以下、本発明の実施の形態における画像形成システムについて説明する。
  [概要]
  画像形成システムは、ウェブサーバとして機能するサーバ装置と画像形成装置とを有している。サーバと画像形成装置のそれぞれとは、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークには、このほか、例えば、ユーザが利用するPC(Personal  Computer)や、ディレクトリサービスを提供する管理装置などが接続されている。
  画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi  Function  Peripheral)である。スキャナ機能では、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard  Disk  Drive)などに蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙などに印刷(プリント)する。プリンタとしての機能では、PCなどの外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置などからファクシミリデータを受信してそれをHDDなどに蓄積する。データ通信機能では、接続された外部機器との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDDなどに記憶したデータなどを共有可能にする。
  画像形成装置は、サーバにアクセスして、サーバにより提供されているウェブページを表示するウェブブラウザ機能を有している。本実施の形態において、サーバ装置は、ウェブアプリケーションを提供可能に構成されている。画像形成装置は、ウェブブラウザ機能により、サーバにアクセスし、ウェブアプリケーションに関する情報を取得し、ウェブページの表示を行うことで、ウェブアプリケーションを利用可能にすることができる。
  画像形成システムにおいて、画像形成装置には、画像形成装置で利用されるウェブアプリケーションが登録されている。画像形成装置では、ウェブアプリケーションのウェブページを表す文書に含まれるURI(統一資源識別子)に、予め設定された固定名称が含まれるか否かが解析される。URIに固定名称が含まれていれば、画像形成装置は、予め固定名称に対応付けられた所定の場所からURIに対応するデータを取得する。これにより、ウェブアプリケーションのUIを構成する画像などのデータとして他のアプリケーションなどと共通の画像等を用いることが容易に可能になり、画像形成装置におけるUIの統一性を容易に保つことができる。
  [第1の実施の形態]
  図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの構成を示すブロック図である。
  図1を参照して、画像形成システム900は、3つの画像形成装置1,201,301と、クライアントPC(以下、PCと呼ぶことがある)401と、ウェブ(Web)サーバ(サーバの一例)501と、管理装置601とを備える。
  画像形成装置1,201,301と、ウェブサーバ501と、PC401と、管理装置601とは、それぞれ、ネットワーク800に接続されている。ネットワーク800は、例えばLAN(Local  Area  Network)である。画像形成装置1,201,301と、ウェブサーバ501と、PC401と、管理装置601とは、ネットワーク800を介して互いに通信可能である。各装置は、LANケーブルなどを介してネットワーク800に接続されていてもよいし、いわゆる無線LANによりネットワーク800に接続されていてもよい。
  画像形成装置201,301は、画像形成装置1と同様の構成を有している。画像形成装置201,301は、それぞれ、画像形成装置1と異なる構成を有していてもよい。
  [画像形成装置1の構成]
  図2は、画像形成装置1を示す斜視図である。
  図2を参照して、画像形成装置1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、操作部11と、制御部20と、プリント部30と、スキャン部40とを備える。制御部20は、後述するように、CPU21(図3に示す)などを有し、画像形成装置1の動作を制御する。制御部20及びプリント部30は、画像形成装置1の筐体の内部に配置されている。
  画像形成装置1は、3つの給紙カセット3(給紙カセット3a,3b,3c)を有している。それぞれの給紙カセット3には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット3は、画像形成装置1の下部に、画像形成装置1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、プリント部30に送られる。なお、給紙カセット3の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
  排紙トレイ5は、画像形成装置1の筐体のうちプリント部30が収納されている部位の上方でスキャン部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、プリント部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
  操作部11は、画像形成装置1の上部前面(図2において正面)側に配置されている。操作部11には、ユーザにより押下操作可能な複数の操作ボタン11aが配置されている。また、操作部11には、情報をユーザに表示する表示パネル13が配置されている。表示パネル13は、例えば、タッチパネルを備えたLCD(Liquid  Crystal  Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、CPU21により制御されて表示を行う。操作部11は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作部11は、操作ボタン11aや表示パネル13がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU21に送信する。すなわち、ユーザは、操作部11に操作を行うことにより、画像形成装置1に種々の動作を実行させることができる。
  プリント部30は、大まかに、トナー像形成部(図示せず)と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。プリント部30は、トナー像形成部により形成したトナー像を用紙に転写する電子写真方式で用紙に画像を形成する。
  用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ローラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット3から給紙して、画像形成装置1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置1の筐体から排紙トレイ5などに排出する。
  トナー像形成部は、感光体、現像装置、露光装置、転写ローラなどを有している。トナー像形成部は、用紙に形成するトナー像を形成し、用紙搬送部により搬送される用紙にトナー像を転写する。
  定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
  スキャン部40は、画像形成装置1の筐体の上部に配置されている。スキャン部40は、ADF(Auto  Document  Feeder)41を有している。スキャン部40は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャン部40は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿をADF41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサによりその画像データを読み取る。
  図3は、画像形成システム900の各装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
  図3を参照して、画像形成装置1は、上述の各部のほか、HDD15と、ネットワーク部29とを有している。画像形成装置1の各部は、システムバスに接続されている。制御部20は、画像形成装置1の各部と通信可能である。
  HDD15は、ネットワーク部29を介して外部から送られた印刷ジョブのデータや、スキャン部40で読み取った画像データなどを記憶する。また、HDD15は、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラムなどを記憶する。HDD15は、1つのPC401又は複数のPCなどから送信された複数の印刷ジョブを記憶可能である。
  HDD15には、例えば、キャッシュデータベース(DB)15a、キャッシュ情報15b、及び履歴データベース15cなどが保存されている。これらの情報は、後述のようなウェブブラウザ機能に基づいて生成され記憶されるものである。HDD15には、さらに、画像データ15d、認定テーブル15e、解析テーブル15fが保存されている。これらの情報は、ウェブアプリケーション機能が実行されるときに後述のようにして利用される。
  ネットワーク部29は、例えば、NIC(Network  Interface  Card)などのハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。ネットワーク部29は、画像形成装置1をネットワーク800に接続する。これにより、画像形成装置1は、ネットワーク800に接続されているPC401やウェブサーバ501などの外部装置と通信可能になる。画像形成装置1は、PC401やウェブサーバ501などから印刷ジョブを受信可能である。また、画像形成装置1は、スキャン部40で読み取った画像データを、PC401に送信したり、メールサーバ(図示せず)などを介してE−mailにより送信したりすることができる。なお、ネットワーク部29は、無線通信によりネットワーク800に接続可能に構成されていてもよい。
  制御部20は、CPU21と、ROM23と、RAM25とを有している。制御部20は、操作部11、プリント部30、及びスキャン部40などとともにシステムバスに接続されている。これにより、制御部20と画像形成装置1の各部とが、信号を送受可能に接続されている。
  CPU21は、ROM23に記憶された制御プログラム23aや、RAM25又はHDD15などに記憶された制御プログラム(図示せず)などを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を制御する。CPU21は、操作部11から操作信号が送られたり、PC401などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム23aを実行する。これにより、ユーザによる操作部11の操作などに応じて、画像形成装置1の所定の機能が実行される。
  ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash  Memory)である。ROM23には、画像形成装置1の動作を行うために用いられるデータが記憶されている。ROM23には、種々の制御プログラム23aや画像データ23dが記憶されている。ROM23には、画像形成装置1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU21は、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
  RAM25は、CPU21のメインメモリである。RAM25は、CPU21が制御プログラム23aを実行するときに必要なデータなどを記憶するのに用いられる。
  スキャン部40は、上述のように、スキャナ機能を実行し、原稿から画像データを読み取る。スキャン部40により読み取られた画像データは、CPU21によりアプリケーションデータ形式に変換され、HDD15などに記憶される。CPU21は、HDD15などに記憶された画像データを、PC401などに送信可能である。
  [ウェブサーバ501の構成]
  図3を参照して、ウェブサーバ501は、制御部520と、HDD515とを有している。制御部520は、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)などで構成されており、ウェブサーバ501の制御を行う。
  HDD515は、ウェブサーバ501の制御プログラム(図示せず)や、種々の情報を記憶する。制御部520が、制御プログラムに基づいてウェブサーバ501の制御を行うことで、ウェブサーバ501のウェブサーバ機能やその他の機能が実行される。ウェブサーバ501は、ウェブサーバとしての機能や、ファイルサーバとしての機能を実行可能である。また、ウェブサーバ501は、電子メールの送信サーバとしての機能や、画像をファクシミリにより送信する機能などを実行可能である。
  本実施の形態において、HDD515には、ページ情報(ウェブページを表す文書の一例)515aと、画像データ515bと、ジョブデータ515cとが記憶されている。ページ情報515aは、例えばHTML(Hyper  Text  Markup  Language)などのマークアップ言語により記述された文書データである。画像データ515bは、例えば、ページ情報に基づいて表示されるウェブページにおいて用いられるものである。ジョブデータ515cは、画像形成装置1,201,301などで実行可能な印刷ジョブなどのデータである。
  [管理装置601の説明]
  管理装置601は、LDAP(Lightweight  Directory  Access  Protocol)やActive  Directory(登録商標)などのディレクトリサービスを提供するサーバである。管理装置601は、制御部620と、HDD615とを有している。制御部620は、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)などで構成されており、管理装置601の制御を行う。
  HDD615は、管理装置601の制御プログラム(図示せず)や、ディレクトリサービスを提供するための情報を記憶する。HDD615には、認証データベース615aが記憶されている。認証データベース615aでは、画像形成システム900を利用するユーザを認証するための認証情報が管理されている。
  [ユーザ認証の説明]
  本実施の形態において、ユーザは、画像形成装置1を介して行われるユーザ認証機能により、画像形成装置1にログインして画像形成システム900を利用することができる。
  ユーザ認証機能は、例えば以下のようにして実現されている。すなわち、認証データベース615aには、ユーザ認証可能なユーザの情報とそのユーザの認証に必要な認証情報とが対応付けられて記録されている。認証情報は、例えばユーザ毎に設定されたパスワードである。認証データベース615aには、各ユーザについて実行を許可する機能に関する情報が、そのユーザに対応付けて記録されている。
  ユーザ認証機能では、まず、ユーザに、ユーザ認証画面61(図4に示す。)が提示される。ユーザ認証画面61は、表示パネル13に表示される。ユーザは、操作部11を操作し、画像形成装置1にそのユーザの情報(例えば、アカウント名など)とパスワードとを入力する。操作部11にこれらの情報が入力されると、CPU21は、入力されたデータを管理装置601に送信する。管理装置601では、制御部620が認証データベース615aを参照し、受信したデータに基づいて、そのユーザの認証可否を判断する。認証可能であれば、管理装置601は、そのユーザについて認証成立とし、画像形成装置1に認証結果を送信する。画像形成装置1では、認証結果を受信し、認証が成立した認証ユーザについて実行を許可されている機能を実行可能とする。このとき、認証ユーザは画像形成装置1にログインした状態になる。これにより、画像形成装置1は、画像形成装置1を用いるユーザを識別できる。ユーザ認証機能を用いることにより、表示パネル13の表示や利用可能な機能などを認証されたユーザに適合するものにして、画像形成装置1の利便性を高められる。また、他のユーザの目に触れないようにして、認証されたユーザが画像形成装置1の近くにいるときに印刷物を出力できるなど、高いセキュリティ効果が得られる。
  図4は、ユーザ認証画面61の一例を示す図である。
  図4を参照して、ユーザ認証画面61には、入力エリア61a,61bと、ログインボタン61cと、バックボタン61fとが配置されている。入力エリア61aは、ユーザのアカウント名が入力されるエリアである。入力エリア61bは、ユーザのパスワードが入力されるエリアである。ログインボタン61cは、入力エリア61a,61bに入力されたデータに基づいて、ユーザ認証を行うためのボタンである。バックボタン61fは、ユーザ認証画面61から通常の画像形成装置1のメニュー画面などに画面を遷移させるためのボタンである。
  ユーザにより、操作部11を通じて、これらの入力エリア61a,61bに適切にアカウント名及びパスワードが入力された状態で、ログインボタン61cを押下する操作が行われると、入力されたデータが管理装置601に送信される。これにより、ユーザは、ユーザ認証を行うことができる。
  ユーザ認証により、画像形成装置1は、画像形成装置1を使用するユーザを識別可能である。また、画像形成装置1において、CPU21は、画像形成装置1の機能について、識別したユーザに応じて、ユーザの使用権限に関する管理(権限管理)を行う。権限管理を行うことで、ユーザ毎に、所定の機能の使用を制限することができ、高いセキュリティ効果が得られる。
  なお、ユーザ認証の方式は上記に限られるものではなく、公知の方法を適宜採用することができる。認証情報の参照先や認証を行う主体などは、上記のものとは異なっていてもよい。例えば、画像形成装置1自身がユーザ認証を行うための認証情報を保有しており、画像形成装置1がユーザからの認証要求を受け付けて、認証情報に基づいて、そのユーザを認証してもよい。また、例えば接触式・非接触式のIDカードを用いたカード認証方式や、ユーザの指紋情報や静脈情報などを利用した生体認証方式などを採用し、ユーザにアカウント名などの情報やパスワードの入力を要求しないようにしてもよい。
  ユーザは、画像形成装置1などを介して画像形成システム900にログインし、各画像形成装置1,201,301などがそれぞれ、画像形成システム900にログインしているユーザを識別できるようにしてもよい。権限管理は、画像形成システム900の全体で行われるようにしてもよい。このとき、例えば管理装置601が、画像形成システム900で使用可能な機能やアクセス可能な場所について、ユーザの使用権限に関する情報を各装置に提供するようにしてもよい。
  [プルプリント機能の説明]
  画像形成システム900において、画像形成装置1は、ウェブサーバ501に記憶されたジョブデータ515cに基づいて、プルプリントにより印刷を行うことができる(プルプリント機能)。
  図5は、画像形成システム900におけるプルプリント機能の一例について説明するブロック図である。
  図5を参照して、プルプリントについてより詳しく説明する。ユーザは、プルプリントを行う前に、PC401から、ジョブデータ515cをウェブサーバ501に送信する。ジョブデータ515cは、例えば、各画像形成装置1が処理可能なページ記述言語(PDL;Page  Description  Language)で記述されたデータである。画像形成装置1は、ジョブデータ515cを印刷ジョブの情報として解釈し、制御部20などで実現されるRIP(Raster  Image  Processor)によりジョブデータ515cに応じてラスタイメージを生成するなどして、印刷を行うことができる。
  ジョブデータ515cは、例えば、以下のようにして生成されてウェブサーバ501に記憶される。すなわち、PC401は、HDD415と、CPU(図示せず)が制御プログラムを実行することなどにより実現されるドライバ部455とを有している。ユーザは、例えばPC401でアプリケーションプログラムを動作させ、HDD415に記憶されている文書データ480をウェブサーバ501に送るための指示をPC401に行う。ユーザからの指示に応じて、ドライバ部455は、文書データ480をジョブデータ515cに変換し、ジョブデータ515cを印刷ジョブとしてウェブサーバ501に送信する。すなわち、プルプリントが行われる際、生成されたジョブデータ515cは、直接画像形成装置1に送信されるのではなく、いったんウェブサーバ501にスプールされる。ウェブサーバ501の制御部520は、送信されたジョブデータ515cを、HDD515に保存する。HDD515には、例えばBOXと呼ばれるデータ格納用の、複数の区画が設けられている。ジョブデータ515cは、いずれかのBOXに保存される。各BOXには、アクセスなどを行えるユーザを制限するアクセス権限が設定されている。例えば、あるBOXについてのアクセス権限は、特定のユーザが画像形成装置1にログインしているときに、そのユーザが、そのBOXに、画像形成装置1からアクセスしたりデータを保存したりできるように、設定されている。
  ウェブサーバ501は、ジョブデータ515cが送信されたとき、送信されたジョブデータ515cについて、ジョブ状況テーブル515eを更新する。ジョブ状況テーブル515eは、例えば、各ジョブデータ515cの実行状況に関する情報を含むものである。
  ジョブデータ515cがウェブサーバ501のHDD515に記憶されている状態で、画像形成装置1においてプルプリントを実行する旨の指示が受け付けられると、画像形成装置1は、ウェブサーバ501と通信して、ジョブデータ515cを取得する。画像形成装置1は、ジョブデータ515cを取得すると、その印刷ジョブを実行し、印刷物を出力する。ここで、プルプリントを実行する旨の指示は、画像形成装置1の制御部20がプルプリントを行うための制御プログラム23aを実行することで受け付け可能であってもよいし、後述のようにウェブアプリケーションが実行されることで受け付け可能であってもよい。
  プルプリントは、例えば、ユーザがプルプリントの出力先となる画像形成装置1へログインしているときに行われる。ユーザがログインした画像形成装置1において、ユーザによりプルプリントを実行する旨の操作が行われると、ユーザ自身が画像形成装置1の側にいる状態で印刷物が出力される。このようにプルプリントが実行されることで、高いセキュリティ効果が得られる。本実施の形態において、画像形成装置201,301も画像形成装置1と同様の構成及び機能を有しており、画像形成装置201,301でプルプリントを行うことが可能である。ユーザは、画像形成装置1などにログインしたとき、印刷を行う画像形成装置1,201,301を選択できるようにしてもよい。例えば、画像形成装置1にログインしたとき、印刷先として画像形成装置1,201,301のいずれかを指定できるようにしてもよい。
  [ウェブブラウザ機能の説明]
  画像形成装置1のウェブブラウザ機能は、ウェブブラウザ(文書取得手段の一例;解析手段の一例;生成手段の一例;データ取得手段の一例)により、ウェブサーバ501により提供されているウェブページが表示パネル13に閲覧可能に表示される機能である。ウェブブラウザは、ウェブサーバ501にアクセスして、ウェブサーバ501により提供されているウェブページの情報を取得する。
  図6は、ウェブブラウザ機能を説明する図である。
  図6を参照して、画像形成装置1において、ウェブブラウザ53は、CPU21が所定の制御プログラム23aを起動することにより起動されて動作する。ウェブブラウザ53は、例えば、機能選択画面63が表示パネル13に表示されている状態で、操作部11を介してユーザの所定の操作指示があったとき、それに応じて起動される。
  機能選択画面63は、CPU21の制御に基づいて、表示パネル13に表示される。機能選択画面63には、例えば、画像形成装置1において利用可能な各種機能を選択するボタン63a,63b,63c,63dが配置されている。ユーザは、表示パネル13や操作部11のボタンを介して、これらのボタン63a,63b,63c,63dを指定する操作を行うことで、指定したボタン63a,63b,63c,63dに対応する機能を利用することができる。コピーボタン63aは、複写機能に対応するものである。スキャンボタン63bは、スキャナ機能に対応するものである。検索ボタン63cは、検索機能に対応するものである。ウェブボタン63dは、ウェブ閲覧機能に対応するものである。検索機能は、所定のサーチエンジンに接続して検索作業を行えるようにする機能である。ウェブ閲覧機能は、所望のウェブサーバにより提供されるウェブページを閲覧可能に表示したり、そのウェブページをプリントしたりする機能である。検索機能及びウェブ閲覧機能は、ウェブブラウザ機能を利用して利用可能になる。すなわち、検索ボタン63c又はウェブボタン63dが指定される操作が行われたとき、画像形成装置1において、ウェブブラウザ53が起動する。
  ウェブブラウザ53は、ウェブページを表示するための情報(例えば、HTMLで記述されたデータ及びウェブページに含まれる画像データなど)に基づいて、ウェブページの表示画像を生成し、生成したウェブページの表示画像を表示パネル13に表示する。
  ウェブブラウザ機能では、画像形成装置1は、ウェブサーバ501を含むネットワーク800を経由して通信可能なウェブサーバにより提供されているウェブページを閲覧可能にすることができる。ウェブブラウザ53は、例えば、所定の通信プロトコル(例えば、HTTPなど)により、ユーザにより指定されたURIに基づいて、ウェブページを表示するための情報(表示データ)の取得を要求する(GET)。要求を受けたウェブサーバは、ウェブブラウザ53に表示データを送信する。これにより、ウェブブラウザ53は、表示データを取得できる。表示データは、例えば、ページ情報515a及びそれに対応する画像データ515bなどである。
  URIは、例えば、ユーザが操作部11などを介して直接に入力操作を行うことで指定される。URIは、例えば、閲覧可能に表示されているウェブページに含まれる別のウェブページを示すハイパーリンクを指定する操作が行われることで指定される。
  ウェブブラウザ53が機能しているとき、キャッシュ管理部55及び履歴管理部57が機能する。キャッシュ管理部55及び履歴管理部57は、それぞれ、ウェブブラウザ53の一機能として実現される。すなわち、キャッシュ管理部55及び履歴管理部57は、CPU21が制御プログラム23aなどを実行することなどにより実現される。
  キャッシュ管理部55は、ウェブブラウザ53が取得した情報を、キャッシュ情報15bとしてHDD15に記憶させる。キャッシュ情報15bには、マークアップ言語により記述されたページ情報と、ページ情報に基づいて閲覧されるウェブページに含まれる画像データとが含まれる。キャッシュ情報15bには、ページ情報や画像データのほか、ウェブページを表示するために用いられる情報やプログラムなどが含まれていてもよい。また、キャッシュ管理部55は、各キャッシュ情報15bについてキャッシュデータベース15aを用いて管理する。キャッシュデータベース15aでは、例えば、キャッシュ情報について、URI、ファイル名、取得時刻などの情報が記憶される。
  履歴管理部57は、ウェブブラウザ53が情報を取得した履歴に関する情報を、履歴データベース15cを用いて、履歴情報として管理する。履歴情報には、例えば、取得された情報のURI及び取得時刻などの情報が含まれている。
  キャッシュ管理部55は、例えばユーザの操作指示に従って、指定されたキャッシュ情報15b及びそのキャッシュ情報15bに関するキャッシュデータベース15aの情報を削除する。また、履歴管理部57は、例えばユーザの操作指示に従って、履歴データベース15cのレコードのうち指定されたものを削除する。
  キャッシュ管理部55は、キャッシュ情報15b及びそのキャッシュ情報15bに関するキャッシュデータベース15aの情報のうち一方又は両方について、所定のタイミング(例えば、キャッシュ情報15bを記憶してから所定時間が経過したとき、又は最後にそのウェブページにアクセスしてからの所定時間が経過したときなど)で削除を行ってもよい。同様に、履歴管理部57は、履歴データベース15cのレコードについて、所定のタイミング(例えば、履歴情報を記憶してから所定時間が経過したとき、又は最後にそのウェブページにアクセスしてから所定時間が経過したときなど)で削除を行ってもよい。
  ウェブブラウザ機能によれば、ユーザは、ウェブブラウザ53を動作させて所望のウェブページを表示パネル13などに表示させることにより、ウェブページを閲覧することができる。また、ユーザは、閲覧しているウェブページに含まれるハイパーリンクを指定することで、そのハイパーリンクのリンク先のウェブページなどを閲覧することができる。ウェブブラウザ53によりウェブページが表示されているとき、ユーザは、ウェブブラウザ53に所定の操作指示を行うことで、表示中のウェブページについて、画像形成装置1に画像を形成させることができる。
  [ウェブアプリケーションの説明]
  ウェブサーバ501は、ウェブアプリケーションを提供可能に構成されている。すなわち、ウェブサーバ501は、アプリサーバ(ウェブアプリケーションのサーバ)として機能する。ウェブブラウザ53は、ウェブサーバ501にアクセスし、ウェブアプリケーションに関する情報を取得し、ウェブページの表示を行う。これにより、ウェブブラウザ53は、ユーザに、ウェブアプリケーションを利用可能に提示することができる。ウェブアプリケーション方式の長所としては、画像形成装置1などに個々にアプリケーションソフトウェアを利用可能に設定する必要がない点、ウェブサーバ501側のプログラムなどを変更するだけで、画像形成システム900の全体で変更後のウェブアプリケーションを利用できる点などが挙げられる。画像形成システム900を、利便性が高く、メンテナンスが容易なものにすることができる。
  以下、画像形成システム900で利用されるウェブアプリケーション機能の具体例について説明する。画像形成システム900では、例えば、ウェブアプリケーション機能により、プルプリント機能や、スキャン送信機能が実現される。以下の説明において、プルプリント機能を実現するためのウェブアプリケーションを「APP1」と呼ぶことがある。また、スキャン送信機能を実現するためのウェブアプリケーションを「APP2」と呼ぶことがある。本実施の形態において、APP1及びAPP2は、画像形成装置1に登録して利用可能である。
  図7は、ウェブアプリケーション機能により実現されるプルプリント機能の一例を説明する図である。
  プルプリント機能では、前もって、プリントジョブがウェブサーバ501に登録される。すなわち、ステップS101において、PC401からウェブサーバ501に、プリントジョブが送信される。プリントジョブが送信されると、ウェブサーバ501のHDD515において、ジョブデータ515cが記憶される。なお、プリントジョブは、ウェブサーバ501とは別の、プルプリント用のファイルサーバなどに登録されてもよい。
  ステップS102において、ウェブアプリケーションが利用されるとき、操作部11は、後述のようにアプリ管理部51により登録されたウェブアプリケーションを選択する指示を受け付ける。すなわち、操作部11は、ウェブアプリケーションを利用する指示を受け付ける。
  本実施の形態において、ウェブアプリケーションが登録されている状態では、機能選択画面63に、ウェブアプリケーションに対応するボタンが表示される。これらのボタンは、画像形成装置1の種々のスタンドアロンアプリケーションに対応するボタン63a,63b,63c,63dに並んで表示される。図7に示す例においては、ウェブアプリケーションとして、APP1及びAPP2が画像形成装置1に登録されている。機能選択画面63には、ボタン63a,63b,63c,63dとともに、APP1を動作させるためのボタン63e及びAPP2を動作させるためのボタン63fが表示されている。ユーザは、ボタン63eについて操作入力を行うことで、画像形成装置1においてAPP1を利用することができる。ユーザは、ボタン63fについて操作入力を行うことで、画像形成装置1においてAPP2を利用することができる。
  画像形成装置1では、ユーザによりプルプリントを行う旨の指示を受け付ける。画像形成装置1の表示パネル13に、機能選択画面63が表示される。表示された機能選択画面63において、ボタン63eについて操作入力が行われると、そのボタン63eに対応するAPP1が起動する。すなわち、APP1のウェブページがウェブブラウザ53で表示され、ユーザが閲覧及び操作入力することが可能になる。同様に、表示された機能選択画面63において、ボタン63fについて操作入力が行われると、そのボタン63fに対応するAPP2が起動する。すなわち、APP2のウェブページがウェブブラウザ53で表示され、ユーザが閲覧及び操作入力することが可能になる。
  ステップS103において、ウェブアプリケーションが起動するとき、ウェブブラウザ53は、ウェブサーバ501に対して、ウェブページに関する情報を要求する。なお、このとき、要求を行うウェブページについて、キャッシュ情報15bが既に記憶されており、ウェブページが更新されていない場合には、ウェブブラウザ53は、キャッシュ情報15bをそのウェブページのコンテンツとして取得可能である。
  ステップS104において、ウェブサーバ501は、ウェブブラウザ53からの要求に応じて、ウェブページに関する表示データを送信する。これにより、ウェブブラウザ53は、ウェブアプリケーションを選択する指示に応じて、ウェブアプリケーションを実行するための情報を取得する。
  ステップS105において、ウェブブラウザ53は、取得した表示データに基づいて、表示パネル13に表示を行う。これにより、プリント指示画面(ウェブアプリケーションの表示画面の一例)65が表示される。
  ここで、プリント指示画面65には、ジョブ選択ボタン65a,65bと、プリントボタン65cと、送信ボタン65dと、次ページ遷移ボタン65eと、バックボタン65fとが配置されている。プリント指示画面65は、一見、スタンドアロンのアプリケーションの操作画面であるとユーザに感じさせるような画面構成を有するものである。ユーザは、これらの各ボタン65a〜65fを選択する操作を操作部11を介して行うことができる。各ボタン65a〜65fは、ページ情報に基づいて所定の画像データであるボタン画像が表示されることで、プリント指示画面65内に表示される。
  ジョブ選択ボタン65a,65bには、ウェブサーバ501に記憶されているプリントジョブの情報が表示される。ユーザは、これらのプリントジョブのうちプリントしたいものを選択することができる。プリントボタン65cは、ボタン65a,65bで選択されているプリントジョブを実行する指示を行うためのボタンである。送信ボタン65dは、ボタン65a,65bで選択されているプリントジョブのデータを送信する指示を行うためのボタンである。データは、例えばファクシミリにより送信したり、電子メールにより送信したりすることができる。次ページ遷移ボタン65eは、例えば記憶されているプリントジョブの数が多く、プリントジョブを複数ページに分割して表示している場合などにおいて、現在のページの次のページを表示させる指示を行うためのボタンである。バックボタン65fは、プリント指示画面65が表示されている状態からそれ以前に表示されていた機能選択画面63に戻るためのボタンである。
  ステップS106において、ウェブブラウザ53は、ユーザがプリントボタン65cを操作したとき、それに応じた指示情報をウェブサーバ501に送信する。ここで、指示情報には、プリント対象とするプリントジョブを特定する情報と、そのプリントジョブのプリント指示とが含まれる。指示情報は、例えば所定のURIを取得するための形式の情報であってもよいし、他のコマンドのような形式のものであってもよい。
  ステップS107において、ウェブサーバ501は、指示情報を受けると、特定されたプリントジョブのデータを画像形成装置1に送信する。
  ステップS108において、画像形成装置1のプリント部30は、ウェブサーバ501から送信されたプリントジョブのデータに基づいて、プリントを行う。すなわち、画像形成装置1において、プリント指示画面65において指示された通りに、プリントジョブが実行される。
  図8は、ウェブアプリケーション機能により実現されるスキャン送信機能の一例を説明する図である。
  スキャン送信機能は、画像形成装置1のスキャン部40により原稿をスキャンして生成した画像データを、ウェブサーバ501を介して外部機器に送信する機能である。画像形成装置1に送信先情報が記憶されていなくても、ウェブサーバ501や画像形成システム900内の他の装置に記憶されている送信先情報に基づいて、データの送信を行うことができる。例えば、画像形成装置1や画像形成システム900にログインしているユーザに応じて管理装置601などに送信先情報が記憶されているとき、ログインしているユーザに応じた送信先にデータを送信できるようにしてもよい。
  スキャン送信機能は、例えば、上述の機能選択画面63において、スキャン送信機能に対応するボタン63fが操作されたときに起動される。すなわち、ウェブブラウザ53は、ウェブサーバ501にアクセスし、ウェブページなどの情報を取得する。ウェブブラウザ53は、取得した情報に基づいて、スキャン送信機能の設定画面をユーザに閲覧可能に表示する。これにより、スキャン送信機能が利用可能になる。
  図8を参照して、スキャン送信機能が利用可能になると、スキャン送信機能の設定画面(ウェブアプリケーションの表示画面の一例)67が表示される。設定画面67には、ファクシミリ送信選択ボタン67aと、電子メール送信選択ボタン67bと、バックボタン67fとが含まれる。バックボタン67fは、バックボタン65fと同様のボタンである。ファクシミリ送信選択ボタン67aは、スキャン部40によりスキャンして生成された画像をファクシミリ送信することを選択するためのボタンである。ファクシミリ送信選択ボタン67aが操作されると、後述のように、生成された画像データがウェブサーバ501からファクシミリ送信される。電子メール送信選択ボタン67bは、スキャン部40によりスキャンして生成された画像を電子メールにより送信することを選択するためのボタンである。電子メール送信選択ボタン67bが操作されると、後述のように、生成された画像データがウェブサーバ501から電子メールにより送信される。各ボタン67a,67b,67fは、ページ情報に基づいて所定の画像データであるボタン画像が表示されることで、設定画面67内に表示される。
  なお、ファクシミリ送信選択ボタン67a又は電子メール送信選択ボタン67bが操作されると、設定画面67から送信先を設定するための送信先選択画面(図示せず)に画面が遷移する。送信先選択画面は、例えば、スキャン送信機能により画像データの送信を行うことが可能な送信先の候補を表示し、それらのうちから実際に画像データの送信先とするものをユーザに選択させる画面である。送信先の候補は、例えば、ウェブサーバ501に記憶されている情報や、管理装置601に記憶されている送信先情報に基づいて表示されればよい。また、画像形成装置1に記憶されている情報に基づいて送信先の候補が表示されるようにしてもよい。
  ステップS201において、設定画面67において送信方法(例えば、ファクシミリ送信を行うか、電子メールによる送信を行うかなど)の選択操作が行われると、それに応じて、ウェブブラウザ53は指示情報をウェブサーバ501に送信する。ここで、指示情報は、例えば所定のURIを取得するための形式の情報であってもよいし、他のコマンドのような形式のものであってもよい。
  ステップS202において、ウェブサーバ501は、指示情報を送信した画像形成装置1に対し、スキャン開始指示を送信する。
  ステップS203において、画像形成装置1は、スキャン開始指示に応じて、原稿のスキャンを行う。スキャンは、スキャン部40により行われる。これにより、画像データが生成される。
  ステップS204において、画像形成装置1は、生成された画像データをウェブサーバ501に送信する。送信は、例えばFTP(File  Transfer  Protocol)やWebDAV(Web  Distributed  Authoring  and  Versioning)などのプロトコルにより行われる。画像データは、ウェブサーバ501に記憶される。
  ステップS205において、ウェブサーバ501は、指示情報に基づいて、設定画面67において指定された方法で、指定された送信先に、画像データを送信する。例えば、ファクシミリ送信を行うことが指示されているときには、ウェブサーバ501は、画像データを、指定された電話番号を送信先として、電話回線を通じて送信する。また、電子メールによる送信を行うことが指示されているときには、ウェブサーバ501は、画像データを、指定されたメールアドレスを送信先として、MIME(Multipurpose  Internet  Mail  Extension)などに基づいて電子メールによって送信する。なお、画像データは、ファクシミリ送信が行われる際、インターネットFAXなど、IP(インターネット・プロトコル)ネットワークを経由して送信されてもよい。
  画像形成装置1は、スキャン部40で生成した画像データに画像処理を施した上で、処理後の画像データをウェブサーバ501に送信するようにしてもよい。また、ウェブサーバ501が、送信された画像データについて画像処理を施した上で、送信を行うようにしてもよい。このとき、画像処理として、設定画面67において指定されたものが行われるようにしてもよい。画像形成装置1で画像処理が行われる場合、スキャン開始指示とともに、画像データについて行われるべき画像処理を特定するための情報が、ウェブサーバ501から画像形成装置1に送られるようにすればよい。この場合、例えば、送信方法についての情報が画像形成装置1に送られ、画像形成装置1が、送信方法に応じた画像処理を行うようにしてもよい。
  指示情報において、スキャンを行う画像形成装置を指定する情報が含まれるようにし、ウェブサーバ501が、指示情報において指定された画像形成装置にスキャン開始指示を送信するようにしてもよい。この場合、スキャン開始指示が送信された画像形成装置が、原稿のスキャンを行い、生成した画像データをウェブサーバ501に送信するようにすればよい。
  上記の説明において、画像データはウェブサーバ501から送信されるが、これに限られるものではなく、他の装置から送信されるようにしてもよい。例えば、画像データは、画像形成装置1から送信されるようにしてもよい。この場合、ウェブサーバ501から画像形成装置1に、選択された送信先の情報と、選択された送信方法の情報とを送信指示として送信し、画像形成装置1が、送信指示に基づいて送信を行うようにしてもよい。また、画像形成装置1から別の送信サーバに画像データが送信され、送信サーバが、ウェブサーバ501から送信方法と送信先の指示を受け、画像データの送信を行うように構成されていてもよい。
  本実施の形態において、例えば所定の要件を満たしたウェブアプリケーションには認定情報が付与されている。すなわち、画像形成装置1は、ウェブアプリケーションとして、認定情報を付与されたものすなわち認定されているものと、認定されていないものとをそれぞれ利用可能である。画像形成装置1は、ウェブアプリケーションが認定されているか否かに応じて、そのウェブアプリケーションの登録に関する取扱い方法を変更することができる。
  [ウェブアプリケーションの登録の説明]
  本実施の形態において、画像形成装置1には、1つのウェブアプリケーション又は複数のウェブアプリケーションが登録可能である。ウェブアプリケーションの登録とは、そのウェブアプリケーションを速やかに起動できるように、画像形成装置1に設定しておくことをいう。本実施の形態では、例えば、ウェブアプリケーションを実行するための情報(例えば、ウェブアプリケーションの起動時に表示するウェブページの情報など)を取得するための情報(例えば、URIなど)の登録が行われる。ウェブアプリケーションが登録されると、ウェブアプリケーションを起動するためのショートカットアイコンなどが、ユーザが容易に選択できるように所定の機能選択画面に表示される。このとき、ウェブアプリケーションを登録するために必要な所定の情報や、登録されたウェブアプリケーションの使用時に必要な所定の情報(例えば、URIなど)が、ウェブサーバ501から画像形成装置1に送られ、画像形成装置1で記憶される。ウェブブラウザ53は、アプリ管理部51により登録された、ウェブページの情報を取得するためのURIなどの情報に基づいて、ウェブアプリケーションを実行するための情報を取得する。ウェブアプリケーションの登録を行うことで、ユーザは、容易にそのウェブアプリケーションを利用できるようになる。ウェブアプリケーションの登録は、例えば、登録するアプリケーションのURIなどを、ウェブアプリケーションを管理するためのデータベースに記録することなどによって行われる。
  なお、ウェブアプリケーションの登録は、以下のような態様で行われるものであってもよい。例えば、ウェブアプリケーションを起動するためのURIなどの情報を含む、いわゆるブックマークを記録すること(ウェブページのURIをウェブブラウザ53などに記録し、再度選択可能にすること)により行われてもよい。また、例えば、ショートカットアイコンなどを表示しなくても、ユーザが行う所定の操作入力や、画像形成装置1が検知可能なユーザによる所定の振る舞いなど(例えば認証動作など)に応じて、所定のウェブアプリケーションが起動するように、画像形成装置1に設定することにより行われてもよい。
  ユーザ認証機能により画像形成装置1にログインしている所定のユーザのみが、ウェブアプリケーションの登録を行えるようにしてもよい。例えば、画像形成装置1の管理者権限を有するユーザや画像形成システム900の管理者権限を有するユーザのみがウェブアプリケーションの登録を行えるように制限することができる。
  登録可能なウェブアプリケーションは、限定的であってもよい。所定のウェブアプリケーションのみが登録可能になるようにアプリ管理部51が設定されており、登録対象としてウェブアプリケーションが指定されたとき、それが登録可能なものであるか否かをアプリ管理部51が判断するようにしてもよい。例えば、アプリ管理部51が、予め登録可能なウェブアプリケーションを示すテーブルなどを有し、そのテーブルに基づいて、アプリ管理部51が、ウェブアプリケーションを登録可能であると判断してもよい。
  認定情報が付与されているウェブアプリケーションのみが登録可能になるようにしてもよい。アプリ管理部51は、ウェブアプリケーションの登録に先立ち、ウェブサーバ501からウェブアプリケーションに関する認定情報を取得し、その認定情報に基づいて、ウェブアプリケーションを登録可能か否かを判断するようにしてもよい。アプリ管理部51は、例えば、HDD15に記憶されている認定テーブル15eを参照して、上記判断を行うことができる。認定テーブル15eは、例えば、認定されているウェブアプリケーションについての情報がまとめられているものである。
  なお、画像形成装置1へのウェブアプリケーションの登録は、ウェブサーバ501や画像形成装置1と通信可能な外部機器からの指示に基づいて行われるようにしてもよい。例えば、ウェブサーバ501が、登録対象の画像形成装置1にウェブアプリケーションに関する情報を送信し、画像形成装置1のアプリ管理部51は、送信された情報を受信したとき、そのウェブアプリケーションについて登録を行うようにしてもよい。
  [ウェブアプリケーション利用時のデータ取得動作の説明]
  ここで、本実施の形態においては、上記のようにウェブアプリケーションが用いられるとき、以下のような動作が行われる。ウェブブラウザ53は、初めにウェブアプリケーションのページ情報515aを取得し、取得したページ情報515aについて解析処理を行う。解析処理では、ページ情報515aに含まれるURI(パスを含む。)のうち画像を指し示すものについて、予め設定された固定名称が含まれるか否かが判断される。ウェブブラウザ53は、URIに固定名称が含まれるとき、予め固定名称に対応付けられた所定の場所からURIに対応する画像データなどを取得する。ウェブブラウザ53は、取得した画像データを用いて、ページ情報515aに基づいて、ウェブアプリケーションの表示画面を生成する。生成された表示画面が表示パネル13に表示されることで、ユーザは、ウェブアプリケーションを用いることができる。
  固定名称は、予め画像形成装置1に設定されているものである。固定名称は、画像データが記憶されている所定の場所に対応付けられている。固定名称と所定の場所との対応関係は、解析テーブル15fとして設定されている。
  固定名称に対応付けられた所定の場所に記憶されている画像データとしては、画像形成装置1,201,301の内蔵アプリケーションの動作時に表示される画像と同じ、共通画像(共通データの一例)がある。共通画像は、内蔵アプリケーションで表示される操作アイコンなどの画像である。本実施の形態において、ウェブアプリケーションの表示画面が、ページ情報515aに従って、共通画像を用いて生成される。これにより、ウェブアプリケーションのUIと、内蔵アプリケーションのそれとの統一性が高くなる。したがって、ウェブアプリケーションの利用時にユーザが混乱しにくくなる。
  ウェブアプリケーションの登録が行われるときには、画像形成装置1により、そのウェブアプリケーションで用いられる画像データのうち、画像形成装置1の内部に記憶されていないもののうち少なくとも一部が取得される。取得された画像データは、画像形成装置1の内部に記憶される。ウェブブラウザ53は、ウェブアプリケーションの利用時において、画像形成装置1の内部に記憶された画像データを取得し、それを用いて、ウェブアプリケーションの表示画面を生成する。これにより、登録されたウェブアプリケーションの利用時においては、ベンダ固有の画像データ(ウェブアプリケーション固有の画像データ)についても、画像形成装置1の内部に記憶されたものを用いることができる。
  図9は、画像形成システム900におけるウェブアプリケーションの登録時及び利用時の動作を説明する図である。
  まず、ウェブアプリケーションの登録の流れについて説明する。図9を参照して、画像形成装置1には、アプリ管理部(登録手段の一例;第2の記憶手段の一例;判定手段の一例;名称設定手段の一例)51が設けられている。アプリ管理部51は、CPU21が所定の制御プログラム23aを実行することなどにより実現される。
  アプリ管理部51は、ウェブサーバ501により提供されるウェブアプリケーションの登録を行う。ウェブアプリケーションは、例えば、画像形成装置1において所定の操作入力などが行われると、アプリ管理部51により、画像形成装置1に登録される。
  ステップS51において、画像形成装置1で登録対象となるウェブアプリケーションとして、ウェブサーバ501が提供するウェブアプリケーションが指定されると、アプリ管理部51は、ウェブサーバ501から指定されたウェブアプリケーションに関する情報を取得する(S51)。アプリ管理部51は、例えば、ウェブアプリケーションのURI及び識別情報(Cookieなど)など、ウェブアプリケーションを使用する際に必要な情報を取得する。なお、このとき、アプリ管理部51は、ウェブアプリケーションについて表示するウェブページの情報などをキャッシュ管理部55に記憶させてもよい。アプリ管理部51は、取得した情報に基づいて、ウェブアプリケーションの登録を行う。
  このとき、アプリ管理部51は、サーバにより提供され登録されたウェブアプリケーションが、認定されているものであるか否かを判断する。アプリ管理部51は、HDD15に記憶されている認定テーブル15eを参照することで、登録されたウェブアプリケーションが認定されているものであるか否かを判断する。ウェブアプリケーションが認定されていないものであれば、アプリ管理部51は、以降の処理を行わない。すなわち、ウェブアプリケーションが認定されていないものであれば、以下に説明するウェブサーバ501からの画像データ515bの取得が行われない。
  ステップS52において、アプリ管理部51は、ウェブアプリケーションが認定されているものであれば、ウェブサーバ501から、ウェブアプリケーションの画像データ515bを取得し、以下の処理(S53,S54)を行う。このとき、画像形成装置1の内部に記憶されていない画像データが、ウェブサーバ501から取得される。
  ステップS53において、アプリ管理部51は、ウェブサーバ501から取得した画像データを、例えばHDD15に画像データ15dとして記憶する。このとき、本実施の形態において、画像データ15dは、ウェブブラウザ53の通常の機能によりHDD15に記憶されているキャッシュ情報15bとは別に記憶される。画像データ15dは、HDD15のうち、所定のディレクトリに記憶される。なお、ウェブサーバ501から取得された画像データは、HDD15ではなく、ROM23に画像データ23dとして記憶されてもよい。
  ステップS54において、アプリ管理部51は、ウェブサーバ501に対し、固定名称を送信する。ここで、固定名称は、登録手段により登録されたウェブアプリケーションに関するものである。アプリ管理部51は、固定名称を、画像データ15dの記憶場所である所定のディレクトリに対応付けて設定する。アプリ管理部51は、固定名称の設定を行ったとき、設定された固定名称に関する情報を、ウェブサーバ501に送信する。なお、画像データ15dの記憶場所は、所定のディレクトリに限られず、アプリ管理部51などにより適宜決定されるようにしてもよい。
  ウェブサーバ501では、固定名称に関する情報を受信すると、それに基づいて、ページ情報515aを確認する処理を行う。すなわち、制御部520は、画像形成装置1から送信された固定名称に関する情報を取得し、その情報に基づいて、ウェブアプリケーションのウェブページのページ情報515aの変更を必要に応じて行う。制御部520は、ページ情報515aに含まれるURIのうち、HDD15に記憶された画像データ15dに関するものについて、アプリ管理部51により設定された固定名称が含まれるように変更する。これにより、後述のようにウェブアプリケーションが利用されるとき、画像データ15dが画像形成装置1において用いられるようにすることができる。ページ情報515aに含まれるURIが、既に固定名称を含むものであるときには、上記のようなページ情報515aの変更は行われない。
  固定名称の設定は、アプリ管理部51などが、ウェブサーバ501からの指示に基づいて行うようにしてもよい。この場合、画像形成装置1からウェブサーバ501への固定名称に関する情報の送信は、行われなくてもよい。すなわち、ウェブサーバ501の制御部520は、ウェブアプリケーションの登録時、ページ情報515aに含まれるURIのうち画像データ15dに関するものに基づいて、設定されるべき固定名称に関する指示情報を画像形成装置1に送信する。すなわち、制御部520は、画像形成装置1で設定される固定名称が、画像データ15dに関するURIに含まれるものになるように、指示情報を生成する。制御部520は、指示情報を画像形成装置1に送信する。アプリ管理部51は、指示情報を受信し、指示情報に基づいて固定名称の設定を行う。
  次に、登録されたウェブアプリケーションの利用時の動作について説明する。
  例えばユーザからのウェブアプリケーションを利用する指示が受け付けられると、ステップS301において、ウェブブラウザ53は、指示に応じて、ウェブサーバ501に対して、ウェブアプリケーションのページ情報515aの取得要求を行う。
  ステップS302において、ウェブサーバ501は、取得要求を受け、ページ情報515aを画像形成装置1に送信する。ウェブブラウザ53は、ページ情報515aを取得する。
  ここで、ウェブブラウザ53は、取得したページ情報515aに含まれるURIのうち画像を指し示すものを解析し、そのURIに予め設定された固定名称が含まれるか否かを判断する。ウェブブラウザ53は、画像を指し示すURIとして、例えばIMGタグに含まれるものを解析対象とする。解析は、解析テーブル15fを参照して行われる。解析結果に応じて、各URIについて、取得する画像データが変更される。
  ステップS303及びステップS304において、ウェブブラウザ53は、URIに固定名称が含まれると判断されたとき、その固定名称について対応付けられた所定の場所を解析テーブル15fを参照することで特定する。そして、ウェブブラウザ53は、特定された所定の場所から、URIに対応する画像を取得する。本実施の形態において、画像形成装置に設定されている固定名称には、HDD15内の所定のディレクトリや、ROM23内の所定のディレクトリが対応付けられている。すなわち、固定名称がURIに含まれる場合、ウェブブラウザ53は、HDD15又はROM23から、そのURIに対応する画像データ15d,23dを取得する。
  上記のようにウェブアプリケーションの登録時においてアプリ管理部51により画像データが取得された場合において、そのウェブアプリケーションが用いられる場合には、ウェブブラウザ53は、アプリケーションの登録時に設定された固定名称がURIに含まれるか否かを解析することになる。そして、ウェブブラウザ53は、固定名称がURIに含まれるときには、固定名称に対応付けられているHDD15の所定のディレクトリから、URIに対応する画像データ15dを取得する。
  ステップS305及びステップS306において、ウェブブラウザ53は、取得したページ情報515aに含まれるURIのうち固定名称が含まれないものに関して、URIに対応するデータを取得する。例えば、ウェブブラウザ53は、ウェブサーバ501にアクセスし、画像データ515bを取得する。認定されていないウェブアプリケーションについて、その登録時に画像データが取得されていないときは、URIが指し示すデータが取得される。
  ウェブブラウザ53は、ステップS304及びステップS306で取得した画像データなどのデータを用いて、ページ情報515aに基づいて、ウェブアプリケーションの表示画面を生成する。
  なお、ウェブブラウザ53は、キャッシュ情報15bよりも、固定名称が含まれるURIに対応するものとして取得されたデータを優先して用いる。すなわち、URIに対応する画像データが、画像形成装置1の内部に一時的にキャッシュ情報15bとして記憶されている場合であって、そのURIが固定名称を含むものである場合を想定する。この場合において、固定名称に対応する場所から画像データ15d,23dが取得されたときには、ウェブブラウザ53は、キャッシュ情報15bを用いず、取得された画像データ15d,23dを用いて、表示画面の生成を行う。これにより、所定の場所から取得された、より信頼性が高いデータを用いて、表示画面が生成される。
  ここで、画像形成装置1の内部に一時的に記憶されているキャッシュ情報15bを使用しないように設定されている場合、例えばブラウザのキャッシュ機能が無効化されている場合を想定する。この場合においても、ウェブブラウザ53は、固定名称が含まれるURIに対応するものとして取得された、画像形成装置1の内部に記憶されている画像データ15d,23dを使用して、表示画面を生成する。これにより、キャッシュ機能を利用しているか否かにかかわらず、固定名称が含まれるURIに対応するデータを使用した表示画面が確実に表示される。
  図10は、解析テーブル15fの内容の一例を示す図である。
  図10を参照して、解析テーブル15fでは、固定名称とそれに対応する画像データの場所とが対応付けられている。固定名称としては、例えば、「/km/」と、「/ap1/」と、「/ap2/」とがある。
  固有名称「/km/」については、ROM23のディレクトリである、「/rom/panel/img/km/」が所定の場所として対応付けられている。このディレクトリには、共通画像が画像データ23dとして記憶されている。固有名称「/km/」は、共通画像に関して設定されているものである。ここで共通画像とは、他のアプリケーションと共有されうる画像である。共通画像は、画像形成装置1の内蔵アプリケーションで利用されたり、一定のウェブアプリケーション(例えば、認定されているウェブアプリケーション)で利用されたりする。共通画像としては、例えば、ウェブアプリケーションのウェブページの背景画像、ボタン画像、及びアイコン画像などが挙げられる。これらの画像のうち、共通画像としては、一部のみが記憶されていてもよい。
  固有名称「/ap1/」については、HDD15のディレクトリである、「/hdd/app/ap1/」が所定の場所として対応付けられている。このディレクトリには、ウェブアプリケーションAPP1の登録時にアプリ管理部51により取得された画像などが画像データ15dとして記憶される。また、固有名称「/ap2/」については、HDD15のディレクトリである、「/hdd/app/ap2/」が所定の場所として対応付けられている。このディレクトリには、ウェブアプリケーションAPP2の登録時にアプリ管理部51により取得された画像などが画像データ15dとして記憶される。
  図11は、ページ情報515aに含まれるURIについて説明する図である。
  図11には、HTML形式で記述されたページ情報515aに含まれる3つのIMGタグ(一部分を示す。以下、単にタグと称することがある。)700a,700b,700cを示す。各タグ700a,700b,700cは、「<img  src=”〜”>」の形式で記述されている。すなわち、各タグ700a,700b,700cは、ページ情報515aで表されるウェブページにおいて表示される(ウェブページに含まれる)画像を示すものである。各タグ700a,700b,700cのうち、二重引用符で囲まれた部分には、画像を示すURI701a,701b,701cが含まれている。本実施の形態において、ウェブブラウザ53は、ページ情報515aに含まれるURIのうち画像を指し示すものとして、このようなIMGタグ700a,700b,700cで指定されているURI701a,701b,701cを対象として、解析を行う。なお、URI701a,701b,701cは、いわゆる相対URI(相対パス)である。
  上記のように、画像形成装置1の解析テーブル15fで、固定名称として、「/km/」と、「/ap1/」と、「/ap2/」とが指定されている場合を想定する。この場合において、各タグ700a,700b,700cのURI701a,701b,701cに、これらの固定名称が含まれるか否かがウェブブラウザ53により判断される。
  タグ700aのURI701aは、「/a/b/c.jpg」である。URI701aには、固定名称は含まれていない。そのため、ウェブブラウザ53は、タグ700aについては、URI701aに応じて、画像データである「/a/b/c.jpg」を取得する。
  タグ700bのURI701bは、「/km/a.jpg」である。URI701bには、図に破線で囲んで示すように、固定名称「/km/」(固定名称710)が含まれている。そのため、ウェブブラウザ53は、タグ700bについては、固定名称710に対応付けられているROM23のディレクトリである、「/rom/panel/img/km/」から、URI701bのうち固定名称710を除く部分に応じて、画像データである「a.jpg」を取得する。この場合、URI701bで示される通りのデータ「/km/a.jpg」は取得されない。
  タグ700cのURI701cは、「/ap2/b.jpg」である。URI701cには、図に破線で囲んで示すように、固定名称「/ap2/」(固定名称730)が含まれている。そのため、ウェブブラウザ53は、タグ700cについては、固定名称730に対応付けられているHDD15のディレクトリである「/hdd/app/ap2/」から、URI701cに応じて、画像データである「b.jpg」を取得する。この場合、URI701cで示される通りのデータ「/ap2/b.jpg」は取得されない。
  図12は、画像形成装置1でウェブアプリケーションの起動が開始されるときの動作を示すフローチャートである。
  例えばユーザによりウェブアプリケーションを起動させる旨の指示が行われると、画像形成装置1のCPU21は、ウェブブラウザ53などの制御を行うことで、ウェブアプリケーションの起動を開始させる。
  図12を参照して、ステップS401において、CPU21は、起動するウェブアプリケーションのURL(URIの一例)に基づいて、ウェブサーバ501にアクセスする。CPU21は、ウェブサーバ501から、HTMLファイル(ページ情報515a)を取得する。
  ステップS403において、CPU21は、取得したHTMLファイル内に含まれる、IMGタグの処理(解析)を行う。
  ステップS405において、CPU21は、IMGタグで指定されるURIに固定名称が含まれるか否かを判断する。換言すると、CPU21は、ページ情報515a内に固定名称画像のURIが含まれるか否かを判断する。
  ステップS405において固定名称画像が含まれるとき、ステップS407において、CPU21は、ウェブアプリケーションが認定されたもの(認定アプリ)であるか否かを判断する。判断は、例えば、認定テーブル15eを参照して行われる。
  ステップS407で認定アプリであれば、ステップS409において、CPU21は、画像形成装置(MFP)1の内部リソースを確認する。ここで、内部リソースとは、例えばROM23やHDD15に記憶されているデータをいう。CPU21は、URIに含まれる固定名称に対応する場所の内部リソースを確認する。CPU21は、URIに対応するデータ(指定画像)すなわち固定名称画像が内部リソースとしてあるか否かを確認する。
  ステップS411において、CPU21は、URIに対応する指定画像が内部リソースとしてあるか否かを判断する。
  ステップS411で指定画像があれば、ステップS413において、CPU21は、内部リソースからその画像データを取得する。換言すると、CPU21は、固定名称に対応する所定の場所から、URIに応じて、画像データを取得する。
  他方、ステップS405で固定名称画像が含まれないとき、ステップS407で認定アプリでないとき、又はステップS411で指定画像がないとき、そのURIについては、キャッシュ情報15b又はウェブサーバ501などから、画像の取得が行われる。すなわち、固定名称がURIに含まれないとき又はウェブアプリケーションが認定アプリでないとき、URIが指し示すデータが取得される。ステップS415において、CPU21は、キャッシュ情報15bの有無を確認する。CPU21は、ページ情報515aに含まれるURIに対応するキャッシュ情報15bがあるか否かを判断する。判断は、例えば、キャッシュデータベース15aを参照して行うことができる。
  ステップS415でキャッシュ情報15bがあれば、ステップS417において、CPU21は、キャッシュ情報15bからURIに対応する画像データを取得する。これにより、画像データが速やかに取得され、かつ、ネットワーク800のトラフィックも減少させることができる。
  ステップS415でキャッシュ情報15bがなければ、ステップS419において、CPU21は、例えばウェブサーバ501から、URIに対応する画像データを取得する。データの取得先は、ウェブサーバ501に限られず、URIにより指定されている他のサーバであってもよい。
  ステップS413、ステップS417、又はステップS419で画像データが取得されると、ステップS421において、CPU21は、画像の表示処理を行う。CPU21は、取得した画像データを用いて、ページ情報515aに従って、ウェブアプリケーションの表示画面のうちその画像データの部分を生成する。CPU21は、生成した表示画面を、表示パネル13に表示させる。
  ステップS423において、CPU21は、ページ情報515aに、別のIMGタグ(次のIMGタグ)が含まれているか否かを判断する。IMGタグが含まれている場合には、すべてのIMGタグに関する処理が完了するまで、ステップS403からステップS421の処理が繰り返し行われる。これにより、ステップS421において、すべてのIMGタグにより指定されている画像が含まれるウェブページが表示パネル13に表示される。すべてのIMGタグに関する処理が完了し、ステップS423で別のIMGタグが含まれていない場合には、ウェブページの表示が完了する。すなわち、ウェブアプリケーションの起動時の処理が完了する。
  [表示画面例の説明]
  図13は、画像形成装置1の内蔵アプリケーションの表示画面の一例を示す図である。
  図13を参照して、画像形成装置1の内蔵アプリケーションが起動されているとき、表示画面110が表示パネル13に表示される。表示画面110は、例えば、コピーモード(複写モード)であってコピーの開始指示を受け付け可能な状態下で表示されるUI画像である。表示画面110は、複数種のボタン画像113,114,115,116や、アイコン画像117,118などが、背景画像119上に配置されて構成されている。
  ボタン画像113は、読み取った画像を白黒で形成するか、カラーで形成するかの設定指示を受け付ける際に操作されるものである。ボタン画像114は、画像が形成される用紙に関する設定を受け付ける際に操作されるものである。ボタン画像115は、読み取った画像に対する形成する画像の倍率の設定を受け付ける際に操作されるものである。ボタン画像116は、複数部の画像形成機能や、組合せ(コンバイン)印刷機能に関する設定を受け付ける際に操作されるものである。
  アイコン画像117は、複数枚の画像を形成するときにそれらをステープルで綴じる機能に対応するものである。アイコン画像118は、画像を形成した用紙にパンチで穴を開けるせん孔機能に対応するものである。背景画像119としては、それをUIの背景としたときに、ユーザがボタン画像113,114,115,116やアイコン画像117,118などを識別しやすくなるようなものが用いられている。
  本実施の形態において、ボタン画像113,114,115,116、アイコン画像117,118、及び背景画像119などは、ROM23に画像データ23dとして記憶されている。これらの画像は、認定されたウェブアプリケーションの表示画面に利用可能な共通画像である。所定の固定名称がURIに含まれる場合に、これらの画像のうちURIに対応するものがウェブアプリケーションの表示画面に利用される。
  図14は、画像形成装置1で起動される認定されたウェブアプリケーションの表示画面の一例を示す図である。
  図14を参照して、ウェブアプリケーションの表示画面120は、ページ情報515aの記述に基づいて表示される。表示画面120は、ウェブブラウザ53により表示される画面である。表示画面120は、ウェブブラウザ53のメニューバー画像121とそれ以外のウェブページの表示領域とに分けられる。ウェブページの表示領域は、ボタン画像114,116及びアイコン画像117,118が、背景画像119上に表示されて構成されている。
  本例のウェブアプリケーションのウェブページを表すページ情報515aには、共通画像が用いられるようにROM23に対応する固定名称が含められたURIが含まれている。これにより、画像形成装置1の内蔵アプリケーションと同一の画像を用いたUIを、ウェブアプリケーションのUIとして表示させることが可能になる。
  なお、ページ情報515aは、例えばウェブアプリケーションの製作過程において、以下のようにして記述されればよい。すなわち、画像形成装置1と同じ背景画像やボタン画像などをウェブアプリケーションのUIとして用いる場合、ページ情報515aには、所定の固定名称(例えば、「/km/」など)を含むURI(パス及びファイルの名称など)が記述される。ここで、対象となる画像のファイルの名称としては、共通画像としてROM23などの所定の場所に記憶されているものを指定する必要がある。
  [第1の実施の形態における効果]
  以上説明したように、本実施の形態では、上述のようにして、共通画像がウェブアプリケーションで利用されることで、内蔵アプリケーションのUIとウェブアプリケーションのUIとの統一性が高まる。そのため、ウェブアプリケーションを利用するユーザの混乱を招きにくく、ユーザの誤操作を防止でき、画像形成装置1の利便性を高められる。
  共通画像は、画像形成装置1の内部に記憶されている。したがって、画像データが速やかに取得され、かつ、ネットワーク800の負荷(トラフィック)が低減する。ウェブサーバ501で共通画像に相当する画像が記憶されている必要がないので、ウェブサーバ501で必要とされる記憶装置の記憶容量を低減することができる。
  共通画像を用いるには、ページ情報515aにおいて、画像形成装置1の内部における共通画像が記憶されている正確な場所を示すURIを指定する必要がない。固有名称「/km/」を含むURIをページ情報515aに記述することで、容易に共通画像を用いることができる。複数の画像形成装置1,201,301において、それぞれの内部の共通画像が記憶されている場所が互いに異なる場合であっても、各画像形成装置1,201,301において、共通画像が記憶されている場所を固有名称「/km/」に対応する場所として設定しておけばよい。これにより、ウェブサーバ501により共通のページ情報515aを提供するだけで、各画像形成装置1,201,301において、ウェブブラウザ53は、適切に自装置の内部から共通画像を取得し、表示画面を適切に生成することができる。
  ウェブサーバ501などにある画像データ515bは、ウェブアプリケーションの画像形成装置1への登録時に、ローカル(クライアント)側となるHDD15に記憶される。そして、表示画面の生成時には、ウェブサーバ501などから画像データが取得されることなく、ページ情報に含まれる固定名称に応じて、HDD15に記憶されている画像データ15dが用いられる。したがって、画像データが速やかに取得され、表示画面が速やかに生成及び表示される。また、画像形成システム900のネットワーク800のトラフィックを低減させることができる。
  [第2の実施の形態]
  第2の実施の形態における画像形成システム900の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、画像形成装置1が、ページ情報に含まれるURIに固有名称が含まれる場合に行われる処理が、第1の実施の形態におけるものとは異なる。第2の実施の形態においては、URIに固定名称が含まれると判断された場合において、ウェブアプリケーションが認定されているものであると判定されたときと認定されているものではないと判定されたときとで、固定名称に対応する所定の場所から取得されるデータが変更される。
  第2の実施の形態において、ウェブブラウザ53は、起動するウェブアプリケーションが認定アプリであるか否かに応じて、そのウェブアプリケーションの表示画面に表示される認定ロゴ画像(認定表示画像)を変更する。認定ロゴ画像は、ウェブアプリケーションのウェブページを示すページ情報515aにおいて、他の画像と同じように、IMGタグにより指定されているものである。
  図15は、第2の実施の形態におけるページ情報515aに含まれるURIについて説明する図である。
  図15を参照して、URI701dは、IMGタグ700dにおいて二重引用符に囲まれて指定されているものである。IMGタグ700dは、ページ情報515aにおいて、ウェブアプリケーションのウェブページの表示画面に認定ロゴ画像を表示させるために記述されているものである。
  URI701dには、固有名称710が含まれている。ウェブブラウザ53は、URI701dについて処理を行うとき、第1の実施の形態と同様に、解析テーブル15fを参照する。ウェブブラウザ53は、固有名称710に対応するROM23の所定のディレクトリから、URI701dに応じて、画像データの取得を行う。
  ここで、URI701dには、認定ロゴ画像ファイルの名称750が含まれている。認定ロゴ画像ファイルの名称750は、例えば、「km_certification_mark.gif」と称するものである。認定ロゴ画像ファイルの名称750は、予め、画像形成装置1に認定ロゴ画像を示すものとして登録されている。
  ウェブブラウザ53は、URI701dに認定ロゴ画像ファイルの名称750が含まれているか否かを判別する。含まれている場合には、ウェブブラウザ53は、そのURI701dが指し示す認定ロゴ画像を、認定アプリであるか否かに応じて、固有名称710に対応する所定のディレクトリから取得する。
  図16は、認定されているウェブアプリケーションの表示画像の一例を示す図である。
  図16において、表示画像120に表示されるボタン画像などの要素の図示は省略されている。図16を参照して、表示画像120には、認定ロゴ画像が表示される。ウェブアプリケーションが認定されているものであるとき、認定ロゴ画像としては、「認定済」を示す認定用画像750aが表示される。
  図17は、認定されていないウェブアプリケーションの表示画像の一例を示す図である。
  図17において、表示画像120に表示されるボタン画像などの要素の図示は省略されている。図17を参照して、ウェブアプリケーションが認定されているものであるとき、表示画像120に表示される認定ロゴ画像としては、「未認定」を示す非認定用画像750bが表示される。
  図18は、認定ロゴ画像について説明する図である。
  上記の認定用画像750a及び非認定用画像750bは、認定ロゴ画像についてのURI701dを示すIMGタグ700dがページ情報515aに含まれていることにより表示される。URI701dに認定ロゴ画像データの名称750が含まれているとき、ウェブブラウザ53は、その認定ロゴ画像データの名称750に代えて、ウェブアプリケーションが認定されているか否かに応じて異なる名称の画像データを、所定のディレクトリから取得する。
  すなわち、図18を参照して、予め登録されている認定ロゴ画像データの名称750(「km_certification_mark.gif」)について、認定されているウェブアプリケーション(認証済)についての認定用画像750aと、認定されていないウェブアプリケーション(未認証)についての非認定用画像750bとの2つの画像データが対応付けられている。認定用画像750aは、名称が「certified.gif」で表される画像データである。他方、非認定用画像750bは、名称が「uncertified.gif」で表される画像データである。ウェブブラウザ53は、URI701dについて、ウェブアプリケーションが認定されているときには、認定用画像750a(「certified.gif」)を画像データとして取得する。ウェブブラウザ53は、URI701dについて、ウェブアプリケーションが認定されていないときには、非認定用画像750b(「uncertified.gif」)を画像データとして取得する。
  認定ロゴ画像である、「certified.gif」で表される認定用画像750aと「uncertified.gif」で表される非認定用画像750bとは、共にROM23の所定のディレクトリに記憶されている共通画像である。
  図19は、第2の実施の形態において画像形成装置1でウェブアプリケーションの起動が開始されるときの動作を示すフローチャートである。
  図19において、ステップS501からステップS507は、第1の実施の形態におけるステップS401からステップS407と同様である。また、ステップS511からステップS523は、第1の実施の形態におけるステップS411からステップS423と同様である。これらの説明は第1の実施の形態でなされているので、ここでは省略する。
  図19を参照して、ページ情報515aに固定名称画像が含まれる場合において、ステップS507で認定アプリであれば、ステップS509の処理が行われる。すなわち、CPU21は、画像形成装置1のうち固定名称に対応する場所に、内部リソースとして認定用画像750aがあるか否かを確認する。CPU21は、ROM23の所定のディレクトリに、認定用画像750aである画像データ「certified.gif」があるか否かを確認する。
  他方、ステップS507で認定アプリでない場合には、ステップS510の処理が行われる。すなわち、CPU21は、画像形成装置1の固定名称に対応する場所に内部リソースとして非認定用画像750bがあるか否かを確認する。CPU21は、ROM23の所定のディレクトリに、非認定用画像750bである画像データ「uncertified.gif」があるか否かを確認する。
  このように、認定アプリであるか否かに応じて取得される画像データが異なるので、ウェブアプリケーションの画面表示は、認定アプリであるか否かに応じて変化する。
  なお、第2の実施の形態において、ステップS515の処理、ステップS517の処理、及びステップS519の処理は、ステップS405で固定名称画像が含まれないとき又はステップS411で指定画像がないときにのみ行われる。
  [第2の実施の形態における効果]
  第2の実施の形態では、複数種類のウェブアプリケーションの表示画面において、そのウェブアプリケーションが認定されているか否かに応じて、これらの認定ロゴ画像が統一性をもって表示される。したがって、ユーザは、容易にウェブアプリケーションが認定されているものであるか否かを判別することができる。各々の認証されているウェブアプリケーションを提供するサーバに認定ロゴ画像を記憶させる必要がなく、ページ情報515aに所定の記述を行うだけで、容易に、認定ロゴ画像を表示画面に表示させることができる。
  また、あるウェブアプリケーションの認定前後で、そのページ情報515aの認定ロゴ画像に関する記述が変更されなくても、そのウェブアプリケーションの表示画面に表示される認定ロゴ画像が変更される。したがって、ユーザの負担を小さく保ったままで、認定ロゴ画像を適切に表示させることができる。
  [第3の実施の形態]
  第3の実施の形態における画像形成システム900の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態においては、画像形成装置1が、ウェブサーバ501とは異なる別のウェブサーバから共通画像を取得する点が第1の実施の形態とは異なる。第3の実施の形態においては、URIに固定名称が含まれると判断されたとき、固定名称及びURIに応じて、ウェブサーバ501とは異なる別のウェブサーバから、URIに応じてデータが取得される。
  図20は、第3の実施の形態における解析テーブル15fの一例を示す図である。
  図20を参照して、第3の実施の形態において、解析テーブル15fは、第1の実施の形態における解析テーブル(図10に示したもの)と比較して、以下の点が異なる。すなわち、固定名称「/km/」に対応する共通画像の場所として、「http://192.168.0.100/km/」が指定されている。共通画像の場所は、ウェブサーバ501とは異なる、外部のウェブサーバ1501(図21に示す)内の所定の場所である。
  図21は、第3の実施の形態の画像形成システム900におけるウェブアプリケーションの利用時の動作を説明する図である。
  図21を参照して、画像形成システム900において、画像形成装置1は、ネットワーク800を介して、ウェブサーバ501と、ウェブサーバ501とは異なる別のウェブサーバ1501と、それぞれ通信可能である。
  ウェブサーバ1501には、HDD1515が設けられている。HDD1515には、画像データ1515bが記憶されている。画像データ1515bには、画像形成システム900で動作する種々のウェブアプリケーションで共用される共通画像が含まれている。共通画像としては、画像形成装置1の内蔵アプリケーションで用いられる画像と同一のものが含まれる。図20に示したように、画像データ1515bが記憶されている場所は、予め、画像形成装置1の解析テーブル15fにおいて、固定名称「/km/」に対応する所定のディレクトリとして設定されている場所である。
  第3の実施の形態においても、画像形成装置1でウェブアプリケーションが起動されるとき、ウェブブラウザ53は、ページ情報515aに、画像データを示すURIとして所定の固定名称が含まれるものがあるか否かを判別する。固定名称「/km/」を含むURIすなわち共通画像を指し示すURIがある場合には、ウェブブラウザ53は、固定名称「/km/」に対応する、ウェブサーバ1501のHDD1515の所定のディレクトリから、URIに対応する画像データ1515bを取得する。これにより、ウェブブラウザ53は、共通画像を含むウェブアプリケーションの表示画面を生成し、画像形成装置1の表示パネル13に表示させることができる。
  [第3の実施の形態における効果]
  第3の実施の形態においては、共通画像が画像形成装置1の外部のウェブサーバ1501から取得される。したがって、第1の実施の形態において得られる効果と同様に、内蔵アプリケーションのUIとウェブアプリケーションのUIとの統一性を高めることができる。ウェブアプリケーションを利用するユーザの混乱を招きにくく、ユーザの誤操作を防止でき、画像形成装置1の利便性を高められる。
  なお、ウェブサーバ501に共通画像に関する画像データが記憶されていてもよい。この場合、ウェブブラウザ53は、ウェブサーバ501にアクセスして共通画像を取得することができる。また、ウェブサーバ1515は、画像形成装置1とは異なる別の画像形成装置(例えば、画像形成装置201,301など)がウェブサーバとして機能することで実現されていてもよい。この場合、上記別の画像形成装置で動作する内蔵アプリケーションにおいて用いられる画像と同じ共通画像を、ウェブアプリケーションにおいて表示させるようにしてもよい。
  画像形成装置1の内蔵アプリケーションで、ウェブサーバ501や別のウェブサーバ1501に記憶されている共通画像を画像形成装置1が取得したものが用いられてもよい。この場合、画像形成装置1の内蔵アプリケーションとウェブアプリケーションとでUIに用いられる画像を確実に統一することができる。また、ウェブサーバ501,1501に記憶されている共通画像を変更することで、内蔵アプリケーションやウェブアプリケーションで用いられる画像を、それらの統一性を保ったままで、容易に切り替えることができる。
  固定名称が含まれるURIがあると判断されたとき、固定名称及びURIに応じて取得されるデータとしては、共通画像に限られず、他の画像データや、他種のデータなどが取得されてもよい。
  [その他]
  上記第1〜第3の実施の形態に含まれるそれぞれの技術的事項を適宜組み合わせて、画像形成システムを構成してもよい。ページ情報に含まれるURIに固定名称が含まれる場合、その固定名称に対応する所定の場所からデータが取得されるようにすることで、画像形成装置1で動作するウェブアプリケーションのUIの統一性を高めることができる。
  所定の場所に記憶されており、固定名称が含まれるURIがあることで取得されるデータとしては、画像データに限られるものではない。例えば、ウェブページのスタイルシート(CSS(Cascading  Style  Sheet)やXSL(Extensible  Stylesheet  Language)など)など、種々のデータについて、上記のように固定名称がURIに含まれるか否かに応じてデータの取得場所が変更されてもよい。これにより、容易にウェブアプリケーションのUIの統一性を保つことができる。
  共通データや画像形成装置の内部に記憶されたデータの利用に関するページ情報の解析処理などは、ウェブアプリケーションについてのページ情報についてのみならず、他のウェブページのページ情報が取得されたときにも行われてもよい。
  登録されていないウェブアプリケーションを利用する指示が行われた場合であっても、共通データや画像形成装置の内部に記憶されたデータの利用に関するページ情報の解析処理が行われるようにしてもよい。ユーザによりウェブアプリケーションを利用する指示が行われたか否かは、登録されているウェブアプリケーションについて機能選択画面に表示されているボタンの操作が行われたか否かにより判別可能である。
  ウェブブラウザなどが、ウェブブラウザ機能によりユーザからの指示に基づいて取得されるページ情報について、ウェブアプリケーションに関するものか否かを判別するようにしてもよい。ユーザの指示に基づいて取得されるページ情報が、所定の形式であることを示すURIにより特定されるものであるとき(例えば、ページ情報の拡張子が所定のものであるとき)に、そのページ情報について解析処理が行われるようにしてもよい。
  登録されているウェブアプリケーションを利用する指示が行われた場合にのみ、共通データや画像形成装置の内部に記憶されたデータの利用に関するページ情報の解析処理などが行われるようにしてもよい。ユーザによりウェブアプリケーションを利用する指示が行われたとき、アプリ管理部により登録されているウェブアプリケーションであるか否かを判定し、その判定結果に応じて、解析処理が行われるようにしてもよい。
  ページ情報に含まれるURIとしては、相対URIに限られず、絶対URIであってもよい。絶対URIが指定されていても、それに固定名称が含まれている場合には、その固定名称に応じたて上記のような処理が行われるようにしてもよい。相対URIが指定されており、それに固定名称が含まれる場合にのみ、上記の固定名称に応じた処理を行い、絶対URIが指定されている場合には、上記の処理を行わないようにしてもよい。すなわち、絶対URIが指定されている場合には、固定名称が含まれていても、その絶対URIで指定されている場所からデータが取得されるようにすればよい。
  固定名称と所定の場所との対応関係は、画像形成システムで共有されていてもよい。例えば、このような対応関係を示す解析テーブルが、ウェブサーバ、管理装置又は他の装置に記憶されており、画像形成装置は、ネットワークを介して取得した解析テーブルに基づいて、固定名称に対応する所定の場所を特定可能であってもよい。
  ウェブブラウザは、キャッシュ情報の有無にかかわらず、キャッシュ情報を用いないようにしてもよい。また、ウェブブラウザは、適切なキャッシュ情報がある場合には、固有名称に対応する所定の場所からデータを取得せず、キャッシュ情報からデータを取得するようにしてもよい。
  ウェブアプリケーションは、上述のようなものに限られない。1つのウェブアプリケーションが、画像形成システムを構成する複数のウェブサーバにより提供されていてもよい。複数のウェブアプリケーションが1つのウェブサーバにより提供されていてもよい。ウェブアプリケーションは、サーバ機能を有する画像形成装置によって提供されていてもよい。
  ウェブサーバと画像形成装置などを通信可能に接続するネットワークとしては、インターネットを介したものであってもよい。画像形成システムには、他の機器が設けられていてもよい。
  画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
  上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
  上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
  上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。