【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放送する番組および
データを送出するための情報伝送方法および放送される
番組やデータを受信する情報受信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、放送のデジタル化が進んでいる。
これは従来アナログで送信していた放送をMPEG2な
どのデジタル圧縮方式によって圧縮したデジタル信号に
おきかえて放送を行うものである。アナログ波でディジ
タル信号を伝送するディジタル変調技術と、MPEG2
(Moving Picture Experts Group 2/(ISO/IEC) 13818)
等のディジタル圧縮方式とを組み合わせることにより、
今までのアナログ放送と同じ周波数帯域を用いてより多
くの番組が伝送可能となり、ディジタル衛星放送の多チ
ャンネル化が進んでいる。
【0003】また、MPEG2 ストリーム対応のプロ
トコルとして開発されたDSMCC(Digital Storage M
edia Command and Control/(ISO/IEC) 13818-6)は蓄積
オーディオ・ビジュアル・データを遠隔からアクセスす
るためのもので、CD−ROM やDVD などのディジ
タル蓄積メディア (DSM:Digital Storage Media) に蓄
積された MPEG データはインタラクティブなアプリ
ケーションにも柔軟に対応できたが、ビデオオンデマン
ドシステムのような分散環境下ではデータ・アクセスを
コントロールするためのプロトコルが必要となる。これ
を標準化したものが DSMCCである。DSMCC の
代表的な機能は次の3つである。 ユーザ・ネットワークプロトコル(U-N プロトコル) ユーザ・ユーザプリミティブ(U-U プリミティブ) オブジェクトカルーセル このうちオブジェクトカルーセルは主に放送型ネットワ
ークアクセスにおいて利用され、片方向のデータチャネ
ルにおいて各プログラムや付随データの階層構造を定期
的に送信する伝送方式である。日本のBSデジタル放送
のデータカルーセルはユーザ・ネットワークプロトコル
(U-N プロトコル)を使用する。日本のBSデジタル放送
では、1事業者あたり約24Mbpsの帯域幅が与えら
れる。そして24Mbpsの帯域は、おおよそHD(高
解像度)放送1チャンネル分に相当するとともに、SD
(通常解像度)放送3チャンネルも送信することが可能
である。
【0004】ここでHD放送とは画素数が1920x1
080でフィールド周波数59.94Hz、フレーム周
波数29.97Hzのインターレースの放送のことであ
り、SD放送とは画素数が720x480でフィールド
周波数59.94Hz、フレーム周波数29.97Hz
のインターレースの放送のことである。(なお、SD放
送、HD放送とも別のフォーマットがあり、24Mbp
sの帯域でSD放送2チャンネルしか流さないというこ
ともありえる。)
【0005】提供される番組データであるPSI(prog
ram service information)にはPMT(Program Map Ta
ble )が含まれる。 PMTとはPSI を構成するテー
ブルの一つで、1つの番組の中にどのような映像、音
声,データ放送、字幕が入っているのかを記述してあ
る。この各々の映像,音声、データ放送、字幕(それぞ
れ複数ある場合はその1つ1つ)をコンポーネントを呼
ぶ。各コンポーネントにはそれを識別するコンポーネン
トタグがついている。PMT内の情報は1stループと
2ndループとに分けて記述してある。1stループで
は番組全体に関する情報が書いてあり、2ndループで
は各コンポーネントに関する情報が書いてある。
【0006】BSデジタル放送においてはインタラクテ
ィブなマルチメディアサービスであるデータ放送番組の
放送が行われる。データ放送番組の放送においては上述
したDSMCCのデータカルーセルを用いてBML(Br
oadcast Markup Language:データ放送用拡張マーク付
け言語)文書によりデータ放送のコンテンツが伝送され
る。
【0007】放送される番組は、例えば、図1に示すよ
うに構成されている。つまり、放送チャンネルを示す単
一のサービスIDの下位に映像コンポーネント1、音声
コンポーネント1、データ放送コンポーネント1が配置
されており、それぞれのコンポーネントには図1に示す
ようにコンポーネントタグが付与されている。つまり、
映像コンポーネント1にはコンポーネントタグ0X00が付
与され、音声コンポーネント1にはコンポーネントタグ
0X10が付与され、データ放送コンポーネント1にはコン
ポーネントタグ0X40が付与されている。また、図1に示
すようにコンポーネントタグ0X40にはスタートアップ文
書(startup.bml)を含むBML文書(***.bml)が格納
されている。
【0008】以下データ放送番組の起動について図2を
参照して説明する。データ放送番組かどうかは、まずP
MTの2ndループに最初に記述されるタグ値0x40のコ
ンポーネント(エントリーコンポーネント)にデータ符
号化方式記述子が配置されているかどうかで判定され
る。(図2のステップ1)これが所定の値ならばBML
文書によるデータ放送番組と判断する。(図2のステッ
プ2)さらにデータ符号化方式記述子のauto_start_f
lagを参照し(図2のステップ3)、1ならばすぐにBM
L文書に沿って制御を行うエンジンを起動する(図2の
ステップ4)。エントリコンポーネントはエントリモジ
ュール(module_id=0000)に含まれ、エントリモジュ
ールはデータカルーセルによって伝送される。エントリ
モジュールは必ずスタートアップ文書を一つ含んでいる
ので、そのスタートアップ文書の実行を開始する(図2
のステップ5)。それ以降はBML文書に従って実行し
て必要に応じてBML文書を遷移する(図2のステップ
6)。
【0009】データ放送の中には受信機の電源が切れて
も不揮発なメモリ(たとえばフラッシュメモリ)に書か
れた情報を利用したり、書き込んだりするものがあっ
た。この情報にはたとえば事業者専用領域、事業者共通
領域、視聴者居住地域領域が含まれる。
【0010】まず事業者専用領域に格納されるデータの
内容は、それぞれの放送事業者ごとに自由に使うことが
可能である。すなわち各放送事業者が受信機に自由に読
み書きを行うことができる領域を持っていることにな
る。この領域は1事業者当たり64バイトの固定長ブロ
ックの物を16個持っている。
【0011】次にこの事業者専用領域へのアクセス方法
について説明する。BSデジタル放送においてはBML
文書によるデータ放送が行われており、データカルーセ
ルを用いてBML文書を伝送する。BML文書にはデー
タ放送を構成する動画、音声、グラフィックスなどを制
御するための制御コードがXMLをベースに書かれてい
る。
【0012】特に放送関係用に拡張された部分があり、
その文法が定められている。上記の事業者専用領域への
アクセスを行うには、この拡張された関数である readPersistentArray()/writePersistentArray() を使う。読み出し、書き込みは上記の64バイトの固定
長ブロック単位で行う。64バイトの固定長ブロック1
6個及び、どの事業者のものを使うかは上記の関数の引
数であるファイル名にURLによって指定する。URL
の書式は以下のようになる。 nvram://~/common/(16個のブロックの中のどれにア
クセスするかのブロック番号0〜15) なお、この場合は自分の事業者のブロードキャスタID
を指定して読み書きすることを表す。
【0013】放送事業者はたとえばBML放送でアンケ
ート等を行い、この事業者専用領域の中に視聴者の性
別、年齢、嗜好、趣味などの視聴者情報を書き込む。
【0014】次に事業者共通領域に格納されるデータの
内容は、全放送事業が共通で読み書きできることが可能
な領域である。この領域は64バイトの固定長ブロック
の物を16個持っている。
【0015】事業者共通領域へのアクセス方法は事業者
専用領域へのアクセスとほぼ同じで、BMLの拡張関数
として readPersistentArray()/writePersistentArray() を使う。読み出し、書き込みは上記の64バイトの固定
長ブロック単位で行うのも同じである。ただし、これを
指定する拡張関数の引数であるファイル名として使うU
RLが異なり、 nvram://common/(16個のブロックの中のどれにアク
セスするかのブロック番号0〜15) という形式で指定する。ここの16個のブロックには視
聴者の氏名(ブロック0)、ニックネーム(ブロック1
−8)、住所(ブロック9−10)、電話番号(ブロッ
ク11)、FAX番号(ブロック12)などが格納され
る。
【0016】さらにこの不揮発のメモリに保存される情
報には視聴者居住地域情報が含まれる。この中には対象
地域記述子に対応した県域コードと緊急情報信号に対応
した地域符号と郵便番号が含まれる。県域コードはビッ
ト0〜55の56ビットの内の1ビットが1になってい
るコードであり、どのビットが1になっているかで県域
を示す。たとえば神奈川県ならビット14が1になって
いる。地域符号も同様の12ビットからなる符号で、た
とえば神奈川県なら010101101100になる。郵便番号は7
桁の通常使われている郵便番号である。これらの内、県
域コードと地域コードはBML文書からは読み出しのみ
可能で、郵便番号は読み書きできる。(通常はこれらの
設定はBML文書以外の受信機固有の機能として持
つ。)読み書きを行うにはこの拡張された関数である readPersistentNumber()/writePersistentNumber() または readPersistentString()/writePersistentString() を使う。そして上記の3つの情報の内どの情報を読み書
きするかは、これらの拡張関数の引数であるファイル名
にURLによって指定する。URLの書式は以下のよう
になる。 県域コードならnvram://receiverinfo/prefecture 地域符号ならnvram://receiverinfo/regioncode 郵便番号ならnvram://receiverinfo/zipcode なお、これらの情報が設定されていない場合には、
readPersistentNumber()は0、readPersistentString()
はNULLが返される。上述したようにフラッシュ11
1のデータ記録領域には事業者専用領域、事業者共通領
域、視聴者居住地域領域が含まれ、事業者専用領域、事
業者共通領域、視聴者居住地域領域にはそれぞれ視聴者
情報が記憶される。視聴者情報は視聴者の嗜好、住所、
年齢、職業、性別、郵便番号、過去の視聴者の視聴した
番組等の情報である。なお、これらの情報はこのような
領域に限らず、受信機内の任意の不揮発のメモリを有す
る領域に格納されていてもよい。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来にデータ放送を受
信して、その際にフラッシュメモリ等に格納されている
視聴者情報を参照して、放送で流れている複数の情報の
中から視聴者情報に応じて情報を選択して、情報を表示
したり、外部に接続されているインターネット等のサイ
トに接続して詳細情報をとりに行くものがあった。たと
えば特開平11ー17633である。これを図4を用い
て説明する。図4において1つのデータ放送番組があ
り、その中に視聴者情報に応じて視聴者ターゲット1に
入るような分類の人に対応したデータ放送、視聴者ター
ゲット2に入るような分類の人に対応したデータ放送、
・・・視聴者ターゲット5に入るような分類の人に対応
したデータ放送、を同時に放送している。たとえば視聴
者情報を年齢で分類しておき、10歳代向けのデータ放
送、20歳代向けのデータ放送、・・・・60歳代向け
のデータ放送を同時に流し、それを実際にフラッシュメ
モリなどに格納された視聴者の年齢によってどれを提示
するのかを決定する。さらにその詳細な情報を知るの
に、それぞれの放送からインターネット上のサイトにリ
ンクしており、それぞれからより詳細な情報をたとえば
アイコン等をクリックすると得られるようになってい
た。
【0018】しかしながら最近BSデジタル放送の実験
放送を通じて次のような課題が出てきた。放送で複数の
情報を流してその中から視聴者情報に応じて情報を選択
するときには、複数の情報を流すためにデータ放送の帯
域が大量に必要になる。たとえばBSデジタル放送にお
いては図1に示すような全ての情報を含めて24Mbp
s以内に納めないとならない。データ放送で流すデータ
量を5Mバイトとすると、データカルーセルで流す周期
を10秒としたときには、データ放送用の帯域として5
M/10x8=4Mbpsの帯域を必要とする。実際に
はデータカルーセルに格納するオーバーヘッドがあるの
で、もう少し大きな帯域が必要となる。もっと大量のデ
ータを流すときにはこの帯域を増やすかデータカルーセ
ルの周期を長くするかどちらかが必要になる。しかしな
がら帯域を増やすとその分画像に割り当てる帯域が減
り、画質が悪化するという問題が出てくる。また、デー
タカルーセルの周期を長くするとユーザーからデータ取
得の要求が出てから必要な情報を取得するまでの平均の
時間が増えることになり、ユーザーに対しての使い勝手
が悪くなる。
【0019】逆にデータ放送でデータ量を5Mバイトか
ら減らせば、データカルーセルの周期や帯域を少なくす
るできるが、データの情報量自体が減ってしまう。これ
はたとえばデータ放送で本来ある競技会に出場する全て
の選手の紹介をしたいのに、一部の選手の紹介しかでき
なかったり、ある歌番組で全部の歌手のプロフィールや
歌の歌詞を表示したいのに、一部の歌手についてしかで
きなかったりとデータ放送の内容が貧困になる。
【0020】そこで本願では放送では全視聴者に対して
同じ情報を流し、その中で視聴者が詳しく知りたい情報
があった場合に始めて視聴者情報を参照し、それがイン
ターネット上に存在する場合には視聴者情報を付加した
URLを参照し、その情報が記録媒体にある場合には視
聴者情報をディレクトリ別に分類して保存しておき、視
聴者情報に対応したURLやディレクトリをアクセスし
にいくことで視聴者に最適な詳細な情報を提供するもの
である。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を
解決するために、データ放送を含む放送を受信して出力
するために第1の伝送路を介して伝送し、前記データ放
送を含む放送に関連した関連情報を、前記出力を視聴し
ている視聴者の属性、過去に受信したデータ放送を含む
放送の受信履歴、受信時の操作履歴のいずれか一つは少
なくとも含む視聴者固有情報および前記データ放送を含
む放送に基づいて指定される前記関連情報の蓄積場所に
第2の伝送路を介してアクセスし、前記蓄積場所に蓄積
されている関連情報を出力するために前記第2の伝送路
を介して伝送することを特徴とする情報伝送方法を提供
する。また、第1の伝送路を介して伝送されるデータ放
送を含む放送を受信して出力する出力手段と、前記出力
を視聴している視聴者の属性、受信したデータ放送を含
む放送の受信履歴、受信時の操作履歴のいずれか一つは
少なくとも含む視聴者固有情報を蓄積する固有情報蓄積
手段と、前記データ放送を含む放送に関連した関連情報
が視聴者固有情報を検索キーとして検索可能に蓄積され
た関連情報の蓄積場所を第2の伝送路を介して前記視聴
者固有情報および前記データ放送を含む放送に基づいて
指定してアクセスして、指定された前記関連情報を前記
第2の伝送路を介して伝送して前記出力手段に出力する
アクセス手段とを備えたことを特徴とする情報受信端末
装置を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を以下に図面を参
照して説明する。図3は受信機の構成例を示す図であ
る。まずアンテナ100から入ってきた電波は、チュー
ナ101でチャンネルを選択されたデジタル信号が出力
される。デジタル放送ではアナログ放送と異なり、1つ
のチャンネルで複数の事業者が放送を行う。よってこの
チューナでは周波数帯域での選択を行うとともに、1つ
の周波数帯域の中から1つの事業者の選択を行う。1つ
の事業者の放送においても前述のようにHD1チャンネ
ルを放送するか、SD3チャンネルを放送するかは事業
者に委ねられている。
【0023】チューナから出力されるデジタル信号は、
次にデスクランブラ102に供給され、スクランブル処
理が解除される。これは有料放送などで、課金をしたい
場合に、そのままでは視聴できないように信号にスクラ
ンブル処理をかけておき、特定のカードなどが受信機に
挿入されていた場合のみにスクランブル処理を解除して
視聴できるようにするための回路である。
【0024】スクランブル処理が解除された信号は、そ
の後デマルチプレックス103に供給される。デマルチ
プレックス103で、現在の放送はSDの放送なのかH
Dの放送なのかが識別される。また、ビデオのデータと
オーディオのデータに分けられ、一時的にデマルチプレ
ックス用RAM120に蓄えられ、その後デマルチプレ
ックス用RAM120からそれぞれビデオデコーダ10
4とオーディオデコーダ105とに送られる。
【0025】ビデオデコーダ104では圧縮されたビデ
オデータがデコード(伸張)され、その後グラフィック
ス121のデータが重畳されて、ビデオ出力106とし
てモニタに出力される。また、オーディオデコーダ10
5では圧縮されたオーディオデータがデコードされ、オ
ーディオ出力107としてオーディオアンプで出力され
る。
【0026】以上のチューナ101からオーディオデコ
ーダ105まではバスによってCPU108と接続さ
れ、その制御によって動作する。CPU108のバス2
00にはこれ以外にCPUのプログラムを格納するRO
M109とCPUの変数を格納するRAM110とフラ
ッシュメモリ(以下、単にフラッシュと記すこともあ
る)111等が接続される。フラッシュ111は視聴者
の嗜好や住所、郵便番号などの視聴者データを格納す
る。
【0027】さらにデマルチプレックス103は上記の
オーディオとビデオ以外のSI(service informatio
n)/PSI情報、データカルーセル情報を抜き出し
て、デマルチプレックス用RAM120に一時的に蓄
え、CPU108がこれを取得して、たとえばSI(se
rvice information)情報ならEPG(Electronic Prog
ramGuide)向けの情報に整理しなおしたり、データカル
ーセルの情報の中からBML文書の情報を抽出して、R
AM110に蓄える。ユーザーからEPG情報の表示の
指示があった場合に、グラフィックス121を通じてユ
ーザーに提示する。また、BML文書は自動的に実行あ
るいはユーザの操作により実行され、たとえばその中の
グラフィックスユーザーインターフェース部分はグラフ
ィックス121を使ってユーザーに画面を提示する。
【0028】リモコンI/F112はリモコン113の
操作を受信のみする場合とリモコン113が双方向通信
が可能なリモコンの場合はコマンドをリモコンに送信し
てかつリモコンからの操作や情報を受信する機能を持
つ。メモリカード114はいろいろな情報を保存してお
くためのメモリカードで視聴者によって取り外しが可能
である。
【0029】有料放送受信カード115は有料放送を視
聴するときにスクランブルがかかっているので、それを
解くための鍵を生成するICカードである。なお、メモ
リカード114と有料放送受信カード115は一体のも
のでも良い。
【0030】モデム117は電話回線118への発呼お
よびデータ通信を行うためのモデムである。
【0031】CPUバス200に接続されているデバイ
ス(CPU108自体は除く)は全てCPU108から
制御される。
【0032】なお、請求項3以外ではメモリカード11
4は必須ではない。
【0033】ここでフラッシュメモリ111の中身をも
う少し詳しく説明する。フラッシュメモリ111のデー
タ記録領域には前記した事業者専用領域、事業者共通領
域、視聴者居住地域領域が含まれる。フラッシュメモリ
であるから電源を切ってもこの情報は消えることはな
い、不揮発性の情報である。
【0034】通常このような視聴者の情報は通常は図3
のフラッシュメモリ111に格納される。しかしながら
請求項3に記述したようにメモリカード114になって
おり、視聴者が視聴するときにメモリカードを交換する
ことによって視聴者情報が実際に視聴している人に合う
ようにしてもよい。たとえば父親用のメモリカードを指
して、父親が視聴しているときには、父親の視聴者情報
がメモリカードに入っており、その視聴者情報を使うこ
ともできる。母親用のメモリカードを指して、母親が視
聴しているときには、母親の視聴者情報がメモリカード
に入っており、その視聴者情報を使うこともできる。さ
らにこのメモリカード114は有料放送を受信するため
のICカード115(BSデジタル放送ではBCASカ
ード)と同じでも良い。
【0035】さらには請求項4に記述したようにこのメ
モリはこの受信機に付属したリモコン113の中にあっ
てもよい。この場合には父親は父親専用の自分のリモコ
ン、母親は母親専用の自分のリモコンを所持しており、
それを用いて受信機を操作する。視聴者情報を得ようと
するときには受信機がリモコン113に対してコマンド
等を出して視聴者情報を取得することも可能である。こ
の場合はリモコン113と受信機の間の通信は双方向に
なる。また、リモコン113を操作し始めるとき、また
はリモコン113の特定のボタンを押したとき、または
リモコン113のボタンを押す度にリモコン113から
視聴者情報を受信機に送信してRAMまたはフラッシュ
に保存しておき、受信機側で視聴者情報を得ようとする
ときにその保存された領域から取得しても良い。さらに
はこの視聴者情報がもともと書いてあるメモリは図2の
ようにリモコン113に接続することが可能なメモリカ
ード116となっていても良い。
【0036】またさらにはこのリモコン113は通常の
赤外線リモコンでなくても、たとえば電話やイーサネッ
ト(登録商標)やUSBやIEEE1394を通じて操
作したり、無線・携帯電話の回線を使って操作するよう
なものでも良い。
【0037】また、視聴者情報のすべてが上記のフラッ
シュ111やメモリカード114やリモコン113にあ
るのではなく、一部はフラッシュ111に一部はメモリ
カード114にあったりしても良い。
【0038】本願によるデータ放送の実施例を図5に示
す。また、この時のデータ放送の画面の例を図6に示
す。図5において放送では全視聴者に対して一律のデー
タ放送を行う。その時のデータ放送画面が図6であった
とする。図6の画面において、これは住宅メーカのコマ
ーシャルであったとする。図6では詳細内容というボタ
ンが右下に表示されている。このボタンをクリックする
と、たとえば視聴者情報に入っている視聴者の住所、郵
便番号、居住地域等を参照する。たとえばこの視聴者が
神奈川県に居住しているものとする。この時、詳細内容
は放送されているわけではなく、インターネット上のサ
イトに存在する。インターネットへは図3のモデム11
7を使って、ダイヤルアップ接続で接続される。これは
CATVやISDNで常時接続されていても良い。つま
りWWWを参照できるような回線に接続されていれば方
式は問わない。元々のデータ放送上ではこのサイトのU
RLを たとえばhttp://www.jyuutaku-maker-a.co.jp/index.ht
ml だったとする。これを実際にインターネットでアクセス
する場合には視聴者の居住地が神奈川県であることか
ら、本実施例では実際にアクセスするURLを以下のよ
うにすることができる。 例1 URLを限定するためにその中に視聴者情報を記
述する。 http://www.jyuutaku-maker-a.co.jp/index.html/kanag
awa/ にする。
【0039】このようにしてアクセスされたサイトから
のデータを受信機ではたとえば図7のような画面にな
り、この住宅メーカの展示場で神奈川県にあるものの場
所などが表示される。例2 URLのqueryとして
その中に視聴者情報を記述する。
【数1】このようにqueryで記述すれば、複数の視聴者情報
を記述できる。たとえば神奈川県に住んでいて70歳な
らば、
【数2】としてより限定された形でURLを呼ぶことができる。
この場合query上の順番を
【数3】のように変更することも可能である。また、視聴者情報
として登録されている様々な情報を全てqueryとして付
加して、インターネットのサイト側でそれを取捨選択し
て表示することも可能である。たとえば
【数4】=male&zip=2398550&tel=0468364542&hobby=gardening&f
avorite-sport=baseball&favorite-meal=raw-fish のようにたくさんの情報を付加しておいて、その中の特
定の情報のみをサイト側で選択して結果を表示すること
も可能である。たとえば上記の例では住宅展示場と好き
なスポーツ(favorite-sport)は関係ないので、そこを
使わないで表示することも可能である。
【0040】このようにしてアクセスされたサイトから
のデータを受信機ではたとえば図9のような画面にな
り、この住宅メーカの展示場で高齢者向けのバリアフリ
ー住宅や二世帯住宅の展示があるもので神奈川県にある
ものの場所などが表示される。
【0041】本願の別の実施例を図8に示す。図3との
違いはモデム117が無くなり、代わりにCD−ROM
ドライブ119がついており、他は全て同じである。C
PU108はCPUバス200を通じてCD−ROMド
ライブ119にアクセスして、装着されているCD−R
OMのデータを読むことが可能である。
【0042】この場合、データ放送とCD−ROMドラ
イブの内容は一致している必要がある。あるいは今週の
番組に関する情報が全部入ったようなCD−ROMディ
スクが週刊で存在して、それを1週間入れておくように
しても良い。また、CD−ROMドライブでなくても、
DVD ROM、DVD RAM、MO、データMD、
フロッピー(登録商標)、交換可能なHDD、データを
記録可能なテープなど記録媒体はなんでも良い。さら
に、メモリカード114あるいはリモコン用メモリカー
ド116がファイルディレクトリ構造を有しており、そ
の中に詳細情報を持っていてもよい。さらには119の
CD−ROMドライブはCPUバス200に直結してい
るが、ここが1394等の通信回線を通じて接続されて
いても構わない。元々のデータ放送上ではアクセスすべ
き情報をたとえば/jyuutaku-maker-a/index.htmlだった
とする。これを実際にインターネットでアクセスする場
合には視聴者の居住地が神奈川県であることから、本実
施例では実際にアクセスする情報をたとえば以下のよう
にすることができる。 /jyuutaku-maker-a.co.jp/kanagawa/index.html/ このようにして、CD−ROM119をアクセスし、そ
の中の情報を読んで、たとえば図7のように表示を行
う。
【0043】なお、図6の詳細内容のボタンはこのよう
な形式でなく、たとえばアイコンや、リモコン上のみに
存在するボタンを押すと詳細情報が表示されるようにな
っていても良い。
【0044】さらに視聴者の情報をあえて無視してアク
セスするボタンが存在しても良い。たとえば、60歳の
人が自分の娘に何かプレゼントするのに、視聴者情報を
無視して30歳の女性のための商品を探すことが可能で
ある。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば複数の視聴者情報を同時
に放送して、その中から詳細情報をたどって行くケース
に比較すると、放送で必要な帯域幅を減らすことが可能
になり、その分を画像に割り当てることにより高画質な
データ放送を行うことが可能である。または、帯域幅を
減らすことでデータカルーセル上の再送周期を短くする
ことができ、ユーザーにとって応答性の良いデータ放送
を提供することが可能となる利点を有する。また、視聴
者が必要とする関連情報を適切に選択すると共に、情報
の提供を迅速にして表示することが可能となり、さら
に、視聴者の固有情報を可搬型の記憶媒体に記憶するこ
とにより、視聴場所が変わっても同一の視聴環境を再現
することが可能となり、さらに操作器であるリモコンに
記憶媒体を内蔵することで、リモコンを持って移動する
だけで同一の視聴環境を再現することも可能となるとい
う利点を有する。
【0046】
【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施例における放送のコンポーネント
構成の例を示す図である。
【図2】データ放送の受信時のフローチャートである。
【図3】デジタル放送の受信機の一例を示す図である。
【図4】従来例のデータ放送の内容を示す図である。
【図5】本発明の実施例におけるデータ放送の内容の例
を示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるデータ放送画面の例を
示す図である。
【図7】データ放送画面から詳細な内容をインターネッ
トから取得して表示した例を示す図である。
【図8】本発明の実施例におけるデジタル受信機の別の
一例を示す図である。
【図9】データ放送画面から詳細な内容をインターネッ
トから取得して表示した別の例を示す図である。
【符号の説明】 100 アンテナ 101 チューナ 102 デスクランブラ 103 デマルチプレックサ 104 ビデオデコーダ 105 オーディオデコーダ 106 ビデオ出力 107 オーディオ出力 108 CPU 109 ROM 110 RAM 111 フラッシュメモリ 112 リモコンIF 113 リモコン 114 メモリカード 115 有料放送受信ICカード 116 リモコン用メモリカード 117 モデム 118 電話公衆回線 119 CD−ROMドライブ 120 デマルチプレクサ用RAM 121 グラフィックス 200 CPUバス
 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/16