【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の走行速度
を含む走行状態の情報を記録する車両走行状態記録方法
およびエンジン制御用コンピュータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車に搭載されて経路案内
や運転支援などを行うナビゲーション装置で、車両の走
行状態を監視することが提案されている。たとえば特開
平11−281393号公報では、現在位置、速度およ
び道路情報を軌跡データとしてICカードに順次蓄積
し、平均速度が制限速度を越えると運転者に警告を与え
る考え方が示されている。特開平10−19596号公
報では、道路地図上の各道路に対応する交通規則情報等
を予め記憶しておき、自動車の操作状態を検出して交通
規則違反が予知されれば報知して、違反を未然に防止す
る考え方が示されている。特開平8−110232号公
報では、自動車などの移動体の行動履歴を、読出し書込
みが可能な記録媒体に記録しておき、後から交通違反や
交通犯罪を証明するためなどにも利用可能にする考え方
が示されている。
【0003】自動車を運転して道路を走行する場合、制
限速度を守る必要がある。走行速度が制限速度を超過す
ると、速度取締りの対象となり、速度違反として検挙さ
れる可能性がある。車両に搭載するナビゲーション装置
で、走行状態を監視し、速度違反のおそれがあるときに
警告するようにしておけば、速度違反を犯して検挙され
ることを回避することができる。
【0004】従来の交通取締りでの速度違反の取締り
は、「設置カメラによる撮影」や、「ねずみ取り」と通
称されているスピードガンを設置する方法、または取締
り用の「パトロールカー」や「白バイ」などによる並走
などによって行われている。いずれも、「限られた場所
または時間」でしか取締りを行うことができない。この
ため交通取締りで捕まるのは、時の運次第であったり、
カメラ設置の情報を知らない優良な運転者であったりす
ることが多い。ナビゲーション装置で違反を監視してい
て、速度違反が警告されても、実際に取締りが行われて
いることは少ないので、警告を無視することになりやす
い。一方、取締りの対象になってしまうと、速度違反を
していないつもりであっても、反論することはできず、
納得がいかないまま取締りを甘受しなければならない。
このため、速度違反についての反省が充分に行われず、
かえって取締りを避けながら速度違反を起す傾向を生じ
てしまう。
【0005】実開平6−51955号公報には、車両に
データ収集装置を搭載し、速度や回転数などの車両関連
データを記録して、記録されたデータを運転者や警察の
交通取締り担当者が呼出して、違反を起しているか否か
の判断資料にする考え方が示されている。本件出願人
は、特開平10−283590号公報で、道路に沿って
設置される電子標識と車載の端末装置との間でデータ通
信を行い、交通違反の判定などを自動的に行うことを提
案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】交通安全のためには、
速度制限が必要であり、制限速度を遵守させるためには
速度取締りを行うことが必要であることは広く認識され
ている。しかしながら、従来のような狙い打ち的で運次
第の速度取締りでは、悪質な運転者が取締りを逃れやす
く、より公平に通常時の走行状態から取締りを行う必要
がある。
【0007】車両に搭載するナビゲーション装置に走行
速度の記録を残したり、車両にデータ収集装置を搭載し
て走行速度を記録しても、そのような機能を有する装置
を搭載する車両でしか利用することができない。電子標
識を用いる考え方も、電子標識が充分に普及しない限
り、端末装置を搭載する車両に対して限られた場所でし
か有効ではなく、公平な取締り方法とはなりにくい。
【0008】本発明の目的は、通常時の公平な取締りの
資料として利用することができる車両走行状態記録方法
およびエンジン制御用コンピュータを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両の走行速
度を含む走行状態に関する情報を、エンジン制御用コン
ピュータに常時記録し、車両の走行停止後、予め定める
操作で記録された情報を読出し可能にすることを特徴と
する車両走行状態記録方法である。
【0010】本発明に従えば、車両の走行速度を含む走
行状態に関する情報を、エンジン制御用コンピュータに
常時記録する。エンジン制御用コンピュータは、排気ガ
ス規制に合致した条件で、かつ燃費を改善しながらエン
ジンを効率よく運転させるためなどの目的で、今日では
ほとんどの車両に搭載されている。車両の走行速度を含
む走行状態に関する情報も、エンジン制御用コンピュー
タに、エンジン制御用の情報として入力されている。車
両の走行状態に関する情報を常時記録しておき、車両の
走行停止後、予め定める操作で記録された情報を読出し
可能にするので、記録された走行速度を読出して確認す
れば、速度違反を起しているか否かを容易に判断するこ
とができる。エンジン制御用コンピュータは、車両の運
転者から記録されている情報の改変が困難であり、記録
されている情報の信頼性が高く、充分に速度取締りの資
料として利用することができる。交通取締りを行う警察
側では、スピードガンなどを設置しておかなくても、暴
走している車両等は直ちに取締りの対象とすることがで
き、公平な速度取締りを実現することができる。
【0011】また本発明で、前記走行状態の情報の記録
は、予め定める周期で行い、前記車両走行停止後に、少
なくとも予め定める周期分が読出し可能であることを特
徴とする。
【0012】本発明に従えば、走行状態の情報の記録
を、車両停止時を基準として時系列的に遡ることができ
る。たとえばパトロールカーに停止を命じられれば、直
ちに停車し、記録されている走行速度の情報を読出し
て、速度違反を起しているか否かを確認することができ
る。
【0013】また本発明で、前記走行状態の方法の記録
は、前記エンジン制御用コンピュータに適合する診断用
のツールで読出し可能であることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、エンジン制御用コンピュ
ータには、自己診断などの機能が備えられ、自動車のサ
ービス工場などに備えられ、エンジン制御用コンピュー
タに適合した診断用のツールを用いて、異常や故障など
の解析が可能になっている。そのようなツールを用い
て、走行状態の情報を読出すので、走行速度などの情報
を有効に活用して、速度違反などを起しているか否かの
判断を行うことができる。
【0015】また本発明で、前記予め定める操作は、前
記エンジン制御用コンピュータの予め定める端子の接続
状態を変更して行い、該操作によって、記録されている
走行速度を、予め設定されているコードに従って、ラン
プの点滅状態で表示することを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、エンジン制御用コンピュ
ータの予め定める端子の接続状態を変更して、車両の運
転者や速度取締りの警察官などが、記録されている走行
速度の情報などを容易に確認することができる。記録さ
れている走行速度は、予め定めるコードに従って、ラン
プの点滅状態で表示される。通常、エンジン制御用のコ
ンピュータでは、自己診断の結果を、予め設定されるダ
イアグノーシスコードに従って、チェックエンジンウォ
ーニングランプを点滅させて表示する。走行速度の記録
情報も、同様にランプをコードに従って点滅させて表示
すれば、既存の装置を有効に利用することができる。
【0017】また本発明で、前記予め定める操作は、前
記エンジン制御用コンピュータの予め定める端子の接続
状態を変更して行い、該操作によって、記録されている
走行速度を、車両の速度計で表示することを特徴とす
る。
【0018】本発明に従えば、エンジン制御用コンピュ
ータの予め定める端子の接続状態を変更して、車両の運
転者や速度取締りの警察官などが、記録されている走行
速度の情報などを容易に確認することができる。記録さ
れている情報は、車両の速度計に表示されるので、走行
速度の確認を容易に行うことができる。
【0019】また本発明は、前記車両に、走行中の道路
の制限速度を検索可能なナビゲーション装置を搭載して
おき、前記走行状態に関する情報として、ナビゲーショ
ン装置によって検索される制限速度を含めて記録するこ
とを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、ナビゲーション装置と協
調して、車両が走行中の道路の制限速度を記録するの
で、走行速度が制限速度を超過しているか否かを容易に
確認することができる。
【0021】さらに本発明は、車両に搭載され、予め設
定されるプログラムに従ってエンジンの制御を行うエン
ジン制御用コンピュータにおいて、車両の走行速度を含
む走行状態に関する情報を入力する入力手段と、入力手
段に入力される情報を記録可能なメモリと、該情報を、
予め定める周期で順次的にメモリに記録し、予め定める
操作に応答して、メモリに記録されている情報を出力す
るように制御する制御手段とを含むことを特徴とするエ
ンジン制御用コンピュータである。
【0022】本発明に従えば、車両に搭載され、予め設
定されるプログラムに従ってエンジンの制御を行うエン
ジン制御用コンピュータに、入力手段と、メモリと、制
御手段とを含むようにして、車両の走行速度を含む走行
状態に関する情報を記録し、読出し可能にする。情報は
入力手段に入力され、制御手段によって、予め定める周
期で順次的にメモリに記録される。制御手段は、予め定
める操作に応答して、メモリに記録されている情報を出
力するように制御する。エンジン制御用コンピュータ
は、車両の走行にとって重要な機能を備え、その内部に
記録される情報は、充分に信頼性が高いと評価され得
る。走行速度の情報は、エンジン制御にも必要な情報で
あり、制御に用いる情報をそのまま記録しておくことが
できる。記録されている走行速度の情報を読出せば、速
度違反を起しているか否かなどの確認を容易に行うこと
ができる。
【0023】また本発明で、前記入力手段には、前記車
両の速度計に入力される車速信号が前記走行速度を表す
情報として入力され、前記制御手段によってメモリに記
録されている情報が出力されるときに、出力される情報
に従って、車速信号を模擬的に発生して速度計に与える
信号発生手段をさらに含むことを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、記録されている走行速度
の情報を、車両の速度計に表示することができるので、
走行速度を判りやすく確認することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態
で、走行状態を表す情報として、エンジン制御用のコン
ピュータユニット(ECU:Electronic Control Uni
t)の一つであるEFI(Electronic Fuel Injection
)に常時記録される4つの情報を示す。「SPD」
は、車速パルスに対応する走行速度(km/h)を表
す。「NE」は、エンジン回転数(r/min)を表
す。「PM」は、吸気管圧力(kPa)を表す。「T
A」は、スロットル弁の開度(°)を表す。
【0026】各情報は、a個分を、b秒間隔で記録する
ことができる。a個の情報を記録した後では、その時点
で最も古い情報を最も新しい情報で置換えて、更新す
る。車両が停止すると記録を停止するので、常に停止前
のb×(a−1)秒までの最新情報が、b秒おきにa個
分まで記録されることになる。
【0027】図2は、図1に記録されている情報に対応
する数値を示す。停止時点を基準に、5番目のデータで
走行速度SPDが125km/hとなっていることが判
る。b=10sとすると、停車40秒前に走行速度12
5km/hで走行していたことが記録として残る。この
とき、斜線を施して示すように、スロットル弁開度TA
の値も43°となっており、アクセルペダルを踏込んで
加速する意思が合ったことが判る。
【0028】また、最高速度をMAX SPEED D
ATAとして、b×(a−1)秒以前の走行での記録も
残すようにしておく。この場合、140km/hの最高
速度が記録されている。新たな情報が入力されると、走
行速度の情報を最高速度と比較し、最高速度よりも大き
な走行速度の情報が入力されれば、最高速度を更新す
る。最高速度の方が入力された情報よりも大きければ、
そのまま最高速度の情報を維持する。
【0029】図3は、本実施形態で使用するEFI−E
CU1を含む全体的なシステム構成を示す。EFI−E
CU1は、車両のエンジン2を制御するエンジン制御用
コンピュータの一つであり、インジェクタ3からの燃料
噴射量の制御を行う。エンジン2には、エンジン始動時
に用いるコールドスタートインジェクタ4も設けられ、
EFI−ECU1によって制御される。インジェクタ3
の制御のための入力データは、バキュームセンサ5、水
温センサ6、吸気温センサ7、O2センサ8、スロット
ルポジションセンサ9、スタータ10、ディストリビュ
ータ11、エアコンスイッチ12、車速センサ13、ニ
ュートラルスタートスイッチ14、テスト用入力端子1
5および排気温センサ16などから入力される。
【0030】図1に示す走行速度SPDは、速度計17
に速度表示用の車速パルスを与える車速センサ13から
入力される。車速センサ13は、実際には車輪の近傍に
設けられ、車輪の回転を検出する。速度計17の近傍な
どには、チェックエンジンウォーニングランプ(以下、
「CEランプ」と略称する)18も設けられる。エンジ
ン回転数NEは、ディストリビュータ11に備えられる
クランク角度からのクランク角度信号に基づいて算出さ
れる。吸気管圧力PMは、バキュームセンサ5から入力
される。スロットル開度TAは、スロットル弁19の開
度を検出するスロットルポジションセンサ9から入力さ
れる。
【0031】図3に示すEFI−ECU1は、フューエ
ルタンク20からインジェクタ3に供給される燃料のエ
ンジン2への噴射量を制御する。また、EFI−ECU
1は、イグナイタ21のイグニッションコイルに点火信
号を与えて、ディストリビュータ11を介して点火プラ
グ22を点火させる制御も行う。制御の目的の一つは、
エンジン2の排気ガスを浄化する触媒装置23の温度を
検出する排気温センサ16の温度が、適切な範囲に入る
ようにすることである。
【0032】図4は、図3に示すEFI−ECUの概略
的な電気的構成を示す。EFI−ECU1の全体的な制
御は、マイクロコンピュータ30によって行われる。制
御手段であるマイクロコンピュータ30は、予め設定さ
れプログラムに従って、EFI−ECU1としての制御
とともに、走行状態の情報を記録して読出し可能にする
制御も行う。各センサなどからの入力は、入力回路3
1,32を介してマイクロコンピュータ30に入力され
る。ただし、バキュームセンサ5などからの信号は、A
/Dコンバータ33でアナログ信号からデジタル信号に
変換されて、マイクロコンピュータ30に入力される。
マイクロコンピュータ30は、出力回路34を介して、
インジェクタ3やイグナイタ21に作動用の信号を出力
する。インジェクタ3は、エンジンの気筒数分存在し、
それぞれタイミングを合わせて制御する。
【0033】本実施形態のEFI−ECUには、メモリ
35および信号発生回路36が設けられる。メモリ35
には、図2に示すような車両の走行状態を表す情報が記
録可能である。信号発生回路36は、メモリ35に記録
されている走行速度SPDを速度計17で表示するため
の信号を発生する。
【0034】図4に示すEFI−ECU1は、車載用の
ECUとして標準的で、現在市場で使用されている商品
名「S2000、ベストロニクスチェッカ」などのダイ
アグ通信チェッカを使用し、メモリ35に記録されてい
る情報を読出せるようにしておく。ダイアグ通信チェッ
カは、図示を省略している接続端子に接続する。このよ
うな場合の通信機能は、KWP2000およびISO9
141−2に準拠させる。
【0035】図5は、本実施形態のEFI−ECU1
で、CEランプ18を点滅させて記録されている情報を
表示する例を示す。EFI−ECU1は、テスト入力端
子15を備え、たとえばこれを接地電位GNDに短絡す
ると、3桁のコードに従ってCEランプ18で記録内容
を表示することができる。EFI−ECU1としての自
己診断機能によるダイアグコードが2桁なので、区別す
るため3桁のコードを使用する。図5は、125km/
hを表す。
【0036】図6は、信号発生回路36によって、速度
計18に記録されている走行速度SPDを表示させる状
態を示す。速度計18は、通常の走行時には、車軸など
に設けられる車速センサ13からの車速パルスを車速信
号として車速を表示する。車速パルスはEFI−ECU
1に記録され、情報を読出すときに、走行速度SPDの
情報に対応して擬似的な車速パルスが発生され、速度計
17で表示される。
【0037】本実施形態のEFI−ECU1は、ナビゲ
ーション装置と協調して、ナビゲーション装置が走行中
の道路の制限速度である法定速度を検出し、検出された
法定速度をメモリ35に平行して記録すれば、速度違反
か否かの判断を容易に行うことができる。また、「走行
速度」>「法定速度+α」となっているときは、自主的
に警報を発生するようにすれば、重大な速度違反を起さ
ないように事前に自主規制することができる。警報の手
段としては、たとえば従来100km/hで鳴っていた
チャイムを、法定速度超過時に鳴らすようにすればよ
い。
【0038】本実施形態では、従来は現在の車両データ
をモニタリングするだけであったのに対し、数秒、数分
前に遡ってデータをモニタすることができる。前述のa
やbの数値は自由に設定可能であり、必要なだけ詳細に
過去に遡ってモニタすることができる。
【0039】また記録を読出すために、新たにツールを
作成する必要はなく、既存のツールを使用して、記録を
読出し、走行状態の情報をモニタリングすることができ
る。ツールを所持していないときでも、テスト端子など
への簡単な操作で、簡易的にモニタすることができる。
【0040】ナビゲーション装置と協調して、法定車速
を平行して記録すれば、警察などの取締りの目の届かな
いところまで遡って、違反状況を確認することができ
る。また、速度超過を自主的に警報することによって、
速度違反を抑制する効果が期待できる。速度の警告チャ
イムも、より有効に鳴らすことができる。
【0041】なお、以上の説明では、EFI−ECU1
で走行速度などの情報を記録しているが、他の制御を行
うエンジン制御用コンピュータでも同様に、走行状態の
情報を常時記録し、後から読出すようにすることができ
る。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車両の走
行速度を含む走行状態に関する情報を、今日ではほとん
どの車両に搭載されているエンジン制御用コンピュータ
に常時記録しておき、車両の走行停止後、予め定める操
作で記録された情報を読出して確認することができる。
記録された走行速度を読出して確認すれば、速度違反を
起しているか否かを容易に判断することができる。エン
ジン制御用コンピュータに記録されている情報は、信頼
性が高く、充分に速度取締りの資料として利用すること
ができ、公平な速度取締りを実現することができる。
【0043】また本発明によれば、走行状態の情報の記
録を、車両停止時を基準として時系列的に遡り、速度違
反を起しているか否かを確認することができる。
【0044】また本発明によれば、エンジン制御用コン
ピュータに対して用意されているツールを用いて走行状
態についての情報を読出すので、走行速度などの情報を
有効に活用することができる。
【0045】また本発明によれば、エンジン制御用コン
ピュータの予め定める端子の接続状態を変更して、記録
されている走行速度の情報などを容易に確認することが
できる。記録されている走行速度は、予め定めるコード
に従って、ランプの点滅状態で表示されるので、自己診
断などの機能を備える既存の装置を有効に利用すること
ができる。
【0046】また本発明によれば、エンジン制御用コン
ピュータの予め定める端子の接続状態を変更して、記録
されている走行速度の情報などを容易に確認することが
できる。記録されている情報は、車両の速度計に表示さ
れるので、走行速度の確認を容易に行うことができる。
【0047】また本発明によれば、ナビゲーション装置
と協調して、車両の走行速度が走行中の道路の制限速度
を超過しているか否かを容易に確認することができる。
【0048】さらに本発明によれば、車両の走行にとっ
て重要な機能を備え、その内部に記録される情報は、充
分に信頼性が高いと評価され得るエンジン制御用コンピ
ュータで、エンジン制御にも必要な走行速度を含む走行
状態の情報を記録する。情報であり、制御に用いる情報
をそのまま記録しておくことができる。記録されている
走行速度の情報を読出せば、速度違反を起しているか否
かなどの確認を容易に行うことができる。
【0049】また本発明によれば、車両の速度計を利用
して、記録されている走行速度を表示することができる
ので、走行速度を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施の一形態で記録される情報を示す
タイムチャートである。
【図2】図1の情報の記録状態を示す図表である。
【図3】図1の実施形態で使用するEFI−ECU1を
含む概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【図4】図3のEFI−ECU1の概略的な電気的構成
を示すブロック図である。
【図5】図4のEFI−ECU1で記録情報の表示を行
う状態を示すタイムチャートである。
【図6】図4のEFI−ECU1で速度表示を行う状態
を示す簡略化したブロック図である。
【符号の説明】 1 EFI−ECU 2 エンジン 13 車速センサ 15 テスト端子 17 速度計 18 CEランプ 30 マイクロコンピュータ 35 メモリ 36 信号発生回路