【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話などの携
帯情報端末に用いられ、表示画面上でポインタ(カーソ
ル)を移動させるためのポインティングデバイスとこれ
を用いた携帯情報端末に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯型のパソコンや携帯電話など
の携帯情報端末では、その表示画面で表示される画像の
所望とする位置を指示するポインタが表示され、このポ
インタをこの所望の位置に移動させるためのポインティ
ングデバイスが操作面に設けられている。
【0003】かかるホインティングデバイスとしては、
従来、球の回転を検出してポインタを移動させるトラッ
クボールや円盤の回転を検出してポインタを移動させる
ダイヤル式のものが知られており、また、携帯情報端末
の多機能化や表示画面の大型化が進み、より多くの選択
項目をポインタで任意にかつスムーズに選択することが
できるようにするために、上下左右のポインタの移動方
向毎に独立の送りスイッチを有する十字ポインタや、特
に、ゲーム機などに用いられるが、スティックや円盤を
前後左右に傾けることによってポインタを移動させるス
ティックポインタなども知られている。さらに、パソコ
ンなどで用いられているが、表示画面に表示される地図
などの画像でポインタを連続的に移動させるために、あ
る面積をもった平板状のセンサ板からなり、このセンサ
板上で指を連続的に移動させると、この指の連続的に変
化する位置を検出し、この検出結果に応じてポインタを
連続的に移動させるようにした、所謂トラックパッドと
呼ばれるものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、携帯情報端
末は、携帯に便利なことも必要なことから、さらなる小
型,軽量,薄型化が要求される。このような要求からす
ると、上記のトラックボールやダイヤル式のポインティ
ングデバイスは、球や円盤などの物理的な可動部を有す
ることから、小型化するのは、限度があって、容易なこ
とではない。
【0005】上記の十字ポインタやスティックポインタ
などのポインティングデバイスでは、基本的に、1回操
作する毎に1段階ずつ、即ち、表示画面に表示される1
項目ずつポインタが移動するものであるから、表示画面
上で充分離れた項目を選択するためには、必要な操作回
数が多くなり、操作に手間がかかることになる。
【0006】また、上記のトラックパッドでは、センサ
板に指を接触させて移動させるものであるから、そのセ
ンサ板としては、これに接触する指の面積よりも充分広
くなければならず、小型化に向いていない。
【0007】本発明の目的は、かかる問題を解消し、充
分に小型化することができて、かつポインタの移動操作
が容易なポインティングデバイスとこれを用いた携帯情
報端末を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるポインティングデバイスは、物体の表
面を当接させるための外面を有する透明なプレートと、
該プレートの外面に当接した該物体の表面の画像を検出
する画像検出手段と、該プレートの外面での画像を該画
像検出手段の検出面に結像させる光学手段とを備え、該
画像検出手段で検出された該プレートの外面での画像の
動きに応じて、表示画面に表示されるポインタを移動さ
せることができるように構成したものである。また、本
発明による携帯情報端末は、かかるポインティングデバ
イスを備えたものであって、上記画像検出手段で検出し
た画像の動きを検出し、検出した動きの方向に応じた方
向に上記のポインタを移動させる手段を有するものであ
る。以上の構成からして、ユーザがプレートに指先を当
て、その状態で指先を動かす場合には、この指先の指紋
が動く画像として検出され、この動きの方向に応じた方
向に表示画面上のポインタが移動することになる。従っ
て、ポインタの移動方向に応じて異なる操作スイッチを
操作する、ということもなく、操作がし易くなるし、ま
た、プレート上の画像の動きを検出すればよいため、画
像の検出範囲も狭くすることができ、ポインティングデ
バイスを小型化できる。
【0009】また、本発明による上記のポインティング
デバイスを備えた携帯情報端末は、画像検出手段で検出
されたプレートの外面での画像の動きの有無を判定し、
その判定結果に応じて、画像検出手段のセンシング頻度
を切り換える手段を有する構成とするものである。かか
る構成によると、プレートの外面での画像の動きがな
く、ポインタの移動操作を行なわない場合には、画像検
出手段のセンシング頻度を小さくすることができ、この
分画像検出手段の消費電力を抑制できる。
【0010】上記目的を達成するために、本発明による
ポインティングデバイスは、上記の構成に、さらに、プ
レートの外面に照明光を照射する発光手段を設けたもの
である。また、本発明による携帯情報端末は、かかるポ
インティングデバイスを備えたものであって、上記の画
像検出手段での受光量と発光手段の発光量とから上記の
プレートの外面での反射率を計測する第1の手段と、該
第1の手段で計測された反射率が予め設定された基準最
低値以下であるとき、発光手段の発光量を予め設定され
た第1の基準値とし、該第1の手段で計測された反射率
が該基準最低値を越えるとき、画像検出手段での受光量
が該第1の基準値よりも大きい予め設定された第2の基
準値となるように、発光手段の発光量を調整する第2の
手段と、画像検出手段で検出した画像の動きを検出し、
検出した該動きの方向に応じた方向にポインタを移動さ
せる第3の手段と、画像検出手段で検出した画像の動き
の有無を判定し、動きがあるときには、ポインティング
デバイスを活動モードにするとともに、動きの方向に応
じた方向にポインタを移動させ、予め決められた一定の
期間動きがないとき、ポインティングデバイスを待機モ
ードにする第4の手段とを備え、待機モードでのポイン
ティングデバイスのセンシング頻度を活動モードでのポ
インティングデバイスのセンシング頻度よりも小さくす
るものである。また、この第2の手段は、第1の手段で
計測された反射率が予め設定された基準最低値以下であ
るときには、発光手段の発光量を一時的に変化させ、こ
の発光量の変化に対して画像検出手段での受光量が変化
しないとき、発光手段の発光量を予め設定された第1の
基準値とするものである。かかる構成によると、発光手
段でプレートの外面での画像を照明するため、画像検出
手段では、高輝度の画像を検出することができるし、ま
た、プレートの外面に指先などが触れないで、ポインタ
の移動操作を行なわない場合には、これが検出すること
ができて、待機モードとして発光手段の発光量を抑え、
省電力化が可能となる。しかも、プレートの外面での画
像の反射率でもってプレートの外面に指先などが触れて
いるか否かを判定するのであるが、さらに、発光手段の
発光量を一時的に変化させて画像検出手段の受光量の変
化を検出するようにするものであるから、プレートの外
面に指先などが触れているか否かの判定がより正確にな
る。さらに、指先の色などの個人差や部位毎の差に影響
されず、必要充分な輝度で画像を検出することができる
し、手袋をしている場合などでも、それによる色や素材
の差に影響されず、必要充分な輝度で画像を検出するこ
とができる。
【0011】また、本発明による携帯情報端末は、上記
の構成において、さらに、ポインティングデバイスでの
プレートを押し込み操作可能とし、この押し込み操作に
伴って作動する操作スイッチを1以上設け、さらには、
かかる操作スイッチの1つをポインタで指示される表示
画面でのメニューを決定するための「決定」スイッチと
するものである。かかる構成により、ポインティングデ
バイスの多機能化が図れ、携帯情報端末の操作面での操
作スイッチの個数を少なくできて携帯情報端末のさらな
る小型化が実現できるし、また、新たな操作スイッチを
追加できて、携帯情報端末のより多機能化が実現でき
る。
【0012】また、本発明による携帯情報端末は、上記
の構成において、さらに、ポインティングデバイスでの
上記光学手段としての集光レンズの焦点距離を変えるこ
とができるように構成したものである。かかる構成によ
り、本発明による携帯情報端末は、デジタルカメラある
いはビデオカメラとしての機能も持たせることができる
ようにしている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。図1は本発明によるポインティングデバ
イスを用いた携帯情報端末の一実施形態を示す正面図で
あって、1は携帯情報端末、2は操作面、2aは「電源
/通話終了」ボタン、2bは「通話開始」ボタン、2c
は「メニュー」ボタン、2dは「戻る」ボタン、3は表
示画面、4はポインティングデバイスである。ここで
は、この実施形態を携帯電話としているが、携帯型のパ
ソコンなど他の携帯情報端末であってもよい。
【0014】同図において、携帯情報端末1の正面に
は、ポインティングデバイス4などの各種操作部材が配
設された操作面2と、画像やポインタ(カーソル。図示
せず)が表示される表示画面3とが設けられている。操
作面2には、電源ボタンと通話の終了を指示するための
「電源/通話終了」ボタン2aや、通話開始を指示する
ための「通話開始」ボタン2b、表示画面3にメニュー
画面を表示させるための「メニュー」ボタン2c、表示
画面3で1つ前に表示された画面に戻すための「戻る」
ボタン2d、文字入力兼用のテンキーなどが設けられて
いる。
【0015】表示画面3に表示されるポインタは、操作
面2でのポインティングデバイス4の表面を指先でなで
るように移動させることにより、移動させることができ
る。また、図示しないが、ポインティングデバイス4は
決定機能も有しており、このポインティングデバイス4
を指先でおすことにより、この決定機能が作動して表示
画面3上でポインタが指示する事項やタッチボタンなど
の決定を行なうことができる。
【0016】図2は図1に示す携帯情報端末1に用いた
本発明によるポインティングデバイス4の一実施形態を
示すものであって、同図(a)は縦断面図、同図(b)
は内部を透視して示す上面図であり、4aは指プレー
ト、4bは発光デバイス、4cは撮像素子、4dは集光
レンズ、4eはヒンジ、5は「決定」スイッチ、6は回
路基板、7は指先、7aは指先7の腹、8は携帯情報端
末1の外ケース、8aは外ケース8に設けられた貫通孔
である。なお、図2(a)では、外ケース8の図面上上
側が携帯情報端末1の外側になる。
【0017】同図(a),(b)において、指プレート
4a,発光デバイス4b,撮像素子4c,集光レンズ4
d及びヒンジ4eが図1におけるポインティングデバイ
ス4を構成しており、これら構成要素のうちの透明な指
プレート4aが、携帯情報端末1の操作面2(図1)側
の外ケース8に設けられた貫通孔8aに嵌め込まれた状
態で設置されている。この指プレート4aの外面(即
ち、図示する指先7側の表面)は凸面状となっていて、
外ケース8の外面よりも外側に突出しており、指先7の
腹7aで容易に触れるようにしている。また、この指プ
レート4aは、その一端部がヒンジ4eによって支持さ
れて、このヒンジ4eを中心に矢印方向に回動可能に取
り付けられており、指先7によってこの指プレート4a
を外ケース8の内部(即ち、携帯情報端末1の内部)に
押し込むことができる。指先7による押し込みを解除す
ると、図示しないバネなどの復帰手段により、指プレー
ト4aは図示するもとの状態に復帰する。
【0018】外ケース8の内部では、発光デバイス4b
と集光レンズ4dと撮像素子4cとが設けられている。
撮像素子4cは外ケース8の内部の回路基板6に固定さ
れており、この撮像素子4cの撮像面の中心の法線と集
光レンズ4dの光軸と指プレート4aの中心軸とはほぼ
一致しており、集光レンズ4dは、指プレート4aの外
面での被写体の画像が撮像素子4cの撮像面でピントが
合うように、配置されている。また、発光デバイス4b
は、外ケース8の内部から斜めに指プレート4aの外面
に向かって照明光を照射する。従って、指プレート4a
の外面に何もないときには、発光デバイス4bからの照
明光は指プレート4aを通って携帯情報端末1外に放出
されるが、指プレート4aの外面に指先7の腹7aを当
てると、発光デバイス4bからの照明光がこの腹7aを
照明し、そこからの反射光の一部が集光レンズ4dを介
して撮像素子4cに集光される。これにより、指プレー
ト4aに当てられるものの表面の模様、例えば、指先7
の腹7aが指プレート4aに当たられているときには、
その指紋が撮像素子4cで撮像されることになる。この
撮像素子4cの指プレート4a上での撮像領域は、指プ
レート4aの中央部分のように、一部の領域であり、従
って、指プレート4aに当てられた指先7の腹7aの一
部の領域を撮像するものである。
【0019】このように、照明光を斜め方向から指プレ
ート4aに接触する物面に照射すると、この物面の模様
が、特に、指先7の指紋などのように、凹凸部からなる
模様の場合、この照明光が当たった部分と当たらなかっ
た部分との明暗がより顕著になり、はっきりした模様の
画像が撮像素子4cで撮像されることになる。
【0020】また、指プレート4aを指先7で、上記の
ように、矢印方向に押し込むことにより、この指プレー
ト4aよりも内側に設けられている「決定」スイッチ5
に当接し、これを作動させて後述の決定操作が行なわれ
たようにする。
【0021】図3は図2に示すポインティングデバイス
4における照明手段の他の具体例を示す構成図であっ
て、4f,4f1,4f2は光路変更手段であり、図2に
対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略
する。
【0022】図3(a)に示す具体例は、発光デバイス
4bを回路基板6上に上向きに配置し(即ち、照明光の
出射方向を回路基板6の面に垂直な方向に向ける)、照
明光を回路基板6の面に垂直方向に発光させるようにし
たものである。そして、この発光デバイス4bと外ケー
ス8との間にミラーまたはプリズムからなる光路変更手
段4fを設け、発光デバイス4bから出射した照明光の
光路をこの光路変更手段4fで変更させて、指プレート
4aに下方斜めから照射するようにする。
【0023】図3(b)に示す具体例は、発光デバイス
4bを回路基板6上に横向きに配置し(即ち、照明光の
出射方向を回路基板6の面に平行な方向に向ける)、照
明光を回路基板6の面に平行な方向に発光させるように
したものである。そして、回路基板6上にこの発光デバ
イス4bの光出射口に対向してミラーまたはプリズムか
らなる光路変更手段4f1を、また、回路基板6と外ケ
ース8との間に光路変更手段4f1と対向してミラーま
たはプリズムからなる光路変更手段4f2を夫々設け、
発光デバイス4bから出射した照明光の光路をこれら光
路変更手段4f1,4f2 で変更させて、指プレート4
aに下方斜めから照射するようにする。
【0024】このように電子部品である発光デバイス4
bを撮像素子4cと同一回路基板に設置することによ
り、配線保持部品などを簡略化でき、製造コストを低減
できるし、作業時間を短縮することができる。
【0025】図4は図2に示すポインティングデバイス
4における指プレート4aの他の配置を示す構成図であ
って、図2に対応する部分には同一符号をつけて重複す
る説明を省略する。
【0026】図4(a)に示す具体例は、指プレート4
aを外ケース8のよりも内側に取り付けられるようにし
たものである。この場合、指プレート4a全体が外ケー
ス8よりも内側に配置されるようにしてもよいし、ある
いはまた、指プレート4aの凸状となった外面の中央部
分が外ケース8の貫通孔8a内にあるように、もしくは
この貫通孔8aから外部に突出するように、指プレート
4aを配置するようにしてもよい。
【0027】なお、この場合、指プレート4aと回路基
板6との間の距離が短くなるため、集光レンズ4dなど
の光学系の配置などを考慮して、指プレート4aの暑さ
がほぼ均一にしてその内面側を凹ませ、上記の距離を大
きくするようにすることもできる。
【0028】図4(b)に示す具体例は、指プレート4
aを外ケース8よりも外側に配置したものである。この
場合には、「決定」スイッチ5も、少なくとも指プレー
ト4aによって押圧されるその操作部も外ケース8の外
側となるように、外ケース8に取り付けられる。
【0029】図5は図2〜図4に示した指プレート4a
の外面の構成の具体例を示す斜視図である。ここでは、
指プレート4aの平面形状を真円状として示している
が、これに限るものではなく、楕円状や矩形状など、他
の平面形状であってもよい。
【0030】図5(a)に示す具体例は、指プレート4
aの周辺部を不透明な縁取部10として、この縁取部1
0の内側を光を透過する透明部9としたものである。撮
像素子4c(図2)は、この透明部9内の所定の領域を
撮像領域とする。かかる縁取部10により、外部から撮
像素子4cの撮像面への不要な入射光を低減することが
できる。
【0031】図5(b)に示す具体例は、指プレート4
aのその中心を通る半径方向に浅い溝状のガイド11を
設けたものであって、これにより、指先7(図2)の接
触しながらの移動をし易くしている。このガイド11内
の中心部分が撮像素子4cの撮像領域となり、この撮像
領域以外の領域を不透明としてもよい。
【0032】なお、この具体例では、1方向のガイド1
1を設けたものであるが、図5(c)に示すように、互
いに直交する2つのガイド11a,11bを設けるよう
にしてもよい。この場合、これらガイド11a,11b
の交差部に撮像素子4cの撮像領域12が設定される。
【0033】図5(d)に示す具体例は、図5(c)に
示す具体例において、さらに、ガイド11a,11b内
を光沢仕上げし、それ以外の領域13をシボ加工したも
のである。この領域13にシボ加工を施すことにより、
指が滑り易くなるし、また、汗が付きにくくなるという
効果がある。
【0034】図5(e)に示す具体例は、指プレート4
aの外面中央部に窪み部14を設け、この窪み部14内
に撮像素子4cの撮像領域を設定したものである。この
ように撮像素子4cの撮像領域を窪み部14内に設定す
ることにより、例えば、携帯情報端末1を鞄などに収納
した場合、他の収納物がこの撮像領域に触れることを防
いでこの撮像領域に傷が付くこと防止することができ
る。この具体例でも、勿論、窪み部14以外の部分を不
透明にしてもよいし、また、図5(f)に示すように、
図5(c)と同様のガイド11a,11bを設けるよう
にしてもよいし、さらには、図5(d)に示した具体例
と同様に、ガイド11a,11bや窪み部14を光沢仕
上げし、それ以外の部分をシボ加工するようにしてもよ
い。
【0035】図6は図2に示した「決定」スイッチ5の
操作手段の他の具体例を示す図であって、図2に対応す
る部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0036】図6(a)に示す具体例は、指プレート4
aのヒンジ4eによる外ケース8の内面への取り付け位
置を、この外ケース8に設けられた貫通孔8aよりも充
分離れた位置とするものである。これによると、決定操
作するときに指先で押す指プレート4a上の位置とこの
指プレート4aの外ケース8への取付位置との間の距離
Lを大きくすることができ、実際には、ヒンジ4eを中
心とした円弧状の動きであるが、より垂直方向の押し込
みに近い動きを実現できる。
【0037】図6(b)に示す具体例は、指プレート4
aのヒンジ4eによる外ケース8の内面への取り付け位
置を外ケース8に設けられた貫通孔8aに近い位置と
し、夏子の指プレート4aをこのヒンジ4eによる取付
部よりもさらに延長し、その延長部分に「決定」スイッ
チ5を設けたものである。かかる構成によると、指プレ
ート4aが指先で押し込まれると、ヒンジ4eによる取
付部を中心に「決定」スイッチ5が持ち上がり、その作
動部が外ケース8の内面に押しつけられることにより、
決定操作が行なわれることになる。この場合、ヒンジ4
eと「決定」スイッチ5との位置関係にもよるが、てこ
の原理により、より小さい力で決定操作を行なうことが
できる。
【0038】図7は本発明によるポインティングデバイ
ス4の他の実施形態を示す構成図であって、同図(a)
は上面図、同図(b)は断面図であり、15は「戻る」
スイッチ、16a,16bは突起、17は回動軸であ
る。また、前出図面に対応する部分には同一符号を付け
て重複する説明を省略する。
【0039】この実施形態は、図2〜図4で説明したポ
インティングデバイス4に対して、多機能化したもので
ある。
【0040】図7(a),(b)において、外ケース8
の内側には、貫通孔8aを挟んで、「決定」スイッチ5
と「戻る」スイッチ15とが配置されており、指プレー
ト4aには、これらスイッチ5,15側毎に突出状の押
圧部が形成されている。そして、指プレート4aは、図
示しない取り付け手段により、回動軸17を中心に回動
可能に配置されている。ここで、回動軸17は「決定」
スイッチ5と「戻る」スイッチ15とを結ぶ直線に直交
する。勿論、かかる取り付け手段は、撮像素子4c(図
2)が指プレート4aの外面での画像を撮像するのに妨
げとならないように、透明な部材であるいは撮像領域を
避けて設けるようにする。また、指プレート4aの外面
の「戻る」スイッチ15側に突起16aが、「決定」ス
イッチ5側に突起16bが夫々設けられている。撮像素
子4cのこの指プレート4aの外面での撮像領域は、こ
の外面での突起16a,16b間の中央部分である。
【0041】このように、ポインティングデバイス4に
「戻る」機能を持たせる場合、図1に示すように、「戻
る」スイッチ2dを操作面2に設けることは、勿論設け
るようにしてもよいが、必ずしも必要なことではない。
【0042】かかる構成を有することにより、このポイ
ンティングデバイス4では、指プレート4aの外面での
上記撮像領域の画像が撮像素子4cで撮像されるが、こ
の指プレート4aの「決定」スイッチ5側を指先で押し
込むことにより、指プレート4aの突出状の押圧部がこ
の「決定」スイッチ5を押圧して作動させ、決定操作が
行なわれる。この場合、突起16bが設けられているた
め、これに指先が引っ掛かって指プレート4aの「決
定」スイッチ5側の押し込みがし易くなる。また、この
指プレート4aの「戻る」スイッチ15側を指先で押し
込むことにより、指プレート4aの突出状の押圧部がこ
の「戻る」スイッチ15を押圧して作動させ、表示画面
3(図1)で1つ前に表示されていた画像の表示に戻す
戻し操作が行なわれる。このように、例えば、階層構造
のメニューを行き来する一連の操作を行なう間中、ポイ
ンティングデバイスから指を離すことなく操作を行なう
ことができる。また、操作者は、ポインティングデバイ
スに一度指を置くと、その後手元を見ることなく表示画
面にのみ集中して操作をすることができ、簡単に操作を
行なうことができる。この場合も、突起16aが設けら
れているため、これに指先が引っ掛かって指プレート4
aの「戻し」スイッチ15側の押し込みがし易くなる。
【0043】なお、この実施形態においても、指プレー
ト4aの中央部の撮像領域に指先を当てて移動させるこ
とにより、表示画面3に表示されるポインタを連続もし
くはステップ移動させるものである(ポインタは、地図
上で移動させるときには、連続移動し、メニュー画面な
どの選択項目の画面上で移動させるときには、ステップ
移動する)。また、突起16a,16bは、必ずしも必
要なものではない。
【0044】図8は本発明によるポインティングデバイ
ス4のさらに他の実施形態を示す構成図であって、同図
(a)は上面図、同図(b)は断面図、同図(c),
(d)は夫々機能説明図であり、17a,17bは回動
軸、18a〜18dは機能スイッチ、19は突起であ
る。また、前出図面に対応する部分には同一符号を付け
て重複する説明を省略する。
【0045】この実施形態は、図2〜図4で説明したポ
インティングデバイス4に対して、さらに多機能化した
ものである。
【0046】図8(a),(b)において、外ケース8
の内部の外ケース8の貫通孔8aの周りに4個の機能ス
イッチ18a,18b,18c,18dが等間隔で配置
され、指プレート4aには、これら機能スイッチ18
a,18b,18c,18d毎に突出状の押圧部が形成
されている。
【0047】そして、指プレート4aは、図示しない取
り付け手段により、互いに直交する回動軸17a,17
bを中心に2軸回動可能に配置されている。ここで、回
動軸17aは機能スイッチ18c,18dを結ぶ直線に
直交し、回動軸17bは機能スイッチ18a,18bを
結ぶ直線に直交する。勿論、指プレート4aのかかる取
り付け手段は、撮像素子4c(図2)が指プレート4a
の外面での画像を撮像するのに妨げとならないように、
透明な部材で構成される。また、指プレート4aの外面
の機能スイッチ18a〜18d側には夫々、突起19が
設けられている。撮像素子4cのこの指プレート4aの
外面での撮像領域は、この外面での突起19間の中央部
分である。
【0048】かかる構成を有することにより、このポイ
ンティングデバイス4では、指プレート4aの外面での
上記撮像領域の画像が撮像素子4cで撮像されるが、こ
の指プレート4aの機能スイッチ18a側を指先で押し
込むことにより、指プレート4aはこの機能スイッチ1
8a側に傾き、指プレート4aの突出状の押圧部がこの
機能スイッチ18aを押圧して作動させる。この場合、
指プレート4aの外面の機能スイッチ18a側に突起1
9が設けられているため、これに指先が引っ掛かって指
プレート4aの機能スイッチ18a側の押し込みがし易
くなる。他の機能スイッチ18b〜18d側についても
同様であり、指プレート4aをこれらのスイッチ側に押
し込むことができて、これらスイッチを作動させること
ができる。また、これらスイッチ側にも夫々突起19が
設けられているので、それらスイッチ側への指プレート
4aの押し込みもし易くなる。
【0049】ここで、機能スイッチ18a〜18dに夫
々所定の機能を持たせる。図8(c)はその一例を示す
ものであって、ここでは、表示画面3(図1)に表示さ
れるポインタを1ステップずつ(即ち、表示画面3にメ
ニュー画面が表示されているときには、作動させる毎に
1項目ずつ)移動させる機能を持たせるものである。具
体的には、図8(a)と対応させて説明すると、機能ス
イッチ18aはポインタを右方向に1スイップずつ、機
能スイッチ18bはポインタを左方向に1ステップず
つ、機能スイッチ18cはポインタを上方向に1スイッ
プずつ、機能スイッチ18dはポインタを下方向に1ス
テップずつ夫々移動させるものである。
【0050】なお、この図8(c)に示す機能を持たせ
る場合においても、指プレート4aの中央部の撮像領域
に指先を当てて移動させることにより、表示画面3に表
示されるポインタを連続移動させるものである。また、
突起19は必ずしも必要なものではない。
【0051】また、図8(d)は他の機能例を示すもの
である。撮像素子4c(図2)を備えたポインティング
デバイス4と表示画面3とを備えた携帯情報端末1で
は、後述するように、この撮像素子4cを用いて風景な
どを撮影するビデオカメラとしての機能を持たせること
ができ、かかる撮像素子4cで撮影した画像信号を記憶
容量を大きくした内蔵の記憶器に記憶したり、装着して
使用できるようにした大容量の記憶媒体に記録し、これ
を読み出して表示画面3で再生表示させるようにするこ
とができる。
【0052】この場合の再生操作機能を図8(d)に示
すように持たせることができる。即ち、図8(a)と対
応させて説明すると、機能スイッチ18aに早送り再生
の機能を、機能スイッチ18bに巻き戻し機能を、機能
スイッチ18cに再生/一時停止機能を、機能スイッチ
18dに再生停止機能を夫々持たせるものである。
【0053】なお、この図8(d)に示す機能を持たせ
る場合においても、指プレート4aの中央部の撮像領域
に指先を当てて移動させることにより、表示画面3に表
示されるポインタを連続もしくはステップ移動させるも
のである(ポインタは、地図上で移動させるときには、
連続移動し、メニュー画面などの選択項目の画面上で移
動させるときには、ステップ移動する)。また、突起1
9は必ずしも必要なものではない。
【0054】図9は本発明によるポインティングデバイ
ス4のさらに他の実施形態を示す構成図であって、同図
(a)は上面図、同図(b),(c)は夫々同図(a)
の分断線A−A’,B−B’に沿う断面図、また、同図
(d)は機能説明図であり、20は決定操作部、21は
機能操作部、22は作動部材、23はヒンジである。ま
た、図8に対応する部分には同一符号を付けて重複する
説明を省略する。
【0055】この実施形態は、図8で説明したポインテ
ィングデバイス4に対して、決定操作部を追加してさら
に多機能化したものである。
【0056】即ち、図9(a)〜(d)において、指プ
レート4aはその中央部とその周辺部とに2分されてお
り、その中央部が決定操作を行なうための決定操作部2
0、その周辺部が、図8で示した実施形態のように、機
能スイッチ18a〜18dを作動させるための機能操作
部21を夫々構成している。この機能操作部21は図8
で示した実施形態での指プレート4aと同様であるの
で、説明は省略するが、決定操作部20は押し込み可能
に構成されている。この決定操作部20の内面側には、
ヒンジ23で回動可能に支持された作動部材22の一端
が取り付けられており、この作動部材22の他端が外ケ
ース8の内面に設けられた「決定」スイッチ5の操作部
となっている。
【0057】そこて、指先で指プレート4aの決定操作
部20を押し込むと、作動部材22がヒンジ23を中心
に回動し、この作動部材22の先端の操作部が「決定」
スイッチ5に作用してこれを作動させる。決定操作部2
0への押圧を解除すると、決定操作部20は図示しない
手段によって元の位置に復帰する。
【0058】なお、この実施形態においても、決定操作
部20内に撮像素子4c(図2)の撮像領域が設定され
ており、この撮像領域に指先を当てて移動させることに
より、表示画面3に表示されるポインタを連続移動させ
るものである。
【0059】図10は図1に示した携帯情報端末1の回
路構成を示すブロック図であって、24はアンテナ、2
5は無線信号を送受信する無線器、26は送信する信号
を変調処理し、受信した信号を復調処理する変復調器、
27は送信する信号や着信した信号を処理する送受信信
号処理器、28はマイクロフォンなどの送音器29から
の音声信号やスピーカなどの受音器30に供給する音声
信号を処理する音声処理器、31は携帯情報端末1全体
を制御する制御器、32は電話帳や各種設定データ,イ
ンターネットからの情報などを記憶保持する記憶器、3
3は画像やポインタなどを表示画面3(図1)に表示す
る表示器、34は着信をユーザに知らせるための振動を
発生させるバイブレータなどの無音着信報知器であり、
図1に対応する部分には同一符号をつけている。
【0060】同図において、図2で説明したように、ポ
インティングデバイス4を指先7で触れると、その腹7
aの模様の画像、即ち、指紋が撮像素子4cによって撮
像され、その画像信号が制御器31に供給される。制御
器31は、この撮像素子4cからの画像信号を所定の時
間間隔で読み込み、図11に示すような時刻t1 と時刻
t2 というように、前後に読み込んだ画像信号による画
像を比較してその変化を検出することにより、ポインテ
ィングデバイス4での指先7の動きを検出する。そし
て、この制御器31は、この検出結果に応じて、表示器
33によって表示画面3(図1)に表示されるポインタ
の位置を制御するのであるが、指先7の動きが検出され
ないときには、このポインタを停止状態に保持するが、
指先7の動きが検出されるときには、この指先7の動き
の速度に応じた速度で、かつこの指先7の動きの方向に
応じた方向にポインタを移動させる。このようにして、
指先7でポインティングデバイス4の指プレート4aに
触れ、その状態でこの指先7を動かすことにより、ポイ
ンタを表示画面3上で移動させることができる。
【0061】このようにしてポインタを表示画面3上の
所定の位置(例えば、所定の項目が表示されている位
置)に達し、指先7で指フレート4aを押し込むと、
「決定」スイッチ5が作動し、その位置(例えば、上記
所定の項目)が選択されて指定されたことになる。
【0062】また、制御器31は、ポインティングデバ
イス4の撮像素子4cの受光量を検出したり、発光デバ
イス4bの発光量の制御なども行なう。
【0063】これ以外の部分については、従来の携帯情
報端末と同様である。
【0064】ところで、図2において、表示画面3が大
きく、ポインタを1つの方向に移動させる場合、指先7
の1回の移動でポインタを希望する位置まで移動させる
ことができないときには、指先7を繰り返し指プレート
4a上で移動させることになるが、このときの指先7の
運動は往復運動となる。この場合、この往復運動を指先
7が指プレート4aに接触したまま行なうと、制御器3
1(図10)は指先7が往復運動しているものと判定
し、ポインタをそれに合わせて往復運動させることにな
り、希望する位置に移動させることができない。従っ
て、指先7を複数回移動させなければポインタを希望す
る位置に移動させることができない場合には、指先7を
戻すとき、この指先7を指プレート4aから離す必要が
ある。
【0065】しかし、これは表示画面3が大きい場合で
あって、携帯電話のように表示画面3が小さく、ポイン
タを表示画面3の一方の辺からこれに対向する他方の辺
まで移動させるのに指プレート4aでの指先7の移動が
1回で済む場合には、このような問題はない。
【0066】かかるポインティングデバイス4では、指
先7の腹7aの一部でも撮像されればよく、要するに、
制御器31で前後に読み込んだ画像の変化が検出されれ
ばよい。このために、指プレート4aの表面の面積を小
さくできて指プレート4aを小さくでき、この結果、ポ
インティングデバイス4を小型にできる。
【0067】図12は制御器31によるポインティング
デバイス4の制御動作を示すフローチャートである。
【0068】同図において、図1に示す携帯情報端末1
の操作面2での「電源/通話終了」ボタン2aが操作さ
れて電源が投入されると、あるいは、後述の構成の携帯
情報端末1でカバーを開けたり、折り畳まれた状態から
この折り畳みが開放された状態にされたりなどしてポイ
ンティングデバイス4が使用可能状態になると、ポイン
ティングデバイス4は待機モードに設定される(ステッ
プ100)。この待機モードでは、制御器31は発光デ
バイス4bを所定の発光量で照明光を発光させるととも
に、撮像素子4cは1秒間に10回程度の頻度(センシ
ング頻度)で撮像を繰り返す。そして、撮像素子4cが
撮像すると、その出力から撮像素子4cでの受光量を検
出し、この受光量とこのときの発光デバイス4bの発光
量とから、指プレート4aの外面での反射率(=受光量
/発光量)を求める(ステップ101)。受光量として
は、例えば、撮像素子4cからの1画面分の出力信号値
の積分値とし、また、発光デバイス4bの発光量として
は、この発光デバイス4bの駆動電力値とすればよい。
【0069】次に、求めたこの反射率と予め設定されて
いる最低の反射率(基準最低値)とを比較する(ステッ
プ102)。このステップ102は指プレート4aに指
先7などが当てられているか否かを判定するものであっ
て、これを判定できるように、この基準最低値が、例え
ば、実験などによって求めることができる。
【0070】そこで、ステップ101で求めた反射率が
この基準最低値以下である場合には、指プレート4aに
ポインタを表示画面3上で移動させるための操作(以
下、ポインタ操作という)のために指先などが当てられ
ていないと判定し(反射率がこの基準最低値以下である
場合、さらに、発光デバイス4bの発光量を一時的に高
めてこのときの撮像素子4cの受光量を検出し、このよ
うに発光量を高めても受光量にほとんど変化がないと
き、指プレート4aに指先などが当てられていないと判
定するようにしてもよい)、発光デバイス4bの発光量
を予め設定された小さな基準値に設定して(ステップ1
03)、ステップ105に進む。これにより、待機モー
ドで省電力化が図かれる。また、ステップ101で求め
た反射率がこの基準最低値を越えた場合には、指プレー
ト4aにポインタ操作のために指先などが当てられたと
判定し(ステップ102)、発光デバイス4bの発光量
をこの反射率に応じた値とし、撮像素子4cでの受光量
を予め決められた一定の値となるようにする(ステップ
104)。従って、例えば、手に手袋などして指プレー
ト4aに当てられたものの反射率が低く、撮像素子4c
の撮像面で画像の撮像を良好な輝度で行なうのに充分な
受光量に達していない場合には、発光デバイス4bの発
光量を増加させて撮像素子4cの出力レベルを高めるよ
うにし、逆に、例えば、指プレート4aに当てられた指
先7の反射率が高く、撮像素子4cの撮像面での受光量
が多すぎる場合には、発光デバイス4bの発光量を減少
させて、発光デバイス4bが無駄な光量を出力しないよ
うにして電力消費の無駄を省くようにしている。この発
光量の調整の後、ステップ105に進む。
【0071】このステップ105では、待機モードで撮
像素子4cが低い頻度で撮像を行ない(即ち、センシン
グ頻度が、例えば、10回/秒程度)、撮像する毎に、
そのときの画像と前回の撮像での画像とを比較し、画像
の変化(動き)の有無を検出する。そして、1秒間以上
画像の変化が検出されないと(ステップ106)、操作
面2での「電源/通話終了」ボタン2a(図1)が再度
操作されて電源がOFFとならない限り(ステップ11
0)、ステップ100に戻り、上記のように、反射率の
検出と発光デバイス4bの発光量の調整を行なう。な
お、操作面2での「電源/通話終了」ボタン2aが操作
されて電源がOFFとなったり、あるいは後述するよう
な構成の携帯情報端末1でカバーがされたりなどして携
帯情報端末1の使用を終了したときには(ステップ11
0)、ポインティングデバイス4を停止状態とする。
【0072】また、画像に変化(動き)があると(ステ
ップ105)、ポインタ操作が行なわれているものと判
定し、ポインティングデバイス4を活動モードに切り換
える(ステップ107)。この活動モードでは、撮像素
子4cのセンシング頻度を、例えば、1000回/秒程
度と高速にするものであり、これにより、指先7の動き
に対して撮像素子4cから得られる画像の変化がスムー
ズなるようにする。制御器31は各撮像毎に画像を取り
込んで前回取り込んだ画像との変化を検出し、その変化
に応じて、即ち、指先7の移動に応じてポインタの位置
を変化させる(ステップ108)。このようなポインテ
ィングデバイス4の操作が行なわれている限り(ステッ
プ109)、ステップ107,108の動作が繰り返さ
れる。
【0073】なお、撮像素子4cでは、上記の活動モー
ドでは、例えば、1秒間に1000回程度と通常のビデ
オカメラに比べて高い頻度で撮像(センシング)が行な
われるが、この撮像素子4cの撮像範囲は非常に狭いた
め、その画素数を通常のビデオカメラに用いる撮像素子
に比べて少なくしても、高解像度の画像検出を行なうこ
とができ、このように画素数を少なくすることができる
ために、センシング頻度を上記のように高くすることが
できる。また、このように、センシング頻度を高くする
と、各画素の露光時間が短くなるが、その短い露光時間
で必要な光量が得られるように発光量を増加させること
により(これは、ステップ104で行なわれる)、各画
素での受光量が増加して撮像素子4cから充分なレベル
の画像信号が得られることになる。また、発光デバイス
4bとして発光ダイオードなどのパルス的に発光が行な
えるデバイスを使用し、短時間に必要充分な光量を発生
させることもできる。
【0074】また、上記の待機モードでは、指プレート
4aに指先7などが触れていないとき、発光でバイス4
bの発光量を低下させ(ステップ103)、かつ撮像素
子4cのセンシング頻度を、活動モードに比べて、かな
り低くしている(ステップ100)ので、消費電力をか
なり抑制できるものであり、また、指プレート4aに指
先7などが当てられた場合でも、撮像素子4cのセンシ
ング頻度をかなり低くしている(ステップ100)の
で、消費電力の抑制を期待できるものである。もっと
も、指プレート4aに指先7などが当てられたときに
は、ほとんど直ちに、その状態で指先7が動かされて活
動モードに移るものであるから、むしろ発光デバイス4
bの発光量を調整して(ステップ104)、指先7が動
かされるとともに、直ちに活動モードに移行できるよう
にする方が重要である。
【0075】その後、ポインティングデバイス4の指プ
レート4aを指先7で押し込んで決定操作をしたり、ポ
インティングデバイス4以外の操作スイッチを操作して
ポインティングデバイス4の操作を終了すると(ステッ
プ109)、操作面2での「電源/通話終了」ボタン2
a(図1)が操作されて電源がOFFとなったり、ある
いは後述するような構成の携帯情報端末1でカバーをす
るなどして、携帯情報端末1の使用を終了しない限り
(ステップ110)、上記のステップ100からの動作
に戻って、ポインティングデバイス4は、次に操作がな
されるまで、待機状態に保持される。
【0076】図13はこの携帯情報端末1の実施形態で
のポインティングデバイス4の配置例を示す図であっ
て、同図(a)はポインティングデバイス4を操作面2
に配置した例を示し、同図(b)はポインティングデバ
イス4を携帯情報端末1の本体の裏面1aに配置した例
を示し、同図(c)はポインティングデバイス4を携帯
情報端末1の本体の側面1bに配置した例を示し(ここ
では、側面1b側に配置しているが、この側面1bの対
向面側に配置してもよい)、同図(d)はポインティン
グデバイス4を表示画面3の傍らに配置した例を示して
いる。また、図13(e)に示す具体例は、電話番号を
入力する数字キーをなくし、ポインティングデバイス操
作のみで数字を入力する実施例を示す。数字を入力する
際は、表示画面3の周辺部に数字一覧とポインタとが表
示され、ポインティングデバイス4でポインタを入力し
たい数字まで移動させ、決定操作を行なうことにより入
力することができる。かかる携帯情報端末1において
も、適宜の位置にポインティングデバイス4を配置する
ことができる。
【0077】このように、ポインティングデバイス4と
しては、使い易さなどを考慮して、携帯情報端末1の本
体いずれの場所に配置してもよい。例えば、図13
(b),(c)に示す配置例では、携帯情報端末1の本
体の裏面1aや側面1bは、通常、大部分の領域が使用
されていないので、その中でも、使い易い位置にポイン
ティングデバイス4を配置することにより、携帯情報端
末1の本体表面を有効に利用できることなり、操作面の
縮小などが図れて携帯情報端末1のより小型化が実現す
る。
【0078】図14は携帯情報端末1の他の実施形態で
のポインティングデバイス4の配置例を示す図である。
【0079】図14(a)〜(c)は折り畳み式の携帯
情報端末1に関するものであって、表示画面3が設けら
れているケース1dと操作面2を有するケース1eとが
ヒンジ1cによって回動可能に結合されており、非使用
時には、これらケース1d,1eを重ねた折り畳み状態
とすることにより、表示画面3や操作面2が外部に露出
しないようにすることができる。
【0080】かかる構成の携帯情報端末1において、図
14(a)に示す具体例は、ポインティングデバイス4
を操作面2に配置したものであり、図14(b)に示す
具体例は、ヒンジ1cにポインティングデバイス4を配
置したものである。これらいずれの具体例においても、
ポインティングデバイス4を操作面2に配置することに
より、携帯情報端末1を使用しないときのポインティン
グデバイス4の保護を図ることができる。
【0081】また、図14(c)に示す具体例は、ケー
ス1dでのケース1e側の端辺の一部に切欠き部1fを
設け、右側に示すように、折り畳み状態としたときに
も、この切欠き部1fによってケース1eの一部が外部
に露出するようにし、その露出部分にポインティングデ
バイス4を配置したものである。かかる具体例では、折
り畳み状態としたとき、ボインティングデバイス4の機
能を本来の機能(即ち、表示画面3上でポインタを移動
させる機能、即ち、ポインタ操作機能)とは異なる機能
に切り換えて、かかる折り畳み状態でも、ボインティン
グデバイス4を利用することができるようにする。かか
る機能としては、例えば、着信表示の機能があり、折り
畳み状態で着信があると、ポインティングデバイス4の
発光ディバイス4b(図2)が発光するようにする。
【0082】図14(d)に示す具体例は、操作面2に
対するフリップ(開閉カバー)1gを設けたものであ
り、また、図14(e)に示す具体例は、操作面2に対
するスライドカバー1hを設けたものである。これらい
ずれの具体例においても、ポインティングデバイス4を
操作面2に配置することにより、携帯情報端末1を使用
しないときのポインティングデバイス4の保護を図るこ
とができる。
【0083】なお、図14に示す各具体例においても、
ポインティングデバイス4は図12に示した動作を行な
うものであるが、図14(a)〜(c)に示す具体例で
折り畳み状態となったとき、あるいは図14(d),
(e)に示す具体例でカバー1g,1hが閉じた状態に
なったとき、ステップ110で携帯情報端末1が操作終
了したと判定され、ポインティングデバイス4は停止状
態となるし、また、図14(a)〜(c)に示す具体例
で折り畳み状態から開いた状態になったときには、ある
いは図14(d),(e)に示す具体例でカバー1g,
1hが開いた状態になったときには、ポインティングデ
バイス4はステップ100で待機モードとして動作を開
始する。この場合、図14に示す各携帯情報端末1にお
いて、図示しないが、折り畳み状態やカバー1g,1h
の開閉状態を検知するセンサが設けられていることはい
うまでもない。
【0084】以上のように、ポインティングデバイス4
は携帯情報端末1の適宜の位置に配置されるものである
が、その位置としては、ユーザがこの携帯情報端末1を
手で持ったとき、その親指や人差指などいずれかの指先
で操作し易い位置とすることはいうまでもない。勿論、
携帯情報端末1を持っていない方の手の指でポインティ
ングデバイス4が操作されるようにしてもよいが、持っ
ている方の手の指で操作することができるようにした方
がより便利であることはいうまでもない。
【0085】図15は本発明による携帯情報端末の他の
実施形態での回路構成を示すブロック図であって、35
は開閉検知器、36は接触センサ、37は操作ロックス
イッチ、38はレシーバ部近接センサであり、図2に対
応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略す
る。
【0086】同図において、この実施形態は、図2に示
す回路構成に対し、さらに、開閉検知器35,接触セン
サ36,操作ロックスイッチ37,レシーバ部近接セン
サ38の全部もしくはいずれか1以上が付加されたもの
である。
【0087】開閉検知器35は、例えば、図15に示し
たような折り畳み式やカバーを備えた携帯情報端末1に
設けるものであって、例えば、図16(a)に示すよう
に、折り畳み式の携帯情報端末1の場合、ケース1d,
1eのいずれかの表面に配置する(ここでは、ケース1
dの表示画面3側の面)。この開閉検知器35はプッシ
ュ式のスイッチであってもよいし、また、光学式のセン
サであってもよく、ケース1d,1eが重なって畳み込
み状態にされると、これを検知し、その検知出力を制御
器31に供給する。制御器31は、この検知出力から、
折り畳み式の携帯情報端末1であれば、折り畳みが解か
れて開かれたか否か、カバーを有する携帯情報端末1で
あれば、カバーが開かれたか、閉じられたかを夫々判定
する。
【0088】接触センサ36は、例えば、図16(b)
に示すように、携帯情報端末1の側面1bに配置される
ものであって、ユーザの手の平が接触したか否かを検知
するものである。この検知出力が制御器31に供給され
るが、制御器31はこの検知出力から携帯情報端末1が
ユーザの手に持たれたか否かを判定する。なお、かかる
接触センサ36は、携帯情報端末1の側面1bに配置す
るようにしてもよいし、両側面1bに配置するようにし
てもよい。
【0089】接触センサ36は、匝瑳者が操作するため
に手で持っているときとそれ以外のとき(例えば、鞄の
中などで周囲に触れている場合)とを判断するために、
側面1bで検知される場合には、人の手とそれ以外のも
のとを判別できる静電容量式が適しているし、両側面に
配置する場合には、人の手の電気的抵抗値を検知基準と
する方式などが適している。
【0090】操作ロックスイッチ37は、例えば、図1
6(c)に示すように、携帯情報端末1の一方の側面1
bに設け、これを操作することにより、操作面2の各操
作スイッチやポインティングデバイス4を操作不能な状
態にロックするものである。
【0091】レシーバ部近接センサ38は、例えば、図
16(d)に示すように、携帯情報端末1でのスピーカ
などの受音器30の配置位置の近傍に配置されるもので
あって、これに近接するものがあると(例えば、1cm
の範囲内)、これを検知して検知出力を制御器31に送
る。制御器31は、この検知出力により、受音器30に
ユーザの耳が近接して受話状態にあると判定する。
【0092】図17は開閉検知器35,接触センサ3
6,操作ロックスイッチ37,レシーバ部近接センサ3
8の検知出力による制御器31の制御動作を示すフロー
チャートである。ここでは、携帯情報端末1にこれら開
閉検知器35,接触センサ36,操作ロックスイッチ3
7,レシーバ部近接センサ38の全てまたはそれらのい
ずれかが設けられているものとして説明する。
【0093】同図において、図16(c)に示すような
携帯情報端末1の場合、操作ロックスイッチ37がON
のときには(ステップ201)、操作面2での各操作ス
イッチが操作できないようにロックされており、このと
き、制御器31はポインティングデバイス4を停止状態
にする(即ち、図2での発光デバイス4bや撮像素子4
cが動作していない状態。ステップ200)。また、図
16(a)に示すような折り畳み式の携帯情報端末1の
場合、ケース1d,1eが重ねられて折り畳まれた状態
にある場合、開閉検知器35は開状態にあり(ステップ
202)、この場合も、制御器31はポインティングデ
バイス4を停止状態にする(ステップ200)。さら
に、図16(d)に示すようなレシーバ部近接センサ3
8が設けられている携帯情報端末1の場合、通話時で
は、このレシーバ部近接センサ38が受音器30にユー
ザの耳が近づけられて通話中にあることを示す検知出力
を制御器31に供給し(ステップ203)、これによ
り、制御器31はポインティングデバイス4を停止状態
にする(ステップ200)。さらにまた、例えば、図1
6(b)に示すような接触センサ36が設けられている
携帯情報端末1の場合、この接触センサ36が接触物を
感知しないときには(ステップ204)、制御器31
は、この接触センサ36からの検知出力により、携帯情
報端末1がユーザの手に持たれておらず、使用すされな
い状態にあるものと判定し、ポインティングデバイス4
を停止状態にする(ステップ200)。
【0094】このようにして、ステップ201,20
2,204により、携帯情報端末1が使用される状態に
ないことが検出されたときには、ポインティングデバイ
ス4は停止状態に設定されるものであり、これにより、
たまたま不用意にポインティングデバイス4の指プレー
ト4a(図2)に触れるようなことがあっても、あるい
はまた、携帯情報端末を鞄やハンドバックなどの中に入
れた状態にしたとき、その中に収納されている他の物が
ポインティングデバイス4の指プレート4a(図2)に
触れるようなことがあっても、ポインティングデバイス
4は動作することがなく、ポインティングデバイス4の
誤動作を防止することができるし、また、ポインティン
グデバイス4での電力の消費を抑えることができて、省
電力化が図れる。
【0095】なお、開閉検知器35は、図14に示した
ような畳み込み式の携帯情報端末やカバーを備えた携帯
情報端末1に用いるものであるが、接触センサ36,操
作ロックスイッチ37,レシーバ部近接センサ38は図
13,図14に示すいずれの形式の携帯情報端末1に用
いることができる。従って、携帯情報端末1としては、
例えば、開閉検知器35,接触センサ36,操作ロック
スイッチ37のいずれかとレシーバ部近接センサ38と
を有するものであってもよく、この場合には、図17に
示す動作は、ステップ201,202,204のいずれ
かとステップ203との検知動作が行なわれることにな
る。
【0096】ステップ201,202,204のいずれ
の検知結果でも、携帯情報端末1がユーザによって使用
される状態にあり、かつレシーバ部近接センサ38が近
接物を検知しない場合には、図12に示したステップ1
00からの動作を行なう。また、図12のステップ10
6,109で「Yes」の場合、図17のステップ20
1に戻る(この図17では、図12に示したフローチャ
ートも含むが、図12でのステップ110は含まな
い)。
【0097】図18はポインティングデバイス4の誤操
作防止手段の他の具体例を示す図であって、39は竜頭
であり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけて
重複する説明を省略する。
【0098】図18(a)は折り畳み式の携帯情報端末
1の場合を示すものであって、ケース1d,1eを連結
するヒンジ1cにポインティングデバイス4を配置する
ものであるが、このヒンジ1cを回転可能とし、ポイン
ティングデバイス4を操作するときには、左側に図示す
るように、ポインティングデバイス4全体が外部に現れ
て操作できるようにし、ポインティングデバイス4を使
用しないときには、右側に図示するように、ポインティ
ングデバイス4の少なくとも一部が隠れるようにする。
【0099】勿論、折り畳み式の携帯情報端末1におい
ては、折り畳むことによってポインティングデバイス4
の誤操作を防止できるものであるが、これは携帯情報端
末1を使用しない状態にあるものであり、携帯情報端末
1を使用しているときには、ケース1d,1eを開いた
状態にあり、図18(a)の具体例は、このような場合
でも、ポインティングデバイス4の誤操作を防止するこ
とを可能にするものである。
【0100】また、図18(b)は表示画面3と操作面
2とが常時外部に露出されている形式の携帯情報端末1
の場合を示すものであって、この場合には、ケース内部
の回転軸(図示せず)の一端が外ケース8(図2参照)
の側面1bから外部に突出して竜頭39が取り付けら
れ、ケース内でのこの回転軸の他端側に、ポインティン
グデバイス4が取り付けられた構成とするものである。
ポインティングデバイス4を使用するときには、竜頭3
9を操作して、左側に図示するように、外ケース8に設
けられた貫通孔8aから、図2に示したように、指プレ
ート4aに指先で触れて操作できるようにし、ポインテ
ィングデバイス4を使用しないときには、竜頭39を回
転操作してポインティングデバイス4を回転させ、図1
8(b)の左側に図示するように、指プレート4aが隠
れてしまうようにする。
【0101】このようにして、使用しないときのポイン
ティングデバイス4の誤操作を防止することができる。
【0102】なお、図18(b)に示す手段は図14
(a),(c)〜(e)に示す構造の携帯情報端末1に
も適用できることはいうまでもない。勿論、図(a),
(d),(e)に示す具体例では、ケース1d,1eを
閉じたり、カバー1g,1hを閉じたりすることによ
り、ポインティングデバイス4の誤操作が防止されるも
のであるが、これは携帯情報端末1を使用しない状態に
あるものであり、携帯情報端末1を使用しているときに
は、ケース1d,1eが開かれたり、カバー1g,1h
が開かれた状態にあり、図18(b)の具体例は、この
ような場合でも、ポインティングデバイス4の誤操作を
防止することを可能にするものである。
【0103】図19はポインティングデバイス4の誤操
作防止手段のさらに他の具体例を示す図であって、同図
(a)は携帯情報端末1の全体を示すものであるが、同
図(b),(c)は夫々同図(a)の分断線からみたポ
インティングデバイス4の指プレート4aの部分の断面
図であり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけ
て重複する説明を省略する。
【0104】図19(b)に示す具体例は、ポインティ
ングデバイス4の指プレート4aの外面形状を、その中
央部ほど深くなるように、窪み状としたものである。そ
して、このポインティングデバイス4では、指プレート
4a以外は図2に示す構成をなしており、集光レンズ4
dは、指プレート4aの凹んだ外面の中央部近辺の画像
が撮像素子4cの撮像面に収束するように、配置されて
いる。そこで、この図19(b)に示す構成の指プレー
ト4aが用いられると、例えば、携帯情報端末1が鞄の
中に収納されている場合、他の収納物が携帯情報端末1
の操作面2に触れてポインティングデバイス4上で動い
ても、この他の収納物の表面が指プレート4aの外面中
央部よりも離れているので、撮像素子4cの撮像面での
この表面の画像は非常にぼけたものとなり、制御部16
(図15)はこの表面の画像(即ち、模様)を検出する
ことができない。このため、この他の収納物がポインテ
ィングデバイス4に対して動いても、制御部16はこれ
を検知することができず、図17の動作に続く図12で
のステップ107に進むことがなく、ポインティングデ
バイス4の誤操作を防止することができることになる。
【0105】図19(c)に示す具体例は、ポインティ
ングデバイス4の指プレート4aの外面を平面状とし、
かつこの指プレート4aが嵌まり込んでいる外ケース8
での貫通孔8aの周りに突起部8bを設けたものであ
る。指プレート4aの外面はこの突起部8bよりも凹ん
だ位置に配置されている。この具体例でも、これ以外の
ポインティングデバイス4の構成は図2に示したものと
同様であり、集光レンズ4dは、指プレート4aの外面
の画像が撮像素子4cの撮像面に収束するように、配置
されている。
【0106】かかる構成によると、図19(b)に示し
た具体例と同様にして、例えば、携帯情報端末1が鞄の
中に収納され、他の収納物が携帯情報端末1の操作面2
に触れてポインティングデバイス4上で動いても、ポイ
ンティングデバイス4が誤動作することがない。
【0107】次に、以上説明した携帯情報端末1の実施
形態の操作例について説明する。図20は電話を掛ける
場合の操作手順を示すフローチャートである。電話番号
が登録されている相手方に電話を掛ける場合、ほとんど
ポインティングデバイス4の操作だけで行なうことがで
きる。図20はこの場合を示すものである。また、図2
1はこの操作に伴って表示画面3に表示される画面を示
す図であって、40はポインタ(カーソル)である。
【0108】図1,図20及び図21において、「電源
/通話終了」ボタン2dを操作して電源をONにする
と、表示画面3に図21(a)に示す初期画面が表示さ
れる。かかる状態で「メニュー」ボタン2cを操作する
と(ステップ300)、表示画面3に図21(b)に示
すメニュー画面が表示される。かかるメニュー画面で
は、「電話帳」や「メール」,「地図サービス」,「シ
ョッピング」,……といったメニュー(選択項目)が選
択できるものであって、これに枠状のポインタ40も表
示されている。このポインタ40は、ポインティングデ
バイス4の前出の指プレート4aに指先を当てて移動さ
せるポインタ操作を行なうことにより、その指先の移動
方向に応じた方向(即ち、上下方向)に1ステップずつ
(1選択項目ずつ)移動させることができる。
【0109】このメニュー画面でポインタ操作を行なっ
てポインタ40を所望の選択項目、ここでは、選択項目
「電話帳」に合わせ(ステップ301)、上記のポイン
ティングデバイス4の指プレート4aを指先で押し込む
決定操作を行なうと(ステップ302)、図21(c)
に示す電話帳画面が表示画面3に表示される。この電話
帳画面では、電話番号が登録されている相手方の名称と
このうちの1つを選択するためのポインタ40とが表示
されている。そこで、ポインティングデバイス4の指プ
レート4aでポインタ操作を行なうことにより(ステッ
プ303)、電話帳画面でポインタ40を移動させ、電
話を掛けたい相手方に合わせるようにする。ここで、こ
の相手方の氏名が表示されていないとき、図21(d)
に示すように、電話帳画面の端部にポインタ40を移動
させ、さらに、ポインタ操作を同方向に行なうと、この
電話帳画面がスクロールし(ステップ304)、希望す
る相手方の氏名が表示される状態とすることができる。
図21(e)に示す電話帳画面はこの状態を示すもので
あって、これにより、希望する相手方(ここでは、「木
下 ××」とする)にポインタ40を合わせることがで
きる(ステップ305)。そして、ポインタ40を希望
する相手方に合わせた状態でポインティングデバイス4
での上記の決定操作を行なうと(ステップ306)、図
21(f)に示すような選択した相手方の電話番号と選
択項目「電話をかける」,「電話帳の編集」とが表示さ
れた電話番号画面に移り、この相手方に電話をかける場
合、選択項目「電話をかける」にポインタ40を合わせ
てポインティングデバイス4での上記の決定操作を行な
うと(ステップ307)、図21(g)に示すような呼
出画面に移って相手方の呼出しが行なわれる(ステップ
308)。
【0110】この呼出画面では、図21(g)に示すよ
うに、項目「電話を中止する」も表示され、この項目に
ポインタ40が合わされている。例えば、相手がなかな
か電話に出ないなどして呼出しを中止したいなどには、
この図21(g)に示す呼出画面の表示中にポインティ
ングデバイス4での上記の決定操作を行なうと、呼出し
が中止して図21(a)に示す初期画面の表示状態に戻
る。
【0111】図21(g)に示す呼出画面の表示状態で
呼出しが行なわれ(ステップ308)、その後、相手が
電話に出ると、通話が開始されるが、そのときには、表
示画面3に通話相手の氏名や電話番号が表示される。相
手との話しが終わって「電源/通話終了」ボタン2aを
操作すると、図21(a)に示す初期画面に戻る。
【0112】このようにして、ポインティングデバイス
4の操作によって通話したい相手方の呼出しを行なうこ
とができる。
【0113】なお、電話番号が登録されてない相手方に
電話をかける場合には、従来と同様、「電源/通話終
了」ボタン2aを操作して電話番号の入力画面を表示さ
せ、テンキーを操作してこの入力画面に相手方の電話番
号を入力後、「通話開始」ボタン2bを操作することに
より、相手方の呼出しが行なわれる。
【0114】また、図20でのいずれのステップでで
も、「電源/通話終了」ボタン2aを操作することによ
り、図21(a)に示す初期画面の表示状態に戻るし、
また、図20でのいずれのステップででも、表示画面3
では、「戻る」ボタン2dを操作することにより、1つ
前に表示された画面に戻る。
【0115】図22は本発明による携帯情報端末の上記
各実施形態での他の操作例、即ち、地図サービスをうけ
る場合の操作手順を示すフローチャートである。また、
図23はこの操作に伴って表示画面3に表示される画面
を示す図であって、41は地図、42はポインタ(カー
ソル)、43はスクロールアイコンである。
【0116】図1,図22及び図23において、ステッ
プ400は図20でのステップ300と同じであって、
図23(a)に示す初期画面が表示画面3に表示されて
いる状態で「メニュー」ボタン2cを操作すると、表示
画面3に図23(b)に示す図21(b)と同様のメニ
ュー画面が表示される(ステップ400)。このメニュ
ー画面でポインタ操作を行なって枠状のポインタ40を
所望の選択項目、ここでは、図23(c)に示すよう
に、選択項目「地図サービス」に合わせて上記のポイン
ティングデバイス4の指プレート4aを指先で押し込む
決定操作を行なうと(ステップ401)、図23(d)
に示す地名選択画面が表示画面3に表示される。
【0117】そこで、ポインタ操作することにより、ポ
インタ40をこの地名選択画面での目的とする地名(こ
こでは、「渋谷」という町名とする)に合わせて選択
し、上記の決定操作を行なうと(ステップ402)、図
23(e)に示すような選択した町、即ち、渋谷の地図
画面が表示される。この地図画面では、選択した渋谷の
地図41と、矢印状のポインタ(カーソル)42と、白
抜きの三角状のスクロールアイコン43とが表示され
る。スクロールアイコン43は、地図41の4隅の4個
とこれらの間の4個の計8個が表示される。これらスク
ロールアイコン43は地図41のスクロール方向を表わ
すものであって、そのうちの1つをポインタ42によっ
て選択することができる。
【0118】図23(e)に示す地図画面の表示状態に
あるとき、ポインティングデバイス4でポインタ操作を
行なうことにより、ポインタ42を移動させて、図23
(f)に示すように、地図41の所望とするスクロール
方向を表わすスクロールアイコン43に合わせ(ステッ
プ403)、ポインティングデバイス4で上記の決定操
作を行なうと、図23(g)に示すように、このスクロ
ールアイコン43が示す方向に地図41がスクロールす
る(ステップ404)。この場合、ポインティングデバ
イス4の指プレート4aが押し込まれている間スクロー
ルが続き、この押し込みを終わると、このスクロールが
終了する。なお、ポインタ42で選択されたスクロール
アイコン43は、図23(f),(g)に示すように、
黒塗りの三角形状に変わり、スクロールの方向を明確に
する。
【0119】スクロールが進行して地図41に希望の場
所、例えば、情報を見たい店の部分が現われると、決定
操作を止めてスクロールを停止させ、ポインタ操作によ
ってポインタ42を移動させ、図23(h)に示すよう
に、このポインタ42を希望する場所に一致させて上記
の決定操作をすると(ステップ405)、この希望する
場所の詳細情報を表わす詳細情報画面が表示画面3に表
示される(ステップ406)。
【0120】図23(i),(j)はその詳細情報画面
の一例を摸式的に示すものであって、図23(h)で選
択した見たい店の詳細情報、例えば、店の名称(イタリ
アン・レストラン),開店時間(10:00−20:0
0),定休日(火曜日),電話番号(03−1111−
××××)というように表示される。
【0121】また、この詳細情報画面では、2つの選択
項目「電話をかける」,「地図表示に戻る」と枠状のポ
インタ40とが表示され、ポインティングデバイス4で
のポインタ操作によってポインタ40を移動させること
により、いずれかの選択項目を選択することができる
(ステップ407)。そこで、この詳細情報画面での詳
細情報を見てこの店に電話を掛けたい場合には、図23
(i)に示すように、ポインタ40で選択項目「電話を
かける」を選択し、ポインティングデバイス4での上記
の決定操作をすることにより、自動的にこの電話の呼出
しが行なわれ(ステップ408)、通話を終わって「電
源/通話終了」ボタン2aを操作すると、図23(h)
または図23(e)に示す地図画面の表示状態に戻る。
また、詳細情報画面での詳細情報を見てこの店に電話を
掛けたくない場合でも、図23(j)に示すように、ポ
インタ40で選択項目「地図表示に戻る」を選択し、ポ
インティングデバイス4での上記の決定操作をすること
により、図23(h)または図23(e)に示す地図画
面の表示状態に戻すことができる。そして、かかる表示
状態でステップ405からの、またはステップ403か
らの操作を行ない、希望する場所を再指定することがで
きるが、地図サービスを中止したい場合には(ステップ
409)、「戻る」ボタン2dを操作することにより、
この操作をする毎に、地図画面から図23(d)に示す
地名選択画面,図23(b),(c)に示すメニュー画
面,図23(a)に示す初期画面へと戻すことができ
る。
【0122】なお、ステップ408での通話の場合を除
いた各ステップでの表示状態で、「電源/通話終了」ボ
タン2aを操作することにより、直接図23(a)に示
す初期画面の表示状態とすることができる。ステップ4
08での通話状態では、「電源/通話終了」ボタン2a
を操作することにより、通話が終了して上記の地図画面
の表示状態となるが、再度「電源/通話終了」ボタン2
aを操作することにより、直接図23(a)に示す初期
画面の表示状態となる。
【0123】このような「地図サービス」において、制
御器31(図10,図15)の制御により、地図41上
に表示される矢印状のポインタ42は、ポインティング
デバイス4のポインタ操作に伴って、連続的に移動す
る。これにより、地図41上の希望する場所を正確に指
定することができるようになる。また、選択項目が表示
される画面では、枠状のポインタ40が表示されるが、
制御器31の制御により、このポインタ40はステップ
状に移動する。これにより、ポインタ40の細かい位置
調整を必要とせずに、希望する選択項目をスムーズに選
択することができる。このようにして、本発明では、ポ
インティングデバイス4でのポインタ操作方法が同じで
ありながら、表示される画面の種類に応じて自動的にポ
インタの移動の仕方が切り換えられ、ポインタは夫々の
画面に適合した動きをすることになる。
【0124】図24は本発明による携帯情報端末の上記
各実施形態に用いるポインティングデバイス4のさらに
他の実施形態を示す断面図であって、4d1,4d2,4
d3は集光レンズ、4gはレンズ交換機構、4hはレン
ズ伸縮機構であり、前出図面に対応する部分には同一符
号を付けて重複する説明を省略する。
【0125】この実施形態は、先に説明した携帯情報端
末1の上記各実施形態を、撮像素子4cが設けられてい
ることから、デジタルカメラあるいはビデオカメラとし
ての機能も持たせるようにしたものである。
【0126】図24(a)に示す実施形態は、焦点距離
が異なる集光レンズ4d1,4d2をレンズ交換機構4g
によって交換可能とするものであり、集光レンズ4d1
はポインタ操作用の焦点距離が充分短いレンズであり、
集光レンズ4d2は風景などの撮像用の焦点距離が充分
長いレンズである。レンズ交換機構4gはスライド板ま
たは回転板からなるものであって、これらに集光レンズ
4d1,4d2が取り付けられている。また、図1などで
示す操作面2や本体の側面1bなどにかかるレンズ交換
機構4gを操作するための操作部材が設けられる。
【0127】図24(a)の(イ)はポインタ操作の場
合の状態を示しており、指プレート4aと撮像素子4c
との間に焦点距離が短い集光レンズ4d1が配置され
る。携帯情報端末1をビデオカメラとして機能される場
合には、レンズ交換機構4gをスライドもしくは回転さ
せることにより、図24(a)の(ロ)に示すように、
指プレート4aと撮像素子4cとの間に焦点距離が長い
集光レンズ4d2が配置される。
【0128】図24(b)に示す実施形態は、焦点距離
が可変の集光レンズ4d3を用いるものである。この集
光レンズ4d3は、例えば、その光軸に垂直な方向に伸
縮可能なレンズであって、レンズ伸縮機構4hでもっ
て、レンズ外周の等間隔な複数の点でその半径方向に均
一な力を同時に加えたり、それを解除したりすることに
より、集光レンズ4d3の厚みを変えることができ、こ
れによって集光レンズ4d3の焦点距離が変化する。か
かるレンズ伸縮機構4hとしては、例えば、カメラなど
に用いられる絞り機構のような構成とすることができ
る。
【0129】図24(b)の(イ)はポインタ操作の場
合の状態を示しており、集光レンズ4d3は厚くて焦点
距離が充分短い状態にある。携帯情報端末1をビデオカ
メラとして機能される場合には、レンズ伸縮機構4hが
作用して、図24(b)の(ロ)に示すように、集光レ
ンズ4d3を焦点距離が長いレンズとする。
【0130】以上のことは、携帯情報端末1をデジタル
カメラとして機能させる場合も、同様である。
【0131】なお、このようにデジタルカメラあるいは
ビデオカメラとしての機能も持たせるようにしたかかる
実施形態においては、携帯情報端末1の表示面2にビデ
オカメラ用の操作ボタンや記録,再生ボタンなどを設け
(再生操作用としては、ポインティングデバイス4に図
8(d)に示すような機能を持たせてもよい)、携帯情
報端末1をビデオカメラとして機能させる場合には、図
10,図15において、制御器31はこの撮像素子4c
の出力信号を図示しない処理回路で適宜処理させ、記憶
器32もしくはフロッピー(登録商標)ディスクなどの
図示しない外部記録媒体に記録させ、また、再生操作を
行なうことにより、表示面3に再生画像を表示させるよ
うにする。
【0132】また、携帯情報端末1を、上記のように、
デジタルカメラあるいはビデオカメラとして機能させる
ためには、撮像素子4cとしてデジタルカメラあるいは
ビデオカメラに通常用いられる撮像素子を用いるが、か
かる撮像素子4cを用いて、先の実施形態のように、ポ
インティングデバイス4をポインタ操作に用いる場合に
は、かかる撮像素子4cの撮像面の一部をスキャンの対
象として用いて、上記のような高いセンシング頻度で画
像検出を行なうようにし、また、携帯情報端末1を、上
記のようにして、デジタルカメラあるいはビデオカメラ
として機能させる場合には、かかる撮像素子4cの撮像
面全体をスキャンの対象として使用する。このような撮
像面での使用するスキャン領域の変更は、例えば、撮像
素子4cに使用するスキャン信号の周期と振幅を変更す
ることによって可能である。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるポイ
ンティングデバイスとこれを用いた携帯情報端末によれ
ば、画像検出手段で検出された該プレートの外面での画
像の動きに応じて、表示画面に表示されるポインタを移
動させることができるものであるから。ユーザがプレー
トに指先を当て、その状態で指先を動かす場合には、こ
の指先の指紋が動く画像として検出され、この動きの方
向に応じた方向に表示画面上のポインタが移動すること
になる。従って、ポインタの移動方向に応じて異なる操
作スイッチを操作する、ということもなく、操作がし易
くなるし、また、プレート上の画像の動きを検出すれば
よいため、画像の検出範囲も狭くすることができ、ポイ
ンティングデバイスを小型化できる。
【0134】また、本発明による携帯情報端末によれ
ば、画像検出手段で検出されたプレートの外面での画像
の動きの有無を判定し、その判定結果に応じて、画像検
出手段のセンシング頻度を切り換えるものであるから、
プレートの外面での画像の動きがなく、ポインタの移動
操作を行なわない場合には、画像検出手段のセンシング
頻度を小さくすることができ、この分画像検出手段の消
費電力を抑制できる。
【0135】また、本発明によるポインティングデバイ
スとこれを用いた携帯情報端末によれば、さらに、プレ
ートの外面に照明光を照射する発光手段を設けており、
また、画像検出手段での受光量と発光手段の発光量とか
ら上記のプレートの外面での反射率を計測する第1の手
段と、第1の手段で計測された反射率が予め設定された
基準最低値以下であるとき、発光手段の発光量を予め設
定された第1の基準値とし、第1の手段で計測された反
射率が基準最低値を越えるとき、画像検出手段での受光
量が第1の基準値よりも大きい予め設定された第2の基
準値となるように、発光手段の発光量を調整する第2の
手段と、画像検出手段で検出した画像の動きを検出し、
検出した該動きの方向に応じた方向にポインタを移動さ
せる第3の手段と、画像検出手段で検出した画像の動き
の有無を判定し、動きがあるときには、ポインティング
デバイスを活動モードにするとともに、動きの方向に応
じた方向にポインタを移動させ、予め決められた一定の
期間動きがないとき、ポインティングデバイスを待機モ
ードにする第4の手段とを備え、待機モードでのポイン
ティングデバイスのセンシング頻度を活動モードでのポ
インティングデバイスのセンシング頻度よりも小さくす
るものであるし、第2の手段は、第1の手段で計測され
た反射率が予め設定された基準最低値以下であるときに
は、発光手段の発光量を一時的に変化させ、この発光量
の変化に対して画像検出手段での受光量が変化しないと
き、発光手段の発光量を予め設定された第1の基準値と
するものであるから、発光手段でプレートの外面での画
像を照明するため、画像検出手段では、高輝度の画像を
検出することができるし、また、プレートの外面に指先
などが触れないで、ポインタの移動操作を行なわない場
合には、これが検出することができて、待機モードとし
て発光手段の発光量を抑え、省電力化が可能となる。し
かも、プレートの外面での画像の反射率でもってプレー
トの外面に指先などが触れているか否かを判定するので
あるが、さらに、発光手段の発光量を一時的に変化させ
て画像検出手段の受光量の変化を検出するようにするも
のであるから、プレートの外面に指先などが触れている
か否かの判定がより正確になる。
【0136】また、本発明による携帯情報端末によれ
ば、さらに、ポインティングデバイスでのプレートを押
し込み操作可能とし、この押し込み操作に伴って作動す
る操作スイッチを1以上設け、さらには、かかる操作ス
イッチの1つをポインタで指示される表示画面でのメニ
ューを決定するための「決定」スイッチとするものであ
る。ポインティングデバイスの多機能化が図れ、携帯情
報端末の操作面での操作スイッチの個数を少なくできて
携帯情報端末のさらなる小型化が実現できるし、また、
新たな操作スイッチを追加できて、携帯情報端末のより
多機能化が実現できる。操作者は、ポインティングデバ
イスから指を離すことなく(あるいは、大きく移動する
ことなく)、一連の選択決定動作を行なうことができ
る。
【0137】また、本発明による携帯情報端末によれ
ば、さらに、ポインティングデバイスでの上記光学手段
としての集光レンズの焦点距離を変えることができるよ
うに構成したものであるから、デジタルカメラあるいは
ビデオカメラとしての機能も持たせることができる。
【図面の簡単な説明】【図1】本発明による携帯情報端末の一実施形態を示す
正面図である。
【図2】本発明によるポインティングデバイスの一実施
形態を示す構成図である。
【図3】図2に示すポインティングデバイスにおける照
明手段の他の具体例を示す構成図である。
【図4】図2に示すポインティングデバイスにおける指
プレートの他の配置例を示す構成図である。
【図5】図2〜図4に示した指プレートの外面の構成の
具体例を示す斜視図である。
【図6】図2に示した「決定」スイッチの操作手段の他
の具体例を示す構成図である。
【図7】本発明によるポインティングデバイスの他の実
施形態を示す構成図である。
【図8】本発明によるポインティングデバイスのさらに
他の実施形態を示す構成図である。
【図9】本発明によるポインティングデバイスのさらに
他の実施形態を示す構成図である。
【図10】図1に示した実施形態の回路構成の一具体例
を示すブロック図である。
【図11】図10における制御器のポインティングデバ
イスからの撮像画像の変化を検出する方法を説明するた
めの図である。
【図12】図10における制御器による図2に示したポ
インティングデバイスの動作を示すフローチャートであ
る。
【図13】本発明によるポインティングデバイスの携帯
情報端末での配置例を示す図である。
【図14】本発明によるポインティングデバイスの携帯
情報端末での他の配置例を示す図である。
【図15】本発明による携帯情報端末の他の実施形態で
の回路構成の一具体例を示すブロック図である。
【図16】図15に示す開閉検知器,接触センサ,操作
ロックスイッチ,レシーバ部近接センサの携帯情報端末
での配置例を示す図である。
【図17】図15に示す制御器の開閉検知器,接触セン
サ,操作ロックスイッチ,レシーバ部近接センサの検知
出力によるポインティングデバイスの制御動作を示すフ
ローチャートである。
【図18】本発明によるポインティングデバイスの誤操
作防止手段の他の具体例を示す図である。
【図19】本発明によるポインティングデバイスの誤操
作防止手段のさらに他の具体例を示す図である。
【図20】本発明による携帯情報端末の実施形態の電話
を掛ける場合の操作手順の一具体例を示すフローチャー
トである。
【図21】図20に示した操作手順で順次表示画面に表
示される画面の具体例を示す図である。
【図22】本発明による携帯情報端末の実施形態の地図
サービスを受ける場合の操作手順の一具体例を示すフロ
ーチャートである。
【図23】図22に示した操作手順で順次表示画面に表
示される画面の具体例を示す図である。
【図24】本発明による携帯情報端末の実施形態でビデ
オカメラの機能を持たせる場合のポインティングデバイ
スの具体例を示す断面図である。
【符号の説明】 1 携帯情報端末 1a 裏面 1b 側面 1c ヒンジ 1d,1e ケース 1f 切欠き部 1g フリップ 1h スライドカバー 2 操作面 3 表示画面 4 ポインティングデバイス 4a 指プレート 4b 発光でバイス 4c 撮像素子 4d,4d1〜4d3 集光レンズ 4e ヒンジ 4f,4f1,4f2 光路変更手段 4g レンズ交換機構 4h レンズ伸縮機構 5 「決定」スイッチ 6 回路基板 8 外ケース 8a 貫通孔 9 透明部 10 縁取部 11,11a,11b ガイド 12 撮像領域 13 シボ加工領域 14 窪み部 15 「戻る」スイッチ 16a,16b 突起 17,17a,17b 回動軸 18a〜18d 機能スイッチ 19 突起 20 決定操作部 21 機能操作部 22 作動部材 23 ヒンジ 30 受音器 31 制御器 32 記憶器 33 表示器 35 開閉検知器 36 接触センサ 37 操作ロックスイッチ 38 レシーバ部近接センサ 39 竜頭 40 枠状のポインタ(カーソル) 41 地図 42 矢印状のポインタ(カーソル) 43 スクロールアイコン
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月13日(2000.12.
13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 ポインティングデバイス
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話などの携
帯情報端末に用いられ、表示画面上でポインタ(カーソ
ル)を移動させるためのポインティングデバイスに関す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明の目的は、かかる問題を解消し、充
分に小型化することができて、かつポインタの移動操作
が容易なポインティングデバイスを提供することにあ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】上記目的を達成するために、本発明による
ポインティングデバイスは、上記の構成に、さらに、プ
レートの外面に照明光を照射する発光手段を設けたもの
である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、本発明によるポインティングデバイ
スは、プレートを押し込み操作可能とし、この押し込み
操作に伴って作動する操作スイッチを1以上設け、さら
には、かかる操作スイッチの1つをポインタで指示され
る表示画面でのメニューを決定するための「決定」スイ
ッチとするものである。かかる構成により、ポインティ
ングデバイスの多機能化が図れ、携帯情報端末の操作面
での操作スイッチの個数を少なくできて携帯情報端末の
さらなる小型化が実現できるし、また、新たな操作スイ
ッチを追加できて、携帯情報端末のより多機能化が実現
できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また、本発明によるポインティングデバイ
スは、上記光学手段としての集光レンズの焦点距離を変
えることができるように構成したものである。かかる構
成により、かかるポインティングデバイスを用いた携帯
情報端末は、デジタルカメラあるいはビデオカメラとし
ての機能も持たせることができるようにしている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】図13はこの携帯情報端末1でのポインテ
ィングデバイス4の配置例を示す図であって、同図
(a)はポインティングデバイス4を操作面2に配置し
た例を示し、同図(b)はポインティングデバイス4を
携帯情報端末1の本体の裏面1aに配置した例を示し、
同図(c)はポインティングデバイス4を携帯情報端末
1の本体の側面1bに配置した例を示し(ここでは、側
面1b側に配置しているが、この側面1bの対向面側に
配置してもよい)、同図(d)はポインティングデバイ
ス4を表示画面3の傍らに配置した例を示している。ま
た、図13(e)に示す具体例は、電話番号を入力する
数字キーをなくし、ポインティングデバイス操作のみで
数字を入力する実施例を示す。数字を入力する際は、表
示画面3の周辺部に数字一覧とポインタとが表示され、
ポインティングデバイス4でポインタを入力したい数字
まで移動させ、決定操作を行なうことにより入力するこ
とができる。かかる携帯情報端末1においても、適宜の
位置にポインティングデバイス4を配置することができ
る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】図14は携帯情報端末1でのポインティン
グデバイス4の他の配置例を示す図である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】図15は本発明によるポインティングデバ
イスを用いた携帯情報端末の他の具体例の回路構成を示
すブロック図であって、35は開閉検知器、36は接触
センサ、37は操作ロックスイッチ、38はレシーバ部
近接センサであり、図2に対応する部分には同一符号を
つけて重複する説明を省略する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】同図において、この具体例は、図2に示す
回路構成に対し、さらに、開閉検知器35,接触センサ
36,操作ロックスイッチ37,レシーバ部近接センサ
38の全部もしくはいずれか1以上が付加されたもので
ある。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正内容】
【0107】次に、以上説明した携帯情報端末1の操作
例について説明する。図20は電話を掛ける場合の操作
手順を示すフローチャートである。電話番号が登録され
ている相手方に電話を掛ける場合、ほとんどポインティ
ングデバイス4の操作だけで行なうことができる。図2
0はこの場合を示すものである。また、図21はこの操
作に伴って表示画面3に表示される画面を示す図であっ
て、40はポインタ(カーソル)である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正内容】
【0115】図22は本発明によるポインティングデバ
イスを用いた上記携帯情報端末の他の操作例、即ち、地
図サービスをうける場合の操作手順を示すフローチャー
トである。また、図23はこの操作に伴って表示画面3
に表示される画面を示す図であって、41は地図、42
はポインタ(カーソル)、43はスクロールアイコンで
ある。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正内容】
【0124】図24は上記各携帯情報端末に用いる本発
明によるポインティングデバイス4のさらに他の実施形
態を示す断面図であって、4d1,4d2,4d3は集光
レンズ、4gはレンズ交換機構、4hはレンズ伸縮機構
であり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて
重複する説明を省略する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正内容】
【0125】この実施形態は、先に説明した各携帯情報
端末1を、撮像素子4cが設けられていることから、デ
ジタルカメラあるいはビデオカメラとしての機能も持た
せるようにしたものである。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正内容】
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像検出手段で検出された該プレートの外面での画像の
動きに応じて、表示画面に表示されるポインタを移動さ
せることができるものであるから。ユーザがプレートに
指先を当て、その状態で指先を動かす場合には、この指
先の指紋が動く画像として検出され、この動きの方向に
応じた方向に表示画面上のポインタが移動することにな
る。従って、ポインタの移動方向に応じて異なる操作ス
イッチを操作する、ということもなく、操作がし易くな
るし、また、プレート上の画像の動きを検出すればよい
ため、画像の検出範囲も狭くすることができ、ポインテ
ィングデバイスを小型化できる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正内容】
【0134】また、本発明によれば、画像検出手段で検
出されたプレートの外面での画像の動きの有無を判定
し、その判定結果に応じて、画像検出手段のセンシング
頻度を切り換えるものであるから、プレートの外面での
画像の動きがなく、ポインタの移動操作を行なわない場
合には、画像検出手段のセンシング頻度を小さくするこ
とができ、この分画像検出手段の消費電力を抑制でき
る。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】削除
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0136
【補正方法】変更
【補正内容】
【0136】また、本発明によれば、プレートを押し込
み操作可能とし、この押し込み操作に伴って作動する操
作スイッチを1以上設け、さらには、かかる操作スイッ
チの1つをポインタで指示される表示画面でのメニュー
を決定するための「決定」スイッチとするものである。
ポインティングデバイスの多機能化が図れ、携帯情報端
末の操作面での操作スイッチの個数を少なくできて携帯
情報端末のさらなる小型化が実現できるし、また、新た
な操作スイッチを追加できて、携帯情報端末のより多機
能化が実現できる。操作者は、ポインティングデバイス
から指を離すことなく(あるいは、大きく移動すること
なく)、一連の選択決定動作を行なうことができる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正内容】
【0137】また、本発明によれば、上記光学手段とし
ての集光レンズの焦点距離を変えることができるように
構成したものであるから、携帯情報端末をデジタルカメ
ラあるいはビデオカメラとしての機能も持たせることが
できる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポインティングデバイスを用いた
携帯情報端末の一具体例を示す正面図である。
【図2】本発明によるポインティングデバイスの一実施
形態を示す構成図である。
【図3】図2に示すポインティングデバイスにおける照
明手段の他の具体例を示す構成図である。
【図4】図2に示すポインティングデバイスにおける指
プレートの他の配置例を示す構成図である。
【図5】図2〜図4に示した指プレートの外面の構成の
具体例を示す斜視図である。
【図6】図2に示した「決定」スイッチの操作手段の他
の具体例を示す構成図である。
【図7】本発明によるポインティングデバイスの他の実
施形態を示す構成図である。
【図8】本発明によるポインティングデバイスのさらに
他の実施形態を示す構成図である。
【図9】本発明によるポインティングデバイスのさらに
他の実施形態を示す構成図である。
【図10】図1に示した携帯情報端末の回路構成の一具
体例を示すブロック図である。
【図11】図10における制御器のポインティングデバ
イスからの撮像画像の変化を検出する方法を説明するた
めの図である。
【図12】図10における制御器による図2に示したポ
インティングデバイスの動作を示すフローチャートであ
る。
【図13】本発明によるポインティングデバイスの携帯
情報端末での配置例を示す図である。
【図14】本発明によるポインティングデバイスの携帯
情報端末での他の配置例を示す図である。
【図15】本発明によるポインティングデバイスを用い
た携帯情報端末の回路構成の一具体例を示すブロック図
である。
【図16】図15に示す開閉検知器,接触センサ,操作
ロックスイッチ,レシーバ部近接センサの携帯情報端末
での配置例を示す図である。
【図17】図15に示す制御器の開閉検知器,接触セン
サ,操作ロックスイッチ,レシーバ部近接センサの検知
出力によるポインティングデバイスの制御動作を示すフ
ローチャートである。
【図18】本発明によるポインティングデバイスの誤操
作防止手段の他の具体例を示す図である。
【図19】本発明によるポインティングデバイスの誤操
作防止手段のさらに他の具体例を示す図である。
【図20】本発明によるポインティングデバイスを用い
た携帯情報端末の電話を掛ける場合の操作手順の一具体
例を示すフローチャートである。
【図21】図20に示した操作手順で順次表示画面に表
示される画面の具体例を示す図である。
【図22】本発明によるポインティングデバイスを用い
た携帯情報端末の地図サービスを受ける場合の操作手順
の一具体例を示すフローチャートである。
【図23】図22に示した操作手順で順次表示画面に表
示される画面の具体例を示す図である。
【図24】本発明によるポインティングデバイスを用い
た携帯情報端末でビデオカメラの機能を持たせる場合の
ポインティングデバイスの具体例を示す断面図である。
【符号の説明】 1 携帯情報端末 1a 裏面 1b 側面 1c ヒンジ 1d,1e ケース 1f 切欠き部 1g フリップ 1h スライドカバー 2 操作面 3 表示画面 4 ポインティングデバイス 4a 指プレート 4b 発光でバイス 4c 撮像素子 4d,4d1〜4d3 集光レンズ 4e ヒンジ 4f,4f1,4f2 光路変更手段 4g レンズ交換機構 4h レンズ伸縮機構 5 「決定」スイッチ 6 回路基板 8 外ケース 8a 貫通孔 9 透明部 10 縁取部 11,11a,11b ガイド 12 撮像領域 13 シボ加工領域 14 窪み部 15 「戻る」スイッチ 16a,16b 突起 17,17a,17b 回動軸 18a〜18d 機能スイッチ 19 突起 20 決定操作部 21 機能操作部 22 作動部材 23 ヒンジ 30 受音器 31 制御器 32 記憶器 33 表示器 35 開閉検知器 36 接触センサ 37 操作ロックスイッチ 38 レシーバ部近接センサ 39 竜頭 40 枠状のポインタ(カーソル) 41 地図 42 矢印状のポインタ(カーソル) 43 スクロールアイコン
 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/225 H04N 5/225 D  (72)発明者 浅田 幸則 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディア開発本 部内 Fターム(参考) 5B068 AA01 AA11 AA22 AA36 BD09 BD18 BE08 BE11 CC17 DE01 DE02 5B087 AA06 AC02 AC04 AD02 AE00 BC12 BC13 BC17 BC26 BC32 DD03 DD10 DE07 5C022 AA00 AC31 AC32 AC42 AC54 5K027 AA11 BB02 BB14 FF00 FF22