



この発明は、ステアリング装置に関する。 The present invention relates to a steering device.
下記特許文献1で開示された電動式パワーステアリング装置は、インプットシャフトの中央に設けた、いわゆるキーロックカラーと呼ばれる円筒部材を備えている。キーロックカラーの外周面には、孔が形成されている。運転者がキーを抜くと、コラムチューブ側から半径方向に延在するシャフトが、キーロックカラーの孔に嵌合する。これにより、インプットシャフトがコラムチューブに回転固定されて、ステアリングホイールが回転できないようになる。 The electric power steering apparatus disclosed in
特許文献1の電動パワーステアリング装置では、キーロックカラーの孔とシャフトとの嵌合によっていわゆるキーロックが働いている。この構成では、コラムチューブ内に異物が侵入してキーロックカラーの孔とシャフトとの間に入り込んでいると、シャフトとキーロックカラーの孔とが適切に嵌合しない虞がある。つまり、キーロックを適切に行うことができない虞がある。 In the electric power steering device of
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、キーリングを用いてステアリングシャフトの回転をロックさせる構成において、キーリングのキーリング溝への異物侵入を防止できるステアリング装置を提供することを目的とする。 The present invention has been made under such background, and an object of the present invention is to provide a steering device that can prevent foreign matter from entering a key ring groove of a key ring in a configuration in which the rotation of the steering shaft is locked using the key ring. To do.
請求項1記載の発明は、一端(21A)に操舵部材(4)が取り付けられるステアリングシャフト(2)と、前記ステアリングシャフトに対して一体回転可能に外嵌されたリング体であって、前記ステアリングシャフトの回転をロックさせるためのロックバー(12)を受け入れるキーリング溝(10)が外周面(8E)に形成されたキーリング(8)と、前記ステアリングシャフトが挿通された中空体であって、コンビスイッチを取り付けるための取付孔(13)が前記キーリングよりも前記操舵部材側の位置に貫通して形成されたステアリングチューブ(3)と、前記ステアリングチューブ内において前記取付孔と前記キーリングとの間に介在された状態で前記ステアリングシャフトに対して外嵌され、前記ステアリングチューブの内周面(31C)と前記ステアリングシャフトの外周面(21C)との隙間を塞ぐ環状部材(14)とを含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。 The invention according to
請求項2記載の発明は、前記ステアリングシャフトの外周面に設けられ、前記環状部材を、前記取付孔と前記キーリングとの間の位置において、前記操舵部材側だけへ離脱可能に位置決めする位置決め部(15)を含むことを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置である。
請求項3記載の発明は、前記位置決め部は、前記操舵部材側とは反対側から前記環状部材に当接する段付き(15)を含むことを特徴とする、請求項2記載のステアリング装置である。According to a second aspect of the present invention, there is provided a positioning portion (which is provided on the outer peripheral surface of the steering shaft, and positions the annular member so as to be detachable only to the steering member side at a position between the mounting hole and the key ring. 15. The steering apparatus according to
The invention according to
請求項4記載の発明は、前記環状部材は、弾性樹脂製であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のステアリング装置である。
請求項5記載の発明は、前記環状部材は、金属製であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のステアリング装置である。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。The invention according to
The invention according to
In addition, in the above, the numbers in parentheses represent reference numerals of corresponding components in the embodiments described later, but the scope of the claims is not limited by these reference numerals.
請求項1記載の発明によれば、ステアリング装置では、環状部材が、ステアリングチューブ内において、コンビスイッチを取り付けるための取付孔と、ステアリングシャフトの回転をロックさせるキーリングとの間に介在されている。また、環状部材は、ステアリングチューブの内周面とステアリングシャフトの外周面との隙間を塞いでいる。このため、異物が取付孔からステアリングチューブ内に侵入したとしても、環状部材は、異物がキーリングまで到達することを防ぐことができる。これにより、キーリング溝への異物の侵入を防止することができる。 According to the first aspect of the present invention, in the steering device, the annular member is interposed between the mounting hole for mounting the combination switch and the key ring for locking the rotation of the steering shaft in the steering tube. Further, the annular member closes a gap between the inner peripheral surface of the steering tube and the outer peripheral surface of the steering shaft. For this reason, even if a foreign material enters the steering tube from the mounting hole, the annular member can prevent the foreign material from reaching the key ring. Thereby, the penetration | invasion of the foreign material to a key ring groove | channel can be prevented.
請求項2記載の発明によれば、位置決め部は、環状部材を、操舵部材側だけへ離脱可能となるように位置決めする。ここで、ステアリングチューブが、例えばアッパーチューブと、ロアーチューブとに二分割されていて、2次衝突においてロアーチューブがアッパーチューブに対して相対移動することで2次衝突の衝撃を吸収する構成が考えられる。この場合、相対移動するロアーチューブが操舵部材側へ向けて環状部材に当接すると、環状部材は、位置決め部から操舵部材側へ離脱できる。つまり、環状部材は、2次衝突による衝撃を吸収のためステアリングチューブ(ロアーチューブ)のストロークを邪魔しないようにすることができる。これにより、2次衝突による衝撃を円滑に吸収することができる。 According to the second aspect of the present invention, the positioning portion positions the annular member so that it can be detached only to the steering member side. Here, a configuration is considered in which the steering tube is divided into, for example, an upper tube and a lower tube, and the impact of the secondary collision is absorbed by the relative movement of the lower tube with respect to the upper tube in the secondary collision. It is done. In this case, when the relatively moving lower tube contacts the annular member toward the steering member, the annular member can be detached from the positioning member toward the steering member. That is, the annular member can prevent the stroke of the steering tube (lower tube) from interfering with the shock due to the secondary collision. Thereby, the impact by a secondary collision can be absorbed smoothly.
請求項3記載の発明によれば、位置決め部を、操舵部材側とは反対側から環状部材に当接する段付きによってシンプルに構成することができる。
請求項4記載の発明によれば、弾性樹脂製の環状部材は、2次衝突において、ステアリングチューブと弾性的に接触することによって、2次衝突の衝撃を吸収できる。これにより、2次衝突における衝撃のピーク荷重を低く抑制することができる。According to invention of
According to the fourth aspect of the present invention, the elastic resin annular member can absorb the impact of the secondary collision by elastically contacting the steering tube in the secondary collision. Thereby, the peak load of the impact in the secondary collision can be suppressed low.
請求項5記載の発明によれば、金属製の環状部材は、比較的剛性が高いので、ステアリングチューブの内周面とステアリングシャフトの外周面との隙間を一定に維持することができる。これにより、2次衝突時には、2次衝突の衝撃を受けたステアリングシャフトがステアリングチューブの内周面側へ撓むことを抑制することができる。これにより、ステアリングシャフトに取り付けられたキーリングと、ロックバーとの位置関係にずれが起こりにくくなる。その結果、キーリングとロックバーとの係合が外れることを防止することができる。 According to the fifth aspect of the present invention, since the metal annular member has relatively high rigidity, the gap between the inner peripheral surface of the steering tube and the outer peripheral surface of the steering shaft can be maintained constant. Thereby, at the time of a secondary collision, it can suppress that the steering shaft which received the impact of the secondary collision bent to the inner peripheral surface side of a steering tube. This makes it difficult for the positional relationship between the key ring attached to the steering shaft and the lock bar to shift. As a result, it is possible to prevent the key ring and the lock bar from being disengaged.
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一実施形態のステアリング装置1の概略平断面図であり、図1(b)は、図1(a)の要部を拡大した図である。
図1(a)を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト2とステアリングチューブ3とを主に備えている。ステアリング装置1では、ステアリングホイール等の操舵部材4から伝達される操舵トルクにより、ステアリングシャフト2が、その中心軸まわりに回転し、この回転に連動して、図示しないタイヤ等の車輪が転舵される。なお、以下の説明では、ステアリングシャフト2の中心軸が延びる方向(図1における左右方向)を軸方向Xとする。軸方向Xに直交する方向を、上下方向Zと左右方向Yとする。上下方向Zは、図1(a)において紙面に直交する方向であり、左右方向Yは、図1(a)の紙面の上下方向である。また、紙面右側(操舵部材4側)が車体における後側であり、紙面左側が車体における前側である。Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
Fig.1 (a) is a schematic plane sectional view of the
With reference to FIG. 1A, the
ステアリングシャフト2全体は、実際には後上側へ傾斜して延びる円筒体である。ステアリングシャフト2における一方の端部(後側の端部であり、後述する端部21A)には、操舵部材4が取り付けられており、他方の端部(前側の端部)には、車輪を転舵させる転舵機構等の駆動対象(図示せず)が連結されている。そのため、駆動対象は、ステアリングシャフト2の回転に応じて駆動され、車輪を転舵させる。 The
ステアリングシャフト2は、円筒状のアッパーシャフト21と、円筒状(中実であってもよい)のロアーシャフト22とを含んでいる。アッパーシャフト21は、ロアーシャフト22よりも操舵部材4側(後側)に配置されている。アッパーシャフト21とロアーシャフト22とは、同軸状に並んでいる。アッパーシャフト21における操舵部材4側の端部(後側の端部)を一方の端部21Aとする。また、アッパーシャフト21における操舵部材4側と反対側の端部(前側の端部)を他方の端部21Bとする。また、アッパーシャフト21の外周面を外周面21Cとする。一方、ロアーシャフト22における操舵部材4側の端部(後側の端部)を一方の端部22Aとする。また、ロアーシャフト22における操舵部材4側と反対側の端部(前側の端部)を他方の端部22Bとする。また、ロアーシャフト22の外周面を外周面22Cとする。 The
アッパーシャフト21の内径(特に他方の端部21Bにおける内径)は、ロアーシャフト22の外径(特に一方の端部22Aにおける外径)とほぼ同じである。ロアーシャフト22では、その一部(一方の端部22A)がアッパーシャフト21の一部(他方の端部21B)に対して車体の前側から挿通されている。ロアーシャフト22がアッパーシャフト21に挿通されている領域(軸方向Xにおいてアッパーシャフト21の他方の端部21Bとロアーシャフト22の一方の端部22Aとの間の領域)において、アッパーシャフト21とロアーシャフト22とは、セレーション嵌合している。そのため、アッパーシャフト21がロアーシャフト22に対して軸方向Xに沿って相対移動することによって、ステアリングシャフト2全体が伸縮自在である。 The inner diameter of the upper shaft 21 (particularly the inner diameter at the
ステアリングシャフト2については、追ってさらに詳説する。
ステアリングチューブ3全体は、軸方向Xに延びる中空体である。ステアリングチューブ3には、ステアリングシャフト2が挿通されている。ステアリングチューブ3は、ステアリングシャフト2と同軸状に配置されている。ステアリングチューブ3は、円筒状のアッパーチューブ31と円筒状のロアーチューブ32とを含んでいる。アッパーチューブ31は、ロアーチューブ32よりも操舵部材4側(後側)に配置されている。アッパーチューブ31とロアーチューブ32とは、同軸状に並んでいる。 アッパーチューブ31における操舵部材4側の端部(後側の端部)を一方の端部31Aとする。また、アッパーチューブ31における操舵部材4側と反対側の端部(前側の端部)を他方の端部31Bとする。また、アッパーチューブ31の内周面を内周面31Cとする。一方、ロアーチューブ32における操舵部材4側の端部(後側の端部)を一方の端部32Aとする。また、ロアーチューブ32における操舵部材4側と反対側の端部(前側の端部)を他方の端部32Bとする。また、ロアーチューブ32の内周面を内周面32Cとする。The steering
The
アッパーチューブ31の内径は、ロアーチューブ32の外径より大きい。また、ロアーチューブ32は、その一部(一方の端部32A)がアッパーチューブ31の一部(他方の端部31B)に対して車体の前側から挿通されている。アッパーチューブ31がロアーチューブ32に対して外嵌されている領域(アッパーチューブ31の他方の端部31Bとロアーチューブ32の一方の端部32Aとの間の領域)において、アッパーチューブ31とロアーチューブ32とは、嵌合している。アッパーチューブ31の内周面31Cがロアーチューブ32の内周面32Cに対して摺動しながら軸方向Xに相対移動することによって、ステアリングチューブ3全体は伸縮自在である。 The inner diameter of the
ここで、ステアリングシャフト2全体の外周面を外周面2Aと総称する。一方、ステアリングチューブ3全体の内周面を内周面3Aと総称する。そして、ステアリングシャフト2の外周面2Aとステアリングチューブ3の内周面3Aとによって区画された空間を内部空間5とする。内部空間5は、ステアリングシャフト2の外周面2Aとステアリングチューブ3の内周面3Aとの間に位置してステアリングシャフト2を取り囲む環状空間である。 Here, the outer peripheral surface of the
アッパーチューブ31の一方の端部31A付近において、内部空間5には、軸受6が設けられている。軸受6は、アッパーチューブ31の内周面31Cとアッパーシャフト21の外周面21Cとの間に介在されている。軸受6は、アッパーチューブ31とアッパーシャフト21とを連結している。一方、ロアーチューブ32の内周面32Cとロアーシャフト22の外周面22Cとは、ロアーチューブ32の他方の端部32B側(車体の前側)において、図示しない軸受等を介して連結されている。これにより、ステアリングチューブ3は、ステアリングシャフト2を回転可能に支持している。また、アッパーシャフト21およびアッパーチューブ31は、一体となって、ロアーシャフト22およびロアーチューブ32に対して、軸方向Xに相対移動可能である。 In the vicinity of one
ここで、ロアーチューブ32は、図示しないロアーブラケットによって車体に対して固定されている。一方、アッパーチューブ31は、図示しないアッパーブラケットによって車体に対して固定されている。たとえば、アッパーブラケットには、軸方向Xに長手のテレスコ溝(図示しない)が形成されている。アッパーチューブ31とアッパーブラケットとに対して、軸(図示しない)が貫通して、この軸は、テレスコ溝に挿通されている。このため、アッパーチューブ31は、この軸がテレスコ溝に沿ってガイドされることによって、テレスコ溝に沿って動くことができる。これにより、アッパーチューブ31およびアッパーシャフト21は、前述したように軸方向Xに一体移動し、ステアリングシャフト2およびステアリングチューブ3が一度に伸縮(テレスコ)できる。これによりステアリング装置1は、いわゆるテレスコ調整が可能である。 Here, the
ここで、ステアリング装置1は、アッパーシャフト21とアッパーチューブ31との間に、ハンドルロック機構7を備えている。ハンドルロック機構7は、キーリング8とアクチュエータ9とを含んでいる。詳しくは後述するが、ハンドルロック機構7は、アクチュエータ9がキーリング8を作動させることで、ステアリングシャフト2の回転を規制することができる。ステアリングシャフト2の回転が規制された状態では、ステアリングシャフト2に連結された操舵部材4を操舵(回転)しようとしても、操舵部材4を操舵することはできない。 Here, the
図2は、ステアリング装置1の分解斜視図において、ステアリングシャフト2、キーリング8および環状部材14のみを示した図である。ここで、図2におけるステアリングシャフト2の軸方向Xは、図1の左右方向(軸方向X)と一致している。
以下では、図1に加えて図2も参照して説明する。
図2を参照して、キーリング8は、軸方向Xに延びるリング体(円環体)である。キーリング8は、ステアリングシャフト2に対して一体回転可能に外嵌(固定)されており、同軸状に配置されている。軸方向Xから見て、キーリング8の円中心部分には、円形状の中空部分8Aが形成されている。中空部分8Aは、キーリング8の内周面8Bによって区画されている。また、キーリング8の軸方向Xにおける端面をそれぞれ端面8Cと端面8Dとする。アッパーシャフト21の一方の端部21A側の端面(図2において大きく見えている端面)を端面8Cとし、反対側の端面を端面8Dとする。また、キーリング8の外周面を外周面8Eとする。キーリング8の外周面8Eの全域には、軸方向Xに延びるキーリング溝10が複数形成されている。キーリング溝10は、外周面8Eの周方向において等間隔に並んでいる。FIG. 2 is a diagram showing only the
In the following, description will be made with reference to FIG. 2 in addition to FIG.
Referring to FIG. 2, the
図1(b)を参照して、アクチュエータ9は、ケーシング11と、ロックバー12と、ソレノイド等の駆動機構(図示しない)を含んでいる。アクチュエータ9は、駆動機構が発生する駆動力によってロックバー12を駆動する。
ケーシング11は、中空体である。ここで、アッパーチューブ31の外周面を外周面31Dとする。ケーシング11は、アッパーチューブ31の外周面31Dに対して径方向外側(図1における上側)から取り付けられている。ケーシング11においてアッパーチューブ31の外周面31Dと対向する面(外周面31Dとの接続面)には、挿通孔11Aが形成されている。一方、アッパーチューブ31の外周面31Dにおいてケーシング11の挿通孔11Aと対向する位置には、貫通孔31Eが形成されている。貫通孔31Eは、アッパーチューブ31を径方向に貫通している。よって、貫通孔31Eは、内部空間5と連通している。また、貫通孔31Eは、軸方向Xにおいて、キーリング8とほぼ同じ位置にあり、径方向外側からキーリング8の外周面8Eを臨んでいる。また、貫通孔31Eは、挿通孔11Aと連通している。Referring to FIG. 1B, the
The
ロックバー12は、たとえば板状に形成されており、板厚方向(図1(b)では上下方向Z)から見て、軸方向Xおよび左右方向Yに対して傾斜する方向(傾斜方向Sということにする)に延びる略平行四辺形である。ロックバー12は、ケーシング11内に収容されている。ロックバー12の一部は、挿通孔11Aから突出している。ロックバー12の挿通孔11Aから突出している部分を先端部12Aとする。また、ロックバー12の板厚(図1では紙面の厚さ方向における寸法)は、キーリング8の各キーリング溝10の周方向における幅W(図2参照)よりも小さい。このため、ロックバー12の先端部12Aはキーリング溝10に入り込むことが可能である。なお、前述したように、キーリング8と貫通孔31Eとは、軸方向Xにおいてほぼ同じ位置(正確には、貫通孔31Eは、キーリング8よりも車体の後側)に設けられている。 The
駐車を終えた運転者が、車両のキーを抜くと、前述した駆動機構(図示せず)から伝達された駆動力によって、ロックバー12は、所定の傾斜方向Sに沿って内部空間5内へスライドする。ロックバー12が内部空間5内へ目一杯スライドすると、ロックバー12の先端部12Aは、キーリング溝10内まで到達する。このとき、キーリング溝10は、ロックバー12を受け入れた状態となる。図1(b)では、この状態におけるロックバー12を2点鎖線で示している。この状態では、ステアリングシャフト2が回転しようとしても、キーリング8において(ロックバー12を受け入れている)キーリング溝10を周方向から区画する壁面10Aと、ロックバー12の先端部12Aとが当該周方向において当接するので、ステアリングシャフト2の回転がロックされる。つまり、ロックバー12は、ステアリングシャフト2の回転をロックさせる。この状態では、運転者は、操舵部材4を操舵してもステアリングシャフト2を回転させる(換言すれば、車輪を転舵させる)ことができない。 When the driver who has finished parking removes the key of the vehicle, the
ここで、ステアリングチューブ3(アッパーチューブ31)において、キーリング8(換言すれば、貫通孔31E)よりも軸方向Xにおける操舵部材4側(車体の後側)の位置には、図示しないコンビスイッチ(ウィンカー等を動作させるためのコンビネーションスイッチ)を取り付けるための取付孔13が形成されている。ちなみに、取付孔13が形成されている位置は、軸受6よりも車体の前側である。取付孔13は、アッパーチューブ31を径方向に貫通している。このため、取付孔13は、内部空間5と連通している。また、コンビスイッチ用の取付孔13は、例えば、アッパーチューブ31において、アッパーチューブ31の中心を挟んで対称となる2箇所に1つずつ設けられている。 Here, in the steering tube 3 (upper tube 31), a combination switch (not shown) is provided at a position closer to the steering
ここで、ステアリング装置1の組み付けの際等に、取付孔13からゴミ等の異物が侵入した場合を考える。異物は、取付孔13からステアリングチューブ3内(内部空間5)に侵入する。内部空間5は、ステアリングシャフト2の外周面2Aとステアリングチューブ3の内周面3Aによって区画されているし、ステアリングチューブ3における取付孔13よりも車体の後側には、軸受6が設けられている。このため、完成したステアリング装置1が実際に使用されている場合において、内部空間5に残っている異物は、内部空間5において、取付孔13から、キーリング8が設けられている前側へ向かうものと想定される。ロックバー12の先端部12Aがキーリング8のキーリング溝10と嵌合していない状態(図1(b)における実線のロックバー12を参照)では、異物がキーリング溝10に入り込む虞がある。異物がキーリング溝10に入り込んでしまうと、運転者がキーを抜いても、ロックバー12の先端部12Aがキーリング溝10に入り込むことはできない。結果として、ハンドルロック機構7は、ステアリングシャフト2の回転をロックするための動作ができなくなる。 Here, a case where foreign matter such as dust enters from the mounting
そこで、ハンドルロック機構7が動作しなくなることを未然に防ぐため、ステアリングシャフト2には、環状部材14が設けられている。詳しくは後述するが、環状部材14は、アッパーチューブ31(ステアリングチューブ3)の内周面31Cとアッパーシャフト21(ステアリングシャフト2)の外周面21Cとの間の隙間(内部空間5)を塞ぐ部材である。環状部材14は、異物がキーリング8に到達することを防止することができる。 Therefore, an
図3は、ステアリング装置1の要部の斜視図であって、ステアリングチューブ3を点線で示している。ここで、図3におけるステアリングシャフト2の軸方向Xは、図1の左右方向(軸方向X)と一致する。
以下では、図1〜2に加えて図3も参照して説明する。
まず、図2を参照して、環状部材14は、軸方向Xに延びたリング体(円環体)である。そのため、環状部材14の円中心部分には、軸方向Xから見て円形状をなす中空部分14Aが形成されている。中空部分14Aは、環状部材14の内周面14Bによって区画されている。また、環状部材14の軸方向Xにおける両側の端面のうち、図2において大きく見えている端面を端面14Cとし、他方の端面を端面14Dとする。軸方向Xから見て、端面14Cと端面14Dとは、重なっている。そして、端面14Cの外周と端面14Dの外周とを結ぶ面を外周面14Eとする。FIG. 3 is a perspective view of a main part of the
In the following, description will be made with reference to FIG. 3 in addition to FIGS.
First, referring to FIG. 2, the
図3を参照して、環状部材14は、ステアリングチューブ3内においてステアリングシャフト2に対して一体回転可能に外嵌(固定)されている。環状部材14は、中空部分14Aに対してステアリングシャフト2が挿通された状態で、ステアリングシャフト2と同軸状に配置されている。
図1(b)も参照して、環状部材14は、軸方向Xにおいて、キーリング8(換言すれば、貫通孔31E)と、(コンビスイッチを取り付けるための)取付孔13との間に介在されている。この状態で、環状部材14の外周面14Eは、アッパーチューブ31の内周面31Cと全周に亘って接している。また、環状部材14の内周面14Bは、アッパーシャフト21の外周面21Cと全周に亘って接している。つまり、環状部材14は、内部空間5を取付孔13側とキーリング8側とに分離している。そのため、取付孔13から内部空間5に異物が侵入しても、異物はキーリング8まで到達することがない。つまり、異物が取付孔13からステアリングチューブ3内に侵入したとしても、環状部材14は、異物がキーリング8まで到達することを防ぐことができる。これにより、キーリング溝10への異物の侵入を防止することができる。その結果、ハンドルロック機構7が動作しなくなるような不具合を回避することができる。Referring to FIG. 3, the
1B, the
ここで、アッパーシャフト21の外周面21Cの外径は、キーリング8が取り付けられている部分(取付部分21Dとする)よりも車体の後側に向けて少しずつ小さくなっている。具体的には、アッパーシャフト21の取付部分21Dより後側における外周面21Cには、傾斜部分21Eと、平坦部分21Fと、設置面21Gと、当接面21Hとが形成されている。 Here, the outer diameter of the outer
傾斜部分21Eにおける外周面21Cの外径は、車体の後側に向かって徐々に小さくなっている。平坦部分21Fにおける外周面21Cの外径は、一定である。そして、傾斜部分21Eと平坦部分21Fとは、複数存在し、アッパーシャフト21の一方の端部21Aへ向けて、軸方向Xに交互に並んで形成されている(図1(a)参照)。そのため、アッパーシャフト21の外周面21Cにおいて傾斜部分21Eと平坦部分21Fとが交互に形成された部分は、一方の端部21Aへ向けて徐々に縮径されている。 The outer diameter of the outer
設置面21Gは、最も前側の傾斜部分21Eから連続して前側へ延びていて、設置面21Gの外径は、一定である。設置面21Gに対して環状部材14の内周面14Bが径方向外側から圧入状態で面接触している。当接面21Hは、設置面21Gの前端からアッパーシャフト21の径方向外側へ延びる円環状であり、取付部分21Dの後端につながっている。 The
ステアリングシャフト2の外周面2Aにおいて、当接面21Hと、取付部分21Dにおいて当接面21Hに隣接する部分とは、設置面21Gから盛り上がった段付き15となっている。軸方向Xにおいて、段付き15および設置面21Gは、取付孔13とキーリング8との間の位置に設けられている。そして、段付き15の当接面21Hは、軸方向Xにおいて車体の後側を向いていて、環状部材14における一方の端面(ここでは、端面14D)に対して前側(操舵部材4側とは反対側)から当接している。このように、段付き15は、取付孔13とキーリング8との間の位置において、環状部材14を操舵部材4側(車両の後側)だけへ離脱可能となるように軸方向Xに位置決めする位置決め部として機能している。この場合、ステアリング装置1の組み立て工程において、環状部材14は、ステアリングシャフト2に対して、操舵部材4側(車体の後側)から外嵌されることによって組み付けられる。このように、操舵部材4側とは反対側から環状部材14に当接する段付き15は、位置決め部をシンプルに構成することができる。 In the outer
図4は、2次衝突において、ロアーチューブ32が環状部材14に当接した状態におけるステアリング装置1の概略平断面図である。
以下では、図1〜3に加えて図4も参照して説明する。
まずは、図1(a)を参照して、前述したように、アッパーシャフト21とアッパーチューブ31とは、軸方向Xに一体的に移動し、これにより、ステアリングシャフト2およびステアリングチューブ3のそれぞれは、軸方向Xに伸縮可能である。FIG. 4 is a schematic plan sectional view of the
Hereinafter, description will be made with reference to FIG. 4 in addition to FIGS.
First, referring to FIG. 1A, as described above, the
2次衝突において、操舵部材4からの衝撃がアッパーシャフト21に伝達されると、アッパーシャフト21およびアッパーチューブ31は、前述したアッパーブラケットを伴って車体から離脱する。そして、アッパーシャフト21およびアッパーチューブ31は、前述した衝撃を吸収しながら、一体となって車体の前側に移動する。このとき、ロアーシャフト22およびロアーチューブ32に着目すると、ロアーシャフト22およびロアーチューブ32は、実際には静止しているが、アッパーシャフト21およびアッパーチューブ31に対して操舵部材4側(車体の後側)に相対移動していることになる(図4も参照)。 When an impact from the steering
図4では、ロアーシャフト22およびロアーチューブ32の相対移動により、ロアーチューブ32の一方の端部32Aが、環状部材14の端面14Dと当接している。このとき、環状部材14には、ロアーチューブ32の一方の端部32Aによって後側へ押圧される。これによって、環状部材14は、位置決め部(段付き15)から操舵部材4側(車体の後側)へ向かって離脱する。そのため、ロアーチューブ32は、アッパーシャフト21に対して、環状部材14が設けられている位置よりも後側まで相対移動することができる。つまり、ロアーチューブ32は、2次衝突の衝撃を吸収するために必要な距離まで相対移動することができる。このように、環状部材14は、2次衝突による衝撃を吸収のためステアリングチューブ3(ロアーチューブ32)のストロークを邪魔しないようにすることができる。これにより、2次衝突による衝撃を円滑に吸収することができる。 In FIG. 4, due to relative movement of the
環状部材14の材料としては、弾性樹脂(ポリウレタン等)が挙げられる。環状部材14の材料として弾性樹脂を用いた場合、2次衝突において、環状部材14は、ステアリングチューブ3と弾性的に接触することによって、2次衝突の衝撃を吸収できる。これにより、2次衝突における衝撃のピーク荷重を低く抑制することができる。
環状部材14の材料は、金属であってもよい。環状部材14の材料として金属を用いた場合、環状部材14は、比較的剛性が高い。このため、ステアリングチューブ3の内周面3Aとステアリングシャフト2の外周面2Aとの隙間を一定に維持することができる。これにより、2次衝突時には、2次衝突の衝撃を受けたステアリングシャフト2がステアリングチューブ3の内周面3A側へ撓むことを抑制することができる。これにより、ステアリングシャフト2に取り付けられたキーリング8と、ロックバー12との位置関係にずれが起こりにくくなる。その結果、キーリング8とロックバー12との係合が外れることを防止することができる。Examples of the material of the
The material of the
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、環状部材14を位置決めする位置決め部は、段付き15でなくてもよい。例えば、環状部材14の内径が車体の前側から後側に向かって小さくなるように、内周面14Bが徐々に縮径していてもよい。詳しくは、アッパーシャフト21の外周面21Cにおいて環状部材14が外嵌される設置面21Gを、傾斜部分21Eのようなテーパー形状とし、環状部材14の内周面14Bの形状を、ここでの設置面21Gにおけるテーパー形状に合致するように設計する。これによって、ここでの設置面21Gは、取付孔13とキーリング8との間の位置において、環状部材14を操舵部材4側(車両の後側)だけへ離脱可能となるように軸方向Xに位置決めすることができる。この場合、アッパーシャフト21の外周面21Cに段付き15を設けるための加工を施すことなく環状部材14を位置決めすることができる。The present invention is not limited to the embodiment described above, and various modifications can be made within the scope of the claims.
For example, the positioning portion for positioning the
また、この実施形態のステアリング装置1では、テレスコ調整が可能であって、テレスコによって二次衝突の衝撃を吸収できたが、テレスコ調整に加えて、チルト調整(水平方向におけるテアリングシャフト2およびステアリングチューブ3の傾き調整)が可能であってもよい。 Further, in the
1…ステアリング装置、2…ステアリングシャフト、3…ステアリングチューブ、4…操舵部材、8…キーリング、8E…外周面、10…キーリング溝、12…ロックバー、13…取付孔、14…環状部材、15…段付き、21A…一方の端部、21C…外周面、31C…内周面 DESCRIPTION OF
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