(第1の実施形態)
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。ただし、本実施の形態に関して前述した一従来例と同一の部分は、同一の名称を使用して詳細な説明は省略する。なお、本実施の形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。従って、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
図1は本発明の第1の実施形態のMISFETを示す。図1(b)は、上面図(図1(a))のA−A'の位置での断面図である。このMISFETは複数の電界効果トランジスタが横に並べられて、お互いの電界効果トランジスタが電気的に並列接続されるマルチフィンガー形状を有する。図1では3つ構成単位のMISFETを示している。
本発明の第1の実施形態の半導体装置は、基板と、基板上に設けられた複数の電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタの上部に電気的に接続された多層配線構造と、を備える。この電界効果トランジスタは、基板の表面近傍に設けられたソース拡散層110と、基板の表面近傍に設けられたドレイン拡散層120と、ソース拡散層110とドレイン拡散層120と間の基板の上部に絶縁膜を介して設けられたゲート電極100と、を有する。また、多層配線構造は、ゲート電極100の上部に設けられた複数の第1のコンタクト130と、ソース拡散層110の上部に設けられた複数の第2のコンタクト130と、ドレイン拡散層120の上部に設けられた複数の第3のコンタクト130と、第1のコンタクト130の上部に設けられた接続パッド152と、接続パッド152の上部に設けられた導電プラグ(ビア140)と、ビア140の上部に設けられた第1の配線(M2配線160)と第2のコンタクト130の上部に設けられた第2の配線(M1配線150)と、第3のコンタクト130の上部に設けられた第3の配線(M1配線150)と、を有する。ここで、接続パッド152は、島状M1配線である。島状M1配線とは、当該配線が接続されたコンタクトに隣接するコンタクトとの距離よりも長さが短いM1配線を意味する。
さらに、第1の配線(M2配線160)は、第1のコンタクト130、接続パッド152、およびビア140を介してゲート電極100に電気的に接続する。この接続パッド152は、第2の配線(M1配線150)および第3の配線(M1配線150)と同層に設けられている。そのため、第1の配線(M2配線160)は、第2の配線(M1配線150)および第3の配線(M1配線150)よりも上層に設けられる。また第1の配線(M2配線160)より下層の接続パッド152およびビア140は、第1のコンタクト130の直上部近傍のみに配置されるものである。
本実施形態の多層配線構は、配線および絶縁膜により構成された配線層が複数積層されたものである。この配線は金属を主成分とする配線であれば特に限定されない。この絶縁膜は、例えば配線材を絶縁分離する膜(層間絶縁膜)である。また、メタル配線およびコンタクトの材料は、主にCuを主成分とすることができる。金属配線材の信頼性を向上させるため、Cu以外の金属元素がCuからなる部材に含まれていても良く、Cu以外の金属元素がCuの上面や側面などに形成されていても良い。さらに、配線あるいはコンタクトを構成する金属元素が層間絶縁膜や下層へ拡散することを防止するために、配線の側面および底面を被覆するバリアメタル膜を設けてもよい。バリアメタル膜は、銅の拡散に対してバリアとなる性質を有する導電性膜を示す。例えば、配線がCuを主成分とする金属元素からなる場合には、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、およびタングステン(W)のような高融点金属やその窒化物等、またはそれらの積層膜が使用されてもよい。このメタル配線の形成方法は特に限定されず、エッチング法、ダマシン法などが用いられる。メタル配線下およびメタル配線間の層間絶縁膜のいずれにもCMPを用いることができる。また、接続パッド152も配線と同様の材料で構成することができる。
本実施形態において、電界効果トランジスタは、横に並べられて、お互いの電界効果トランジスタは電気的に並列接続されるマルチフィンガー構造となっている。例えば図1に例示するように、基板上のゲート電極100、ソース拡散層110、およびドレイン拡散層120がそれぞれ延設した方向をゲート電極100の延在方向とし、これらにより構成されたMISFETを構成単位とする。このマルチフィンガー構造は、ゲート電極100の延在方向に対して直角方向に配置されたMISFETの構成単位が、互に電気的に並列接続されたものである。2つの単位電界効果トランジスタは、ソース拡散層110またはドレイン拡散層120を共用することができる。本実施形態のMISFETはアナログ回路に用いてもよい。
また第1、第2、および第3のコンタクト130は、それぞれ基板上のゲート電極100、ソース拡散層110、およびドレイン拡散層120上に複数設けられてもよい。第1のコンタクト130と、第2および第3のコンタクト130とは、MISFETの構成単位中で同数でも異なった数でもよい。図1に示すように、第1のコンタクト130、第2のコンタクト130および第3のコンタクト130のそれぞれのコンタクト配置は格子状となってもよい。さらに、それぞれのコンタクト配置のコンタクトの縦横の位置は一致してもよく、異なってもよい。このコンタクト配置は、第1の配線(M2配線160)が第2の配線および第3の配線(M1配線150)より上層に設けられる限り、特に限定されない。
ゲート電極100の第1のコンタクト130の径がゲート長より大きい場合には第1のコンタクト130がゲート電極100からはみ出す形状となる。この場合でも、ゲート電極100の側面にはシリコン窒化膜などで形成されるサイドウォール(図示せず)を配置することができるため、第1コンタクト130がサイドウォールからはみ出さない限りは、第1のコンタクト130とソース・ドレイン領域(ソース拡散層110、ドレイン拡散層120)とが短絡することを防ぐことができる。
また、図1に示すように、ソース拡散層110の第2のコンタクト130はMISFETのチャネル領域170と直列に接続される。またドレイン拡散層120の第3のコンタクト130も同様に直列に接続される。これにより、第2のコンタクト130および第3のコンタクト130は抵抗が大きいとオン電流などMISFETのDC特性に影響を与えるが、ゲート電極100の第1のコンタクト130はゲート電極抵抗に直列に接続されるのでゲート電極抵抗に対して相対的に低ければよい。そのため、上述のとおり、ゲート電極100に形成する第1コンタクト130の数はソース拡散層110に形成する第2のコンタクト130またはドレイン拡散層120に形成する第3のコンタクト130の数よりも少なくしてもよい。
M2配線160は、接続パッド152およびビア140を介して、ゲート電極100と電気的に接続するものである。本実施形態の第1の配線(M2配線160)は、ゲート電極100の上部に設けられた第1のコンタクト130の直上部近傍のみに配置された接続パッド152およびビア140を介して、ゲート電極100の上層に設ける。これにより、このM2配線160は、ソース拡散層110およびドレイン拡散層120のそれぞれの配線(M1配線150)より上層に設けられる。
また、M2配線160は、ソース拡散層110およびドレイン拡散層120のそれぞれの配線(M1配線150)より上層に設けられているかぎり、自由なパターンの配線構造で第1のコンタクト130を電気的に接続することができる。M2配線160は、M1配線150と同層に設けられた接続パッド152の上部にビア140を介して設けられる。M2配線160は、同一のゲート電極100上部の第1のコンタクト130と接続してもよく、異なるゲート電極100にまたがって複数の第1のコンタクト130と接続してもよい。また、M2配線160は、1つの配線層で設けられていてもよく、複数の配線層にまたがって設けられていてもよい。さらには、M2配線160は最上配線層に形成されてもよい。
この接続パッド152は、ゲート電極100の延在方向における第1のコンタクト130同士を接続しなければ、特に限定されない。また接続パッド152は、第1のコンタクト130と同径程度の径を有してもよい。本実施形態の配線抵抗の低減の効果が得られる範囲で調整できる。本実施形態では、接続パッド152(島状M1配線)は、ソース拡散層110およびドレイン拡散層120のそれぞれの配線(M1配線150)と同じリソグラフィーパターンで形成されてもよい。接続パッド152は、M1配線150と同層に設けられている。
導電プラグは、本実施形態では、図1に例示するように、ビア140であるが、これに限定されるものではない。複数のビア140と接続パッド152とが設けられていてもよい。これにより、M2配線160をさらに上層に形成することができる。
本実施形態では、メタル配線層として最下層のM1配線150、およびM1配線150よりひとつ上の層のM2配線160を使用するものとする。M1配線150とM2配線160の場合のみを示すが、さらに上層のメタル配線を使用することもできる。ただし、上層の配線を使用した場合でも、ソース拡散層110の配線およびドレイン拡散層120の配線に対するゲート電極100の配線の相対的な位置関係は変わらないものとする。つまり、どのような多層配線構造でも、第2の配線(M1配線150)および第3の配線(M1配線150)に対する第1の配線(M2配線160)の相対的な位置関係は維持されるものとする。
図1に示すように、第1の配線(M2配線160)は、第2の配線(M1配線150)および第3の配線(M1配線150)と平行に設けられている。ソース・ドレイン配線はM1配線150を使用する。この、M1配線150はゲート電極100に平行に配置されている。チャネル部170の複数の箇所に第1のコンタクト130を配置する。第1のコンタクト130近傍のみに接続パッド152を配置する。このようにして、ビア140を介してゲート電極100をM2配線160に接続する。ゲート電極100の延在方向に対して平行な方向にM2配線160でゲート電極100は接続される。ここで、「平行」とは、各配線が配置される際に、本実施形態の効果を奏する範囲の程度の誤差を許容することを意味する。
本実施形態の効果について説明する。M2配線160はゲート電極100に平行に配置しMISFETの外側まで接続される。この形状ではゲート電極100のメタル配線(M2配線160)とソース拡散層110・ドレイン拡散層120のメタル配線(M1配線150)は並列に配置される。ソース拡散層110・ドレイン拡散層120が主にM1配線150で形成されるのに対して、ゲート電極100はM2配線160で形成される。M2配線160は、ソース拡散層110およびドレイン拡散層120のそれぞれの配線(M1配線150)より上層に設けられる。
また、M1配線150と同層には、接続パッド152が設けられている。M1配線150は、ゲート電極100の延在方向に延設する構造であるのに対して、本実施形態の接続パッド152は、第1のコンタクト130近傍のみに配置される。
これにより、本実施形態のゲート電極100とソース拡散層110・ドレイン拡散層120との間の寄生容量は、全ての(ゲート電極100、ソース拡散層110、ドレイン拡散層120の配線がM1配線150で形成される場合よりも小さくなる。つまり、M2配線160とM1配線150とが同層に設けられた構造よりも、本実施形態のM2配線160がM1配線150よりも上層に設けられた構造の方が、ゲート電極100とソース拡散層110・ドレイン拡散層120との間の寄生容量は小さくなる。
また、本実施形態では、複数の第1のコンタクト130とこの上部に設けられた第1のコンタクト130と同径程度の接続パッド152およびビア140を介して、ゲート電極100のメタル配線としてM2配線160をゲート電極100上に設けるため、ゲート電極100の抵抗を低減することができる。
このように、本実施形態では、ゲート電極100の抵抗を低減しつつメタル配線の寄生容量増大を抑制できる。また、M2配線160をM1配線150よりも上層に設ける構造により、M1配線150の間隔を広げずにメタル配線の寄生容量の増大を抑制できるため、MISFETの占有面積の増大を抑制することができる。よって、M2配線160とM1配線150とが同層に設けられていないため、従来と比較してメタル配線の寄生容量を低減したまま、ソース拡散層110・ドレイン拡散層120のメタル配線の間隔を狭めてMISFETの占有面積を低減することができる。
ところで、上述のとおり、従来のゲート電極のメタル配線とソース拡散層およびドレイン拡散層のメタル配線とは同じ層に設けられていた。それは、1つのリソグラフィーパターンでゲート電極のメタル配線とソース拡散層およびドレイン拡散層のメタル配線とを形成でき、製造工程が容易になるためである。そのため、メタル配線を異なる層に設けるためには、平坦化の工程や新たなリソグラフィーパターンが必要となり製造工程が煩雑になる。そのため、ゲート電極のメタル配線とソース拡散層およびドレイン拡散層のメタル配線は異なる層に設けられることは通常なかった。
これに対して、本実施形態では、新たなリソグラフィーパターンにより製造工程が増加するが、M2配線160とM1配線150とが同層に設けられた構造よりも、本実施形態のM2配線160がM1配線150よりも上層に設けられた構造の方が、ゲート電極100とソース拡散層110・ドレイン拡散層120との間の寄生容量を小さすることができる。さらに、本実施形態では、メタル配線の寄生容量を低減させるためにはMISFETの占有面積を増大させる必要もない。
また、特許文献2には、ゲート電極のメタル配線をソース・ドレインのメタル配線に垂直に配置した場合でもゲート電極から上方のメタル配線に接続するための接続部分はソース・ドレインのメタル配線の間を通る必要があり、MISFETの占有面積が増大する問題があった。
これに対して、本実施形態では、ゲート電極100のM2配線160とソース拡散層110・ドレイン拡散層120のM1配線150とは同層に設けられていないため、従来と比較してメタル配線の寄生容量を低減したまま、ソース拡散層110・ドレイン拡散層120のメタル配線の間隔を狭めてMISFETの占有面積を低減することができる。
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態のMISFETを示す。図2(b)は、上面図(図2(a))のA−A'の位置での断面図である。図2では3つ構成単位のMISFETを示している。第2の実施形態は、第1の配線(M2配線160)は、第2の配線(M1配線150)および第3の配線(M1配線150)と直角に設けられている点が第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同様に図2に示すMISFETはマルチフィンガー形状を有する。ここで、「直角」とは、各配線が配置される際に、本実施形態の効果を奏する範囲の程度の誤差を許容することを意味する。本実施形態では、図2に示すように、M1配線150はゲート電極100の延在方向に延設する構成であるのに対して、M2配線160は基板に対して平行であって、このゲート電極100の延在方向に対して直角に延設する構成となる。
図2ではソース拡散層110・ドレイン拡散層120の配線はM1配線150を使用し、ゲート電極100の延在方向に対して平行に配置されている。チャネル領域170の複数の箇所に第1のコンタクト130を配置し、第1のコンタクト130近傍のみに接続パッド152を配置し、さらにビア140を介してゲート電極100をM2配線160に接続する。このM2配線160はゲート電極100の延在方向に対して直角に配置されMISFETの外側まで接続される。この形状ではゲート電極100のメタル配線(M2配線160)とソース拡散層110・ドレイン拡散層120のメタル配線(M1配線150)はゲート電極100の延在方向に対して直角に配置される。ゲート電極100の延在方向に対して直角の方向にM2配線160でゲート電極100は接続される。さらに、ソース拡散層110・ドレイン拡散層120の配線に対して、ゲート電極100の配線は並列に配置されていないので、ゲート電極100とソース拡散層110・ドレイン拡散層120との間の寄生容量は小さくなる。さらに、本実施形態は第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態のMISFETを示す。図3(b)は、上面図(図3(a))のA−A'の位置での断面図である。図3(c)は、上面図(図3(a))のB−B'の位置での断面図である。第3の実施形態は、ゲート電極100の延在方向に設けられた第三の配線(M1配線150)と第二の配線(M1配線150)との間隔において、第一のコンタクト130の近傍の該間隔は、隣接する第2のコンタクト130と第3のコンタクト130との間隔よりも広い点、および第1のコンタクト130は、複数のゲート電極100の当該延在方向に対して直角方向の上部に1つおきに設けられている点が第1の実施形態と異なる。
図3ではソース拡散層110・ドレイン拡散層120の配線はM1配線150を使用し、ゲート電極100の延在方向に対して平行に配置される。M2配線160もゲート電極100の延在方向に対して平行に配置される。ゲート電極100上にはチャネル領域170の複数の箇所に第1のコンタクト130を配置する。図3では3つ構成単位のMISFETを示している。
図3(a)に示すように、ゲート電極100の延在方向に設けられた第三の配線(M1配線150)と第二の配線(M1配線150)との間隔は、隣接する第2のコンタクト130と第3のコンタクト130との近傍よりも、第一のコンタクト130の近傍で広く設けられていてもよい。これは、占有面積を増大せずに配線の寄生容量を小さくする観点から、同層に設けられた第三の配線(M1配線150)および第二の配線(M1配線150)と接続パッド152との配線幅を広くするものである。これにより、構成単位の電界効果トランジスタのソース拡散層110とドレイン拡散層120との幅を狭めつつも、ゲート電極100上部の第一のコンタクト130の近傍では、ソース拡散層110およびドレイン拡散層120のM1配線150の幅を広く維持することができる。
また、本実施形態では、図3(b)に示すように、A−A'の位置での断面視では、第1のコンタクト130が形成されているゲート電極100と第1のコンタクト130が形成れていないゲート電極100が交互に配置されていてもよい。つまり、第1のコンタクト130は、ゲート電極100の延在方向に対する直角方向のゲート電極100の上部に1本おきに形成されてもよい。これに対して、図3(c)に示すB−B'の断面視では、上記A−A'で第1のコンタクト130が形成れていないゲート電極100に第1のコンタクト130が形成され、第1のコンタクト130が形成されているゲート電極100の上部には第1のコンタクト130は形成されなくてもよい。さらに、ゲート電極100の延在方向で見ると、ゲート電極100の第1のコンタクト130は1本おきに形成されてもよい。つまり、ゲート電極100の延在方向に、図3(b)に示す構造と図3(c)に示す構造とが交互に配置されてもよい。第1のコンタクト130は、基板に対して平面視で、編み目状の交点に2つ続けて配置されず、1つの交点おきに配置される。
続いて、第1のコンタクト130と第2のコンタクト130および第3のコンタクト130との位置関係について説明する。本実施形態において、ゲート電極100の第1のコンタクト130の配置部分に隣接するソース拡散層110・ドレイン拡散層120の上部には第2のコンタクト130および第3のコンタクト130は配置されなくてもよい。ゲート電極100の延在方向に対して直角方向には、第1のコンタクト130のみ配置されるとともに第2のコンタクト130および第3のコンタクト130は配置されないか、または第2のコンタクト130および第3のコンタクト130が配置されるとともに第1のコンタクト130が配置されなくてもよい。つまり、ゲート電極100の延在方向に、第1のコンタクト130のみ配置される上記図3(b)に示す構造と上記図3(c)に示す構造との間に、第2のコンタクト130および第3のコンタクト130のみが配置される構造が形成されていてもよい。
本実施形態では、このようなコンタクト配置により、図1と図3を比較すると3つ電界効果トランジスタから構成されたMISFETの場合では、図1ではM1配線(島状M1配線を含む)は7本が並列に配置されているのに対して、図3では6本の並列配置となり、並列に配置する必要のある配線数が少なくなる。同数のMISFETの構成単位を有するマルチフィンガー構造において、第1の実施形態と比較して本実施形態はMISFETを狭いピッチで配置可能であり、占有面積を低減できる。さらに、ソース拡散層110およびドレイン拡散層120のM1配線150の間隔は、第1のコンタクト130が配置される部分で広く、第1のコンタクト130が配置されない部分で狭くできる。これにより、占有面積を低減しつつも配線の寄生容量を小さくすることができる。これに加えて本実施形態は第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第4の実施形態)
図4は本発明の第4の実施形態のMISFETを示す。図4(b)は、上面図(図4(a))のA−A'の位置での断面図である。第4の実施形態は、第1の配線(M2配線160)は、第2の配線(M1配線150)および第3の配線(M1配線150)と直角に設けられている点が第3の実施形態と異なる。図4(c)は、上面図(図4(a))のB−B'の位置での断面図である。図4ではソース拡散層110・ドレイン拡散層120の配線はM1配線150を使用し、ゲート電極100の延在方向に対して直角に配置される。ゲート電極100上にはチャネル領域170の複数の箇所に第1のコンタクト130を配置する。図4では3つ構成単位のMISFETを示している。
図4(a)に示すコンタクト配置により、第三の実施形態と同様に、ソース拡散層110とドレイン拡散層120とのM1配線150の間隔において、ゲート電極100の第1のコンタクト130が配置される部分のM1配線150の間隔を広くし、第1のコンタクト130が配置されない部分ではM1配線150の間隔を狭くできる。これにより、MISFETを狭いピッチで配置可能であり、占有面積を低減でき、配線の寄生容量を小さくすることができる。
本実施形態では、第3の実施形態と同様の効果に加えて、ソース拡散層110・ドレイン拡散層120の配線に対して、ゲート電極100の配線は並列に配置されていないので、ゲート電極100とソース拡散層110・ドレイン拡散層120との間の寄生容量は小さくなる。
(第5の実施形態)
図5は本発明の第5の実施形態のMISFETを示す。図5(b)は、上面図(図5(a))のA−A'の位置での断面図である。図5(c)は、上面図(図5(a))のB−B'の位置での断面図である。第5の実施形態は、2本のゲート電極100が1本のM2配線160で電気的に接続される点が第3の実施形態と異なる。
図5ではソース拡散層110・ドレイン拡散層120の配線はM1配線150を使用し、ゲート電極100の延在方向に対して平行に配置される。ゲート電極100上にはチャネル領域170の複数の箇所に第1のコンタクト130を配置する。図3では3つ構成単位のMISFETを示している。
本実施形態では、第1の配線(M2配線160)は、隣接する2つのゲート電極100の上部に1つおきに設けられた第1のコンタクト130と交互に電気的に接続されているものである。図5に示すように、第1の配線(M2配線160)は、隣接する2つのゲート電極100の上部をジグザグに配置されている。そのため、図5(a)に示すように、第1の配線(M2配線160)は、基板に対して平面視で第3の配線(M1配線150)と重なる部分を有してもよい。このとき、第1の配線(M2配線160)は、基板に対して平面視で第2の配線(M1配線150)と重なる部分を有しない。反対に、第1の配線(M2配線160)が、基板に対して平面視で第2の配線(M1配線150)と重なる部分を有してもよく、このとき第1の配線(M2配線160)は、基板に対して平面視で第3の配線(M1配線150)と重なる部分を有しない。また、基板の法線方向から視た場合、第1の配線(M2配線160)は、第3の配線(M1配線150)と上下で重なるように配置され、第2の配線(M1配線150)と上下で重ならないように配置されてもよい。さらに、基板の法線方向から視た場合、第1の配線(M2配線160)は、第2の配線(M1配線150)と上下で重なるように配置され、第3の配線(M1配線150)と上下で重ならないように配置されてもよい。
M2配線160は全体的にはゲート電極100の延在方向に対して交差するように配置される。またM2配線160は、隣接する2本のゲート電極100を交互に接続する形状を有する。2本のゲート電極100で1本のM2配線160を共用することができる。マルチフィンガー形状ではお互いのMISFETは電気的に並列接続されることになっている。このため、隣接する2本のゲート電極100は短絡させることが可能であり、これによりM2配線160の本数を減らすことができる。また、ゲート電極100の配線のM2配線160はゲート電極100の第1のコンタクト130の1個おきにソースまたはドレイン配線と上下に重なる部分が発生するが、M2配線160は上述のとおり、ソース拡散層110の配線である第2の配線(M1配線150)のみと上下の位置が重なるようにすることも可能である。これによってゲート電極100のメタル配線がドレイン拡散層120のメタル配線から遠ざけられるために、ゲート−ドレイン間容量(ミラー容量)を低減できる。さらに本実施形態では、第3の実施形態と同様の効果が得られる。
(第6の実施形態)
図6は本発明の第6の実施形態のMISFETを示す。第6の実施形態は、ゲート長Lが第1のコンタクト130の径よりも大きい点が第1の実施形態と異なる。本実施形態では、ゲート電極100の延在方向のゲート電極100の長さをゲート幅W、延在方向に対して直角方向のゲート電極100の長さをゲート長Lとする。また第1のコンタクト130の径は、ゲート電極100の延在方向に対して直角方向の第1のコンタクト130の厚みとする。図6に示すように、ゲート長Lが第1のコンタクト130の径よりも大きい構造により、ゲート側壁にサイドウォールが無い場合でも第1のコンタクト130とソース・ドレイン領域(ソース拡散層110、ドレイン拡散層120)とが短絡することを防ぐことができる。さらに、本実施形態は、第1の実施形態と同様の効果が得られる。本実施形態では、第2の実施形態と同様に、第1の配線(M2配線160)は、第2の配線(M1配線150)および第3の配線(M1配線150)と直角に設けられていてもよい。
(第7の実施形態)
図7は本発明の第7の実施形態のMISFETを示す。第7の実施形態は、第3の配線(M1配線150)と第2の配線(M1配線150)とが短絡している点が第6の実施形態と異なる。図7でもゲート長Lが第1のコンタクト130の径よりも大きく、さらに、ソース拡散層110およびドレイン拡散層120の配線を短絡する。これにより、MISFETはゲート電極100とソース拡散層110・ドレイン拡散層120との間で可変容量として働く。この可変容量は、図10に示す等価回路でソース拡散層110・ドレイン拡散層120の配線を短絡した場合の等価回路で表される(図8)。図8において、寄生インダクタンスは無視している。ここでゲート電極抵抗は可変容量に対して直列に接続される形となる。この場合もゲート電極100のチャネル領域170の第1のコンタクト130によってゲート電極抵抗が低減されて可変容量の直列抵抗が減少し、高周波回路に使用したときの損失やノイズが低減できる。