【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル組成物の包装体の製造装置及び製造方法に関し、さらに詳しくは、所謂、「ブリスタ容器」と称されゲル組成物充填用凹部を形成した帯状シートにゲル組成物を充填し、ラミネートフィルムにて被覆し密封する製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、人体の発熱に対する氷嚢や氷枕の代わりに、携帯性・貼付性に優れている保冷材として、水溶性高分子から主として構成されるゲル組成物(ゲル材)を透湿性の支持体上に展延・付着させた保冷・保温用貼付材が知られている。
【0003】
ところで、このような保冷・保湿用貼付材では、その製造時または製造後の保管・流通時にゲル組成物が支持体から流れ出したり、また、支持体上に保持されるゲル組成物の量が限られるため、保冷・保湿作用の持続時間が短くならざるを得ない。
【0004】
この点に関して本発明者らは、支持体からゲル組成物が流れ出したり、はみ出したりすることなくゲル組成物量を増やすことができ、その結果、保冷・保湿作用の持続時間を長くすることができ、また、携帯性、流通性、保管性に優れる容器充填型ゲル材(ゲル組成物)を既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第3079869号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記充填対象のゲル組成物は、流動状態においても比較的粘着性・弾力性があるので流動状態が乏しくなり、充填後容器内全域にすぐに広がらなかったり、また広がってもこの上から被覆されるアルミラミネートフィルムの一部にゲル組成物が表面張力で接着してしまい、結局、被覆されたときには容器内に空気が閉じ込められてしまい、その後ゲル組成物がゲル化するとこの空気部分がゲルにボイドを形成してしまうことになる。以上のことから、ゲル組成物を各容器に空気を含まない状態で自動的に充填することが極めて難しい。
【0007】
本発明の主要な目的の一つは、主としてブリスタ型容器のような容器にゲル組成物を空気を含まずにラミネートフィルムにて被覆し密封できるゲル組成物の包装体の製造装置及び製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、複数のゲル組成物充填用凹部を有する帯状シートを供給し、搬送する帯状シート供給搬送手段と、ゲル組成物充填位置に凹部を上向きにして略水平に搬送された帯状シートの各凹部に、該凹部の容積を僅かに上回る程度に流動状態を有するゲル組成物を充填するゲル組成物充填手段と、ゲル組成物が充填された帯状シートの上にラミネートフィルムを供給するラミネートフィルム供給手段と、ラミネートフィルムを帯状シートの上面に押圧し、かつ各凹部に充填されているゲル組成物の余剰分を流動状態を有するうちに各凹部から擦り切り排除しながら、帯状シートにラミネートフィルムを被覆するラミネートフィルム被覆手段と、ラミネートフィルムを帯状シートの上面に熱溶着する熱溶着手段とを備えたゲル組成物の包装体の製造装置が提供される。
【0009】
すなわち、本発明によれば、ゲル組成物充填手段にて帯状シートの各凹部に、該凹部の容積を僅かに上回る程度に流動状態を有するゲル組成物を充填し、それにより各凹部に充填されたゲル組成物が帯状シートの上面よりも僅かに高く盛り上がる。そして、ラミネートフィルム被覆手段によってラミネートフィルムを帯状シートの上面に押圧し、各凹部から盛り上がったゲル組成物の余剰分を流動状態を有するうちに各凹部から擦り切り排除しながら、帯状シートにラミネートフィルムを被覆していくことにより、各凹部からゲル組成物の余剰分を溢れさせて外部に排除することができる。この結果、充填時にゲル組成物中に空気が混入したとしても、気泡は上方へ押し出され集められてゲル組成物の余剰分と一緒に外部へ排除され、かつ帯状シートの上面及びこの面と同一面上にあるゲル組成物の上面に(空気層を介さずに)密着してラミネートフィルムが被覆される。そして、このラミネートフィルムを熱溶着手段にて帯状シートの上面に熱溶着することにより、空気を含まない状態で所望量のゲル組成物を帯状シート及びラミネートフィルムによる包装容器内に密封包装することができる。
ここで、本発明において「帯状シートの各凹部に、該凹部の容積を僅かに上回る程度に流動状態を有するゲル組成物を充填する」とは、具体的には、ゲル組成物の流動状態によるが、その表面張力により該凹部の縁から盛り上がるがここから溢れない程度が好ましく、例えば所望密封容積量に対して0.1〜10%程度余分に充填することが挙げられるが、別段これに限定されるものでもない。また、充填に際しては、ゲル組成物を凹部全体に平均して盛り上げるように充填するのが好ましいが、ゲル組成物を凹部の搬送下流側に高く盛り上げて搬送上流側はやや充填不足となるように充填してもよい。また、「擦り切り排除する」とは、押圧体とラミネートフィルム・帯状シートとの相対的な移動により、押圧体がラミネートフィルムを擦り付けるようにして帯状シートへ押圧することにより、各凹部に充填されたゲル組成物の余剰分を凹部から溢れさせて外部に排除することを意味する。また、本発明において、「ゲル組成物の包装体」とは、帯状シート及びラミネートフィルムによる包装容器内にゲル組成物(ゲル材)が密封包装してなるものであり、これを各凹部毎に分割したものも包含する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、帯状シートの材料としては、真空・圧空成形、プレス成形、射出成形などの成形が容易な熱可塑性樹脂が好ましいものとして選択されるが、これに限定されるものではない。また、熱可塑性樹脂による場合、その厚さは、携帯時、流通時、保存時等にかかる力に耐えうる機械的強度を有するよう設定される。さらに、上記樹脂は、収容するゲル組成物の性質及びゲル組成物に混入される各種の物質を考慮して、透光性または遮光性等が適宜選択される。
さらに、帯状シートは、単一の樹脂から形成されていてもよく、複数の樹脂層のラミネート体や、樹脂層と金属層その他の層とのラミネート体であってもよい。シート材が、単一の樹脂から形成され、かつ透光性を要する場合、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂が好ましいものとして挙げられる。一方、遮光性を要する場合は、上記樹脂層にアルミ蒸着したシートまたはアルミ箔をラミネートしたラミネート体(アルミラミネート)が好ましいものとして挙げられる。しかしながら、これに限定されるものではない。
また、成形される帯状シートの厚みは30〜1000μmが好ましく、100〜500μmがさらに好ましい範囲として挙げられる。
帯状シートに形成されるゲル組成物充填用凹部は、後述するゲル組成物を収容できる形状であればいずれであってもよいが、一般的には得ようとするゲル組成物からなるゲルシートの平面形状と同じ平面形状に、かつ所望の容積に形成される。このとき、凹部の深さは例えば1〜15mmが好ましいものとして挙げられるが別段これに限定されない。
【0011】
一方、ラミネートフィルムを構成する材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂製シートにアルミ箔をラミネートしたアルミラミネートシートを代表的な例として挙げることができる。このラミネートフィルムは、帯状シートの上面に熱溶着によって一体的に接合される。
【0012】
本発明において、帯状シート供給搬送手段が、帯状シートを下方から支持しながら搬送する搬送駆動部を備え、ラミネートフィルム被覆手段が、ラミネートフィルムの上面に沿接又は摺接する湾曲面を有し、かつ前記搬送駆動部に対して相対的に搬送下流側から上流側へ移動してラミネートフィルムの下面を帯状シートの上面に押圧する押圧体を備えたものとすることができる。
押圧体としては、ラミネートフィルム供給手段にて供給・搬送されるラミネートフィルムの上面に沿接する自由回転ローラが好ましいが、先端(下端)に丸みを有する板状ブレード、円柱形、円筒形半円柱形、ハーフパイプ形など少なくともラミネートフィルムと接する部分に湾曲面を有する形状の非回転体であってもよい。なお、非回転体の湾曲面にはアルミラミネートフィルムやその他の被覆用フィルムとの摩擦係数を小さくするように、例えばテフロン(登録商標)加工等がなされていることが好ましい。
一方、帯状シート供給搬送手段の搬送駆動部としては、下記の▲1▼▲2▼▲3▼のように構成することができる。
▲1▼円柱状のドラム表面に、帯状シートの凹部形状が逆形状となった下面側の凸部と係合する係合凹部又は係合通孔を周方向に複数形成してなる駆動ドラムと、この駆動ドラムを回転させる回転駆動部とを備え、駆動ドラムは、帯状シート及びラミネートフィルムを介して押圧体に対向して配置され、供給された帯状シートの前記各凸部に、駆動ドラムが回転駆動により下方から順に切換え係合して帯状シートを下方から支持し、かつ帯状シートを搬送する構成。
▲2▼ブロック体の上面に、帯状シートの凹部形状が逆形状となった下面側の凸部と係合する係合凹部又は係合通孔を形成してなる駆動台と、この駆動台を上下動を伴って帯状シートに沿う方向に往復切換駆動させる往復駆動部とを備え、駆動台は押圧体の下方位置に配置され、供給された帯状シートの前記各凸部に、駆動台が上下動を伴って帯状シートに沿う方向に往復切換駆動して下方から順に切換え係合して帯状シートを下方から支持し、かつ帯状シートを搬送する構成。
▲3▼帯状シートの凹部形状が逆形状となった下面側の凸部と係合する係合凹部又は係合通孔を有する複数のトレー(バケット)と、係合凹部又は係合通孔を外側へ向けて複数のトレーを連結する複数のエンドレスチェーンと、複数のエンドレスチェーンを搬送方向に張設する複数のスプロケットと、スプロケットを回転駆動する駆動部とを備え、各トレーにて帯状シートの各凹部を下方から支持し、かつ帯状シートを搬送する構成。
【0013】
上記構成▲1▼▲2▼▲3▼の搬送駆動部及びラミネートフィルム被覆手段によれば、搬送駆動部にて搬送され、各凹部にゲル組成物が充填された帯状シートと、ラミネートフィルムとが、定位置の押圧体の下を通過することにより、押圧体にてラミネートフィルムが搬送下流側から上流側へ帯状シートの上面に押し付けられて重なっていき、それにより凹部内から盛り上がったゲル組成物の余剰分が押され溢れ出して(気泡を有する場合は気泡も押し出され気泡とともに)擦り切り排除される。なお、ゲル組成物の余剰分を擦り切り排除するに際して、搬送駆動部を一時的に停止させ、押圧体にてラミネートフィルムを帯状シートへ押し付けた状態で押圧体を搬送下流側から上流側へ移動させるように構成してもよい。この場合、押圧体を保持し、かつ上下動を伴って水平往復移動させる駆動機構が備えられる。
また、ラミネートフィルムを帯状シートに押圧する力を調整できるように、押圧体の上下位置を調整可能に保持する保持位置調整機構を設けてもよい。具体的には、例えば押圧体の両端を取付板に回転自在又は非回転状態に取付け、この取付板をボールネジ機構やラック・ピニオン機構等により上下移動可能に保持する構造を採用することができる。また、押圧体のラミネートフィルムと接する面に、例えばゴムや弾性プラスチック等からなる弾性シートを貼設するもよく、それによって帯状シートの上面(各凹部の周囲)に凹凸を有していても、弾性シートによってラミネートフィルムをこの凹凸に沿って押し付けることができ、ゲル組成物の余剰分の擦り切り排除を確実に行うことができる。
【0014】
本発明において、包装体の各凹部に充填されるゲル組成物としては、ゲル化し得るよう調整された水溶性ゲル又は非水系ゲルが用いられ、特に、包装容器への充填が終了した後にゲル化が完了するものが好適に用いられる。
水溶性ゲルとしては、少なくとも水溶性高分子及び水を含むもの(以下、保水ゲルと称することもある)が用いられる。ゲル化の調整はゲル化剤の量や、温度、高照射などの条件により適宜行うことができる。なお、ゲル化剤としては公知の架橋剤などを用いることができる。
非水系ゲルとしては、例えば多価アルコール類とこの多価アルコール類に溶解又は膨潤するポリマーとから構成される公知のものを用いることができる。
【0015】
ゲル組成物を構成する成分は特に限定されないが、医薬、医薬部外品、化粧品、衛生雑貨又は食品等の分野で通常使用されている天然及び/又は合成の化合物を使用することができる。例えば、多糖類、蛋白質等の天然高分子や合成高分子が挙げられ、なかでも、水溶性の高分子及び/又は天然の高分子が好ましい。具体的には、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、イオン化デンプン誘導体、デンプンと合成高分子のブロック重合体、ヒアルロン酸、カラギナン(カッパー、イオタ、ラムダ形)、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、ジェランガム、タマリンドウ、グルコマンナン、キチン、キトサン、プルラン、チューベロースポリサッカライド、アルギン酸、ケラチン、アルブミン、コラーゲン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸、アーネストガム又はそれらの塩及び部分中和物、変性シリコーン類、各種ラテックス類等の単独又は2種以上の組み合わせが挙げられる。なお、ゲルシートは、美観等を考慮して、透明、いわゆるウォータークリアであることが好ましい。
【0016】
また、ゲル組成物には、活性成分としての薬剤(例えば、消炎剤、鎮痛剤、鎮痒剤、ビタミン剤等)又は化粧品(収斂剤、コラーゲン等)を添加してもよいし、医薬、化粧品及び食品の分野において使用される添加剤、例えば、防腐剤、殺菌剤、香料、着色剤、抗酸化剤等を添加してもよい。さらに、アロマテラピーに用いられるアロマオイル等を添加してもよい。
【0017】
また、ゲル組成物は、水溶性ゲルの場合には、含水率が30〜95%程度、好ましくは50〜90%程度を有することが好ましい。この範囲の含水率を有していると、貼付した皮膚の保水性を保持することができるとともに、皮膚に十分に貼着させることができる。さらに、ゲル組成物は、水溶性ゲル及び非水系ゲルともに、圧縮変形率が65〜99%、好ましくは70〜99%を有することが好ましい。圧縮変形率は、一定速度での押圧可能なプランジャーを用いて所定速度でゲル組成物を圧縮した際の、ゲル構造の一部破壊に至るまでの最大の変形率を百分率で表したものである。より具体的には、圧縮変形率を測定する場合には、ゲル組成物は、所定厚の平板状の試料とすることが好ましい。また、プランジャーは、所定の断面積を有することが好ましく、このようなプランジャーは、一般に、圧縮試験装置に搭載されている。よって、本発明における圧縮変形率は、圧縮試験装置により測定することが可能である。測定する際の試料は、例えば、1〜10mm程度の厚み、さらに2〜4mm程度の厚みを有する平板形状であることが適当である。ここで、圧縮試験装置としては、例えば、テクスチュアメーターとして知られている装置を使用することができる。プランジャーは、例えば、0.1〜2cm2程度の断面積、さらに0.5cm2程度の断面積を有することが適当であり、その形状は、ほぼ円筒等の形状であることが適当である。また、プランジャーの速度は、0.01〜0.1mm/秒程度、0.05mm/秒程度が適当である。圧縮変形率がこの範囲であることにより、所望の引張強度、所定の起伏やしわに対する適合性等の物性を実現することができ、取扱い性に優れたゲル組成物からなるゲルシートを得ることができる。
以下、本発明に係るゲル組成物の製造装置を図面に基づいて詳説する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0018】
本発明は、別の観点によれば、流動状態を有するゲル組成物を、帯状シートに形成した複数のゲル組成物充填用凹部に、該凹部の容積を僅かに上回る程度に充填するゲル組成物充填工程と、
ラミネートフィルムを帯状シートの上面に、各凹部に充填されているゲル組成物の余剰分を流動状態を有するうちに各凹部から擦り切り排除しながら被覆するラミネートフィルム被覆工程と、
ラミネートフィルムを帯状シートの上面に熱溶着するラミネートフィルム熱溶着工程とを備えたゲル組成物の包装体の製造方法を提供することができる。
さらに、ラミネートフィルムが熱溶着された帯状シートを各凹部毎に分割する帯状シート分割工程を含むものとしてもよい。このようにゲル組成物の包装体を各凹部毎に分割することにより、保冷または保湿用貼付材などとして市販に供せられる。この場合、各凹部毎に分割する方法としては、例えば当該分野での公知のトリミング方法を採用することができる。
【0019】
[実施の形態1]
図1は本発明に係るゲル組成物の包装体の製造装置の実施の形態1を示す概略構成説明図であり、図2は同実施の形態1における帯状シート及び帯状シート供給搬送手段を上方から見た説明図であり、図3は同実施の形態1におけるラミネートフィルム被覆手段にて帯状シートにラミネートフィルムを被覆する状態を示す要部拡大断面図であり、図4は同実施の形態1にて得られるゲル組成物の包装体を示す断面図である。
【0020】
先ず、本発明に係るゲル組成物の製造装置の実施の形態1を説明する前に、この実施の形態1で得られる、パックした形態、つまりゲル組成物を充填し密封包装した後の形態を説明する。
【0021】
図4において、ゲル組成物の包装体50は、皿状の容器本体51と、この容器本体51内(後述する、図1と図2の帯状シートSの凹部52内)に充填され、ゲル化が完了したゲル組成物(保水ゲル)Gと、このゲル組成物Gの上に被覆されたアルミラミネートフィルムRとから主としてなる。以下、アルミラミネートフィルムRは、略してフィルムRと称する場合がある。
【0022】
上記容器本体51は、上方開口状の凹部52と、この凹部52の外周側の鍔部とを備え、凹部52の形状・寸法は、所望のゲル組成物Gの形状・寸法{例えば60×80×7(mm)の矩形板状}に等しく設定されている。この容器本体51は、図1と図2に示すように、搬送方向Aに多数個並設された凹部52の列を複数列(この場合3列)有する帯状シートSを凹部52単位に分割した内の1つに相当する。
【0023】
さて、図1において、ゲル組成物の包装体の製造装置1は、複数のゲル組成物充填用凹部(ポケット状凹部)52、52、…をその開口部分53、53、…を上向きにして形成した帯状シート(ブリスタパック用シート)Sを略水平に供給し、搬送する帯状シート供給搬送手段としての帯状シート供給部(図示省略)及び搬送駆動ドラム2と、水溶性高分子及び水を含みゲル化し得るよう調製された未ゲル状態のゲル組成物Gを、ゲル組成物充填位置に略水平に搬送された帯状シートSの各凹部52、52、…に、凹部5の容積を僅かに上回る程度に充填するゲル組成物充填手段としての充填ノズル3と、ゲル組成物Gが充填された帯状シートSの上にアルミラミネートフィルムRを供給するラミネートフィルム供給手段としてのフィルム供給ローラ4と、フィルムRを帯状シートSの上面に、搬送下流側から押さえ付けて各凹部52に充填されているゲル組成物Gの余剰分を各凹部52から擦り切り排除しながら、被覆するラミネートフィルム被覆手段5と、フィルムRを帯状シートSの上面に熱溶着する熱溶着手段6と、フィルムRが熱溶着された帯状シートSを各凹部52毎に分割する分割手段7とを備えてなる。
【0024】
ゲル組成物充填手段は、帯状シートSの複数個の凹部52(例えば3列×搬送方向Aに2個の合計6個の凹部52)を1ブロックとして略同時にゲル組成物Gを充填できるよう複数の上記充填ノズル3がゲル組成物充填位置に設けられている。このゲル組成物充填手段は、各充填ノズル3において、1個の凹部52の容積よりも僅かに多い容量のゲル組成物Gを凹部52に充填するように1回の充填量を制御されている。
【0025】
帯状シート供給搬送手段は、円柱状のドラム表面に、帯状シートSの複数の凹部52、52、…の形状が逆形状となった下面側の複数の凸部52a、52a、…に係合する複数の係合凹部2aを周方向等間隔に(本実施の形態では周方向に6個の係合凹部2aが3列)形成してなる搬送駆動ドラム2と、この搬送駆動ドラム2を間欠的に回転させる図示しない回転駆動部とを備える。図1に示すように、搬送駆動ドラム2は、帯状シートSの幅寸法よりも長い軸方向長さに形成されており、後述するラミネートフィルム被覆手段5の自由回転ローラ8の直下に対向して配置されている。この搬送駆動ドラム2は矢印B方向の回転駆動により帯状シートSに下方から順に切換え係合して支持し、かつ帯状シートSを一定方向に搬送する。なお、搬送駆動ドラム2は、自由回転ローラ8の下方位置以外にも、搬送ラインの必要複数箇所に適宜配置してもよい。
【0026】
ラミネートフィルム被覆手段5は、アルミラミネートフィルムRの上面に沿接する湾曲面を有し、かつフィルムRの下面を帯状シートSの上面に押圧する押圧体としての自由回転ローラ8(ローラ径は任意であってもよいが、ローラの幅は凹部の擦り切り方向の幅よりも大きく設定される)と、搬送駆動ドラム2の直上に自由回転ローラ8を回転自在に保持する図示しない保持位置調整機構とを備えている。自由回転ローラ8は、帯状シートSの幅寸法よりも長い軸方向長さに形成されている。ラミネートフィルム被覆手段5は、前記保持位置調整機構にて自由回転ローラ8を上下に微動させて搬送駆動ドラム2との間隙寸法を微調整し、自由回転ローラ8と搬送駆動ドラム2との共働によるフィルムRの帯状シートSへの圧接力を調整できるように構成されている。また、帯状シートS上からこぼれたゲル組成物Gを受ける樋部材を、搬送ラインのゲル組成物充填位置からラミネートフィルム被覆位置にかけて設けてもよい。なお図1において、9はフィルムRをフィルム供給ローラ4から自由回転ローラ8へ案内するガイドローラである。
【0027】
熱溶着手段6は、帯状シートS及びこれの上に被覆されたアルミラミネートフィルムRを上下から挟み、帯状シートSの各凹部52の周囲(周縁)にフィルムRを熱溶着する従来公知のヒートシール装置を用いることができる。
また、分割手段7は、帯状シートSとフィルムRとの熱溶着部を上下から挟みカットして各凹部52毎に分割する従来公知のトリミング装置を用いることができる。
【0028】
次に、以上の構成を備えたゲル組成物の包装体の製造装置の作動及び製造方法を、図1〜図3を参照しながら説明する。
ゲル組成物充填工程:先ず、搬送駆動ドラム2を矢印B方向に回転駆動させて、帯状シートSを図1の右から左へ搬送方向Aに略水平に搬送移動させる。搬送駆動ドラム2は、帯状シートSにおける1ブロックの6個の凹部52がゲル組成物充填位置まで搬送されると回転を停止する。そして、各充填ノズル3からゲル組成物Gが1ブロックの各凹部52に、所望密封容積量に対して約5%余分に充填され、充填されたゲル組成物Gの余剰分gは帯状シートSの上面よりも僅かに盛り上がる。この際、凹部52に充填されたゲル組成物G内に気泡が巻き込まれる場合がある。なお、搬送駆動ドラム2は、その後も帯状シートSを1ブロック分ずつ間欠的に移動させるよう回転・停止を繰り返す。
【0029】
ラミネートフィルム被覆工程:次いで、各凹部52にゲル組成物Gが充填された帯状シートSを、自由回転ローラ8と搬送駆動ローラ2との間隙を通過させ、かつフィルム供給ローラ4からアルミラミネートフィルムR(ポリエチレンテレフタレートのフィルムにアルミ箔をラミネートしたもの)をガイドローラ9を介して帯状シートSの上から上記間隙を通過させて、フィルムRをシートS上に被覆する。この際、図3に示すように、移動するフィルムRの上面に沿接する自由回転ローラ8は、矢印C方向に回転しながらフィルムRの下面(裏面)を帯状シートSの上面53(凹部52の周囲)に押圧し、一方矢印B方向に回転する搬送駆動ローラ2は、その係合凹部2aが帯状シートSの下面側の凸部52aに係合し、かつ係合凹部2aの周囲の外表面2bが帯状シートSの下面53(凸部52aの周囲)を支持している。したがって、自由回転ローラ8にて擦られるように押圧されながらフィルムRが搬送下流側から帯状シートSの上面53及び凹部52内のゲル組成物Gを被覆していくと、ゲル組成物Gの余剰分gはフィルムRによって押されてゲル組成物Gは凹部52の隅々まで広げられると共に余剰分gは帯状シートS上から幅方向両側に排除され、このときゲル組成物G中に混入されていた気泡60もゲル組成物Gの流動に伴って上方に押し出されて浮き上がるので、該気泡60も上記余剰分gと一緒に排除される。
【0030】
熱溶着工程:そして、アルミラミネートフィルムRにて被覆された帯状シートSの1ブロックが熱溶着手段6まで搬送されると、熱溶着手段6にて帯状シートSの上面53とアルミラミネートフィルムRの下面とが熱溶着される。熱溶着温度は、例えば200〜230℃である。
分割工程:その後、フィルムRが熱溶着された帯状シートSの1ブロックが分割手段7まで搬送されると、分割手段7にてフィルムRと帯状シートSの熱溶着部がカットされ、各凹部52単位に分割されて図4のゲル組成物の包装体50が得られる。
なお、上述したゲル組成物充填工程から分割工程の間、帯状シートSの各ブロックにおいても同様に各工程が繰り返し行われている。
【0031】
[実施の形態2]
上述した実施の形態1の製造装置において、ラミネートフィルム被覆手段5の押圧体としては、図5(a)に示すような半円柱形の非回転体18や、図5(b)に示すようなハーフパイプ形の非回転体28や、図5(c)に示すような先端(下端)に丸みを有する板状ブレード(非回転体)38であってもよい。これらの非回転体18、28、38は、それらの湾曲面18a、28a、38aが、移動するアルミラミネートフィルムに摺接しながら帯状シートS側に押圧できるよう、保持位置調整機構の上下移動可能な取付板に固定される。
【0032】
[実施の形態3]
図6は本発明に係るゲル組成物の製造装置の実施の形態3を示す一部省略の概略構成説明図である。この実施の形態3は、上記実施の形態1における帯状シート供給搬送手段の搬送駆動ドラム2(図1参照)を、上下移動を伴う往復水平移動が可能な搬送駆動台12に変更したものであり、その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一の要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0033】
搬送駆動台12は、帯状シートSの1ブロックの凹部52(6個)に対応する下面側の凸部52a(6個)に係脱できる6個の係合凹部13を上面に有し、図6の矢印のごとく上下移動を伴う往復水平移動(ボックスモーション)により、帯状シートSを図6の右から左へ搬送移動させ、かつその上面(各係合凹部13の周囲)にて帯状シートSの下面(凸部52aの周囲)を支持するように構成されている。したがって、この搬送駆動台12と自由回転ローラ8との共働により、(図3で説明したように)アルミラミネートフィルムRが搬送下流側から帯状シートSの上面53及び凹部52内のゲル組成物Gを被覆していくと、ゲル組成物Gの余剰分gはフィルムRに押されて帯状シートS上から幅方向両側にこぼれ落ちて排除され、このときゲル組成物G中に混入して上方へ浮き上がっていた気泡60も上記余剰分gと一緒に排除される。
【0034】
[他の実施の形態]
本発明のゲル組成物の製造装置は上記実施の形態に限定されず、例えば図1及び図6の製造装置における充填ノズル3よりも搬送上流側に、帯状シート素材をプレス成形して順次凹部を形成する下型及び上型からなるプレス成形手段を設け、ゲル組成物充填工程の前に、プレス成形手段による帯状シート形成工程を含めるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ゲル組成物充填手段にて帯状シートの各凹部に、該凹部の容積を僅かに上回る程度に流動状態を有するゲル組成物を充填し、それにより各凹部に充填されたゲル組成物が帯状シートの上面よりも僅かに高く盛り上がる。そして、ラミネートフィルム被覆手段によってラミネートフィルムを帯状シートの上面に押圧し、各凹部から盛り上がったゲル組成物の余剰分を流動状態を有するうちに各凹部から擦り切り排除しながら、帯状シートにラミネートフィルムを被覆していくことにより、各凹部からゲル組成物の余剰分を溢れさせて外部に排除することができる。この結果、充填時にゲル組成物中に空気が混入したとしても、気泡は上方へ押し出され集められてゲル組成物の余剰分と一緒に外部へ排除され、かつ帯状シートの上面及びこの面と同一面上にあるゲル組成物の上面に(空気層を介さずに)密着してラミネートフィルムが被覆される。そして、このラミネートフィルムを熱溶着手段にて帯状シートの上面に熱溶着することにより、空気を含まない状態で所望量のゲル組成物を帯状シート及びラミネートフィルムによる包装容器内に密封包装することができる。
本発明によれば、底面積に対して深さの浅い凹部からなる容器へゲル組成物を空気を含まずに効率よく充填し密封包装することができる。また、深さ方向に段差を有する凹部形状や開口平面が矩形から外れた異形な凹部からなる容器へもゲル組成物を空気排除して充填し密封包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゲル組成物の包装体の製造装置の実施の形態1を示す概略構成説明図である。
【図2】同実施の形態1におけるラミネートフィルム被覆手段の支持体及び帯状シートを上方から見た説明図である。
【図3】同実施の形態1におけるラミネートフィルム被覆手段にて帯状シートにラミネートフィルムを被覆する状態を示す要部拡大断面図である。
【図4】同実施の形態1にて得られるゲル組成物の包装体を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の製造装置における押圧体を示す断面図であって、(a)は半円柱形の非回転体を表し、(b)はハーフパイプ形の非回転体を表し、(c)は板状ブレードの非回転体を表している。
【図6】本発明に係るゲル組成物の製造装置の実施の形態3を示す一部省略の概略構成説明図である。
【符号の説明】
5 ラミネートフィルム被覆手段
6 熱溶着手段
52 凹部
G ゲル組成物
g 余剰分
R ラミネートフィルム
S 帯状シート