図1は、本発明の第1の実施形態に係る改質装置を組み込む燃料電池システム10の機械系回路を示す概略構成説明図である。
  燃料電池システム10は、定置用の他、車載用等の種々の用途に用いられている。燃料電池システム10は、燃料ガス(水素ガス)と酸化剤ガス(空気)との電気化学反応により発電する燃料電池モジュール(SOFCモジュール)12と、前記燃料電池モジュール12に原燃料(例えば、都市ガス)を供給する原燃料供給装置16と、前記燃料電池モジュール12に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置18と、前記燃料電池モジュール12に水を供給する水供給装置20とを備える。
  図2に示すように、燃料電池モジュール12は、図示しないが、例えば、安定化ジルコニア等の酸化物イオン導電体で構成される固体電解質(固体酸化物)をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体28とセパレータ30とが積層される固体酸化物形の燃料電池32を設け、複数の前記燃料電池32が鉛直方向に積層される固体酸化物形の燃料電池スタック34を備える。
  燃料電池スタック34の積層方向上端側(又は積層方向下端側)には、酸化剤ガスを前記燃料電池スタック34に供給する前に加熱する熱交換器36と、原燃料と水蒸気との混合燃料を生成するために、水を蒸発させる蒸発器38と、前記混合燃料を改質して改質ガスを生成する第1の実施形態に係る改質装置40とが配設される。
  熱交換器36は、図2に示すように、燃料電池スタック34から排出される使用済み反応ガス(以下、排ガス又は燃焼排ガスともいう)を流すための第1排ガス通路44と、被加熱流体である空気を排ガスと対向流に流すための空気通路46とを有する。第1排ガス通路44は、蒸発器38に水を蒸発させるための熱源として排ガスを供給するための第2排ガス通路48に連通する。第1排ガス通路44は、改質装置40を加熱するための加熱通路49を介して排気管50に連通する。空気通路46の上流側は、空気供給管52に連通するとともに、前記空気通路46の下流側は、燃料電池スタック34の酸化剤ガス供給連通孔53に連通する。
  蒸発器38は、互いに同軸上に配設される外管部材54aと内管部材54bとを備える2重管構造を採用し、この2重管は、第2排ガス通路48内に配置される。外管部材54aと内管部材54bとの間には、原燃料通路56が形成されるとともに、前記内管部材54b内には、水通路58が形成される。蒸発器38の第2排ガス通路48は、主排気管60に連通する。図1に示すように、空気供給管52は、酸化剤ガス供給装置18に接続され、原燃料通路56は、原燃料供給装置16に接続され、水通路58は、水供給装置20に接続される。
  図2に示すように、外管部材54aには、改質装置40を構成するケーシング40aの入口部に連結される混合燃料供給管62が接続される。ケーシング40aの出口側には、改質ガス供給路64の一端が連結されるとともに、前記改質ガス供給路64の他端は、燃料電池スタック34の燃料ガス供給連通孔66に連通する。なお、蒸発器38は、上記の二重管構成に代えて、加熱部と混合部(例えば、エジェクタ型混合部)とを備える構成を採用してもよい。
  図3及び図4に示すように、改質装置40は、ケーシング40a内に配置される円筒形状の筒状体70を備える。筒状体70の内周面には、仕切り板72a、72b及び72cが等角度間隔ずつ離間して設けられることにより、前記筒状体70内には、第1室74a、第2室74b及び第3室74cが形成される。
  仕切り板72aの上端部には、凹部76aが形成されるとともに、仕切り板72bの下端部には、凹部76bが形成される。凹部76aを介して第1室74aの上部と第2室74bの上部とが連通する一方、凹部76bを介して第2室74bの下部と第3室74cの下部とが連通する。
  図3及び図5に示すように、第1室74aには、後述する混合燃料(原燃料)を流通させる多数の原燃料通路78aを有するハニカム構造に、改質触媒(例えば、Ni(ニッケル)系触媒、Ru(ルテニウム)系触媒、Rh(ロジウム)系触媒、Pt(白金)系触媒)を坦持させた第1ハニカム触媒部80aと、前記第1ハニカム触媒部80aの上流側及び下流側に設けられ、前記混合燃料を前記第1ハニカム触媒部80aの前記原燃料通路78aに均等に供給するための入口調圧部82a及び出口調圧部84aとが設けられる。
  第2室74bには、同様に、多数の原燃料通路78bを有するハニカム構造に、改質触媒を坦持させた第2ハニカム触媒部80bと、前記第2ハニカム触媒部80bの上流側及び下流側に設けられる入口調圧部82b及び出口調圧部84bとが設けられる。
  図6に示すように、第3室74cには、多数の原燃料通路78cを有するハニカム構造に、改質触媒を坦持させた第3ハニカム触媒部80cと、前記第3ハニカム触媒部80cの上流側及び下流側に設けられる入口調圧部82c及び出口調圧部84cとが設けられる。
  出口調圧部84aと入口調圧部82bとは、凹部76aを介して連通するとともに、出口調圧部84bと入口調圧部82cとは、凹部76bを介して連通する。第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b及び第3ハニカム触媒部80cを構成するそれぞれ複数の原燃料通路78a、78b及び78cは、通路断面積の総和が一定に設定される。
  改質装置40は、都市ガス(原燃料)中に含まれるエタン(C2H6)、プロパン(C3H6)及びブタン(C4H10)等の高級炭化水素(C2+)を、主としてメタン(CH4)、水素、COを含む燃料ガスに水蒸気改質するための予備改質器であり、数百℃の作動温度に設定される。ここで、原燃料は、都市ガスに限定されるものではなく、LNG、LPG、エタノール、メタノール、ガソリン、灯油、バイオ燃料等も使用できる。
  燃料電池32は、作動温度が数百℃と高温であり、電解質・電極接合体28では、燃料ガス中のメタンが改質されて水素、COが得られ、この水素、COがアノード電極に供給される。
  なお、改質装置40は、上記の予備改質器としての機能の他、燃料ガス中のメタンを改質して水素、COを得る機能を有していてもよい。
  このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
  図1に示すように、原燃料供給装置16の駆動作用下に、原燃料通路56には、例えば、都市ガス(CH4、C2H6、C3H8、C4H10を含む)等の原燃料が供給される。一方、水供給装置20の駆動作用下に、水通路58には、水が供給されるとともに、空気供給管52には、酸化剤ガス供給装置18を介して酸化剤ガスである、例えば、空気が供給される。
  図2に示すように、蒸発器38では、原燃料通路56を流れる原燃料に水蒸気が混在されて混合燃料が得られ、この混合燃料は、混合燃料供給管62を介して改質装置40内の入口調圧部82aに供給される。
  図3及び図5に示すように、入口調圧部82aに導入された混合燃料は、第1ハニカム触媒部80aの複数の原燃料通路78aに均等に供給され、改質触媒によって改質処理が行われた後、出口調圧部84aに排出される。出口調圧部84aは、凹部76aを介して入口調圧部82bに連通しており、この出口調圧部84aに排出された混合燃料(少なくとも一部が改質されたガスを含む)は、前記入口調圧部82bから第2ハニカム触媒部80bの複数の原燃料通路78bに供給される。
  原燃料通路78bを通って改質処理された混合燃料は、出口調圧部84bに排出された後、図6に示すように、凹部76bから入口調圧部82cに送られる。さらに、混合燃料は、第3ハニカム触媒部80cの複数の原燃料通路78cを通って改質された後、出口調圧部84cに排出される。
  従って、混合燃料は、改質装置40内で水蒸気改質され、C2+の炭化水素が除去(改質)されてメタンを主成分とする改質ガスが得られる。この改質ガスは、改質装置40の出口調圧部84cに連通する改質ガス供給路64を通って燃料電池スタック34の燃料ガス供給連通孔66に供給される。このため、改質ガス中のメタンが改質されて水素ガス、COが得られ、この水素ガス、COを主成分とする燃料ガスは、アノード電極(図示せず)に供給される。
  一方、図2に示すように、空気供給管52から熱交換器36に供給される空気は、この熱交換器36の空気通路46に沿って移動する際、第1排ガス通路44に沿って移動する後述する排ガスとの間で熱交換が行われ、所望の温度に予め加温されている。熱交換器36で加温された空気は、燃料電池スタック34の酸化剤ガス供給連通孔53に供給され、図示しないカソード電極に供給される。
  従って、電解質・電極接合体28では、燃料ガスと空気との電気化学反応により発電が行われる。各電解質・電極接合体28の外周部に排出される高温(数百℃)の排ガスは、熱交換器36の第1排ガス通路44を通って空気と熱交換を行い、この空気を所望の温度に加温して温度低下が惹起される。
  この排ガスは、第2排ガス通路48に沿って移動することにより、水通路58を通過する水を蒸発させる。蒸発器38を通過した排ガスは、主排気管60を介して外部に排出される。また、排ガスの一部は、加熱通路49を通って改質装置40を加熱した後、排気管50を介して外部に排出される。
  この場合、第1の実施形態では、改質装置40は、多数の原燃料通路78a、78b及び78cを有するハニカム構造に、改質触媒を坦持させた第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b及び第3ハニカム触媒部80cを備えている。このため、ハニカム触媒部を設けていない改質装置に比べ、流通する混合燃料の圧力損失を低減することができる。従って、特に、原燃料供給装置16及び水供給装置20の低出力化、小型化及びコンパクト化が容易に図られる。
  さらに、改質装置40では、例えば、第1ハニカム触媒部80aの上流側及び下流側に、入口調圧部82a及び出口調圧部84aが設けられている。これにより、第1ハニカム触媒部80aの複数の原燃料通路78aに対して混合燃料を均等に供給することができる。このため、原燃料通路78aにおける混合燃料の流量分布が均一化され、未改質ガスを抑制して改質効率が有効に向上するという効果がある。しかも、改質効率が向上することにより、改質装置40全体の小型化及びコンパクト化を図ることが可能になる。
  さらにまた、第1ハニカム触媒部80aの下流側には、入口調圧部82b及び出口調圧部84bを介して第2ハニカム触媒部80bが設けられるとともに、この第2ハニカム触媒部80bの下流側には、入口調圧部82c及び出口調圧部84cを介して第3ハニカム触媒部80cが設けられている。従って、例えば、第1ハニカム触媒部80aの原燃料通路78aのいずれかに改質不足が惹起しても、下流側、例えば、第2ハニカム触媒部80bの複数の原燃料通路78bを介して補完することができ、未改質ガスの発生を抑制して改質効率が向上するという利点がある。
  また、第1の実施形態では、第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b及び第3ハニカム触媒部80cの各原燃料通路78a、78b及び78cの通路断面積の総和は、一定に設定されている。このため、第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b及び第3ハニカム触媒部80cを流れる混合燃料の空間速度を均一にすることができ、前記第1ハニカム触媒部80a、前記第2ハニカム触媒部80b及び前記第3ハニカム触媒部80cの流量分布、温度分布、改質効率及び劣化の差を抑制することが可能になる。これにより、改質装置40の改質効率及び耐久性の向上が容易に図られる。
  さらに、改質装置40では、混合燃料は、第1室74a内を下方から上方に流動した後、流れ方向を反転させて第2室74b内を上方から下方に向かって移動し、次いで、流れ方向を反転させて第3室74cを下方から上方に向かって流動している。従って、改質装置40内の混合燃料用流路長が長尺化され、L(流量長)/D(流量直径)比を大きくすることができる。従って、改質装置40による改質効率が有効に向上するとともに、前記改質装置40全体の小型化及びコンパクト化が図られるという利点がある。
  図7は、本発明の第2の実施形態に係る改質装置90の内部を示す概略斜視説明図である。なお、第1の実施形態に係る改質装置40と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3〜第5の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
  改質装置90は、第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b及び第3ハニカム触媒部80cの少なくとも上流側又は下流側に絞り部92が設けられる。各絞り部92には、各原燃料通路78a、78b及び78cを流れる混合燃料を絞るために多数の絞り用孔部94が形成される。
  このように構成される第2の実施形態では、多数の絞り用孔部94が形成された絞り部92が設けられるため、各原燃料通路78a、78b及び78cにおける混合燃料の流量分布が均一化され、未改質ガスを抑制して改質効率を向上させることができる。
  なお、第2の実施形態では、絞り部92を用いているが、これに代えて、又は、この絞り部92に重合してろ過部96を用いてもよい。このろ過部96には、複数のろ過用孔部98が設けられている。
  従って、第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b、第3ハニカム触媒部80c及び改質装置90の下流側に、塵埃等の異物が侵入したり、該異物が詰まったりすることを、有効に阻止することが可能になる。これにより、圧力損失の増加を抑制するとともに、改質効率の低下を抑制することができる。
  また、改質装置40及び90では、入口調圧部82a〜82c及び出口調圧部84a〜84cに改質触媒(図示せず)を充填してもよい。このため、混合燃料が第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b及び第3ハニカム触媒部80cに供給される前に、前記混合燃料を改質することが可能になり、改質効率がさらに向上するという利点がある。なお、第2の実施形態において説明した各種構造は、第3の実施形態以降においても同様に適用可能である。
  図8は、本発明の第3の実施形態に係る改質装置100の一部切り欠き斜視説明図であり、図9は、前記改質装置100の他の一部切り欠き斜視説明図である。
  改質装置100を構成する筒状体102の内部中央には、熱媒体通路104が設けられるとともに(図8〜図11参照)、仕切り板106a〜106fを介して第1室108a〜第6室108fが形成される。仕切り板106a、106c及び106eの下端側には、凹部110aが形成されるとともに(図11参照)、仕切り板106b及び106dの上部には、凹部110bが形成される(図8及び図9参照)。
  第1室108a〜第6室108fには、それぞれ第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fが設けられる。第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fは、それぞれ複数の原燃料通路78a〜78fを有する。第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fの上流側及び下流側には、入口調圧部112a〜112f及び出口調圧部114a〜114fが設けられる。
  このように構成される第3の実施形態では、改質装置100の中央部に前記改質装置100を加熱するための熱媒体を流通させる熱媒体通路104が設けられるとともに、第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fは、前記熱媒体通路104を中心に同心円状に配列されている。このため、熱媒体通路104を流通する熱媒体の熱は、第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fに均一に伝熱され、前記第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fにおける改質反応の均一化が促進される。
  熱媒体は、図2に示すように、燃料電池スタック34から排出される排ガスであり、この排ガスが加熱通路49を介して改質装置100の熱媒体通路104に供給されている。従って、排ガスの熱を改質装置100に良好に伝えることができ、熱効率の向上と熱自立の促進とが確実に図られる。
  しかも、第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fを構成する複数の原燃料通路78a〜78fは、通路断面積の総和が一定に設定されている。このため、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
  図12は、本発明の第4の実施形態に係る改質装置120の一部切り欠き斜視説明図であり、図13は、前記改質装置120の他の一部切り欠き斜視説明図である。
  改質装置120を構成する筒状体122の内部には、熱媒体通路104が設けられるとともに、仕切り板124a〜124fを介して第1室126a、第2室126b1、126b2、第3室126c1、126c2及び第4室126dが形成される。第2室126b1、126b2の総開口断面積と、第3室126c1、126c2の総開口断面積とは、第1室126a及び第4室126dのそれぞれの開口断面積と同一に設定される。
  仕切り板124b、124eの上端部に、凹部128aが形成される一方(図12及び図13参照)、仕切り板124a、124c、124d及び124fの下端部に、凹部128bが形成される(図15参照)。第1室126a、第2室126b1、126b2、第3室126c1、126c2及び第4室126dには、それぞれ複数の原燃料通路78a、78b、78c及び78dを有する第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b1、80b2、第3ハニカム触媒部80c1、80c2及び第4ハニカム触媒部80dが配置される(図14参照)。
  第1ハニカム触媒部80aの上流側及び下流側には、入口調圧部130a及び出口調圧部132aが設けられる。第2ハニカム触媒部80b1、80b2の上流側及び下流側には、入口調圧部130b1、130b2及び出口調圧部132b1、132b2が設けられ、前記入口調圧部130b1、130b2は、凹部128bを介して出口調圧部132aに連通する。
  第3ハニカム触媒部80c1、80c2の上流側及び下流側には、出口調圧部132b1、132b2に凹部128aを介して連通する入口調圧部130c1、130c2及び出口調圧部132c1、132c2が設けられる。第4ハニカム触媒部80dの上流側及び下流側には、出口調圧部132c1、132c2に凹部128bを介して連通する入口調圧部130d及び出口調圧部132dが設けられる。
  このように構成される第4の実施形態では、第1室126aに導入された混合燃料は、入口調圧部130aで調圧されて第1ハニカム触媒部80aの複数の原燃料通路78aを通って改質された後、出口調圧部132aに排出される。出口調圧部132aは、各凹部128bを介して入口調圧部130b1、130b2に連通しており、この出口調圧部132aから前記入口調圧部130b1、130b2に混合燃料が分配供給される。
  そして、第2ハニカム触媒部80b1、80b2により改質処理された混合燃料は、出口調圧部132b1、132b2から入口調圧部130c1、130c2に移動し、第3ハニカム触媒部80c1、80c2を通って出口調圧部132c1、132c2に排出される。出口調圧部132c1、132c2には、それぞれ凹部128bを介して入口調圧部130dが連通しており、この入口調圧部130dに合流した混合燃料は、第4ハニカム触媒部80dを通って改質された後、出口調圧部132dに排出される。
  このように、第4の実施形態では、それぞれ2つの第2ハニカム触媒部80b1、80b2及び第3ハニカム触媒部80c1、80c2を用いるとともに、第1ハニカム触媒部80a、第2ハニカム触媒部80b1、80b2、第3ハニカム触媒部80c1、80c2及び第4ハニカム触媒部80dの各原燃料通路78a、78b、78c及び78dは、通路断面積の総和が一定に設定されており、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
  図16は、本発明の第5の実施形態に係る改質装置140の概略斜視説明図であり、図17は、前記改質装置140の分解斜視説明図である。
  改質装置140は、それぞれ独立に構成される第1筐体部142a〜第6筐体部142fを備える。第1筐体部142a〜第6筐体部142fは、断面略台形状を有し、それぞれの傾斜面同士が互いに重なり合うことにより、全体として熱媒体通路142を中心に同心円状に配列される。第1筐体部142aには、混合燃料を導入するための導入管144aが設けられる一方、第6筐体部142fには、改質ガスを排出するための導出管144bが設けられる。
  図17及び図18に示すように、第1筐体部142a〜第6筐体部142f内には、それぞれ複数の原燃料通路78a〜78fを有する第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fが配置される。第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fの各上流側及び各下流側には、入口調圧部146a〜146f及び出口調圧部148a〜148fが設けられる。
  第1筐体部142a及び第2筐体部142bの下部側には、出口調圧部148aと入口調圧部146bとを連通する孔部150a、150bが形成される。第2筐体部142b及び第3筐体部142cの上部側には、出口調圧部148bと入口調圧部146cとを連通する孔部150c、150dが形成される。
  同様に、第3筐体部142c及び第4筐体部142dの下部側には、出口調圧部148cと入口調圧部146dとを連通する孔部150e、150fが形成され、前記第4筐体部142d及び第5筐体部142eの上部側には、出口調圧部148dと入口調圧部146eとを連通する孔部150g、150hが設けられる。第5筐体部142e及び第6筐体部142fの下部側には、出口調圧部148eと入口調圧部146fとを連通する孔部150i、150jが設けられる。
  このように構成される第5の実施形態では、図17に示すように、導入管144aを介して第1筐体部142a内に導入された混合燃料は、第1ハニカム触媒部80aを通って出口調圧部148aに導出された後、孔部150a、150bを通って第2筐体部142bの入口調圧部146bに供給される。この第2筐体部142b内で第2ハニカム触媒部80bを上方に向かって移動した混合燃料は、孔部150c、150dを介して第3筐体部142cの入口調圧部146cに導入される。
  以下、同様に、第3筐体部142c、第4筐体部142d、第5筐体部142e及び第6筐体部142f内を移動して改質された混合燃料は、改質ガスとして導出管144bから排出される。
  この改質装置140では、第1ハニカム触媒部80a〜第6ハニカム触媒部80fの各原燃料通路78a〜78fが、流路断面積の総和を一定に設定されており、上記の第1〜第4の実施形態と同様の効果が得られる。
  しかも、改質装置140は、第1筐体部142a〜第6筐体部142fに分割構成されており、部分的な交換等が容易に行われる等、前記改質装置140の取り扱い性が有効に向上するという利点がある。