開示の内容〔発明の分野〕
本発明は、眼、鼻、および喉の1または複数に物質を送達するのに適した装置に関する。詳細には、本発明は、少なくとも1種類の活性剤を送達するための涙点プラグに関する。
〔関連出願〕
本願は、2006年6月21日出願の米国仮特許出願第60/805,380号の優先権を主張するものである。
〔発明の背景〕
ヒトの涙は、涙腺によって分泌され、眼の表面を伝って、上下の瞼が1つになっている目頭に位置する涙湖として知られる浅い貯留部に流れる。涙は、この貯留部から、上側涙点および下側涙点と称する各瞼の小孔から排出される。次いで、涙は、上下の涙点から、涙嚢につながっている管状通路である上下の涙小管内に流れる。涙嚢は、鼻器官系に涙を排出する鼻涙管の上側拡張部である。したがって、活性剤は、鼻涙管につながっている涙小管を介して鼻および喉に送達されることができる。
活性剤は、眼の疾患や障害の治療のために眼に投与される場合が多い。眼に活性剤を送達するための従来の手段では、眼の表面に局所適用することが含まれる。局所適用された活性剤は、適切に構成されていれば、角膜を通過して眼内で治療濃度レベルまで上昇するため、眼は、局所投与に非常に適している。眼の疾患や障害のための活性剤は、経口投与または注射器で投与することができる。しかし、このような投与方法は、経口投与では、活性剤は、所望の薬理効果を得るには低すぎる濃度で眼に到達し、有意な全身性副作用によって使用が複雑であり、注射器による投与では、感染のリスクがある、とういう不都合な点がある。
現在、大部分の眼の活性剤は、点眼で局所送達されている。しかし、点眼は、一部の用途を除き、有効ではない。眼に一滴点眼されると、点眼液が、結膜嚢、すなわち眼と瞼との間のポケットから溢れて、瞼の縁から頬に流れるため、点眼液の相当部分が失われる。加えて、眼の表面に残った点眼液の相当部分が、涙点に排出され、薬剤の濃度が希釈される。
〔本発明および例示する実施形態の詳細な説明〕
本発明は、鼻涙管および眼の涙液の一方または両方に活性剤を送達するために用いることができる涙点プラグを提供する。一実施形態では、本発明は、第1の端部、第2の端部、およびこれらの両端部間に延在する側面を有する本体を含み、この本体から実質的になり、またはこの本体からなり、少なくとも1種類の活性剤がこの本体の全体に含められている、涙点プラグを提供する。
特定の涙点プラグでは、図1〜図3に示すように、活性剤が、涙点プラグの本体全体に分散されており、この活性剤は、本体を形成する材料によって、例えば、本体が溶解または分解する時に放出されるか、または本体から拡散する。あるいは、図4、図5、図6、および図10に例示するように、活性剤は、涙点プラグの本体の全体に分散されており、涙点プラグの少なくとも一部分を除く全ての表面が、活性剤に対して不浸透性である膜でコーティングされている。この活性剤は、本体のコーティングされていない1または複数の部分から放出される。
さらに、別の涙点プラグは、活性剤を含むポリマー材料でコーティングされている。このような一実施形態では、図9に示すように、涙点プラグは、表面積を増大させる1または複数、好ましくは少なくとも2つの凹部95を本体90に備えている。活性剤は、コーティングを形成するポリマー材料によって、コーティングが溶解または分解する時にコーティング98から放出されるか、またはコーティングから拡散する。
活性剤を眼の涙液中に送達する際は、涙点プラグを涙小管内に挿入し、活性剤を眼の涙液中に放出させる。図2を参照されたい。涙液中に送達するためには、カラー34を、涙点プラグの本体に接続するのが好ましい。涙点プラグが、涙小管内に挿入されると、カラー34が、涙点の外部に支持される。活性剤を鼻涙管内に送達する際は、涙点プラグを、好ましくは涙小管の深くに挿入し、活性剤を鼻涙管の中に放出させる。本発明の特定の実施形態では、例えば、図2、図3、および図5〜図9に例示するように、各本体はそれぞれ、涙点プラグを涙小管内に固定する拡大セグメント22、32、52、62、72、82、および92を含む。
ここで用いる語「涙点プラグ」は、上側または下側の涙点から眼の下側または上側の涙小管の中に挿入するのに適した大きさおよび形状を有する装置を指す。
ここで用いる語「活性剤」は、障害または疾患を治療、抑制、または防止することができる作用物質を指す。例示的な活性剤として、限定するものではないが、薬剤および栄養剤を含む。好適な活性剤は、眼、鼻、および喉の1または複数の障害または疾患の治療、抑制、または予防を行うことができる。
ここで用いる句「少なくとも部分的に水溶性である材料」は、水性環境にさらされると物質を検出可能レベルまで溶解するのに十分な水溶性レベルを示す材料を指す。
ここで用いる句「生分解性である材料」は、哺乳動物に一般に存在する生物活性物質にさらされると、検出可能な程度まで分解する材料を指す。
ここで用いる句「水不溶性である材料」は、水にさらされても有意な程度まで溶解しない材料を指す。
ここで用いる句「非生分解性である材料」は、哺乳動物に一般に存在する生物活性物質にさらされても有意な程度まで分解しない材料を指す。
ここで用いる句「活性剤に対して不浸透性である膜」は、極僅かな量の活性剤のみが通過できる膜を指す。
ここで用いる句「水に対して浸透性である膜」は、検出可能なレベルの水が通過できる膜を指す。
ここで用いる語「凹部」、「複数の凹部」、およびこれらの派生語は、本体の表面積を効果的に増大させる、涙点プラグの本体におけるあらゆる大きさまたは形状の凹部を指す。
本発明は、眼の涙液または鼻涙管に活性剤を送達するための様々な涙点プラグを含む。涙点プラグは、下側涙小管、上側涙小管、またはこれら両方の涙小管に挿入するのが好ましい。涙点プラグは、眼の涙液に活性剤を送達するために用いられる場合は、本体の一端にカラーを有するのが好ましい。このカラーは、涙点プラグが涙小管内に挿入されるとカラーの少なくとも一部が涙点を越えてその外側に延在するように、本体の一端から径方向外側に十分に延びた涙点プラグの一部である。涙点プラグのカラーが付いていない部分を、各瞼の縁にある涙小管の開口である下側涙点または上側涙点の一方の中に挿入する。図3を参照されたい。拡大セグメント32および本体30が、一方の涙点の中に挿入され、カラー34が、涙点の外部に支持されて涙点プラグが涙小管の中に滑り落ちるのを防止し、これにより涙点プラグと眼の涙液との間の接触が維持される。カラーは、涙点プラグを涙点内に少なくとも部分的に固定するのに十分なあらゆる大きさおよび形状とすることができる。
涙点プラグは、鼻涙管に活性剤を送達するために用いられる場合は、活性剤が涙嚢内に放出されるように涙点プラグが涙小管の一方または両方の中に十分に深く挿入できるように、カラーを備えていないのが好ましい。図1、図2、および図4は、活性剤を鼻涙管に送達するのに有用な涙点プラグの例を示している。
本発明の様々な涙点プラグはそれぞれ、様々な特徴および利点を有する。例えば、特定の涙点プラグは、第1の端部、第2の端部、およびこれらの両端部間に延在する側面を備えた本体を有する。側面は、実質的に円形の外径を有するのが好ましい。特定の涙点プラグの側面の一部は、側面の残りの部分の外径よりも大きい外径を有する。図5を参照されたい。側面の拡大部分52が、涙点プラグを涙小管内に固定する。この拡大部分は、あらゆる大きさまたは形状を有することができ、涙点プラグを涙小管内に少なくとも部分的に固定できる限り、側面のいずれの部分に存在しても良い。好都合なように、拡大部分は、頂点が平坦な逆三角形の形状をとることができる。
特定の涙点プラグでは、本体自体が活性剤の担体として機能するように、少なくとも1種類の活性剤が、涙点プラグの本体の実質的に全体に配置される、全体に分散される、または他の方法で、全体に含められている。本発明の特定の実施形態では、好ましくは、カラーを有する涙点プラグでは、活性剤は、本体から眼の涙液中に放出される。活性剤は、本体から鼻涙管内にも放出させることができる。本発明の特定の態様では、活性剤は、本体から眼の涙液中および涙鼻管の両方の中に放出される。
本体を形成する材料によって、活性剤を、殆ど即座に本体から放出させるか、または所望の期間に亘って持続的に放出させることができる。例えば、本体は、少なくとも部分的に水溶性であるポリマー材料から形成することができる。このような本体は、涙小管や涙液の水性環境にさらされると溶解し、溶解する際に活性剤を放出するのが好ましい。本体を形成する材料の水溶性は、通常は、溶解速度に正比例する。少なくとも部分的に水溶性である適当なポリマー材料として、限定するものではないが、ポリ(エチレングリコール);ポリ(エチレンオキシド);ポリ(プロピレングリコール);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート);ポリ(ビニルピロリドン);ポリアクリル酸;ポリ(エチルオキサゾリン)(poly(ethyloxazoline));ポリ(ジメチルアクリルアミド);限定するものではないが、ホスホリルコリン誘導体を含む、リン脂質(phosolipids);ポリスルホベタイン(polysulfobetains);多糖および炭水化物、例えば、ヒアルロン酸、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゲランゴム(gellan gum)、ガーゴム、ヘパラン硫酸、コンドリチン硫酸(chondritin sulfate)、ヘパリン、およびアルギン酸塩;限定するものではないが、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン、およびオボアルブミンを含む、タンパク質;ならびにポリアミノ酸を含む。ここに列記したポリマー材料は、通常は、疎水性ポリマーおよび疎水性モノマーの1または複数と共重合または配合することができる。
あるいは、本体が活性剤の担体として機能する涙点プラグの場合は、涙点プラグ本体は、例えば、哺乳動物に一般に存在する生物活性物質にさらされると化学的に分解する生分解性ポリマー材料から形成することができる。生分解性ポリマー材料は、インビボ条件下で加水分解可能であるのが好ましい。生分解は、通常は、溶解よりも遅く進行するため、活性剤のより遅く、より持続的な放出が望ましい場合は、涙点プラグの本体を、生分解性ポリマー材料から形成することができる。適当な生分解性ポリマー材料として、限定するものではないが、グリコリド、ラクチド、ε‐カプロラクトン、および他のヒドロキシ酸のポリマーおよびオリゴマー、ならびに非毒性または体内で通常の代謝物として存在する材料を産生する他の生分解性ポリマーを含む。好適なポリ(α‐ヒドロキシ酸)は、ポリ(グリコール酸)、ポリ(2‐ジオキサノン);ポリ(DL‐乳酸)、およびポリ(L‐乳酸)である。他の有用な材料として、ポリ(アミノ酸)、ポリカーボネート、ポリ(無水物)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスファジン)(poly(phosphazines))、およびポリ(ホスホエステル)を含む。ポリラクトン、例えば、ポリ(ε‐カプロラクトン)、ポリ(δ‐カプロラクトン)、ポリ(δ‐バレロラクトン)、およびポリ(γ‐ブチロラクトン)もまた、キトサン、アルギン酸塩、コラーゲン、およびゼラチンとして有用である。本発明の特定の態様では、本体を形成するポリマー材料は、1または複数の溶解性ポリマーおよび生分解性ポリマーの混合物とすることができる。
活性剤の担体として機能する涙点プラグの本体は、水不溶性かつ非生分解性であるが活性剤が拡散できるポリマー材料からも形成することもできる。このタイプの適当なポリマー材料は、通常は、限定するものではないが、架橋ポリマー、例えば、架橋ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアクリル酸、ポリ(エチルオキサゾリン)(poly(ethyloxazoline))、およびポリ(ジメチルアクリルアミド)を含む。水不溶性かつ非生分解性である別のポリマー材料として、限定するものではないが、シリコーン;シリコーン配合物;シリコーンコポリマー、例えば、pHEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびグリセロールの親水性モノマーなど;シリコーンヒドロゲルポリマー(例えば、参照して開示内容の全てを本明細書に組み入れる米国特許第5,962,548号、同第6,020,445号、同第6,099,852号、同第6,367,929号、および同第6,822,016号に開示されている);、限定するものではないが、ホスホリルコリン誘導体を含む、リン脂質(phosolipids);ポリスルホベタイン(polysulfobetains);多糖および炭水化物、例えば、ヒアルロン酸、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゲランゴム(gellan gum)、ガーゴム、ヘパラン硫酸、コンドリチン硫酸(chondritin sulfate)、ヘパリン、およびアルギン酸塩など;タンパク質、例えば、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン、およびオボアルブミンなど;ポリアミノ酸;フッ化ポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、およびテフロン(登録商標)など;ポリプロピレン;ポリエチレン;ナイロン;ならびにエチレンビニルアルコール(EVA)を含む。水溶性および非生分解性のいずれかまたは両方の性質を有する別の適当なポリマーの例として、限定するものではないが、シリコーン、ポリウレタン、シアノアクリレート、ポリアクリル酸、フィブリン、および架橋タンパク質、例えば、アルブミンおよびコラーゲン‐ゼラチンを含む。
本発明の涙点プラグに用いる活性剤の量は、選択する1または複数の活性剤、涙点プラグを介して送達する所望の用量、所望の放出速度、および活性剤およびポリマー材料の融点および溶解性によって決まる。好ましくは、使用する量は、治療効果のある量、すなわち所望の治療、抑制、または予防効果を得るのに有効な量である。通常は、約0.05μg〜約20,000μgの量の活性剤を用いることができる。ポリマー材料に対する活性剤の比率は、約10%〜約90%、好ましくは約20%〜約50%である。
本体が少なくとも1種類の活性剤の担体として機能する涙点プラグは、例えば、溶液流延、押出し、共有結合またはイオン結合の形成による化学的架橋結合、旋盤、圧縮成形、射出成形、液体射出成形、吹込成形や、光重合、熱重合、イオンおよびレドックスで開始される重合を含むなどの技術を含む工程で製造することができる。活性剤は、本体の製造の際に本体を形成する材料に活性剤を添加して涙点プラグに含めるか、または、活性剤は、例えば予備成形した本体内に活性剤の溶液を浸漬するなどして、製造後に涙点プラグの本体に付加することができる。
涙点プラグ本体が活性剤の担体として機能する涙点プラグの本体の一部分を除く全ての表面を、活性剤に対して不浸透性の膜でコーティングして、活性剤が、本体の非コーティング部分のみから放出されるようにすることができる。非コーティング部分は、活性剤の放出の所望の位置によって、カラー(存在する場合)を含む本体の任意の位置に位置することができる。本発明の特定の実施形態では、涙点プラグが涙小管内に挿入されると、本体の非コーティング部分が眼に面し、活性剤が、眼の涙液中に放出される。本発明の他の態様では、涙点プラグが涙小管内に挿入されると、本体の非コーティング部分が鼻涙管に面し、活性剤が、鼻涙管の中に放出される。本発明のさらに他の実施形態では、涙点プラグが涙小管内に挿入されると、本体の非コーティング部分が、眼および鼻涙管の両方に面し、活性剤が、眼の涙液および鼻涙管の両方に放出される。
コーティングは、限定するものではないが、エチレンビニルアルコール、エチルビニルアクテエート(vinylacteate)、セルロース誘導体、例えば、セルロースアクテエート(cellulose actetate)、ポリジメチルシロキサン誘導体、およびポリウレタンを含め、活性剤に対して不浸透である材料から形成するのが好ましい。特定の涙点プラグでは、膜は、不透水性であり、活性剤は、本体の非コーティング部分から受動的に拡散する。このような膜は、前段落に列記した材料から形成することができる。
他の涙点プラグでは、膜は、透水性であるが、活性剤に対しては不浸透性である。涙点プラグを涙小管に挿入すると、例えば、参照して開示内容の全てを本明細書に組み入れる米国特許第6,923,800号および同第5,817,335号に開示されているように、水が膜を介して本体内に拡散し、浸透圧格差が生じる。次いで、活性剤が、浸透圧格差によって本体の非コーティング部分から押し出される。透水性であるが、活性剤に対しては不浸透性である膜は、例えば、HYTREL(登録商標)ポリブチレンテレフタレートエラストマー、セルロースエーテル、セルロースエステル、水分流動促進ポリ酢酸ビニルコポリマー(water flux-enhancing polyvinyl acetate copolymers)、およびエチレンビニルアルコールを含む材料から形成することができる。
図7および図8を参照されたい。特定の実施形態では、活性剤が本体内に含められていないが、本体70および80がそれぞれ、少なくとも1種類の活性剤を含むポリマー材料78および88でコーティングされ、本体は、活性剤に対して不浸透性である。コーティングの厚みは、涙点プラグが保持できる活性剤の量を増やすために、厚くすることができ、本体の大きさは、これに比例して小さくすることができる。したがって、コーティングは、所望の量の活性剤を保持するのに十分な任意の厚みとすることができる。このような特定の涙点プラグは、涙点プラグの表面積を増大させる凹部を本体に備えることもできる。このような凹部は、あらゆる大きさまたは形状にすることができる。
コーティングは、少なくとも部分的に水溶性であるポリマー材料から形成することができる。このようなコーティングは、涙小管または涙液の水性環境にさらされると溶解し、溶解する時に活性剤を放出するのが好ましい。コーティングを形成するポリマー材料の水溶性は、通常は、その溶解速度に正比例する。少なくとも部分的に水溶性である適当なポリマー材料として、限定するものではないが、ポリ(エチレングリコール);ポリ(エチレンオキシド);ポリ(プロピレングリコール);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート);ポリ(ビニルピロリドン);ポリアクリル酸;ポリ(エチルオキサゾリン)(poly(ethyloxazoline));ポリ(ジメチルアクリルアミド);限定するものではないが、ホスホリルコリン誘導体を含むリン脂質;ポリスルホベタイン(polysulfobetains);限定するものではないが、ヒアルロン酸、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゲランゴム(gellan gum)、ガーゴム、ヘパラン硫酸、コンドリチン硫酸(chondritin sulfate)、ヘパリン、およびアルギン酸塩を含む、多糖および炭水化物;限定するものではないが、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン、およびオボアルブミンを含む、タンパク質;ならびにポリアミノ酸を含む。このように列記したポリマー材料は、通常は、疎水性ポリマーおよびモノマーの一方または両方と共重合または配合することができる。
あるいは、コーティングは、例えば、哺乳動物に一般に存在する生物活性物質にさらされると化学分解する生分解性ポリマー材料から形成することができる。生分解性ポリマー材料は、インビボ条件下で加水分解可能であるのが好ましい。生分解は、通常は、溶解よりも遅い速度で進行するため、活性剤のより遅く、より持続的な放出が望ましい場合は、コーティングを生分解性材料から形成することができる。適当な生分解性ポリマー材料として、限定するものではないが、グリコリド、ラクチド、ε‐カプロラクトン、および他のヒドロキシ酸のポリマーおよびオリゴマー、ならびに非毒性または体内で通常の代謝物として存在する材料を産生する他の生分解性ポリマーを含む。好適なポリ(α‐ヒドロキシ酸)は、ポリ(グリコール酸)、ポリ(2‐ジオキサノン);ポリ(DL‐乳酸)、およびポリ(L‐乳酸)である。他の有用な材料として、ポリ(アミノ酸)、ポリカーボネート、ポリ(無水物)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ホスファジン)(poly(phosphazines))、およびポリ(ホスホエステル)を含む。ポリラクトン、例えば、ポリ(ε‐カプロラクトン)、ポリ(δ‐カプロラクトン)、ポリ(δ‐バレロラクトン)、およびポリ(γ‐ブチロラクトン)もまた、キトサン、アルギン酸塩、コラーゲン、およびゼラチンとして有用である。本発明の特定の態様では、コーティングを構成するポリマー材料は、1または複数の溶解性ポリマーと生分解性ポリマーの混合物を含むことができる。
コーティングは、別法として、水不溶性かつ非生分解性であるが活性剤を拡散することができるポリマー材料から形成することができる。このタイプの適当なポリマー材料として、限定するものではないが、架橋ポリマー、例えば、限定するものではないが、架橋ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアクリル酸、ポリ(エチルオキサゾリン)(poly(ethyloxazoline))、およびポリ(ジメチルアクリルアミド)を含む。これらのポリマーは、疎水性ポリマーおよびモノマーの一方または両方と共重合または配合することができる。水不溶性かつ非生分解性である別のポリマー材料として、限定するものではないが、シリコーン;シリコーン配合物;シリコーンコポリマー、例えば、pHEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびグリセロールの親水性モノマーなど;シリコーンヒドロゲルポリマー(限定するものではないが、参照して開示内容の全てを本明細書に組み入れる米国特許第5,962,548号、同第6,020,445号、同第6,099,852号、同第6,367,929号、および同第6,822,016号に開示されている);限定するものではないが、ホスホリルコリン誘導体を含む、リン脂質;ポリスルホベタイン(polysulfobetains);多糖および炭水化物、例えば、ヒアルロン酸、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゲランゴム(gellan gum)、ガーゴム、ヘパラン硫酸、コンドリチン硫酸(chondritin sulfate)、ヘパリン、およびアルギン酸塩など;限定するものではないが、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン、およびオボアルブミンを含む、タンパク質;ポリアミノ酸;フッ化ポリマー、例えば、PTFE、PVDF、およびテフロン(登録商標)など;ポリプロピレン;ポリエチレン;ナイロン;ならびにEVAを含む。水不溶性および非生分解性の一方または両方の性質を有する別の適当なポリマーの例として、限定するものではないが、シリコーン、ポリウレタン、シアノアクリレート、ポリアクリル酸、フィブリン、および架橋タンパク質、例えば、アルブミン、およびコラーゲン‐ゼラチンを含む。
少なくとも1種類の活性剤から形成されたポリマー材料で本体がコーティングされている涙点プラグの場合、初めに本体を、例えば、溶液流延、押出し、共有結合またはイオン結合の形成による化学的架橋結合、旋盤、圧縮成形、射出成形、液体射出成形、吹込成形や、光重合、熱重合、イオンおよびレドックスで開始される重合を含む、重合を含むことができる適当な工程で製造する。次いで、本体を、限定するものではないが、浸漬被覆、回転被覆、蒸着被覆、吸着、積層物の組込み、予備成形コーティングの接着、プラズマ被覆、粉末被覆、および電子スプレーを含むスプレー塗装を含め、任意の様々な工程で活性剤を含むポリマー材料でコーティングする。コーティングは、涙点プラグの表面に重合させるか、機械結合によって吸着させるか、溶媒担体の蒸発を介して凝結させるか、冷却で凝結または固化させるか、架橋結合剤を用いて化学的に結合させるか、または接着剤で結合させることができる。あるいは、コーティングは、プラグの本体およびカラーの一方または両方の周りの非結合スリーブの形態にすることができる。
本発明の涙点プラグに用いられる活性剤の量は、選択した1または複数の活性剤、涙点プラグによって送達する所望の用量、所望の放出速度、およびキャップを形成するために用いる材料と活性剤の融点によって決まる。好ましくは、使用する量は、治療効果のある量、すなわち所望の治療、抑制、または予防効果を達成するのに有効な量である。通常は、約0.05μg〜約8,000μgの量の活性剤を用いることができる。
ここに開示する涙点プラグは、様々な疾患および障害の治療、抑制、および予防の1または複数のための様々な活性剤を送達するために用いることができる。各涙点プラグは、少なくとも1種類の活性剤を送達するため、および異なる種類の活性剤を送達するために用いることができる。例えば、アレルギーの治療、抑制、および防止の1または複数のために、涙点プラグを用いて、塩酸アゼラスチン、エマダスチンジフメレート(emadastine difumerate)、エピナスチン塩酸(epinastine HCl)、ケトチフェンフメレート(ketotifen fumerate)、レボカバスチン塩酸(levocabastine HCl)、オロパタジン塩酸(olopatadine HCl)、マレイン酸フェニラミン、およびリン酸アンタゾリンを送達することができる。涙点プラグを用いて、肥満細胞安定化薬、例えば、クロモリンナトリウム、ロドキサミドトロメタミン(lodoxamide tromethamine)、ネドクロミルナトリウム(nedocromil sodium)、およびペルミロラストカリウム(permirolast potassium)を送達することができる。
涙点プラグを用いて、散瞳薬および毛様体筋麻痺薬、例えば、ヘニルエフェリン(henylephrine)、硫酸アトロピン、ホマトロピン、スコポラミンHBr、塩酸シクロペントレート、トロピカミド、および塩酸フェニレフリンを送達することができる。涙点プラグを用いて、眼用色素、例えば、限定するものではないが、ローズベンガル(rose begal)、シサミングリーン(sissamine green)、インドシアニングリーン、フルオレキソン(fluorexon)、およびフルオレセインを送達することができる。
涙点プラグを用いて、コルチコステロイド、例えば、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、デキサメタゾン、フルオロメタロン(fluoromethalone)、酢酸フルオロメタロン(fluoromethalone acetate)、エタボン酸ロテプレドノール(loteprednol etabonate)、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、メドリゾン、リメキソロン(rimexolone)、およびフルオシノロンアセトニドを送達することができる。涙点プラグを用いて、非ステロイド性抗炎症薬、例えば、限定するものではないが、フルルビプロフェンナトリウム、スプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ケトロラクトロメタミン(ketorolac tromethamine)、シクロスポリン、ラパマイシンメトトレキセート(rapamycin methotrexate)、アザチオプリン、およびブロモクリプチンを送達することができる。
涙点プラグを用いて、抗感染薬、例えば、限定するものではないが、トブラマイシン、モキシフロキサシン(moxifloxacin)、オフロキサシン、ガチフロキサシン(gatifloxacin)、シプロフロキサシン、ゲンタマイシン、スルフイソキサゾロンジオラミン(sulfisoxazolone diolamine)、スルファセタミドナトリウム(sodium sulfacetamide)、バンコマイシン、ポリミキシンB、アミカシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、スルフイソキサゾールジオラミン(sulfisoxazole diolamine)、スルファセタミドナトリウムテトラサイクリン(sodium sulfacetamide tetracycline)、ドキシサイクリン、ジクロキサシリン、セファレキシン、アモキシシリン/クラブラン酸(clavulante)、セフトリアキソン、セフィキシム、エリスロマイシン、オフロキサシン、アジスロマイシン、ゲンタマイシン(gentamycin)、スルファジアジン、およびピリメタミンを送達することができる。
涙点プラグを用いて、緑内障の治療、抑制、および予防の1または複数のための薬剤を送達することができ、この薬剤は、限定するものではないが、例えば、ジピベフリンを含む、エピネフリン;例えば、アプロクロニジン(aproclonidine)およびブリモニジン(brimonidine)を含む、α‐2アドレナリン受容体;例えば、ベタキソロール(betaxolol)、カルテオロール、レボブノロール(levobunolol)、メチプラノロール(metipranolol)、およびチモロールを含む、β‐遮断薬;例えば、カルバコールおよびピロカルピンを含む、直接縮瞳薬;例えば、フィゾスチグミンおよびエコチオフェートを含む、コリンエステラーゼ阻害剤;例えば、アセタゾラミド、ブリンゾラミド(brinzolamide)、ドルゾラミド(dorzolamide)、およびメタゾラミドを含む、炭酸脱水酵素阻害剤;例えば、ラタノプロスト(latanoprost)、ビマトプロスト(bimatoprost)、ウラバプロスト(uravoprost)、およびウノプロストーンシドフォビル(unoprostone cidofovir)を含む、プロストグランジン(prostoglandins)およびプロスタミド(prostamides)を含む。
涙点プラグを用いて、抗ウイルス薬、例えば、限定するものではないが、フォミビルセンナトリウム(fomivirsen sodium)、フォスカーネットナトリウム(foscarnet sodium)、ガンシクロビルナトリウム(ganciclovir sodium)、バルガンシクロビル塩酸塩(valganciclovir HCl)、トリフルリジン(trifluridine)、アシクロビア、およびファムシクロビル(famciclovir)を送達することができる。また、涙点プラグを用いて、局所麻酔薬、例えば、限定するものではないが、塩酸テトラカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸プロパラカインおよびフルオレセインナトリウム、ベノキシネートおよびフルオレセインナトリウム、ならびに、ベノキシネート(benoxnate)およびフルオレキソン二ナトリウムを送達することができる。さらに、涙点プラグを用いて、例えば、フルコナゾール、フルシトシン、アンホテリシンB、イトラコナゾール、およびケトカオナゾール(ketocaonazole)を含む、抗真菌薬を送達することができる。
涙点プラグを用いて、限定するものではないが、アセトアミノフェンとコデイン、アセトアミノフェンとヒドロコドン、アセトアミノフェン、ケトロラク(ketorolac)、イブプロフェン、およびトラマドールを含む、鎮痛薬を送達することができる。また、涙点プラグを用いて、限定するものではないが、塩酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン、およびオキシメタゾリンを含む、血管収縮剤(vasoconstricors)を送達することができる。最後に、涙点プラグを用いて、限定するものではないが、ビタミンA、D、およびE、ルテイン、タウリン、グルタチオン、ゼアキサンチン、および脂肪酸などを含む、ビタミン類、酸化防止剤、および栄養剤を送達することができる。
涙点プラグによって送達する活性剤は、限定するものではないが、合成および天然ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ヒドロキシメチルセルロース、グリセリン、ヒプロメロス(hypromelos)、ポリビニルピロリドン、カーボポール(carbopol)、プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルグアー、グルカム‐20、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、デキストロース、ポリソルベート、マンニトール、デキストラン、調製多糖およびガム(modified polysaccharides and gums)、ホソリピッド(phosolipids)、およびスルホベタイン(sulphobetains)を含む賦形剤を含むように調製することができる。
〔実施の態様〕
(1)涙点プラグにおいて、
第1の端部、第2の端部、およびこれらの両端部間に延在する側面を有する本体と、
前記本体全体に含められた少なくとも1種類の活性剤と、
を含む、涙点プラグ。
(2)実施態様1記載の涙点プラグにおいて、
前記本体は、少なくとも部分的に水溶性であって、時間経過と共に溶解し、溶解する時に前記活性剤を放出するポリマー材料から構成されている、涙点プラグ。
(3)実施態様1記載の涙点プラグにおいて、
前記本体は、生分解性であって、時間経過と共に分解し、分解する時に前記活性剤を放出するポリマー材料から構成されている、涙点プラグ。
(4)実施態様1記載の涙点プラグにおいて、
前記本体は、水不溶性かつ非生分解性であるポリマー材料から構成されており、前記活性剤は、前記本体から受動的に拡散する、涙点プラグ。
(5)実施態様1記載の涙点プラグにおいて、
前記側面の一部は、前記側面の残りの部分よりも大きい外径を有しており、前記側面の拡大部分が、前記涙点プラグが涙小管内に挿入されると、前記涙点プラグを前記涙小管内に固定する、涙点プラグ。
(6)実施態様1記載の涙点プラグにおいて、
前記活性剤は、眼の涙液中に放出される、涙点プラグ。
(7)実施態様1記載の涙点プラグにおいて、
前記活性剤は、鼻涙管内に放出される、涙点プラグ。
(8)実施態様1記載の涙点プラグにおいて、
前記活性剤は、眼の涙液および鼻涙管の両方に放出される、涙点プラグ。
(9)実施態様1記載の涙点プラグにおいて、
前記本体の前記第1の端部にカラー、
をさらに含む、涙点プラグ。
(10)涙点プラグにおいて、
第1の端部、第2の端部、およびこれらの両端部間に延在する側面を有する本体と、
前記本体全体に含められた少なくとも1種類の活性剤と、
を含み、
前記本体の少なくとも一部分を除く全ての表面が、前記活性剤に対して不浸透性である膜でコーティングされている、涙点プラグ。
(11)実施態様10記載の涙点プラグにおいて、
前記側面は、実質的に円形の外径を有する、涙点プラグ。
(12)実施態様10または11記載の涙点プラグにおいて、
前記本体は、少なくとも部分的に水溶性であって、時間経過と共に溶解し、溶解する時に前記本体の非コーティング部分から前記活性剤を放出するポリマー材料から構成されている、涙点プラグ。
(13)実施態様10または11記載の涙点プラグにおいて、
前記本体は、生分解性であって、時間経過と共に分解し、分解する時に前記本体の非コーティング部分から前記活性剤を放出するポリマー材料から構成されている、涙点プラグ。
(14)実施態様10または11記載の涙点プラグにおいて、
前記本体は、水不溶性かつ非生分解性であるポリマー材料から構成されている、涙点プラグ。
(15)実施態様14記載の涙点プラグにおいて、
前記活性剤は、前記本体の非コーティング部分から受動的に拡散する、涙点プラグ。
(16)実施態様14記載の涙点プラグにおいて、
前記膜は、透水性であり、水が膜を介して前記本体内に拡散して浸透圧格差が生じ、この浸透圧格差によって、前記活性剤が前記本体の非コーティング部分から押し出される、涙点プラグ。
(17)実施態様10または11記載の涙点プラグにおいて、
前記側面の一部は、前記側面の残りの部分よりも大きい外径を有し、前記側面の当該拡大部分は、前記涙点プラグが涙小管内に挿入されると、前記涙点プラグを前記涙小管内に固定する、涙点プラグ。
(18)実施態様10または11記載の涙点プラグにおいて、
前記涙点プラグが涙小管内に挿入されると、前記本体の非コーティング部分が眼に面し、前記活性剤が、前記眼の涙液中に放出される、涙点プラグ。
(19)実施態様10または11記載の涙点プラグにおいて、
前記涙点プラグが涙小管内に挿入されると、前記本体の非コーティング部分が鼻涙管に面し、前記活性剤が、前記鼻涙管内に放出される、涙点プラグ。
(20)実施態様10または11記載の涙点プラグにおいて、
前記涙点プラグが涙小管内に挿入されると、前記本体の非コーティング部分が眼に面し、前記本体の別の非コーティング部分が鼻涙管に面し、前記活性剤が、前記眼の涙液および前記鼻涙管の両方に放出される、涙点プラグ。
(21)実施態様10または11記載の涙点プラグにおいて、
前記本体の前記第1の端部にカラー、
をさらに含む、涙点プラグ。
(22)涙点プラグにおいて、
第1の端部、第2の端部、およびこれらの両端部間に延在する側面を有する本体を含み、
前記側面の一部が、前記側面の残りの部分よりも大きい寸法を有しており、
前記本体が、少なくとも1種類の活性剤を含むポリマー材料でコーティングされており、前記本体が前記活性剤に対して不浸透性である、涙点プラグ。
(23)実施態様22記載の涙点プラグにおいて、
前記側面は、実質的に円形の外径を有する、涙点プラグ。
(24)実施態様22記載の涙点プラグにおいて、
前記コーティングは、少なくとも部分的に水溶性であって、時間経過と共に溶解し、溶解する時に前記活性剤を放出するポリマー材料から構成されている、涙点プラグ。
(25)実施態様22または23記載の涙点プラグにおいて、
前記コーティングは、生分解性であって、時間経過と共に分解し、分解する時に前記活性剤を放出するポリマー材料から構成されている、涙点プラグ。
(26)実施態様22または23記載の涙点プラグにおいて、
前記コーティングは、水不溶性かつ非生分解性であるポリマー材料から構成されており、前記活性剤は、前記コーティングから受動的に拡散する、涙点プラグ。
(27)実施態様22または23記載の涙点プラグにおいて、
前記側面の前記残りの部分よりも大きい外径を有する前記側面の前記部分は、前記涙点プラグが涙小管内に挿入されると、前記涙点プラグを前記涙小管内に固定する、涙点プラグ。
(28)実施態様22または23記載の涙点プラグにおいて、
前記本体は、その表面積を増大させる1または複数の凹部を有する、涙点プラグ。
(29)実施態様22または23記載の涙点プラグにおいて、
前記活性剤は、眼の涙液中に放出される、涙点プラグ。
(30)実施態様22または23記載の涙点プラグにおいて、
前記活性剤は、鼻涙管内に放出される、涙点プラグ。
(31)実施態様22または23記載の涙点プラグにおいて、
前記活性剤は、眼の涙液および鼻涙管の両方に放出される、涙点プラグ。
(32)実施態様22または23記載の涙点プラグにおいて、
前記本体の前記第1の端部にカラー、
をさらに含む、涙点プラグ。
(33)実施態様1記載の涙点プラグを涙小管内に挿入すること、を含む方法。
(34)実施態様10または11記載の涙点プラグを涙小管内に挿入すること、を含む方法。
(35)実施態様22または23記載の涙点プラグを涙小管内に挿入すること、を含む方法。
本体10を有する涙点プラグの断面図である。活性剤18が、本体全体に分散されている。拡大セグメント22を備えた本体20を有する涙点プラグの断面図である。活性剤28が、本体全体に分散されている。拡大セグメント32を備えた本体30、およびカラー34を有する涙点プラグの断面図である。活性剤38が、本体30全体に分散されている。本体40を有する涙点プラグの断面図である。活性剤48が、本体40全体に分散されており、本体41の一部を除く全てが、膜43で覆われている。拡大セグメント52を備えた本体50を有する涙点プラグの断面図である。活性剤58が、本体50全体に分散されており、本体51の一部を除く全てが膜53で覆われている。拡大セグメント62を備えた本体60、およびカラー64を有する涙点プラグの断面図である。活性剤68が、本体60全体に分散されており、本体61の一部を除く全てが膜63でコーティングされている。拡大セグメント72を備えた本体70を有する涙点プラグの断面図である。本体70は、活性剤を含むポリマー材料78でコーティングされている。拡大セグメント82を備えた本体80およびカラー84を有する涙点プラグの断面図である。本体およびカラーは、活性剤を含むポリマー材料88でコーティングされている。拡大セグメント92を備えた本体90およびカラー94を有する涙点プラグの断面図である。この本体は、その表面積を増大させる凹部95を含む。本体およびカラーは、活性剤を含むポリマー材料98でコーティングされている。図6に平面で示した涙点プラグの立体図である。この涙点プラグは、拡大セグメント102を備えた本体100およびカラー104を有する。活性剤が、本体100全体に分散されており、本体101の一部を除く全てが膜103で覆われている。