……たかやさんって最近漫画とか読んでます?
いや、あんまり読めてないんですよ。最近
マジすか。普段どんな漫画読んでるとかあります??
うーん、『呪術廻戦』とか『ハイパーインフレーション』とか好きで定期的に読み返してますね
あ、俺も大好きっす!!めっちゃ面白いですよね
でも正直、最近漫画のリサーチすらできてないし、ドラゴンさんなんかオススメあったら今度教え────────
……
え、待って。どこ行くの???
え?
嘘でしょ?
んじゃあ、さっそく始めさせてもらいます
本当に何を??
ふつうの軽音部オススメ座談会……
この記事に出てくる人
始まるよ!!!
※この記事はPR案件ではありません。
作品のオタクが思うままを書いています。
『ふつうの軽音部』は「少年ジャンプ+」で連載中!
まずそもそもなんですけど、たかやさんって『ふつうの軽音部』についてどのくらい知ってます?
いやホントなにも…。最近、めちゃくちゃ話題になってるのを知ってるくらいで…
なるほどなるほど
まぁ、タイトルから“軽音部”がテーマなのは分かるかな
うんうん
あっ、あと実在するアーテイストの名前や楽曲が作中に登場するってのも聞いたことある!
瞬間、ありのままを鳴らす。
話題騒然の青春マンガ『ふつうの軽音部』
JC+最新4巻、好評発売中!<<1~8話試し読みはコチラ>>https://t.co/iKs1AEyTZS
豪華アーティストからも声援、続々。#ACIDMAN#Ado#afloodofcircle#KANABOON#キタニタツヤ#キュウソネコカミ#神聖かまってちゃん…pic.twitter.com/Pmv4R70wEb
— ふつうの軽音部【公式】 (@FutsunoKeionbu)November 1, 2024
現役の有名アーティストも応援してるような作品だからね。音楽好きの人にも届いてるマンガだと思う
僕もいわゆる“邦ロック”はそこそこ好きなんですよね~。だからこの作品も、たぶん自分に刺さるんだろうな~って気はしてます!
フフィ゛……‼
え? なに? キモっ
オタクの破裂音だ
それは良かった!!そんなたかやさんになら、絶対に刺さる作品ですよ!
んじゃまずは簡単に『ふつうの軽音部』のあらすじを説明しますね!!じゃ……はじめませう笑👊😅
コイツ今日ずっとこの感じなの?
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(1)』2024年4月4日発行kindle版、集英社p.5より
▼あらすじ▼
ちょっと渋めの邦ロックを愛する新高校1年生・鳩野ちひろは、初心者ながらも憧れのギターを手に入れ、念願の軽音部に入部する。個性豊かな部員たちに困惑しつつも、バンドを結成することになるが──!?
等身大のむきだし青春&音楽奮闘ドラマ、開幕!!
本当にざっくり話すと『ふつうの軽音部』のあらすじって
邦ロック大好きな女の子が高校の軽音部に入ってバンドを組む
という説明に終始しちゃうんですよ
え、結構シンプルですね
飛ぶように売れてるから、もっとド派手でマンガ映えするストーリーを期待しちゃうよね
言っちゃ悪いけど…。あらすじだけならそこまで目新しさは無いかも…?
そう思うのも分かります
しかしこの漫画の魅力ってあらすじだけじゃ言い表せない部分にあって………
なのでここからは、わたくし、インターネット性善説ドラゴンなりの『ふつうの軽音部』の魅力を紹介させてください!!!
いまさらだけどなんだそのライター名
紹介する側の名前が“ふつう”じゃ無さすぎる
※ここから先は『ふつうの軽音部』の
微ネタバレを含みます
※気にならない方はこのまま読み進めてください。
※ネタバレNGの方は、よければぜひジャンプ+で読んでください!
※ジャンプ+のアプリなら初回全話無料で読めるよ!!!
まず一つ目の魅力は、『高校の軽音部描写のリアルさが凄い』っていうのがあるんですよ
リアルさ? いや、でも…
バンドものなら『ぼっち・ざ・ろっく ! 』とか『けいおん!』とかも、けっこう“軽音部あるある”は詰まってるじゃないですか。
それとはまた違ったリアリティがある…みたいな感じなんですかね?
……ッッア゛!!
なに!? ほんと怖いんだけどコイツ!
…………たかやさん
そこなんすよ……😭
頼むからふつうに喋ってくれ
そうなんです。この漫画、いやに現実味のある「軽音部描写」がとにかく多いんです!!
ガソゴソ ガサゴソ……
てことで、この作品の「軽音部描写」に、どのくらいのリアリティがあるのかを調査してきました
調査?
『ふつうの軽音部』リアリティアンケート
高校時代軽音部かつ現在進行形で軽音サークルの幹部を務めている友人たちに作品を読んでもらって、この作品が実際どのくらいリアリティがあるのかアンケートを取って来たんです!!
わざわざそこまで!?
凄いことするな
そんな軽音部経験者からとくに共感を得た描写はここら辺ですね
あ~、はいはいはい!「そっち」のリアルさね!
僕は軽音部じゃなかったけど…。自分が通ってた学校の軽音部もこんな感じだったな
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(1)』2024年4月4日発行kindle版、集英社 p.48より
放課後になると、カースト上位の奴らが廊下に溜まって、ギター片手にぺちゃくちゃくっちゃべってんのよ…
あと、軽音部の奴らって文化祭では「テンションあげてこ~ぜ~!」とかカラっとしてるくせに、裏では誰と誰が付き合っただの別れただの……3軍の自分にも噂が届いてくるぐらいジメジメした話ばっかで…
俺、軽音部のああいうところホント嫌いだったんだよな~
そんなこと言うなよ
個人的に、特に凄味を感じた描写はここですね!
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(1)』2024年4月4日発行kindle版、集英社 p.81より
主人公が入部したての頃は、部員の数もめちゃくちゃ多くて、1年生だけで11バンドも活動していたんですけど……
11バンドも!? 『けいおん!』の軽音部は5人だけだったのに
(主人公の鳩野と全く同じ事言ってら……)しかしです!!
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(2)』2024年6月4日発行kindle版、集英社 p.41より
夏頃に5バンド解散して6バンドに減っちゃいました
わずか4ヵ月弱で…!?
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(1)』2024年4月4日発行kindle版、集英社 p.190より
なんなら主人公のバンドも、序盤で一回解散してます
そうなん!?
解散理由も「メンバーの気が緩んできたから」「恋愛関係でゴチャゴチャしそうになってきたから」とかすっげー地味な理由なんだよな
あ~、その高校生特有のフニャフニャした空気感、分かる…!
ちなみに友達によると、「この早さで半減するのは珍しいけど、実際1年生バンドはかなり解散しがち」だそうです
現役もお墨付きのリアリティ…
これ以外にも…
▼『ふつうの軽音部』の嫌に現実味ある描写▼
・新入生歓迎ライブで、今どきの学生は誰も知らないであろう曲を平気で演奏する現役部員
・そのステージに群がる2・3年生の軽音部員
・主役であるハズの新入生をさしおいて、内輪でめっちゃ盛り上がってる
といった具合に「妙に生々しい軽音部描写」が随所で見受けられるんです!
どれも地味な方向での“あるある”の精度が高いんだよな
『ふつう』のタイトルに恥じぬ「ふつう」さですよね
うわ……
なんかいま、高校時代の嫌な記憶がぜんぶ蘇ってきた。嫌……
トラウマ開かせちゃった
俺、高校時代はこういう軽音部の奴らを見下しながら、便所でオモコロ読んでた人間だったから…
そんな記憶、はやく便所に流せよ
大丈夫? オレ、このマンガ読んだらフラッシュバックでゲボ吐かない?
タコピー? ジャンプラだし、『ふつうの軽音部』もタコピー枠?
Not Takopi……
タコピーってもう尺度なんだ
たしかにここまでの説明だと、学生時代の嫌な部分を煮詰めた内容に聞こえるんですけど…
むしろ全体的にポップな作風だよね。気楽に読めるし、陰鬱な気分にはならないと思う
それは良かった…
作品のジャンルとしてはコメディですしね
ただ、あるあるネタだけじゃなく、作品全体通して「地味だけど、いいところ突くな〜!」という温度感は一貫してる気がする
「地味」というと悪く聞こえちゃうけど、なんていうか常温なマンガだとは思う
…!!!! ゛
うるせっ
常温! 言い得て妙ですね。そう、『ふつうの軽音部』は、他のバンド作品のように、劇的な展開はそこまで起こらないんです
うんうん。他のマンガと比べてもスケールの大きな話がそこまで発生しない。フィクションレベルがちょうどいいラインに保たれてる感じがする
だからこそ『物語』という区別が付きにくくなって、作中のイベントとかキャラクターの心情とかが自分事のように感じられるんですよね。俺はそれがとても素敵だなって
確かに、かなりフラットに進むからその分共感しやすい漫画だと思う
なるほど
そんで次の魅力は、『胸を打つシーンが多い』ことです!!!
ほぉ…
具体的に言うと、主人公がメチャクチャ熱くて超カッコいいんすよ!!
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(1)』2024年4月4日発行kindle版、集英社 p.20より
この子が主人公の「鳩野ちひろ」って女の子なんですけど、たかやさんはどんなキャラに見えますか??
うーむ。正直、そんなに明るい性格のキャラクターには見えないですね
そうなんすよ!!たかやさんと同じなんす!!
え?
自意識過剰だし、自己評価が低いし、そのクセ斜に構えてるし、見た目もモブっぽいし、暗いし、所謂『陰キャ』に該当するキャラクターなんすよ!!
俺の事そんな風に思ってたの?
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(1)』2024年4月4日発行kindle版、集英社 p.25より
……実際、新入生歓迎会のライブで内輪ノリが激しい軽音部に共感性周知を感じちゃうタイプの子なんです
なるほど、言うなれば『僕ら側』の性格なんですね
そうっす!!! そうなんですけど、1点だけ明確に違う点があって……
この主人公、メチャクチャ熱くて超カッコいいんですよ…!!!
さっきと同じこと言ってる
等身大で一瞬一瞬に誠実で好きな感情に正直でひたすらにひたむきで……まさに80~90年代のロックバンドを体現したような性格で、なんというか、ドーンとカッコいいんすよ!!!
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(2)』2024年6月4日発行kindle版、集英社 p.89より
例えば、ここは『最初のライブで大失敗した鳩野が、夏休みの間、公園に毎日通って弾き語り修行をしているシーン』なんですが……
すごッ、毎日…!?
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(2)』2024年6月4日発行kindle版、集英社 p.127より
相当音楽が好きで努力家じゃないとできないですよね?
たしかに…
こんなん。例えば、僕らがWEB記事で同じ事ができるでしょうか……??
…………
できねェ~!!
できる気しねェ~!俺、Web記事も努力も嫌いだし!
せめてどっちかは好きであってくれ
そんな主人公の特に熱いシーンが……!!
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(3)』2024年9月4日発行kindle版、集英社 p.80-81より
ここ!!! 本当に色々あり過ぎた軽音部員が、最終的に主人公の弾き語りを聞くシーンなんですけど、ここがまぁスゲぇ!!!!!
おおお…! 自分はまだ未読だけど、それでもこのページはなんか良いな…!
この話は僕も読んでて「グッ」ときたなぁ
そうなんすよ!!!
言ってしまえば、『ふつうの軽音部』という漫画は、軽音部で過ごす部員たちの悩みを、主人公・鳩野のパワーで吹き飛ばしたり救ったり……そんな作品なんです!
特にこのシーンは、主人公の周りのキャラクターたちが、彼女の誠実さとかひたむきさとか努力量とか音楽が好きな気持ちとか、そんないっぱいで等身大の感情を受け止めてちゃんと向き合ってる最高のシーンだと思うんです!! 本当にもうカタルシスも凄くて……あ、来、来るッ──────────────────────────────────────────
う、゛゛゛ う゛ !! ! ああ
あ あ゛
あ゛ !!! あ゛
あ
あ゛…゛…!
゛! !
ドラゴン、静まりなさい
そんなセリフ、RPG以外で聞くとは思わなかった
さっき「この作品は常温」って言ったけど、だからこそ、ここぞというときに描かれる熱いシーンがひときわ胸に刺さってくるんだよね。だから、「常温だけど、全然ぬるま湯じゃない」マンガだと思う
そう! 本当にその通りなんですよ!!
かまどさん! さっきから凄い! キャッチフレーズにしましょう! それ!
それは俺たちが決めることではない
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部(3)』2024年9月4日発行kindle版、集英社 p.142-143より
このページも好き…。このカタルシスまみれの最高のシーンを120%で出力できる作画担当の出内テツオ先生、凄まじい感受性と技量ですよね。何千回見ても惚れ惚れとする絵です!!