【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源の供給側装置
及び被供給側装置を着脱可能に接続する電源接続部と、
この電源接続部を備えた電気器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電源の供給側装置と被供給側
装置とを着脱可能に接続する電源接続部として、例えば
図5に示すものが知られている。この電源接続部1は、
超音波式の食器洗浄機や電気ポット等の電気器具に採用
され、電源の供給側装置に設けられたコネクタ2と、電
源の被供給側装置に設けられたコネクタ3とから構成さ
れている。
【0003】コネクタ2は、外部に露出したマグネット
4と、このマグネット4を挟むように形成された凹部5
a,5bとを備え、凹部5a,5bには金属接点部6
a,6bが設けられている。金属接点部6a,6bには
導線7a,7bが接続され、図示を略す電源コードのプ
ラグがコンセントに差し込まれた際にその導線7a,7
bに電圧が印加されるようになっている。
【0004】コネクタ3は、外部に露出したマグネット
8と、このマグネット8を挟むように設けられた棒状の
金属接点部9a,9bとを備える。金属接点部9a,9
bには導線10a,10bが接続され、この導線10
a,10bは図示を略す圧電素子等に接続されている。
【0005】そのコネクタ2とコネクタ3とはマグネッ
ト4及びマグネット8により着脱可能に接続され、両者
が接続された状態では金属接点部6a,6bと金属接点
部9a,9bとが接触して供給側装置の導線7a,7b
と被供給側装置の導線10a,10bとが導通する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この電源接
続部1では金属接点部6a,6bが凹部5a,5bに設
けられることにより、コネクタ2がコネクタ3に接続さ
れていないにもかかわらず上記プラグがコンセントに差
し込まれたとしても金属接点部6a,6bがショートし
ないように配慮されているが、例えば超音波式食器洗浄
機や電気ポット等の電気器具ではコネクタ2やコネクタ
3が水に濡れやすい場所で使用され得るので、金属接点
部のショートの可能性をより確実に排除しておくことが
望ましい。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みて為されたも
ので、金属接点部のショートをより確実に防止してさら
なる安全性を確保することのできる電源接続部と、この
電源接続部を備えた電気器具を提供することを課題とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、電源の供給側装置と被供給
側装置とを着脱可能に接続する電源接続部において、前
記供給側装置又は前記被供給側装置の一方に設けられた
固定接点部と他方に設けられた可動接点部とからなり、
前記固定接点部は第一固着手段と第一金属接点部とを備
え、前記可動接点部は前記第一固着手段に固着される第
二固着手段が設けられた基部と、前記第一金属接点部に
接触する第二金属接点部が設けられるとともに前記基部
に対して弾性部材の付勢力により支持された可動部とを
備え、前記第二金属接点部が前記第一金属接点部に接触
した状態で前記第二固着手段が前記第一固着手段に固着
される際に、前記可動部が前記基部に対して前記付勢力
に抗して移動することにより、前記供給側装置と前記被
供給側装置とが導通状態となることを特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
電源接続部を備えた電気器具を特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0011】図1は、本発明に係る電気器具としての超
音波式食器洗浄機を示す。この食器洗浄機11は、電源
の供給側装置としての制御装置12と、被供給側装置と
しての洗浄槽13とを備え、これらは電源接続部14を
介して着脱可能に接続される。
【0012】制御装置12には図示を略す制御回路が内
蔵されるとともに、電源コード15、給電ケーブル16
及び操作部17が設けられている。電源コード15のプ
ラグ15aがコンセントに差し込まれると、上記制御回
路を介して給電ケーブル16に電圧が供給され、この電
圧が操作部17の操作により調節されるようになってい
る。また、給電ケーブル16の先端には、可動接点部と
してのコネクタ18が設けられている。
【0013】洗浄槽13には、その周壁部13a又は底
部13bに図示を略す圧電素子が内蔵されるとともに、
給電ケーブル16のコネクタ18が接続される固定接点
部としてのコネクタ19が設けられている。洗浄槽13
に洗浄液が満たされた状態でその圧電素子に電圧が印加
されることにより、洗浄液中の食器が洗浄されるように
なっている。
【0014】電源接続部14はコネクタ18,19によ
り構成され、このコネクタ19は図2に示すように第一
固着手段としてのマグネット20a,20bと、第一金
属接点部としての金属接点部21a,21bとを備え
る。金属接点部21a,21bは導線22a,22bに
より上記圧電素子に接続されている。
【0015】コネクタ18は基部23と、可動部24
と、弾性部材としてのスプリング25とを備える。
【0016】基部23には第二固着手段としてのマグネ
ット26a,26bが設けられるとともに、その略中央
には凹部27が設けられている。凹部27には互いに対
向して配置された金属部材28a,28bと、金属部材
28a,28bの内側に固着された絶縁部材29a,2
9bとが設けられている。金属部材28a,28bは導
線36a,36bにより上記制御回路に接続されてい
る。
【0017】可動部24は絶縁性の板状部30とフラン
ジ部31とが棒状部32により連結されてなり、板状部
30の表面側には第二金属接点部としての金属接点部3
3a,33bが、裏面側には金属片34a,34bがそ
れぞれ設けられている。金属接点部33aと金属片34
aとは、板状部30に形成された挿通穴30aを挿通す
る導線35aにより接続され、金属接点部33bと金属
片34bとは、板状部30に形成された挿通穴30bを
挿通する導線35bにより接続されている。
【0018】棒状部32は絶縁部材29a,29bの対
向空間を挿通し、その棒状部32を取り巻くようにスプ
リング25が設けられている。同図に示すように、板状
部30はその絶縁部材29a,29bの右側に、フラン
ジ部31は左側に位置し、スプリング25は絶縁部材2
9a,29b及び板状部30に対して付勢力により当接
している。このスプリング25の付勢力により、可動部
24は基部23に対して支持されている。
【0019】可動部24の板状部30及び基部23に
は、基部23と可動部24との間に塵埃や水滴が侵入し
ないようにゴム製のブーツ37が取り付けられている。
【0020】コネクタ18とコネクタ19とが接続され
る際には、金属接点部33a,33bが金属接点部21
a,21bに接触した状態でマグネット26a,26b
がマグネット20a,20bに磁着される。ここで、マ
グネット26a,26bとマグネット20a,20bと
の磁着力がスプリング25の付勢力よりも強くなるよう
にスプリング25のバネ定数が決定されており、これに
より可動部24はスプリング25の付勢力に抗して左方
に移動し、図3に示すような接続状態となる。この接続
状態では、金属部材28a,28b、金属片34a,3
4b、導線35a,35b、金属接点部33a,33b
及び金属接点部21a,21bを介して導線36a,3
6bと導線22a,22bとが導通されるので、操作部
17により調節された電圧が上記圧電素子に印加されて
超音波洗浄が行われる。
【0021】なお、コネクタ18,19の接続状態にお
いて板状部30の周囲に空間が残るように凹部27には
傾斜部27aが形成されているので、その接続状態にお
いてブーツ37は板状部30の周囲に収容され、金属接
点部33a,33b及び金属接点部21a,21bの間
の通電やマグネット26a,26bとマグネット20
a,20bとの磁着を阻害しない。
【0022】この実施の形態に係る超音波式食器洗浄機
11では、コネクタ18がコネクタ19に接続されてい
ない状態でプラグ15aがコンセントに差し込まれたと
しても、スプリング25の付勢力により金属部材28
a,28bと金属片34a,34bとが離間しており金
属接点部33a,33bには電圧が印加されていないの
で、金属接点部のショートの可能性がより確実に排除さ
れて極めて高い安全性が確保されている。
【0023】なお、本発明は上述した形態に限られるも
のではなく、例えば電気器具が電気ポット等であっても
かまわない。このように電気器具が電気ポットである場
合、一般には図4に示すようにコネクタ18及びコネク
タ19は電源コード38及びポット本体39にそれぞれ
設けられるが、本発明にいう供給側装置にはそのような
電源コードも含まれるものとする。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、可動接点部が固定接点部に接続されていな
い状態で電源コードのプラグがコンセントに差し込まれ
たとしても、可動部を弾性部材の付勢力に抗して移動さ
せない限り第二金属接点部に電源電圧が印加されないの
で、金属接点部のショートの可能性がより確実に排除さ
れて極めて高い安全性が確保される。
【0025】また、請求項2に係る発明によれば、請求
項1に係る発明の奏する上記効果を電気器具において得
ることができる。
【図面の簡単な説明】【図1】本発明に係る超音波式食器洗浄機を示す斜視図
である。
【図2】図1の食器洗浄機の電源接続部を示す説明図で
ある。
【図3】図2の電源接続部の接続状態を示す説明図であ
る。
【図4】本発明に係る電気ポットを示す斜視図である。
【図5】従来の電源接続部を示す説明図である。
【符号の説明】 11 超音波式食器洗浄機(電気器具) 12 制御装置(供給側装置) 13 洗浄槽(被供給側装置) 14 電源接続部 18 コネクタ(可動接点部) 19 コネクタ(固定接点部) 20a,20b マグネット(第一固着手段) 21a,21b 金属接点部(第一金属接点部) 23 基部 24 可動部 25 スプリング(弾性部材) 26a,26b マグネット(第二固着手段) 33a,33b 金属接点部(第二金属接点部) 38 電源コード(供給側装置) 39 ポット本体(被供給側装置)