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絵本のむし

おすすめの絵本をちょっとオタクかもしれない視点で紹介している。

未来のだるまちゃんへ

絵本ではなく大人向けの本ですが、こちらを読みました。

 

「未来のだるまちゃんへ」

かこさとし

2014年 文藝春秋

かこさとしさんの自伝的な本です。まず表紙の有名なキャラクター達勢揃いのデザインが可愛くて目を引きます。

 

かこさんの少年時代から、如何にして絵本作家になっていったかという事が書かれており、「かこさとし」というペンネームの誕生秘話や、だるまちゃんやその他の有名作品がいかにして産まれたかなど、かこさとし作品を知っていたらそうだったのか!と興奮してしまう制作の裏話が満載でした。

 

やなせたかしさんもそうであるように、この時代の方特有の、戦争体験から来る確固たる信念や覚悟がかこさとしさんにもあり、生涯にわたって絵本を描き続ける原動力にもなっていたことがよくわかります。

 

かこさとしさんの絵本作品には決して子どもを侮らない姿勢が伺えますが、それがどのようにして培われたかという事もわかります。

 

生活や名誉のためではなく、使命感を持って絵本に取り組み続けていた方だったのだなあと改めて思いました。

今後そのような絵本作家がどのくらい新たに現れるでしょうか?

そう考えると、その作品を次世代にも読み聞かせ続けていく事もまた私にできるささやかな使命かなと思いました。

 

自然科学の絵本を書いた折に、出版社側から最近のホットトピックである環境問題も盛り込んではどうかと提案されたそうです。が、この先何十年も残る絵本にするためにその案は却下したというようなエピソードがありました。

そのような長期的な視野を持って多くのロングセラー絵本を生み出したのですね。

 

これを読んでかこさとしさんの絵本がより一層楽しめそうです。

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