本発明の実施の形態の説明に先立って、その前提となるアフィリエイトモデルについて述べる。
  図9は、実施の形態の前提となるアフィリエイトモデルを説明する図である。アフィリエイタである公開者900は、メールマガジンやブログ等のウェブサイト等で商品となるコンテンツを紹介するとともに、その商品の提供者910である企業等のウェブサイトへのリンクを張る。公開者900を起源とするメールマガジンやウェブサイトを閲覧した購入者920が、そのメールマガジンやウェブサイトを経由して提供者910のウェブサイトで商品を購入したり、サイトの会員登録をしたりすると、提供者910は、公開者900に対してインセンティブとしてアフィリエイト報酬を支払う。
  一般に、アフィリエイタである公開者900は、商品となるコンテンツを所有する必要はない。公開者900は、購入者920に商品の紹介をすることで提供者910に代わって宣伝活動を行う。提供者910は宣伝広告費を削減することができるため、その削減された宣伝広告費の中から、公開者900に支払うアフィリエイト報酬を捻出する。
  このようなモデルにおいては、公開者900は商品の宣伝によるインセンティブが期待でき、提供者910は広告費の削減を期待できる。しかしながら、購入者920にとっては、商品広告の一形態に過ぎず、商品を購入することによって特段の利益が得られることはない。
  図1は、実施の形態に係るアフィリエイトシステム100の概要を説明する図である。実施の形態に係るアフィリエイトシステム100は、識別子付きコンテンツ提供システム200を中心に構成される。識別子付きコンテンツ提供システム200は、アフィリエイタとなるユーザを管理するサーバであるID(Identification;識別子)管理装置300と、商品となるコンテンツを提供するサーバであるコンテンツ提供装置230と、コンテンツを管理するデータベースであるコンテンツデータベース220と、アフィリエイタにアフィリエイト報酬を提供するアフィリエイトサーバ210とを含む。
  以下、実施の形態に係るアフィリエイトシステム100の動作の概要を順に説明する。コンテンツとして、ゲームや映画、音楽等のデジタルコンテンツを例に説明する。以下括弧付きの数字で表される動作は、図1における括弧付きの数字と対応する。
  (1)まず前提として、アフィリエイトシステム100を利用するユーザAとユーザBとは、ID管理装置300にユーザ登録を行う。以下、特に区別の必要がない場合、ID管理装置300にユーザ登録を行った者を「ユーザ」と総称する。ID管理装置300にユーザ登録を行うと、ユーザには、将来的にアフィリエイトを提供する際にユーザを特定するために利用されるアフィリエイタ識別子が付与される。
  (2)アフィリエイタ識別子を持つユーザAは、コンテンツ提供装置230にコンテンツの購入を申し込む。このとき、ユーザAは自身のアフィリエイタ識別子をコンテンツ提供装置230に通知する。すると、(3)コンテンツ提供装置230は、コンテンツデータベース220からユーザAに提供するコンテンツを取得する。
  (4)ID管理装置300は、コンテンツ提供装置230からユーザAに提供するコンテンツとユーザAのアフィリエイタ識別子とを受け取ると、コンテンツにアフィリエイタ識別子を付与する。その後、ユーザAのアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツを、コンテンツ提供装置230に送信する。
  (5)コンテンツ提供装置230は、ID管理装置300から取得したユーザAのアフィリエイタ識別子の付与されたコンテンツ400を、ユーザAに提供する。(6)ユーザAは、ユーザAのアフィリエイタ識別子の付与されたコンテンツ400をコンテンツ提供装置230から取得する。その後、取得したコンテンツを後述する方法によって他のユーザBに公開することにより、そのコンテンツ400を宣伝する。ユーザBは、ユーザAからユーザAのアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツ400の紹介を受けるとともに、ユーザAのアフィリエイタ識別子を取得する。
  (7)ユーザAからコンテンツ400の紹介を受けたユーザBがコンテンツの購入を希望する場合、コンテンツ提供装置230に、ユーザB自身のアフィリエイタ識別子を通知するのみならず、ユーザAのコンテンツ400を起源として取得したユーザAのアフィリエイタ識別子も通知する。(8)コンテンツ提供装置230は、コンテンツデータベース220からユーザBに提供するコンテンツを取得する。
  (9)ID管理装置300は、コンテンツ提供装置230からユーザBに提供するコンテンツとユーザBのアフィリエイタ識別子とを受け取ると、コンテンツにアフィリエイタ識別子を付与する。その後、ユーザBのアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツを、コンテンツ提供装置230に送信する。
  (10)コンテンツ提供装置230は、ID管理装置300から取得したユーザBのアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツ500を、ユーザBに提供する。(11)続いてコンテンツ提供装置230は、ユーザBから通知を受けたユーザAのアフィリエイタ識別子を、アフィリエイトサーバ210に送信する。
  (12)アフィリエイトサーバ210は、コンテンツ提供装置230から取得したユーザAのアフィリエイト識別子をID管理装置300に送信する。ID管理装置300は、アフィリエイトサーバ210から取得したユーザAのアフィリエイタ識別子をもとに、後述するアフィリエイタIDデータベース330を参照して、ユーザAを特定する情報を取得する。(13)アフィリエイトサーバ210は、ID管理装置300から取得したユーザAを特定する情報をもとに、ユーザAに対してアフィリエイト報酬を提供する。
  (14)ユーザAは、ユーザAのアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツ400を他のユーザCに公開することで、コンテンツ400の宣伝を行う。(15)ユーザBも同様に、ユーザBのアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツ500を他のユーザDに公開することで、コンテンツ500の宣伝を行う。このように、コンテンツを購入したユーザは、コンテンツの購入と同時にアフィリエイタとなることができる。
  なお、図1では、ユーザAのアフィリエイタ識別子を「AID−A」(Affiliate IDentifier-A)、ユーザBのアフィリエイタ識別子を「AID−B」と省略して記載している。また、後述するコンテンツ識別子を「CID」(Content IDentifier)と省略して記載している。
  図2は、実施の形態に係るID管理装置300の各機能を模式的に示す図である。ID管理装置300は、アフィリエイタ管理部310、ID付与部320、およびアフィリエイタIDデータベース330を含む。
  図2は、実施の形態に係るID管理装置300を実現するための機能構成を示しており、その他の構成は省略している。図2において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU、メインメモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メインメモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
  アフィリエイタ管理部310は、ユーザからユーザ登録の申込を受け付けると、そのユーザに固有のアフィリエイタ識別子を発行してユーザ登録を行う。アフィリエイタ管理部310はまた、コンテンツの購入の申し込みをしたユーザのアフィリエイタ識別子と、そのユーザに提供するコンテンツとを、コンテンツ提供装置230から取得する。
  ID付与部320は、アフィリエイタ管理部310から取得した、ユーザに提供するコンテンツにそのユーザのアフィリエイタ識別子を付与する。これは例えば、デジタルコンテンツの所定のヘッダ領域にアフィリエイタ識別子を格納する等、既知の技術を用いて実現できる。ID付与部320はアフィリエイタ識別子を付与したコンテンツを、アフィリエイタ管理部310を介してコンテンツ提供装置230に送信する。
  なお、アフィリエイタ管理部310は、ID付与部320にアフィリエイタ識別子を受け渡す前に、後述するアフィリエイタIDデータベース330を参照してコンテンツの購入の申し込みをしたユーザが適切にユーザ登録をしているか否かの認証をするようにしてもよい。
  アフィリエイタ管理部310は、アフィリエイトサーバ210から、コンテンツの購入の申込をしたユーザが、そのコンテンツの紹介を受けたユーザのアフィリエイタ識別子を取得する。アフィリエイタ管理部310は、取得したアフィリエイタ識別子をもとにアフィリエイタIDデータベース330を参照して、アフィリエイト報酬を提供するユーザを特定する情報を検索し、その情報をアフィリエイトサーバ210に送信する。
  図3は、実施の形態に係るアフィリエイタIDデータベース330の構造を模式的に示す図である。アフィリエイタIDデータベースは、アフィリエイタ識別子と、そのアフィリエイタを特定するための情報とが対応づけられて格納されている。具体的には、アフィリエイタであるユーザの氏名、年齢、国籍、およびユーザが所有しているコンテンツのCID等である。図示はしないが、アフィリエイタIDデータベース330は必要に応じてユーザの住所や口座番号等、アフィリエイト報酬の支払いに必要な個人情報を格納してもよい。
  アフィリエイタ管理部310は、新しくユーザ登録があった場合や、ユーザが新たなコンテンツを購入したときに、アフィリエイタIDデータベース330の関連する情報を更新する。
  図4は、実施の形態に係るコンテンツの公開手法の一例を模式的に示す図である。この例では、ユーザAおよびユーザBが、携帯情報端末装置600と総称する携帯情報端末装置600a、600bをそれぞれ所有しているものとする。携帯情報端末装置600aおよび600bは、例えばIEEE802.11で標準化されている無線LAN(Local Area Network)を用いて相互にアドホック通信をしたり、図示しないアクセスポイント等の中継機器を介してインターネット700等の外部ネットワークと通信したりする。このため、携帯情報端末装置600は、図示しないWi-Fi(登録商標)モジュール等の既存の無線通信モジュールを搭載している。
  識別子付きコンテンツ提供システム200からコンテンツを購入したユーザAは、所有する携帯情報端末装置600aを用いてアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツ400を再生する。携帯情報端末装置600aがコンテンツ400を再生中に、ユーザBが所有する携帯情報端末装置600bが、携帯情報端末装置600aとの間でアドホック通信を確立可能な所定の範囲内まで接近すると、携帯情報端末装置600aと携帯情報端末装置600bとは自動でアドホック通信を確立する。
  携帯情報端末装置600aは、携帯情報端末装置600bとアドホック通信が確立している間、再生中のコンテンツ400を携帯情報端末装置600bにストリーミング配信する。これにより、ユーザBは、例えばたまたま車内で乗り合わせたユーザAの再生するコンテンツ400に触れる機会を得ることができる。携帯情報端末装置600aは、コンテンツ400をストリーミング配信するとともに、そのコンテンツ400を特定するためのCIDおよびそのコンテンツ400の所有者であるユーザAのアフィリエイタ識別子も携帯情報端末装置600bに送信する。
  このため、携帯情報端末装置600bにはユーザAのアフィリエイタ識別子と、ストリーミング配信されたコンテンツ400のCIDとが残される。ユーザBは、アドホック通信による、いわば一期一会的に触れる機会を得たコンテンツが気に入った場合、後にCIDを用いてそのコンテンツを購入することができる。
  具体的には、ユーザBは、携帯情報端末装置600bからインターネット700を介して識別子付きコンテンツ提供システム200内のコンテンツ提供装置230にアクセスし、携帯情報端末装置600aから取得したCIDおよびユーザAのアフィリエイタ識別子、さらに自身のアフィリエイタ識別子をコンテンツ提供装置230に通知してコンテンツの購入を申し込む。この結果、ユーザBは自身のアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツ500を入手することができ、ユーザAは、アフィリエイト報酬を受け取ることができる。
  図5は、実施の形態に係るアフィリエイトモデルの手順を示すシーケンス図の前半部である。以下に示す各シーケンス図においては、各部の処理手順を、ステップを意味するS(Stepの頭文字)と数字との組み合わせによって表示する。本シーケンス図における処理は、ユーザAおよびユーザBがID管理装置300にユーザ登録を行うときに開始する。なお、図5と後述する図6とにおいて括弧付きの数字は、図1における括弧付きの数字と対応する。
  ユーザAおよびユーザBは、ID管理装置300にユーザ登録を行う(S10)。この結果、アフィリエイタIDデータベース330に、ユーザAおよびユーザBの情報が新規に格納される。ユーザAが、自身のアフィリエイタ識別子とともにコンテンツ購入の申し込みをする(S12)。
  コンテンツ提供装置230は、ユーザAからコンテンツの購入の申し込みを受け付けると(S14)、コンテンツデータベース220からコンテンツを取得して、ユーザAのアフィリエイタ識別子とともにID管理装置300に送信する。ID管理装置300内のID付与部320は、ユーザAに提供するコンテンツにユーザAのアフィリエイタ識別子を付与する(S16)。
  コンテンツ提供装置230は、ID管理装置300から取得したユーザAのアフィリエイタ識別子付きのコンテンツ400を、ユーザAに販売して提供する(S18)。ユーザAは、自身のアフィリエイタ識別子付きコンテンツ400を入手する(S20)。ユーザAは、入手したコンテンツを携帯情報端末装置600aで再生することにより、コンテンツ400を公開する(S22)。
  ユーザBは、所有する携帯情報端末装置600bで携帯情報端末装置600aからストリーミング配信されるコンテンツ400を受信することで、携帯情報端末装置600aで再生中のコンテンツ400を認知する(S24)。ユーザBは、携帯情報端末装置600aで再生中のコンテンツの購入を希望する場合、CID、ユーザAのアフィリエイタ識別子、および自身のアフィリエイタ識別子をコンテンツ提供装置230に通知して、コンテンツの購入の申し込みを行う(S26)。
  コンテンツ提供装置230は、ユーザBからコンテンツの購入の申し込みを受け付けると(S28)、コンテンツデータベース220からコンテンツを取得して、ユーザBのアフィリエイタ識別子とともにID管理装置300に送信する。ID管理装置300内のID付与部320は、ユーザBに提供するコンテンツにユーザBのアフィリエイタ識別子を付与する(S30)。
  図6は、実施の形態に係るアフィリエイトモデルの手順を示すシーケンス図の後半部である。
  コンテンツ提供装置230は、ID管理装置300から取得したユーザBのアフィリエイタ識別子付きのコンテンツ500を、ユーザBに販売して提供する(S32)。アフィリエイトサーバ210は、コンテンツ提供装置230からユーザAのアフィリエイタ識別子を取得する(S34)。ID管理装置300は、アフィリエイトサーバ210から取得したユーザAのアフィリエイタ識別子をもとに、アフィリエイタIDデータベース330を参照して、ユーザAを特定する情報を取得する(S36)。
  アフィリエイトサーバ210は、ID管理装置300から取得した情報をもとに、ユーザAにアフィリエイト報酬を支払う(S38)。こうして、ユーザAはアフィリエイト報酬を取得する(S40)。一方、ユーザBは、自身のアフィリエイタ識別子付きコンテンツ500を入手する(S42)。ユーザBは、入手したコンテンツを携帯情報端末装置600aで再生することにより、コンテンツを公開する(S44)。
  以上の行程を繰り返すことにより、ユーザは、コンテンツの購入と同時にアフィリエイタとなることができる。
  以上の構成による動作は以下のとおりである。識別子付きコンテンツ提供システム200にユーザ登録をしたユーザはID管理装置300によって、固有のアフィリエイタ識別子が付与される。このアフィリエイタ識別子とともにコンテンツの購入を申し込み、ユーザは自身のアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツを入手する。このコンテンツをアドホック通信可能な携帯情報端末装置600で再生することで、他のユーザにコンテンツを公開して広告をするとともに、自身のアフィリエイタ識別子を通知する。他のユーザがコンテンツ提供装置230からそのコンテンツを購入すると、ユーザは、アフィリエイト報酬を受け取ることができる。
  以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
  上記の説明では、携帯情報端末装置600で再生するコンテンツをアドホック通信で公開する場合について説明したが、コンテンツの公開手法はこれに限られない。以下、コンテンツ公開手法の別の例について説明する。
  ID管理装置300で管理するアフィリエイタ識別子は、これと連動するSNS(Social Network Service;ソーシャルネットワークサービス)のユーザIDと連動するように構成されている。SNSにおいては、各ユーザはそのソーシャルネットワークサービスを利用するための専用のウェブページを持っており、あるユーザは、ウェブページ上で設定すること等によって他のユーザの商品購入情報を掲載することができる。
  図7は、実施の形態に係るコンテンツの公開手法の別の例を説明する図であり、上述のSNSを利用するためのユーザBのウェブページ800の構成を模式的に示す図である。
  ウェブページ800には、ユーザBのユーザ名804とともにユーザBのポートレイト写真802を掲載することができる。ポートレイト写真802は、ユーザB自身の写真に限らずどのような写真を掲載してもよいし、掲載しなくてもよい。ユーザBが、ユーザAの商品購入情報を掲載するようにウェブページ800を設定すると、ユーザAのポートレイト写真808およびユーザAのユーザ名810とともに、ユーザAの商品購入情報を掲載する情報欄812が表示される。情報欄806には、例えばユーザAのコメント等の各種情報が表示される。
  情報欄812には、ユーザAが購入した商品のタイトルや購入日等が掲載される。情報欄812の近傍には、ユーザAが購入した商品を、コンテンツ提供装置230から購入するためのウェブページへのリンクが張られたバナー814が表示される。ユーザBが、バナー814をクリックすることでユーザAが購入した商品購入した商品と同種の商品を購入すると、コンテンツ提供装置230にはユーザAのアフィリエイタ識別子も通知されるように構成されており、これによりユーザAにアフィリエイト報酬が支払われる。
  ウェブページ800には、コンテンツ提供装置230から購入するためのバナー814の他に、通常のバナー816が掲載されていてもよい。図7には、音楽ファイルを購入するためのバナー816aやカメラを購入するためのバナー816bも掲載されている。また、ユーザAの購入した商品と同種の商品を購入するためのバナー816cも掲載されている。
  ユーザBは、バナー816cをクリックすることで、ユーザAの購入した商品と同種の商品を購入することも当然できる。しかしながら、コンテンツ提供装置230から商品を購入すれば、商品の購入と同時に自分がアフィリエイタとなることができる。そのため、ユーザBにとってはアフィリエイト報酬を期待できるため、コンテンツ提供装置230から商品を購入する動機付けとなりうる。このように、同じ商品の広告であっても、アフィリエイト報酬の期待値が付加される分、差別化を図ることが可能となる。
  このように、アフィリエイタ識別子と連動するSNSのウェブページ800上にバナー814を掲載すれば、ユーザは他のユーザの商品購入情報を表示する旨の設定以外、特段の作業をしなくてよい点で有利である。一方、SNSのウェブページ800ではなく、通常のブログ等にバナー814を掲載するようにしてもよい。この場合、コンテンツ提供装置230は、アフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツからバナー814を生成するためのソフトウェアを提供することで実現できる。このソフトウェアは、コンテンツの購入時にユーザに提供してもよいし、専用のウェブページ上で操作可能なウェブアプリケーションとして提供してもよい。
  上記の説明では、あるユーザからコンテンツの紹介を受けた他のユーザがコンテンツ提供装置230からそのコンテンツを購入すると、そのコンテンツと同じコンテンツを取得できる場合について説明した。識別子付きコンテンツ提供システム200が例えば国ごとや世界の異なる地域ごとに存在する場合、紹介を受けたコンテンツで用いられている言語が、そのユーザにとって母国語でない場合も起こり得る。また、コンテンツによってはその視聴に年齢制限がある場合もある。
  そこで、コンテンツ提供装置230は、ユーザから購入の申し込みを受けたとき、コンテンツを識別するCIDと、ユーザのアフィリエイタ識別子とをもとに、ユーザに適切なコンテンツを販売するようにしてもよい。以下、このことについて説明する。
  図8は、実施の形態に係るコンテンツデータベース220の構造を模式的に示す図である。コンテンツデータベース220には、コンテンツそのもののみならず、コンテンツを識別するCIDと、そのコンテンツで使用されている言語およびそのコンテンツの対象年齢とが対応づけられて格納されている。
  コンテンツ提供装置230は、ユーザから購入の申し込みを受けたとき、ユーザのアフィリエイタ識別子をID管理装置300に送信する。ID管理装置300内のアフィリエイタ管理部310は、取得したアフィリエイタ識別子をもとに、アフィリエイタIDデータベース330を参照して、そのユーザの国籍およびユーザの年齢を取得する。
  コンテンツ提供装置230は、アフィリエイタ管理部310から取得したユーザの国籍をもとにコンテンツデータベース220を参照して、購入の申し込みの際に取得したCIDで特定されるコンテンツが、ユーザの国籍の国で使用される言語を含むか否かを判断する。もし、CIDで特定されるコンテンツがユーザの国籍で使用される言語を含まない場合、コンテンツ提供装置230は、そのコンテンツと同一の内容であってユーザの国籍の国で使用されている言語を含むコンテンツに、そのユーザのアフィリエイタ識別子を埋め込んで提供する。
  また、コンテンツ提供装置230は、アフィリエイタ管理部310から取得したユーザの年齢をもとにコンテンツデータベース220を参照して、ユーザの年齢が、ユーザが購入を希望するコンテンツの対象年齢であるか否かを判断する。ユーザの年齢が、ユーザが購入を希望するコンテンツの対象年齢である場合はそのコンテンツを提供するが、対象年齢でない場合には、ユーザにその旨を通知する。
  これにより、コンテンツ提供装置230は、ユーザの使用する言語およびユーザの年齢を対象年齢とする適切なコンテンツを提供することが可能となる。なお、ユーザが希望する場合には、ユーザの使用する言語でない言語のみを含むコンテンツを販売するようにしてもよい。ユーザの趣向を反映することができる点で有利である。
  上記の説明では、ユーザAの所有する携帯情報端末装置600aから、ユーザAのアフィリエイタ識別子の付与されたコンテンツをユーザBの所持する携帯情報端末装置600bにストリーミング配信し、携帯情報端末装置600bにはコンテンツを特定するためのCIDと、ユーザAのアフィリエイタ識別子とが残る場合について説明した。これに代えて、ユーザAは、所有するアフィリエイタ識別子付きコンテンツをユーザBにコピーすることで、そのコンテンツを公開するようにしてもよい。以下、この場合について説明する。
  ユーザAからユーザAの所有するユーザAのアフィリエイタ識別子付きコンテンツを受け取っても、ユーザBは、そのままでは自身の所有する携帯情報端末装置600b上で再生できない。このために、ID管理装置300は、ユーザ登録と同時にそのユーザが所有する携帯情報端末装置600に固有に割り振られた識別子も登録する。携帯情報端末装置600に固有に割り振られた識別子は、例えば製造者が独自に割り当てる識別子でもよいし、通信モジュールのMACアドレス(Media Access Control address)でもよい。
  アフィリエイタ識別子付きコンテンツは、ID管理装置300に登録されているアフィリエイタ識別子と、そのコンテンツが再生される携帯情報端末装置600の識別子が一致する場合にのみ再生可能となるように構成されている。この状態では、コンテンツはいわば施錠されており、このコンテンツにユーザBのアフィリエイタ識別子を付与する「鍵」を適用することで、ユーザBはコンテンツの再生が可能となる。
  そこで、ユーザBは、ユーザAのアフィリエイタ識別子が付与されたコンテンツを起源として取得したユーザAのアフィリエイタ識別子とともに、コンテンツ提供装置230にそのコンテンツを解錠するための鍵の購入を申し込む。ID管理装置300内のID付与部320は、ユーザBに提供するための鍵に、ユーザBのアフィリエイタ識別子を埋め込む。ユーザBは、ユーザBのアフィリエイタ識別子を埋め込まれた鍵をユーザAから取得したコンテンツに適用することで解錠し、その結果そのコンテンツは再生が可能となる。
  ユーザBがコンテンツを解錠するための鍵の購入を申し込むときには、上述の場合と同様に、コンテンツ提供装置230にユーザAのアフィリエイタ識別子を通知する。これにより、ユーザAは、アフィリエイトサーバ210からアフィリエイト報酬を受け取ることができる。一般に、コンテンツを解錠するための鍵はコンテンツ本体よりも容量が小さいため、コンテンツ提供装置230から直接コンテンツをダウンロードする場合と比較して、ユーザは通信コストおよび通信時間を削減できる点で有利である。
  上記の説明では、商品としてデジタルコンテンツを前提に説明したが、例えば衣服や文房具等の有体物であってもよい。この場合、有体物にアフィリエイタ識別子が格納されたバーコードや、RFID(Radio Frequency IDentification)を付与し、ユーザ間で商品を実際に紹介し合うことで実現できる。