以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
  (第1の実施の形態)
  まず、本発明の第1の実施の形態に係る送受電装置の構成について説明する。
  図1(a)に示すように、本実施の形態に係る送受電装置10は、路面に区切り線(例えば白線や有色の線等)で描かれた1行4列の4区画の駐車区画20aからなる駐車場20と、駐車区画20aに駐車させられた複数台の電気自動車30と、駐車区画20aに駐車させられた電気自動車30に充電する1台の充電装置50と、充電装置50に電力を供給する商用電源71と、充電装置50を商用電源71に接続するケーブル72とを備えている。
  図2から図4までに示すように、電気自動車30は、動力源であるバッテリ31と、充電装置50から送られる電磁エネルギを受け取り電力に変換する受電コイル32と、受電コイル32から出力される電流を整流しバッテリ31を充電する負荷回路としての整流回路33とを備えており、受電側装置を構成している。
  また、充電装置50は、高周波交流を電磁エネルギとして送出する送電コイル51と、直流を高周波交流に変換し交流電圧を送電コイル51に印加して送電コイル51を励磁する励磁手段としての充電回路52と、商用電源71からの交流を整流して直流にし充電回路52に送る整流回路53と、送電コイル51に流れる電流を計測する電流検出手段としての電流計54と、充電装置50自身が自動車の車体下に入ったことを検出する車体下検出手段としての車両センサ55と、駐車区画20a(図1参照。)の区切り線を検出する路面センサ56と、充電装置50自身を移動させる移動手段としての移動部57と、充電装置50自身の移動を制御するための移動制御信号を移動部57に送出する移動制御回路58とを備えており、送電側装置を構成している。
  ここで、車両センサ55は、超音波スピーカとマイクとを組み合わせて超音波の反射を利用するものや、静電容量変化を検出する近接センサ等で構成されている。
  また、路面センサ56は、発光ダイオードとフォトトランジスタとを組み合わせて光の反射を利用するもの等で構成されている。
  また、移動部57は、車輪57aと、車輪57aを駆動する図示していないモータと、モータを駆動するパワートランジスタ等で構成される図示していない電子回路とを有している。
  また、移動制御回路58は、車両センサ55が検出した情報や、路面センサ56が検出した情報に基づいて移動制御信号を生成するようになっている。
  なお、図5に示すように、充電装置50の送電コイル51、電気自動車30の受電コイル32の自己インダクタンスをそれぞれL1、L2とし、送電コイル51及び受電コイル32を相対させたときの相互インダクタンスをMとし、充電装置50の充電回路52、電気自動車30の整流回路33のインピーダンスをそれぞれZ1、Z2とすると、インピーダンスZ1は、「数1」で表される(例えば、「電気回路(1)」大野克郎著  ISBN4−274−13166−1  96頁を参照。)。
  送電コイル51の自己インダクタンスL1、受電コイル32の自己インダクタンスL2、整流回路33のインピーダンスZ2が一定であるので、充電回路52のインピーダンスZ1は、「数1」に示すように、送電コイル51及び受電コイル32の相互インダクタンスMの関数となる。ここで、相互インダクタンスMは、送電コイル51と、受電コイル32との間の距離が近くなるほど大きくなる。したがって、充電回路52のインピーダンスZ1は、送電コイル51と、受電コイル32との間の距離が近くなるほど大きくなる。即ち、送電コイル51と、受電コイル32との間の距離の変化は、送電コイル51に印加される交流電圧の変化と、送電コイル51に流れる電流の変化とに基づいて検出することができる。例えば、送電コイル51に印加される交流電圧が一定である場合、送電コイル51と、受電コイル32との間の距離は、送電コイル51に流れる電流が小さくなっているとき近くなっていて、大きくなっているとき遠くなっている。
  そして、移動制御回路58は、充電回路52によって送電コイル51に印加する交流電圧の変化と、電流計54によって計測された送電コイル51に流れる電流の変化とに基づいて、送電コイル51と、電気自動車30の受電コイル32との間の距離の変化を検出するようになっており、距離検出手段を構成している。
  また、移動制御回路58は、移動制御回路58自身が検出した送電コイル51及び受電コイル32間の距離の変化に基づいて、送電コイル51及び受電コイル32間の距離が最も近くなるように移動制御信号を生成するようになっており、移動制御手段を構成している。なお、移動制御回路58は、送電コイル51及び受電コイル32間の距離が最も近くなるように移動制御信号を生成するときのアルゴリズムとして、山登り法(例えば、「最適化アルゴリズム」長尾智晴著  ISBN4−7856−3112−0を参照。)等の広く知られた方法を用いるようになっている。
  次に、送受電装置10の動作について説明する。
  図1(a)に示すように1列目に対して2列目側とは反対側の所定の待機位置で充電装置50が待機しているとき、図6に示すように、充電装置50の移動制御回路58は、駐車区画20aの1列目から4列目に向かう矢印50a(図1参照。)で示す方向の移動を移動部57に開始させる(S81)。
  次いで、移動制御回路58は、路面センサ56で検出した区切り線の本数が奇数本、即ち1本、3本、5本又は7本になるまで、路面センサ56で検出した区切り線の本数が奇数本になったか否かを判断する(S82)。
  移動制御回路58は、充電装置50が駐車区画20a内に入った結果、路面センサ56で検出した区切り線の本数が奇数本になったとS82において判断すると、充電装置50自身が自動車の車体下に入ったと車両センサ55が検出したか否かを判断する(S83)。
  移動制御回路58は、充電装置50が自動車の車体下に入ったと車両センサ55が検出していないとS83において判断すると、路面センサ56で検出した区切り線の本数が偶数本、即ち2本、4本、6本又は8本になったか否かを判断する(S84)。そして、移動制御回路58は、路面センサ56で検出した区切り線の本数が偶数本になっていないとS84において判断すると、再びS83の処理を実行する。
  また、移動制御回路58は、図1(d)に示すように充電装置50が自動車の車体下に入ったと車両センサ55が検出したとS83において判断すると、矢印50aで示す方向の移動を移動部57に停止させ(S85)、送電コイル51からの電磁エネルギの送出を充電回路52に開始させる(S86)。なお、充電装置50は、商用電源71からケーブル72を介して供給される交流を整流回路53によって直流にした後、充電回路52によって高周波交流に変換して交流電圧を送電コイル51に印加することによって、送電コイル51から高周波交流を電磁エネルギとして送出する。
  次いで、移動制御回路58は、電流計54の測定結果に基づいて送電コイル51及び受電コイル32間の距離が最も近くなったか否かを判断する(S87)。
  移動制御回路58は、送電コイル51及び受電コイル32間の距離が最も近くなったとS87において判断すると、送電コイル51を介して充電回路52に電気自動車30のバッテリ31を充電させる(S88)。一方、移動制御回路58は、送電コイル51及び受電コイル32間の距離が最も近くなっていないとS87において判断すると、送電を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する(S89)。
  移動制御回路58は、送電を開始してから所定時間が経過していないとS89において判断すると、送電コイル51及び受電コイル32間の距離が近付く方向に移動部57に移動させ(S90)、再びS87の処理を実行する。
  また、移動制御回路58は、充電回路52に電気自動車30のバッテリ31をS88において充電させ終わったときや、充電装置50が車体下に入った自動車が受電コイル32を持っていない等の理由によって、送電の開始から所定時間が経過したとS89において判断したとき、送電コイル51からの電磁エネルギの送出を充電回路52に停止させる(S91)。
  次いで、移動制御回路58は、駐車区画20a外から出るべく、矢印50aで示す方向の移動を移動部57に開始させ(S92)、路面センサ56で検出した区切り線の本数が偶数本になるまで、路面センサ56で検出した区切り線の本数が偶数本になったか否かを判断する(S93)。
  移動制御回路58は、図1(b)に示すように充電装置50が自動車の車体下に入ることなく駐車区画20a外に出た結果、路面センサ56で検出した区切り線の本数が偶数本になったとS84において判断したときや、充電装置50が充電終了後に駐車区画20a外に出た結果、路面センサ56で検出した区切り線の本数が偶数本になったとS93において判断したとき、路面センサ56で検出した区切り線の本数が8本になったか否かを判断する(S94)。
  移動制御回路58は、路面センサ56で検出した区切り線の本数が8本になっていない、即ち路面センサ56で検出した区切り線の本数が2本、4本又は6本であるとS94において判断すると、矢印50aで示す方向への移動を移動部57に継続させながら再びS82の処理を実行する。一方、移動制御回路58は、図1(c)に示すように路面センサ56で検出した区切り線の本数が8本になったとS94において判断すると、矢印50aで示す方向とは反対の矢印50b(図1参照。)で示す方向に移動部57を移動させて充電装置50を待機位置に戻す(S95)。
  以上に説明したように、送受電装置10は、駐車場20に駐車している複数台の電気自動車30に対して1台の充電装置50で充電することができる。
  また、送受電装置10は、送電コイル51に流れる励磁電流に基づいて送電コイル51及び受電コイル32間の距離の変化を充電装置50が検出することができ、送電コイル51及び受電コイル32間の距離の変化に基づいて充電装置50が移動するので、自動的に従来より適切な状態で充電装置50から電気自動車30に電磁エネルギを伝達することができる。したがって、送受電装置10は、駐車している電気自動車30の位置や向きに関わらず、充電が必要な電気自動車30を充電装置50によって次々と充電することができる。
  また、送受電装置10は、S88における充電中に電流計54によって計測された電流と、S88における充電時間とに基づいて、おおよその充電量を算出することができる。
  また、送受電装置10は、送電コイル51及び受電コイル32間の距離の変化を充電装置50に検出させるための特別な構成を電気自動車30に設ける必要がないので、簡単な構成で送電コイル51及び受電コイル32間の距離の変化を充電装置50に検出させることができる。
  また、送受電装置10は、充電装置50が自動車の車体下に入ったことを充電装置50が検出したときのみ充電装置50が送電コイル51を励磁するので、不要な電磁エネルギが送電コイル51から送出されることを抑止することができるので、不要な電力の消費を抑止することができる。
  なお、送受電装置10は、電気自動車30の車体下に充電装置50が入った直後から充電が開始されるまで、電気自動車30の受電コイル32に充電装置50の送電コイル51が近づくに従って、充電装置50の充電回路52の出力電圧を弱くして充電装置50の送電コイル51が出力する電磁エネルギを減少させるようになっていれば、不要な電磁エネルギが送電コイル51から送出されることを更に抑止することができ、不要な電力の消費を更に抑止することができる。ここで、充電装置50は、送電コイル51が出力する電磁エネルギを、電流計54によって計測された電流に基づいて、正確に制御することができる。
  また、送受電装置10は、送電の開始から所定時間が経過したときに送電コイル51からの送電をS91において停止させるようになっているが、送電の開始から所定範囲を移動したときに送電コイル51からの送電をS91において停止させるようになっていても良い。
  また、移動制御回路58は、S95において充電装置50を矢印50bで示す方向の待機位置に戻すようになっているが、矢印50bで示す方向に充電装置50を待機位置に戻す際にも各駐車区画20aにおいて充電装置50に充電を再度試みさせるようになっていても良い。矢印50bで示す方向に充電装置50が待機位置に戻る際にも各駐車区画20aにおいて充電装置50に移動制御回路58が充電を再度試みさせるようになっている場合、矢印50aで示す方向に充電装置50が通り過ぎた後で駐車区画20aに電気自動車30が駐車したとしても、充電装置50が待機位置に戻る際にすぐさま充電を開始することができる。
  なお、送受電装置10は、区切り線の本数によって充電装置50を待機位置から駐車区画20aに誘導するようになっているが、充電装置50を待機位置から駐車区画20aに誘導する方法としては、図7や図8に示す方法等もある。
  図7に示す方法は、路面に誘導用反射板21を置くことによって、誘導用反射板21の部分と、誘導用反射板21以外の部分とで反射率が異なることを利用し誘導する方法である。
  図8に示す方法は、路面に磁石(永久磁石又は電磁石)22を配置し、分岐地点の磁石22の磁力を強くすることによって、探索を容易にしている方法である。即ち、充電装置50は、強い磁力を検出すると分岐地点であることを判断できる。なお、図8中、磁石22の大きさは、磁力の強さを表している。
  (第2の実施の形態)
  まず、本発明の第2の実施の形態に係る送受電装置の構成について説明する。
  なお、本実施の形態に係る送受電装置の構成のうち、第1の実施の形態に係る送受電装置10(図1参照。)の構成と同様な構成については、送受電装置10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
  本実施の形態に係る送受電装置の構成は、図9に示すように、受電側装置としての電気自動車130と、送電側装置としての充電装置150とを電気自動車30(図2参照。)及び充電装置50(図2参照。)に代えて送受電装置10が備えた構成と同様である。
  電気自動車130の構成は、磁界を発生させる磁界発生手段としての誘導コイル131と、整流回路33が出力した直流を高周波交流に変換し交流電圧を誘導コイル131に印加して誘導コイル131を励磁する発振回路132と、バッテリ31及び発振回路132の何れに整流回路33を接続するかを切り替えるスイッチ133と、スイッチ133の切り替えを制御するスイッチ制御回路134とを電気自動車30が備えた構成と同様である。
  充電装置150の構成は、直流を高周波交流に変換し交流電圧を送電コイル51に印加して送電コイル51を励磁する励磁手段としての充電回路151と、電気自動車130の誘導コイル131が発生させた磁界の強度を検出する磁界強度検出手段としての磁気センサ152と、移動制御回路153とを、充電回路52(図2参照。)、電流計54(図2参照。)及び移動制御回路58(図2参照。)に代えて充電装置50が備えた構成と同様である。
  ここで、発振回路132は、図10に示すように、整流回路33が出力する直流電流を蓄積するキャパシタ132aと、予め定められた一定時間間隔で信号を出力するタイマ132bと、キャパシタ132aが蓄積する電力の電圧をタイマ132bが出力する信号を契機に検出する電圧検出回路132cと、一定電圧の高周波交流信号を発生する発振器132dと、発振器132dが発生させた一定電圧の高周波交流信号を電圧検出回路132cが検出した電圧に応じて増幅する増幅器132eとを備えている。なお、キャパシタ132aは、自身が蓄積している電力の電圧が電圧検出回路132cによって検出されるとき、自身が蓄積している電力を全て放出するようになっている。
  また、充電回路151は、送電コイル51に電磁エネルギを送出させるとき、図11に示すように、送電コイル51への電磁エネルギの送出を継続する一定の送出継続期間Aと、送電コイル51への電磁エネルギの送出を休止する一定の送出休止期間Bとを繰り返すようになっている。
  また、移動制御回路153の構成は、磁気センサ152によって検出された磁界の大きさに基づいて送電コイル51及び受電コイル32間の距離が最も近くなったか否かを判断するようになっていることを除き、移動制御回路58の構成と同様である。したがって、移動制御回路153は、距離検出手段及び移動制御手段を構成している。
  次に、本実施の形態に係る送受電装置の動作について説明する。
  なお、本実施の形態に係る送受電装置の動作は、以下に述べる動作を除いて第1の実施の形態に係る送受電装置10(図1参照。)の動作と同様である。したがって、本実施の形態に係る送受電装置の動作のうち、以下に述べる動作以外の動作については、説明を省略する。
  電気自動車130のスイッチ133は、電磁エネルギの断続的な送出が充電装置150によって開始されたときに整流回路33及び発振回路132を接続している。したがって、送電コイル51から送出された電磁エネルギは、受電コイル32によって交流電力に変換された後、整流回路33によって直流電力に変換されて、発振回路132のキャパシタ132aに図11に示すように直流電力として蓄積される。
  また、タイマ132bは、キャパシタ132aへの直流電力の蓄積が開始されると始動し、送出継続期間Aが経過する度に電圧検出回路132cに信号を出力する。したがって、電圧検出回路132cは、キャパシタ132aが蓄積する電力の電圧を送出継続期間Aが経過する度に検出する。
  そして、増幅器132eは、発振器132dが発生させた一定電圧の高周波交流信号を電圧検出回路132cが検出した電圧に正比例させて送出継続期間Aが経過する度に増幅し、増幅した高周波交流信号(図11参照。)を送出休止期間Bが経過するまで誘導コイル131に出力する。
  ここで、電気自動車130の発振回路132のキャパシタ132aには、図11に示すように、送電コイル51及び受電コイル32間の距離が近付くにつれて多量の直流電力が蓄積されるので、誘導コイル131は、送電コイル51及び受電コイル32間の距離が近付くにつれて大きな磁界を、送出休止期間Bの間、発生させる。
  したがって、充電装置150の移動制御回路153は、磁気センサ152によって検出された磁界の大きさに基づいて送電コイル51及び受電コイル32間の距離が最も近くなったか否かを判断する。
  そして、電気自動車130の電圧検出回路132cは、自身が検出した電圧が予め定めた値を超えると、バッテリ31及び整流回路33が接続されるようにスイッチ制御回路134にスイッチ133を切り替えさせ、バッテリ31への充電を開始させる。
  以上に説明したように、本実施の形態に係る送受電装置は、駐車場20に駐車している複数台の電気自動車130に対して1台の充電装置150で充電することができる。
  また、本実施の形態に係る送受電装置は、電気自動車130から発生させられた磁界の強度の変化に基づいて送電コイル51及び受電コイル32間の距離の変化を充電装置150が検出することができ、送電コイル51及び受電コイル32間の距離の変化に基づいて充電装置150が移動するので、自動的に従来より適切な状態で充電装置150から電気自動車130に電磁エネルギを伝達することができる。したがって、本実施の形態に係る送受電装置は、駐車している電気自動車130の位置や向きに関わらず、充電が必要な電気自動車130を充電装置150によって次々と充電することができる。
  なお、本実施の形態に係る送受電装置は、充電装置150の充電回路52の出力電圧を常に一定にすることによって充電装置150の構成を簡略化しても良いが、電気自動車130の車体下に充電装置150が入った直後から充電が開始されるまで、電気自動車130の受電コイル32に充電装置150の送電コイル51が近づくに従って、充電装置150の充電回路52の出力電圧を弱くして充電装置150の送電コイル51が出力する電磁エネルギを減少させるようになっていれば、不要な電磁エネルギが送電コイル51から送出されることを更に抑止することができ、不要な電力の消費を更に抑止することができる。
  また、増幅器132eは、発振器132dが発生させた一定電圧の高周波交流信号を電圧検出回路132cが検出した電圧に正比例させて増幅するようになっているが、発振器132dが発生させた一定電圧の高周波交流信号を電圧検出回路132cが検出した電圧に反比例させて増幅するようになっていても良い。
  (第3の実施の形態)
  まず、本発明の第3の実施の形態に係る送受電装置の構成について説明する。
  なお、本実施の形態に係る送受電装置の構成のうち、第2の実施の形態に係る送受電装置の構成と同様な構成については、第2の実施の形態に係る送受電装置の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
  本実施の形態に係る送受電装置の構成は、図12に示すように、受電側装置としての電気自動車230と、送電側装置としての充電装置250とを電気自動車130(図9参照。)及び充電装置150(図9参照。)に代えて第2の実施の形態に係る送受電装置が備えた構成と同様である。
  電気自動車230の構成は、誘導コイル131によって発生させられる磁界を断続させる磁界断続手段としての制御回路231を発振回路132(図9参照。)に代えて電気自動車130が備えた構成と同様である。
  充電装置250の構成は、移動制御回路251を移動制御回路153(図9参照。)に代えて充電装置150が備えた構成と同様である。
  ここで、制御回路231は、図13に示すように、キャパシタ232a、タイマ232b、電圧検出回路232c、発振器232d、増幅器232eを有し発振回路132(図10参照。)と同様な発振回路232と、電気自動車230の状態情報を記憶するステータス記憶回路233と、ステータス記憶回路233から電気自動車230の状態情報を読み出すCPU(Central  Processing  Unit)234と、発振回路232の出力をCPU234の制御に応じて断続するスイッチ回路235とを備えている。
  また、移動制御回路251の構成は、磁気センサ152によって検出された磁界の断続に基づいて電気自動車230の状態情報を取得するようになっていることと、電気自動車230から取得した電気自動車230の状態情報に基づいて移動部57の動作を制御するようになっていることを除き、移動制御回路153の構成と同様である。したがって、移動制御回路251は、距離検出手段、移動制御手段及び情報取得手段を構成している。
  次に、本実施の形態に係る送受電装置の動作について説明する。
  なお、本実施の形態に係る送受電装置の動作は、以下に述べる動作を除いて第2の実施の形態に係る送受電装置の動作と同様である。したがって、本実施の形態に係る送受電装置の動作のうち、以下に述べる動作以外の動作については、説明を省略する。
  CPU234は、タイマ132bが出力する信号を契機に、ステータス記憶回路233から電気自動車230の状態情報を読み出し、読み出した状態情報を図14に示すようにスイッチ回路235に出力する。
  そして、スイッチ回路235は、CPU234から出力された電気自動車230の状態情報に応じて、発振回路232の増幅器232eの出力を図14に示すように断続させながら誘導コイル131に出力する。
  したがって、充電装置250の移動制御回路251は、磁気センサ152によって検出された磁界の大きさに基づいて送電コイル51及び受電コイル32間の距離が最も近くなったか否かを判断することができるとともに、磁気センサ152によって検出された磁界の断続に基づいて電気自動車230の状態情報を取得することができる。
  そして、移動制御回路58は、電気自動車230から取得した電気自動車230の状態情報が例えば充電不要という情報である場合、直ちに次の列の駐車区画20aに移動することができる。
  以上に説明したように、本実施の形態に係る送受電装置は、電気自動車230からの情報に基づいて充電装置250が移動するので、より適切な状態で充電装置250から電気自動車230に電磁エネルギを伝達することができる。