誤)は、例えば薬剤の取り違え、処方内容とは異なる投与量又は投与速度での投与を含む。 If it is determined that there is no patient whose condition has deteriorated after administration (S11: NO), the
未処理の患者がいないと判断した場合(S14:NO)、制御部11は、蓄積した各訓練データを用いて学習モデル12Mの学習処理を行う(S15)。ここでは、制御部11は、訓練データに含まれる投薬情報及びバイタルデータを学習モデル12Mに入力し、各出力ノードからの出力値を取得する。制御部11は、各出力ノードの出力値と、正解ラベルに応じた値(正解の状態に対応する出力ノードに対しては1、正解ではない状態に対応する出力ノードに対しては0)とを比較し、両者が近似するように、例えば誤差逆伝播法を用いて、学習モデル12Mにおけるニューロン間の重み等のパラメータを最適化する。 When it is determined that there is no unprocessed patient (S14: NO), the
制御部11は、ステップS13で蓄積した訓練データのうちで、学習処理が行われていない訓練データ(未処理のデータ)があるか否かを判断する(S16)。未処理のデータがあると判断した場合(S16:YES)、制御部11はステップS15の処理に戻り、学習処理が未処理の訓練データを用いて学習処理を繰り返す。未処理のデータがないと判断した場合(S16:NO)、制御部11は一連の処理を終了する。 The
上述した処理により、患者の投薬情報及びバイタルデータが入力された場合に、投薬後の患者の状態を示す情報を出力するように学習された学習モデル12Mが生成される。なお、上述したような訓練データを用いた学習処理を繰り返し行うことにより、学習モデル12Mを更に最適化することができる。また、既に学習済みの学習モデル12Mについても、上述した処理を行うことによって再学習させることができ、この場合、判別精度がより高い学習モデル12Mを生成できる。また、例えば医療機関毎に訓練データを学習させることにより、各医療機関に応じた学習モデル12Mを生成してもよい。患者に処方される注射剤の種類又はメーカは、医療機関における治療方針に応じて多少異なるので、医療機関毎に学習モデル12Mを生成することにより、各医療機関で行われる頻度が高い処方内容を考慮して、投薬後の状態の予測が可能となる。 Through the above-described processing, the
以下に、上述した処理によって生成された学習モデル12Mを用いて、例えば医師が投薬に関する処方を行った場合に、投薬後の患者の状態を予測してアラートを出力する処理について説明する。図5は投薬後の状態の予測処理手順の一例を示すフローチャート、図6は画面例を示す説明図である。以下の処理は、情報処理装置10の制御部11が、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って行う。 Processing for predicting the patient's condition after medication and outputting an alert when, for example, a doctor prescribes medication using the
医師は、患者に対する投薬のオーダを行う場合、電子カルテ画面を介して投薬に関する処方内容を入力する。よって、情報処理装置10の制御部11は、入力部14を介して電子カルテの起動を指示された場合、電子カルテのデータを入力するための電子カルテ画面を表示部15に表示する(S21)。図6Aは電子カルテ画面例を示しており、電子カルテ画面は、診療記録等を入力するための入力領域15aと、投薬に関する処方内容の入力を支援するメニューバー15bとを有する。入力領域15aは任意の情報を入力できるように構成されている。メニューバー15bには、薬剤名を入力するための入力欄と、投与量を入力するための入力欄と、投与速度を入力するための入力欄と、それぞれ入力した処方内容でのオーダを指示するためのOKボタンとが設けられている。メニューバー15bの各入力欄は、任意の情報又は数値を入力できる構成でもよく、複数の選択肢の中から任意の1つを選択するためのプルダウンメニューが設けられていてもよい。また、メニューバー15bには、薬剤のメーカを入力するための入力欄が設けられていてもよく、薬剤名の入力欄は、例えば任意の文字又は数字が入力された場合に、入力された文字又は数字で始まる薬剤名の一覧を表示するように構成されていてもよい。 When a doctor places an order for medication for a patient, the doctor inputs the prescription for medication via the electronic chart screen. Therefore, when the
医師は、入力領域15aに投薬情報を入力して投薬のオーダを行う場合に、メニューバー15bの各入力欄を用いて投薬情報を入力することができる。制御部11は、メニューバー15bを介して投薬情報の入力を受け付けたか否かを判断しており(S22)、受け付けていないと判断した場合(S22:NO)、待機する。このとき、制御部11は、入力領域15aを介して投薬情報以外の情報の入力を受け付け、入力された情報を入力領域15aに表示する処理を行う。なお、図6Aに示す例では、投薬時刻については入力領域15aに直接入力できるように構成されている。 When a doctor orders medication by entering medication information in the
制御部11(取得部)は、投薬情報(薬剤名、投与量、及び投与速度)の入力を受け付けたと判断した場合(S22:YES)、入力された投薬情報をそれぞれの入力欄に表示する(S23)。投薬情報の入力を受け付けた場合、制御部11は、投薬対象の患者のバイタルデータを電子カルテDB12aから取得する(S24)。例えば制御部11は、電子カルテ画面に表示されている患者の患者ID(患者の識別コード)に基づいて、患者IDに対応付けて記憶されているバイタルデータから、直近に計測されたバイタルデータを取得する。また、定期的に継続してバイタルデータが計測されている場合には、制御部11は、直近の所定時間(例えば1分、10分等)に計測されたバイタルデータを取得する。バイタルデータは血圧、脈拍数、心拍数、呼吸数、心電図等を含む。また、制御部11は、バイタルデータに加えて、投薬前の患者の臨床での身体所見等、投薬を行う現場ならではの各種情報を取得してもよい。 When the control unit 11 (acquisition unit) determines that input of medication information (drug name, dose, and administration rate) has been received (S22: YES), the entered medication information is displayed in each input field ( S23). When the input of medication information is received, the
制御部11は、メニューバー15bを介して入力された投薬情報と、ステップS24で取得したバイタルデータとを学習モデル12Mに入力し、学習モデル12Mからの出力値に基づいて、投薬後の患者の状態を予測する(S25)。例えば制御部11は、学習モデル12Mにおいて、最大の出力値(判別確率)を出力した出力ノードを特定し、特定した出力ノードに対応付けられている状態を、投与後の患者の状態に特定する。なお、制御部11は、各出力ノードからの出力値のうちで大きい順に所定数(例えば3つ)の出力値(判別確率)を選択し、選択した出力値を出力した出力ノードに対応付けられている状態を、予測すべき投薬後の状態の候補に特定してもよい。この場合、投薬後の状態の候補として所定数の状態を提示することができる。制御部11は、予測した患者の状態に基づいて、状態が悪化することを予測したか否かを判断する(S26)。例えば制御部11は、投薬後の状態として良好(正常状態)以外の状態を予測した場合、状態が悪化することを予測したと判断する。 The
状態が悪化することを予測したと判断した場合(S26:YES)、制御部11は、どのような状態に悪化する可能性があるかを通知するためのアラート情報を生成する(S27)。例えば制御部11は、ステップS25で予測した投与後の状態を通知するためのアラート情報を生成する。具体的には、投薬後の状態として血圧の正常範囲以上への上昇を予測した場合、制御部11は、「血圧が正常範囲以上に上昇するリスクがあります」のようなメッセージを含むアラート情報を生成する。そして制御部11(出力部)は、図6Bに示すようなアラート画面を表示部15に表示してアラートを出力する(S28)。これにより、医師は、入力した投薬情報が適切ではないことを把握できる。図6Bに示す例では、入力領域15aにアラート情報が表示されており、入力領域15aに対する情報の入力が一時的に禁止される。これにより、メニューバー15bを介して入力された投薬情報について、投薬後に患者の状態が悪化する可能性があると予測された場合に警告することができる。なお、情報処理装置10がスピーカ等の音声出力部を有する場合、制御部11は、アラート情報の表示に加えて、アラート情報を音声出力することによりアラートを出力するように構成されていてもよい。 If it is determined that deterioration of the condition is predicted (S26: YES), the
アラートが出力された場合、医師は、メニューバー15bを介して入力した投薬情報が適切でないとして、投薬情報を修正する。制御部11は、メニューバー15bを介して投薬情報の入力、ここでは、入力された投薬情報に対する変更指示(具体的には変更後の投薬情報)を取得する。よって、制御部11は、アラートを出力した後、ステップS22の処理に戻り、メニューバー15bを介して投薬情報の入力(変更指示)を受け付けたか否かを判断する(S22)。制御部11は、投薬情報の変更指示を受け付けたと判断した場合(S22:YES)、ステップS23~S25の処理を行い、変更後の投薬情報に基づいて予測した投薬後の状態に基づいて、状態が悪化することを予測したか否かを判断する(S26)。 When the alert is output, the doctor determines that the medication information input via the
制御部11は、投薬後の状態が悪化しないことを予測するまで、ステップS22~S28の処理を繰り返す。制御部11は、状態が悪化しないことを予測したと判断した場合(S26:NO)、即ち、投薬後の状態として良好(正常状態)であることを予測した場合、メニューバー15bのOKボタンが操作されたか否かを判断する(S29)。なお、制御部11は、投薬後の状態として良好であることを予測した場合、アラート情報を表示中であれば、アラート情報の表示を終了する。また、制御部11は、アラート情報の表示を終了するだけでなく、投薬情報が適切な内容であることを示すメッセージを表示してもよい。 The
制御部11は、OKボタンが操作されていないと判断した場合(S29:NO)、ステップS22の処理に戻り、入力領域15aを介した診療記録(電子カルテデータ)の入力、及びメニューバー15bを用いた投薬情報の入力を受け付ける処理を繰り返す。OKボタンが操作されたと判断した場合(S29:YES)、制御部11は、メニューバー15bを用いて入力された投薬情報を入力領域15aに表示し、電子カルテデータに追加する(S30)。 If the
制御部11は、上述した電子カルテの入力処理を終了するか否かを判断する(S31)。例えば制御部11は、電子カルテ画面に設けられた閉じるボタン(図示せず)が操作された場合、医師による電子カルテの終了指示を受け付け、上述した処理を終了すると判断する。制御部11は、上述した処理を終了しないと判断した場合(S31:NO)、ステップS22の処理に戻り、ステップS22~S30の処理を繰り返す。上述した処理を終了すると判断した場合(S31:YES)、制御部11は、入力領域15aに対して入力された情報(電子カルテデータ)を電子カルテDB12aに記憶し(S32)、一連の処理を終了する。 The
上述した処理により、医師が薬剤に関する処方を行う際に、投薬後の患者の状態が予測され、状態が悪化する可能性があることが予測された場合に、アラートで通知することができる。よって、医師が薬剤を処方する時点で、アラートによって投薬内容の見直しを提案することが可能となり、医師が投薬内容を修正することにより、誤った投薬内容でのオーダの発生が抑制される。医療機関では多種の薬剤が使用され、新しい薬剤が次々と販売される状況において、経験の浅い医師、薬剤の知識が乏しい医師であっても、適切な投薬内容で薬剤を処方することが可能となる。これにより、薬剤の処方ミスの発生を回避し、医療過誤の発生リスクを低減することができる。また、本実施形態では、学習モデル12Mを用いて、患者の投薬情報及びバイタルデータ(又は電子カルテデータ)から投薬後の患者の状態を予測するので、膨大な訓練データを学習させた学習モデル12Mを用いる場合には、より正確に投薬後の状態を予測することが可能となる。 With the above-described processing, when a doctor prescribes a drug, the patient's condition after medication can be predicted, and if it is predicted that the condition may deteriorate, an alert can be issued. Therefore, when a doctor prescribes a drug, it is possible to propose a review of the medication content by an alert, and the doctor corrects the medication content, thereby suppressing the occurrence of an order with an incorrect medication content. In a situation where a wide variety of drugs are used in medical institutions and new drugs are being sold one after another, even inexperienced doctors and doctors with little knowledge of drugs can prescribe drugs with appropriate dosages. Become. This makes it possible to avoid drug prescription errors and reduce the risk of medical malpractice. In addition, in this embodiment, the
次に、医療現場において患者に薬剤を投与する際に、上述した学習モデル12Mを用いて、投薬後の患者の状態を予測してアラートを出力する処理について説明する。図7は投薬後の状態の予測処理手順の他の例を示すフローチャート、図8は他の画面例を示す説明図である。図7に示す処理は、図5に示す処理において、ステップS21~S23の代わりにステップS41~S44を追加し、ステップS28の後にステップS45~S46を追加し、ステップS29~S32の代わりにステップS47を追加したものである。図5と同じステップについては説明を省略する。 Next, a description will be given of the process of predicting the patient's condition after administration and outputting an alert using the
医療現場において、例えば看護師は、患者に対して投薬を行う場合に、図8Aに示すような予測画面を介して、これから行う投薬に関する投薬情報(薬剤名、投与量、投与速度)を入力し、この投薬による患者の状態変化の予測結果を確認する。なお、患者に対する投薬は、例えば手術室、ICU(集中治療室)、病室、処置室等で行われる。以下では説明の簡略化のため、情報処理装置10が、投薬が行わる部屋に設けられている構成を例に説明する。なお、投薬が行われる部屋に、入力部及び表示部を有する端末を設けておき、この端末と、医療機関内の情報処理装置10とが通信接続されている構成でもよい。この場合、端末を介して入力された投薬情報が情報処理装置10へ送信され、情報処理装置10で投薬情報に基づいて予測された投薬後の患者の状態が端末へ送信され、端末の表示部を介して看護師に提示される。 In the medical field, for example, when administering medication to a patient, a nurse inputs medication information (drug name, dosage, administration rate) about the medication to be administered via a prediction screen as shown in FIG. 8A. , confirms the prediction result of the patient's condition change due to this medication. Medication to a patient is performed in, for example, an operating room, an ICU (intensive care unit), a hospital room, a treatment room, or the like. For the sake of simplicity of explanation, a configuration in which the
図7に示す処理では、制御部11は、図8Aに示すような予測画面を表示部15に表示している(S41)。図8Aに示す画面は、患者IDの入力欄と、投薬情報として薬剤名、投与量及び投与速度の各入力欄と、入力された投薬情報に基づく投薬後の状態の予測を指示するためのOKボタンとを有する。各入力欄は、任意の情報又は数値を入力できる構成でもよく、複数の選択肢の中から任意の1つを選択するためのプルダウンメニューが設けられていてもよい。 In the process shown in FIG. 7, the
制御部11は、例えば入力部14を介して入力された患者IDを取得し、患者IDの入力欄に表示する(S42)。なお、例えば情報処理装置10にバーコードリーダ又はQRコード(登録商標)リーダ等のコードリーダが接続されている場合、制御部11は、コードリーダによって患者IDを読み取って入力欄に表示してもよい。例えば、患者IDがコード化されたコードが印字されたリストバンドを患者が装着している場合、コードリーダによってリストバンドのコードから患者IDを読み取ってもよく、患者IDのコードが印字された用紙から患者IDを読み取ってもよい。また制御部11(取得部)は、例えば入力部14を介して入力された投薬情報を取得し、各入力欄に表示する(S43)。なお、薬剤名を含む薬剤情報がコード化されたコードが印字されたシールが薬剤のパッケージに貼付されている場合、制御部11は、コードリーダによって薬剤のパッケージのコードから薬剤名を読み取って入力欄に表示してもよい。また、薬剤名を含む薬剤情報を記憶したRFID(Radio Frequency IDentifier)タグが薬剤に貼付してあり、情報処理装置10に、RFIDタグの記憶情報を読み取る読取装置が接続されている場合、制御部11は、読取装置によってRFIDタグから薬剤名を読み取ってもよい。また、輸液ポンプ又はシリンジポンプを用いて投薬する場合、薬剤名、投与量、及び投与速度がポンプに設定され、ポンプに設けられた表示部に表示される。よって、看護師は、ポンプに表示された薬剤名、投与量、及び投与速度を予測画面の入力欄に入力することができる。また情報処理装置10が、ポンプと通信できるように構成されている場合、制御部11は、ポンプとの間で情報の送受信を行うことにより、ポンプに設定された薬剤名、投与量、及び投与速度をポンプから取得して入力欄に表示する構成でもよい。ポンプから各情報を取得する構成の場合、各情報の入力ミスが発生せず、看護師の操作負担も低減できる。なお、投薬情報の入力方法は、上述した例に限定されない。例えば、医師によって入力されてもよく、情報処理装置10と通信可能な他の端末を介して入力されてもよい。 The
制御部11は、予測画面のOKボタンが操作されたか否かを判断しており(S44)、OKボタンが操作されていないと判断した場合(S44:NO)、ステップS43の処理に戻り、投薬情報の取得及び表示を繰り返す。OKボタンが操作されたと判断した場合(S44:YES)、制御部11は、ステップS24~S26の処理を行い、状態が悪化することを予測したと判断した場合(S26:YES)、ステップS27~S28の処理を行う。なお、図7中のステップS28では、制御部11は、図8Bに示すようなアラート画面を表示部15に表示してアラートを出力する(S28)。これにより、看護師は、これから実施予定の投薬について適切ではないことを把握できる。図8Bに示す画面には、図8Aの予測画面に表示を戻すための戻るボタンが設けられており、制御部11は、アラート画面中の戻るボタンが操作されたか否かを判断する(S45)。戻るボタンが操作されていないと判断した場合(S45:NO)、制御部11はアラート画面の表示を継続し、戻るボタンが操作されたと判断した場合(S45:YES)、図8Aに示す予測画面の表示に戻る(S46)。ここでの予測画面は、ステップS43で取得した投薬情報が各入力欄に表示された状態となる。 The
制御部11は、ステップS46の処理後、ステップS43の処理に戻り、投薬情報の入力、ここでは、各入力欄に表示されている投薬情報に対する変更指示(具体的には変更後の投薬情報)を取得して各入力欄に表示する(S43)。情報処理装置10がポンプと通信できる構成の場合、医師又は医師の指示を受けた看護師等の医療従事者が、ポンプに設定されている薬剤名、投与量、及び投与速度のいずれかを設定し直すことにより、制御部11は、設定変更された投薬情報をポンプから取得して入力欄に表示することができる。その後、制御部11は、投薬後の状態が悪化しないことを予測するまで、ステップS43~S44,S24~S28,S45~S46の処理を繰り返す。 After the process of step S46, the
制御部11は、状態が悪化しないことを予測したと判断した場合(S26:NO)、予測画面に入力された投薬情報に基づく投薬に対して、状態悪化が予測されていないことを示すメッセージを表示部15に表示し(S47)、一連の処理を終了する。例えば制御部11は、「この投薬による状態悪化は予測されていません」のようなメッセージを表示する。その後、看護師は、輸液ポンプ又はシリンジポンプの動作を開始させ、患者に対する薬剤の投与を開始する。 If the
上述した処理により、看護師等が患者に薬剤を投与する際に、投薬後の患者の状態が予測され、状態が悪化する可能性があることが予測された場合に、アラートで通知することができる。よって、看護師等が薬剤を投与する前に、アラートによって投薬内容の確認及び見直しを提案することが可能となり、誤った投与内容での投薬が行われることを回避できる。これにより、例えば経験の浅い看護師等、薬剤の知識が乏しい看護師等であっても、適切な投薬内容で薬剤を投与することが可能となる。従って、薬剤の投与に関するミスの発生を回避し、医療過誤の発生リスクを低減することができる。また、上述した処理においても、学習モデル12Mを用いて、患者の投薬情報及びバイタルデータ(又は電子カルテデータ)から投薬後の患者の状態を予測するので、膨大な訓練データを学習させた学習モデル12Mを用いる場合には、より正確に投薬後の状態を予測することが可能となる。 With the above-described processing, when a nurse or the like administers a drug to a patient, the patient's condition after administration can be predicted, and if it is predicted that the condition may deteriorate, an alert can be sent. can. Therefore, before the nurse or the like administers the drug, it becomes possible to suggest confirmation and review of the medication content by an alert, and it is possible to avoid administering medication with incorrect administration content. As a result, even an inexperienced nurse or a nurse with little knowledge of drugs can administer drugs with appropriate dosage content. Therefore, it is possible to avoid the occurrence of mistakes regarding drug administration and reduce the risk of medical malpractice. Also in the above-described processing, the
本実施形態では、医師が患者に薬剤を処方する際に、誤った処方内容ではないことを確認でき、看護師等が患者に薬剤を投与する前に、誤った投与内容ではないことを確認できる。よって、投薬ミス(医療過誤)の発生リスクを低減することができる。投薬ミスの発生が抑制されることにより、患者は適切な投薬を受けることができ、医師及び看護師は医療過誤の加害者となるリスクが低減される。また、医療過誤が発生した場合、リカバリ(回復)するために本来必要でない処置及び治療等が必要となるが、投薬ミスが発生しないことにより、このような処置及び治療等が必要なくなる。よって、本来必要でない処置及び治療等に使用される医療器具、薬剤、及び人的資源(医師及び看護師等の医療従事者)等を含む医療資源の使用が削減される。 In this embodiment, when a doctor prescribes a drug to a patient, it can be confirmed that there is no wrong prescription content, and before a nurse or the like administers the drug to the patient, it is possible to check that there is no wrong administration content. . Therefore, the risk of medication error (medical malpractice) can be reduced. By suppressing the occurrence of medication errors, patients can receive appropriate medication, and the risk of doctors and nurses becoming perpetrators of medical malpractice is reduced. In addition, when medical malpractice occurs, treatment, treatment, etc. that are not originally necessary are required for recovery, but such treatment, treatment, etc., are no longer necessary because medication errors do not occur. Therefore, the use of medical resources including medical instruments, medicines, and human resources (medical workers such as doctors and nurses) used for treatment and treatment that are not necessary is reduced.
本実施形態では、情報処理装置10が学習モデル12Mを用いて投薬後の患者の状態を予測する処理をローカルで行う構成について説明したが、この構成に限定されない。例えば、情報処理装置10をサーバコンピュータで構成し、学習モデル12Mを用いた投薬後の患者の状態の予測処理をサーバコンピュータで行うように構成してもよい。この場合、サーバコンピュータは、例えばネットワーク経由で接続してある医師又は看護師が用いる端末装置から患者の投薬情報及びバイタルデータを取得し、予測した投薬後の患者の状態を前記端末装置へ出力して表示するように構成されていてもよい。なお、サーバコンピュータが電子カルテDB12aを記憶していてもよく、この場合、サーバコンピュータは、端末装置から患者の投薬情報のみを取得すればよい。また、学習モデル12Mを用いた投薬後の状態の予測処理を行う第1サーバと、電子カルテDB12aを記憶している第2サーバとを各別に設ける構成としてもよい。この場合、第1サーバが、第2サーバから患者の投薬情報及びバイタルデータを取得し、学習モデル12Mを用いた投薬後の状態の予測処理を行うように構成することができる。このような構成とした場合であっても、上述した本実施形態と同様の処理が可能であり、同様の効果が得られる。 In the present embodiment, a configuration has been described in which the
(実施形態2)
患者の投薬情報(薬剤名、投与量、投与速度)及びバイタルデータから投薬後の状態を予測した際に、学習モデル12Mに入力された投薬情報及びバイタルデータのうちで、得られた予測結果に対する寄与度が大きいデータを特定し、予測結果と共に提示する情報処理装置について説明する。本実施形態の情報処理装置は、実施形態1の情報処理装置10と同様の構成を有するので、構成についての詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の情報処理装置10において、記憶部12に記憶してある学習モデルは、図3に示す実施形態1の学習モデル12Mと若干異なる。(Embodiment 2)
When predicting the state after medication from the patient's medication information (drug name, dosage, administration rate) and vital data, out of the medication information and vital data input to the
図9は実施形態2の学習モデルの構成例を示す模式図である。本実施形態の学習モデル12Maは、いわゆる説明可能なAI(Explainable AI、XAI)であり、患者の投薬情報及びバイタルデータを入力として、投薬後の患者の状態情報(各状態の判別確率)と、予測の根拠を示す説明データとを出力する機械学習モデルである。本実施形態においても、学習モデル12Maは、投薬情報及び電子カルテデータが入力される構成でもよい。学習モデル12Maは、SHAP又はAttention機構等を利用して、それぞれの入力データに対して、予測結果(モデルの出力)が得られる根拠とすべき寄与度(SHAP値、Attention等)を算出するように構成されている。寄与度は、学習モデル12Maの各入力データが、予測された状態(予測結果)の出力に寄与した度合を示す値であり、例えばAttentionは、予測結果を予測するために各入力データ(入力要素)に対してどれだけAttention(注目)したかを示す値である。従って、寄与度が高い入力データを、予測結果が得られた根拠と見なすことができる。図9に示す学習モデル12Maは、図3に示す学習モデル12Mと同様の構成に加えて、説明データの出力ノードとして、それぞれの入力データに対応する複数(入力データの数)の出力ノードを有する。よって、学習モデル12Maは、説明データ用の各出力ノードから、それぞれの入力データに対する寄与度(説明データ)を出力するように構成されている。例えば出力ノード101は入力データ1(例えば入力ノード0の入力データ)に対する寄与度を出力し、出力ノード102は入力データ2(例えば入力ノード1の入力データ)に対する寄与度を出力する。 FIG. 9 is a schematic diagram showing a configuration example of a learning model according to the second embodiment. The learning model 12Ma of the present embodiment is a so-called explainable AI (Explainable AI, XAI), and the patient's medication information and vital data are input, and the patient's state information after medication (discrimination probability of each state), It is a machine learning model that outputs explanatory data that indicates the grounds for prediction. Also in this embodiment, the learning model 12Ma may be configured to receive medication information and electronic medical record data. The learning model 12Ma uses the SHAP or Attention mechanism or the like to calculate the degree of contribution (SHAP value, Attention, etc.) that should be used as the basis for obtaining the prediction result (model output) for each input data. is configured to The degree of contribution is a value indicating the degree to which each input data of the learning model 12Ma contributed to the output of the predicted state (prediction result). ) is a value that indicates how much attention has been paid to it. Therefore, input data with a high degree of contribution can be regarded as the basis for obtaining the prediction result. A learning model 12Ma shown in FIG. 9 has, in addition to the same configuration as the
情報処理装置10は、説明データ用の各出力ノードからの出力値(寄与度)のうちで大きい順に所定数(例えば3つ)の出力値を選択し、選択した出力値を出力した出力ノードに対応付けられている入力データを、予測の根拠の候補に特定する。この場合、予測の根拠の候補として所定数の入力データを特定することができる。なお、情報処理装置10は、所定値以上の寄与度(出力値)を出力した出力ノードに対応付けられている入力データを、予測の根拠の候補に特定してもよい。本実施形態の学習モデル12Maは、それぞれの入力データに対する寄与度を出力する複数の出力ノードを有する代わりに、寄与度が最も高い入力データを示す情報(例えば入力ノード番号)を出力する1個の出力ノードを有する構成でもよい。 The
図10は実施形態2の投薬後の状態の予測処理手順の一例を示すフローチャート、図11は画面例を示す説明図である。図10に示す処理は、図5に示す処理において、ステップS27,S28の間にステップS51を追加したものである。図5と同じステップについては説明を省略する。本実施形態の情報処理装置10の制御部11は、図5中のステップS21~S27と同様の処理を行う。これにより、本実施形態においても、電子カルテ画面を介して投薬情報が入力された場合に、投薬情報及びバイタルデータに基づいて投薬後の状態が予測され、状態の悪化が予測された場合にアラート情報が生成される。なお、本実施形態では、ステップS25において、制御部11は、学習モデル12Maからの出力値に基づいて、投薬後の状態を予測すると共に、予測結果の根拠となる入力データを特定している。例えば制御部11は、学習モデル12Maから出力された説明データ(各入力データの寄与度)のうちで、大きい順に所定数(例えば3つ)の寄与度を選択し、選択した寄与度を出力した出力ノードに対応付けられている入力データを、予測結果の根拠候補に特定する。 FIG. 10 is a flowchart showing an example of the post-medication state prediction processing procedure according to the second embodiment, and FIG. 11 is an explanatory diagram showing a screen example. The process shown in FIG. 10 is obtained by adding step S51 between steps S27 and S28 in the process shown in FIG. Description of the same steps as in FIG. 5 will be omitted. The
制御部11は、ステップS27の処理後、ステップS25で特定した予測結果の根拠となる入力データを通知するための予測の根拠情報を生成する(S51)。例えば予測結果の根拠となる入力データとして投与速度を特定していた場合、制御部11は、予測結果の根拠として投与速度を通知するメッセージ(例えば「原因候補:投与速度」)を生成する。また、予測結果の根拠となる入力データとして投与速度及び血圧を特定していた場合、制御部11は、予測結果の根拠として投与速度及び血圧を通知するメッセージ(例えば「原因候補:投与速度・血圧」)を生成する。 After the process of step S27, the
そして制御部11は、ステップS27で生成したアラート情報と、ステップS51で生成した予測の根拠情報とに基づいて、図11Aに示すようなアラート画面を表示部15に表示してアラートを出力する(S28)。図11Aに示すアラート画面は、図6Bに示すアラート画面の内容に加えて、アラートされた状態の予測に対する寄与度が高い入力データを提示している。図11Aに示す例では、予測結果に対する寄与度が高い入力データとして、投与速度及び血圧が提示されている。なお、投薬情報に含まれる薬剤名、投与量、及び投与速度のいずれかが、予測結果に対する寄与度が高い入力データに特定された場合、図11Aに示すようにメニューバー15bにおいて、特定された入力データの入力欄をハイライトで表示してもよい。なお、図11Aに示す例では、メニューバー15b中の投与速度が白黒反転させて表示されている。これにより、予測結果(予測された状態の予測)に対する寄与度が高い入力データを提示することができ、特に予測結果に対する寄与度が高い入力データとして投薬情報のいずれかのデータが特定された場合、メニューバー15bの入力欄をハイライト表示することによって強調して表示することができる。 Then, based on the alert information generated in step S27 and the ground information for prediction generated in step S51, the
上述した処理により、投薬情報及びバイタルデータのうちで、予測結果(予測した状態)に対する寄与度が高いデータがどれであるかが提示される。よって、医師は、アラート画面によって通知された状態と、この状態の予測に対する寄与度が高いデータとを確認することによって、投薬情報を修正すべきか否かを判断し、必要に応じて修正することにより、適切な投薬情報(投薬内容)を設定することができる。なお、メニューバー15bを介して予測結果に対する寄与度が高い投薬情報が通知されることにより、医師は、入力した投薬情報のうちで、修正すべき可能性が高い情報の提示を受けることができる。 By the above-described processing, it is presented which of the medication information and vital data has a high degree of contribution to the prediction result (predicted state). Therefore, by checking the state notified by the alert screen and the data that contributes highly to the prediction of this state, the doctor determines whether or not to correct the medication information, and corrects it as necessary. Therefore, it is possible to set appropriate medication information (medication content). By notifying the doctor of the medication information that contributes highly to the prediction result via the
本実施形態において、学習モデル12Maは、図9に示す構成に限定されず、例えば電子カルテデータに含まれる身長及び体重、既往歴、検査情報、治療情報、手術情報、薬の服用歴、医師等が入力したコメント等の各種の情報が入力される構成とすることができる。この場合、学習モデル12Maは、投薬情報及びバイタルデータだけでなく、電子カルテデータに含まれる各種の情報に基づいて投与後の状態を判別し、その際に判別結果(予測結果)に対する各入力データの寄与度を出力するように構成することができる。なお、学習モデル12Maにおいても、入力される電子カルテデータは時系列データであってもよく、例えば患者の直近の1日分の電子カルテデータ、又は直近の1週間分の電子カルテデータが学習モデル12Maに入力されるように構成することができる。 In this embodiment, the learning model 12Ma is not limited to the configuration shown in FIG. can be configured to input various information such as comments input by the . In this case, the learning model 12Ma determines the post-administration state based on not only the medication information and vital data, but also various information included in the electronic medical record data, and each input data for the determination result (prediction result) can be configured to output the contribution of Also in the learning model 12Ma, the electronic medical record data to be input may be time-series data. 12Ma can be configured to be input.
また、本実施形態の情報処理装置10は、医師又は看護師が患者に投薬する際に、図7と同様の処理の実行が可能である。なお、本実施形態では、図7中のステップS28において、制御部11は、図8Bに示すアラート画面を表示する代わりに、図11Bに示すように予測画面中にアラート情報と、予測結果の根拠に特定された入力データとを表示する。ここでも、制御部11は、投薬情報に含まれる薬剤名、投与量、及び投与速度のいずれかが、予測結果に対する寄与度が高い入力データに特定した場合、図11Bに示すように、特定された入力データの入力欄をハイライトで表示する。これにより、アラートを出力して投薬内容の見直しを提示できると共に、入力された投薬情報のうちで、予測結果に対する寄与度が高いデータがどれであるかを提示できる。 Further, the
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、投薬後の状態が予測されるだけでなく、予測結果に対する根拠となる入力データがどの入力データであるかを提示できる。よって、医師は、提示された入力データに対して、適切であるか否かを判断することができ、医師又は医師の指示を受けた看護師等が投薬内容を適切に修正して投薬を実施することによって、誤った処方及び誤った投薬の発生を抑制することができる。本実施形態においても、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。 In this embodiment, the same effects as those of the first embodiment described above can be obtained. Moreover, in this embodiment, it is possible not only to predict the post-medication condition, but also to indicate which input data is the basis for the prediction result. Therefore, the doctor can judge whether the presented input data is appropriate or not, and the doctor or a nurse or the like who receives instructions from the doctor can appropriately modify the medication contents and administer the medication. By doing so, the occurrence of wrong prescriptions and wrong medications can be suppressed. Also in the present embodiment, it is possible to apply the modified examples appropriately described in the first embodiment.
(実施形態3)
上述した実施形態1~2では、医師が薬剤を処方する際に、又は看護師が患者に薬剤を投与する前に、投薬後の患者の状態を予測して投薬内容が適切であるかを確認する構成である。本実施形態では、医療現場で実際に誤った投薬内容で患者に薬剤を投与してしまった場合に、今後の患者の状態を予測して医師及び看護師に提示する情報処理装置について説明する。本実施形態の情報処理装置は、実施形態1の情報処理装置10と同様の構成を有するので、構成についての詳細な説明は省略する。(Embodiment 3)
In the above-described
本実施形態の情報処理装置10において、制御部11は、図7に示す処理と同様の処理を実行することができる。これにより、投薬ミスが発生した場合に、患者の患者IDと、投薬内容を示す投薬情報とを予測画面に入力することにより、投薬後の状態が悪化する可能性が予測された場合に、図8Bに示すようなアラート画面によって医師及び看護師に通知することができる。なお、本実施形態の情報処理装置10では、制御部11は、投薬後の状態が悪化することを予測した場合に、予測した投薬後の状態と共に、この状態をリカバリするための処置(薬剤の投与等)を特定して通知するように構成されている。 In the
図12は実施形態3の投薬後の状態の予測処理手順の一例を示すフローチャート、図13は画面例を示す説明図である。図12に示す処理は、図7に示す処理において、ステップS27,S28の間にステップS61を追加し、ステップS45~S46を削除したものである。図7と同じステップについては説明を省略する。 FIG. 12 is a flow chart showing an example of the post-medication state prediction processing procedure of the third embodiment, and FIG. 13 is an explanatory diagram showing a screen example. The process shown in FIG. 12 is obtained by adding step S61 between steps S27 and S28 and deleting steps S45 and S46 in the process shown in FIG. Description of the same steps as in FIG. 7 will be omitted.
本実施形態の情報処理装置10では、制御部11は、状態が悪化することを予測したと判断した場合(S26:YES)、アラート情報を生成し(S27)、更に、状態が悪化した場合に行うべきリカバリ処置(回復処置)に関するリカバリ情報を生成する(S61)。例えば制御部11は、悪化した状態を回復させるためのリカバリ処置をルールベースで特定してもよい。具体的には、患者のバイタルデータ(血圧、脈拍数、心拍数、呼吸数、心電図、体温等)と、バイタルデータを安定させるような対応処置とが対応付けて登録されたDBを用いることができる。この場合、制御部11は、予測した状態に対応する対応処置をDBから特定し、特定した処置を通知するためのリカバリ情報を生成する。例えば、制御部11は、「薬剤A、投与量B、投与速度C」のリカバリ処置を特定した場合、「薬剤A、投与量B、投与速度Cでの投与を検討してください」のようなメッセージを含むリカバリ情報を生成する。更に、このリカバリ処置が血圧上昇に対する処置である場合、制御部11は、「薬剤A、投与量B、投与速度Cで投与すると血圧が安定します」のようなメッセージを含むリカバリ情報を生成してもよい。 In the
なお、患者のバイタルデータに基づいて実施すべき処置を特定する処理は、機械学習によって学習させた学習モデルを用いて実行されてもよい。例えば、CNN、RNN、LSTM等のアルゴリズムを用いて、バイタルデータが入力された場合に、実施すべき処置を示す情報を出力するように学習した学習モデルを用いることができる。この場合、制御部11は、例えばステップS24で取得したバイタルデータを学習モデルに入力し、学習モデルからの出力情報に基づいて、当該患者に対して行うべき処置(リカバリ処置)を特定できる。 Note that the process of identifying the treatment to be performed based on the patient's vital data may be performed using a learning model learned by machine learning. For example, it is possible to use a learning model learned to output information indicating a treatment to be performed when vital data is input using algorithms such as CNN, RNN, and LSTM. In this case, the
図14は、リカバリ処置の特定に用いる学習モデルの構成例を示す説明図である。図14に示す学習モデルは、患者のバイタルデータ(血圧、脈拍数、心拍数、呼吸数、心電図、体温等)を入力とし、入力されたデータに基づいて、当該患者に行うべき処置を判別する演算を行い、演算した結果を出力するように学習してある。なお、図14に示す学習モデルも、バイタルデータに加えて、電子カルテデータに含まれる検査情報、治療情報、手術情報、薬の服用歴、医師等が入力したコメント等のいずれか又は複数の情報が入力されるように構成されていてもよい。図14に示す学習モデルは複数の出力ノードを有しており、例えば出力ノード0は、「薬剤A1、投与量B1、投与速度C1」の投薬処置を実施すべきであると判別すべき確率を出力し、出力ノード1は、「薬剤A2、投与量B2、投与速度C2」の投薬処置を実施すべきであると判別すべき確率を出力し、出力ノード2は、「薬剤A3、投与量B3、投与速度C3」の投薬処置を実施すべきであると判別すべき確率を出力する。各出力ノードの出力値は例えば0~1.0の値であり、各出力ノードから出力された判別確率の合計が1.0となる。なお、各出力ノードに割り当てられる処置の内容は、投薬に限定されず、医療機関で行われる各種の処置を用いることができる。 FIG. 14 is an explanatory diagram of a configuration example of a learning model used for specifying recovery measures. The learning model shown in FIG. 14 receives the patient's vital data (blood pressure, pulse rate, heart rate, respiratory rate, electrocardiogram, body temperature, etc.), and determines the treatment to be performed on the patient based on the input data. It is trained to perform calculations and output the results of calculations. In addition to the vital data, the learning model shown in FIG. 14 also includes any or more of information such as examination information, treatment information, surgery information, history of taking medicines, comments entered by doctors, etc. included in the electronic medical record data. may be configured to be input. The learning model shown in FIG. 14 has a plurality of output nodes. For example, the output node 0 indicates the probability that the medication treatment of "drug A1, dose B1, administration rate C1" should be performed.
図14に示す学習モデルは、訓練用のバイタルデータと、このバイタルデータの患者に対して実施すべき処置を示す情報(正解ラベル)とを含む訓練データを用いて、未学習の学習モデルを機械学習させることにより生成される。学習モデルは、訓練用のバイタルデータが入力された場合に、正解ラベルが示す処置に対応する出力ノードからの出力値が1.0に近づき、他の出力ノードからの出力値が0.0に近づくように学習する。学習処理において学習モデルは、入力されたバイタルデータに基づく演算を行い、各出力ノードからの出力値を算出する。そして学習モデルは、算出した各出力ノードの出力値と正解ラベルに応じた値(0又は1)とを比較し、各出力値がそれぞれの正解ラベルに応じた値に近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。ここでも、最適化されるパラメータは、学習モデルにおけるニューロン間の重み等であり、最適化の方法は特に限定されない。これにより、患者のバイタルデータが入力された場合に、当該患者に実施すべき処置を判別するように学習された学習モデルが得られる。学習モデルの学習は他の学習装置で行われてもよい。他の学習装置で学習が行われて生成された学習済みの学習モデルは、例えばネットワーク経由又は可搬型記憶媒体1a経由で学習装置から情報処理装置10にダウンロードされて記憶部12に記憶される。 The learning model shown in FIG. 14 uses training data containing vital data for training and information (correct label) indicating the treatment to be performed on the patient of this vital data, and the unlearned learning model is machine-processed. Generated by learning. In the learning model, when vital data for training is input, the output value from the output node corresponding to the action indicated by the correct label approaches 1.0, and the output value from the other output nodes approaches 0.0. Learn to get closer. In the learning process, the learning model performs calculations based on the input vital data and calculates output values from each output node. Then, the learning model compares the calculated output value of each output node with the value (0 or 1) corresponding to the correct label, and performs arithmetic processing so that each output value approximates the value corresponding to the respective correct label. Optimize the parameters used for Again, parameters to be optimized are weights between neurons in the learning model, and the optimization method is not particularly limited. As a result, a learning model is obtained that is trained to determine the treatment to be performed on a patient when the patient's vital data is input. Training of the learning model may be performed on other learning devices. A learned learning model generated by learning in another learning device is downloaded from the learning device to the
制御部11は、アラート情報及びリカバリ情報を生成した後、図13に示すようなアラート画面を表示部15に表示してアラートを出力する(S28)。本実施形態では、図13に示すようなアラート画面によって、投薬後に悪化する可能性のある患者の状態を通知できると共に、この状態をリカバリするための処置に関するアドバイスを提案することができる。よって、医師及び看護師等は、投薬後の状態の悪化を予測することができ、状態が悪化した場合に実施すべきリカバリ処置を把握して準備することができる。ここでも、情報処理装置10が音声出力部を有する場合、制御部11は、アラート情報及びリカバリ情報を音声出力するように構成されていてもよい。 After generating the alert information and the recovery information, the
本実施形態においても、図12中のステップS25で投薬後の状態を予測する際に、図3に示す学習モデル12Mを用いるが、本実施形態で用いる学習モデル12Mは、投薬前のバイタルデータに加えて投薬後のバイタルデータが入力される構成でもよい。この場合、例えば誤った投薬が行われた場合に、患者の状態が悪化する前に、投薬前後のバイタルデータを考慮して、その後の患者の状態を予測できる。 Also in this embodiment, the
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、誤った投薬が行われた場合に、投薬後の状態の悪化を予測し、悪化することが予測された場合にリカバリするための処置を提案することができる。投薬に関するミスが発生する場面は、例えば患者が急変した場合のように切迫度が高まっている状況、又は、夜間等のように少ない数の医師及び看護師で対応している状況等が考えられる。このような状況では医師が素早く適切な判断を行うことは難しく、また、経験又は知識が豊富な医師がいないことも考えられる。よって、本実施形態の情報処理装置10を用いることにより、切迫した状況であっても、また、経験及び知識が乏しい医師及び看護師であっても、投薬後の状態を予測し、状態が悪化した場合に実施すべきリカバリ処置を想定することができる。従って、本実施形態によれば、緊急を要する状況や、経験及び知識が豊富な医師のサポートを受けられない状況における医師の負担を軽減することができる。 In this embodiment, the same effects as those of the above-described embodiments can be obtained. In addition, in this embodiment, when an erroneous medication is administered, it is possible to predict the worsening of the condition after medication, and to propose recovery measures when the worsening is predicted. Mistakes related to medication may occur in situations where the degree of urgency is increasing, such as when a patient suddenly changes, or in situations where a small number of doctors and nurses are responding, such as at night. . In such a situation, it is difficult for a doctor to make a quick and appropriate judgment, and it is conceivable that there are no doctors with a lot of experience or knowledge. Therefore, by using the
本実施形態の構成は、実施形態1~2の情報処理装置10に適用可能であり、実施形態1~2の情報処理装置10に適用した場合であっても同様の効果が得られる。また、本実施形態においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。 The configuration of the present embodiment can be applied to the
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。 The embodiments disclosed this time are illustrative in all respects and should not be considered restrictive. The scope of the present invention is indicated by the scope of the claims rather than the meaning described above, and is intended to include all modifications within the scope and meaning equivalent to the scope of the claims.
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
12a 電子カルテDB
12M 学習モデル
12Ma 学習モデルREFERENCE SIGNS
12M learning model 12Ma learning model
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