最近、不調続きのディズニー映画久々のヒットとなったという『リロ&スティッチ』の実写化。暴れん坊で悪ガキの宇宙人“スティッチ”は、声はアニメ版と同じくクリス・サンダース(日本版では山寺宏一)が続投しており、この人選をミスっただけで大コケ映画『白雪姫』の二の舞になったのは容易に想像できますが、さすがにディズニー的にも冒険は出来なかったが幸か不幸か、雰囲気からキャラ造形まで結構そのまんまな実写化になっています。
ある意味実写化の企画としてはどう見ても最適解ではあるんですが、『リロ&スティッチ』って元々内容的にも割と子供向け感が凄まじいこともあり、その点まで忠実に実写化されています。
両親を亡くした少女リロと姉のナニ。ひとりでリロを育てようと奮闘するナニだったが、若すぎる彼女は失敗ばかり。離れ離れになってしまいそうな姉妹の前に、見た目はかわいらしいのに、ものすごく暴れん坊な不思議な生き物が現れる。その生き物は、違法な遺伝子操作によって破壊生物として生み出された、「試作品626号」と呼ばれる地球外生物(エイリアン)だった。
そんなことは知らずに、リロはその生き物を「スティッチ」と名付けて家に連れ帰る。予測不可能なスティッチの行動は平和な島に混乱を巻き起こすが、その出会いがやがて思いもよらない奇跡を呼び起こし、希望を失いかけていた姉妹を変えていく。(映画.comより)
違法な遺伝子実験で生まれた完全生物が乗る宇宙船がハワイのカウアイ島に墜落し、騒動を至る所で起こしながら偶然であったリロと友情を育み、スティッチと呼ばれて共同生活を送るというアウトラインはほぼそのまま。実写化にあたって何人かキャラクターが削られつつ、実写化ではリロと姉のナニを見守る社会福祉士ケコアの存在が増えてたりするのですが、スティッチはビジュアル的にほぼ完璧なルックスであるのはさることながら、リロとナニの存在感もほぼアニメ版のまま。「アニメをAI化したんじゃ?」と勘違いしてしまいそうなくらいイメージ的に準拠しており、その点はなかなか丁寧な人選をしたんだなとワタクシ的には思いました。
スティッチの設定もアニメの通り「凶悪な宇宙生物」とは名ばかりの悪ガキそのもので、同じくリロ自体も相応に悪ガキ感もあるので、そんな悪友2人の珍道中が本作の筋になったからています。アニメ版でも若干思ってましたが、スティッチが悪さをする度にリロの姉ナニが仕事を失ったりするので、それはそれでどうなんだろうと思う部分はありつつ、まあ手堅く笑わせてくれます。
如何せんどこ切り取っても子供向けの内容ではある為、大体の展開から結末まではある程度予想は出来るような感じにもなっており、ストーリーの醍醐味的な部分は皆無ではありつつも、リロの天真爛漫さとスティッチの悪ガキ感とモフ感はキュートそのものです。リロとスティッチの行動に対してムカつかなければある程度は楽しめる映画でしょう。ワタクシの場合は感情的に半々でしたが。
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。