発明の詳細な説明[技術分野]
  本発明は、コンピュータベース処理システム及びサービスプロバイダとクライアントとの間のサービスを処理するコンピュータにより実現される方法に関する。詳細には、本発明は、サービスプロバイダにより実行されるコンピュータベース処理システム、当該サービスプロバイダとクライアントとの間のサービスを処理するコンピュータにより実現される方法、及び処理システムが処理方法を実行するよう処理システムの1以上のプロセッサを制御するコンピュータプログラムプロダクトに関する。より詳細には、当該処理システム、処理方法及びコンピュータプログラムプロダクトは、サービスプロバイダと複数のクライアントとの間のサービスを、当該サービスプロバイダと各クライアントとの間の契約に従って処理することに関する。特に、当該処理システム、処理方法及びコンピュータプログラムプロダクトは、再保険業における財務、オペレーション及びリスク管理に関し、より詳細には、価格及び契約コミットメントの作成、リスク引受及び管理、請求処理及び支払、財務及び保険数理管理及び解析に関する処理を含む再保険処理の管理に関する。
[背景技術]
  再保険業者の成功は、効率的に、正確にかつ完全に情報を処理する能力に大きく依存する。日次ベースにより、再保険業者はかなりの量のビジネスデータを受け取る。これらの情報の多くは、契約作成、リスク引受、契約管理、請求管理、技術及び財務会計、リスク特定及び管理などの再保険業者のさまざまな業務機能の1以上に対する即時の派生的効果を有する。再保険業者は、書面、社内の電子データ送信及び会社間の電子データ送信を含む任意数のフォーマットにより上記データを受け取る。特に、会社間の電子データ送信のフォーマット及び構成は、対象となるクライアントに応じて変わるかもしれない。上記データ及びそれを受信した各種フォーマットの重要性及びボリュームは、データを整理する再保険業者の能力を調べ、それをその業務処理に互換するフォーマットに変換し、最終的には、当該データを利用して業務機能を向上させ、収益性を向上させる。
  例えば、再保険業者の請求支払及び管理処理は、多数のフォーマットによる大量のデータの受信を伴う。再保険業者は、契約又は任意再保険協定によるカバーのため、支払を求める保険加入者からの請求を受け付ける。適切な支払を保証するため、再保険業者は、当該請求とそれの対応する再保険協定とを適合させ、当該請求の状況が協定の範囲内のものであるか判断する。理想的には、再保険業者は、上記評価をすべての提出された請求について行う。しかしながらしばしば、再保険業者は、大量の請求、請求情報が受け取られた各種フォーマット及び請求が比較されねばならない契約条項の複雑さが与えられたとき、各請求を独立に評価することはできない。さらに、新たな契約協定について、新たな契約条項が処理システム及び方法に導入されるかもしれず、システムのサービスモジュールは、新たな契約条項を有する契約協定に適合してかつ適切に処理するため、定期的に維持及び更新される必要がある。
[発明の開示]
  本発明の課題は、サービスプロバイダとクライアントとの間のサービスを処理するコンピュータベース処理システム、コンピュータにより実現される方法及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。特に、本発明の課題は、サービスプロバイダと、当該サービスプロバイダとの異なる契約同意を有し、企業間の電子データ送信の異なるフォーマット及び構成を利用する複数のクライアントとの間のサービスの処理を可能にするコンピュータベース処理システム、コンピュータにより実現される方法及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。さらに、本発明の課題は、新たな契約条項に従って業務を処理するプログラムされたサービスモジュールを定期的に維持及び更新する必要なく、新たな契約条項を動的に追加することを可能にするコンピュータベース処理システム、コンピュータにより実現される方法及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。
  本発明によると、上記課題は、特に独立クレームの特徴を通じて達成される。さらに、さらなる効果的な実施例が従属クレーム及び説明から得られる。
  本発明によると、上述の課題は、サービスプロバイダにより運営されるコンピュータベース処理システムが、契約を規定する格納された業務ルールセットと、格納された契約条項セットと、格納されたサービス固有ルールセットと、通信ネットワークを介しクライアントから業務開始データを受け取る手段と、契約書を作成する契約条項を選択するため、前記業務ルールを前記業務開始データを適用することによって、前記契約書を生成する手段と、前記契約書を作成する契約条項に関する選択されたサービス固有ルールを、前記サービス固有ルールから自動的に選択する手段と、前記選択されたサービス固有ルールを利用して、前記サービスプロバイダと前記クライアントとの間のサービスを処理するよう構成される少なくとも1つのサービスモジュールとから構成されることにより達成される。格納されている業務ルールをクライアントから受信した業務開始データに適用することによって、契約書を構成する契約条項が選択されることにより、契約書を作成することは、業務ルールが企業間の電子データ送信の異なるフォーマット及び構成に関して規定することができるため、異なるフォーマット及び構成を有する業務開始データが、受信及び処理することができるという効果を有する。さらに、契約書は、それを作成するモジュールを変更(再プログラム)する必要なく、自動的かつフレキシブルに生成可能である。契約書をさくせいするモジュールは、契約条項が変更され、及び/又は業務ルールが変更されても、変更されない。さらに、契約書を構成する選択された契約条項に関するサービス固有ルールを選択することによって、各クライアントに対して生成される契約書にサービスモジュールを動的かつフレキシブルに適応させることが可能である。規定されたサービス固有ルール及び/又は契約条項について静的にサービスモジュールを構成(プログラム)する必要がなくなる。また、本システムに動的に追加された新たなサービス固有ルール及び/又は新たな契約条項についてサービスモジュールを変更(再プログラム)する必要がなくなる。従って、本発明によるシステムは、(1)業務ルール及びクライアントデータに基づく契約条項の自動的かつ動的選択、及び(2)選択された契約条項に基づく下流処理を実行するサービスモジュールのためのサービス固有ルールの自動的かつ動的選択、の2つのレベルのフレキシビリティを可能にする。この結果、本発明によるシステムは、契約書のフレキシブルな作成だけでなく、契約書に含まれる条項に従って、サービスプロバイダとクライアントとの間のサービスを処理する処理システムの「下流の」サービスモジュールの動的適応化をも可能にする。このことは、サービスモジュールが、選択されたサービス固有ルールを適用し、これにより、サービスプロバイダと各クライアントとの間で交渉される契約書に従ってクライアントから受信したデータを処理及び解析することを意味する。上記アプローチは、請求処理や再保険管理などの業務処理を実行するサービスモジュールと共に、電子メッセージ転送などの純粋に技術的な処理を実行するサービスモジュールにも適用される。この結果、クライアントとサービスプロバイダとの間の電子データの通信のフォーマット及び構成は、クライアントとサービスプロバイダとの間で交渉される契約条件から処理システムにより自動的に決定される。
  好ましくは、サービス固有ルールは、クライアントからサービスプロバイダへの電子メッセージの転送のためのメタデータを規定し、サービスモジュールは、選択されたサービス固有ルールにより規定されるメタデータを利用して、クライアントから受信した電子メッセージを処理するよう構成される。特に、サービスモジュールは、選択されたサービス固有ルールにより規定されるメタデータに基づき、クライアントから受信した電子メッセージをサービスプロバイダにより規定されるデータフォーマットに自動変換するよう構成される。言い換えると、クライアントからサービスプロバイダへの電子メッセージの転送は、サービスプロバイダと特定のクライアントとの間で交渉される契約書に従って、自動処理される。特に、選択された契約条項に基づき、クライアントからサービスプロバイダへの電子メッセージの転送は、サービスプロバイダにより利用されるデータフォーマットに自動変換される。この結果、企業間のデータ交換の異なる構成及びフォーマットは、クライアント、メッセージタイプ及び契約の各可能な並び替えのため、電子メッセージ処理のためのサービスモジュールを適応化(プログラム)する必要なく、サポートすることが可能である。
  一実施例では、サービス固有ルールは、クライアントとサービスプロバイダとの間の契約ルールを有し、サービスモジュールは、選択されたサービス固有ルールに含まれる契約ルールにより規定される回数及び頻度により、電子メッセージがクライアントから受信されることをチェックするよう構成される。言い換えると、クライアントとサービスプロバイダとの間の契約ルールは、サービスプロバイダとクライアントとの間で交渉される契約書により決定される。特に、選択された契約条項に基づき、電子メッセージが特定の受信回数及び頻度によりクライアントから受信されることが自動検証される。この結果、交渉した契約に基づき、クライアントからサービスプロバイダへの特定データの送信のための異なる回数及び頻度が、自動的に実施することができる。
  好ましくは、本システムは、サービスプロバイダとクライアントとの間の各サービスを処理し、又はこれらのサービスの処理をサポートするよう構成される各サービスモジュールを含む。サービス固有ルールを選択する手段は、各サービスモジュールについて選択された異なるサービス固有ルールセットを選択するよう構成され、本システムはさらに、選択された異なるサービス固有ルールセットを各サービスモジュールに適用する手段を有する。
  さらなる実施例では、サービス固有ルールを選択する手段は、契約書及び/又はクライアントに割り当てられた選択されたサービス固有ルールを格納するよう構成される。さらに、サービスモジュールは、契約書及び/又はクライアントに割り当てられる選択されたサービス固有ルールを利用して、サービスプロバイダとクライアントとの間のサービスを処理するよう構成される。例えば、サービスモジュールは、クライアントから受信した電子メッセージを契約書及び/又はクライアントと関連付けするよう構成され、サービスモジュールは、電子メッセージに関連付けされた契約書及び/又はクライアントに割り当てられた選択されたサービス固有ルールを利用して、電子メッセージを処理するよう構成される。
  さらなる実施例では、契約書は、パフォーマンスの指標を含む。さらに、本システムは、パフォーマンス指標に対して契約書により規定されるサービスのパフォーマンス及び収益性を決定する手段を有する。
  ある実施例では、業務開始データは、再保険のためクライアントからサービスプロバイダへの支払に関する。本システムはさらに、データ要件を規定する格納されている業務ルールセットを有し、さらに、支払価格を自動生成する前に、データ要件に基づき業務開始データの完全性をチェック及び保証する手段を有する。本システムはさらに、クライアントから価格の受け入れを受け付ける手段を有し、契約書を作成する手段は、当該価格の受け入れに応答して、契約書を作成するよう構成される。契約書は、再保険同意の契約条項を含む。本システムはさらに、契約書の受け入れクライアントから受信する手段を有し、サービス固有ルールを選択する手段は、契約書の受け入れに応答して、サービス固有ルールを選択するよう構成される。サービスプロバイダとクライアントの間でサービスモジュールにより処理されるサービスは、再保険サービスを含む。
  サービスプロバイダとクライアントとの間のサービスを処理するコンピュータベース処理システムとコンピュータにより実現される方法はまた、コンピュータベース処理システムが、サービスプロバイダとクライアントとの間のサービスを処理するようにコンピュータベース処理システムの1以上のプロセッサを制御するコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムプロダクト、特に当該コンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラムプロダクトに関する。
  上述のように、特定の実施例は、再保険処理を管理するシステム及び方法を提供する。再保険処理は、内部のオペレーション/解析的アクション又は外部の企業活動を生じさせる様々な内部及び外部再保険システム、処理又は主体の間のやりとりを伴う。再保険処理は、例えば、データ受付、検証、集計、生成又は交換、文書作成、提供又はアーカイブ処理、リスク制御又は管理相互作用の要素を伴う。再保険処理は、再保険価格の発行、保険料の受け取り、請求の支払、財務会計処理、リスク又は契約解析のパフォーマンス、内部又はクライアントの管理/リスク制御の順守の監査、データアーカイブによるリスク又は管理情報の保管、又は再保険業者による効果的なリスク管理を容易にするための上記情報の集計と同程度の多様な目的に関する可能性がある。
  従来の再保険業務処理からの大きな進展において、提案されたシステム及び方法は、例外処理により再保険処理を管理する。特に、提案されたシステム及び方法は、検証のための業務ルールと再保険同意の契約条件に基づき、再保険ビジネスを実行する。
  一実施例によると、本発明は、再保険処理を実行するため各モジュール業務処理を利用する。これらのモジュール業務処理は、様々な再保険処理を実行するよう様々なシーケンスにより構成可能となるように、本来的に再構成可能である。モジュール業務処理は、再保険処理のおける最下位の論理作業ユニットである。これら最下位の論理作業ユニットは、ときどき業務処理規程、業務処理設計又は業務動的モデルと呼ばれる。本実施例の一実現形態では、論理作業ユニットは、所望の処理ツールを生成するため、グラフィカルユーザインタフェースを介しシステムアナリスト/アーキテクトにより構成されるソフトウェアプログラム(オブジェクト指向ソフトウェアプログラムなど)により規定される。
  モジュール業務処理は、再保険処理を管理し、特定の再保険処理及び組織の可変的な要求に適するように容易に変更可能でカスタマイズ可能であるソフトウェアツールの効率的かつ便利な生成を可能にする。関連する実施例は、上記モジュール業務処理を実行する、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアルーチン又はコンピュータシステムなどのモジュールシステムコンポーネントを提供する。
  モジュール業務処理はまた、再保険業者がそれのオペレーションの財務及び数理モデルを構成し、当該モデルの各点を変更し、そのような変更による再保険業者の予想される収益性又はリスクプロファイルに対する効果を評価することを可能にする。例えば、再保険業者は、処理を規定するモジュール業務処理のシーケンスを変更することができ、又はモジュール業務処理を構成する業務ルールを変更し、その後、当該変更による予想されるコスト又はリスクなどの要因への効果を調べることが可能となる。モデルオフィス内の実験によって、再保険業者は、オペレーションを最適化し、コストの削減及び良好でない決定のリスクを低減するデータクオリティの向上を可能にする。
  契約作成をサポートするのに加えて、上述のように、本発明の他の実施例は、自動的な請求処理を可能にする上で大変重要な契約終了を実施する。
  本発明の他の実施例は、請求の受付、支払処理、クライアントの口座維持などのバックオフィス機能をサポートする。
  本発明の他の実施例は、自動化された所有権及び迅速な追跡処理を容易にする。
  本発明の他の実施例は、再保険処理を容易にする汎用的な処理フレームワークを提供する。本実施例によると、本発明のシステムの管理者は、通常のウェブブラウザなど、やせたクライアントを介し便利に顧客のため従事することができる。本実施例は、各々が異なってフォーマット化される傾向がある各種クライアントから受信したメッセージを変換する上述の特徴を利用する。
  大きな効果として、本発明は、再保険業者が各ケースを個別に処理するより、例外処理により再保険処理を管理することを可能にする。言い換えると、本発明は、特別な処理を要する処理を区別する。例えば、請求処理に関しては、本発明は、特別な処理を要求しない請求を検証及び抽出し、特別なアクションに対する例外的な請求のみを転送する。
  上述の効果に加えて、本発明は、1)再保険業者の業務処理における手作業による介入を最小限にし、情報のクオリティ及び深さを向上させ、3)ローカルマーケットの相違に適応するため、再保険業者の様々な地域の新たな処理及びコンポーネントの採用を可能にし、4)地域間及びグローバルな業務知識と共に情報技術知識を利用するため、再保険業者の業務ユニット間の協調を容易にし、5)マーケット及び環境変化のより時機にあった認識及び適応を可能にし、6)クリーンで、正確な、整合性のある時機にあった情報に基づき、時機にあった実際の決定を再保険業者が行うことを可能にし、7)再保険業者が低い支出レシオを低減及び維持することを可能にするという効果を提供する。
[好適実施例の詳細な説明]
  ここではまとめて「処理システム」又は「処理方法」と呼ばれる本発明の実施例は、価格/契約管理、各リスク引受、再保険管理、請求管理及び財務管理を含む再保険処理を管理することによって、サービスプロバイダとクライアントとの間のサービスを処理するシステム及び方法を提供する。
  一実施例では、本発明は、再保険業者がクライアント中心のサービスを提供することに関して上記機能をサポートする。クライアント中心のサービスの提供では、すべての処理は、再保険業者のクライアントにより開始されるイベントから構成及びドリブンされ、クライアントにより評価された結果を送信する。図1は、管理及び請求処理がどのようにクライアントとのインタフェースをとるか示すクライアント中心のサービス提供の一例を示す。図1に示される処理は、再保険業者のオペレーション管理について本質的な抽出された処理を表す。一般に、これらの処理は、再保険サービスをクライアントに提供するためどのような実現形態又はチャネル(書面、電子データの交換など)が利用されたとしても、関連し必要である。
  図1に示されるクライアントによりトリガーされる処理をサポートするため、本発明の実施例は、クライアントにサービスを提供する4つのサービス提供チャネル、すなわち、支援された再保険、直接的な再保険、自己サービス再保険及び一体化された再保険を確立する。図2は、再保険業者の処理環境へのエントリポイントとして上記チャネルを左側にハイライトしている。
  イントラネットポータルとペーパーポータルの2つの技術が、支援された再保険チャネルをサポートしている。イントラポータルを介したデータキャプチャは、再保険業者の処理チームにより提供される人手によるサポートを伴う。一部は自動化が可能であるが、典型的には、人手による介入を伴う。ペーパーポータルは、ハードコピーペーパーの形式により提供されるデータのキャプチャ及び処理を自動化し、又は他のチャネルの1つを介しデータを電子的に提供することができないクライアントからのファイルを印刷する手段を提供する。この一例となるペーパーポータルは、特に人手による入力の必要をなくし、請求処理に対する応答を容易にし、タイプミスのリスクを除去するため、請求通知書類からのデータの抽出及び支払リストの更新を自動化する。ペーパーポータルはまた、電子形式による入力される書面をキャプチャする。
  直接的な再保険チャネルでは、再保険業者は、電子データ交換に基づくクライアントインタフェースを提供し、再保険業者により必要とされる人手によるサポートを減少させる。保険、請求及び会計情報へのある程度の直接的なアクセスが、再保険業者が典型的にはこれらの多くを積極的に管理しているが、クライアントに対して提供することが可能である。一部の状況の下では、処理に人手による介入が全くないように管理及び請求が自動化される。
  自己サービス再保険チャネルでは、クライアントは、電子メッセージ処理及び直接的なエクストラネット(extranet)インタフェースを介し上記処理を実行する。業務ルールは、会話による話し合いによりリアルタイムベースで適用される。この話し合いは、より良好なデータと、特別な評価を必要とするアイテム以外については、再保険業者が承認するものについて、迅速なフィードバックを保証する。管理及び請求の大部分は自動化され、サービスは、直接的なエクストラネットインタフェースを介し即座には承認されなかったアイテムの進捗に関する情報を提供する。クライアントは、再保険業者に提供されるような保険、請求及び会計データを調整するためのものである。
  一体化された再保険チャネルは、直接的かつ自己サービスチャネルの拡張であり、クライアントとのリアルタイムインタフェースへの処理の実行をアップグレードする。本質的に、クライアントは、自分のシステムから直接的に再保険処理を起動する。業務ルールがリアルタイムに適用される。再保険業者は、主として、業務の解析の実行、業務ルール及びコントロールの最適化、及び新たな機会の革新に関する。
  図1及び2に示されるクライアント中心サービス提供に関して、本発明の実施例は、価格/契約管理、再保険管理、リスク引受、請求管理及び財務/リスク管理をサポートするシステム及び方法を提供する。
  価格又は契約管理は、想定される再再保険契約(retrocession  treaty)についてクライアントと再保険業者との間の関与のルールの管理を伴い、価格決定、定義、検討及び終了の4つのサブ処理に分割される。契約価格決定は、再保険業者による価格の編集及び送信を介しクライアントからの支払の受取から、クライアントによる価格の最終的な受け入れ又は拒絶までの処理を含む。
  契約定義は、受け入れられた価格に応じた初期的な契約協定を作成するための情報の収集から、内部的な承認及び同意の処理を介し、クライアントによる契約協定書類の受け入れ又は拒絶までの契約、業務ルール及び口座を設定する処理を含む。
  契約検討は、契約定義中に規定された手段に対して評価される契約パフォーマンス及び収益性の評価に関するすべての処理を含む。それは、契約パフォーマンスの解析及びそれに関するレポートの作成と、当該解析及びレポートに基づく契約の継続、変更又は終了の決定に関する。
  契約終了は、契約検討により新たなビジネスなどのため契約を終了することが決定され、又はクライアントが終了を交渉することを所望するときに行われる。それは、終了条件の編集から、クライアントとのこれらの条件の交渉を介し、契約条件の終了又は他の変更までのすべての処理を含む。
  再保険管理は、再保険業者の保険情報の維持と再保険業者の口座の処理及び調整に関するすべての処理を処理する。これは、処理通知、口座受付及び調整、支払受付及び調整、再再保険処理通知、及び外部支払作成の5つの主要な処理に分割される。本発明の当該実施例は、請求の受付、支払の処理及び顧客口座の維持などのバックオフィス機能をサポートする。
  これら5つの主要な処理の1つとして、処理通知は、再保険業者が受付し、元受企業からの処理情報に対して実行する処理である。処理通知は、定期的に一括受信され、また個別ベースにリアルタイムにより通知されてもよい。各処理通知は、保険情報(新たな保険又は既存のものへの変更)又は請求情報の一部の要素を詳細する。
  口座受付及び調整は、再保険業者がそれのクライアントから口座決済金額を受け取る処理である。各決済は、いくつかの処理通知の対象契約の条項の下における合計に関する。決済金額は、関連する処理に対して調整される。
  支払受付及び調整は、再保険業者が支払アイテムの受取及び銀行処理を処理する処理であり、当該決済による上記支払の調整はそれらが関連するクライアントにより送信される。
  再再保険のカバーに関する処理は、適切な通知が再保険業者の再再保険に提供されることを保証する。この処理は、ある期間において同じ再再保険に関する元受企業から受け取ったすべての処理を蓄積し、そのようなすべての対象となる処理をカバーするため、1つの再再保険処理通知を提供する。
  外部支払作成処理は、再保険業者による再再保険及び請求のための外部支払に関する処理である。当該処理は、まず支払を許可し、その後、支払を生成及び送信する前に、正確な支払い方法(小切手又は電子資金移転など)を決定する。
  任意引受は、与えられた契約の自動的な受け入れ条項の範囲外の個別に提起された保険リスクの評価及び受け入れ/拒絶に関するすべての処理を処理する。主要な業務処理は、提案が、自動的な受け入れ許可として契約に規定された金額制限と、クライアントが受け入れのため再保険業者に訴える前に受け入れることが可能なリスクの程度を規定する契約の引受制限を超える任意ケースの評価に関する。
  請求管理は、個別の請求又は請求群のライフサイクル全体を管理するのに必要な処理のすべてを含むハイレベルな業務処理である。それは、通知及び管理の2つの主要なサブ処理に分割される。
  請求通知は、再保険業者に潜在的な請求又はクライアントからの請求に関するアドバイスの要求が通知される処理である。請求の詳細は、クライアントの好適な方法に応じて、電子送信、インターネットウェブページ又は説明の3つのチャネルの1つを介し行うことができる。通知時において、クライアントはまた、支払要求により送信するようにしてもよい。請求通知は、請求を処理及び検証するのに十分な情報があることを保証するため、請求の詳細のすべてをキャプチャする。それは、契約管理処理中に記録された契約詳細を用いて、請求が効力があるか特定し、請求制限をチェックする。その後、請求通知は、請求を拒絶又は詳細な評価のため技術的な請求部署に回付し、再保険業者が受け取るデータのクオリティを向上させるためのアクションをとることができるように、クライアントからの無効な請求要求の要求数を記録する。
  請求管理は、時機に応じて請求が評価され(適切な場合)、検討され、支払が行われ、クローズされることを保証する。請求管理処理は、請求要求の結果及び進捗状況をクライアントに伝達する。クライアントは、通知、評価及び受け入れ処理を介し請求の進捗状況を監視することができる。さらに、本発明の当該実施例は、請求管理のための契約作成をサポートする。
  財務管理は、再保険業者の収益性とリスクエクスポージャ(risk  exposure)を監視、報告及び管理するコアとなる実行処理を表す。これは、通知、評価及び管理情報の3つの主要なサブ処理に分割される。
  財務報告は、情報が再保険者への受け手、再保険者のクライアント及び規制当局に照合及び報告される処理である。本発明は、正確に記録されたデータにより、かつ適切な詳細レベルまで報告照合及び配布を自動化する。
  検証は、再保険業者の典型的な最大負債、すなわち、引当金の編集に関する処理である。この処理は、複雑であり、各種リソースからの大量のデータ及び前提を要する。その目的は、標準化されたフォーマットにより必要なデータ及び前提を効果的かつ効率的にアクセス及び集計することを可能にすることである。
  管理情報処理は、コアとなる業務エリアの関連する業務詳細の編集及び配布に関する。一実施例では、この処理は、調査及び予想を支援するためのデータの迅速な操作を可能にするオンラインツールを介しサポートされる。管理情報処理は、データに対する動的な照合及び報告処理が2つの処理において同一であるという点において、財務報告と類似している。実際上の唯一の相違点は、財務報告は特定用途に対する所定の報告の作成に関するものであり、管理情報処理はよりアドホックである点において強調される。
  図3は、上述された各処理が実現される一例となるシステムアーキテクチャを示す。全体のアーキテクチャは、上述の4つの主要なサービス提供チャネルのための直接的なサポートに基づく。このアーキテクチャは、コンテクスト変換、業務処理制御及び業務サービスコンポーネントの3つのレイヤを有する。
  コンテクスト変換レイヤは、再保険者のそれのクライアントとのインタフェースとして機能する。このレイヤの目的は、関連するデータのクライアントのコンテキスト(すなわち、構成及びコード)から再保険業者のコンテクストへの変換、又はその反対の変換である。再保険業者のコンテクストは、例えば、再保険業者のバックオフィスアプリケーションが処理可能な既知の業務通知のライブラリを構成する標準的なXMLメッセージとして表すことができる。
  業務処理制御レイヤは、コンテクスト変換レイヤからメッセージ(例えば、XMLメッセージなど)を受け取る。認識されたメッセージを受信すると、業務処理制御レイヤは、対応する業務ワークフローを特定及び開始する。当該ワークフローの各ステップは、認識可能な各業務サービスを表す。
  業務サービスコンポーネントレイヤは、いくつかの業務コンポーネントの1つに適切なサービスメッセージ(XMLメッセージなど)を提供することにより、国のない業務サービスを開始する。これらのコンポーネントは、必要に応じて更新されたXMLメッセージを含む、関連するサービスを実現し、処理ハブ(図3を参照されたい)に完了成功を通知する。
  コンテクスト変換レイヤは、上述の必要とされるサービス提供チャネルのそれぞれをサポートする。支援された提供チャネルについて、内部リソースによる非電子フォーマット又は不適切な電子フォーマットにより再保険業者のクライアントにより提供されるデータの人手による変換は、2つの主要な技術的アプローチを通じてサポートされる。第1のアプローチは、IBM  websphereにより提供されるJSPサポートされたHTMLページなどのイントラネット機能に関する。第2のアプローチは、適切な文書タイプのためのテキストのOCR抽出による文書のKofaxによりサポートされるスキャンなどの光学文字認識(OCR)スキャン機能に関する。
  直接的提供チャネルについて、再保険業者のクライアントからのバッチデータ(EDI又はバッチXMLファイルなど)は、例えば、Data  JunctionやSonic  B2B技術などを利用して電子変換される。
  自己サービス提供チャネルについて、再保険業者のクライアントによるデータの直接的なエントリは、イントラネットと同じ技術を利用してエクストラネット機能によりサポートされる。このアプローチはまた、データの提供と業務フローとの関与を含むクライアントとの直接的な双方向通信をサポートする。
  一体化された提供チャネルは、例えば、インターネットを介したXMLポストなどを利用して再保険業者のクライアントとそれのアプリケーションとの間のデータのリアルタイムによる交換に関する。このアプローチは、例えば、Sonic  B2B統合サーバなどを利用してサポートすることが可能であるが、この例では、各処理通知を処理する。
  上記4つのチャネルにより発行されるXMLメッセージは、アトミック(atomic)メッセージとエンタプライズ(enterprise)メッセージの2つの基本メッセージ形式を認識する図に示される業務処理ハブにわたされる。アトミック形式は、一般に即時の要求を表し、また特定の請求を抽出するためなど、1つのみの業務ステップを含むXML通知を利用する。この状況において制御すべき実際の処理はない。従って、この要求は、適当な業務サービスに同期的にわたされる。
  エンタプライズメッセージ形式は、請求通知や保険変更などの真の複数のステップ業務処理を表すXML通知を含む。これらについての処理制御は、例えば、MQSeriesを非同期的に利用して要求されるSonic  B2B統合サーバなどによりサポートされている。従って、これは、シンプルなアクノリッジメントを提供するチャネルをリリースする。B2B統合サーバは、メッセージを認識し、必要とされる業務ワークフローを開始する。
  図3に示される一例となるアプローチは、ワークフロー内のブランチ又はサブ処理を利用して、再保険業者のグローバルな業務処理の範囲内の地域的相違を認識する機能をサポートする。業務処理内の各ステップは、適切な業務コンポーネントにより提供されるサービスへのリモートな呼び出しを表す。業務コンポーネントの主要なタイプには、新規業務、従来ベース及びパッケージベースの3つがある。新規業務サービスは、例えば、Oracle  DBMSに接続されたIBM  Websphere内のEnterprise  Java(登録商標)  Beansなどがある。
  従来ベース業務サービスは、lonaのOrbixweb、ADABAS  Natural及びInformix  4GLを介してサポートされるCORBAなど、存在する任意の既存の従来システムを介して提供される。
  パッケージベース業務サービスは、図3に示されるように、文書管理機能がそのうちの主要なものの1つであるパッケージアプリケーションに提供される。
  図5は、本発明の他の実施例による一例となるシステムアーキテクチャを示す。
  図5に示されるように、このアーキテクチャは、汎用的なコンポーネントと複数のレイヤにわたる文書管理機能を含む。汎用コンポーネントは、たとえば、例外、制御されたワークフロー、エラーの強制的解決及びオペレーションデータに基づき着目された解析を提供するインボックスアプリケーションを有する。文書管理機能は、文書バージョン処理、オンラインヘルプ、プロシージャマニュアル、グロッサリー、電子文書ストレージ及び電子文書添付を提供する。
  図1のアーキテクチャと同様に、図5の実施例は、支援された再保険(イントラネット及びペーパー)、直接的な再保険(テープ媒体などへのバッチ)、自己サービス再保険(エクストラネット)及び一体化された再保険(メッセージ)のサービスをクライアントに提供する4つの提供チャネルを確立する。
  図5において、クライアント管理は、支出に利用するためなどグローバルなクライアント管理を提供する。例えば、クライアント管理は、クライアントが特定の銀行とのみ決済することを可能にするなど、クライアントについての決済指示を指定する。
  ユーザ管理は、例えば、必須ユーザプロファイル設定(認証など)を要するユーザ情報及びアクセスを管理する。ユーザ管理アプリケーションは、再保険業者が誰がエスカレーションコストが何であるか、何処にあるか、何時であるか、そしてどのようであるか実行可能することができることを規定することが可能なセキュリティモデルである。例えば、ユーザ管理アプリケーションは、契約がCEOや価格決定オフィサーなどの権限ある代表者によってのみ署名されることを要求することが可能である。
  サービスチャネルは、クライアントから受け取る情報が、標準的なフォーマットに変換されることを保証する。この標準的なデータは、その後、業務処理制御レイヤに提供される。
  図5に示されるように、価格/契約機能は、標準化されたデータキャプチャ、必須機能エクスパート入力、必須データキャプチャ及び契約の自動作成を提供する。価格を発行すると、価格機能は、価格の期限を管理し、再保険業者が意図しないリスクに晒されることを管理するのを可能にする。価格の受け入れにより、価格/契約機能はまた、下流の処理を通知/従事し、これにより、再保険業者の価値ある内部制御を提供する。契約機能は、請求の自動処理を可能にするのに重要な特徴である契約期限を強制する。
  必須データキャプチャ機能は、ユーザが必須フィールドに記入することなく、次の画面に移行しようとする場合、エラーメッセージを表示する。これらの画面は、データ要素と添付をキャプチャする。これらの添付は、変換レート、再保険レート、再再保険保険料情報、契約制限などの価格について重要な情報を含むため、特に有用である。
  必須機能エクスパート入力機能は、ユーザが管理エクスパート、請求エクスパート及び引受エクスパートなどの各エクスパートから求められる入力を取得することを要求する品質保証チェックである。この特徴は、例えば、契約を価格決定するのに主として責任があるユーザが、業務を管理するのに関係する要因を説明できない契約要件を入力することを禁止する。この特徴を実現する一例となるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)は、ある時間内に応答を要求するタイムスタンプを提供する。
  価格処理の初期の段階において必須データの入力を要求するのに、価格/契約機能は、正確な契約のタイムリーな作成を容易にする。その後、再保険業者は、当該契約をクライアントに提供することができる。一実施例では、再保険業者は、セキュアなエクストラネットを介しクライアントへのオファーを通信する。このオファーは、一般的な価格決定、請求の引受、管理、再保険オファー情報及び再保険前提情報を含む「支払情報」タブ上に表示することができる。
  本発明のさらなる特徴では、価格/契約機能を介しキャプチャされたデータは、再保険業者と特定のクライアントとの間の業務ルールを規定するのに利用される。これらのサービス固有のルールは、クライアントから受信したデータが判断されるパラメータを規定する。例えば、キャプチャされたデータは、カバー条件を含み、その後、それは何れの請求が支払われるかてきすル業務ルールに変換される。再保険業者は、請求が支払われるべきか判断するため、これらのルールに対してクライアントから受信した請求データを比較する。
  任意引受機能によると、すべての引受ケースは、クライアント及び契約とリンクされる。さらに、任意引受機能は、いくつの引受ケースが与えられるか特定する(クライアントがデータを提供するときの提供レート)。任意引受機能はまた、クライアントに関するトータルのエクスポージャのインデックスをもたらす一体化された保有管理を提供する。任意引受機能はまた、可能な限り迅速に引受人が価格を発行し、競争に打ち勝つことに資する主要なワークフロー報告を提供する。
  任意引受に関して、本発明の一特徴は、引受人が引受文書に頻繁に追加される注釈をキャプチャすることを可能にする、これらの注釈は、再保険処理の他の段階(請求など)において後に参照可能な注釈マネージャに電子的に記録することができる。この注釈マネージャはまた、再保険処理の上記他の段階において注釈をキャプチャするのに利用可能である。請求処理では、例えば、契約条件を照会する必要があるとき、注釈は条件を説明するのに役立つ可能性がある。
  図5のアーキテクチャ内では、本発明は、自動化されたデータマッピング(契約ドリブン)、事前報告(クライアント報告又はエラー報告など)、データ取得チーム/アナリストの構成、オペレーションデータキャプチャ(ダッシュボード/知識管理)及び自動化された契約順守を含むメッセージ管理を提供する。
  メッセージ管理は、再保険業者が各種フォーマットによりクライアントからデータを受け取り、当該データを標準化し(例えば、再保険業者の一般的なデータフォーマットへ)、及びシステム全体へのデータの配布を行うことを可能にする。従って、本実施例は、再保険処理を容易にする汎用的な処理フレームワークを提供する。本発明のシステムの管理者は、通常のウェブブラウザなどのやせた(thin)クライアントを介し顧客に便利に関与することができる。本実施例は、それぞれが異なってフォーマット化される傾向がある各種クライアントから受信したメッセージを変換する。
  自動化された契約順守に関して、本発明は、再保険業者がクライアントから処理(保険料、請求、手数料、損失イベントなど)を受け付け、当該処理がクライアントの保険に関するものであるか判断することを可能にする。クライアントの保険に関するものでない場合、再保険業者は支払を留保することができる。本発明はまた、再保険業者とクライアントとの間の関係の状態を設定する「契約ルール」に対するクライアントの順守をモニタする。ルールの一例として、クライアントが毎月15日までに再保険業者に報告を提出しなければならないというものがある。
  図4では、参照番号1は、再保険業者などのサービスプロバイダと、元受人などのクライアントとの間のサービスを処理する提案された処理方法を実行するコンピュータベース処理システム1を表す。処理システム1は、各々が1以上のプロセッサを有する1以上のコンピュータを有するかもしれない。図4に示されるように、処理システム1は、ネットワーク3を介し少なくとも1つのクライアント2に接続される。上述の電子サービス提供チャネル(直接的な再保険チャネル、自己サービス再保険チャネル及び一体化された再保険チャネル)は、通信ネットワーク3を介し実現される。好ましくは、通信ネットワーク3は、インターネット、VPN(Virtual  Private  Network)、LAN(Local  Area  Network)、WAN(Wide  Area  Network)などの固定ネットワークを有する。一実施例では、通信ネットワーク3は、GSM(Global  System  for  Mobile  Communications)、UMTS(Universal  Mobile  Telecommunication  System)ネットワーク、WLAN(Wireless  LAN)などのモバイル無線ネットワークを有する。クライアント2は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ端末を介し通信ネットワーク3に接続される。処理システム1は、通信ネットワーク3を介しクライアント2との電子的なメッセージの交換を行うための通信モジュール16を有する。
  処理システム1は、クライアントから通信ネットワーク3を介し受信される業務開始データを格納するデータストア11と、業務ルール、特に契約及びデータ要件を規定するための業務ルールを格納するデータストア12と、契約条項を格納するデータストア13と、サービス固有(業務)ルールを格納するデータストア14とを有する。これらのデータストアは、1以上のコンピュータ上のデータベース、1以上のファイルサーバ上の構造化されたファイル及び/又はプログラムコードやメモリなどに埋め込まれるテーブルとして実現されてもよい。サービス固有ルールを含む業務ルールは、ルール識別子、データ値に関する条件を指定するルールロジック、及び異なる条件に関するルールアクションから構成される。これらの条件は、単一のデータ要素のデータ値と共に、複数のデータ要素のデータ値及び相関関係に適用可能であるということが強調される必要がある。業務ルールは、クライアントから受信した電子メッセージに含まれるデータ要素と共に、処理システム1によりアクセス可能なデータストア(データベース又はメモリなど)に格納されているデータ要素に適用可能である。これらのデータ要素は、クライアントにより提供される情報、サービスタイプ、サービスパラメータ及びサポートされているデータフォーマットなどサービスプロバイダによって提供される情報、処理又は文書状態情報など処理システム1を含む。上記アクションは、例えば、処理システム1の処理機能をイネーブル又は非イネーブルとし、規定された状態情報の設定、データストアにおける規定された情報の更新、データ要件及びフォーマットなどのサービス固有ルールの選択、及び契約及び契約書などのデータオブジェクトの作成を行うサービスプロバイダ又はクライアントからのさらなる情報に対する要求を含む。契約条項は、契約条項識別子及び当該契約条項識別子に割り当てられた契約テキストを含む。
  図4に概略的に示されるように、処理システム1はまた、複数のサービスモジュール19を含む。サービスモジュール19は、1つの共通のコンピュータ、又は複数の分離して相互接続されたコンピュータ上で実現される。サービスモジュール19は、電子メッセージを管理し、価格/契約管理、個別のリスク引受、再保険管理、請求管理及び財務管理を含む再保険処理を管理するよう構成されるプログラムされたソフトウェアモジュールを含む。
  クライアント2から受信したデータがさらに処理される前に、処理システム1は、各業務ルールをデータに適用することによってデータの完全性をチェックする。支払に関する業務介しデータがクライアント2から受信される場合、価格/契約管理のため構成されるサービスモジュール19’は、クライアント及びサービスプロバイダにより提供されるデータに対する要求が、価格が支払について生成される前に完全に満たされていることを保証する。このため、価格/契約管理のために構成されるサービスモジュール19’は、欠落したデータのタイプ(価格決定アクチュアリー、セールスマネージャ、技術的会計士、請求マネージャなど)に関する機能エクスパートからの欠落したデータの電子的な入力を要求する価格ドライバのプログラムされた機能を含む。クライアントからの欠落したデータは、クライアントから処理システム1により自動的に要求される。すべてのデータ要件がクライアント及びサービスプロバイダにより満たされると、価格/契約管理のため構成されたサービスモジュール19’は、価格を自動的に生成し、当該価格をクライアント2に転送する。価格の受け入れがクライアント2から受信されると、後述されるように、契約は処理システム1により自動生成される。
  処理システム1は、契約書を自動作成するプログラムコードを有するモジュール17を有する。モジュール17は、データストア12からの業務ルールをクライアント2から受信した業務開始データに適用することによって、データストア13から契約条項を選択するためのプログラムされた機能171を有する。モジュール17は、プログラムされた機能171により選択される契約条項からの契約書を作成する。モジュール17により作成された契約書と契約識別子を含む契約は、データストア15に格納される。圧縮のため、契約書は、当該契約書に関する契約条項識別子セットとして格納されてもよい。これらの契約は、各クライアント2に割り当てられる(クライアント識別子)。
  さらに、処理システム1は、ある契約書を構成する契約条項に関する選択されたサービス固有ルールをデータストア14から自動的に選択するプログラムコード18を含む。好ましくは、サービス固有ルールは、規定された業務ルールに基づき選択される。契約条項に関する選択されたサービス固有ルールは、各契約(契約識別子)及び/又はクライアント(クライアント識別子)に割り当てられて格納される。プログラムコード18は、各サービスモジュール19の選択されたサービス固有ルールの各セットを選択及び格納するよう構成される。選択されたサービス固有ルールの各セットには、サービスセット識別子が割り当てられる。プログラムコード18の実行は、モジュール17によりトリガーされる。規定された条件及びイベントに応答して、例えば、サービスモジュール19の1つからの要求に応答して、サービス固有ルールが呼び出され、プログラムコード10を利用して処理システム1により適用される。サービス固有ルールを呼び出すため、プログラムコード10には、各契約識別子、クライアント識別子及び/又はサービスセット識別子が要求元により提供される。一実施例では、サービス固有ルールの呼び出し及び自動選択は、サービスモジュール19の1つからの要求など、規定された条件及びイベントによりトリガーされる。
  モジュール17、プログラムされた機能171、プログラムコード10と18及びサービスモジュール19’の機能は、図5及び6を参照して説明される価格/契約機能と関連付けされる。
  選択されたサービス固有ルールは、例えば、クライアント2から受信したデータが処理される基準及び条件などを規定する。サービスモジュールのタイプに応じて、選択されたサービス固有ルールは、請求処理(カバー期間、契約順守など)などの業務関連処理の処理、又は電子メッセージ移転などの純粋に技術的な処理の処理を決定する。後者のケースでは、契約条項に関する選択されたサービス固有ルールは、クライアントからサービスプロバイダへの電子メッセージの移転のためのメタデータを規定する。このメタデータは、クライアントから受信したアルタイプの電子メッセージのシンタックス及びセマティックを含む予想されるデータ構造を決定する。具体的には、メタデータは、何れのデータ要素が電子メッセージに含まれるべきであり、またこれらのデータ要素の位置、長さ及び意味を決定するためのデータを含むか規定する。受信した電子メッセージがあるクライアント及び/又は契約に関連付けされると、メッセージ管理のため構成されたサービスモジュール19”は、プログラムコード10と、メタデータが以前に選択されておらず、データストア14に格納されていない場合にはプログラムコード18の各サービスをトリガーすることによりメタデータを要求する。その後、メタデータを利用して、メッセージ管理のために構成されたサービスモジュール19”は、クライアントから受信した電子メッセージをサービスプロバイダにより規定されるデータフォーマットに自動的にマッピングする。受信した電子メッセージのサービスプロバイダのデータフォーマットへのマッピングは、ASN.1(Abstract  Syntax  Notation  One)や他のシンタックス記号など、各メッセージタイプに関連付けされ、処理システム1に格納されている規定されたデータ提供仕様に基づくものである。
  選択されたサービス固有ルールはまた、クライアントとサービスプロバイダとの間の契約ルールを含み、又は規定する。契約ルールは、規定されたイベント及び条件によりトリガーされるアルゴリズムである。例えば、契約ルールは、ある(タイプの)電子メッセージがクライアントから受信されるべき回数と頻度などの電子メッセージ転送に関する要求を決定する。メッセージ管理のために構成されるサービスモジュール19”は、電子メッセージ処理に関する契約ルールのクライアントの順守をモニタするのに構成される。契約ルールがクライアント2により満たされていないとき、処理システム1は、例えば、エラーを生成し、及び/又はメッセージをリマインドする。
  図5のライフインデックス(life  index)は、構成/自動化されたライフインデックス(ローカル又はグローバル)、自動化されたライフインデックスマッチング(異なるバージョンの名前を1人の人に関連付けるよう各言語、発音及びスペルに対して動作するネームスクラバー(name  scrubber)など)、価格契約価格決定セグメントへのPMF(Policy  Master  File)自動化リンク、データ必須最小データの整合性、スケルトン(skeleton)対非スケルトンデータ、保有管理(引受及び再再保険)及び実施中の保険提示プロジェクト仮説などの特徴を提供する。
  図5の技術的会計処理は、人手による入力の低減、自動化されたキャッシュ配分、発生例外報告、自動化された支払許可、自動化された滞納チェック(報告及びキャッシュ)、タイムリーな契約情報の利用可能性、自動化された決済指示、自動化されたクライアントデータとのリンク、決済方法の決定及びオーバーライドの必須文書化などの特徴を提供する。
  技術的会計処理に関するオペレーションデータの一例となるGUIでは、契約により示される自動化された決済指示がシステムに入力され、好ましくは、それは、管理において誰にも変更することはできない(適切な権限を有する人を除いて)。
  オーバーライドの必須文書化は、誰が業務ルールを無効にしたか記録する。例えば、システムは、クライアントが滞納した場合、クライアントへの小切手が切られることを許可しないであろう。しかしながら、適切な権限を有するユーザは、このルールを無効にし、小切手を切ることができる。このため、システムの上記特徴は、業務ルールを無効にしたマネージャの身元を文書にする。
  図5の請求機能は、自動化された所有権(すなわち、迅速な追跡処理)、シフト管理、例外処理へのシフト、集中された評価(すなわち、参照ルール)、主要データの特定(主要なイベントなど)、完全に一体化されたシステム/処理及び主要な統計量(オペレーションなど)を提供する。
  図示されるように、図5のアーキテクチャは、再保険業者が情報を利用することを可能にする。この情報の利用は、例えば、ソースシステムからの調整の低減、データ標準化、オペレーションデータの報告及び単一のデータソースの生成(データウェアハウスなど)を含むことが可能である。
  情報を利用する本発明の可能性をさらに示すため、図6は、図5に示される(再保険業者の業務ユニットなどが可能である)各業務機能の間で交換される情報を示す。再保険ビジネスの典型的なスタートを表現するため、図5において価格/契約機能が中心に配置される。この段階では、再保険業者は、契約を価格決定することにより仕事を勧誘している。処理のスタートとして、価格/契約機能は図6の他のすべてのコンポーネントとやりとりする。
  図6に示されるその他のやりとりに戻って、PMF/LI(Policy  Master  File/Life  Index)機能は、価格/契約、技術的会計処理及び引受とやりとりする。技術的会計処理は、価格/契約、請求及びPMF/LIとやりとりする。請求コンポーネントは、価格/契約、技術的会計処理及び引受とやりとりする。引受は、価格/契約、PMF/LI及び請求とやりとりする。上記各種やりとりは、情報利用及び財務管理を可能にする。
  この情報利用の価値は、従来は財務報告要求に基づいていた再保険管理方法を校了するとき明らかとなる。従来、再保険業者は、契約を記載し、当該契約を基本的には会計処理ツールである契約元帳に記録していた。このツールは会計処理結果を導き、例えば、契約元帳に入力された情報は、最終的にはキャッシュと準備金のバランスと求められる財務ステートメントの作成に求められる他のすべての報告情報を作成することが保証される。残念なことに、この会計処理ドリブンアプローチは、基礎となる豊富な再保険業務又はリスクを十分に反映させることができない。再保険業務を運営すべきものは、契約パフォーマンス情報と契約固有の基礎、リスク固有の基礎、地理的分布の基礎及び国内の基礎に関する経験の統計的蓄積などのリスク情報である。この要求を解決するのに、本発明は、再保険される業務のリスク属性に関する価値ある情報を含むデータウェアハウスを構築する。この情報を利用するのに、本発明は、財務報告ではなくリスク基準により駆動されるワークフローを提供する。
  図5及び6を参照するに、本発明の重要な特徴は、例外処理により管理することができることである。言い換えると、各再保険機能(請求、引受など)を担当する業務処理マネージャは、システムに提出された各ケースを処理する必要はない。むしろ、これらのマネージャは、より多くの解析を必要とするような処理の内部の固有の例外処理のみを解決しさえすればよい。従って、例えば、請求マネージャが請求マネージャの専門知識を必要とする困難又は通常でないケースのみを確認するように、システムはケースをフィルタリングする。このようにして、フィルタは、ある業務ルールを満たす請求を自動決済し、さらなる解析のため、順守されていないケースを請求マネージャに転送する。一実施例では、図5の汎用コンポーネント又はインボックスは、この例外処理による管理」機能に供する。
  また図5及び6を参照するに、本発明の重要な特徴は、各モジュール業務処理を利用して、再保険処理を実行する。これらのモジュール業務処理は、各種再保険処理を実行するよう様々なシーケンスに構成することが可能となるように、本来的には再構成及び再利用可能である。モジュール業務処理は、再保険処理における最下位の作業論理ユニットである。本実施例の一実現形態では、これら作業論理ユニットは、所望の処理ツールを生成するようグラフィカルユーザインタフェースを介しシステムアナリスト/アーキテクトにより構成可能なソフトウェアプログラム(オブジェクト指向ソフトウェアプログラムなど)により規定される。
  本発明の実施例では、これらのモジュール業務処理は、再保険管理の全体的な業務処理を規定するのに利用される。
  モジュール業務処理はまた、再保険業者がそのオペレーションの財務及び数理モデルを作成し、モデルの特徴を変更し、再保険業者の予想収益又はリスク収益に対する当該変更の効果を評価することを可能にする。例えば、再保険業者は、処理を規定するあるモジュール業務処理のシーケンスを変更することができ、又はモジュール業務処理を構成する業務ルールを変更することが可能であり、その後、予想コスト又はリスクなどの要因に対する上記変更の効果を調べることができる。モデルオフィス内での実験により、再保険業者は、オペレーションを最適化し、コストの削減及び良好でない判断のリスクを減少させるデータクオリティの向上が可能となる。
  モジュール業務処理の大きな利益は、各機能を実現するため各種シーケンスに組み立てることが可能であるということである。このようにして、本発明は、様々な再保険業者のオペレーションをカスタマイズ又は調整することが可能となる。
  本発明の実施例が生命及び健康保険及び再保険に関して説明されたが、本発明が当該特定の内容に限定されるものではないということは当業者には明らかであろう。実際、本発明のシステム及び方法は、財産や災害などの他のタイプの生命保険と共に、金融サービスなどの一般的な他のビジネスにも広く適用可能である。
  本発明の好適実施例の上記開示は、図示及び説明のため与えられたものである。本発明を開示された形態に限定することを意図するものではない。ここで説明された実施例の多数の変形及び変更が、上記開示に基づき当業者に明らかであろう。本発明の範囲は、請求項とその均等物によってのみ規定されるべきである。
  さらに、本発明の典型的な実施例を説明するのに、本明細書は特定のステップシーケンスとして本発明の方法及び/又は処理を提示した。しかしながら、上記方法又は処理がここで与えられた各ステップの順序によるものでないという程度まで、上記方法又は処理は説明された特定のステップシーケンスに限定されるべきではない。当業者が理解するように、他のステップシーケンスも可能であるかもしれない。従って、本明細書で与えられる各ステップの特定の順序は、請求項に対する限定として解釈されるべきではない。さらに、本発明の方法及び/又は処理に関する請求項は、記載された順序による各ステップのパフォーマンスに限定されるべきでなく、当業者は、上記シーケンスが可変的なものであり、依然として本発明の趣旨及び範囲内に属することを容易に理解することができる。
図1は、本発明の実施例によるクライアント中心サービス提供の概略図である。図2は、本発明の実施例によるクライアントにサービスを提供する4つの例となるサービス提供チャネルを示すクライアント中心サービス提供の概略図である。図3は、本発明の実施例による一例となるシステムアーキテクチャの概略図である。図4は、本発明の実施例によるデータストア及び機能モジュールを有する処理システムを示す概略図である。図5は、本発明の他の実施例による他の一例となるシステムアーキテクチャを示す概略図である。図6は、本発明の実施例による図5に示される各業務機能間でやりとりされる情報を示す概略図である。