今回はファッションについてではないので
興味のない方は飛ばしてください。
坂本龍一さんがお亡くなりになって約2年半以上
が経つ。正直複雑な心境なのである。
私が会ったことのある坂本龍一は
すごく穏やかな人だった。
ほんの数分だけれど、2人だけで話すことが
できた。私は仕事中でファンだとは告げず
気付かずないふりをしていたが、
とても紳士的で優しい人だった。
私は筋金入りの坂本龍一ファンだった。
中学生のときに中谷美紀のファンになり
プロデュースしている教授のファンに。
過去のアルバムを買い漁り、近所のおばさんから
YMOのレコードを貰い、行けるコンサートも
全て行き、彼が好きだという音楽も聴いていた。
究極の音楽の先生だったと思う。
同じようなに教授がきっかけで色々な音楽に
触れることになった人は本当に多いと思う。
なんとなくおかしいなと思ったのは
Instagramでの様子だった。
2023年の3月過ぎから教授が
投稿をあまり見ていない…
タグ付けすると大抵みてくださるのだが
既読にならない。
惜しくもRadio Sakamotoの
最終回のパーソナリティが大貫妙子さんが
務められるとの告知があった。
その前の年末の配信コンサート(収録)の
様子で教授の体調が悪いのは分かっていた。
声も明らかにトーンが落ちていた。
なんとか…という気持ちしかない日々だった。
坂本龍一逝去後の動向
正直なところ、運営何やってるの?という
気持ちが大きい。
顔をプリントしたTシャツを12ヶ月連続で
発売するという話があり、私も当初購入していた。当時も炎上していたのだが、転売が酷く
買えない人が多く、再販するとのアナウンス。
(今年また大阪での展示でアナログ盤を会場限定で発売、当然ファンは買えず転売ヤーの餌食に
急遽、オンラインで終了後発売のアナウンス)
その後ソニープラザでの展示。
銀座の街には坂本龍一の広告が大きな
展示をされ、沢山の人が集まっていた。
大きな反響のあったあの東京都現代美術館の
「時を視る、音楽を聴く」展があった。
グッズ飛ぶように売れ、展示会場には
若い人やファンが多く訪れた。
展示は素晴らしかった。
何か違和感がある…
教授ってこんな人気あった?
確かに人気はあったし、
アカデミー受賞や規格外の快挙もあり、
ヒット曲も多数あるが、リアルタイムで
こんな崇拝されるような人だったかなと
いうのが素直な気持ちである。
(もちろんカリスマだったのだが)
晩年の教授の姿がまるで聖人のような
扱いを受けているのに違和感を感じた。
1990年代に坂本龍一という人をテレビや
メディアで見ていた人は分かると思うが
教授は流行りものが好きで俗っぽいイメージが
あった。晩年のあのイメージは
Out of Noise(2009)以降のイメージではないかと。
特にInstagramで若い世代の人が
坂本龍一スタイルのようなファッションや
教授に感動したみたいな投稿を
見かけるようになった。
「坂本龍一」って商売になってない?
いやそれでいいのか。うーん。
違う。消費されてるのが嫌なんだ。
教授ってすぐ消費されるようなものを
作るのが嫌だったはず。(少なくとも晩年は)
お金になって売れることは悪いことじゃない。
スタッフもいるし、レコード会社の方も
いる。なら何故こんな違和感があるのか。
Out Of Noiseのディレクターズ盤発売
教授の死後、どんどん色々な音源が出た
極めつけがOut of Noise(2009)年の
ディレクターズカット版とされる
Out of Noise-Rである。
このアルバム、名盤の誉れ高いと思うのだが
最後から2曲目の「to stanford」がカットされ
最後に当時発表されなかったボーナストラックが
収録されている。
この曲こそ、このアルバムの南極3部作から
終盤のハイライトの一つだと思うのだけれど、
本人の作曲じゃないから?
でもあんなにコンサートでも弾いてたのにな。
なんで削除?そのままの曲順でボーナストラックだけ足さないの?
という単純な疑問。
できたら生前本人の許諾を得ているのか
知りたいし、その後に発売された幾つかの
再販物も許諾してるのか知りたいものである。
何が言いたいのか?
モヤモヤするのである。
あんなに自分の音楽に誠実であった人が
死後のことも考えていないはずがない。
こういうことはしないようにくらいの
意思は告げているだろうと思っていたのだが
私のようなファンにはあまり伝わっていない。
まだ死去3年も経っていないという事実もある。
当然ながらあの映画を観たくないという
気持ちもある。
まだ3年経っていない、されど3年なのか。
私のiTunesの記録は今年も坂本龍一関連が
トップを占めているのだけれど。
(以上 敬称略)
追記
このnoteを公開するか悩みました。
数ヶ月下書きに残して置いたのですが
気持ちは変わらなかったので公開します。
坂本龍一展での一枚