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JP2001302389A - 気相成長方法 - Google Patents

気相成長方法

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JP2001302389A
JP2001302389AJP2000124701AJP2000124701AJP2001302389AJP 2001302389 AJP2001302389 AJP 2001302389AJP 2000124701 AJP2000124701 AJP 2000124701AJP 2000124701 AJP2000124701 AJP 2000124701AJP 2001302389 AJP2001302389 AJP 2001302389A
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正志 中村
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学 川辺
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光宏 鹿本
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Abstract

(57)【要約】【課題】 InGaAs層とInP層のように組成の大
きく異なるエピタキシャル膜を、界面の急峻性を損なう
ことなく積層して成長させる方法を提供する。【解決手段】 反応炉内に設けられた基板保持台上に基
板を配置し、所望する薄膜を成長させるのに必要な原料
ガスを供給し、前記基板表面に組成の異なる少なくとも
2以上の薄膜を順次積層して成長させる気相成長方法に
おいて、前記反応炉内に第1の原料ガスを導入して前記
基板上に第1層を成長させるプロセスと、第2の原料ガ
スを導入して、前記第1の原料ガスを排気しつつ前記第
1層を構成する揮発性元素が蒸発するのを防止する中間
層を第1層上に成長させるプロセスと、第2層を成長さ
せるための原料ガスのうちの1または2種類のガスであ
って、前記中間層をサーマルエッチング可能なパージガ
スを導入して、前記中間層をエッチングしながら第1お
よび第2の原料ガスを排気する成長中断プロセスと、第
3の原料ガスを導入して、前記中間層上に前記第1層に
格子整合し、かつ前記第1層と組成の異なる第2層を成
長させるプロセスと、を少なくとも有するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組成の異なる化合
物半導体のエピタキシャル膜を積層して成長させる気相
成長方法に関し、特に有機金属気相成長法に適用して好
適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガリウム砒素(GaAs)やイン
ジウムリン(InP)などの化合物半導体基板上へエピ
タキシャル膜を成長させる技術が非常に注目されてい
る。最近の技術によれば、エピタキシャル膜としてイン
ジウムガリウム砒素(InGaAs)、インジウムガリ
ウムリン(InGaP)、アルミニウムガリウム砒素
(AlGaAs)、インジウムアルミニウム砒素(In
AlAs)、インジウムガリウム砒素リン(InGaA
sP)等のいわゆる混晶層を成長させることもできる。
【0003】これらのエピタキシャル膜を成長させる有
効な方法の一つに有機金属気相成長法(MOCVD法)
がある。ここで、図5に基づき有機金属気相成長法につ
いて簡単に説明する。
【0004】図5は、有機金属気相成長法を実現可能な
装置の概略図であり、符号1が反応管、2aは有機金属
原料(TMI,TMG等)の導入口、2bは第5B属の
水素化ガス(PH3、AsH3等)の導入口、3が主に基
板を加熱するヒータ、4がエピタキシャル膜を成長させ
るための基板、5が基板保持台、6が排気口である。
【0005】トリメチルインジウム(TMI)、トリメ
チルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TE
G)、トリメチルアルミニウム(TMA)等のいわゆる
有機金属とアルシン(AsH3)あるいはホスフィン
(PH3)ガスを原料ガスとして、キャリアガスである
水素(H2)とともに導入口2を介して基板4を配置し
た反応管1内に供給すると、原料ガスは基板4の上流側
Uで分解され、ヒータ3で加熱された基板4上で第13
族(3B族)元素と第15族(5B族)元素が反応して
薄膜が成長する。なお、原料ガスとしてはアルシンやホ
スフィン等のガスの代わりにトリメチル砒素やターシャ
ルブチルホスフィン等の有機金属を用いることもでき
る。
【0006】例えば、図2に示す供給ガス切替シーケン
スに従って説明すると、プロセスP11において、TM
I、TMGおよびAsH3を原料として反応管内に導入
すれば、これらは基板上流側Uで分解され基板4上で反
応してInGaAs層(第1層)が成長する。次にS1
2において、TMGとAsH3の供給を停止してPH3
供給を開始すれば、TMIとPH3が基板上流側Uで分
解されInGaAs層上で反応してInP層(第2層)
が成長することができる。
【0007】このとき、InP層(第2層)を形成する
ための原料ガスに、InGaAs層(第1層)の原料ガ
スでInP層の形成には不必要なガス、すなわちTMG
やAsH3が混入するとInP層の結晶性が悪くなる。
そこで、残留しているTMG、AsH3がキャリアガス
2により充分に排気するように、第1層の成長プロセ
スと第2層の成長プロセスの間に、成長中断プロセスを
入れて結晶成長を中断するようにしている。
【0008】しかし、成長中断プロセスにおいて、In
Pのように第5B族元素を含むエピタキシャル膜(第1
層)をそのまま放置しておくと、第5B族元素(P)は
蒸気圧が高いために層表面から蒸発してしまうという不
具合を生じる。そこで、成長中断プロセスにおいて、第
1層に含まれる第5B族元素を含むガス(AsH3、P
3)をパージガスとして所定の時間供給し続けてから
第2層の原料ガスに切り換える方法が提案された。
【0009】例えば、特開平9−213641号公報
(有機金属気相成長法による急峻なヘテロ界面の作製方
法 沖電気工業株式会社)には、InGaAs層上にI
nP層を成長させる場合、InGaAs層を成長させた
後、パージガスとしてAsH3を所定時間供給してIn
GaAs層表面からAsが蒸発するのを防ぎつつ第1層
の原料ガスを排気してから、InPの原料ガスであるT
MIおよびPH3を供給する技術が開示されている。こ
の技術は、第1層に含まれる第5B族元素(As、P)
が第2層にも含まれる場合、例えば第1層がInGaP
で第2層がInPである場合に、成長中断プロセスでP
3を供給することによりその分圧で第1層からPが蒸
発するのを防止できるとともにTMGを排気することが
でき、そのままPH3は第2層の原料ガスとして使用で
きるという利点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術では第1層がInGaAs層で第2層がInP
層である場合のように、組成の大きく異なるエピタキシ
ャル膜を積層して成長させるときには以下のような問題
が生じることが判明した。
【0011】例えば、InGaAs層(第1層)上に、
InP(第2層)を成長させる場合を考える。上述した
技術によると、成長中断プロセスにおいてInGaAs
層表面からAsが蒸発するのを防ぐためにAsH3を供
給し、その後AsH3からTMIおよびPH3に切り換え
て供給する。この場合、成長中断プロセスにおいて、A
sH3を供給しているので第1層からAsが蒸発するの
は防止することはできる。しかし、TMIとPH3の供
給を開始したときにはAsH3がまだ残留しているの
で、反応管内にはTMIとPH3とAsH3が混入した状
態で存在することになる。その結果、これらのガスから
形成されるInP層(第2層)の結晶性は低下してしま
い第1層と第2層との界面の急峻性も悪くなってしま
う。この影響は第1層の成長時間が長い程大きくなる傾
向にあり、反応管の形状、ガス供給条件、成長する層の
組成等によって異なるが数秒〜数十分のオーダーで切り
換え前後のガスが混在した状態が続くことが発明者の実
験により確かめられている。
【0012】逆に、InGaAs層(第1層)を成長さ
せ、成長中断プロセスにおいてPH3のみを供給してか
ら、TMIおよびPH3を供給してInP(第2層)を
形成する場合は、InP層の形成には不必要なTMGと
AsH3は完全に排気されInP層の原料ガスに混入す
ることはなくなるが、成長中断プロセスにおいてInG
aAs層表面からAsが蒸発したりInGaAs層中の
AsとPH3のPが置換したりするので、InGaAs
層の品質が低下してしまう。
【0013】そこで、本発明は上記問題点を解消し、I
nGaAs層とInP層のように組成の大きく異なるエ
ピタキシャル膜を、界面の急峻性を損なうことなく積層
して成長させ得る方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、反応炉内に設けられた基
板保持台上に半導体基板を配置し、所望する薄膜を成長
させるのに必要な原料ガスを供給し、前記半導体基板表
面に組成の異なる少なくとも2以上の薄膜を順次積層し
て成長させる気相成長方法において、前記反応炉内に第
1の原料ガスを導入して前記基板上に第1層を成長させ
るプロセスと、第2の原料ガスを導入して、前記第1の
原料ガスを排気しつつ前記第1層を構成する揮発性元素
が蒸発するのを防止する中間層を第1層上に成長させる
プロセスと、第2層を成長させるための原料ガスのうち
の1または2種類のガスであって、前記中間層をサーマ
ルエッチング可能なパージガスを導入して、前記中間層
をエッチングしながら第1および第2の原料ガスを排気
する成長中断プロセスと、第3の原料ガスを導入して、
前記中間層上に前記第1層に格子整合し、かつ前記第1
層と組成の異なる第2層を成長させるプロセスと、を少
なくとも有するようにした気相成長方法である。
【0015】第1層上に中間層を成長させることによ
り、成長中断プロセスにおいて第1層の構成元素が蒸発
して第1層の表面状態が悪化するのを防止できるととも
に、第1層を成長させるための第1の原料ガスが第2層
を成長させるための第3の原料ガスに混入しないように
充分排気できるため、組成の異なる薄膜を積層して成長
させる場合でも急峻性に優れた結晶界面が形成され良質
な結晶を得ることができる。
【0016】また、前記中間層は、前記成長中断プロセ
スにおけるサーマルエッチングの後に結晶全体としての
品質に影響を与えない厚さで残留するように成長させる
とよい。すなわち、第1層の原料ガスが充分に排気でき
る時間をもとに成長中断プロセスを行う時間を設定し、
成長中断プロセス中にサーマルエッチングにより中間層
がすべてエッチングされ第1層表面が剥き出しにならな
い厚さに中間層を形成することが望ましい。これによ
り、中間層がすべてエッチングされ第1層表面が剥き出
しになり第1層の構成元素(第5B族)が蒸発して第1
層の表面状態が悪化するのを防止できる上に、中間層に
より結晶品質が低下することもなくなる。
【0017】さらに、前記プロセスを有機金属気相成長
法において行うようにするとよい。
【0018】また、前記エピタキシャル膜の少なくとも
一つは、化合物半導体混晶とすることができる。さら
に、前記半導体基板を化合物半導体としてもよい。
【0019】特に、前記半導体基板および前記エピタキ
シャル膜は、第3B族元素と第5B族元素とからなるI
II−V族化合物半導体とすることにより、顕著に本発
明の効果が現れる。
【0020】また、前記半導体基板がInPであり、前
記エピタキシャル膜はいずれもInPに0.5%以内で
格子整合するIII−V族化合物半導体であるときに
は、特に優れた品質の結晶を得ることができる。
【0021】前記中間層はIII−V族化合物半導体で
あり、前記第2層は前記中間層に含まれる第5B族元素
を含むようにする。
【0022】これにより、成長中断プロセスにおいて中
間層および第2層に含まれる第5B族元素を含むガスを
供給すれば、中間層表面から前記第5B族元素が蒸発す
るのを防止できるとともに、第3の原料ガスに不純ガス
(第1および第2の原料ガス)が混入することも防止で
きる。また、中間層は成長中断プロセスにおけるサーマ
ルエッチングにより除去されるものであるが完全に除去
することは困難であるので、結晶全体の品質をよくする
ために残留する中間層の結晶性の良好であることが望ま
しい。そのために中間層表面から前記第5B属元素が蒸
発するのを防ぐことが重要となる。
【0023】また、残留する中間層の厚さは薄い方が結
晶全体としての品質には影響が少なくなるので望まし
く、中間層の結晶性が良好で厚さが充分に薄い場合は、
中間層の存在は結晶全体としての品質には影響しないこ
とが実験により分かった。具体的には、サーマルエッチ
ング後の中間層の厚さが1〜20nmであれば、結晶全
体の厚さが0.1μm以上のときには結晶全体としての
品質には影響を与えることはない。
【0024】また、前記III−V族化合物半導体は、
例えば、InGaP、InGaAs、InGaAsPの
ように、第3B族元素であるIn、Gaと第5B族元素
であるAs、Pのうち少なくとも3つの元素を含むよう
にすることができる。本発明は、このように組成の大き
く異なるエピタキシャル膜を積層して成長させるときに
適用することができる。
【0025】前記成長中断プロセスにおいて、前記中間
層がAsを含む場合はAsH3を、前記中間層がPを含
む場合はPH3を、前記中間層がAsおよびPを含む場
合はAsH3とPH3の混合ガスをパージガスとして導入
するようにした。これにより、成長中断プロセスにおい
て供給されるガスは、そのまま第3の原料ガスとして供
給できるので、効率的に作業を行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図
面に基づいて説明する。
【0027】図5のような構成を有する有機金属気相成
長装置を用いて、図6に示すようなInP基板13上に
InGaAs層(第1層)12、InP層(第2層)1
1を積層してエピタキシャル成長させた半導体結晶を作
製した。なお、InGaAsとInPとは0.1%以内
で格子整合する結晶である。
【0028】原料として、トリメチルインジウム(TM
I)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(As
3)、ホスフィン(PH3)を用いた。また、成長温度
は650℃、ガスの総流量は50000sccmで、成
長圧力は50torrとした。
【0029】ただし、ここで[sccm]とは、0℃、
1気圧の下での1分間の流量をccで表したもので、標
準体積を指す。
【0030】図1に、本実施形態の結晶成長における原
料ガスの供給の切替シーケンスを示す。このシーケンス
において、[ON]は反応管内に原料ガスが供給されて
いる状態であり、[OFF]は原料ガスの供給が停止さ
れている状態であることを示す。また、図7は本実施形
態の結晶の成長過程を示す概略図である。
【0031】まず、プロセスP1において、AsH3
500sccm、TMIを2.5sccmおよびTMG
を2.5sccmで60min供給してInP基板13
上にInGaAs層(第1層)12を2.5μm成長さ
せた(図7(a))。次に、プロセスP2において、A
sH3とTMGの供給を停止して、PH3を600scc
m、TMIを6.0sccmで1min供給して中間層
としてのInP層14を15nm成長させた(図7
(b))。
【0032】次に、プロセスP3において、TMIの供
給を停止してPH3のみを600sccmで10min
供給して、反応管内に残留しているAsH3とTMGを
PH3に置換した(図7(c))。このとき、プロセス
P2で形成したInP中間層14により、InGaAs
層13よりAsが蒸発するのを防止している。また、プ
ロセスP3ではAsH3とTMGをPH3で置換するとと
もに、図7(c)の14bの部分がサーマルエッチング
され、プロセスP3の終了時点ではInP中間層14a
の厚さは5nmになっていた。
【0033】次に、プロセスP4において、PH3の供
給を継続したままTMIの供給を開始し、PH3を60
0sccm、TMIを6.0sccmで60min供給
してInP層(第2層)11を1.5μm成長させた
(図7(d))。
【0034】得られた結晶について光学顕微鏡で観察し
たところ、良質な結晶であり欠陥は観察されなかった。
また、図8に示すSIMSによる分析結果より、InP
層11におけるAsの混入量は2〜10×1019ato
ms/ccで、Gaの混入量は1〜10×1018ato
ms/ccであった。
【0035】比較のため、プロセスP3における成長中
断プロセスの時間を1minにしたところInP層11
表面にクロスハッチ状の欠陥が発生した。これは、プロ
セスP3において、残留しているTMG、AsH3とP
3が充分に置換されなかったために、プロセスP4で
供給される原料ガスにTMG、AsH3が混入したこと
が原因であると考えられる。
【0036】さらに比較のため、プロセスP2において
InP中間層14を100nmの厚さで成長させ、プロ
セスP3における時間を10minとしたところ、In
P層11の結晶性が悪化してクロスハッチ状の欠陥が観
察された。これは、結晶性の悪いInP中間層14aが
サーマルエッチングによりその影響を無視できる程度ま
で除去されなかったためであると考えられる。
【0037】以上のことから、成長する層、ガス供給
量、気相成長装置等により条件は異なるが、第1層の原
料ガスが完全に排気される時間をもとに成長中断時間
(プロセスP3の時間)を設定し、成長中断プロセスに
おいて行われるサーマルエッチングによりInP中間層
14が完全にエッチングされず、かつ結晶全体としての
結晶性に影響を与えない程度の厚さにInP中間層14
を成長させるなど最適化する必要があることが分かる。
【0038】次に、比較のため図2〜図4に示す従来の
結晶成長における原料ガスの供給の切替シーケンスに従
って、図6に示す結晶を成長させてその結晶性を評価し
た。
【0039】図2は、成長中断プロセスを行わない場合
のシーケンスである。まず、プロセスP1と同様に、A
sH3を500sccm、TMIを2.5sccmおよ
びTMGを2.5sccmで60min供給してInP
基板13上にInGaAs層を1μm成長させた(プロ
セスP11)。次に、AsH3とTMGの供給を停止し
て、PH3を600sccm、TMIを6.0sccm
で60min供給してInP層13を1.5μm成長さ
せた(プロセスP12)。
【0040】得られた結晶について光学顕微鏡で観察し
たところ、GaInAs層12上のInP層11の結晶
性が悪化しており、InP層11表面にクロスハッチ上
の欠陥が観察された。さらに、図9に示すSIMSによ
る分析結果より、InP層11におけるAsの混入量は
5×1019〜8×1020atoms/ccで、Gaの混
入量は2×1018〜2×1019atoms/ccであり
本実施形態の結晶に比較して混入量が1桁以上増大して
いた。
【0041】図3は、成長中断プロセス中にAsH3
供給した場合のシーケンスである。まず、AsH3を5
00sccm、TMIを2.5sccmおよびTMGを
2.5sccmで60min供給してInP基板13上
にInGaAs層を1μm成長させた(プロセスP2
1)。次に、TMGの供給を停止して、AsH3のみを
500sccmで20min供給した(プロセスP2
2)。次に、次に、AsH3の供給を停止して、PH3
TMIの供給を開始し、PH3を600sccm、TM
Iを6.0sccmで60min供給してInP層13
を1.5μm成長させた(プロセスP23)。
【0042】この場合もInP層11表面にクロスハッ
チ状の欠陥が観察された。これは、成長中断プロセス
(プロセスP22)において第1層に含まれる第5B族
元素Asを供給すれば、第1層表面からAsが蒸発する
のを防止できるが、供給する原料ガスをMTIとPH3
に切り換えたときにはAsH3が残留しているため、I
nP層11中にAsが混入してしまうからである。
【0043】図4は、成長中断プロセス中にPH3を供
給した場合のシーケンスである。まず、AsH3を50
0sccm、TMIを2.5sccmおよびTMGを
2.5sccmで60min供給してInP基板13上
にInGaAs層を1μm成長させた(プロセスP3
1)。次に、TMGの供給を停止して、PH3のみを6
00sccmで20min供給した(プロセスP3
2)。次に、PH3は供給したままTMIの供給を開始
し、PH3を600sccm、TMIを6.0sccm
で60min供給してInP層13を1.5μm成長さ
せた(プロセスP33)。
【0044】この場合は、成長中断プロセス(プロセス
P32)においてガスの置換が充分に行われたためクロ
スハッチ状の欠陥は発生しなかったが、成長中断プロセ
ス中にInGaAs層からAsが蒸発したりPと置換し
たりしたため、InGaAs層の表面状態が悪化してし
まった。
【0045】これらの結果より、本発明の結晶成長方法
によればInGaAs層上にInP層を界面の急峻性を
良く成長させることが可能であることが証明された。
【0046】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではない。
【0047】例えば、本実施例では中間層に第2層(I
nP)と格子整合する結晶(InP)を成長させたが、
前述したように中間層は結晶全体としての品質に影響を
与えない厚さまでサーマルエッチングによって除去され
るため、他の組成例えばGaP等を中間層とすることも
できる。その場合、当然のことながら中間層の厚さと成
長中断時間の最適値の組み合わせは中間層がInP層の
時とは異なる。具体的には、第1層の原料ガスが充分に
排気できる時間をもとに成長中断プロセスを行う時間を
設定するとともに、成長中断プロセス中にサーマルエッ
チングにより除去されるエッチング量(厚さ)をもとに
中間層を形成する厚さ(時間)を決定するとよい。もち
ろんエッチング後の中間層の厚さは、結晶全体としての
結晶性に影響を与えない程度まで薄くされるのがよい。
【0048】また、本発明を適用可能な材料の組み合わ
せを表1に示す。少なくとも表1に掲げる材料の組み合
わせによれば、良質の結晶が得られることが確認されて
いる。なお、材料の組み合わせは表1に挙げた例に制限
されるものではなく、中間層が第2層の構成元素である
第5B属元素の少なくとも一つを含むように構成される
ようにし、成長中断プロセスにおいてその第5B族元素
を含むガスをパージガスとして供給するようにすればよ
い。
【0049】
【表1】
【0050】また、本実施形態では基板上に異なる組成
をした2種類のエピタキシャル膜を成長させる場合につ
いて説明したが、本発明は、さらに第3層、第4層・・
・と多層構造をした結晶を成長させる方法にも適用可能
である。その際、第2層と第3層の間に形成される中間
層、第3層と第4層の間に形成される中間層は、それぞ
れその中間層上に成長させる層に含まれる第5B族元素
の少なくとも一つを含むようにし、その第5B族元素を
含むガスをパージガスとして供給して成長中断プロセス
を行うようにすればよい。
【0051】
【発明の効果】本願において開示される発明によれば、
第1層上に中間層を成長させることにより、成長中断プ
ロセスにおいて第1層の構成元素が蒸発して第1層の表
面状態が悪化するのを防止できるとともに、第1層の原
料ガスが第2層の原料ガスに混入しないように充分排気
できるため、急峻性に優れた結晶界面が形成され良質な
結晶を得ることができる。特に、InGaAs層とIn
P層のように組成の大きく異なるエピタキシャル膜を積
層して成長させる場合に適用して顕著な効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶成長における供給ガス切替シーケ
ンス図である。
【図2】成長中断プロセスを行わないときの結晶成長に
おける供給ガス切替シーケンス図である。
【図3】成長中断プロセスにおいてAsH3を供給した
ときの結晶成長における供給ガス切替シーケンス図であ
る。
【図4】成長中断プロセスにおいてPH3を供給したと
きの結晶成長における供給ガス切替シーケンス図であ
る。
【図5】有機金属気相成長装置の概略図である。
【図6】本実施形態において成長させた結晶の模式図で
ある。
【図7】本実施形態の結晶成長プロセスをあらわす模式
図である。
【図8】図1の結晶成長シーケンスに従って成長させた
結晶のSIMSの測定結果チャートである。
【図9】図2の結晶成長シーケンスに従って成長させた
結晶のSIMSの測定結果チャートである。
【符号の説明】
1 反応管 2a 有機金属原料の導入口 2b 第5B族水素化ガスの導入口 3 ヒータ 4 基板 5 基板保持台 6 排気口 U 上流側 L 下流側 11 InP層(第2層) 12 InGaAs層(第1層) 13 InP基板 14 InP中間層 14a InP層(残留部分) 14b InP層(エッチング部分)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿本 光宏 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 株式 会社日鉱マテリアルズ磯原工場戸田分室内 Fターム(参考) 4G077 AA03 AB07 BE41 BE47 DB08 ED06 HA06 TA04 5F041 AA31 AA40 CA34 CA39 CA64 CA65 CA74 CA77 5F045 AA04 AB12 AB17 AC08 AC09 AE23 AF04 BB05 EB14 5F073 CA07 CA17 CB02 DA05 DA35

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応炉内に設けられた基板保持台上に半
    導体基板を配置し、所望する薄膜を成長させるのに必要
    な原料ガスを供給し、前記半導体基板表面に組成の異な
    る少なくとも2以上の薄膜を順次積層して成長させる気
    相成長方法において、 前記反応炉内に第1の原料ガスを導入して前記基板上に
    第1層を成長させるプロセスと、 第2の原料ガスを導入して、前記第1の原料ガスを排気
    しつつ前記第1層を構成する揮発性元素が蒸発するのを
    防止する中間層を第1層上に成長させるプロセスと、 第2層を成長させるための原料ガスのうちの1または2
    種類のガスであって、前記中間層をサーマルエッチング
    可能なパージガスを導入して、前記中間層をエッチング
    しながら第1および第2の原料ガスを排気する成長中断
    プロセスと、 第3の原料ガスを導入して、前記中間層上に前記第1層
    に格子整合し、かつ前記第1層と組成の異なる第2層を
    成長させるプロセスと、 を少なくとも有することを特徴とする気相成長方法。
  2. 【請求項2】 前記中間層は、前記成長中断プロセスに
    おけるサーマルエッチングの後に結晶全体としての品質
    に影響を与えない厚さで残留することを特徴とする請求
    項1に記載の気相成長方法。
  3. 【請求項3】 有機金属気相成長法によりエピタキシャ
    ル膜を成長させることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の気相成長方法。
  4. 【請求項4】 前記エピタキシャル膜の少なくとも一つ
    は、化合物半導体混晶であることを特徴とする請求項3
    に記載の気相成長方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板は化合物半導体であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の気相成長方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板および前記エピタキシャ
    ル膜は、第13族(3B族)元素と第15族(5B族)
    元素とからなるIII−V族化合物半導体であることを
    特徴とする請求項5に記載の気相成長方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体基板がInPであり、前記エ
    ピタキシャル膜はいずれもInPに0.5%以内で格子
    整合するIII−V族化合物半導体であることを特徴と
    する請求項6に記載の気相成長方法。
  8. 【請求項8】 前記中間層はIII−V族化合物半導体
    であり、前記第2層は前記中間層に含まれる第15族
    (5B族)元素を含むことを特徴とする請求項6または
    請求項7に記載の気相成長方法。
  9. 【請求項9】 前記第1層および第2層は、In、G
    a、AsおよびPのうち少なくとも3つの元素を含むこ
    とを特徴とする請求項6から請求項8の何れかに記載の
    気相成長方法。
  10. 【請求項10】 前記成長中断プロセスにおいて、前記
    中間層がAsを含む場合はAsH3を、前記中間層がP
    を含む場合はPH3を、前記中間層がAsおよびPを含
    む場合はAsH3とPH3の混合ガスをパージガスとして
    導入することを特徴とする請求項6から請求項9の何れ
    かに記載の気相成長方法。
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