以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
本実施形態に係る生体情報測定機器について、図1ないし図7を用いて説明する。
  図1は、本実施形態に係る生体情報測定機器の外観を概略的に示す上面図である。図2は、生体情報測定機器の外観を概略的に示す斜視図である。図3は、生体情報測定機器の構造を概略的に示す展開図である。図4は、生体情報測定機器の本体部分の構造を概略的に示す拡大図である。図5は、生体情報測定機器の本体部分の9時側側面を概略的に示す側面図、および端子部分を拡大した拡大図である。図6は、機器本体に接続される第1バンド部を概略的に示す平面図および断面図である。図7は、機器本体に接続される第2バンド部を概略的に示す平面図および断面図である。
  [生体情報測定機器1の概略構成]
  本実施形態に係る生体情報測定機器1(以下、単に「測定機器1」と称する。)は、生体情報を測定される被検体(例えば人体)の手首等に装着され、脈拍等の生体情報を測定する電子機器である。測定機器1は、図1および図2に示すように腕時計と類似する外観に形成されている。測定機器1は、被検体に密着させて生体情報を測定する機器本体2と、当該機器本体2に取り付けられるバンド3と、を備えている。
  [機器本体2の構成]
  図2および図3に示す様に測定機器1の機器本体2には、モジュール20と、当該モジュール20が収容されているケース部200と、を備える。モジュール20には、表示部220と、処理部240と、電源部260と、センサー部280と、を備えている。
  また、機器本体2には、処理部240に接続されている操作部250と、通信端子266と、を備えている。さらに、機器本体2には、電源部260に接続されている電池262を備え、電池262の充電に用いる充電端子264を備えている。
  ケース部200は、その蓋部210側にモジュール20が収容される凹部200bが形成されている。凹部200bには、モジュール20が収納され、蓋部210が凹部200bを覆うようにして、止めねじ211により固定されている。
  蓋部210は、その形状を凹部200bと対向する様に凹形状とすることができる。蓋部210を凹形状とすることで、後述する電池262の厚みに応じて凹部200bの深さ(容積)を異ならせることができる。
  本実施形態において機器本体2の厚みは、おおよそ14[mm]に形成されている。機器本体2の厚みは、薄い方が被検体に与える圧迫感を緩和することができる。また、被検体の着衣に引っかかることによる測定障害を抑制することができる。機器本体2の厚みは、その強度を保持する観点からおおよそ8[mm]以上とし、被検体の着衣への引っかかりや圧迫感の観点からおおよそ16[mm]以下とすることが好ましい。当該厚みの範囲内で蓋部210を凹形状とすることで電池262の厚みを異ならせることができる。
  機器本体2は、上述の通り蓋部210を凹形状とすることで体積も異なる。本実施形態において機器本体2の体積は、当該機器本体2の厚みを14[mm]とした場合は21[cc]となる。なお、機器本体2の体積は、その強度を保持する観点からおおよそ15[cc]以上とし、被検体の着衣への引っかかりや圧迫感の観点からおおよそ50[cc]以下とすることが好ましい。
  ケース部200および蓋部210は、その材料は特に限定されない。本実施形態では、その一例としてクラックの発生し難いナイロン系の合成樹脂(プラスチック樹脂)が用いられている。
  図2および図3に示すようにケース部200には、蓋部210が設けられた側とは反対側に表示窓200aが設けられている。表示窓200aは、表示部220に表示される生体情報などが視認可能に構成されている。
  表示窓200aには、第1表示部222に対応する第1表示窓222aと、第2表示部223に対応する第2表示窓223aと、を備える。第1表示窓222aには、第1表示部222が嵌め込まれている(図1および図2参照)。また、第2表示窓223aには、第2表示部223が嵌め込まれている(図1および図2参照)。
  図4に示すように表示窓200aは、機器本体2からバンド3が延出する方向(第1の方向で図1ないし図3に示すY方向)と交差する方向(第2の方向で図1ないし図3に示すX方向)に延伸する斜辺となる上底(上辺)200eおよび下底(下辺)200fを1組の対辺とする平行四辺形状を有する。
  第1表示部222が嵌め込まれた第1表示窓222aは、機器本体2からバンド3が延出する第1の方向と交差する第2の方向に延伸する上底(上辺)222eおよび下底(下辺)222fを備えた矩形状を有する。
  第2表示部223が嵌め込まれた第2表示窓223aは、機器本体2からバンド3が延出する第1の方向に延伸する平行線を備えた角丸長方形状を有する。
  ここで表示窓200aは、表示窓200aの上底200eと、第1表示窓222aの上底222eと、が鋭角を成して接するように配設されている。また、表示窓200aは、表示窓200aの下底200fと、第1表示窓222aの下底222fと、が鋭角を成して接するように配設されている。
  第2表示窓223aは、表示窓200aの下底200fと第1表示窓222aの下辺222fが鋭角を成して接する内角となる領域に配設されている。
  内角となる領域に第2表示部223および第2表示窓223aを設けることで、測定機器1の動作状態などを複数の方法で表示することができる。また、機器本体2の表面積を抑制しつつ、機器本体2を視認した際に第1表示部222(第1表示窓222a)を大きく見せることができる。よって、測定機器1が装着された者に与える圧迫感を抑制することができる。
  また、表示窓200aには、透明樹脂や透明ガラスなどから形成された表示部カバー体202が嵌め込まれ、この表示部カバー体202により表示部220が保護されている。表示部カバー体202は、表示窓200aに則して平行四辺形状に形成されている。表示部カバー体202は、第1の方向に配設された斜辺となる上底202eおよび下底202fを一組の対辺とした平行四辺形状を有する。
  図1ないし図4に示す様にケース部200には、表示窓200aに沿って枠部205が設けられている。
  枠部205は、機器本体2からバンド3が延出する第1の方向と交差する第2の方向で、図1ないし図4に示すX1方向(第1バンド部30が延出する方向を時計で言う12時方向としたときの3時側方向)に枠部205Rと、X2方向(第2バンド部40が延出する方向を時計で言う6時方向としたときの9時側方向)に枠部205Lとが設けられている。
  枠部205は、その下底が表示窓200a(表示部カバー体202)と接して配設され、脚となる辺が第2の方向に延設された等脚台形状を有する。また、枠部205の下底となる辺は、表示窓200aの上底200eおよび下底200fとが対となる1組の対辺とは異なる、第1の方向に延伸する1組の対辺よりも長く設けられている。
  枠部205Lは、図1ないし図4に示すY2方向に配設されている脚となる辺が、表示窓200aの下底200fの延伸線上に設けられている。よって、枠部205Lは、図1ないし図4に示すY1方向に設けられている脚となる辺が、表示窓200aの上底200eの延伸線上よりもY1側に設けられている。
  枠部205Rは、図1ないし図4に示すY1方向に設けられている脚となる辺が、表示窓200aの上底200eの延伸線上に設けられている。よって、枠部205Rは、Y2方向に設けられている脚となる辺が、表示窓200aの下底200fの延伸線上よりもY2側に設けられている。
  枠部205には、表示窓200aが設けられているケース部200の表側に金属を含む膜205aが設けられている。膜205aは、後述する処理部240と電気的に接続されている。膜205aは、測定機器1の外部に設けられた情報処理機器(不図示)と無線通信を行う際のアンテナとして用いることができる。また、膜205aは、後述する操作部250として、いわゆる静電容量型のタッチセンサーとして用いることができる。さらに、膜205aが設けられることで、ケース部200の強度を高めるとともに、ケース部200の肉厚を薄くすることができる。したがって、ケース部200の軽量化を図ることができる。
  膜205aを構成する材料は、アンテナとしての性能を発揮できる材料、もしくは静電容量の変化を検知することができる材料であれれば特に限定されることはない。本実施形態の測定機器1においては、ニッケル(Ni)を含む材料を用いている。膜205aにニッケルを用いることで、アンテナとしての性能、ケース部200の強度、およびタッチスイッチとしての性能を確保するとともに、ニッケルの有する光沢色によって測定機器1の意匠性を高めることができる。なお、本実施形態の測定機器1においては、アンテナとしての性能、ケース部200の強度、および意匠性を高めるため、枠部205の側面にも膜205aが設けられている。
  図3に示すようにケース部200に収容されたモジュール20には、表示部220が設けられている。表示部220には、第1表示部222と第2表示部223とが設けられている。
  第1表示部222には、各表示モードに応じて脈拍数などの生体情報や、現在時刻などの時刻情報などが表示される。また、第1表示部222には、バックライト224が設けられ、第1表示部222を照らすことができる。
  第1表示部222は、脈拍等の生体情報(主に数字や、ドットマトリックスで構成されるグラフ)を表示することができれば、表示方式は限定されない。測定機器1においては、その一例として液晶表示装置を用いている。また、バックライト224は、第1表示部222に表示される生体情報を視認できる程度に照明できれば、発光方法や発光色は限定されない。測定機器1においては、緑色に発光するEL(Electro-Luminescence)パネルを用いて第1表示部222の照明をおこなっている。
  第2表示部223には、測定機器1の各動作モード等が第2表示部223の発光色や明滅によって表示される。第2表示部223は、その明滅や表示色によって各動作モードを表示することができれば表示方式は限定されない。測定機器1においては、その一例として発光ダイオードを用いている。
  なお、表示部220は、伝達する情報に応じて生体情報等の表示に用いるデバイス(液晶パネルや発光ダイオード)が選択されている。これにより、後述する電池262(電池262に充電されている電力)の消費を抑制することができる。
  図3に示す様にケース部200に収容されたモジュール20には、処理部240が設けられている。
  処理部240は、マイコン等の半導体装置や記憶装置、通信機能、および電源部260に接続されている電池262の充電制御を実現する電子回路等で構成された基板である。処理部240には、表示部220、操作部250、電源部260、センサー部280、および枠部205に設けられている膜205aが接続されている。処理部240は、センサー部280の駆動や、センサー部280で検出された脈拍に基づく信号を処理し、表示部220における生体情報等の表示処理をすることができる。また、センサー部280で検出された脈拍に基づく信号を解析し、生体情報を検出する間隔(時間間隔)を決定することができる。さらに、処理部240は、検出された生体情報の蓄積をおこない、機器本体2の外部に設けられた情報処理装置との間で通信をおこない蓄積されたデータを出力することができる。
  図3に示す様にケース部200に収容されたモジュール20には、処理部240に命令を与える操作部250が設けられている。
  操作部250は、押下可能な操作ボタン252が設けられている。操作ボタン252を押下することで、例えば脈拍測定データを表示する脈拍測定モード、現在時刻などを表示する時計モード、電池残量の表示モード、脈拍を検出する間隔や電池262の充電容量を設定する設定モード、表示部220のバックライト224点灯モード等の切り替えをおこなうことができる。
  操作部250は、機器本体2からバンド3が延出する第1の方向と交差する第2の方向で、図1ないし図4に示すX1方向(3時側方向)のケース部200の側面に設けられている。操作部250は、操作ボタン252を複数備えることができる。操作部250は、少なくとも1つの操作ボタン252が表示窓200aの上底200eの延伸線上に設けられていることが好ましい。これにより被検体が表示窓200aの上底200eを視認することで、操作ボタン252が設けられている位置を容易に把握することができ、誤操作を防止することができる。
  また、複数の操作ボタン252を設け、ほぼ同時に押下することで測定機器1の設定をおこなう設定モードへの切り替えをおこなうことができる。本実施形態の測定機器1には、その一例として、測定機器1には二つの操作ボタン252a,252bが設けられている。被検体による操作部250の操作は、人差し指で操作ボタン252aを押下し、押下に伴う力をケース部200に親指を添えることで操作することができる。
  また、薬指で操作ボタン252bを押下し、押下に伴う力をケース部200に親指を添えることで操作することができる。したがって、操作ボタン252a,252bを設ける間隔は、操作する指(例えば親指と人差し指、親指と薬指)が届く範囲で、操作する指が重ならない間隔が好ましい。
  図3に示す様にケース部200には、モジュール20を構成し、機器本体2の電源となる電源部260が設けられている。さらに、電源部260には電池262が設けられている。電池262は、充電可能な2次電池として設けられている。電池262は、小型かつ軽量で、蓄電密度の高い電池が好ましい。なお、充電可能な2次電池であれば特に限定されることなく、リチウムイオンポリマー電池やリチウムイオン電池などを用いることができる。本実施形態の測定機器1には、小型かつ軽量で、エネルギー密度の高いリチウムイオン電池(コイン型リチウムイオン電池)を用いている。
  ケース部200には、電池262の充電に用いる充電端子264が設けられている。さらに、ケース部200には、測定機器1で測定および蓄積された生体情報(データ)、および測定設定データ等のデータ通信に用いられる通信端子266が設けられている。
  図5に示す様にケース部200には、測定機器1の電源となる電源部260に搭載された電池262の充電に用いる充電端子264が設けられている。さらに、ケース部200には、測定機器1で測定および蓄積された生体情報(データ)、および測定設定データ等のデータ通信に用いられる通信端子266が設けられている。
  充電端子264および通信端子266は、機器本体2からバンド3が延出する第1の方向と交差する第2の方向で、図1および図2に示すX2方向(9時側方向)のケース部200の側面に設けられている。充電端子264および通信端子266は、その機能を発揮するため一つまたは複数設けられている。本実施形態の測定機器1は、その一例として、それぞれ2つの充電端子264、および2つの通信端子266が設けられている。
  充電端子264および通信端子266は、充電端子264の間に通信端子266が配設されている。換言すると、通信端子266の外側(図5(b)に示すY方向)に充電端子264が配設されている。さらに、充電端子264の外側(通信端子266が設けられている方向と反対方向のY方向)に充電端子264および通信端子266と接続されるコネクター(不図示)の位置決め穴268が設けられている。なお、充電端子264および通信端子266は、凸レンズ状の凸曲面を有し、ケース部200の側面から突出する様に設けられている。また、位置決め穴268は、ケース部200の側面に有底の穴として設けられている。
  図5(b)に示す様に、充電端子264および通信端子266間の間隔d1は、通信端子266間の間隔d2と比して広い。これにより、充電端子264間、および充電端子264と通信端子266との間の短絡を抑制することができる。
  充電端子264および通信端子266は、導電性を有する材料を用いることができる。本実施形態の測定機器1は、その一例として、ステンレス鋼を充電端子264および通信端子266の材料として用いている。これにより、充電端子264および通信端子266は耐蝕性を備えることができる。また、充電端子264および通信端子266は、ケース部200から突出して設けられるとともに、凸レンズ状の凸曲面を有するため、容易に清掃することができ、充電端子264および通信端子266の腐食を抑制するとともに、導電性を保つことができる。また、充電端子264および通信端子266は、操作部250が設けられている側面と異なる側面に設けられているため、操作ボタン252a,252bを操作する指が触れることを抑制し、皮脂などによる汚れを防ぐことができる。さらに、充電端子264および通信端子266は、耐蝕性の導電材料、たとえば金などで表面をメッキすることで、耐蝕性をさらに向上させることができる。
  図3に戻り、センサー部280について説明する。図3に示す様にケース部200に収容されたモジュール20には、センサーユニット282を備えたセンサー部280が設けられている。
  本実施形態の測定機器1は、生体情報の一つとして被検体の脈拍を測定することができる。よって、センサーユニット282は、脈拍を検出する機能を備えている。具体的にはセンサーユニット282は、光センサーであって、センサーケースと、発光素子および受光素子が実装されたセンサー基板とを備えている。センサーユニット282は、LED(Light  Emitting  Diode)などの発光素子から被検体の手首に向けて光を照射し、手首の血管で反射された光をフォトダイオードなどの受光素子で受光することで被検体の生体情報である脈拍を測定することができる。
  蓋部210には、センサー部280が収容されているセンサー土手部212が設けられている。蓋部210から表示部220の表示方向と反対方向に隆起した円盤形状を有するセンサー土手部212に、センサー部280が設けられている。センサー土手部212は、センサー凸部214を備える。
  センサー凸部214は、測定機器1を装着した被検体の手首などに押圧(接触)される様に設けられている。センサー凸部214は、蓋部210から延出されている基部214aと、被検体に押圧される先端部214bと、を備える。
  このことから、センサー凸部214の基部214aは、遮光性を有する材料で構成されていることが好ましい。また、先端部214bは、発光素子から射出される光を透過させることができる材料で構成されることが好ましい。また、先端部214bは、当該光の乱反射を抑制し、装着時に被検体が痛みを感じない形状が好ましい。
  そこで、基部214aは、蓋部210と同じ合成樹脂を用い、遮光性の着色を付して設けられている。また、先端部214bは、透明のガラスや透明のアクリル樹脂を用い、弧形状を有し設けられている。
  [バンド3の構成]
  図1ないし図3、および図6を用いてバンド3の構成について説明する。
  バンド3は、機器本体2を被検体に装着するために設けられている。バンド3は、図1および図2に示す様に機器本体2の両端に設けられている。バンド3を構成する第1バンド部30は、図3に示す様に機器本体2のラグ203(第1の方向として時計で言えば12時側のラグ)に取付部材32によって取り付けられている。また、バンド3を構成する第2バンド部40は、機器本体2のラグ204(第1の方向として時計で言えば6時側のラグ)に取付部材42によって取り付けられている。
  第1バンド部30には、当該第1バンド部30と第2バンド部40とを連結する連結部310が設けられている。連結部310は、機器本体2側とは反対側の第1バンド部30の端部に設けられている。また、第2バンド部40には、当該第2バンド部40を第1バンド部30に係止するフック部410が設けられている。フック部410は、機器本体2側とは反対側の第1バンド部30の端部に設けられている。
  以下の説明では、第1バンド部30においては、機器本体2側を「一端側」とし、その反対側で連結部310が設けられた側を「他端側」として説明する。同様に、第2バンド部40においては、機器本体2側を「一端側」とし、その反対でフック部410が設けられた側を「他端側」として説明する。
  [第1バンド部の構成]
  図3および図6に示す第1バンド部30は、ベルト部34と、当該ベルト部34の一端側(機器本体2側で図3および図6(a)に示すY2方向)に設けられた第1接続部(接続部)としてのカバー部320と、他端側(機器本体2の反対側で図3および図4(a)に示すY1方向)に連結部310と、を有する。
  ベルト部34は表裏面を有する。以下の説明において、被検体に装着された際に手首と当接する面をベルト部34の裏面34bと称し、その反対面であり装着された際に視認できる面をベルト部34の表面34aと称し、説明する。
  (機器本体2への取り付け)
  第1バンド部30は、ラグ203とカバー部320との間に取付部材32を挟み、カバー部320がラグ203を覆う様に機器本体2に取り付けられている。
  カバー部320とラグ203とは、取付部材32に設けられている穴32hと、ラグ203に設けられている「かん穴203h」とに「ばね棒(不図示)」が挿通され、ばね棒の両端がカバー部320に設けられた係止穴320hに係止されることで軸支されている。
  ここで、機器本体2と第1バンド部30との接続は、機器本体2の斜辺となる表示部カバー体202の上底202e(表示窓200aの上底200e)と、接続部としてのカバー部320および取付部材32の斜辺となる端部320e,32eと、を対面させた斜め継ぎ(図1参照)で接続されている。
  取付部材32およびカバー部320は、ケース部200に設けられている表示窓200aの上底200eに沿って形成されている。また、測定機器1には、第1バンド部30(端部320e,32e)と機器本体2(上底200e)との間に有底の溝290を有する。溝290が設けられていることで、後述するベルト部34が伸縮した際に、ケース部200と取付部材32およびカバー部320が接触し、摩耗することを抑制することができる。
  (ベルト部34)
  図6(a)および図6(b)に示すベルト部34は、機器本体2を被検体の手首等に密着して装着するため伸縮性を有する。ベルト部34は、ポリウレタン樹脂またはシリコーン樹脂を含む材料を用いることで、その材料の特性によって、伸縮性および可撓性を備えている。
  ベルト部34は、第1バンド部30が機器本体2から延出する方向(第1の方向で図4(a)に示すY1方向)と交差する方向(第2の方向で図6(a)に示すX方向)の断面(図6(a)に示す線分E−E’における断面)において、幅30W方向の中央部分の厚み(図6(b)に示すZ方向)が増して設けられている。ベルト部34は、幅30W方向における中央部分の厚みが増して設けられていることで、伸縮時の強度および屈曲時の強度を確保している。
  ベルト部34には、第2バンド部40に設けられたフック部410が係止される子穴330が設けられている。子穴330は、幅30W方向(第2の方向で図6に示すX方向)に並列に、かつベルト部34が延伸する方向(第1の方向で図6に示すY方向)に行を成し整列して設けられている。
  子穴330は図6(b)に示すように、ベルト部34の表面34a側に設けられた穴331と、ベルト部34の裏面34b側に設けられた穴332が同軸に設けられている。
  子穴330は、ベルト部34の幅30W方向(X方向)を長軸(長径)とし、直交する機器本体2から第1バンド部30が延出する方向(Y方向)を短軸(短径)とする楕円形状を有する。子穴330の長軸、および当該長軸と直交する短軸は、穴331と比して穴332の方が長く(大きく)設けられている。
  (連結部310)
  連結部310は、ベルト部34の他端側(図6(a)に示すY1方向)に設けられている。
  ベルト部34の他端側には、子穴330が設けられている部分と比してベルト部34の厚みを増した肉厚部345を有している。連結部310は、当該ベルト部34の厚みを増した肉厚部345に設けられている。連結部310には、第2バンド部40を挿通する挿通穴312と、第2バンド部40に設けられている子穴430(図7参照)に挿通される突棒314が設けられている。
  連結部310においてバンド挿通穴312は、機器本体2から第1バンド部30が延出する方向(図6(a)に示すY1方向)と交差する方向(図6(a)に示すY2方向)の幅312Wは、第2バンド部40の幅40W(図7参照)より広く設けられている。
  より詳しくは、後述する突棒314が係止される係止穴312hが設けられた一辺側(図6(a)に示すY2側)の幅より、後述する凹部312cが設けられている一辺側(図6(a)に示すY1側)の幅が広く設けられている。
  バンド挿通穴312は、Y1側の幅が広く設けられていることで第2バンド部40を容易に挿通することができる。また、第2バンド部40を幅が広く設けられているY1側のバンド挿通穴312の縁に接触させてY2側に引っぱり、第2バンド部40を伸長することで機器本体2の手首への密着性を高め、第2バンド部40(ベルト部44)の復元力による締め付けを調整することができる。
  突棒314は、バンド挿通穴312の内縁でY2側の一辺に設けられている係止穴312hと、当該突棒314に設けられている穴(不図示)と、を挿通する「ばね棒(不図示)」によってベルト部34に軸支されている。突棒314は、バンド挿通穴312の内縁でY1側の一辺に設けられている凹部312cに、その一部が嵌合されることでベルト部34に係止されている。
  突棒314は、バンド挿通穴312の内縁でY2側の一辺側から2つの棒部3141,3142がY1方向に延設されている。また、突棒314は、棒部3141,3142が延伸するY1方向と交差するベルト部34の幅30W方向(図6(a)に示すX方向)に連絡棒3143が設けられている。突棒314を構成する棒部3141,3142の断面形状は、扁平形を有する。突棒314は扁平形を有することで、子穴430に挿通された際の接触面積を大きくすることができ、子穴430が伸長されることを抑制するとともに、本実施形態のバンド3によって被検体に装着された測定機器1のズレを抑制することができる。
  突棒314を構成する材料は特に限定されることなく、ベルト部34,44の復元力に耐えうる材料であれば良い。本実施形態において突棒314は、その一例としてステンレス鋼が用いられている。突棒314は、ステンレス鋼を用いることでベルト部34,44の復元力に対する靱性、および耐蝕性を備えることができる。また、突棒314は、棒部3141,3142が延伸する方向(Y方向)に沿ってヘアライン加工が施されている。ヘアライン加工を施すことで、突棒314の視認性を高め、子穴430への挿入を補助することができる。
  本実施形態のバンド3は、バンド挿通穴312に第2バンド部40が挿通され、突棒314が第2バンド部40に設けられている子穴430に挿通されることで、第1バンド部30と第2バンド部40とが連結される。
  ここで、バンド3は、被検体の生体情報を測定するために、機器本体2を被検体に密着させ、その装着位置がずれないことが求められる。
  そのため、第2バンド部40には子穴430が並列に設けられ、突棒314が挿通されることで装着位置のズレを抑制している(図7参照)。連結部310は、子穴430に対応して突棒314を構成する棒部3141,3142が並列に設けられ、その間隔を連絡棒3143で保っている。これにより、突棒314はH形状を有し、棒部3141,3142の間隔を連絡棒3143によって保ちつつ、並列に設けられた子穴430に突棒314を容易に挿通することができる。
  (カバー部320)
  第1接続部としてのカバー部320は、ベルト部34の一端側(図6(a)に示すY2方向)に設けられている。カバー部320には、係止穴320hが設けられている。
  カバー部320は、取付部材32を介して第1バンド部30を機器本体2に接続するために設けられている。カバー部320の幅320Wと、機器本体2の幅2Wと、は略等しい幅を有している(図1参照)。
  より詳しくは、機器本体2から第1バンド部30が延出する方向(図1ないし図6に示すY1方向)と交差する方向(図1ないし図3、または図6に示すX方向)において、カバー部320の幅320Wと、機器本体2の幅2Wと、が略等しい幅を有している。また、カバー部320は、平行四辺形状に形成されている表示窓200aの上底200eに沿って斜辺となる端部320eを備えた形状に形成されている(図3参照)。これにより、機器本体2と第1バンド部30とが視覚的に一体に形成されているように視認することができ、装着による圧迫感を緩和することができる。また、幅方向(X方向)において第1バンド部30から機器本体2が突出していないため、装着時に被検体の衣服が機器本体2に引っかかることを抑制することができる。
  [第2バンド部の構成]
  図3および図7に示す第2バンド部40は、ベルト部44と、当該ベルト部44の一端側(機器本体2側で図3および図7(a)に示すY1方向)に設けられた第2接続部(接続部)としてのカバー部420と、他端側(機器本体2の反対側で図3および図7(a)に示すY2方向)にフック部410と、を有する。なお、図7(a)においては、フック部410が設けられる凹部410cおよび子穴440の図示を簡略化している。
  ベルト部44は表裏面を有し、以下の説明において、被検体に装着された際に手首と当接する面をベルト部44の裏面44bと称し、その反対面で装着された際に視認できる面をベルト部44の表面44aと称し、説明する。
  (機器本体2への取り付け)
  第2バンド部40は、ラグ204とカバー部320との間に取付部材42を挟み、カバー部420がラグ204を覆う様に機器本体2に取り付けられている。
  カバー部420とラグ204とは、取付部材42に設けられている穴42hと、ラグ204に設けられている「かん穴204h」とに「ばね棒(不図示)」が挿通され、ばね棒の両端がカバー部420に設けられた係止穴420hに係止されることで軸支されている。
  ここで、機器本体2と第2バンド部40との接続は、機器本体2の斜辺となる表示部カバー体202の下底202f(表示窓200aの下底200f)と、接続部としてのカバー部420および取付部材42の斜辺となる端部420f,42fとを対面させた斜め継ぎ(図1参照)で接続されている。
  取付部材42およびカバー部420は、ケース部200に設けられている表示窓200aの下底200fに沿って形成されている。また、測定機器1には、第2バンド部40(端部420f,42f)と機器本体2(下底200f)との間に有底の溝290が設けられている。溝290が設けられていることで、後述するベルト部44が伸縮した際に、ケース部200と取付部材42およびカバー部420が接触し、摩耗することを抑制することができる。
  (ベルト部44)
  図7(a)および図7(b)に示すベルト部44は、機器本体2を被検体の手首等に密着して装着するため伸縮性を有する。ベルト部44は、ポリウレタン樹脂またはシリコーン樹脂を含む材料を用いることで、その材料の有する特性によって、伸縮性および可撓性を有している。
  ベルト部44は、第2バンド部40が機器本体2から延出する方向(第1の方向で図7(a)に示すY2方向)と交差する方向(第2の方向で図7(a)に示すX方向)の断面(図7(a)に示す線分F−F’における断面)において、幅40W方向の中央部分の厚み(図7(b)に示すZ方向)が増して設けられている。ベルト部44は、幅40w方向における中央部分の厚みが増して設けられていることで、伸縮時の強度および屈曲時の強度を確保している。
  ベルト部44には、第1バンド部30に設けられた突棒314が挿通される子穴430が設けられている。子穴430は、幅40W方向(第2の方向で図7に示すX方向)に並列に、かつベルト部44が延伸する方向(第1の方向で図7に示すY方向)に行を成し整列して設けられている。
  子穴430は図7(b)に示すように、ベルト部44の表面44a側に設けられた穴431と、ベルト部44の裏面44b側に設けられた穴432が同軸に設けられている。
  子穴430は図7(b)に示すように、ベルト部44の幅40W方向(X方向)を長軸(長径)とし、直交する機器本体2から第1バンド部30が延出する方向(Y方向)を短軸(短径)とする楕円形状を有する。子穴430の長軸および直交する短軸は、穴431と比して穴432の方が長く(大きく)設けられている。
  なお、穴431,432の有する楕円形状は、前述した連結部310に設けられている突棒314の断面形状に即したものであり、その形状に合わせて適宜変更しても良い。穴431,432は、楕円形状を有することで容易に変形することができ、突棒314の挿通が簡便にできる。なお、変形後の復元力にも優れている。
  ベルト部44は図7(a)に示すように、並列に設けられた子穴430の間に符号mが付されている。符号mは、機器本体2から第2バンド部40が延出する方向(図7(a)に示すY2方向)に向かって順を成して付されている。符号mは、例えば数字の場合、機器本体2側(図7(a)に示すY1側)から順に「1,2,3,…17」と付されている。また、アルファベットの場合、機器本体2側から順に「a,b,c…」と付すことができる。アルファベットを用いた場合には、数字を用いた場合と比して、同じ文字の大きさで多くの子穴430の順列を示すことができる。すなわち、アルファベット25文字に相当する数の子穴430の順列を1文字で文字の大きさを保って示すことができる。符号mの字体は、子穴430の順番を示すことができれば特に限定されない。
  ベルト部44に符号mが付されていることで、測定機器1を手首等に繰り返し装着する際に、第1バンド部30と第2バンド部40とを連結させるため突棒314を挿通する最適な位置を容易に識別することができ、装着毎に最適な突棒314を挿通する子穴430の位置を模索することなく測定機器1を装着することができる。また、符号mは、並列に設けられた子穴430の間に付されているため、新たにスペース(領域)を設けることなく第2バンド部40に付すことができる。
  また、ベルト部44には図7(a)に示すように、後述するフック部410の基部412が嵌合される凹部400cと、基部412から延出されたピン414が挿入される子穴440と、が設けられている。
  凹部400cは、ベルト部表面44aに基部412の外周縁に沿った凹形状を有する。また、凹部400cの深さ400dは、基部412の厚み412tと略同じ寸法として設けられている。
  子穴440は図7(a)に示すように、幅40W方向(X方向)に並列に、基部412から延出されているピン414と同軸に設けられている。子穴440は、ベルト部表面44a側で凹部400cの底部に設けられた穴(不図示)と、ベルト部裏面44bに設けられた穴(不図示)と、が同軸に設けられている。
  (フック部410)
  図1ないし図3、または図7に示すようにフック部410は、ベルト部44の他端側(図1ないし図3、または図7に示すY2方向)に設けられている。
  図7(c)に示すようにフック部410には、基部412と、基部412から延出しているピン414が設けられている。ピン414は、第1軸部416と、第2軸部418と、を含み構成されている。フック部410は、第1バンド部30に設けられている子穴330にピン414を挿入することで、連結部310に挿通された第2バンド部40を第1バンド部30に係止する部材である。
  フック部410には、ベルト部34の幅30Wの方向(図1ないし図3に示すX方向)に並列に設けられている子穴330の間隔に合わせて複数のピン414が設けられている。
  ピン414は、第2バンド部40に設けられた子穴440、および第1バンド部30に設けられた楕円形状を有する子穴330に挿入されるため、断面形状は楕円形状を有する。ピン414は、ベルト部34の幅30W方向(ベルト部44の幅40W方向)を長軸(長径)とし、直交する機器本体2から第2バンド部40が延出する方向(Y方向)を短軸(短径)とする楕円形状に形成されている。
  フック部410には、基部412からピン414を構成する第1軸部416が突出する様に設けられている。また、第1軸部416の一端(図7に示すZ2方向で、第1軸部416が延出する基部412とは反対側の一端)には、第2軸部418が設けられている。
  第1軸部416には、第1頭部417が設けられている。第1頭部417は、第1軸部416が延出する基部412とは反対側(図7に示すZ2方向)に設けられている。第1頭部417には、第2軸部418が設けられる側(図7に示すZ2方向)の外周縁に曲面417rを有する。
  第1頭部417の径は、第1軸部416の径と比べて大きく設けられている。また、第1頭部417の径は、穴441の径と比べて大きく、穴442の径と比べて小さく設けられている。
  また、第2軸部418には、第2頭部419が設けられている。第2頭部419は、第2軸部418が延出する第1軸部416とは反対側(図7に示すZ2方向)に設けられている。第2頭部419は、第1軸部416が設けられている側とは反対側(図7に示すZ2方向)の外周縁に曲面419rを有する。
  第2頭部419の径は、第2軸部418の径と比べて大きく設けられている。
  また、第1頭部417の径は、先端部318が挿入される子穴330に設けられた穴331の径と比べて大きく、穴332の径と比べて小さく設けられている。
  ここで基部412の厚み(ピン414が延出する方向で、図7に示すZ方向の厚み)と、ピン414の長さ(ピン414が延出する方向で、図7に示すZ方向の長さ)は、子穴440および穴331(子穴330)の深さによって決定される。
  本実施形態の基部412の厚み412tは、凹部400cの深さと略等しい。第1軸部416の軸部分の長さ416Lは、穴441の深さ(長さ)と略等しい。第1軸部416の第1頭部417の長さ(厚み)417Lは、穴442の深さ(長さ)と略等しい。第2軸部418の軸部分の長さ418Lは、穴331の深さ(長さ)と略等しい。第2軸部418の第2頭部419の長さ(厚み)419Lは、穴332の深さ(長さ)と略等しい。
  フック部410は、ベルト部44の表面44aに設けられている凹部410cにフックベース412が嵌合される。さらに、フック部410は、ベルト部44の幅40W方向に並列に設けられた子穴440に、フックベース412から延出するピン414が挿入されることでベルト部44に設けられる。フック部410は、ベルト部44に設けられた際に、第2軸部418がベルト部44の裏面44bから突出する様に設けられている。第2軸部418は、ベルト部44から突出されていることで、第1バンド部30(ベルト部34)に設けられている子穴330に挿入することができる。
  これにより、穴441に挿通された第1軸部416は、穴441に第1頭部417が引っかかり、ベルト部44からフック部410が脱離することを抑制することができる。
  より詳しくは、第1頭部417に設けられた曲面417rによって、第1軸部416を穴441に挿通する際に生じる接触抵抗を低減することができる。なお、基部412側の第1頭部417には、曲面417rが設けられていないため、第1軸部416を穴441から引き抜く際は挿通時より大きな力が必要となる。よって、フック部410がベルト部44から脱離することを抑制することができる。
  また、子穴330に挿入された第2軸部418は、第2頭部419が第1バンド部30に設けられている穴331に引っかかり、第1バンド部30に第2バンド部40を係止することができる。また、第1バンド部30に係止された第2バンド部40が脱離することを抑制することができる。
  より詳しくは、第2頭部419に設けられた曲面419rによって、第2軸部418を穴331に挿入する際に生じる接触抵抗を低減することができる。なお、第1軸部416側の第2頭部419には、曲面419rが設けられていないため、第2軸部418を穴331から引き抜く際は挿入時より大きな力が必要となる。よって、第1バンド部30に係止された第2バンド部40が脱離することを抑制することができる。
  (カバー部420)
  第2接続部としてのカバー部420は、ベルト部44の一端側(図7(a)に示すY1方向)に設けられている。カバー部420には、係止穴420hが設けられている。
  カバー部420は、取付部材42を介して第2バンド部40を機器本体2に接続するために設けられている。カバー部420の幅420Wと、機器本体2の幅2Wと、は略等しい幅を有している(図1参照)。
  より詳しくは、機器本体2から第2バンド部40が延出する方向(図1ないし図3または図6に示すY1方向)と交差する方向(図1ないし図3、または図7に示すX方向)において、カバー部420の幅420Wと、機器本体2の幅2Wと、が略等しい幅を有している。また、カバー部420は、平行四辺形状に形成されている表示窓200aの下底200fに沿って斜辺となる端部420fを備えた形状に形成されている(図3参照)。これにより、機器本体2と第2バンド部40とが視覚的に一体に形成されているように視認することができ、装着による圧迫感を緩和することができる。また、幅方向(X方向)において第2バンド部40から機器本体2が突出していないため、装着時に装着者の衣服が機器本体2に引っかかることを抑制することができる。
  (機器本体2の動作)
  機器本体2は、センサー部280によって被検体の生体情報の一つでる脈拍を検出することができる。生体情報(脈拍)の検出は、センサー部280に設けられているセンサーユニット282を間欠的に機能させることでおこなうことができる。
  センサーユニット282で検出された生体情報は、処理部240に伝送され、各種情報処理がおこなわれる。情報処理がおこなわれた生体情報は、表示部220への表示や、処理部240に備えられた記憶装置に記録される。記録された生体情報は、機器本体2と測定機器1を構成する受信装置(不図示)との間を無線通信、もしくは通信端子266を介した有線通信によって機器本体2の外部に送信することができる。
  ここで、脈拍などの生体情報は、被検体の活動によって、その値と、経時に伴う値の変化が大きく異なる。例えば、脈拍は、被検体が就寝している時は経時に伴う値の変化が少ない。他方、被検体が運動(歩行やジョギングなど)している時は経時に伴う値の変化が大きい。
  生体情報として脈拍を測定する場合、経時(時間経過)にともなう脈拍の変化を捕捉することが肝要である。したがって、経時にともなう脈拍の変化が少ない時に連続、もしくは短い周期で脈拍を検出しても生体情報として利用価値が低い。また、経時にともなう脈拍の変化の大きい時に脈拍を間欠的に検出しても脈拍の変化を捉えることができなく、有用な生体情報を得られない。
  連続して生体情報の測定をおこなえばこれらの課題は解消するが、機器本体2に搭載されている電池262を早く消耗させ、生体情報を測定することができる期間が短くなるという課題が新たに生じる。
  そこで、本実施形態の測定機器1は、検出された脈拍に基づき、機器本体2における脈拍を検出する間隔を可変できる。すなわち、生体情報の変化が少なくなった場合には検出間隔を延ばし、生体情報の変化が大きくなった場合には検出間隔を短くする。
  具体的には、センサー部280で検出された脈拍を処理部240で解析し、被検体の脈拍が所定値(例えば、安静時の脈拍値)を下廻り、所定時間において脈拍の変動が所定の変化率の範囲であればセンサー部280による脈拍の検出間隔を長くする。また、センサー部280で検出された脈拍を処理部240で解析し、脈拍が所定値を上廻り、所定時間において脈拍が所定の変化率の範囲を超えればセンサー部280による脈拍の検出間隔を短くする。
  なお、測定機器1に検出間隔は、単にセンサー部280の動作間隔だけでなく、連続して生体情報を測定するモード、表示部220に時刻を表示するモード、表示部220の表示もおこなわないモードなどを組み合わせた態様を含むものである。
  本実施形態の測定機器1は、被検体の生体情報を処理部240で解析することで、例えば1日(24時間)に必要な生体情報の検出間隔(時間に応じた検出回数)を得ることができる。また、例えば日中の活動帯や、夜間の就寝帯など、活動に応じた生体情報の検出間隔(時間に応じた検出回数)を得ることができる。
  なお、脈拍の検出間隔、および検出間隔の変更を判断する所定値および変化率は、測定機器1が装着される被検体によって適正値が異なる。よって、被検体に応じて任意の値に操作部250を用いて設定することができる。
  したがって、脈拍(生体情報)の変化が少ない時にセンサー部280の検出動作を休止させることで電池262の消費を抑制し、1回の充電による生体情報の測定期間を延伸させることができる。
  本実施形態の測定機器1における消費電力(消費電流)について説明する。
  測定機器1において、連続して(たとえば15Hzのサンプリングレートで)生体情報としての脈拍を検出する場合(以下、「検出モード」と称す。)、おおよそ1400[μA・H]の消費電流となる。また、測定機器1において、生体情報の測定を休止して時刻等を表示する場合(操作部250による一定の操作、およびバックライト224の点灯等を含む。以下「時刻表示モード」と称する。)、おおよそ460[μA・H]の消費電流となる。さらに、測定機器1において、生体情報の測定を休止して被検体に装着されない場合(操作部250による操作などがない場合。以下「待機モード」と称する。)は、おおよそ350[μA・H]の消費電流となる。さらに、表示部220における時刻等の表示をおこなわない場合(以下、「非表示モード」と称する。)は、おおよそ14[μA・H]の消費電流となる。
  ここで、搭載される電池262(コイン型リチウムイオン電池、型式PD2032を例示する。)の容量がTyp45[mA・H](公称75[mA・H])の場合、検出モードを連続した場合には、おおよそ32時間継続することが可能である。また、時刻表示モードを連続した場合には、おおよそ98時間継続することが可能である。さらに、待機モードを連続した場合には、おおよそ129時間継続することが可能である。さらに、非表示モードを連続した場合には、おおよそ3214時間継続することができる。
  本実施形態の測定機器1は、前述した通り検出された生体情報である脈拍に基づき脈拍を検出する検出間隔(前述した各モードの組み合わせを含む。)を可変させることができる。
  例えば、測定機器1の動作は、被検体が運動をおこなっている場合、検出モードで動作する。また、測定機器1は、被検体が軽作業等をおこなっている場合、検出モードと時刻表示モードとの比率を5:5として動作する。さらに、測定機器1は、被検体が就寝など安静状態の時は、検出モードと待機モードとの比率を2:8として動作する。ここで、運動をおこなっている時間を8時間、軽作業をおこなっている時間を8時間、安静状態の時間を8時間であったとする。
  上述の被検体の活動にともなう生体情報を測定するために必要な電力(エネルギー)は、運動をおこなっている8時間で11600[μA・H]、軽作業をおこなっている8時間で9600[μA・H]、安静状態の8時間で8484[μA・H]、合計29684[μA・H]の消費電流となる。したがって、1回の充電で24時間以上連続して被検体の生体情報の測定をおこなうことができる。
  なお、測定機器1は、24時間以上連続して生体情報の測定が可能となれば、被検体の1日の活動(例えば、日中の活動時と夜間の睡眠時の1サイクル)における生体情報を得ることができる。また、36時間以上連続して生体情報の測定が可能となれば、被検体の2日分の活動時(例えば、日中の活動時と、夜間の睡眠時と、翌日の活動時)における生体情報を得ることができる。さらに、48時間以上連続して生体情報の測定が可能となれば、被検体の2日間の活動における生体情報を得ることができる。
  前述した測定機器1の動作比率は、被検体から得られた生体情報に基づき適宜変更しても良い。測定機器1の動作比率を変更することで、電池262の容量や個数を変更することなく連続して生体情報の測定をおこなうことができる時間を延ばすことができる。
  なお、測定機器1の動作比率を変更することなく、電池262の容量や個数を変更して連続して生体情報の測定をおこなうことができる時間を延ばすことができる。電池262の増量は、前述した機器本体2の厚みが16[mm]を超えない範囲でおこなうことができる。
  また、測定機器1は、電池262の残容量に応じて生体情報の検出間隔を伸長(動作比率を変更)させることができる。
  予め設定した測定期間における生体情報の測定が電池262の容量により達成することができないと処理部240が判断したときは、かかる電池262の容量に応じてセンサー部280を用いて脈拍を検出する間隔を伸長させることができる。これにより、被検体の行動が予め設定した内容と異なっても、予め設定した測定期間における生体情報の欠測を防止することができる。したがって、長時間に渡り連続して生体情報の測定をおこなうことで被検体の生活様式を客観的に分析することができる。
  (機器本体2の充電)
  本実施形態の測定機器1は、機器本体2をバンド3によって被検体に装着することで生体情報を測定することができる。そのため、機器本体2は駆動源として充電可能な電池262(2次電池)が搭載されている。電池262の充電は、機器本体2が被検体に装着されていない状態でおこなう。具体的には、ケース部200の側面に設けられた充電端子288にコネクター(不図示)を接続して充電用の電力を供給する。また、電池262の充電の制御は、処理部240に設けられた充電制御回路でおこなうことができる。
  ここで、電池262の充電量および電池262の容量は、生体情報の検出回数(測定期間)に応じた電力(エネルギー)量であることが求められる。
  電池262の充電は、例えば、24時間(1日間)生体情報の測定をおこなう場合、24時間に必要な検出間隔(検出回数)に応じた電力の充電をおこなう。24時間連続して生体情報の測定をおこなった場合の消費電流は、おおよそ33600[μA・H]となる(1時間あたり、おおよそ1400[μA・H])。したがって、電池262の充電量は、24時間連続して生体情報の測定をおこなうことができる33600[μA・H]以上とする。また、例えば、日中の活動時間帯のみ生体情報の測定をおこなう場合は、日中の活動時間帯に必要な検出間隔(検出回数)に応じた電力量の充電をおこなう。日中8時間連続して生体情報の測定をおこなった場合の消費電流は、おおよそ11200[μA・H]となる(1時間あたり、おおよそ1400[μA・H])。したがって、電池262の充電量は、8時間連続して生体情報の測定をおこなうことができる11200[μA・H]以上とする。また、電池262の充電量は、処理部240で解析された生体情報に基づき制御することができる。すなわち、処理部240で解析された被検体の活動に応じた検出間隔で測定可能な充電量とすることができる。
  これにより、生体情報を測定する期間(時間)に必要な電池262の充電量とすることができる。したがって、充電時間の短縮化、および電池262の劣化を抑制することができる。
  電池262の容量は、生体情報の測定時間および検出間隔によって選定される。例えば、活動時間帯の生体情報の測定を主とする場合には、その活動時間帯に必要な検出間隔(検出回数)に応じた容量の電池262を選択することができる。例えば、就寝時間帯の生体情報の測定を主とする場合には、その就寝時間帯に必要な検出間隔(検出回数)に応じた容量の電池262を選択することができる。すなわち、生体情報の測定を欲する被検体の状態(時間帯)に応じて電池262の容量を異ならせることで、機器本体2の軽量化を図ることができる。さらに、電池262の電気的な容量および物理的な容積に応じて機器本体2のケース部200の大きさを異ならせることで、機器本体2の小型化を図ることができる。
  上述した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
  このような測定機器1によれば、バンド3によって被検体に装着された機器本体2に設けられているセンサー部280によって、当該被検体の生体情報を測定することができる。センサー部280による生体情報の検出は、処理部240で制御されることで間欠的におこなわれる。したがって、センサー部280や処理部240に供給される電源は間欠的に消費される。よって、消費電力および電池262の消費を抑制し、測定可能な時間を長くすることができる測定機器1を実現することができる。