前述した複合電子装置においては、ユーザが録画/再生/停止の何れかのキー操作を行った際に、例えば、録画状態などにより、現在のモードから他のモードへの操作変更が不可能な状態、例えば、DVD装置部の停止の操作を行なおうとする際、既にDVDモードが選択されていて、このDVDモードの状態を保持した状態、即ち現在のモードがDVDモードであり、このDVDモード時に、DVDディスクがDVD装置部に装着されていない状態、或いは、既にDVD装置部の録画動作が終了した状態、或いは停止の指示により停止状態であるなどにより、DVDモードでの停止操作ができない為、VCRモードなど他のモードに切換えるには、現在のモードがDVDモードであることを装置の前部に配置された表示管にDVDディスクやビデオカセットなどを示す記号やDVD、VCRなどと表示された文字から確認し、「モード切換えキー」を押下してVCRモードに切り換える操作などが必要であった。なお、本発明において「記録再生」という言葉は、「記録及び再生」の意味と「記録又は再生」の意味を含んだ用語として用いるものとする。
  また、近年はVCR装置部やHDD装置部等が再生中であり、DVD装置部は停止中であるがDVDモードが選択されている状態において、前記VCR装置部やHDD装置部の再生を停止するには、前述のように現在のモードを確認し、「モード切換えキー」を押下して目的の装置部のモード(VCRモード或いはHDDモード等)に切換え、続いて「停止キー」を押下してVCR或いはHDD再生を停止させる必要があった。また、複数のモードでの操作変更が可能な状態のときには、例えば、現在のモードはDVDモードで、DVD装置部、VCR装置部及びHDD装置部が共に停止状態であり、各モードで再生操作が可能なときにDVD再生を行うには「再生キー」を押下するだけでDVD再生は開始されるが、他のモード(VCR或いはHDD再生等)を行うには、前述と同様に現在のモードを確認し、「モード切換えキー」を押下してVCRモード或いはHDDモードに切り換え、「再生キー」を押下してVCR或いはHDD再生を開始するなど、録画/再生/停止の操作を行う際は、ユーザは現在どのモードを選択中であるかの確認を必要とし、前記煩雑なキー操作を行なわなければならなかった。また、HDD装置部に録画しようとしたものの、既に設定モードがDVDモードになっていたりすると、ご操作によってDVDに録画してしまうといった虞がある。
  また、前述の特許文献1における従来技術によれば、リモコン装置の設定モードとは異なるモード用のキー操作に基づくリモコン信号が送信された場合に、モードが異なるキー操作である旨をメッセージ表示する。例えばDVDモードに設定されていて、VCR装置部用のキーが操作された場合、「リモコンがDVDモードに設定されています。TV/VCRを操作する場合は、リモコンのモードを切り換えて下さい。」と表示し、或いは、「その操作は行えません。」と表示することから、現在のモードを表示して知らせてくれるものの、表示される文字数が多いため、前記テレビなどとは別体に前記DVD装置部とVCR装置部とを一体的に組み込んだ複合電子装置の場合は、どのモードに設定されているかをLED点灯させて表示するインジケータを大きくする必要がある。また、案内表示に従って「モード切換えキー」を押下するなど煩雑なキー操作が必要であった。
  そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが所望する特定のAV装置部に対して録画/再生/停止の操作を行う際は、これらの操作を録画キー/再生キー/停止キーで指示するだけで、既設モードやモード選択を表示して案内し、及び録画/再生/停止の夫々の操作案内を表示させると共に、装置本体に設けられた表示管の限られたスペースにおいても表示可能なように簡潔に前記案内を表示させる操作対象案内機能を備えた複合電子装置を提供することを目的とする。
  本発明の操作対象案内機能を備えた複合電子装置は、複数の記録媒体の夫々に録画再生を行う複数の装置部を一体的に組み込んだ複合電子装置において、該複合電子装置は、装置部を選択するためのモード切換部と、複数の装置部の操作に共通する兼用キーを含んだ複数の操作キーを有し、該兼用キーが押された際には、該モード切換部の操作案内を表示するように構成したことを特徴とする。
  本発明の操作対象案内機能を備えた複合電子装置は、複数の記録媒体の夫々に録画再生を行う複数の装置部を一体的に組み込んだ複合電子装置において、該複合電子装置は、複数の装置部の操作に共通する兼用キーを含んだ複数の操作キーを有し、該操作キーが押された際には夫々の操作キーに対応したコードを指示する指示信号を送信する送信部と、該指示信号を受信する入力部と、該入力部が受信した指示信号から選択されているモードを解読すると共に、前記指示信号のコードから前記操作キー或いは兼用キーの何れによる指示信号であるかを解読し、前記操作が兼用キーによる操作お時には、その操作対象とする装置部のモード操作案内を出力表示するように構成したことを特徴とする。
  また、本発明の操作対象案内機能を備えた複合電子装置は、前記兼用キーが押された際には、複数のモードに対して有効なキーであるかどうかを判別し、1つのモードにだけに対して有効なキーであり、尚且つ現在のモードに対して有効なキーである場合においては、該モード切換部の操作案内を表示しないように構成し、複数の装置部に対して有効なキーである場合と、1つのモードにだけに対して有効なキーであり、尚且つ現在のモードとは異なるモードに対して有効なキーである場合において、該モード切換部の操作案内を表示するように構成したことを特徴とする。
  また、本発明の操作対象案内機能を備えた複合電子装置は、前記モード切換部の操作案内は、操作対象とする装置部を選択するようにした画面表示であり、装置部の選択に応じてモードを切り換えた後に、操作キーの操作に従って制御するように構成したことを特徴とする。
  また、本発明の操作対象案内機能を備えた複合電子装置は、前記指示信号から解読されたコードが前記兼用キーに対応する場合には、現在のモードで有効なキーであるか否かを判断し、現在のモードで有効なキーであれば、操作キーの操作に従って制御し、現在のモードで有効なキーでない場合には、操作対象とする装置部のモード操作案内を出力表示するように構成したことを特徴とする。
  さらに、本発明の操作対象案内機能を備えた複合電子装置は、前記指示信号から解読されたコードに対応する操作キーが現在のモードで有効なキーでない場合には、操作対象とする装置部の選択する画面表示を行い、装置部の選択に応じてモードを切り換えた後に、操作キーの操作に従って制御するように構成したことを特徴とする。
  本発明の操作対象案内機能を備えた複合電子装置は、複数の記録媒体の夫々に録画再生を行う複数の装置部を一体的に組み込んだ複合電子装置において、該複合電子装置は、複数の装置部の操作に共通する兼用キーを含んだ複数の操作キーを有し、操作対象とする前記装置部が特定される複数のモードを切換え可能とし、前記複数の操作キーに対応したコードを有する指示信号を送信して前記複合電子装置を遠隔操作するリモコン装置からの指示信号を受信する入力部と、該入力部が受信した指示信号から前記リモコン装置が選択されているモードを解読すると共に、前記コードから前記操作キーの何れによる指示信号であるかを解読し、解読結果に基づいて前記複数の装置部と前記複合電子装置全体を制御すると共に、前記兼用キーは選択された夫々のモードに連動して夫々の装置部の操作キーとして機能するように制御し、解読された前記リモコン装置のモードを記憶し、前記兼用キーによる操作時にその操作対象とする夫々のモード選択の操作案内を前記表示部に表示させるように構成したことを特徴とする。
  本発明によれば、ユーザの操作キーの操作に応じて、操作案内を表示することにより、ユーザが不安を覚えることなく装置を操作できるものである。特に、兼用キーによる操作時にその操作対象とする装置部のモード操作案内を出力表示してユーザに報知することができる。つまり、兼用キーが操作されたとき、モード切り換えの可能性がある場合には「どのモードにするか」を聞いてくるものである。
  さらに本発明によれば、解読されたコードが前記兼用キーに対応する場合には、ユーザに不便を感じさせずに操作キーの操作に従って制御し、現在のモードで有効なキーでない場合には、ユーザに操作対象とする装置部のモード操作案内を出力表示することができる。
  さらに本発明によれば、解読されたコードに対応する操作キーが現在のモードで有効なキーでない場合には、操作対象とする装置部の選択する画面表示を行い、装置部の選択に応じてモードを切り換えた後に、操作キーの操作に従って制御するよにしたので、ユーザの操作を間違いなく誘導することができる。
  さらに本発明によれば、解読された前記リモコン装置のモードを記憶し、兼用キーによる操作時にその操作対象とする夫々のモード選択の操作案内を前記表示部に表示させてユーザに報知することができる。
  さらに本発明によれば、ユーザが兼用キーを操作する前にモード確認をする煩わしさが解消されて、操作性が向上するもので、間違ったモードのままで意図しない動作になってしまうことを防止することができる。
  さらに本発明によれば、兼用キーを操作したときに「どのモードにするか」を聞いてくるので、専用の「モード切り換えキー」が不要になり、どのモードであるかの表示のための本体等に設けてあるインジケータ等も必要なくなる。
  以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図10により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
  本発明は、HDD装置部、DVD装置部、VCR装置部などの特定のAV装置部を組み合わせて一体的に組み込んだ複数のAV装置部を備えた複合電子装置であり、本発明の一例においては、リモコン装置で録画/再生/停止のキー操作を行うことにより、特定の装置部を選択するモード選択の案内表示を行なうように構成したDVD装置部とVCR装置部とを複合電子装置に一体的に組み込んだものを具体例として説明する。しかしながら、本発明はDVD装置部とVCR装置部とを組み合わせた複合電子装置のみをその対称にしているものではなく、HDD装置部やその他の媒体による装置部を備えた複合電子装置を発明の対象としているものである。
  図1はVCR装置部とDVD装置部とを有する複合電子装置の正面図、図2は複合電子装置を遠隔操作するリモコン送信機の平面図、図3は複合電子装置の構成を示すブロック図、図4はリモコン装置の操作により複合電子装置における操作対象であるVCR装置部又はDVD装置部の選択などの案内を表示する手順を示すフローチャート図、図5は複合電子装置の再生から停止の例を示す従来技術と本発明との比較説明図、図6は複合電子装置の停止から再生の例を示す従来技術と本発明との比較説明図、図7はVCR装置部又はDVD装置部による再生対象を選択する際のモニタ画面の一例を示す説明図、図8はVCR装置部又はDVD装置部による再生対象を選択する際のモニタ画面の一例を示す説明図、図9はVCR装置部又はDVD装置部による再生対象を選択する際のモニタ画面の一例を示す説明図、図10はVCR装置部及びDVD装置部の他に、HDD装置部及びメモリーカードを装着可能な複合電子装置のモニタ画面を示す説明図である。
  図1により、VCR装置部とDVD装置部を一体的に組み込んだ複合電子装置について説明する。図1に示す1は前後に分割可能な外観が箱型の複合電子装置であり、この複合電子装置1のキャビネット2内の左方には、DVD装置部が内蔵されており、DVDディスクを装着するための進退可能なトレイなどがディスク装着部3に設けられている。一方、キャビネット2内の右方には、VCR装置部が内蔵されており、ビデオカセットを挿入するためのカセット挿入部4が複合電子装置1の前面に配置されている。そして、これらの下方には横方向に複合電子装置の動作を指示する、すなわち操作するための操作キー5が配置されている。
  キャビネット2の前面の中央には時計表示やカウンタ表示などを光電管で表示する表示管7が配置され、その右方にはDVDモードやVCRモードをといったモード表示をLEDを点灯させて表示する図示しないインジケータを有し、また、キャビネット2の前面右方には他の電子装置との接続を可能とする端子部8が配置されている。
  次に、複合電子装置を遠隔操作するリモコン装置について、図2に基づいて説明する。図2に示すリモコン装置40の左上方には前記複合電子装置1の電源を遠隔でON/OFF可能とする電源キー41が、その右方隣にはカセット挿入部4からビデオカセットを取り出すための取り出しキー42と、前記ディスク装着部3を開閉するオープン/クローズキー43と、DVDモードとVCRモードとのモード切換えキー44が配置されている。また、前記リモコン装置の概ね中央部には放映されているテレビの番組放送映像と、前記DVD装置部、VCR装置部による再生映像とを入力切換えする入力切換えキー44が配置され、その下方には決定キー48の上下左右方向に選択キー46が配置されている。また、その下方にはキー操作による指示内容を取消すための取消しキー47が、更にその下方には録画や再生を停止させる停止キー51と、再生を指示する再生キー52と、一時停止を指示する一時停止キー53とが横方向に配列されている。また、その下方にはスキップキー54、巻戻しキー55、早送りキー56、スキップキー57が配列されている。また、その左下方には録画キー58と録画予約キー59が配置されている。
  続いて、図3により前記複合電子装置1を構成する回路ブロックについて説明する。図3に示す1は、前述のようにVCR装置部21とDVD装置部28とを一体的に組み込んだ複合電子装置であり、図3においてはDVD装置部21とVCR装置部28を一点鎖線で囲って示している。また、映像音声信号の流れを矢印のついた実線で、制御信号は矢印のついた点線で示している。この複合電子装置1はDVD装置部21やVCR装置部28を含む各部の動作を行う電源を供給するための電源部18を有し、この装置1全体に電源を供給している。
  また、ユーザによる指示操作によりこの装置1を動作させるためのリモコン装置40から指示信号が送信され、この操作信号を受信する入力部15が配置されており、入力部15が受信したユーザに基づいて、制御部16が前記装置1の電源をON/OFFする制御を行なう。または番組放送を選局する制御を行なう。或いはDVD装置部21やVCR装置部28の動作を制御して録画/再生/停止など装置1全体を制御する構成としている。この制御部16は例えばCPU(Central  Processing  Unit)で構成され、前記それぞれの制御を行なうために、システム制御ソフトやGUI(Graphical  User  Intrface)ソフト、及びその他、処理プログラムコードが記憶される記憶領域を備えている。また、この制御部16は、チャンネル選局情報、或いはタイマー予約データも記憶する、例えば、書換え可能な不揮発性メモリで構成されたメモリ部17が接続されており、後述するOSD(On  Screen  Display)重畳部13に供給される文字や記号、キャラクタなどのデータもが記憶される。
  この複合電子装置1は、アンテナ60で受信した複数のテレビ番組放送の放送信号が入力されるアンテナ入力端子19を有し、これと接続されるチューナ部10はユーザのリモコン操作による指示に基づき前記制御部16から発するチャンネル選局信号によって前記複数の放送信号から所望する1つを選局する。選局された放送信号は、復調部11に供給されて映像信号と音声信号とが復調され、それぞれベースバンドの映像信号及び音声信号に変換される。なお、以降の説明では、理解を容易にするために音声信号の処理は省略し、映像信号の処理を主体に説明する。
  次に、復調部11で変換された映像信号は、受信した放送信号と、後述するDVD装置部21による再生信号と、後述するVCR装置部28による再生信号とを択一的に選択するセレクタ部12を介してOSD重畳部13に供給される。OSD重畳部13は、前記制御部16に制御に基づきセレクタ部12で択一的に選択された放送信号や再生信号をそのまま映像信号出力部14に出力するか、或いは、セレクタ部12によって選択された信号に、後述するリモコン装置40の操作により表示されるDVDモードやVCRモードなどのモードに関する案内表示、或いはモード選択メニューや操作メニューなどの情報を重畳して出力する。これら重畳される表示や情報は、前記メモリ部17に記憶されたデータを用いて前記制御部16で生成される。前記OSD重畳部13から出力される映像信号は、映像信号出力部14で表示部61に表示可能に処理され、表示部に映像として表示される。この複合電子装置1は、陰極線管や液晶表示パネルなどの表示部61を内蔵しておらず、前記映像信号出力部14から出力された映像信号は映像信号出力端子20と接続された複合電子装置1とは別体の表示部61に表示される。表示部61は、複合電子装置1内に設けても良いし、リモコン装置40側に設けても良い。
  続いて、DVD装置部21の構成について説明する。DVD装置部21は、前記復調部11からのベースバンド信号が供給されるエンコーダ/フォーマッタ23と、データプロセッサ24と、ディスクドライブ部25と、デコーダ26と、バッファメモリ27とで構成される。エンコーダ/フォーマッタ23は、復調部11から供給されるベースバンド信号を、デジタル信号に変換すると共に、MPEG(Moving
Picture Experts Group)規格に基づく圧縮処理を施し、バッファメモリ27を用いてこのDVD規格に対応したフォーマットに変換してデータプロセッサ24に伝達される。バッファ回路、変調・復調回路、エラー訂正回路などを含む前記データプロセッサ24は、DVDディスク22に記録、或いは再生する単位のデータを取り扱い、エンコーダ/フォーマッタ23から供給されるデータに対して、前記バッファ、変調・復調、エラー訂正などの処理を施して前記ディスクドライブ部25に出力する。ディスクドライブ部25は、DVDディスク22を回転駆動すると共に前記供給されるデータをDVDディスク22に録画し、且つ再生を行う。該ディスク22から再生されたデータは、データプロセッサ24を介してデコーダ26に伝達される。デコーダ26は、前記再生データに対して、MPEG規格に基づく復号処理を施して、解凍されたデジタル信号に変換し、更にこのデジタル信号をアナログ信号に変換してベースバンドの信号としてセレクタ部12に供給する。
  次に、VCR装置部28の構成について説明する。このVCR装置部28は、前記復調部11からのベースバンド信号が供給される記録信号処理部30と、装着したビデオカセット29に録画再生を行うテープヘッドドライブ部31と、再生信号処理部32とで構成される。前記記録信号処理部30は、輝度信号の周波数変調、色信号の搬送波低域変換と水平インターリーブ(Interleave)処理などを行ない、前記復調部11からのベースバンド信号を記録する為の記録信号に変換する。また、テープヘッドドライブ部31は、装着されるビデオカセット29のテープを走行駆動するテープ駆動系と回転ヘッドを回転駆動するヘッド駆動系を有し、記録信号処理部30から供給される記録信号をビデオカセット29のテープに録画し、且つテープから読み取る再生動作を実行する。再生された再生信号は再生信号処理部32によって元のベースバンド信号に変換され、前記セレクタ部12に供給される。
  以上のように構成された復号電子装置1において、ユーザがDVD装置部21やVCR装置部28にテレビ番組放送を録画する場合は、ユーザが前記リモコン装置40を操作することにより、前記入力部15がリモコン装置40からの指示信号を受信し、前記制御部16が録画する番組放送のチャンネル選局などの制御を行なうと共に、復調部11を制御して選局された放送信号をベースバンドの映像信号及び音声信号に変換する制御を行なう。また、前記制御部16はDVD装置部21やVCR制御部28の各部を制御する。これによってユーザが視聴している番組放送の映像音声のベースバンド信号はDVDディスク22やビデオカセット29に録画可能に変換されて録画される。または、前記リモコン装置40を操作してタイマー予約を行う場合は、DVD装置部21、或いはVCR装置部28の何れに録画するかを図2に示すモード切換えキー44を押下して選択すると共に、録画したい番組放送のチャンネルや放送開始時刻、放送終了時刻などのデータを入力し、これらのデータをメモリ部17に記憶させる。また、この復号電子装置1には、前記チューナ部10からのテレビ番組放送の受信信号を復調部11、セレクタ部12、OSD重畳部13を介して映像出力部14から出力し、前記表示部61でテレビ番組放送をそのまま表示して視聴することが出来る。
  また、DVD装置部21やVCR装置部28に録画されたテレビ番組放送を再生する場合は、ユーザが前記リモコン装置40を操作することにより、前記入力部15がリモコン装置40からの指示信号を受信し、前記制御部16がDVD装置部21やVCR制御部28の各部とセレクタ部12、OSD重畳部13を制御して、前記セレクタ部12によりDVDディスク22やビデオカセット29から再生された再生信号が選択され、再生信号をそのまま映像信号出力部14に供給する、或いは、セレクタ部12によって選択された再生信号に、リモコン装置40の操作により表示されるDVDモードやVCRモードなどのモードに関する案内表示、或いはモード選択メニューや操作メニューなどの情報を重畳して供給される映像信号は、映像信号出力部14で表示部61に表示可能に処理され、前記別体の表示部61に表示される。
  この復号電子装置1は、テレビ番組放送を受信して映像信号を出力するまでのチューナ部10、復調部11、セレクタ部12、重畳部13、映像信号出力部14、及び制御部16などの各部、及びDVD装置部21やVCR装置部28の各機能と各動作状態を初期設定しているが、ユーザ自身が好みに合わせて設定変更することが出来る初期設定変更機能を備えており、図2に示すリモコン装置40の選択キー46などを操作して発信される指示信号を入力部15を介して制御部16に伝えると、制御部16はGUI形式のメニュー情報を生成してOSD重畳部13に供給し、映像信号出力部14から表示部61にて映像画面に重畳するメニュー画面を表示させる。これにより、ユーザは前記表示されたメニュー画面を見ながら、前記リモコン装置40の選択キー46を操作し、及び取消しキー47や決定キー48などを押下して、メニュー画面に表示されたメニュー項目ごとに好みの設定に変更することが出来る。
  以上、図4により、本発明の操作手順を説明する。ステップS1でユーザにより「操作キー」が押されると、ステップS2において、その押された「操作キー」が「兼用キー」か否かが判断され、「兼用キー」でなければ、ステップS4において、押された「操作キー」に従って制御される。もしステップS2において、その押された「操作キー」が「兼用キー」であれば、ステップS3において、その押された「兼用キー」が複数のモードで有効なキーか否かが判断され、さらにステップS5において、現在のモードで有効なキーか否かが判断され、現在のモードで有効なキーでなければ、後述するステップS7において、OSD装置選択画面を表示する。ステップS5において、現在のモードで有効なキーであれば、ステップS6において押された「操作キー」に従って制御される。
  ステップS3において、押された「兼用キー」が複数のモードで有効なキーであると判断された場合には、ステップS7において、OSD装置選択画面を表示し、ユーザに装置部の選択を促し、次いで、ステップS8において、ユーザが装置部の選択を行ったか否かを判断する。ステップS8において、ユーザが装置部の選択を行わない場合は、ステップS12において、OSDの装置選択画面の表示を消去する。また、ステップS8において、ユーザが装置部の選択を行なった場合には、ステップS9において、OSDの装置選択画面の表示を消去し、ステップS10において、ユーザが選択した装置部のモードに変更し、その後、ユーザが押した操作キーに従って制御するものである。
  以下、本発明の作用効果をより明確にするために、DVD装置部とVCR装置部を備えた従来の装置の動作と本発明の複合電子装置の動作とを対比して示したマトリックス図を用いて説明する。
  図5は、DVD装置だけ再生中、VCR装置だけ再生中、DVD装置もVCR装置再生中の場合があり。また、DVD装置及びVCR装置に録画機能が備えられていれば、再生中だけでなく録画中も同じ条件となる。また、一方が録画中で他方が再生中というように、録画中と再生中の組み合わせの場合も考えられる。さらに、再生中、録画中の他に早送り中、早戻し中の場合も考えられる(例えば、VCR装置が巻戻し中でDVD装置が再生中の場合)。つまり図5は、左欄の「機器の状態」であるとき、DVD装置の再生を停止させる場合、及びVCR装置の再生を停止させる場合に、これらの動作を停止させるために「停止ボタン」を押した場合の従来の装置の動作と本発明の複合電子装置の動作との対比マトリックスである。
  図6は、停止から再生に移行する場合のマトリックス図であり、DVD装置とVCR装置に媒体(ディスクとカセットテープ)が装着されている場合(「Dあり」「Tあり」で表示)と媒体が装着されていない場合(「Dなし」「Tなし」で表示)とがある。勿論、DVD装置及びVCR装置に録画機能が備えられていれば、再生中だけでなく録画中も同じ条件となる。ディスク又はテープを再生させるためには「再生キー」を押すことになり、ディスク又はテープに記録するためには「記録キー」を押すことになる。つまり図6は、左欄の「機器の状態」であるとき、DVD装置で再生する場合、及びVCR装置で再生する場合に、これらの動作をさせるためにキーを押した場合の従来の装置の動作と本発明の複合電子装置の動作との対比マトリックスである。
  以下、本発明の実施例において、「どのモードにするか」を聞いてくる場合の画面表示の具体例について説明する。
  図7は「再生キー」を押したときの例を示すものであり、(a)は「再生キー」の押下によってDVD装置とVCR装置を左右のカーソルキーによって選択させるものであり、例えば左カーソルキーによりVCR装置が選択されると、(b)に示すように、VCR装置の表示が選択され、他の表示は消えてVCRモードに切り換わってVCRが再生される。
  図8は「再生キー」を押したときにOKか否かをユーザに確認させる場合の表示例を示し、現在のモードを基準にして表示する。図8ではDVDモードになっている場合の例であるので、(a)において「DVDを再生しますか?」と表示されるようにしているが、もしVCRモードになっていれば「VCRを再生しますか?」と表示されるように構成する。(a)において右カーソルキーで「NO(VCR再生)」を選択すると(b)の画面表示となり、他の表示は消えてVCRモードに切り換わってVCRが再生される。
  図7及び図8の画面表示例では、左右方向のカーソルキーによって装置部モードを選択する方式を採用したが、図9に示すように上下のカーソルキーによって装置部モードを選択する方式を採用しても良い。以上の操作をキャンセルしたい場合は、キャンセルキー(取り消しキー)を押すことによりキャンセルされる。
  以上においては、複合装置の例として、DVD再生機部とVCR装置部の一体型装置の例を挙げて説明してきたが、下記のような装置部の組み合わせでも同様の効果を奏するものである。また、新しい媒体の記録再生装置が出てきたとしても本発明は同様に適用可能である。
(1)DVDレコーダ(記録/再生機)とVCRの一体型装置
(2)DVDレコーダ(記録/再生機)とHDDレコーダ(記録/再生機)の一体型装置
(3)DVDレコーダ(記録/再生機)とVCRとHDDレコーダ(記録/再生機)の一体型装置
(4)DVDレコーダ(記録/再生機)とVCRとHDDレコーダ(記録/再生機)とメモリーカードの一体型装置
  上記(4)の例が、図9(a)に示されており、4つまでの装置部の複合機ならば、現在のリモコン送信機を変更せずに、上下左右のカーソルキーで対応することができる。また、(b)のように、VCRのビデオテープ、DVDのディスクが装着されていない場合には当該装置部のモードが選択できないように表示しないように構成することも可能である。