本発明の一態様の表示パネルは、第1の表示素子と、第1の表示素子と電気的に接続される第1の導電膜と、第1の導電膜と重なる領域を備える第2の導電膜と、第2の導電膜と第1の導電膜の間に挟まれる領域を備える絶縁膜と、第2の導電膜と電気的に接続される画素回路と、画素回路と電気的に接続される第2の表示素子と、を含み、絶縁膜は開口部を備え、第2の導電膜は第1の導電膜と開口部で電気的に接続される。
これにより、例えば同一の工程を用いて形成することができる画素回路を用いて、第1の表示素子と、第1の表示素子とは異なる方法を用いて表示をする第2の表示素子と、を駆動することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルの構成について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
図1は本発明の一態様の表示パネル700の構成を説明する図である。図1(A)は本発明の一態様の表示パネル700の下面図である。図1(B−1)は図1(A)の一部を説明する下面図であり、図1(B−2)は図1(B−1)に図示する一部の構成を省略して説明する下面図である。
図2は本発明の一態様の表示パネル700の構成を説明する図である。図2(A)は図1(A)の切断線X1−X2、X3−X4、X5−X6、X7−X8、X9−X10、X11−X12における断面図である。図2(B)は表示パネルの一部の構成を説明する断面図であり、図2(C)は表示パネルの他の一部の構成を説明する断面図である。
図3は本発明の一態様の表示パネル700の構成を説明する図である。図3は本発明の一態様の表示パネル700が備える画素回路に用いることができる画素回路530(i,j)および画素回路530(i,j+1)の回路図である。
図4は本発明の一態様の表示パネル700の構成を説明する図である。図4(A)は本発明の一態様の表示パネル700に用いることができる画素および配線等の配置を説明するブロック図である。図4(B−1)および図4(B−2)は本発明の一態様の表示パネル700に用いることができる開口部751Hの配置を説明する模式図である。
なお、本明細書において、1以上の整数を値にとる変数を符号に用いる場合がある。例えば、1以上の整数の値をとる変数pを含む(p)を、最大p個の構成要素のいずれかを特定する符号の一部に用いる場合がある。また、例えば、1以上の整数の値をとる変数mおよび変数nを含む(m,n)を、最大m×n個の構成要素のいずれかを特定する符号の一部に用いる場合がある。
<表示パネルの構成例>
本実施の形態で説明する表示パネル700は、信号線S1(j)と、画素702(i,j)と、を有する(図1(B−1)および図1(B−2)参照)。
画素702(i,j)は、信号線S1(j)と電気的に接続される。
画素702(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)と、第1の導電膜と、第2の導電膜と、絶縁膜501Cと、画素回路530(i,j)と、第2の表示素子550(i,j)と、を有する(図2(A)および図3参照)。
第1の導電膜は、第1の表示素子750(i,j)と電気的に接続される(図2(A)参照)。例えば、第1の導電膜を、第1の表示素子750(i,j)の第1の電極751(i,j)に用いることができる。
第2の導電膜は、第1の導電膜と重なる領域を備える。例えば、第2の導電膜を、スイッチSW1に用いることができるトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜512Bに用いることができる。
絶縁膜501Cは、第2の導電膜と第1の導電膜の間に挟まれる領域を備える。
画素回路530(i,j)は、第2の導電膜と電気的に接続される。例えば、第2の導電膜をソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜512Bに用いたトランジスタを、画素回路530(i,j)のスイッチSW1に用いることができる(図2(A)および図3参照)。
第2の表示素子550(i,j)は、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。
絶縁膜501Cは、開口部591Aを備える(図2(A)参照)。
第2の導電膜は、開口部591Aにおいて第1の導電膜と電気的に接続される。例えば、導電膜512Bは、第1の導電膜を兼ねる第1の電極751(i,j)と電気的に接続される。
画素回路530(i,j)は、信号線S1(j)と電気的に接続される(図3参照)。なお、導電膜512Aは、信号線S1(j)と電気的に接続される(図2(A)および図3参照)。
第1の電極751(i,j)は、絶縁膜501Cに埋め込まれた側端部を備える。
また、本実施の形態で説明する表示パネルの画素回路530(i,j)は、スイッチSW1を備える。スイッチSW1はトランジスタを含み、トランジスタは、酸化物半導体を含む。
また、本実施の形態で説明する表示パネルの第2の表示素子550(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)が備える視野角の一部と重なる視野角を備える。言い換えると、第1の表示素子750(i,j)が表示をする方向の一部と同一の方向に表示をする機能を備える。例えば、外光を反射する強度を制御して第1の表示素子750(i,j)が表示をする方向を、破線の矢印で図中に示す。また、第2の表示素子550(i,j)が表示をする方向を、実線の矢印で図中に示す(図2(A)参照)。
また、本実施の形態で説明する表示パネルの第2の表示素子550(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)が表示をする領域に囲まれた領域に表示をする機能を備える(図4(B−1)または図4(B−2)参照)。なお、第1の表示素子750(i,j)は、第1の電極751(i,j)と重なる領域に表示をし、第2の表示素子550(i,j)は、開口部751Hと重なる領域に表示をする。すなわち、本実施の形態で説明する表示パネルの第2の表示素子550(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)が表示をする領域と重なる第1の電極751(i,j)に囲まれた開口部751Hに重なる領域に表示をする機能を備える(図4(B−1)または図4(B−2)参照)。
また、本実施の形態で説明する表示パネルの第1の表示素子750(i,j)は、入射する光を反射する機能を備える反射膜と、反射する光の強さを制御する機能と、を有する。そして、反射膜は、開口部751Hを備える。なお、例えば、第1の表示素子750(i,j)の反射膜に、第1の導電膜または第1の電極751(i,j)等を用いることができる。
また、第2の表示素子550(i,j)は、開口部751Hに向けて光を射出する機能を有する。
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、画素702(i,j)と、一群の画素702(i,1)乃至画素702(i,n)と、他の一群の画素702(1,j)乃至画素702(m,j)と、走査線G1(i)と、を有する(図4(A)参照)。なお、iは1以上m以下の整数であり、jは1以上n以下の整数であり、mおよびnは1以上の整数である。
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、走査線G2(i)と、配線CSCOMと、配線ANOと、を有する。
一群の画素702(i,1)乃至画素702(i,n)は、画素702(i,j)を含み、行方向(図中に矢印Rで示す方向)に配設される。
また、他の一群の画素702(1,j)乃至画素702(m,j)は、画素702(i,j)を含み、行方向と交差する列方向(図中に矢印Cで示す方向)に配設される。
走査線G1(i)は、行方向に配設される一群の画素702(i,1)乃至画素702(i,n)と電気的に接続される。
列方向に配設される他の一群の画素702(1,j)乃至画素702(m,j)は、信号線S1(j)と電気的に接続される。
例えば、画素702(i,j)の行方向に隣接する画素702(i,j+1)は、画素702(i,j)に対する開口部751Hの配置と異なるように画素702(i,j+1)に配置される開口部を備える(図4(B−1)参照)。
例えば、画素702(i,j)の列方向に隣接する画素702(i+1,j)は、画素702(i,j)に対する開口部751Hの配置と異なるように画素702(i+1,j)に配置される開口部を備える(図4(B−2)参照)。なお、例えば、第1の電極751(i,j)を反射膜に用いることができる。
上記本発明の一態様の表示パネルは、第1の表示素子と、第1の表示素子と電気的に接続される第1の導電膜と、第1の導電膜と重なる領域を備える第2の導電膜と、第2の導電膜と第1の導電膜の間に挟まれる領域を備える絶縁膜と、第2の導電膜と電気的に接続される画素回路と、画素回路と電気的に接続される第2の表示素子と、を含み、絶縁膜は開口部を備え、第2の導電膜は第1の導電膜と開口部で電気的に接続される。
これにより、例えば同一の工程を用いて形成することができる画素回路を用いて、第1の表示素子と、第1の表示素子とは異なる方法を用いて表示をする第2の表示素子と、を駆動することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、端子519Bと、導電膜511Bと、を有する(図2(A)参照)。
絶縁膜501Cは、端子519Bおよび導電膜511Bの間に挟まれる領域を備える。また、絶縁膜501Cは、開口部591Bを備える。
端子519Bは、開口部591Bにおいて導電膜511Bと電気的に接続される。また、導電膜511Bは、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。なお、例えば、第1の電極751(i,j)または第1の導電膜を反射膜に用いる場合、端子519Bの接点として機能する面は、第1の電極751(i,j)の、第1の表示素子750(i,j)に入射する光に向いている面と同じ方向を向いている。
これにより、端子を介して電力または信号を、画素回路に供給することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
また、本実施の形態で説明する表示パネルの第1の表示素子750(i,j)は、液晶材料を含む層753と、第1の電極751(i,j)および第2の電極752と、を備える。なお、第2の電極752は、第1の電極751(i,j)との間に液晶材料の配向を制御する電界が形成されるように配置される。
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、配向膜AF1および配向膜AF2を備える。配向膜AF2は、配向膜AF1との間に液晶材料を含む層753を挟むように配設される。
また、本実施の形態で説明する表示パネルの第2の表示素子550(i,j)は、第3の電極551(i,j)と、第4の電極552と、発光性の有機化合物を含む層553(j)と、を備える。
第4の電極552は、第3の電極551(i,j)と重なる領域を備える。発光性の有機化合物を含む層553(j)は、第3の電極551および第4の電極552の間に配設される。そして、第3の電極551(i,j)は、接続部522において、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。
また、本実施の形態で説明する表示パネルの画素702(i,j)は、着色膜CF1と、遮光膜BMと、絶縁膜771と、機能膜770Pと、を有する。
着色膜CF1は、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。遮光膜BMは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域に開口部を備える。
絶縁膜771は、着色膜CF1と液晶材料を含む層753の間または遮光膜BMと液晶材料を含む層753の間に配設される。これにより、着色膜CF1の厚さに基づく凹凸を平坦にすることができる。または、遮光膜BMまたは着色膜CF1等から液晶材料を含む層753への不純物の拡散を、抑制することができる。
機能膜770Pは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。機能膜770Pは、第1の表示素子750(i,j)との間に基板770を挟むように配設される。
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、基板570と、基板770と、機能層520と、を有する。
基板770は、基板570と重なる領域を備える。機能層520は、基板570および基板770の間に配設される。
機能層520は、画素回路530(i,j)と、第2の表示素子550(i,j)と、絶縁膜521と、絶縁膜528と、を含む。また、機能層520は、絶縁膜518および絶縁膜516を含む。
絶縁膜521は、画素回路530(i,j)および第2の表示素子550(i,j)の間に配設される。
絶縁膜528は、絶縁膜521および基板570の間に配設され、第2の表示素子550(i,j)と重なる領域に開口部を備える。第3の電極551の周縁に沿って形成される絶縁膜528は、第3の電極551および第4の電極552の短絡を防止することができる。
絶縁膜518は、絶縁膜521および画素回路530(i,j)の間に配設される領域を備え、絶縁膜516は、絶縁膜518および画素回路530(i,j)の間に配設される領域を備える。
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、接合層505と、封止材705と、構造体KB1と、を有する。
接合層505は、機能層520および基板570の間に配設され、機能層520および基板570を貼り合せる機能を備える。
封止材705は、機能層520および基板770の間に配設され、機能層520および基板770を貼り合わせる機能を備える。
構造体KB1は、機能層520および基板770の間に所定の間隙を設ける機能を備える。
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、端子519Cと、導電膜511Cと、導電体CPと、を有する。
絶縁膜501Cは、端子519Cおよび導電膜511Cの間に挟まれる領域を備える。また、絶縁膜501Cは、開口部591Cを備える。
端子519Cは、開口部591Cにおいて導電膜511Cと電気的に接続される。また、導電膜511Cは、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。
導電体CPは、端子519Cと第2の電極752の間に挟まれ、端子519Cと第2の電極752を電気的に接続する。例えば、導電性の粒子を導電体CPに用いることができる。
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、駆動回路GDと、駆動回路SDと、を有する(図1(A)および図4(A)参照)。
駆動回路GDは、走査線G1(i)と電気的に接続される。駆動回路GDは、例えばトランジスタMDを備える。具体的には、画素回路530(i,j)に含まれるトランジスタと同じ工程で形成することができる半導体膜を含むトランジスタをトランジスタMDに用いることができる(図2(A)および図2(C)参照)。
駆動回路SDは、信号線S1(j)と電気的に接続される。駆動回路SDは、例えば端子519Bまたは端子519Cと同一の工程で形成することができる端子に導電材料を用いて電気的に接続される。
以下に、表示パネルを構成する個々の要素について説明する。なお、これらの構成は明確に分離できず、一つの構成が他の構成を兼ねる場合や他の構成の一部を含む場合がある。
例えば第1の導電膜を、第1の電極751(i,j)に用いることができる。また、第1の導電膜を、反射膜に用いることができる。
また、第2の導電膜を、トランジスタのソース電極またはドレイン電極の機能を備える導電膜512Bに用いることができる。
《構成例》
本発明の一態様の表示パネルは、基板570、基板770、構造体KB1、封止材705または接合層505、を有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、機能層520、絶縁膜521、絶縁膜528、を有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOM、配線ANOを有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、第1の導電膜または第2の導電膜を有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、端子519B、端子519C、導電膜511Bまたは導電膜511Cを有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、画素回路530(i,j)、スイッチSW1、を有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、第1の表示素子750(i,j)、第1の電極751(i,j)、反射膜、開口部751H、液晶材料を含む層753、第2の電極752、を有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、配向膜AF1、配向膜AF2、着色膜CF1、遮光膜BM、絶縁膜771、機能膜770Pを有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、第2の表示素子550(i,j)、第3の電極551(i,j)、第4の電極552または発光性の有機化合物を含む層553(j)を有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、絶縁膜501Cを有する。
また、本発明の一態様の表示パネルは、駆動回路GDまたは駆動回路SDを有する。
《基板570》
作製工程中の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有する材料を基板570等に用いることができる。具体的には厚さ0.7mmの無アルカリガラスを用いることができる。
例えば、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の面積が大きなガラス基板を基板570等に用いることができる。これにより、大型の表示装置を作製することができる。
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料等の複合材料等を基板570等に用いることができる。例えば、ガラス、セラミックス、金属等の無機材料を基板570等に用いることができる。
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、石英またはサファイア等を、基板570等に用いることができる。具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸化窒化物膜等を、基板570等に用いることができる。例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム等を、基板570等に用いることができる。ステンレス・スチールまたはアルミニウム等を、基板570等に用いることができる。
例えば、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を基板570等に用いることができる。これにより、半導体素子を基板570等に形成することができる。
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を基板570等に用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を、基板570等に用いることができる。
例えば、金属板、薄板状のガラス板または無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わせた複合材料を基板570等に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を、基板570等に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を、基板570等に用いることができる。
また、単層の材料または複数の層が積層された材料を、基板570等に用いることができる。例えば、基材と基材に含まれる不純物の拡散を防ぐ絶縁膜等が積層された材料を、基板570等に用いることができる。具体的には、ガラスとガラスに含まれる不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層等から選ばれた一または複数の膜が積層された材料を、基板570等に用いることができる。または、樹脂と樹脂を透過する不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等が積層された材料を、基板570等に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルム、樹脂板または積層体等を基板570等に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂もしくはシリコーン等のシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を基板570等に用いることができる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)またはアクリル等を基板570等に用いることができる。
また、紙または木材などを基板570等に用いることができる。
例えば、可撓性を有する基板を基板570等に用いることができる。
なお、トランジスタまたは容量素子等を基板に直接形成する方法を用いることができる。また、例えば作製工程中に加わる熱に耐熱性を有する工程用の基板にトランジスタまたは容量素子等を形成し、形成されたトランジスタまたは容量素子等を基板570等に転置する方法を用いることができる。これにより、例えば可撓性を有する基板にトランジスタまたは容量素子等を形成できる。
《基板770》
例えば、透光性を備える材料を基板770に用いることができる。具体的には、基板570に用いることができる材料から選択された材料を基板770に用いることができる。具体的には厚さ0.7mmまたは厚さ0.1mm程度まで研磨した無アルカリガラスを用いることができる。
《構造体KB1》
例えば、有機材料、無機材料または有機材料と無機材料の複合材料を構造体KB1等に用いることができる。これにより、構造体KB1等を挟む構成の間に所定の間隔を設けることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の複合材料などを構造体KB1等に用いることができる。また、感光性を有する材料を用いて形成してもよい。
《封止材705》
無機材料、有機材料または無機材料と有機材料の複合材料等を封止材705等に用いることができる。
例えば、熱溶融性の樹脂または硬化性の樹脂等の有機材料を、封止材705等に用いることができる。
例えば、反応硬化型接着剤、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤または/および嫌気型接着剤等の有機材料を封止材705等に用いることができる。
具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等を含む接着剤を封止材705等に用いることができる。
《接合層505》
例えば、封止材705に用いることができる材料を接合層505に用いることができる。
《絶縁膜521》
例えば、絶縁性の無機材料、絶縁性の有機材料または無機材料と有機材料を含む絶縁性の複合材料を、絶縁膜521等に用いることができる。
具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸化窒化物膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を、絶縁膜521等に用いることができる。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を含む膜を、絶縁膜521等に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の積層材料もしくは複合材料などを絶縁膜521等に用いることができる。また、感光性を有する材料を用いて形成してもよい。
これにより、例えば絶縁膜521と重なるさまざまな構造に由来する段差を平坦化することができる。
《絶縁膜528》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜528等に用いることができる。具体的には、厚さ1μmのポリイミドを含む膜を絶縁膜528に用いることができる。
《絶縁膜501C》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜501Cに用いることができる。具体的には、シリコンおよび酸素を含む材料を絶縁膜501Cに用いることができる。これにより、画素回路または第2の表示素子等への不純物の拡散を抑制することができる。
例えば、シリコン、酸素および窒素を含む厚さ200nmの膜を絶縁膜501Cに用いることができる。
なお、絶縁膜501Cは、開口部591A、開口部591Bまたは開口部591Cを有する。
《配線、端子、導電膜》
導電性を備える材料を配線等に用いることができる。具体的には、導電性を備える材料を、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOM、配線ANO、端子519B、端子519C、導電膜511Bまたは導電膜511C等に用いることができる。
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスなどを配線等に用いることができる。
具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、銅、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウムまたはマンガンから選ばれた金属元素などを、配線等に用いることができる。または、上述した金属元素を含む合金などを、配線等に用いることができる。特に、銅とマンガンの合金がウエットエッチング法を用いた微細加工に好適である。
具体的には、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等を配線等に用いることができる。
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を、配線等に用いることができる。
具体的には、グラフェンまたはグラファイトを含む膜を配線等に用いることができる。
例えば、酸化グラフェンを含む膜を形成し、酸化グラフェンを含む膜を還元することにより、グラフェンを含む膜を形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
具体的には、導電性高分子を配線等に用いることができる。
《第1の導電膜、第2の導電膜》
例えば、配線等に用いることができる材料を第1の導電膜または第2の導電膜に用いることができる。
また、第1の電極751(i,j)または配線等を第1の導電膜に用いることができる。
また、スイッチSW1に用いることができるトランジスタの導電膜512Bまたは配線等を第2の導電膜に用いることができる。
《画素回路530(i,j)》
画素回路530(i,j)は、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOMおよび配線ANOと電気的に接続される(図3参照)。
画素回路530(i,j+1)は、信号線S1(j+1)、信号線S2(j+1)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOMおよび配線ANOと電気的に接続される。
なお、信号線S2(j)に供給する信号に用いる電圧が、信号線S1(j+1)に供給する信号に用いる電圧と異なる場合、信号線S1(j+1)を信号線S2(j)から離して配置する。具体的には、信号線S2(j+1)を信号線S2(j)に隣接するように配置する。
画素回路530(i,j)は、スイッチSW1、容量素子C1、スイッチSW2、トランジスタMおよび容量素子C2を含む。
例えば、走査線G1(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線S1(j)と電気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW1に用いることができる。
容量素子C1は、スイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極に電気的に接続される第1の電極と、配線CSCOMに電気的に接続される第2の電極と、を有する。
例えば、走査線G2(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線S2(j)と電気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW2に用いることができる。
トランジスタMは、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極に電気的に接続されるゲート電極と、配線ANOと電気的に接続される第1の電極と、を有する。
なお、半導体膜をゲート電極との間に挟むように設けられた導電膜を備えるトランジスタを、トランジスタMに用いることができる。例えば、トランジスタMの第1の電極と同じ電位を供給することができる配線と電気的に接続される導電膜を用いることができる。
容量素子C2は、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極に電気的に接続される第1の電極と、トランジスタMの第1の電極に電気的に接続される第2の電極と、を有する。
なお、第1の表示素子750の第1の電極をスイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続し、第1の表示素子750の第2の電極を配線VCOM1と電気的に接続する。これにより、第1の表示素子750を駆動することができる。
また、第2の表示素子550の第1の電極をトランジスタMの第2の電極と電気的に接続し、第2の表示素子550の第2の電極を配線VCOM2と電気的に接続する。これにより、第2の表示素子550を駆動することができる。
《スイッチSW1、スイッチSW2、トランジスタM、トランジスタMD》
例えば、ボトムゲート型またはトップゲート型等のトランジスタをスイッチSW1、スイッチSW2、トランジスタM、トランジスタMD等に用いることができる。
例えば、14族の元素を含む半導体を半導体膜に用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、シリコンを含む半導体を半導体膜に用いることができる。例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン、微結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどを半導体膜に用いたトランジスタを用いることができる。
例えば、酸化物半導体を半導体膜に用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、インジウムを含む酸化物半導体またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物半導体を半導体膜に用いることができる。
一例を挙げれば、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタと比較して、オフ状態におけるリーク電流が小さいトランジスタをスイッチSW1、スイッチSW2、トランジスタM、トランジスタMD等に用いることができる。具体的には、酸化物半導体を半導体膜508に用いたトランジスタをスイッチSW1、スイッチSW2、トランジスタM、トランジスタMD等に用いることができる。
これにより、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回路と比較して、画素回路が画像信号を保持することができる時間を長くすることができる。具体的には、フリッカーの発生を抑制しながら、選択信号を30Hz未満、好ましくは1Hz未満より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、情報処理装置の使用者に蓄積する疲労を低減することができる。また、駆動に伴う消費電力を低減することができる。
スイッチSW1に用いることができるトランジスタは、半導体膜508および半導体膜508と重なる領域を備える導電膜504を備える(図2(B)参照)。また、スイッチSW1に用いることができるトランジスタは、導電膜512Aおよび導電膜512Bを備える。
なお、導電膜504はゲート電極の機能を備え、絶縁膜506はゲート絶縁膜の機能を備える。また、導電膜512Aはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の一方を備え、導電膜512Bはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の他方を備える。
また、導電膜504との間に半導体膜508を挟むように設けられた導電膜524を備えるトランジスタを、トランジスタMに用いることができる(図2(C)参照)。
タンタルおよび窒素を含む厚さ10nmの膜と、銅を含む厚さ300nmの膜と、をこの順で積層した導電膜を導電膜504に用いることができる。
シリコンおよび窒素を含む厚さ400nmの膜と、シリコン、酸素および窒素を含む厚さ200nmの膜と、を積層した材料を絶縁膜506に用いることができる。
インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む厚さ25nmの膜を、半導体膜508に用いることができる。
タングステンを含む厚さ50nmの膜と、アルミニウムを含む厚さ400nmの膜と、チタンを含む厚さ100nmの膜と、をこの順で積層した導電膜を、導電膜512Aまたは導電膜512Bに用いることができる。
《第1の表示素子750(i,j)》
例えば、光の反射または透過を制御する機能を備える表示素子を、第1の表示素子750(i,j)等に用いることができる。例えば、液晶素子と偏光板を組み合わせた構成またはシャッター方式のMEMS表示素子等を用いることができる。反射型の表示素子を用いることにより、表示パネルの消費電力を抑制することができる。具体的には、反射型の液晶表示素子を第1の表示素子750(i,j)に用いることができる。
IPS(In−Plane−Switching)モード、TN(Twisted  Nematic)モード、FFS(Fringe  Field  Switching)モード、ASM(Axially  Symmetric  aligned  Micro−cell)モード、OCB(Optically  Compensated  Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric  Liquid  Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric  Liquid  Crystal)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
また、例えば垂直配向(VA)モード、具体的には、MVA(Multi−Domain  Vertical  Alignment)モード、PVA(Patterned  Vertical  Alignment)モード、ECB(Electrically  Controlled  Birefringence)モード、CPA(Continuous  Pinwheel  Alignment)モード、ASV(Advanced  Super−View)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
例えば、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。または、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す液晶材料を用いることができる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
《第1の電極751(i,j)》
例えば、配線等に用いる材料を第1の電極751(i,j)に用いることができる。具体的には、反射膜を第1の電極751(i,j)に用いることができる。
《反射膜》
例えば、可視光を反射する材料を反射膜に用いることができる。具体的には、銀を含む材料を反射膜に用いることができる。例えば、銀およびパラジウム等を含む材料または銀および銅等を含む材料を反射膜に用いることができる。
反射膜は、例えば、液晶材料を含む層753を透過してくる光を反射する。これにより、第1の表示素子750を反射型の液晶素子にすることができる。また、例えば、表面に凹凸を備える材料を、反射膜に用いることができる。これにより、入射する光をさまざまな方向に反射して、白色の表示をすることができる。
なお、第1の電極751(i,j)を反射膜に用いる構成に限られない。例えば、液晶材料を含む層753と第1の電極751(i,j)の間に反射膜を配設する構成を用いることができる。または、反射膜と液晶材料を含む層753の間に透光性を有する第1の電極751(i,j)を配置する構成を用いることができる。
《開口部751H》
非開口部の総面積に対する開口部751Hの総面積の比の値が大きすぎると、第1の表示素子750(i,j)を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口部751Hの総面積の比の値が小さすぎると、第2の表示素子550(i,j)を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射膜に設ける開口部751Hの面積が小さすぎると、第2の表示素子550(i,j)が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状を開口部751Hの形状に用いることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状を開口部751Hの形状に用いることができる。また、開口部751Hを隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口部751Hを同じ色を表示する機能を備える他の画素に寄せて配置する。これにより、第2の表示素子550が射出する光が隣接する画素に配置された着色膜に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制できる。
《第2の電極752》
例えば、可視光について透光性を有し且つ導電性を備える材料を、第2の電極752に用いることができる。
例えば、導電性酸化物、光が透過する程度に薄い金属膜または金属ナノワイヤーを第2の電極752に用いることができる。
具体的には、インジウムを含む導電性酸化物を第2の電極752に用いることができる。または、厚さ1nm以上10nm以下の金属薄膜を第2の電極752に用いることができる。または、銀を含む金属ナノワイヤーを第2の電極752に用いることができる。
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛、アルミニウムを添加した酸化亜鉛などを、第2の電極752に用いることができる。
《配向膜AF1、配向膜AF2》
例えば、ポリイミド等を含む材料を配向膜AF1または配向膜AF2に用いることができる。具体的には、所定の方向に配向するようにラビング処理または光配向技術を用いて形成された材料を用いることができる。
例えば、可溶性のポリイミドを含む膜を配向膜AF1または配向膜AF2に用いることができる。
《着色膜CF1》
所定の色の光を透過する材料を着色膜CF1に用いることができる。これにより、着色膜CF1を例えばカラーフィルターに用いることができる。
例えば、青色の光を透過する材料、緑色の光を透過する材料、赤色の光を透過する材料、黄色の光を透過する材料または白色の光を透過する材料などを着色膜CF1に用いることができる。
《遮光膜BM》
光の透過を妨げる材料を遮光膜BMに用いることができる。これにより、遮光膜BMを例えばブラックマトリクスに用いることができる。
《絶縁膜771》
例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を絶縁膜771に用いることができる。
《機能膜770P》
例えば、偏光板、位相差板、拡散フィルム、反射防止膜または集光フィルム等を機能膜770Pに用いることができる。または、2色性色素を含む偏光板を機能膜770Pに用いることができる。
また、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜などを、機能膜770Pに用いることができる。
《第2の表示素子550(i,j)》
例えば、発光素子を第2の表示素子550(i,j)に用いることができる。具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子または発光ダイオードなどを、第2の表示素子550(i,j)に用いることができる。
例えば、青色の光を射出するように積層された積層体、緑色の光を射出するように積層された積層体または赤色の光を射出するように積層された積層体等を、発光性の有機化合物を含む層553(j)に用いることができる。
例えば、信号線S1(j)に沿って列方向に長い帯状の積層体を、発光性の有機化合物を含む層553(j)に用いることができる。また、発光性の有機化合物を含む層553(j)とは異なる色の光を射出する信号線S1(j+1)に沿って列方向に長い帯状の積層体を、発光性の有機化合物を含む層553(j+1)に用いることができる。
また、例えば、白色の光を射出するように積層された積層体を、発光性の有機化合物を含む層553(j)および発光性の有機化合物を含む層553(j+1)に用いることができる。具体的には、青色の光を射出する蛍光材料を含む発光性の有機化合物を含む層と、緑色および赤色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層または黄色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層と、を積層した積層体を、発光性の有機化合物を含む層553(j)および発光性の有機化合物を含む層553(j+1)に用いることができる。
例えば、配線等に用いることができる材料を第3の電極551(i,j)または第4の電極552に用いることができる。
例えば、配線等に用いることができる材料から選択された、可視光について透光性を有する材料を、第3の電極551(i,j)に用いることができる。
具体的には、導電性酸化物またはインジウムを含む導電性酸化物、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを、第3の電極551(i,j)に用いることができる。または、光が透過する程度に薄い金属膜を第3の電極551(i,j)に用いることができる。
例えば、配線等に用いることができる材料から選択された可視光について反射性を有する材料を、第4の電極552に用いることができる。
《駆動回路GD》
シフトレジスタ等のさまざまな順序回路等を駆動回路GDに用いることができる。例えば、トランジスタMD、容量素子等を駆動回路GDに用いることができる。具体的には、トランジスタMと同一の工程で形成することができる半導体膜を備えるトランジスタを用いることができる。
または、スイッチSW1に用いることができるトランジスタと異なる構成をトランジスタMDに用いることができる。具体的には、導電膜524を有するトランジスタをトランジスタMDに用いることができる(図2(C)参照)。
導電膜504との間に半導体膜508を挟むように、導電膜524を配設し、導電膜524および半導体膜508の間に絶縁膜516を配設し、半導体膜508および導電膜504の間に絶縁膜506を配設する。例えば、導電膜504と同じ電位を供給する配線に導電膜524を電気的に接続する。
なお、トランジスタMと同一の構成を、トランジスタMDに用いることができる。
《駆動回路SD》
例えば、集積回路を駆動回路SDに用いることができる。具体的には、シリコン基板上に形成された集積回路を駆動回路SDに用いることができる。
例えば、COG(Chip  on  glass)法を用いて、画素回路530(i,j)と電気的に接続されるパッドに駆動回路SDを実装することができる。具体的には、異方性導電膜を用いて、パッドに集積回路を実装できる。
なお、パッドは、端子519Bまたは端子519Cと同一の工程で形成することができる。
<表示パネルの構成例2.>
図19は本発明の一態様の表示パネル700Bの構成を説明する図である。図19(A)は図1(A)の切断線X1−X2、X3−X4、X5−X6、X7−X8、X9−X10、X11−X12における断面図である。図19(B)は表示パネルの一部の構成を説明する断面図である。
なお、表示パネル700Bは、ボトムゲート型のトランジスタに換えてトップゲート型のトランジスタを有する点が、図2を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。ここでは、上記の説明と同様の構成を用いることができる部分について上記の説明を援用し、異なる部分について詳細に説明する。
《スイッチSW1B、トランジスタMB、トランジスタMDB》
スイッチSW1Bに用いることができるトランジスタ、トランジスタMBおよびトランジスタMDBは、絶縁膜501Cと重なる領域を備える導電膜504と、絶縁膜501Cおよび導電膜504の間に配設される領域を備える半導体膜508と、を備える。なお、導電膜504はゲート電極の機能を備える(図19(B))。
半導体膜508は、導電膜504と重ならない第1の領域508Aおよび第2の領域508Bと、第1の領域508Aおよび第2の領域508Bの間に導電膜504と重なる第3の領域508Cと、を備える。
トランジスタMDBは絶縁膜506を、第3の領域508Cおよび導電膜504の間に備える。なお、絶縁膜506はゲート絶縁膜の機能を備える。
第1の領域508Aおよび第2の領域508Bは、第3の領域508Cに比べて抵抗率が低く、ソース領域の機能またはドレイン領域の機能を備える。
なお、例えば本実施の形態の最後において詳細に説明する酸化物半導体膜の抵抗率を制御する方法を用いて、第1の領域508Aおよび第2の領域508Bを半導体膜508に形成することができる。具体的には、希ガスを含むガスを用いるプラズマ処理を適用することができる。
また、例えば、導電膜504をマスクに用いることができる。これにより、第3の領域508Cの一部の形状を、導電膜504の端部の形状に自己整合させることができる。
トランジスタMDBは、第1の領域508Aと接する導電膜512Aと、第2の領域508Bと接する導電膜512Bと、を備える。導電膜512Aおよび導電膜512Bは、ソース電極またはドレイン電極の機能を備える。
トランジスタMDBと同一の工程で形成することができるトランジスタをトランジスタMBに用いることができる。
<酸化物半導体膜の抵抗率の制御方法>
酸化物半導体膜の抵抗率を制御する方法について説明する。
所定の抵抗率を備える酸化物半導体膜を、半導体膜508または導電膜524等に用いることができる。
例えば、酸化物半導体膜に含まれる水素、水等の不純物の濃度及び/又は膜中の酸素欠損を制御する方法を、酸化物半導体膜の抵抗率を制御する方法に用いることができる。
具体的には、プラズマ処理を水素、水等の不純物濃度及び/又は膜中の酸素欠損を増加または低減する方法に用いることができる。
具体的には、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe)、水素、ボロン、リン及び窒素の中から選ばれた一種以上を含むガスを用いて行うプラズマ処理を適用できる。例えば、Ar雰囲気下でのプラズマ処理、Arと水素の混合ガス雰囲気下でのプラズマ処理、アンモニア雰囲気下でのプラズマ処理、Arとアンモニアの混合ガス雰囲気下でのプラズマ処理、または窒素雰囲気下でのプラズマ処理などを適用できる。これにより、キャリア密度が高く、抵抗率が低い酸化物半導体膜にすることができる。
または、イオン注入法、イオンドーピング法またはプラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いて、水素、ボロン、リンまたは窒素を酸化物半導体膜に注入して、抵抗率が低い酸化物半導体膜にすることができる。
または、水素を含む絶縁膜を酸化物半導体膜に接して形成し、絶縁膜から酸化物半導体膜に水素を拡散させる方法を用いることができる。これにより、酸化物半導体膜のキャリア密度を高め、抵抗率を低くすることができる。
例えば、膜中の含有水素濃度が1×1022atoms/cm3以上の絶縁膜を酸化物半導体膜に接して形成することで、効果的に水素を酸化物半導体膜に含有させることができる。具体的には、窒化シリコン膜を酸化物半導体膜に接して形成する絶縁膜に用いることができる。
酸化物半導体膜に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になると共に、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合することで、キャリアである電子を生成する場合がある。これにより、キャリア密度が高く、抵抗率が低い酸化物半導体膜にすることができる。
具体的には、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary  Ion  Mass  Spectrometry)により得られる水素濃度が、8×1019atoms/cm3以上、好ましくは1×1020atoms/cm3以上、より好ましくは5×1020atoms/cm3以上である酸化物半導体膜を導電膜524に好適に用いることができる。
一方、抵抗率の高い酸化物半導体膜をトランジスタのチャネルが形成される半導体膜に用いることができる。具体的には半導体膜508に好適に用いることができる。
例えば、酸素を含む絶縁膜、別言すると、酸素を放出することが可能な絶縁膜を酸化物半導体膜に接して形成し、絶縁膜から酸化物半導体膜に酸素を供給させて、膜中または界面の酸素欠損を補填することができる。これにより、抵抗率が高い酸化物半導体膜にすることができる。
例えば、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を、酸素を放出することが可能な絶縁膜に用いることができる。
酸素欠損が補填され、水素濃度が低減された酸化物半導体膜は、高純度真性化、又は実質的に高純度真性化された酸化物半導体膜といえる。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体膜のキャリア密度が、8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であることを指す。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度を低減することができる。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜を備えるトランジスタは、オフ電流が著しく小さく、チャネル幅が1×106μmでチャネル長Lが10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を備えることができる。
上述した高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜をチャネル領域に用いるトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。
具体的には、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary  Ion  Mass  Spectrometry)により得られる水素濃度が、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、5×1018atoms/cm3未満、好ましくは1×1018atoms/cm3以下、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm3以下である酸化物半導体膜を、トランジスタのチャネルが形成される半導体膜に好適に用いることができる。
なお、半導体膜508よりも水素濃度及び/又は酸素欠損量が多く、抵抗率が低い酸化物半導体膜を、導電膜524に用いる。
また、半導体膜508に含まれる水素濃度の2倍以上、好ましくは10倍以上の濃度の水素を含む膜を、導電膜524に用いることができる。
また、半導体膜508の抵抗率の1×10−8倍以上1×10−1倍未満の抵抗率を備える膜を、導電膜524に用いることができる。
具体的には、1×10−3Ωcm以上1×104Ωcm未満、好ましくは、1×10−3Ωcm以上1×10−1Ωcm未満である膜を、導電膜524に用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに用いることができるトランジスタの構成について、図5を参照しながら説明する。
<半導体装置の構成例>
図5(A)は、トランジスタ100の上面図であり、図5(C)は、図5(A)に示す切断線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図5(D)は、図5(A)に示す切断線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。なお、図5(A)において、煩雑になることを避けるため、トランジスタ100の構成要素の一部(ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜等)を省略して図示している。また、切断線X1−X2方向をチャネル長方向、切断線Y1−Y2方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。なお、トランジスタの上面図においては、以降の図面においても図5(A)と同様に、構成要素の一部を省略して図示する場合がある。
なお、トランジスタ100を実施の形態1において説明する表示パネル700等に用いることができる。
例えば、トランジスタ100をスイッチSW1に用いる場合は、基板102を絶縁膜501Cに、導電膜104を導電膜504に、絶縁膜106および絶縁膜107が積層された積層膜を絶縁膜506に、酸化物半導体膜108を半導体膜508に、導電膜112aを導電膜512Aに、導電膜112bを導電膜512Bに、絶縁膜114および絶縁膜116が積層された積層膜を絶縁膜516に、絶縁膜118を絶縁膜518に、それぞれ読み替えることができる。
トランジスタ100は、基板102上のゲート電極として機能する導電膜104と、基板102及び導電膜104上の絶縁膜106と、絶縁膜106上の絶縁膜107と、絶縁膜107上の酸化物半導体膜108と、酸化物半導体膜108に電気的に接続されるソース電極として機能する導電膜112aと、酸化物半導体膜108に電気的に接続されるドレイン電極として機能する導電膜112bと、を有する。また、トランジスタ100上、より詳しくは、導電膜112a、112b及び酸化物半導体膜108上には絶縁膜114、116、及び絶縁膜118が設けられる。絶縁膜114、116、118は、トランジスタ100の保護絶縁膜としての機能を有する。
また、酸化物半導体膜108は、ゲート電極として機能する導電膜104側の酸化物半導体膜108aと、酸化物半導体膜108a上の酸化物半導体膜108bと、を有する。また、絶縁膜106及び絶縁膜107は、トランジスタ100のゲート絶縁膜としての機能を有する。
酸化物半導体膜108としては、In−M(Mは、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、Nd、またはHfを表す)酸化物、In−M−Zn酸化物を用いることができる。とくに、酸化物半導体膜108としては、In−M−Zn酸化物を用いると好ましい。
また、酸化物半導体膜108aは、Inの原子数比がMの原子数比より多い第1の領域を有する。また、酸化物半導体膜108bは、酸化物半導体膜108aよりもInの原子数比が少ない第2の領域を有する。また、第2の領域は、第1の領域よりも薄い部分を有する。
酸化物半導体膜108aにInの原子数比がMの原子数比より多い第1の領域を有することで、トランジスタ100の電界効果移動度(単に移動度、またはμFEという場合がある)を高くすることができる。具体的には、トランジスタ100の電界効果移動度が10cm2/Vsを超えることが可能となる。
例えば、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、ゲート信号を生成するゲートドライバ(とくに、ゲートドライバが有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ)に用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)半導体装置または表示装置を提供することができる。
一方で、Inの原子数比がMの原子数比より多い第1の領域を有する酸化物半導体膜108aとすることで、光照射時にトランジスタ100の電気特性が変動しやすくなる。しかしながら、本発明の一態様の半導体装置においては、酸化物半導体膜108a上に酸化物半導体膜108bが形成されている。また、酸化物半導体膜108bのチャネル領域の膜厚が酸化物半導体膜108aの膜厚よりも小さい。
また、酸化物半導体膜108bは、酸化物半導体膜108aよりもInの原子数比が少ない第2の領域を有するため、酸化物半導体膜108aよりもEgが大きくなる。したがって、酸化物半導体膜108aと、酸化物半導体膜108bとの積層構造である酸化物半導体膜108は、光負バイアスストレス試験による耐性が高くなる。
上記構成の酸化物半導体膜とすることで、光照射時における酸化物半導体膜108の光吸収量を低減させることができる。したがって、光照射時におけるトランジスタ100の電気特性の変動を抑制することができる。また、本発明の一態様の半導体装置においては、絶縁膜114または絶縁膜116中に過剰の酸素を含有する構成のため、光照射におけるトランジスタ100の電気特性の変動をさらに、抑制することができる。
ここで、酸化物半導体膜108について、図5(B)を用いて詳細に説明する。
図5(B)は、図5(C)を用いて示すトランジスタ100の断面の、酸化物半導体膜108の近傍を拡大した断面図である。
図5(B)において、酸化物半導体膜108aの膜厚をt1として、酸化物半導体膜108bの膜厚をt2−1、及びt2−2として、それぞれ示している。酸化物半導体膜108a上には、酸化物半導体膜108bが設けられているため、導電膜112a、112bの形成時において、酸化物半導体膜108aがエッチングガスまたはエッチング溶液等に曝されることがない。したがって、酸化物半導体膜108aにおいては、膜減りがない、または極めて少ない。一方で、酸化物半導体膜108bにおいては、導電膜112a、112bの形成時において、酸化物半導体膜108bの導電膜112a、112bと重ならない部分がエッチングされ、凹部が形成される。すなわち、酸化物半導体膜108bの導電膜112a、112bと重なる領域の膜厚がt2−1となり、酸化物半導体膜108bの導電膜112a、112bと重ならない領域の膜厚がt2−2となる。
酸化物半導体膜108aと酸化物半導体膜108bの膜厚の関係は、t2−1>t1>t2−2となると好ましい。このような膜厚の関係とすることによって、高い電界効果移動度を有し、且つ光照射時における、しきい値電圧の変動量が少ないトランジスタとすることが可能となる。
また、トランジスタ100が有する酸化物半導体膜108は、酸素欠損が形成されるとキャリアである電子が生じ、ノーマリーオン特性になりやすい。したがって、酸化物半導体膜108中の酸素欠損、とくに酸化物半導体膜108a中の酸素欠損を減らすことが、安定したトランジスタ特性を得る上でも重要となる。そこで、本発明の一態様のトランジスタの構成においては、酸化物半導体膜108上の絶縁膜、ここでは、酸化物半導体膜108上の絶縁膜114及び/又は絶縁膜116に過剰な酸素を導入することで、絶縁膜114及び/又は絶縁膜116から酸化物半導体膜108中に酸素を移動させ、酸化物半導体膜108中、とくに酸化物半導体膜108a中の酸素欠損を補填することを特徴とする。
なお、絶縁膜114、116としては、化学量論的組成よりも過剰に酸素を含有する領域(酸素過剰領域)を有することがより好ましい。別言すると、絶縁膜114、116は、酸素を放出することが可能な絶縁膜である。なお、絶縁膜114、116に酸素過剰領域を設けるには、例えば、成膜後の絶縁膜114、116に酸素を導入して、酸素過剰領域を形成する。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、プラズマ処理等を用いることができる。
また、酸化物半導体膜108a中の酸素欠損を補填するためには、酸化物半導体膜108bのチャネル領域近傍の膜厚を薄くした方が好適である。したがって、t2−2<t1の関係を満たせばよい。例えば、酸化物半導体膜108bのチャネル領域近傍の膜厚としては、好ましくは1nm以上20nm以下、さらに好ましくは、3nm以上10nm以下である。
以下に、本実施の形態の半導体装置に含まれるその他の構成要素について、詳細に説明する。
《基板》
基板102の材質などに大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板等を、基板102として用いてもよい。
また、シリコンや炭化シリコンを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を適用することも可能である。
また、これらの基板上に半導体素子または絶縁膜等が設けられたものを、基板102として用いてもよい。
なお、基板102として、ガラス基板を用いる場合、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の大面積基板を用いることで、大型の表示装置を作製することができる。
また、基板102として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタ100を形成してもよい。または、基板102とトランジスタ100の間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板102より分離し、他の基板に転載するのに用いることができる。その際、トランジスタ100は耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。
《ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電膜》
ゲート電極として機能する導電膜104、及びソース電極として機能する導電膜112a、及びドレイン電極として機能する導電膜112bとしては、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)から選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いてそれぞれ形成することができる。
また、導電膜104、112a、112bは、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等がある。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた一または複数を組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。
また、導電膜104、112a、112bには、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。
また、導電膜104、112a、112bには、Cu−X合金膜(Xは、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、Ta、またはTi)を適用してもよい。Cu−X合金膜を用いることで、ウエットエッチングプロセスで加工できるため、製造コストを抑制することが可能となる。
《ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜》
トランジスタ100のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜106、107としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:(Plasma  Enhanced  Chemical  Vapor  Deposition))法、スパッタリング法等により、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜および酸化ネオジム膜を一種以上含む絶縁膜を、それぞれ用いることができる。なお、絶縁膜106、107の積層構造とせずに、上述の材料から選択された単層の絶縁膜、または3層以上の絶縁膜を用いてもよい。
また、絶縁膜106は、酸素の透過を抑制するブロッキング膜としての機能を有する。例えば、絶縁膜107、114、116及び/または酸化物半導体膜108中に過剰の酸素を供給する場合において、絶縁膜106は酸素の透過を抑制することができる。
なお、トランジスタ100のチャネル領域として機能する酸化物半導体膜108と接する絶縁膜107は、酸化物絶縁膜であることが好ましく、化学量論的組成よりも過剰に酸素を含有する領域(酸素過剰領域)を有することがより好ましい。別言すると、絶縁膜107は、酸素を放出することが可能な絶縁膜である。なお、絶縁膜107に酸素過剰領域を設けるには、例えば、酸素雰囲気下にて絶縁膜107を形成すればよい。または、成膜後の絶縁膜107に酸素を導入して、酸素過剰領域を形成してもよい。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、プラズマ処理等を用いることができる。
また、絶縁膜107として、酸化ハフニウムを用いる場合、以下の効果を奏する。酸化ハフニウムは、酸化シリコンや酸化窒化シリコンと比べて比誘電率が高い。したがって、酸化シリコンを用いる場合に比べて膜厚を大きくできるため、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることができる。すなわち、オフ電流の小さいトランジスタを実現することができる。さらに、結晶構造を有する酸化ハフニウムは、非晶質構造を有する酸化ハフニウムと比べて高い比誘電率を備える。したがって、オフ電流の小さいトランジスタとするためには、結晶構造を有する酸化ハフニウムを用いることが好ましい。結晶構造の例としては、単斜晶系や立方晶系などが挙げられる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。
なお、本実施の形態では、絶縁膜106として窒化シリコン膜を形成し、絶縁膜107として酸化シリコン膜を形成する。窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜と比較して比誘電率が高く、酸化シリコン膜と同等の静電容量を得るのに必要な膜厚が大きいため、トランジスタ100のゲート絶縁膜として、窒化シリコン膜を含むことで絶縁膜を物理的に厚膜化することができる。よって、トランジスタ100の絶縁耐圧の低下を抑制、さらには絶縁耐圧を向上させて、トランジスタ100の静電破壊を抑制することができる。
《酸化物半導体膜》
酸化物半導体膜108としては、先に示す材料を用いることができる。
酸化物半導体膜108がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1が好ましい。
また、酸化物半導体膜108がIn−M−Zn酸化物の場合、スパッタリングターゲットとしては、多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いると好ましい。多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いることで、結晶性を有する酸化物半導体膜108を形成しやすくなる。なお、成膜される酸化物半導体膜108の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、スパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1を用いる場合、成膜される酸化物半導体膜108の原子数比は、In:Ga:Zn=4:2:3近傍となる場合がある。
例えば、酸化物半導体膜108aとしては、上述のIn:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1等のスパッタリングターゲットを用いて形成すればよい。また、酸化物半導体膜108bとしては、上述のIn:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2等を用いて形成すればよい。なお、酸化物半導体膜108bに用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比としては、In≧M、Zn≧Mを満たす必要はなく、In≧M、Zn<Mを満たす組成でもよい。具体的には、In:M:Zn=1:3:2等が挙げられる。
また、酸化物半導体膜108は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタ100のオフ電流を低減することができる。とくに、酸化物半導体膜108aには、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2eV以上3.0eV以下の酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108bには、エネルギーギャップが2.5eV以上3.5eV以下の酸化物半導体膜を用いると、好適である。また、酸化物半導体膜108aよりも酸化物半導体膜108bのエネルギーギャップが大きい方が好ましい。
また、酸化物半導体膜108a、及び酸化物半導体膜108bの厚さは、それぞれ3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。なお、先に記載の膜厚の関係を満たすと好ましい。
また、酸化物半導体膜108bとしては、キャリア密度の低い酸化物半導体膜を用いる。例えば、酸化物半導体膜108bは、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下とする。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、酸化物半導体膜108a、及び酸化物半導体膜108bのキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
なお、酸化物半導体膜108a、及び酸化物半導体膜108bとしては、それぞれ不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜を用いることで、さらに優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができ好ましい。ここでは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性または実質的に高純度真性とよぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、該酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、オフ電流が著しく小さく、チャネル幅が1×106μmでチャネル長Lが10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。
したがって、上記高純度真性、または実質的に高純度真性の酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとすることができる。なお、酸化物半導体膜のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等がある。
酸化物半導体膜に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になると共に、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体膜を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体膜108は水素ができる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体膜108において、SIMS分析により得られる水素濃度を、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、5×1018atoms/cm3以下、好ましくは1×1018atoms/cm3以下、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm3以下とする。
また、第1酸化物半導体膜108aにおいて、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体膜108aにおいて酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、酸化物半導体膜108aにおけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体膜108aとの界面近傍のシリコンや炭素の濃度(SIMS分析により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体膜108aにおいて、SIMS分析により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、酸化物半導体膜108aのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。
また、酸化物半導体膜108aに窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体膜を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物半導体膜において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、SIMS分析により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
また、酸化物半導体膜108a、及び酸化物半導体膜108bは、それぞれ非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、後述するCAAC−OS(C  Axis  Aligned  Crystalline  Oxide  Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
《トランジスタの保護絶縁膜として機能する絶縁膜》
絶縁膜114、116は、酸化物半導体膜108に酸素を供給する機能を有する。また、絶縁膜118は、トランジスタ100の保護絶縁膜としての機能を有する。また、絶縁膜114、116は、酸素を有する。また、絶縁膜114は、酸素を透過することのできる絶縁膜である。なお、絶縁膜114は、後に形成する絶縁膜116を形成する際の、酸化物半導体膜108へのダメージ緩和膜としても機能する。
絶縁膜114としては、厚さが5nm以上150nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下の酸化シリコン、酸化窒化シリコン等を用いることができる。
また、絶縁膜114は、欠陥量が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により、シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001に現れる信号のスピン密度が3×1017spins/cm3以下であることが好ましい。これは、絶縁膜114に含まれる欠陥密度が多いと、該欠陥に酸素が結合してしまい、絶縁膜114における酸素の透過量が減少してしまうためである。
なお、絶縁膜114においては、外部から絶縁膜114に入った酸素が全て絶縁膜114の外部に移動せず、絶縁膜114にとどまる酸素もある。また、絶縁膜114に酸素が入ると共に、絶縁膜114に含まれる酸素が絶縁膜114の外部へ移動することで、絶縁膜114において酸素の移動が生じる場合もある。絶縁膜114として酸素を透過することができる酸化物絶縁膜を形成すると、絶縁膜114上に設けられる、絶縁膜116から脱離する酸素を、絶縁膜114を介して酸化物半導体膜108に移動させることができる。
また、絶縁膜114は、窒素酸化物に起因する準位密度が低い酸化物絶縁膜を用いて形成することができる。なお、当該窒素酸化物に起因する準位密度は、酸化物半導体膜の価電子帯の上端のエネルギー(Ev_os)と酸化物半導体膜の伝導帯の下端のエネルギー(Ec_os)の間に形成され得る場合がある。上記酸化物絶縁膜として、窒素酸化物の放出量が少ない酸化窒化シリコン膜、または窒素酸化物の放出量が少ない酸化窒化アルミニウム膜等を用いることができる。
なお、窒素酸化物の放出量の少ない酸化窒化シリコン膜は、昇温脱離ガス分析法において、窒素酸化物の放出量よりアンモニアの放出量が多い膜であり、代表的にはアンモニアの放出量が1×1018/cm3以上5×1019/cm3以下である。なお、アンモニアの放出量は、膜の表面温度が50℃以上650℃以下、好ましくは50℃以上550℃以下の加熱処理による放出量とする。
窒素酸化物(NOx、xは0より大きく2以下、好ましくは1以上2以下)、代表的にはNO2またはNOは、絶縁膜114などに準位を形成する。当該準位は、酸化物半導体膜108のエネルギーギャップ内に位置する。そのため、窒素酸化物が、絶縁膜114及び酸化物半導体膜108の界面に拡散すると、当該準位が絶縁膜114側において電子をトラップする場合がある。この結果、トラップされた電子が、絶縁膜114及び酸化物半導体膜108界面近傍に留まるため、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向にシフトさせてしまう。
また、窒素酸化物は、加熱処理においてアンモニア及び酸素と反応する。絶縁膜114に含まれる窒素酸化物は、加熱処理において、絶縁膜116に含まれるアンモニアと反応するため、絶縁膜114に含まれる窒素酸化物が低減される。このため、絶縁膜114及び酸化物半導体膜108の界面において、電子がトラップされにくい。
絶縁膜114として、上記酸化物絶縁膜を用いることで、トランジスタのしきい値電圧のシフトを低減することが可能であり、トランジスタの電気特性の変動を低減することができる。
なお、トランジスタの作製工程の加熱処理、代表的には300℃以上350℃未満の加熱処理により、絶縁膜114は、100K以下のESRで測定して得られたスペクトルにおいてg値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下の第3のシグナルが観測される。なお、第1のシグナル及び第2のシグナルのスプリット幅、並びに第2のシグナル及び第3のシグナルのスプリット幅は、XバンドのESR測定において約5mTである。また、g値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下である第3のシグナルのスピンの密度の合計が1×1018spins/cm3未満であり、代表的には1×1017spins/cm3以上1×1018spins/cm3未満である。
なお、100K以下のESRスペクトルにおいてg値が2.037以上2.039以下の第1シグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下の第3のシグナルは、窒素酸化物(NOx、xは0より大きく2以下、好ましくは1以上2以下)起因のシグナルに相当する。窒素酸化物の代表例としては、一酸化窒素、二酸化窒素等がある。即ち、g値が2.037以上2.039以下の第1のシグナル、g値が2.001以上2.003以下の第2のシグナル、及びg値が1.964以上1.966以下である第3のシグナルのスピンの密度の合計が少ないほど、酸化物絶縁膜に含まれる窒素酸化物の含有量が少ないといえる。
また、上記酸化物絶縁膜は、SIMSで測定される窒素濃度が6×1020atoms/cm3以下である。
膜の表面温度が220℃以上350℃以下であり、シラン及び一酸化二窒素を用いたPECVD法を用いて、上記酸化物絶縁膜を形成することで、緻密であり、且つ硬度の高い膜を形成することができる。
絶縁膜116は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁膜を用いて形成する。化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁膜は、加熱により酸素の一部が脱離する。化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁膜は、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1019atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物絶縁膜である。なお、上記TDSにおける膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
絶縁膜116としては、厚さが30nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上400nm以下の、酸化シリコン、酸化窒化シリコン等を用いることができる。
また、絶縁膜116は、欠陥量が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により、シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001に現れる信号のスピン密度が1.5×1018spins/cm3未満、さらには1×1018spins/cm3以下であることが好ましい。なお、絶縁膜116は、絶縁膜114と比較して酸化物半導体膜108から離れているため、絶縁膜114より、欠陥密度が多くともよい。
また、絶縁膜114、116は、同種の材料の絶縁膜を用いることができるため、絶縁膜114と絶縁膜116の界面が明確に確認できない場合がある。したがって、本実施の形態においては、絶縁膜114と絶縁膜116の界面は、破線で図示している。なお、本実施の形態においては、絶縁膜114と絶縁膜116の2層構造について説明したが、これに限定されず、例えば、絶縁膜114の単層構造としてもよい。
絶縁膜118は、窒素を有する。また、絶縁膜118は、窒素及びシリコンを有する。また、絶縁膜118は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキングできる機能を有する。絶縁膜118を設けることで、酸化物半導体膜108からの酸素の外部への拡散と、絶縁膜114、116に含まれる酸素の外部への拡散と、外部から酸化物半導体膜108への水素、水等の入り込みを防ぐことができる。絶縁膜118としては、例えば、窒化物絶縁膜を用いることができる。該窒化物絶縁膜としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等がある。なお、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキング効果を有する窒化物絶縁膜の代わりに、酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜を設けてもよい。酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜としては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等がある。
なお、上記記載の、導電膜、絶縁膜、酸化物半導体膜などの様々な膜は、スパッタリング法やPECVD法により形成することができるが、他の方法、例えば、熱CVD(Chemical  Vapor  Deposition)法により形成してもよい。熱CVD法の例としてMOCVD(Metal  Organic  Chemical  Vapor  Deposition)法やALD(Atomic  Layer  Deposition)法を用いても良い。
熱CVD法は、プラズマを使わない成膜方法のため、プラズマダメージにより欠陥が生成されることが無いという利点を有する。
熱CVD法は、原料ガスと酸化剤を同時にチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、基板近傍または基板上で反応させて基板上に堆積させることで成膜を行ってもよい。
また、ALD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、反応のための原料ガスが順次チャンバーに導入され、そのガス導入の順序を繰り返すことで成膜を行ってもよい。例えば、それぞれのスイッチングバルブ(高速バルブとも呼ぶ)を切り替えて2種類以上の原料ガスを順番にチャンバーに供給し、複数種の原料ガスが混ざらないように第1の原料ガスと同時またはその後に不活性ガス(アルゴン、或いは窒素など)などを導入し、第2の原料ガスを導入する。なお、同時に不活性ガスを導入する場合には、不活性ガスはキャリアガスとなり、また、第2の原料ガスの導入時にも同時に不活性ガスを導入してもよい。また、不活性ガスを導入する代わりに真空排気によって第1の原料ガスを排出した後、第2の原料ガスを導入してもよい。第1の原料ガスが基板の表面に吸着して第1の層を成膜し、後から導入される第2の原料ガスと反応して、第2の層が第1の層上に積層されて薄膜が形成される。このガス導入順序を制御しつつ所望の厚さになるまで複数回繰り返すことで、段差被覆性に優れた薄膜を形成することができる。薄膜の厚さは、ガス導入順序を繰り返す回数によって調節することができるため、精密な膜厚調節が可能であり、微細なFETを作製する場合に適している。
MOCVD法やALD法などの熱CVD法は、上記実施形態の導電膜、絶縁膜、酸化物半導体膜、金属酸化膜などの様々な膜を形成することができ、例えば、In−Ga−ZnO膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム、トリメチルガリウム、及びジメチル亜鉛を用いる。なお、トリメチルインジウムの化学式は、In(CH3)3である。また、トリメチルガリウムの化学式は、Ga(CH3)3である。また、ジメチル亜鉛の化学式は、Zn(CH3)2である。また、これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウム(化学式Ga(C2H5)3)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(化学式Zn(C2H5)2)を用いることもできる。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒とハフニウム前駆体化合物を含む液体(ハフニウムアルコキシドや、テトラキスジメチルアミドハフニウム(TDMAH)などのハフニウムアミド)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O3)の2種類のガスを用いる。なお、テトラキスジメチルアミドハフニウムの化学式はHf[N(CH3)2]4である。また、他の材料液としては、テトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどがある。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体化合物を含む液体(トリメチルアルミニウム(TMA)など)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてH2Oの2種類のガスを用いる。なお、トリメチルアルミニウムの化学式はAl(CH3)3である。また、他の材料液としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化シリコン膜を形成する場合には、ヘキサクロロジシランを被成膜面に吸着させ、吸着物に含まれる塩素を除去し、酸化性ガス(O2、一酸化二窒素)のラジカルを供給して吸着物と反応させる。
例えば、ALDを利用する成膜装置によりタングステン膜を成膜する場合には、WF6ガスとB2H6ガスを順次繰り返し導入して初期タングステン膜を形成し、その後、WF6ガスとH2ガスを用いてタングステン膜を形成する。なお、B2H6ガスに代えてSiH4ガスを用いてもよい。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化物半導体膜、例えばIn−Ga−ZnO膜を成膜する場合には、In(CH3)3ガスとO3ガスを順次繰り返し導入してIn−O層を形成し、その後、Ga(CH3)3ガスとO3ガスを用いてGaO層を形成し、更にその後Zn(CH3)2ガスとO3ガスを用いてZnO層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらのガスを混ぜてIn−Ga−O層やIn−Zn−O層、Ga−Zn−O層などの混合化合物層を形成しても良い。なお、O3ガスに変えてAr等の不活性ガスでバブリングして得られたH2Oガスを用いても良いが、Hを含まないO3ガスを用いる方が好ましい。また、In(CH3)3ガスにかえて、In(C2H5)3ガスを用いても良い。また、Ga(CH3)3ガスにかえて、Ga(C2H5)3ガスを用いても良い。また、Zn(CH3)2ガスを用いても良い。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに用いることができるトランジスタの構成について、図6を参照しながら説明する。
<半導体装置の構成例>
図6(A)は、トランジスタ100の上面図であり、図6(B)は、図6(A)に示す切断線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図6(C)は、図6(A)に示す切断線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。なお、図6(A)において、煩雑になることを避けるため、トランジスタ100の構成要素の一部(ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜等)を省略して図示している。また、切断線X1−X2方向をチャネル長方向、切断線Y1−Y2方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。なお、トランジスタの上面図においては、以降の図面においても図6(A)と同様に、構成要素の一部を省略して図示する場合がある。
なお、トランジスタ100を実施の形態1において説明する表示パネル700等に用いることができる。
例えば、トランジスタ100をトランジスタMまたはトランジスタMDに用いる場合は、基板102を絶縁膜501Cに、導電膜104を導電膜504に、絶縁膜106および絶縁膜107が積層された積層膜を絶縁膜506に、酸化物半導体膜108を半導体膜508に、導電膜112aを導電膜512Aに、導電膜112bを導電膜512Bに、絶縁膜114および絶縁膜116が積層された積層膜を絶縁膜516に、絶縁膜118を絶縁膜518に、導電膜120bを導電膜524に、それぞれ読み替えることができる。
トランジスタ100は、基板102上の第1のゲート電極として機能する導電膜104と、基板102及び導電膜104上の絶縁膜106と、絶縁膜106上の絶縁膜107と、絶縁膜107上の酸化物半導体膜108と、酸化物半導体膜108に電気的に接続されるソース電極として機能する導電膜112aと、酸化物半導体膜108に電気的に接続されるドレイン電極として機能する導電膜112bと、酸化物半導体膜108、導電膜112a、及び112b上の絶縁膜114、116と、絶縁膜116上に設けられ、且つ導電膜112bと電気的に接続される導電膜120aと、絶縁膜116上の導電膜120bと、絶縁膜116及び導電膜120a、120b上の絶縁膜118と、を有する。
また、トランジスタ100において、絶縁膜106、107は、トランジスタ100の第1のゲート絶縁膜としての機能を有し、絶縁膜114、116は、トランジスタ100の第2のゲート絶縁膜としての機能を有し、絶縁膜118は、トランジスタ100の保護絶縁膜としての機能を有する。なお、本明細書等において、絶縁膜106、107を第1の絶縁膜と、絶縁膜114、116を第2の絶縁膜と、絶縁膜118を第3の絶縁膜と、それぞれ呼称する場合がある。
なお、導電膜120bをトランジスタ100の第2のゲート電極に用いることができる。
また、トランジスタ100を表示パネルの画素部に用いる場合は、導電膜120aを表示素子の電極等に用いることができる。
また、酸化物半導体膜108は、第1のゲート電極として機能する導電膜104側の酸化物半導体膜108bと、酸化物半導体膜108b上の酸化物半導体膜108cと、を有する。また、酸化物半導体膜108b及び酸化物半導体膜108cは、Inと、M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、Znと、を有する。
例えば、酸化物半導体膜108bとしては、Inの原子数比がMの原子数比より多い領域を有すると好ましい。また、酸化物半導体膜108cとしては、酸化物半導体膜108bよりもInの原子数が少ない領域を有すると好ましい。
酸化物半導体膜108bが、Inの原子数比がMの原子数比より多い領域を有することで、トランジスタ100の電界効果移動度(単に移動度、またはμFEという場合がある)を高くすることができる。具体的には、トランジスタ100の電界効果移動度が10cm2/Vsを超える、さらに好ましくはトランジスタ100の電界効果移動度が30cm2/Vsを超えることが可能となる。
例えば、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、ゲート信号を生成するゲートドライバ(とくに、ゲートドライバが有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ)に用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)半導体装置または表示装置を提供することができる。
一方で、酸化物半導体膜108bが、Inの原子数比がMの原子数比より多い領域を有する場合、光照射時にトランジスタ100の電気特性が変動しやすくなる。しかしながら、本発明の一態様の半導体装置においては、酸化物半導体膜108b上に酸化物半導体膜108cが形成されている。また、酸化物半導体膜108cは、酸化物半導体膜108bよりもInの原子数比が少ない領域を有するため、酸化物半導体膜108bよりもEgが大きくなる。したがって、酸化物半導体膜108bと、酸化物半導体膜108cとの積層構造である酸化物半導体膜108は、光負バイアスストレス試験による耐性を高めることが可能となる。
また、酸化物半導体膜108中、特に酸化物半導体膜108bのチャネル領域に混入する水素または水分などの不純物は、トランジスタ特性に影響を与えるため問題となる。したがって、酸化物半導体膜108b中のチャネル領域においては、水素または水分などの不純物が少ないほど好ましい。また、酸化物半導体膜108b中のチャネル領域に形成される酸素欠損は、トランジスタ特性に影響を与えるため問題となる。例えば、酸化物半導体膜108bのチャネル領域中に酸素欠損が形成されると、該酸素欠損に水素が結合し、キャリア供給源となる。酸化物半導体膜108bのチャネル領域中にキャリア供給源が生成されると、酸化物半導体膜108bを有するトランジスタ100の電気特性の変動、代表的にはしきい値電圧のシフトが生じる。したがって、酸化物半導体膜108bのチャネル領域においては、酸素欠損が少ないほど好ましい。
そこで、本発明の一態様においては、酸化物半導体膜108に接する絶縁膜、具体的には、酸化物半導体膜108の下方に形成される絶縁膜107、及び酸化物半導体膜108の上方に形成される絶縁膜114、116が過剰酸素を含有する構成である。絶縁膜107、及び絶縁膜114、116から酸化物半導体膜108へ酸素または過剰酸素を移動させることで、酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減することが可能となる。よって、トランジスタ100の電気特性、特に光照射におけるトランジスタ100の変動を抑制することが可能となる。
また、本発明の一態様においては、絶縁膜107、及び絶縁膜114、116に過剰酸素を含有させるために、作製工程の増加がない、または作製工程の増加が極めて少ない作製方法を用いる。よって、トランジスタ100の歩留まりを高くすることが可能である。
具体的には、酸化物半導体膜108bを形成する工程において、スパッタリング法を用い、酸素ガスを含む雰囲気にて酸化物半導体膜108bを形成することで、酸化物半導体膜108bの被形成面となる、絶縁膜107に酸素または過剰酸素を添加する。
また、導電膜120a、120bを形成する工程において、スパッタリング法を用い、酸素ガスを含む雰囲気にて導電膜120a、120bを形成することで、導電膜120a、120bの被形成面となる、絶縁膜116に酸素または過剰酸素を添加する。なお、絶縁膜116に酸素または過剰酸素を添加する際に、絶縁膜116の下方に位置する絶縁膜114、及び酸化物半導体膜108にも酸素または過剰酸素が添加される場合がある。
<酸化物導電体>
次に、酸化物導電体について説明する。導電膜120a、120bを形成する工程において、導電膜120a、120bは、絶縁膜114、116から酸素の放出を抑制する保護膜として機能する。また、導電膜120a、120bは、絶縁膜118を形成する工程の前においては、半導体としての機能を有し、絶縁膜118を形成する工程の後においては、導電膜120a、120bは、導電体としての機能を有する。
導電膜120a、120bを導電体として機能させるためには、導電膜120a、120bに酸素欠損を形成し、該酸素欠損に絶縁膜118から水素を添加すると、伝導帯近傍にドナー準位が形成される。この結果、導電膜120a、120bは、導電性が高くなり導電体化する。導電体化された導電膜120a、120bを、それぞれ酸化物導電体ということができる。一般に、酸化物半導体は、エネルギーギャップが大きいため、可視光に対して透光性を有する。一方、酸化物導電体は、伝導帯近傍にドナー準位を有する酸化物半導体である。したがって、酸化物導電体は、ドナー準位による吸収の影響は小さく、可視光に対して酸化物半導体と同程度の透光性を有する。
<半導体装置の構成要素>
以下に、本実施の形態の半導体装置に含まれる構成要素について、詳細に説明する。
なお、以下の材料については、実施の形態2において説明する材料と同様の材料を用いることができる。
実施の形態2において説明する基板102に用いることができる材料を基板102に用いることができる。また、実施の形態2において説明する絶縁膜106、107に用いることができる材料を絶縁膜106、107に用いることができる。
また、実施の形態2において説明するゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電膜に用いることができる材料を、第1のゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電膜に用いることができる。
《酸化物半導体膜》
酸化物半導体膜108としては、先に示す材料を用いることができる。
酸化物半導体膜108bがIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In>Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1等が挙げられる。
また、酸化物半導体膜108cがIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≦Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=1:3:2、In:M:Zn=1:3:4、In:M:Zn=1:3:6、In:M:Zn=1:4:5等が挙げられる。
また、酸化物半導体膜108b及び酸化物半導体膜108cがIn−M−Zn酸化物の場合、スパッタリングターゲットとしては、多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いると好ましい。多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いることで、結晶性を有する酸化物半導体膜108b及び酸化物半導体膜108cを形成しやすくなる。なお、成膜される酸化物半導体膜108b及び酸化物半導体膜108cの原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、酸化物半導体膜108bのスパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1を用いる場合、成膜される酸化物半導体膜108bの原子数比は、In:Ga:Zn=4:2:3近傍となる場合がある。
また、酸化物半導体膜108は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタ100のオフ電流を低減することができる。とくに、酸化物半導体膜108bには、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2eV以上3.0eV以下の酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108cには、エネルギーギャップが2.5eV以上3.5eV以下の酸化物半導体膜を用いると、好適である。また、酸化物半導体膜108bよりも酸化物半導体膜108cのエネルギーギャップが大きい方が好ましい。
また、酸化物半導体膜108b、及び酸化物半導体膜108cの厚さは、それぞれ3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
また、酸化物半導体膜108cとしては、キャリア密度の低い酸化物半導体膜を用いる。例えば、酸化物半導体膜108cは、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下とする。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、酸化物半導体膜108b、及び酸化物半導体膜108cのキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
なお、酸化物半導体膜108b、及び酸化物半導体膜108cとしては、それぞれ不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜を用いることで、さらに優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができ好ましい。ここでは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性または実質的に高純度真性とよぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、該酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、オフ電流が著しく小さく、チャネル幅が1×106μmでチャネル長Lが10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。
したがって、上記高純度真性、または実質的に高純度真性の酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとすることができる。なお、酸化物半導体膜のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等がある。
酸化物半導体膜に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になると共に、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体膜を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体膜108は水素ができる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体膜108において、SIMS分析により得られる水素濃度を、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、5×1018atoms/cm3以下、好ましくは1×1018atoms/cm3以下、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体膜108bは、酸化物半導体膜108cよりも水素濃度が少ない領域を有すると好ましい。酸化物半導体膜108bの方が、酸化物半導体膜108cよりも水素濃度が少ない領域を有すことにより、信頼性の高い半導体装置とすることができる。
また、酸化物半導体膜108bにおいて、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体膜108bにおいて酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、酸化物半導体膜108bにおけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体膜108bとの界面近傍のシリコンや炭素の濃度(SIMS分析により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体膜108bにおいて、SIMS分析により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、酸化物半導体膜108bのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。
また、酸化物半導体膜108bに窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体膜を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物半導体膜において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、SIMS分析により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
また、酸化物半導体膜108b、及び酸化物半導体膜108cは、それぞれ非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、後述するCAAC−OS(C  Axis  Aligned  Crystalline  Oxide  Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
《第2のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜》
絶縁膜114、116は、トランジスタ100の第2のゲート絶縁膜として機能する。また、絶縁膜114、116は、酸化物半導体膜108に酸素を供給する機能を有する。すなわち、絶縁膜114、116は、酸素を有する。また、絶縁膜114は、酸素を透過することのできる絶縁膜である。なお、絶縁膜114は、後に形成する絶縁膜116を形成する際の、酸化物半導体膜108へのダメージ緩和膜としても機能する。
例えば、実施の形態2において説明する絶縁膜114、116を絶縁膜114、116に用いることができる。
《導電膜として機能する酸化物半導体膜、及び第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜》
先に記載の酸化物半導体膜108と同様の材料を、導電膜として機能する導電膜120a、及び第2のゲート電極として機能する導電膜120bに用いることができる。
すなわち、導電膜として機能する導電膜120a、及び第2のゲート電極として機能する導電膜120bは、酸化物半導体膜108(酸化物半導体膜108b及び酸化物半導体膜108c)に含まれる金属元素を有する。例えば、第2のゲート電極として機能する導電膜120bと、酸化物半導体膜108(酸化物半導体膜108b及び酸化物半導体膜108c)と、が同一の金属元素を有する構成とすることで、製造コストを抑制することが可能となる。
例えば、導電膜として機能する導電膜120a、及び第2のゲート電極として機能する導電膜120bとしては、In−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1等が挙げられる。
また、導電膜として機能する導電膜120a、及び第2のゲート電極として機能する導電膜120bの構造としては、単層構造または2層以上の積層構造とすることができる。なお、導電膜120a、120bが積層構造の場合においては、上記のスパッタリングターゲットの組成に限定されない。
《トランジスタの保護絶縁膜として機能する絶縁膜》
絶縁膜118は、トランジスタ100の保護絶縁膜として機能する。
絶縁膜118は、水素及び窒素のいずれか一方または双方を有する。または、絶縁膜118は、窒素及びシリコンを有する。また、絶縁膜118は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキングできる機能を有する。絶縁膜118を設けることで、酸化物半導体膜108からの酸素の外部への拡散と、絶縁膜114、116に含まれる酸素の外部への拡散と、外部から酸化物半導体膜108への水素、水等の入り込みを防ぐことができる。
また、絶縁膜118は、導電膜として機能する導電膜120a、及び第2のゲート電極として機能する導電膜120bに、水素及び窒素のいずれか一方または双方を供給する機能を有する。特に絶縁膜118としては、水素を含み、当該水素を導電膜120a、120bに供給する機能を有すると好ましい。絶縁膜118から導電膜120a、120bに水素が供給されることで、導電膜120a、120bは、導電体としての機能を有する。
絶縁膜118としては、例えば、窒化物絶縁膜を用いることができる。該窒化物絶縁膜としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等がある。
なお、上記記載の、導電膜、絶縁膜、酸化物半導体膜などの様々な膜は、スパッタリング法やPECVD法により形成することができるが、他の方法、例えば、熱CVD(Chemical  Vapor  Deposition)法により形成してもよい。熱CVD法の例としてMOCVD(Metal  Organic  Chemical  Vapor  Deposition)法やALD(Atomic  Layer  Deposition)法を用いても良い。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
以下では、本発明の一態様の表示パネル等のトランジスタに用いることができるCAC(Cloud  Aligned  Complementary)−OSの構成について説明する。
本明細書等において、金属酸化物(metal  oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide  Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS  FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
本明細書において、金属酸化物が、導電体の機能を有する領域と、誘電体の機能を有する領域とが混合し、金属酸化物全体では半導体として機能する場合、CAC(Cloud  Aligned  Complementary)−OS(Oxide  Semiconductor)、またはCAC−metal  oxideと定義する。
つまり、CAC−OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、0.5nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の元素が偏在し、該元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、0.5nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
特定の元素が偏在した領域は、該元素が有する性質により、物理特性が決定する。例えば、金属酸化物を構成する元素の中でも比較的、絶縁体となる傾向がある元素が偏在した領域は、誘電体領域となる。一方、金属酸化物を構成する元素の中でも比較的、導体となる傾向がある元素が偏在した領域は、導電体領域となる。また、導電体領域、および誘電体領域がモザイク状に混合することで、材料としては、半導体として機能する。
つまり、本発明の一態様における金属酸化物は、物理特性が異なる材料が混合した、マトリックス複合材(matrix  composite)、または金属マトリックス複合材(metal  matrix  composite)の一種である。
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、元素M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該元素を主成分とするナノ粒子状領域が観察され、一部にInを主成分とするナノ粒子状領域が観察され、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
<CAC−OSの解析>
続いて、各種測定方法を用い、基板上に成膜した酸化物半導体について測定を行った結果について説明する。
≪試料の構成と作製方法≫
以下では、本発明の一態様に係る9個の試料について説明する。各試料は、それぞれ、酸化物半導体を成膜する際の基板温度、および酸素ガス流量比を異なる条件で作製する。なお、試料は、基板と、基板上の酸化物半導体と、を有する構造である。
各試料の作製方法について、説明する。
まず、基板として、ガラス基板を用いる。続いて、スパッタリング装置を用いて、ガラス基板上に酸化物半導体として、厚さ100nmのIn−Ga−Zn酸化物を形成する。成膜条件は、チャンバー内の圧力を0.6Paとし、ターゲットには、酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いる。また、スパッタリング装置内に設置された酸化物ターゲットに2500WのAC電力を供給する。
なお、酸化物を成膜する際の条件として、基板温度を、意図的に加熱しない温度(以下、室温またはR.T.ともいう。)、130℃、または170℃とした。また、Arと酸素の混合ガスに対する酸素ガスの流量比(以下、酸素ガス流量比ともいう。)を、10%、30%、または100%とすることで、9個の試料を作製する。
≪X線回折による解析≫
本項目では、9個の試料に対し、X線回折(XRD:X−ray  diffraction)測定を行った結果について説明する。なお、XRD装置として、Bruker社製D8  ADVANCEを用いた。また、条件は、Out−of−plane法によるθ/2θスキャンにて、走査範囲を15deg.乃至50deg.、ステップ幅を0.02deg.、走査速度を3.0deg./分とした。
図26にOut−of−plane法を用いてXRDスペクトルを測定した結果を示す。なお、図26において、上段には成膜時の基板温度条件が170℃の試料における測定結果、中段には成膜時の基板温度条件が130℃の試料における測定結果、下段には成膜時の基板温度条件がR.T.の試料における測定結果を示す。また、左側の列には酸素ガス流量比の条件が10%の試料における測定結果、中央の列には酸素ガス流量比の条件が30%の試料における測定結果、右側の列には酸素ガス流量比の条件が100%の試料における測定結果、を示す。
図26に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度を高くする、または、成膜時の酸素ガス流量比の割合を大きくすることで、2θ=31°付近のピーク強度が高くなる。なお、2θ=31°付近のピークは、被形成面または上面に略垂直方向に対してc軸に配向した結晶性IGZO化合物(CAAC(c−axis  aligned  crystalline)−IGZOともいう。)であることに由来することが分かっている。
また、図26に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さいほど、明確なピークが現れなかった。従って、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さい試料は、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
≪電子顕微鏡による解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料を、HAADF(High−Angle  Annular  Dark  Field)−STEM(Scanning  Transmission  Electron  Microscope)によって観察、および解析した結果について説明する(以下、HAADF−STEMによって取得した像は、TEM像ともいう。)。
HAADF−STEMによって取得した平面像(以下、平面TEM像ともいう。)、および断面像(以下、断面TEM像ともいう。)の画像解析を行った結果について説明する。なお、TEM像は、球面収差補正機能を用いて観察した。なお、HAADF−STEM像の撮影には、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fを用いて、加速電圧200kV、ビーム径約0.1nmφの電子線を照射して行った。
図27(A)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の平面TEM像である。図27(B)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面TEM像である。
≪電子線回折パターンの解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料に、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで、電子線回折パターンを取得した結果について説明する。
図27(A)に示す、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の平面TEM像において、黒点a1、黒点a2、黒点a3、黒点a4、および黒点a5で示す電子線回折パターンを観察する。なお、電子線回折パターンの観察は、電子線を照射しながら0秒の位置から35秒の位置まで一定の速度で移動させながら行う。黒点a1の結果を図27(C)、黒点a2の結果を図27(D)、黒点a3の結果を図27(E)、黒点a4の結果を図27(F)、および黒点a5の結果を図27(G)に示す。
図27(C)、図27(D)、図27(E)、図27(F)、および図27(G)より、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測できる。
また、図27(B)に示す、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面TEM像において、黒点b1、黒点b2、黒点b3、黒点b4、および黒点b5で示す電子線回折パターンを観察する。黒点b1の結果を図27(H)、黒点b2の結果を図27(I)、黒点b3の結果を図27(J)、黒点b4の結果を図27(K)、および黒点b5の結果を図27(L)に示す。
図27(H)、図27(I)、図27(J)、図27(K)、および図27(L)より、リング状に輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測できる。
ここで、例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる回折パターンが見られる。つまり、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、リング状の回折パターンが確認される。つまり、CAAC−OSは、a軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。
また、微結晶を有する酸化物半導体(nano  crystalline  oxide  semiconductor。以下、nc−OSという。)に対し、大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。また、nc−OSに対し、小さいプローブ径の電子線(例えば50nm未満)を用いるナノビーム電子線回折を行うと、輝点(スポット)が観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子線回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域に複数の輝点が観測される場合がある。
成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の電子線回折パターンは、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点を有する。従って、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料は、電子線回折パターンが、nc−OSになり、平面方向、および断面方向において、配向性は有さない。
以上より、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さい酸化物半導体は、アモルファス構造の酸化物半導体膜とも、単結晶構造の酸化物半導体膜とも明確に異なる性質を有すると推定できる。
≪元素分析≫
本項目では、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy  Dispersive  X−ray  spectroscopy)を用い、EDXマッピングを取得し、評価することによって、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の元素分析を行った結果について説明する。なお、EDX測定には、元素分析装置として日本電子株式会社製エネルギー分散型X線分析装置JED−2300Tを用いる。なお、試料から放出されたX線の検出にはSiドリフト検出器を用いる。
EDX測定では、試料の分析対象領域の各点に電子線照射を行い、これにより発生する試料の特性X線のエネルギーと発生回数を測定し、各点に対応するEDXスペクトルを得る。本実施の形態では、各点のEDXスペクトルのピークを、In原子のL殻への電子遷移、Ga原子のK殻への電子遷移、Zn原子のK殻への電子遷移及びO原子のK殻への電子遷移に帰属させ、各点におけるそれぞれの原子の比率を算出する。これを試料の分析対象領域について行うことにより、各原子の比率の分布が示されたEDXマッピングを得ることができる。
図28には、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面におけるEDXマッピングを示す。図28(A)は、Ga原子のEDXマッピング(全原子に対するGa原子の比率は1.18乃至18.64[atomic%]の範囲とする。)である。図28(B)は、In原子のEDXマッピング(全原子に対するIn原子の比率は9.28乃至33.74[atomic%]の範囲とする。)である。図28(C)は、Zn原子のEDXマッピング(全原子に対するZn原子の比率は6.69乃至24.99[atomic%]の範囲とする。)である。また、図28(A)、図28(B)、および図28(C)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面において、同範囲の領域を示している。なお、EDXマッピングは、範囲における、測定元素が多いほど明るくなり、測定元素が少ないほど暗くなるように、明暗で元素の割合を示している。また、図28に示すEDXマッピングの倍率は720万倍である。
図28(A)、図28(B)、および図28(C)に示すEDXマッピングでは、画像に相対的な明暗の分布が見られ、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料において、各原子が分布を持って存在している様子が確認できる。ここで、図28(A)、図28(B)、および図28(C)に示す実線で囲む範囲と破線で囲む範囲に注目する。
図28(A)では、実線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に明るい領域を多く含む。また、図28(B)では実線で囲む範囲は、相対的に明るい領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含む。
つまり、実線で囲む範囲はIn原子が相対的に多い領域であり、破線で囲む範囲はIn原子が相対的に少ない領域である。ここで、図28(C)では、実線で囲む範囲において、右側は相対的に明るい領域であり、左側は相対的に暗い領域である。従って、実線で囲む範囲は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1などが主成分である領域である。
また、実線で囲む範囲はGa原子が相対的に少ない領域であり、破線で囲む範囲はGa原子が相対的に多い領域である。図28(C)では、破線で囲む範囲において、左上の領域は、相対的に明るい領域であり、右下側の領域は、相対的に暗い領域である。従って、破線で囲む範囲は、GaOX3、またはGaX4ZnY4OZ4などが主成分である領域である。
また、図28(A)、図28(B)、および図28(C)より、In原子の分布は、Ga原子よりも、比較的、均一に分布しており、InOX1が主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2が主成分となる領域を介して、互いに繋がって形成されているように見える。このように、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、クラウド状に広がって形成されている。
このように、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有するIn−Ga−Zn酸化物を、CAC−OSと呼称することができる。
また、CAC−OSにおける結晶構造は、nc構造を有する。CAC−OSが有するnc構造は、電子線回折像において、単結晶、多結晶、またはCAAC構造を含むIGZOに起因する輝点(スポット)以外にも、数か所以上の輝点(スポット)を有する。または、数か所以上の輝点(スポット)に加え、リング状に輝度の高い領域が現れるとして結晶構造が定義される。
また、図28(A)、図28(B)、および図28(C)より、GaOX3などが主成分である領域、及びInX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域のサイズは、0.5nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下で観察される。なお、好ましくは、EDXマッピングにおいて、各元素が主成分である領域の径は、1nm以上2nm以下とする。
以上より、CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態、または他の実施例と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルの駆動方法について、図7乃至図10を参照しながら説明する。
図7は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する模式図である。
図8は本発明の一態様の表示パネルの駆動方法を説明するタイミングチャートである。
図9は図8を用いて説明する駆動方法とは異なる、本発明の一態様の表示パネルの駆動方法を説明するタイミングチャートである。
図10は図9を用いて説明する駆動方法の変形例を説明するタイミングチャートである。
<表示パネルの駆動方法の例1.>
本実施の形態で説明する表示パネルの駆動方法は、以下の3つのステップを有する。
表示パネルは、第1の画素702(i,j)と、第2の画素702(i+1,j)と、第3の画素702(i+2,j)と、第1の3の走査線G1(i+2)と、第2の1の走査線G2(i)と、第1の信号線S1(j)と、第2の信号線S2(j)と、を有する(図7(A)参照)。
第2の画素702(i+1,j)は、第1の画素702(i,j)に隣接して配設される。
第3の画素702(i+2,j)は、第1の画素702(i,j)との間に第2の画素(i+1,j)を挟むように配置される。
第1の3の走査線G1(i+2)は、第3の画素702(i+2,j)と電気的に接続される。
第2の1の走査線G2(i)は、第1の画素702(i,j)と電気的に接続される。
第1の信号線S1(j)は、第1の画素702(i,j)および第3の画素702(i+2,j)と電気的に接続される。
第2の信号線S2(j)は、第1の画素702(i,j)および第3の画素702(i+2,j)と電気的に接続される。
第1の画素702(i,j)は、第2の1の表示素子550(i,j)を備える。
第3の画素702(i+2,j)は、第1の3の表示素子750(i+2,j)を備える。
《第1のステップ》
第1のステップにおいて、ゲート電極が第1の3の走査線G1(i+2)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にする電位を、第1の3の走査線G1(i+2)に供給する。また、ゲート電極が第2の1の走査線G2(i)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にする電位を、第2の1の走査線G2(i)に供給する。
これにより、第1の3の走査線G1(i+2)にゲート電極が電気的に接続されるトランジスタおよび第2の1の走査線G2(i)にゲート電極が電気的に接続されるトランジスタを導通状態にすることができる。
《第2のステップ》
第2のステップにおいて、第1の3の表示素子750(i+2,j)を用いて表示する画像信号を第1の信号線S1(j)に供給し、第2の1の表示素子550(i,j)を用いて表示する画像信号を第2の信号線S2(j)に供給する。
これにより、第1の3の表示素子750(i+2,j)を用いて表示する画像信号を、第3の画素702(i+2,j)に供給することができる。
また、第2の1の表示素子550(i,j)を用いて表示する画像信号を、第1の画素702(i,j)に供給することができる。
《第3のステップ》
第3のステップにおいて、ゲート電極が第1の3の走査線G1(i+2)と電気的に接続され、導通状態にあるトランジスタを非導通状態にする電位を、第1の3の走査線G1(i+2)に供給する。また、ゲート電極が第2の1の走査線G2(i)と電気的に接続され、導通状態にあるトランジスタを非導通状態にする電位を、第2の1の走査線G2(i)に供給する。
これにより、第1の3の表示素子750(i+2,j)を用いて表示する画像信号を、第3の画素702(i+2,j)に格納することができる。また、第2の1の表示素子550(i,j)を用いて表示する画像信号を、第1の画素702(i,j)に格納することができる。
第1の3の表示素子750(i+2,j)を用いて表示する画像信号を第3の画素702(i+2,j)に格納する際に、第3の画素702(i+2,j)に隣接しない画素、具体的には、第1の画素702(i,j)に、第2の1の表示素子550(i,j)を用いて表示する画像信号を格納する。これにより、第3の画素702(i+2,j)との容量結合によってもたらされる影響を軽減することができる。具体的には、ゲート電極が信号線S1(j)と容量結合するトランジスタの誤動作を防止することができる。信号線S1(j)の電位の変化は、極性が反転する信号を供給する場合に大きく変化する。
上記本発明の一態様の表示パネルの駆動方法は、第1の画素702(i,j)に第2の1の表示素子550(i,j)を用いて表示する画像信号を供給する期間と、第1の画素702(i,j)との間に他の画素を挟むように配置された第3の画素702(i+2,j)に第1の3の表示素子750(i+2,j)を用いて表示する画像信号を供給する期間とが、重なる期間を有するように、選択信号を第1の3の走査線G1(i+2)および第2の1の走査線G2(i)に供給するステップを備える。
これにより、容量結合によってもたらされる影響を軽減することができる。利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルの駆動方法を提供することができる。
例えば、一の画像を320行の走査線を有する表示パネルに表示する場合の、当該表示パネルの駆動方法について説明する(図8参照)。
なお、表示する1フレーム期間を340分割した期間を期間QGCKとする。また、340期間中の322期間において、走査線G1(1)乃至走査線G1(320)および走査線G2(1)乃至走査線G2(320)に所定の順番で選択信号を供給する。
第1のステップにおいて、ゲート電極が第1の3の走査線G1(3)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にする電位(ハイ)を、第1の3の走査線G1(3)に供給し、ゲート電極が第2の1の走査線G2(1)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にする電位(ハイ)を、第2の1の走査線G2(1)に供給する。
第2のステップにおいて、第1の表示素子750(3,1)乃至第1の表示素子750(3,n)を用いて表示する画像信号DATA1(3)を供給する。また、第2の表示素子550(1,1)乃至第2の表示素子550(1,n)を用いて表示する画像信号DATA2(1)を供給する。
第3のステップにおいて、ゲート電極が第1の3の走査線G1(3)と電気的に接続される導通状態にあるトランジスタを非導通状態にする電位(ロー)を、第1の3の走査線G1(3)に供給し、ゲート電極が第2の1の走査線G2(1)と電気的に接続される導通状態にあるトランジスタを非導通状態にする電位(ロー)を、第2の1の走査線G2(1)に供給する。
<表示パネルの駆動方法の例2.>
上記で説明する表示パネルの駆動方法とは異なる本発明の一態様の駆動方法は、以下の4つのステップを有する。
表示パネルは、第1の画素702(i,j)と、第2の画素702(i+1,j)と、第3の画素702(i+2,j)と、第1の2の走査線G1(i+1)と、第2の1の走査線G2(i)と、第2の2の走査線G2(i+1)と、第2の3の走査線G2(i+2)と、第1の信号線S1(j)と、第2の信号線S2(j)と、第1の1の走査線G1(i)と、第1の3の走査線G1(i+2)と、を有する(図7(B)参照)。
第2の画素702(i+1,j)は、第1の画素702(i,j)と隣接して配置され、第3の画素702(i+2,j)は、第1の画素702(i,j)との間に第2の画素702(i+1,j)を挟むように配置される。
第1の2の走査線G1(i+1)は、第2の画素702(i+1,j)と電気的に接続される。
第2の1の走査線G2(i)は、第1の画素702(i,j)と電気的に接続され、第2の2の走査線G2(i+1)は、第2の画素702(i+1,j)と電気的に接続され、第2の3の走査線G2(i+2)は、第3の画素702(i+2,j)と電気的に接続される。
第1の1の走査線G1(i)は、第1の画素702(i,j)と電気的に接続され、第1の3の走査線G1(i+2)は、第3の画素702(i+2,j)と電気的に接続される。
第1の画素702(i,j)は、第2の1の表示素子550(i,j)を備え、第2の画素702(i+1,j)は、第1の2の表示素子750(i+1,j)を備える。
《第1のステップ》
第1のステップにおいて、ゲート電極が第2の1の走査線G2(i)と電気的に接続されるトランジスタ、ゲート電極が第2の2の走査線G2(i+1)と電気的に接続されるトランジスタおよびゲート電極が第2の3の走査線G2(i+2)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にする電位を、第2の1の走査線G2(i)、第2の2の走査線G2(i+1)および第2の3の走査線G2(i+2)に供給する。
これにより、ゲート電極が第2の1の走査線G2(i)と電気的に接続されるトランジスタ、ゲート電極が第2の2の走査線G2(i+1)と電気的に接続されるトランジスタおよびゲート電極が第2の3の走査線G2(i+2)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にすることができる。その結果、ゲート電極の電位を所定の電位に制御することができる。
《第2のステップ》
第2のステップにおいて、第1の2の表示素子750(i+1,j)を用いて表示する画像信号を、第1の信号線S1(j)に供給する。また、第2の1の表示素子550(i,j)を用いて表示する画像信号を、第2の信号線S2(j)に供給する。
これにより、第1の2の表示素子750(i+1,j)を用いて表示する画像信号を、第2の画素702(i+1,j)に供給することができる。
また、第2の1の表示素子550(i,1)を用いて表示する画像信号を、第1の画素702(i,1)に供給することができる。
《第3のステップ》
第3のステップにおいて、ゲート電極が第1の2の走査線G1(i+1)と電気的に接続され、あらかじめ導通状態にあるトランジスタを非導通状態にする電位を、第1の2の走査線G1(i+1)に供給する。
これにより、第1の2の表示素子750(i+1,j)を用いて表示する画像信号を、第2の画素702(i+1,j)に格納することができる。
なお、ゲート電極が第2の1の走査線G2(i)と電気的に接続されるトランジスタ、第2の2の走査線G2(i+1)と電気的に接続されるトランジスタおよび第2の3の走査線G2(i+2)と電気的に接続されるトランジスタは、トランジスタを導通状態にする電位がゲート電極に加えられている。
これにより、ゲート電極が第1の2の走査線G1(i+1)と電気的に接続されるトランジスタの導通状態が非導通状態になる際に生じるフィードスルーに由来するノイズが、ゲート電極が第2の1の走査線G2(i)と電気的に接続されるトランジスタ、ゲート電極が第2の2の走査線G2(i+1)と電気的に接続されるトランジスタまたはゲート電極が第2の3の走査線G2(i+2)と電気的に接続されるトランジスタに対して及ぼす影響を、抑制することができる。
《第4のステップ》
第4のステップにおいて、ゲート電極が第2の1の走査線G2(i)と電気的に接続され、導通状態にあるトランジスタを非導通状態にする電位を、第2の1の走査線G2(i)に供給する。
これにより、第2の1の表示素子550(i,j)を用いて表示する画像信号を、第1の画素702(i,j)に格納することができる。
上記本発明の一態様の表示パネルの駆動方法は、ゲート電極が第1の2の走査線G1(i+1)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にするステップと、導通状態にある当該トランジスタを非導通状態にするステップと、を第2の1の走査線G2(i)、第2の2の走査線G2(i+1)および第2の3の走査線G2(i+2)にトランジスタを導通状態にする電位を供給する期間に有する。
また、ゲート電極が第2の1の走査線G2(i)に電気的に接続されているトランジスタを非導通状態にするステップを、ゲート電極が第1の1の走査線G1(i)または第1の2の走査線G1(i+1)と電気的に接続されるトランジスタが非導通状態にある期間に有する。
これにより、一の画素の第1の表示素子を用いて表示をするための画像信号を一の画素に格納する際に、一の画素または一の画素に隣接する他の画素の第2の表示素子が意図せず動作をしてしまう不具合を軽減することができる。具体的には、第2の表示素子が意図せず発光し、コントラストが低下する不具合を軽減することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルの駆動方法を提供することができる。
例えば、一の画像を320行の走査線を有する表示パネルを例に具体的に説明する(図9または図10参照)。
なお、表示する1フレーム期間を340分割した期間を期間QGCKとする。また、340期間中の322期間において、走査線G1(1)乃至走査線G1(320)および走査線G2(1)乃至走査線G2(320)に所定の順番で選択信号を供給する。
第1のステップにおいて、ゲート電極が第2の1の走査線G2(1)、第2の2の走査線G2(2)および第2の3の走査線G2(3)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にする電位(ハイ)を、第2の1の走査線G2(1)、第2の2の走査線G2(2)および第2の3の走査線G2(3)に供給する。
第2のステップにおいて、第1の表示素子750(2,1)乃至第1の表示素子750(2,n)を用いて表示する画像信号DATA1(2)を供給し、第2の表示素子550(1,1)乃至第2の表示素子550(1,n)を用いて表示する画像信号DATA2(1)を供給する。
なお、ゲート電極が第1の2の走査線G1(2)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にする電位を供給しておく。例えば、ゲート電極が第1の2の走査線G1(2)と電気的に接続されるトランジスタを導通状態にする電位を、図9または図10に記されたタイミングチャートが示す時刻に供給することができる。
第3のステップにおいて、ゲート電極が第1の2の走査線G1(2)と電気的に接続される導通状態にあるトランジスタを非導通状態にする電位(ロー)を、第1の2の走査線G1(2)に供給する。
第4のステップにおいて、ゲート電極が第2の1の走査線G2(1)と電気的に接続される導通状態にあるトランジスタを非導通状態にする電位(ロー)を、第2の1の走査線G2(1)に供給する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置の構成について、図11を参照しながら説明する。
図11は、入出力装置800の構成を説明する分解図である。
入出力装置800は、表示パネル806および表示パネル806と重なる領域を備えるタッチセンサ804を有する。なお、入出力装置800は、タッチパネルということができる。
入出力装置800は、タッチセンサ804および表示パネル806を駆動する駆動回路810と、駆動回路810に電力を供給するバッテリ811と、タッチセンサ804、表示パネル806、駆動回路810およびバッテリ811を収納する筐体部を有する。
《タッチセンサ804》
タッチセンサ804は、表示パネル806と重なる領域を備える。なお、FPC803はタッチセンサ804に電気的に接続される。
例えば、抵抗膜方式、静電容量方式または光電変換素子を用いる方式等をタッチセンサ804に用いることができる。
なお、タッチセンサ804を表示パネル806の一部に用いてもよい。
《表示パネル806》
例えば、実施の形態1で説明する表示パネルを表示パネル806に用いることができる。なお、FPC805等は、表示パネル806に電気的に接続される。
《駆動回路810》
例えば、電源回路または信号処理回路等を駆動回路810に用いることができる。なお、バッテリまたは外部の商用電源が供給する電力を利用してもよい。
信号処理回路は、ビデオ信号及びクロック信号等を出力する機能を備える。
電源回路は、所定の電力を供給する機能を備える。
《筐体部》
例えば、上部カバー801と、上部カバー801と嵌めあわせられる下部カバー802と、上部カバー801および下部カバー802で囲まれる領域に収納されるフレーム809と、を筐体部に用いることができる。
フレーム809は、表示パネル806を保護する機能、駆動回路810の動作に伴い発生する電磁波を遮断する機能または放熱板としての機能を有する。
金属、樹脂またはエラストマー等を、上部カバー801、下部カバー802またはフレーム809に用いることができる。
《バッテリ811》
バッテリ811は、電力を供給する機能を備える。
なお、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を入出力装置800に用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の構成について、図12乃至図14を参照しながら説明する。
図12(A)は、情報処理装置200の構成を説明するブロック図である。図12(B)および図12(C)は、情報処理装置200の外観の一例を説明する投影図である。
図13(A)は、表示部230の構成を説明するブロック図である。図13(B)は、表示部230Bの構成を説明するブロック図である。図13(C)は、画素232(i,j)の構成を説明する回路図である。
<情報処理装置の構成例>
本実施の形態で説明する情報処理装置200は、入出力装置220と、演算装置210と、を有する(図12(A)参照)。
入出力装置220は、位置情報P1および圧力情報を供給する機能を備え、画像情報V1および制御情報を供給される機能を備える。例えば、筐体に押し込むことができるように配設された竜頭または竜頭等と接する感圧検知器等を用いることができる。
演算装置210は、位置情報P1および圧力情報を供給され、画像情報V1および制御情報を供給する機能を備える。
演算装置210は、圧力情報に基づいて、画像情報V1および制御情報を生成する機能を備える。
入出力装置220は、画像情報V1を表示する表示部230、位置情報P1を供給する入力部240および圧力情報を供給する検知部250を備える。
表示部230は、表示パネルを備え、検知部250は、感圧検知器および感圧検知器の信号に基づいて圧力情報を生成する機能を備える。
また、演算装置210は、演算部211と、記憶部212と、を有する。
記憶部212は、演算部211に実行させるプログラムを記憶する。
プログラムは、所定の閾値を超える圧力情報が供給される場合に、第1のモードを選択するステップを備える。また、プログラムは、所定の閾値を超える圧力情報が所定の期間を超えて供給されない場合に、第2のモードを選択するステップと、を備える。
演算部211は、第1のモードを選択している場合に供給する制御信号とは異なる制御信号を、第2のモードを選択している場合に供給する機能を備える。
また、制御信号は、表示パネルの表示を更新する信号を含む。
演算装置210は、第2のモードを選択している場合に、第1のモードを選択している場合より低い頻度で表示パネルの表示を更新するように、制御信号を供給する機能を備える。
上記本発明の一態様の情報処理装置は、圧力情報を供給する入出力装置と、圧力情報に基づいて異なる制御情報を供給する演算装置と、を有する。
これにより、情報処理装置を例えば押圧して、情報処理装置を異なるモードで動作させることができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
<構成>
本発明の一態様は、演算装置210または入出力装置220を備える。
《演算装置210》
演算装置210は、演算部211および記憶部212を備える。また、伝送路214および入出力インターフェース215を備える(図12(A)参照)。
《演算部211》
演算部211は、例えばプログラムを実行する機能を備える。例えば、実施の形態7で説明するCPUを用いることができる。これにより、消費電力を十分に低減することができる。
《記憶部212》
記憶部212は、例えば演算部211が実行するプログラム、初期情報、設定情報または画像等を記憶する機能を有する。
具体的には、ハードディスク、フラッシュメモリまたは酸化物半導体を含むトランジスタを用いたメモリ等を用いることができる。
《入出力インターフェース215、伝送路214》
入出力インターフェース215は端子または配線を備え、情報を供給し、情報を供給される機能を備える。例えば、伝送路214と電気的に接続することができる。また、入出力装置220と電気的に接続することができる。
伝送路214は配線を備え、情報を供給し、情報を供給される機能を備える。例えば、入出力インターフェース215と電気的に接続することができる。また、演算部211、記憶部212または入出力インターフェース215と電気的に接続することができる。
《入出力装置220》
入出力装置220は、表示部230、入力部240、検知部250または通信部290を備える。
《表示部230》
表示部230は、表示領域231と、駆動回路GDと、駆動回路SDと、を有する(図13(A)参照)。例えば、実施の形態1で説明する表示パネルを用いることができる。これにより、消費電力を低減することができる。
表示領域231は、行方向に配設される複数の画素232(i,1)乃至232(i,n)と、列方向に配設される複数の画素232(1,j)乃至232(m,j)と、複数の画素232(i,1)乃至232(i,n)と電気的に接続される走査線G1(i)および走査線G2(i)と、複数の画素232(1,j)乃至232(m,j)と電気的に接続される信号線S1(j)および信号線S2(j)と、を備える。なお、iは1以上m以下の整数であり、jは1以上n以下の整数であり、mおよびnは1以上の整数である。
なお、画素232(i,j)は、走査線G1(i)、走査線G2(i)、信号線S1(j)、信号線S2(j)、配線ANO、配線CSCOM、配線VCOM1および配線VCOM2と電気的に接続される(図13(C)参照)。
また、表示部は、複数の駆動回路を有することができる。例えば、表示部230Bは、駆動回路GDAおよび駆動回路GDBを有することができる(図13(B)参照)。
《駆動回路GD》
駆動回路GDは、制御情報に基づいて選択信号を供給する機能を有する。
一例を挙げれば、制御情報に基づいて、30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度で一の走査線に選択信号を供給する機能を備える。これにより、動画像をなめらかに表示することができる。
例えば、制御情報に基づいて、30Hz未満、好ましくは1Hz未満より好ましくは一分に一回未満の頻度で一の走査線に選択信号を供給する機能を備える。これにより、フリッカーが抑制された状態で静止画像を表示することができる。
また、例えば、複数の駆動回路を備える場合、駆動回路GDAが選択信号を供給する頻度と、駆動回路GDBが選択信号を供給する頻度を、異ならせることができる。具体的には、動画像を滑らかに表示する領域に、静止画像をフリッカーが抑制された状態で表示する領域より高い頻度で選択信号を供給することができる。
《駆動回路SD》
駆動回路SDは、画像情報Vに基づいて画像信号を供給する機能を有する。
《画素232(i,j)》
画素232(i,j)は、第1の表示素子235LCおよび第1の表示素子235LCと重なる第2の表示素子235ELを備える。また、第1の表示素子235LCおよび第2の表示素子235ELを駆動する画素回路を備える(図13(C)参照)。
《第1の表示素子235LC》
例えば、光の反射または透過を制御する機能を備える表示素子を、第1の表示素子235LCに用いることができる。例えば、液晶素子と偏光板を組み合わせた構成またはシャッター方式のMEMS表示素子等を用いることができる。反射型の表示素子を用いることにより、表示パネルの消費電力を抑制することができる。具体的には、反射型の液晶表示素子を第1の表示素子235LCに用いることができる。
第1の表示素子235LCは、第1電極と、第2電極と、液晶層と、を有する。液晶層は、第1電極および第2電極の間の電圧を用いて配向を制御することができる液晶材料を含む。例えば、液晶層の厚さ方向(縦方向ともいう)、横方向または斜め方向の電界を、液晶材料の配向を制御する電界に用いることができる。
《第2の表示素子235EL》
例えば、光を射出する機能を備える表示素子を第2の表示素子235ELに用いることができる。具体的には、有機EL素子を用いることができる。
具体的には、白色の光を射出する機能を備える有機EL素子を第2の表示素子235ELに用いることができる。または、青色の光、緑色の光または赤色の光を射出する有機EL素子を第2の表示素子235ELに用いることができる。
《画素回路》
第1の表示素子235LCまたは第2の表示素子235ELを駆動する機能を備える回路を画素回路に用いることができる。
スイッチ、トランジスタ、ダイオード、抵抗素子、インダクタまたは容量素子等を画素回路に用いることができる。
例えば、単数または複数のトランジスタをスイッチに用いることができる。または、並列に接続された複数のトランジスタ、直列に接続された複数のトランジスタ、直列と並列が組み合わされて接続された複数のトランジスタを、一のスイッチに用いることができる。
《トランジスタ》
例えば、同一の工程で形成することができる半導体膜を駆動回路および画素回路のトランジスタに用いることができる。
例えば、ボトムゲート型のトランジスタまたはトップゲート型のトランジスタなどを用いることができる。
ところで、例えば、アモルファスシリコンを半導体に用いるボトムゲート型のトランジスタの製造ラインは、酸化物半導体を半導体に用いるボトムゲート型のトランジスタの製造ラインに容易に改造できる。また、例えばポリシリコンを半導体に用いるトップゲート型の製造ラインは、酸化物半導体を半導体に用いるトップゲート型のトランジスタの製造ラインに容易に改造できる。
例えば、14族の元素を含む半導体を用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、シリコンを含む半導体を半導体膜に用いることができる。例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン、微結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどを半導体膜に用いたトランジスタを用いることができる。
なお、半導体膜にポリシリコンを用いるトランジスタの作製に要する温度は、半導体膜に単結晶シリコンを用いるトランジスタに比べて低い。
また、ポリシリコンを半導体膜に用いるトランジスタの電界効果移動度は、アモルファスシリコンを半導体膜に用いるトランジスタに比べて高い。これにより、画素の開口率を向上することができる。また、極めて高い精細度で設けられた画素と、ゲート駆動回路およびソース駆動回路を同一の基板上に形成することができる。その結果、電子機器を構成する部品数を低減することができる。
また、ポリシリコンを半導体膜に用いるトランジスタの信頼性は、アモルファスシリコンを半導体に用いるトランジスタに比べて優れる。
例えば、酸化物半導体を用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、インジウムを含む酸化物半導体またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物半導体を半導体膜に用いることができる。
一例を挙げれば、オフ状態におけるリーク電流が、半導体膜にアモルファスシリコンを用いたトランジスタより小さいトランジスタを用いることができる。具体的には、半導体膜に酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることができる。
これにより、画素回路が画像信号を保持することができる時間を、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回路が保持することができる時間より長くすることができる。具体的には、フリッカーの発生を抑制しながら、選択信号を30Hz未満、好ましくは1Hz未満より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、情報処理装置の使用者に蓄積する疲労を低減することができる。また、駆動に伴う消費電力を低減することができる。
また、例えば、化合物半導体を用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、ガリウムヒ素を含む半導体を半導体膜に用いることができる。
例えば、有機半導体を用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、ポリアセン類またはグラフェンを含む有機半導体を半導体膜に用いることができる。
《入力部240》
さまざまなヒューマンインターフェイス等を入力部240に用いることができる(図12(A)参照)。
例えば、キーボード、マウス、タッチセンサ、マイクまたはカメラ等を入力部240に用いることができる。なお、表示部230に重なる領域を備えるタッチセンサを用いることができる。表示部230と表示部230に重なる領域を備えるタッチセンサを備える入出力装置を、タッチパネルということができる。
例えば、使用者は、タッチパネルに触れた指をポインタに用いて様々なジェスチャー(タップ、ドラッグ、スワイプまたはピンチイン等)をすることができる。
例えば、演算装置210は、タッチパネルに接触する指の位置または軌跡等の情報を解析し、解析結果が所定の条件を満たすとき、特定のジェスチャーが供給されたとすることができる。これにより、使用者は、所定のジェスチャーにあらかじめ関連付けられた所定の操作命令を、当該ジェスチャーを用いて供給できる。
一例を挙げれば、使用者は、画像情報の表示位置を変更する「スクロール命令」を、タッチパネルに沿ってタッチパネルに接触する指を移動するジェスチャーを用いて供給できる。
《検知部250》
検知部250は、周囲の状態を検知して情報P2を供給する機能を備える。具体的には、圧力情報等を供給できる。
例えば、カメラ、加速度センサ、方位センサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサまたはGPS(Global  positioning  System)信号受信回路等を、検知部250に用いることができる。
例えば、検知部250の照度センサが検知した周囲の明るさを、演算装置210が、所定の照度と比較して十分に明るいと判断した場合、画像情報を第1の表示素子235LCを使用して表示する。または、薄暗いと判断した場合、画像情報を第1の表示素子235LCおよび第2の表示素子235ELを使用して表示する。または、暗いと判断した場合、画像情報を第2の表示素子235ELを使用して表示する。
具体的には、反射型の液晶素子または/および有機EL素子を用いて、周囲の明るさに基づいて画像を表示する。
これにより、例えば、外光の強い環境において反射型の表示素子を用い、薄暗い環境において反射型の表示素子および自発光型の表示素子を用い、暗い環境において自発光型の表示素子を用いて画像情報を表示することができる。その結果、消費電力が低減された、利便性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
例えば、環境光の色度を検出する機能を備えるセンサを検知部250に用いることができる。具体的には、CCDカメラ等を用いることができる。これにより、例えば、検知部250が検出した環境光の色度に基づいて、ホワイトバランスの偏りを補うことができる。
具体的には、第1のステップにおいて、環境光のホワイトバランスの偏りを検知する。
第2のステップにおいて、第1の表示素子を用いて環境光を反射して表示する画像に不足する色の光の強さを予測する。
第3のステップにおいて、第1の表示素子を用いて環境光を反射し、第2の表示素子を用いて不足する色の光を補うように光を射出して、画像を表示する。
これにより、ホワイトバランスが偏った環境光を第1の表示素子が反射する光と、第2の表示素子が射出する光を用いて、ホワイトバランスの偏りが補正された表示をすることができる。その結果、消費電力が低減された、またはホワイトバランスが整えられた画像を表示することができる、利便性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
《通信部290》
通信部290は、ネットワークに情報を供給し、ネットワークから情報を取得する機能を備える。
<プログラム>
図14を参照しながら、本発明の一態様を、本発明の一態様のプログラムを用いて説明する。
図14(A)は、本発明の一態様のプログラムの主の処理を説明するフローチャートであり、図14(B)は、割り込み処理を説明するフローチャートである。
本発明の一態様のプログラムは、下記のステップを有するプログラムである(図14(A)参照)。
《第1のステップ》
第1のステップにおいて、設定を初期化する(図14(A)(S1)参照)。
例えば、起動時に表示する所定の画像情報と、当該画像情報を表示する方法を特定する情報と、を記憶部212から取得する。具体的には、静止画像を所定の画像情報に用いることができる。また、動画像を用いる場合より低い頻度で画像情報を更新する方法を、画像情報を表示する方法に用いることができる。例えば、第2のモードを画像情報を表示する方法に用いることができる。
《第2のステップ》
第2のステップにおいて、割り込み処理を許可する(図14(A)(S2)参照)。なお、割り込み処理が許可された演算装置は、主の処理と並行して割り込み処理を行うことができる。割り込み処理から主の処理に復帰した演算装置は、割り込み処理をして得た結果を主の処理に反映することができる。
なお、カウンタの値が初期値であるとき、演算装置に割り込み処理をさせ、割り込み処理から復帰する際に、カウンタを初期値以外の値としてもよい。これにより、プログラムを起動した後に常に割り込み処理をさせることができる。
《第3のステップ》
第3のステップにおいて、第1のステップまたは割り込み処理において選択された、所定のモードで画像情報を表示する(図14(A)(S3)参照)。なお、モードは画像情報を表示する方法を特定する。
例えば、第1のモードまたは第2のモードを選択することができる。
《第1のモード》
具体的には、30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度で一の走査線に選択信号を供給し、選択信号に基づいて表示をする方法を、第1のモードに用いることができる。
30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度で選択信号を供給すると、動画像の動きを滑らかに表示することができる。
例えば、30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度で画像を更新すると、使用者の操作に滑らかに追従するように変化する画像を、使用者が操作中の情報処理装置200に表示することができる。
《第2のモード》
具体的には、30Hz未満、好ましくは1Hz未満より好ましくは一分に一回未満の頻度で一の走査線に選択信号を供給し、選択信号に基づいて表示をする方法を、第2のモードに用いることができる。
30Hz未満、好ましくは1Hz未満より好ましくは一分に一回未満の頻度で選択信号を供給すると、フリッカーまたはちらつきが抑制された表示をすることができる。また、消費電力を低減することができる。
例えば、情報処理装置200を時計に用いる場合、1秒に一回の頻度または1分に一回の頻度で表示を更新することができる。
《第4のステップ》
第4のステップにおいて、終了命令が供給された場合は第5のステップに進み、終了命令が供給されなかった場合は第3のステップに進むように選択する(図14(A)(S4)参照)。
例えば、割り込み処理において供給された終了命令を用いてもよい。
《第5のステップ》
第5のステップにおいて、終了する(図14(A)(S5)参照)。
《割り込み処理》
割り込み処理は以下の第6のステップ乃至第8のステップを備える(図14(B)参照)。
《第6のステップ》
第6のステップにおいて、所定の期間に所定のイベントが供給された場合は、第7のステップに進み、所定のイベントが供給されなかった場合は、第8のステップに進む(図14(B)(S6)参照)。例えば、所定の期間に所定のイベントが供給されたか否かを条件に用いることができる。具体的には、5秒以下、1秒以下または0.5秒以下好ましくは0.1秒以下であって0秒より長い期間を所定の期間とすることができる。
《第7のステップ》
第7のステップにおいて、モードを変更する(図14(B)(S7)参照)。具体的には、第1のモードを選択していた場合は、第2のモードを選択し、第2のモードを選択していた場合は、第1のモードを選択する。
《第8のステップ》
第8のステップにおいて、割り込み処理を終了する(図14(B)(S8)参照)。
《所定のイベント》
例えば、マウス等のポインティング装置を用いて供給する、「クリック」や「ドラッグ」等のイベント、指等をポインタに用いてタッチパネルに供給する、「タップ」、「ドラッグ」または「スワイプ」等のイベントを用いることができる。
例えば、ポインタが指し示すスライドバーの位置、スワイプの速度、ドラッグの速度等を用いて、所定のイベントに関連付けられた命令の引数を与えることができる。
例えば、検知部250が検知した情報を設定された閾値と比較して、比較結果をイベントに用いることができる。
具体的には、筐体に押し込むことができるように配設された竜頭または竜頭等と接する感圧検知器等を用いることができる(図12(B)参照)。
具体的には、筐体に設けられた光電変換素子等を用いることができる(図12(C)参照)。
《所定のイベントに関連付ける命令》
例えば、終了命令を、特定のイベントに関連付けることができる。
例えば、表示されている一の画像情報から他の画像情報に表示を切り替える「ページめくり命令」を、所定のイベントに関連付けることができる。なお、「ページめくり命令」を実行する際に用いるページをめくる速度などを決定する引数を、所定のイベントを用いて与えることができる。
例えば、一の画像情報の表示されている一部分の表示位置を移動して、一部分に連続する他の部分を表示する「スクロール命令」などを、所定のイベントに関連付けることができる。なお、「スクロール命令」を実行する際に用いる表示を移動する速度などを決定する引数を、所定のイベントを用いて与えることができる。
例えば、画像情報を生成する命令などを、所定のイベントに関連付けることができる。なお、生成する画像の明るさを決定する引数を、検知部250が検知する環境の明るさを用いてもよい。
例えば、プッシュ型のサービスを用いて配信される情報を、通信部290を用いて取得する命令などを、所定のイベントに関連付けることができる。なお、情報を取得する資格の有無の判断を、検知部250が検知する位置情報を用いてもよい。具体的には、特定の教室、学校、会議室、企業、建物等の内部または領域にいる場合に、情報を取得する資格を有すると判断してもよい(図12(C)参照)。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)、およびそれを含むCPUについて説明する。本実施の形態で説明するCPUは、例えば、実施の形態7で説明する情報処理装置に用いる事が出来る。
<記憶装置>
電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例を図15に示す。なお、図15(B)は図15(A)を回路図で表したものである。
図15(A)及び(B)に示す半導体装置は、第1の半導体材料を用いたトランジスタ3200と第2の半導体材料を用いたトランジスタ3300、および容量素子3400を有している。
第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なるエネルギーギャップを持つ材料とすることが好ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体など)とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の材料として単結晶シリコンなどを用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が低い。
トランジスタ3300は、酸化物半導体を有する半導体層にチャネルが形成されるトランジスタである。トランジスタ3300は、オフ電流が小さいため、これを用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、或いは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ない半導体記憶装置とすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
図15(B)において、第1の配線3001はトランジスタ3200のソース電極と電気的に接続され、第2の配線3002はトランジスタ3200のドレイン電極と電気的に接続されている。また、第3の配線3003はトランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続され、第4の配線3004はトランジスタ3300のゲート電極と電気的に接続されている。そして、トランジスタ3200のゲート電極、およびトランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の他方は、容量素子3400の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線3005は容量素子3400の電極の他方と電気的に接続されている。
図15(A)に示す半導体装置では、トランジスタ3200のゲート電極の電位が保持可能という特徴を活かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300がオン状態となる電位にして、トランジスタ3300をオン状態とする。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3200のゲート電極、および容量素子3400に与えられる。すなわち、トランジスタ3200のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という)のいずれかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300がオフ状態となる電位にして、トランジスタ3300をオフ状態とすることにより、トランジスタ3200のゲートに与えられた電荷が保持される(保持)。
トランジスタ3300のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタ3200のゲートの電荷は長時間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、トランジスタ3200のゲートに保持された電荷量に応じて、第2の配線3002は異なる電位をとる。一般に、トランジスタ3200をnチャネル型とすると、トランジスタ3200のゲート電極にHighレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Hは、トランジスタ3200のゲート電極にLowレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしきい値電圧とは、トランジスタ3200を「オン状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、トランジスタ3200のゲートに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Highレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ3200は「オン状態」となる。Lowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ3200は「オフ状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。例えば、情報を読み出さないメモリセルにおいては、ゲート電極に与えられている電位にかかわらずトランジスタ3200が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を第5の配線3005に与えることで所望のメモリセルの情報のみを読み出せる構造とすればよい。または、情報を読み出さないメモリセルにおいては、ゲート電極に与えられている電位にかかわらず、トランジスタ3200が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を第5の配線3005に与えることで所望のメモリセルの情報のみを読み出せる構成とすればよい。
図15(C)に示す半導体装置は、トランジスタ3200を設けていない点で図15(A)と相違している。この場合も上記と同様の動作により情報の書き込みおよび保持動作が可能である。
次に、図15(C)に示す半導体装置の情報の読み出しについて説明する。トランジスタ3300がオン状態となると、浮遊状態である第3の配線3003と容量素子3400とが導通し、第3の配線3003と容量素子3400の間で電荷が再分配される。その結果、第3の配線3003の電位が変化する。第3の配線3003の電位の変化量は、容量素子3400の電極の一方の電位(または容量素子3400に蓄積された電荷)によって、異なる値をとる。
例えば、容量素子3400の電極の一方の電位をV、容量素子3400の容量をC、第3の配線3003が有する容量成分をCB、電荷が再分配される前の第3の配線3003の電位をVB0とすると、電荷が再分配された後の第3の配線3003の電位は、(CB×VB0+C×V)/(CB+C)となる。従って、メモリセルの状態として、容量素子3400の電極の一方の電位がV1とV0(V1>V0)の2状態をとるとすると、電位V1を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+C×V1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+C×V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
そして、第3の配線3003の電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができる。
この場合、メモリセルを駆動させるための駆動回路に上記第1の半導体材料が適用されたトランジスタを用い、トランジスタ3300として第2の半導体材料が適用されたトランジスタを駆動回路上に積層して設ける構成とすればよい。
本実施の形態に示す半導体装置では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたオフ電流の極めて小さいトランジスタを適用することで、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、本実施の形態に示す半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行う必要がないため、ゲート絶縁膜の劣化といった問題が全く生じない。すなわち、本実施の形態に示す半導体装置では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。
なお、上記の記憶装置は、例えば、CPU(Central  Processing  Unit)の他に、DSP(Digital  Signal  Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable  Logic  Device)等のLSI、RF−ID(Radio  Frequency  Identification)にも応用可能である。
<CPU>
以下で、上記の記憶装置を含むCPUについて説明する。
図16は、上記の記憶装置を含むCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図16に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic  logic  unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus  I/F)、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェース1189(ROM  I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図16に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図16に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及びレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図16に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。
図16に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
図17は、レジスタ1196として用いることのできる記憶素子の回路図の一例である。記憶素子1200は、電源遮断で記憶データが揮発する回路1201と、電源遮断で記憶データが揮発しない回路1202と、スイッチ1203と、スイッチ1204と、論理素子1206と、容量素子1207と、選択機能を有する回路1220と、を有する。回路1202は、容量素子1208と、トランジスタ1209と、トランジスタ1210と、を有する。なお、記憶素子1200は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の素子をさらに有していても良い。
ここで、回路1202には、上述した記憶装置を用いることができる。記憶素子1200への電源電圧の供給が停止した際、回路1202のトランジスタ1209のゲートには接地電位(0V)、またはトランジスタ1209がオフする電位が入力され続ける構成とする。例えば、トランジスタ1209のゲートが抵抗等の負荷を介して接地される構成とする。
スイッチ1203は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ1213を用いて構成され、スイッチ1204は、一導電型とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ1214を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ1203の第1の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1203の第2の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1203はトランジスタ1213のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1213のオン状態またはオフ状態)が選択される。スイッチ1204の第1の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1204の第2の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1204はトランジスタ1214のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1214のオン状態またはオフ状態)が選択される。
トランジスタ1209のソースとドレインの一方は、容量素子1208の一対の電極のうちの一方、及びトランジスタ1210のゲートと電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM2とする。トランジスタ1210のソースとドレインの一方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッチ1203の第1の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)はスイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ1204の第2の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と電気的に接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)と、スイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方)と、論理素子1206の入力端子と、容量素子1207の一対の電極のうちの一方と、は電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。容量素子1208の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子1208の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。
なお、容量素子1207及び容量素子1208は、トランジスタや配線の寄生容量等を積極的に利用することによって省略することも可能である。
トランジスタ1209の第1ゲート(第1のゲート電極)には、制御信号WEが入力される。スイッチ1203及びスイッチ1204は、制御信号WEとは異なる制御信号RDによって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。
トランジスタ1209のソースとドレインの他方には、回路1201に保持されたデータに対応する信号が入力される。図17では、回路1201から出力された信号が、トランジスタ1209のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206によってその論理値が反転された反転信号となり、回路1220を介して回路1201に入力される。
なお、図17では、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206及び回路1220を介して回路1201に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を反転させられることなく、回路1201に入力されてもよい。例えば、回路1201内に、入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場合に、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
また、図17において、記憶素子1200に用いられるトランジスタのうち、トランジスタ1209以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン層またはシリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素子1200に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体膜で形成されるトランジスタとすることもできる。または、記憶素子1200は、トランジスタ1209以外にも、チャネルが酸化物半導体膜で形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトランジスタは酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることもできる。
図17における回路1201には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる。また、論理素子1206としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用いることができる。
本実施の形態に示す半導体装置では、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間は、回路1201に記憶されていたデータを、回路1202に設けられた容量素子1208によって保持することができる。
また、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。例えば、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有するシリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのため、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタをトランジスタ1209として用いることによって、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間も容量素子1208に保持された信号は長期間にわたり保たれる。こうして、記憶素子1200は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(データ)を保持することが可能である。
また、スイッチ1203及びスイッチ1204を設けることによって、プリチャージ動作を行うことを特徴とする記憶素子であるため、電源電圧供給再開後に、回路1201が元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
また、回路1202において、容量素子1208によって保持された信号はトランジスタ1210のゲートに入力される。そのため、記憶素子1200への電源電圧の供給が再開された後、容量素子1208によって保持された信号に応じてトランジスタ1210の状態(オン状態、またはオフ状態)が決まり、回路1202から読み出すことができる。それ故、容量素子1208に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信号を正確に読み出すことが可能である。
このような記憶素子1200を、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、記憶素子1200をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子1200は、DSP(Digital  Signal  Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable  Logic  Device)等のLSI、RF−ID(Radio  Frequency  Identification)にも応用可能である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルを有する表示モジュール及び電子機器について、図18を用いて説明を行う。
図18(A)乃至図18(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、等を有することができる。
図18(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、赤外線ポート5010、等を有することができる。図18(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図18(C)はゴーグル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部5002、支持部5012、イヤホン5013、等を有することができる。図18(D)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図18(E)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ5014、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。図18(F)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図18(G)は持ち運び型テレビ受像器であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能な充電器5017、等を有することができる。
図18(A)乃至図18(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図18(A)乃至図18(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
図18(H)は、スマートウオッチであり、筐体7302、表示パネル7304、操作ボタン7311、7312、接続端子7313、バンド7321、留め金7322、等を有する。
ベゼル部分を兼ねる筐体7302に搭載された表示パネル7304は、非矩形状の表示領域を有している。なお、表示パネル7304としては、矩形状の表示領域としてもよい。表示パネル7304は、時刻を表すアイコン7305、その他のアイコン7306等を表示することができる。
なお、図18(H)に示すスマートウオッチは、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。
また、筐体7302の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。なお、スマートウオッチは、発光素子をその表示パネル7304に用いることにより作製することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、作製した表示パネルの構成と評価結果を、表1および図20乃至図22を参照しながら説明する。
図20は、作製した表示パネルの表示状態を説明する写真である。図20(A)および図20(C)は、屋内における表示品位を説明する写真であり、図20(B)および図20(D)は、屋外における表示品位を説明する写真である。
図21は、作製した表示パネルの特性を説明する図である。図21(A)は、作製した表示パネルの輝度と使用環境の照度の関係を説明する図である。図21(B)は、作製した表示パネルのコントラストと使用環境の照度の関係を説明する図である。
図22は、作製した表示パネルの特性を説明する図である。図22は、作製した表示パネルの消費電力と使用環境の照度の関係を説明する図である。
《構成》
実施の形態1で説明した表示パネルを作製した。作製した表示パネルの特徴を次の表に示す。なお、第1の表示素子として反射型液晶素子を用い、第2の表示素子として有機EL素子を用い、図4(B−1)に示す形状を画素に用いた。反射型の液晶素子の形状を84μm×25.5μmの矩形とし、有機EL素子の形状を12μm×10μmの矩形とした。
《評価結果》
作製した表示パネルに画像情報を表示した結果を説明する。作製した表示パネルは、屋内の環境下においても(図20(A)および図20(C)参照)、屋外の明るい環境下においても(図20(B)および図20(D)参照)、画像情報を良好に表示することができた。作製した表示パネルは、さまざまな使用環境において優れた視認性を備える。作製した表示パネルは、携帯可能な電子機器だけでなく、例えば、サイネージ等に用いることができる。
作製した表示パネルの反射型の液晶素子の特性は、有機EL素子を備えず反射型の液晶素子のみを備える従来の表示パネルと同等の特性を示した(図21(A)参照)。これにより、明るい環境下において、作製した表示パネルが優れた視認性を備えることが確認できた。
作製した表示パネルのコントラストは、照度に比例し、反射型の液晶素子と同程度の値を備えていることが確認できた(図21(B)参照)。なお、有機EL素子を用いる従来の表示パネルは照度に反比例した。これにより、明るい環境下において、作製した表示パネルは、優れた視認性またはコントラストを備えることが確認できた。
作製した表示パネルの反射型の液晶素子は、外光のある環境下において、有機EL素子のみを用いる従来の表示パネルより、消費電力を抑制することができた(図22参照)。また、その効果は、環境の照度が高くなるほど顕著であった。これにより、明るい環境下において、作製した表示パネルは、有機EL素子のみを用いる従来の表示パネルが消費する電力の40%またはそれ以上を削減することができた。
作製した表示パネルの画素に設けられた反射型の液晶素子を駆動した結果を示す(図23および図24参照)。
図23は、1Hzの頻度で選択信号を画素に供給する方法で駆動した結果を説明する図である。図23(A)は、最も明るい階調の画像信号を供給した場合の反射率の変化を説明する図であり、図23(B)は、最も暗い階調の画像信号を供給した場合の反射率の変化を説明する図である。
1Hzの頻度で選択信号を画素に供給する方法で駆動した場合、選択信号の供給に伴う表示のチラツキ、フリッカーは視認できなかった。また、測定できなかった。
図24は、1/60Hzの頻度で選択信号を画素に供給する方法で駆動した結果を説明する図である。図24(A)は、最も明るい階調の画像信号を供給した場合の反射率の変化を説明する図であり、図24(B)は、最も暗い階調の画像信号を供給した場合の反射率の変化を説明する図である。
1/60Hzの頻度で選択信号を画素に供給する方法で駆動した場合、最も明るい階調の画像信号を供給した場合において、選択信号の供給に伴うわずかな反射率の変化が測定された。具体的には、6秒付近において選択信号に伴う反射率が変化している。しかしながら、この程度の変化は、表示のチラツキ、フリッカーとして視認できなかった。このように、選択信号を30Hz未満の頻度で供給する方法により、特に、チラツキの少ない良好な表示をすることができた。また、特に目にやさしい表示をすることができた。
(比較例)
本比較例では、作製した表示パネルを上記の実施例とは異なる方法で駆動した結果を、図25を参照しながら説明する。
具体的には、スイッチSW2に用いる第2の走査線にゲート電極が接続されるトランジスタが非導通状態であって、トランジスタMのゲート電極がフローティング状態であるときに、第1の表示素子750(i,j)に表示する画像に対応する画像信号を供給した。
作製した表示パネルをこの駆動方法で駆動したところ、第1の表示素子750(i,j)に表示する画像に対応する画像信号がノイズになり、第2の表示素子550(i,j)に所定の画像が表示されず、白い画像が表示されてしまった。
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の電気的パスは、第4の電気的パスを有しておらず、前記第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。