Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


電脳塵芥

四方山雑記

クラウドワークスへの動画作成依頼を「ネット工作」的な扱いは厳しいのでは

 クラウドワークスにおける「動画」作成ついての製作依頼がここ最近話題で、例えば朝日新聞で「「嫌中」動画の制作依頼を非公開に 仲介サイト「差別つながる」懸念」という記事が出ていたりして。この記事中には依頼内容として"「中国人の迷惑行為、モラルの欠如、その後自業自得の結末となったり天罰が下ったりするフィクション動画」"という説明がされていたというが、これに関しては以前「中国人を再生数稼ぎの素材とした捏造印象操作動画群について」で書いたような動画だろう。

実際にこれらの動画は実在しない「フィクション動画」としか言いようがない。なお朝日の記事そのものは次の拡散した投稿などを受けたものだろう。


https://x.com/Anti_Discrimina/status/1995707784386551887

現在、この依頼はクラウドワークス上からは"このお仕事は非公開または下書き状態のため閲覧することができません。"と記述され、おそらくは発注元、若しくはクラウドワークス側が非公開にしたと思われる。なおアーカイブ上には依頼ページは存在しており、そこに記述されている発注者の「株式会社ダブルレインボー」という企業が一部で注目されている。この発注者は以前の発注を見てもこういった日本賞賛系の動画の発注をしていたりするのだが、念のために書いておけばこういった系統の動画は他の発注者も多数存在する。例えば「コグマ企画」などは多数の募集が見られる。また今現在は報道などを受けて「日本賞賛系」などでクラウドワークス上を検索してもヒットしないが、WEB魚拓上には12月2日時点の「日本賞賛系」での検索結果が保存されており、そこには多数のの名前が見える。事程左様に「日本賞賛系」は動画における人気コンテンツの一つであり、発注者は多数いたと思われる。株式会社ダブルレインボーという企業のみの話ではない。
 またクラウドワークスと言えば10月末ごろには次の様な「依頼」のスクショが拡散していた。


https://x.com/chi_nyan_ko/status/1983535970562814149

このスクショは「地猫@chi_nyan_ko」の投稿をきっかけに拡散し、その結果としてリンク先は"非公開または下書"で見れなくなっているのだが、それはともかくとしてこのスクショをもとにして自民党、ひいては高市支持者の「ネット工作」の証拠かの様な反応がいくつか見られた。その一方でこのスクショについては次の様に左翼の自作自演ではないかという「疑念」も拡散していた。


https://x.com/pon_35p/status/1984311489130611115


https://x.com/nihonnomanga/status/1984651336928116881

クラウドワークスは公開後にその案件が非公開になれば"非公開または下書"と表示されるわけであり、「地猫」の投稿後の拡散を受けて非公開にした事は十分に考えられる。この程度の証拠で自作自演ならば上述した日本賞賛系依頼も今は見れないので自作自演という事になってしまうが、あちらの依頼そのものは公開されていた事が確認できる。こちらの件についてはアーカイブ上ではすでに非公開後のページしか保存されておらず、投稿への反応を見る限りは10月30日午後10時時点ではすでに非公開にはなっていた模様だ。確かめる術は最早ないもののこれだけで「自作自演」だというには飛躍がある。ただもしも「陰謀」を感じたのならばその時点の保存、発注者の名前が記されたスクショがない時点で「地猫」による「発見」の信ぴょう性が落ちる事には同意はしておく。怪しいと思ったら保存しておくべきだったろう。なお、ここから筆者による「発注者」の憶測である為に正確性は担保できないが依頼のスクショにはいくつかの文章がテンプレ的に記述されている。そこで試しに「案件文の最後に応募方法等を記載しています」というワードで検索したところ、クラウドワークスのアカウントで「SokuhouVideo」というアカウントがこの定型文を使用している事が窺え、その他のアカウントは出てこない。またこの「SokuhouVideo」で検索すると「【主婦歓迎!】YouTubeの時事系ニュースの反応集の動画編集 ...」という検索結果が今現在は表示される。こちらの依頼も今現在は非公開になっているが、これらから考えると発注者は「SokuhouVideo」の可能性が高く、そしてこのアカウントは7つのYouTubeチャンネルを収益化し、海外の反応、ネットの反応などの解説・まとめコンテンツを主に扱っている非属人YouTubeチャンネル専門の運営者との事だ。わりとこのアカウント、もしくはそのサブアカの可能性が高いのではないかなと。憶測止め。ところでそもそも、この動画作成依頼自体は「高石早苗さんなど、著名人の時事ニュースの解説動画」であり、「ネットの反応コメントをコピペ」する動画だ。言ってしまえばあり触れた形式のネットの反応まとめ動画であって、探せばこういった動画(勿論、高市を扱っている)は普通に見つかる。この「依頼」をもってしてネット工作の証拠的に盛り上がるのは、陰謀論に片足を突っ込んでいる様なものだ。
 自民党のネット工作については、当時、というか今現在でもだが高市早苗を批判すると支持者からのリプライが多くつく事などから肌感覚的に「工作」ではないかという「感想」の様なものが一部で流布している。上記の依頼はそれを補強するものだろう。また過去にdappiという誘導的な国会切り抜き動画などを流布するアカウントがあり、このアカウントが自民党と取引関係のある企業内で行われており、それが業務として手掛けているのではないかという疑惑があった。またテラスプレスというHPがあったのだが、そのサイトは正直知名度が全くないにもかかわらず自民党内で冊子が配られるといった謎の現象が発生していたりした。いずれも社会的に完全な「黒」と断定されたわけではないが、dappiの話などは自民党のネット工作について限りなく黒に近いグレーを印象付ける存在へとなっている。ただこういった「自民党のネット工作」については雑な認識も多く、例えば2022年自民党総裁選における高市早苗を応援する同一テキストを集めが画像は一部の左派、リベラル系アカウントの中ではミーム化しており、ネット工作の証拠かの様に扱われているがその認識が無理くりであると言わざるを得ない。
 都知事選の石丸の時などにも話題になったが、ジャンルとしての「政治系動画」は動画サイトにおける人気コンテンツの一つであり、人気になれば相応の収入が見込めるものだ。「工作」でなくてもこういった動画を手掛ける動機は普通に存在するし(そもそも「高市早苗」の評価はどうあれ、今現在は「人気の首相」だ)、また稼げるならばクラウドソージングで外注する可能性は十分にある。ちなみにだが5月時点の話がnoteにおいて政治切り抜き動画で稼いでいる人間が記事を書いているが、その時点でもクラウドワークスに「政治の参考動画」で募集は出来なくなったが「Vrewの編集」など言葉を変えて募集をしていると書いてある。事程左様に政治系は再生数が稼げれば、金銭も稼げる部類であり、そういった面からクラウドワークスにおける外注依頼そのもので「ネット工作」かの様に語るのは強引といえる。実際のところ、こういった「ネット工作」については相応の証拠がない限りは推測で語るしかなく、またその様な工作が「確定」するような証拠が出るとは思えないので明らかにされる可能性は低いだろうが、筆者個人としてはこれをネット工作云々というのは弱い証拠による牽強付会に見える(【追記】反高市投稿への擁護側からの多数のリプライが「工作」という見方が一部でされている件については調べてないので何とも言えないが、もしもそういった「工作=仕事」と考えるならば該当アカウントを複数ピックアップしてその稼働時間帯、リプライを含めた投稿傾向などを調べなければならない。例えばそういった高市擁護のアカウントをスクショで羅列したのを見たが、そんなスクショに証拠能力は一つもなく、エコーチェンバー内の不信増幅画像にしか過ぎない。いずれにしてもコメント工作をもしも訴えたいならば、そこには実感以上の検証が必要だ)。今のyoutubeなどの動画サイトでは怒り、侮蔑、冷笑などの「注目」によって再生数を稼ぐことは金に繋がる。英オックスフォード英語辞典では2025年の単語として「レイジ・ベイト」(怒りを誘う餌)が選ばれたが、政治、迷惑な外国人、今回は触れていないがフェミニズム系の動画はこれに当たるだろう。ただ今回のこのクラウドワークスの依頼発見による「陰謀」への接続と怒りもまた「レイジ・ベイト」の一種なのではないかなと。



投げ銭用ページnote.com

検索

引用をストックしました

引用するにはまずログインしてください

引用をストックできませんでした。再度お試しください

限定公開記事のため引用できません。

読者です読者をやめる読者になる読者になる

[8]ページ先頭

©2009-2025 Movatter.jp