







本発明は、自動車のデフサイドに用いられる密封装置に関する。 The present invention relates to a sealing device used for a differential side of an automobile.
一般に、自動車のディファレンシャル装置は、デフピニオンギヤ及びデフサイドギヤを収容するデフケースと、デフケースを回転自在に支持するハウジングと、デフサイドギヤに連結されるとともに、ハウジングの軸孔に挿通されるドライブシャフトとを備えている。ハウジングの軸孔とドライブシャフトとの間の環状空間には、ハウジング内(密封空間内)の潤滑油の漏洩防止と、ハウジングの外部側からの異物の侵入防止とを兼ねたデフサイド用の密封装置が設けられる(例えば、特許文献1参照)。 Generally, a differential device for an automobile includes a differential case that houses a differential pinion gear and a differential side gear, a housing that rotatably supports the differential case, and a drive shaft that is connected to the differential side gear and that is inserted through a shaft hole of the housing. ing. In the annular space between the shaft hole of the housing and the drive shaft, a sealing device for the differential side that prevents leakage of the lubricating oil in the housing (in the sealed space) and prevents foreign matter from entering from the outside of the housing. (For example, refer to Patent Document 1).
特許文献1記載の密封装置は、図6に示すように、ハウジング111の軸孔111aに装着されるシール本体114と、ドライブシャフト112の外周面に装着されるディフレクタ115とを備えている。シール本体114は、ドライブシャフト112に接触する主リップ部132と、この主リップ部132よりもハウジング111の外部側Bにおいてドライブシャフト112に接触するダストリップ部(補助リップ部)133と、このダストリップ部133よりも外部側Bに設けられ且つ外部側Bでかつ径方向外側へ斜め方向に延びるサイドリップ部134とを有する。ディフレクタ115は、径方向に沿って配置された円環状の環状板部115bを有しており、サイドリップ部134は、ディフレクタ115の環状板部115bに接触することによって、外部側Bからの異物の侵入を防止する。 As shown in FIG. 6, the sealing device described in
密封装置のサイドリップ部134は、ディフレクタ115に対する締め代が設けられるが、その締め代は、ハウジング111に対するシール本体114の組み付け位置や、ドライブシャフト112に対するディフレクタ115の組み付け位置等の要因で変化する。また、運転中にドライブシャフト112が軸方向にスライドすることによっても締め代が変化する。図6に示す従来のシール本体114は、負荷のかかっていない自然状態で、サイドリップ部134が、基端部から先端部にかけて外部側Bでかつ径方向外側へむけてほぼ一直線上に延びている。そのため、締め代が小さいときはサイドリップ部134の先端部のみがディフレクタ115に接触するが、図7に示すように、締め代が大きくなると、次第に先端部だけでなくその径方向内側部分もディフレクタ115に接触し、接触面圧のピークが径方向内側(基部側)へ移動する。そのため、先端部における接触面圧が低下し、密封性が低下する可能性がある。 The
したがって、本発明は、締め代の大きさに関わらず、ディフレクタに対するサイドリップの先端部の接触面圧を維持することができるデフサイド用の密封装置を提供することを目的とする。 Therefore, an object of the present invention is to provide a differential side sealing device that can maintain the contact surface pressure of the tip of the side lip with respect to the deflector regardless of the size of the tightening allowance.
本発明の密封装置は、
ドライブシャフトを挿入するための軸孔が形成されたハウジングの内部の密封空間と前記ハウジングの外部との間を封止するデフサイド用の密封装置であって、
前記軸孔に装着され、前記ハウジングの外部側へ向けて延びるサイドリップ部を有するシール本体と、
前記シール本体よりも前記外部側において前記ドライブシャフトに装着され、前記サイドリップ部が接触するディフレクタとを備え、
前記サイドリップ部は、基端部と、この基端部から前記外部側でかつ径方向外側へ延びる中間部と、前記中間部から前記外部側でかつ径方向外側へ延び、内周面が前記ディフレクタに接触する先端部とを備えており、
前記中間部の内周面が、前記ディフレクタに接触しないように凹状に形成されている。The sealing device of the present invention comprises:
A sealing device for a differential side that seals between a sealed space inside a housing in which a shaft hole for inserting a drive shaft is formed and the outside of the housing,
A seal main body having a side lip portion attached to the shaft hole and extending toward the outside of the housing;
A deflector that is attached to the drive shaft on the outer side of the seal body and that contacts the side lip portion;
The side lip portion includes a base end portion, an intermediate portion extending from the base end portion to the outer side and radially outward, and extending from the intermediate portion to the outer side and radially outer side, and an inner peripheral surface thereof A tip that contacts the deflector,
An inner peripheral surface of the intermediate portion is formed in a concave shape so as not to contact the deflector.
上記構成の密封装置によれば、サイドリップ部の中間部の内周面が凹状に形成されているので、サイドリップ部の締め代が大きくなることによって、サイドリップ部が径方向外側へ変形したとしても中間部がディフレクタに接触せず、ディフレクタに対するサイドリップ部の先端部の接触面圧を維持することができる。 According to the sealing device having the above configuration, since the inner peripheral surface of the intermediate portion of the side lip portion is formed in a concave shape, the side lip portion is deformed radially outward by increasing the tightening margin of the side lip portion. In this case, the intermediate portion does not contact the deflector, and the contact surface pressure of the tip of the side lip portion with respect to the deflector can be maintained.
前記中間部は、前記基端部から前記外部側でかつ径方向外側へ傾斜状に延びる基端部側中間部と、前記基端部側中間部から前記外部側でかつ前記径方向外側へ傾斜状に延び、前記ドライブシャフトの軸心に対する傾斜角度が、前記基端部側中間部における傾斜角度よりも小さく設定された先端部側中間部と、を有していることが好ましい。
このような構成によって、中間部の内周面を凹状に形成することができる。The intermediate portion is inclined from the base end portion to the outside side and radially outwardly in a slanting manner, and the intermediate portion is inclined from the base end side intermediate portion to the outside side and the radially outer side. It is preferable to have a distal end side intermediate portion that extends in a shape and has an inclination angle with respect to the axis of the drive shaft set to be smaller than an inclination angle in the proximal end side intermediate portion.
With such a configuration, the inner peripheral surface of the intermediate portion can be formed in a concave shape.
前記基端部は、前記外部側でかつ径方向内側へ向けて延びていることが好ましい。
このような構成によって、サイドリップの締め代が大きくなったときに中間部の外周面がシール本体の他の部分(例えば、図1における本体部31の側面部31b)に干渉するのを防ぐことができる。It is preferable that the base end portion extends outward and radially inward.
Such a configuration prevents the outer peripheral surface of the intermediate portion from interfering with other portions of the seal body (for example, the
本発明によれば、締め代の大きさに関わらず、ディフレクタに対するサイドリップの先端部の接触面圧を維持することができる。 According to the present invention, it is possible to maintain the contact surface pressure of the tip portion of the side lip with respect to the deflector regardless of the size of the tightening allowance.
以下、密封装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る密封装置を示す断面図である。この密封装置10は、自動車のディファレンシャル装置において、デフピニオンギヤ及びデフサイドギヤを収容するデフケースを回転自在に支持するハウジング11と、デフサイドギヤに連結され、このハウジング11に形成された軸孔11aに挿通されたドライブシャフト(回転軸)12との間に用いられるデフサイド用の密封装置である。Hereinafter, embodiments of the sealing device will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a sealing device according to an embodiment of the present invention. The
密封装置10は、互いに相対回転するドライブシャフト12とハウジング11との間に形成される環状空間に装着されて、ハウジング11の内部である密封空間A内に密封された潤滑油等の密封流体がハウジング11の外部側Bへ漏洩するのを防止する。
密封装置10は、シール本体14と、ディフレクタ(当接部材)15とを備えている。
シール本体14は、断面略L字形の環状の芯金21と、芯金21に固定されているシール部材22と、環状のバネリング23とで構成されている。The
The
The
芯金21は、金属(例えば、SPCC)製の環状部材であり、ドライブシャフト12と同軸心状に配置された円筒形状の円筒部21aと、この円筒部21aの軸方向の一端部から径方向内方へ屈曲した円環状の環状板部21bとで構成されている。 The
シール部材22は、合成ゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM))等の弾性部材からなり、加硫による接着、焼き付けなどにより芯金21に固定されている。シール部材22は、環状に形成されており、本体部31と、主リップ部32と、補助リップ部33と、サイドリップ部34とを有している。 The
本体部31は、芯金21の円筒部21aの外周面に設けられ且つハウジング11の軸孔11aに固定される外周部31aと、環状板部21bの外部側Bの側面に設けられている側面部31bと、環状板部21bの内周部を覆う内周部31cとを備えている。外周部31a、側面部31b、内周部31cは、一体的に形成されている。外周部31aは軸方向に沿って配置され、側面部31bは径方向に沿って配置されている。 The
<主リップ部32の構成>
主リップ部32は、本体部31の内周部31cの径方向内側において密封空間A側へ延びている。主リップ部32の外周面には周溝32aが形成されている。そして、この周溝32aには、ガータスプリングと呼ばれるバネリング23が装着されている。バネリング23は、主リップ部32を径方向内方へ締め付けている。<Configuration of
The
図2は、密封装置10のシール本体14の要部を拡大して示す断面図である。図2においては、外部から負荷を受けていない自然状態のシール本体14が示されている。
図1及び図2に示すように、主リップ部32は、ドライブシャフト12の外周面に締め代をもって接触して密封空間A内の密封流体が外部側Bへ漏れるのを防止している。主リップ部32は、その径方向内側の断面形状が径方向内方に向けて細くなる(軸方向幅寸法が小さくなる)ほぼV字形とされている。したがって、主リップ部32の内周面は、外部側Bの第1傾斜面32bと、密封空間A側の第2傾斜面32cとを有している。FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view showing a main part of the
As shown in FIGS. 1 and 2, the
第1傾斜面32bは、外部側Bほど内径が大きくなるように傾斜し、第2傾斜面32cは、密封空間A側ほど内径が大きくなるように傾斜している。第1傾斜面32bと第2傾斜面32cとの境界部であって主リップ部32の最小径部(頂部)を第1リップ先端部32dという。また、第1傾斜面32bよりも外部側Bには、軸心方向Cに略沿った方向に形成された円筒形状の円筒面32eが形成されている。第1傾斜面32bと円筒面32eとは鈍角をなして交差している。円筒面32eは、後述するようにドライブシャフト12の外周面に接触可能な接触面(第2の内周面)を構成している。 The first
第1傾斜面32bと第2傾斜面32cとの内角の角度θ1は、鈍角をなしており、例えば約122°とされる。θ1は、例えば95°〜140°の範囲で設定することができる。
また、第1傾斜面32bと円筒面32eとの間の角度θ2は、例えば、約157°とされる。θ2は、例えば130°〜170°の範囲で設定することができる。The internal angle θ1 between the first
Further, the angle θ2 between the first
円筒面32eよりも外部側Bには、凹溝37が形成されている。円筒面32eに隣接する凹溝37の内側面37aと、円筒面32eとの間の内角の角度θ3は、鈍角をなしており、例えば約140°とされる。θ3は、例えば100°〜170°の範囲で設定することができる。 A
主リップ部32の第1傾斜面(第1の内周面)32bは、ドライブシャフト12の外周面に接触するシール面として機能する。この第1傾斜面32bには、図1に示すように、軸方向に対して周方向へ所要角度傾斜する複数の突起条32gが形成されている。第1傾斜面32bに突起条32gを形成することによって、シール部材22とドライブシャフト12との相対的な回転に伴い、主リップ部32とドライブシャフト12との接触部分から外部側Bへ漏洩しようとする密封空間A内の密封流体を、密封空間A内へ戻すポンプ作用が発揮される。 The first inclined surface (first inner peripheral surface) 32 b of the
図2(b)に拡大して示すように、円筒面32eと凹溝37の内側面37aは、第1傾斜面32bに垂直な方向aに関して当該第1傾斜面32bよりも径方向内側に突出する突部38を形成している。そして、この突部38は、第1傾斜面32bの全面がドライブシャフト12の外周面に接触するのを規制する規制部を構成する。 2B, the
<補助リップ部33の構成>
図1及び図2に示すように、補助リップ部33は、ドライブシャフト12の外周面に締め代をもって接触し、主に外部側Bから密封空間A内への異物の侵入を防止している。補助リップ部33は、その径方向内側の断面形状が径方向内方に向けて細くなる(軸方向幅寸法が小さくなる)ほぼV字形とされている。したがって、補助リップ部33の内周面は、密封空間A側の第3傾斜面33aと、外部側Bの第4傾斜面33bとを有している。<Configuration of
As shown in FIGS. 1 and 2, the
第3傾斜面33aと第4傾斜面33bとの境界部であって補助リップ部33の最小径部(頂部)を第2リップ先端部33cという。補助リップ部33の第3傾斜面33aがドライブシャフト12の外周面に接触するシール面として機能する。
第3傾斜面33aと第4傾斜面33bとの間の内角の角度θ4は、鈍角をなしており、例えば約111°とされる。角度θ4は、例えば95°〜150°の範囲で設定することができる。A minimum diameter portion (top portion) of the
The internal angle θ4 between the third
<主リップ部32の作用>
主リップ部32と補助リップ部33との間には、凹溝37が形成されているので、補助リップ部33と、主リップ部32と、これらが接触するドライブシャフト12の外周面との間には、環状の第1空間部S1(図1参照)が形成される。
主リップ部32の第1傾斜面32bには、突起条32gが形成されているので、この突起条32gによるポンプ作用によって第1空間部S1内のエアが密封空間A側へ排出され、第1空間部S1内が負圧になりやすくなる。そして、第1空間部S1内が負圧になると、主リップ部32及び補助リップ部33がドライブシャフト12の外周面に強く押し付けられる。この状態を図4に示す。<Operation of the
Since a
Since the
図4に示すように、主リップ部32は、第1傾斜面32bがドライブシャフト12の外周面に接触するが、第1傾斜面32bの外部側Bには突部(規制部)38が隣接して形成されているので、第1傾斜面32bは全体がドライブシャフト12の外周面に接触せず、一部が浮いた状態となる。したがって、主リップ部32とドライブシャフト12との間には、隙間cが形成される。 As shown in FIG. 4, the
図8に示すように、従来のシール本体114の場合、主リップ部132には本実施形態のような突部38が形成されていないので、第1傾斜面132bの全面がドライブシャフト12に接触している。そのため、第1傾斜面132b全体の摩耗や発熱が大きくなる。
これに対して、本実施形態では、図4に示すように、ドライブシャフト12に対する主リップ部32の接触部位が分散し、主リップ部32の第1傾斜面32bの全面がドライブシャフト12に接触するのを抑制することができる。そのため、主リップ部32の第1傾斜面32bの摩耗や発熱を抑制することができる。As shown in FIG. 8, in the case of the
On the other hand, in this embodiment, as shown in FIG. 4, the contact portions of the
<サイドリップ部34の構成>
図1に示すように、シール部材22のサイドリップ部34は、本体部31の側面部31bと内周部31cとの境界部分から外部側Bへ延びている。サイドリップ部34は、多段階に屈曲した形状に形成されている。具体的に、サイドリップ部34は、密封空間A側から順に、基端部41、中間部42、43、先端部44を備えている。そして、基端部41と中間部42との間、及び中間部43と先端部44との間は、それぞれ屈曲されている。<Configuration of
As shown in FIG. 1, the
図2に示すように、本実施形態のサイドリップ部34は、シール部材22の本体部31における側面部31bからの長さ(軸心方向Cに関する幅)L1が、例えば約12.1mmとされている。
基端部41は、シール部材22の側面部31bから外部側Bでかつ径方向内側へ向けて斜めに延びている。基端部41と側面部31bとの間の角度θ5は鈍角をなし、例えば、約106°とされる。角度θ5は、例えば95°〜150°の範囲で設定することができる。本実施形態の基端部41は、本体部31における側面部31bからの長さ(軸心方向Cに関する幅)L2が、例えば約2.4mmとされている。基端部41の長さL2は、サイドリップ部34全体の長さL1に対して約20%となる。As shown in FIG. 2, the
The
中間部42,43は、基端部側中間部42と、先端部側中間部43とを有する。基端部側中間部42は、基端部41の先端から外部側Bでかつ径方向外側へ向けて斜めに延びている。基端部41と基端部側中間部42との間の角度θ6は鈍角をなし、例えば、約97°とされる。角度θ6は、角度θ5よりも小さい値とされている。また、角度θ6は、例えば95°〜150°の範囲で設定することができる。サイドリップ部34は、基端部41及び基端部側中間部42の部分において、径方向内側に凸となる形状に形成されている。 The
先端部側中間部43は、基端部側中間部42の先端から外部側Bでかつ径方向外側へ向けて斜めに延びている。基端部側中間部42と先端部側中間部43との間の角度θ7は鈍角をなし、例えば、約120°とされる。角度θ7は、角度θ5及びθ6よりも大きい値とされている。また、角度θ7は、例えば95°〜150°の範囲で設定することができる。また、先端部側中間部43は、軸心方向Cに対する傾斜角度θ10が、基端部側中間部42における傾斜角度θ9よりも小さく設定されている。 The distal end side
本実施形態の中間部42,43は、軸心方向Cに関する長さ(幅)L3が、約7.2mmとされている。このうち基端部側中間部42の長さL4は、約2.2mm、先端部側中間部43の長さL5が、約5.0mmとされている。中間部42,43の長さL3は、サイドリップ部34全体の長さL1に対して、約60%となり、基端部側中間部42と先端部側中間部43との長さL4,L5の比率は、概ね3:7とされている。 The
サイドリップ部34は、基端部側中間部42及び先端部側中間部43の部分において、径方向外側に凸となる形状に形成されている。したがって、サイドリップ部34の中間部42,43の内周面は凹状に形成されている。そして、中間部42,43の内周面が凹状に形成されることによって、サイドリップ部34は、先端部44と基端部41との間に、空所Dを有している。 The
先端部44は、先端部側中間部43の先端から外部側Bでかつ径方向外側へ向けて斜めに延びている。先端部側中間部43と先端部44との間の角度θ8は鈍角をなし、例えば、約154°とされる。角度θ8は、角度θ7よりも大きい値とされている。また、角度θ8は、例えば100°〜170°の範囲で設定することができる。本実施形態の先端部44は、軸心方向Cに関する長さ(幅)L6が、約2.5mmとされている。先端部44の長さL6は、サイドリップ部34全体の長さL1の約20%となる。
サイドリップ部34は、先端部側中間部43及び先端部44の部分において径方向内側に凸となる形状に形成されている。The
The
先端部44は、ドライブシャフト12に取り付けられたディフレクタ15に接触するシール部として機能する。先端部44の内周面44aには、周方向に延びる溝44bが形成されている。この溝44bは、油を保持するために機能する。したがって、先端部44における発熱や摩耗を抑制することができる。 The
図1に示すように、ディフレクタ15は、ドライブシャフト12の外周面に嵌合される円筒形状の円筒部15aと、円筒部15aの軸方向の一端部から径方向外方へ屈曲された円環状の環状板部15bとを有している。ディフレクタ15は、環状板部15bが、シール本体14のサイドリップ部34の外部側Bに対向するようにドライブシャフト12に固定される。 As shown in FIG. 1, the
シール本体14のサイドリップ部34は、その内周面が締め代を有してディフレクタ15と接触し、サイドリップ部34の内周面と、ディフレクタ15の環状板部15bと、ドライブシャフト12の外周面と、補助リップ部33の外周面との間には、第2空間部S2が形成されている。 The
サイドリップ部34の締め代は、ハウジング11、ドライブシャフト12、シール本体14、ディフレクタ15の組み付けの際の相対位置や、運転時のドライブシャフト12の軸方向のスライド量等によって大きく異なる。例えば、運転時のドライブシャフト12のスライド量は約3mmであり、このスライド量も加味したサイドリップ部34の締め代の範囲Eは、約1mm〜7mm程度になる。サイドリップ部34は、締め代の大きさに関わらず、適切にディフレクタ15に接触することができるように、その形状が設計されている。 The tightening margin of the
具体的に、サイドリップ部34は、常にその先端部44がディフレクタ15に接触するように構成されている。図1は、サイドリップ部34の締め代が最小となるときのディフレクタ15の位置を実線で示し、サイドリップ部34の締め代が最大となるときのディフレクタ15の位置を2点鎖線で示している。また、図3には、締め代が最大の時のサイドリップ部34の状態を示している。 Specifically, the
サイドリップ部34は、基端部41と先端部44との間に中間部42,43を備え、中間部42,43は、内周面が凹状に形成され、先端部44と基端部41との間には空所Dが存在している。そのため、図3に示すように、サイドリップ部34の締め代が最大となり、サイドリップ部34が径方向外側へ大きく屈曲した場合においても、先端部44がディフレクタ15に接触し、その他の部分(中間部42,43及び基端部41)はディフレクタ15に接触しない。そのため、先端部44をディフレクタ15に接触させた状態に維持することができるとともに、先端部44とディフレクタ15との接触面圧を十分に確保することができ、外部側Bからの異物の侵入を確実に防止することができる。 The
また、サイドリップ部34の基端部41は、シール部材22の側面部31b及び内周部31cから径方向内側へ向けて延び、基端部側中間部42は、基端部41の先端から径方向外側へ向けて延びている。このような構造によって、図3に示すように、締め代が拡大したとしても、基端部41は径方向外側へそれほど大きく弾性変形せず、基端部41と基端部側中間部42との間の弾性変形が大きくなっている。これにより、ディフレクタ15と先端部44の接触状態に影響を与えることなく、サイドリップ部34の締め代の変化に追従することができる。 Further, the
図5は、サイドリップ部34の締め代とサイドリップ部34の反力との関係を示すグラフである。図5では、上記実施形態の形状のシール本体14と、従来技術(図6参照)のシール本体114とを比較して示す。また、図7は、従来技術のシール本体114において、締め代が最大となったときのサイドリップ部134の形状を示す。 FIG. 5 is a graph showing the relationship between the tightening allowance of the
従来技術のシール本体114においては、図6に示すように、サイドリップ部134の略全体がテーパー状に傾斜した形状となっているため、図7に示すように、締め代が大きくなると、サイドリップ部134はディフレクタ115への接触面積を拡大しながら径方向外側へ曲がっていく。これと同時に、接触面圧のピークが、先端部から徐々に径方向内側へ移動し、サイドリップ部134の先端部はディフレクタ15から浮き上がる傾向となる。そのため、異物の侵入を防止する効果が低下するという問題がある。 In the
また、図5に示すように、従来技術のシール本体114は、締め代が増えるにしたがってサイドリップ部134の反力も増大するが、締め代がある値(例えば3mm)を超えると、点線で示すように反力が急激に大きくなる。そのため、上述したようにサイドリップ部134の摩耗や発熱が大きくなる。 As shown in FIG. 5, the
これに対して、本実施形態のシール本体14の場合、図3に示すように、締め代が大きくなったとしても、先端部44がディフレクタ15に接触した状態を維持することができ、しかも、中間部42,43はディフレクタ15には接触しない。そのため、異物の侵入を防止する効果を好適に維持することができる。 On the other hand, in the case of the seal
また、図5に示すように、サイドリップ部34の反力は、締め代が拡大し始めてから所定の値となるまで(例えば、1.6mmまで)は、比較的急激に上昇するが、当該所定値を超えた後は減少に転じ、その後は締め代が大きくなるに従い徐々に反力は減少する。したがって、上述したような締め代の範囲(例えば1.0〜7.0mm)の間で締め代が変化したとしても、密封性を維持しながら過度な摩耗や発熱を抑制することができる。 Further, as shown in FIG. 5, the reaction force of the
本発明の密封装置は、上記実施の形態に限られるものではなく、この発明の範囲内において、構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等について適宜変更することができる。
例えば、上記実施形態の突部(規制部)38は、円筒面32eと内側面37aとによって山形状に形成されていたが、これに限定されず、主リップ部32の第1傾斜面32bのドライブシャフト12に対する接触面積を低減させることができる限りにおいて、種々の形状を採用することができる。The sealing device of the present invention is not limited to the above-described embodiment, and within the scope of the present invention, the size, material, shape, relative arrangement, and the like of the component parts can be appropriately changed.
For example, the protrusion (regulator) 38 of the above embodiment is formed in a mountain shape by the
上記実施形態では、サイドリップ部34の中間部42,43が、基端部側中間部42と先端部側中間部43との境界で屈曲させることによって内周面が凹状に形成されていたが、中間部の内周面を湾曲させることによって凹状に形成してもよい。
サイドリップ部34の基端部41は、外部側Bでかつ径方向外側へ向けて斜めに延びていてもよい。In the above-described embodiment, the inner
The
10:密封装置
11:ハウジング
11a:軸孔
12:ドライブシャフト
14:シール本体
15:ディフレクタ
34:サイドリップ部
41:基端部
42:中間部
42:基端部側中間部
43:先端部側中間部
43:中間部
44:先端部
44a:内周面
A:密封空間
B:外部側10: Sealing device 11:
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