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筋肉とTestosteroneは裏切らない!
Testosterone 今、「推し活界隈」に激震が走っている。
発端となったのは、このnoteだ。
俺も、とても興味深く読ませてもらった。
ざっくり言えば、「推し活は投資対効果(ROI)が悪い」「高学歴層は自分に投資するから推し活はしない」という主張だ。
だがしかし!
俺は推し活という行為そのものをめちゃくちゃ推している!
理由は、推しができた知人たちがみんな超楽しそうで、推し活を通して友達も増えてて、なんか若返ってて、推しを推すために仕事にも燃えててって感じで、推しの存在がその人の人生を良い方向に導いて幸せにする奇跡を何度も見てきたからだ!
推し活という行為を通して人生が変わるのなら、ROIめっちゃ高くない?って思うのだ!
その考えは今も変わってないし、記事に反論したいというよりは、引き続き推し活を全力で推していきたいので、今緊急で筆を取っている!
そして今回は、このテーマを語るのに最もふさわしい人物、
LINEヤフー(株)会長の川邊健太郎さんに来てもらった!

Testosterone:川邊さん、超お忙しいところありがとうございます!
今、推し活界隈がざわついているんです。
今ここで推し活愛を語らねばいつ語る!
っていう状況なんです。
川邊:テスさんこんにちは〜。僕も
推し活は人類史上最高のイノベーション
だと思っているので、“当事者“として興味深く記事を読みましたよ。
Testosterone: 人類史上最高のイノベーション!(笑)
川邊:はい。時代はAIと推し活です。
Testosterone: 間違いありません!なぜ推し活が人類史上最高のイノベーションなのかとことん語っていきましょう!
川邊:はい!
Testosterone: 川邊さんといえば、日本を代表する経営者でありながら、
ガチの「ハロプロ」オタクとしても有名じゃないですか。
びっくりするほど忙しいスケジュールの中「推し活」をしてると思うんですけど、それはなぜですか?記事にアンサーする形の質問にすると、ROIは良いのですか?
川邊:ハロプロを愛している私としては推し活はROIで語れるものではないのですが、
私が実際に「推し活」をして初めて気がついた「幸せとの関係性」について、ぜひ解説させてください!
Testosterone:よろしくお願いします!
川邊:実際に推し活にハマってみて驚愕したのは、
推し活とは「とてつもなく低コストで、効率的に至上の幸せが手に入る、極めて高度に商業化された仕組みである」という事実です。
Testosterone:低コストで幸せが手に入る……どういうことですか?
川邊:私のビジネスマンとしての人生と比較して説明しましょう。
私は学生時代に起業し、インターネット産業という荒波の中でヒットを飛ばすための手練手管を必死に覚え、戦ってきました。
その集大成として、最高の仲間たちと共に、「PayPay」という事業に数千億円規模の巨額を投じ、世の中に普及させることができました。
今、街中を見渡せば多くの人がPayPayを使ってくれている。その光景を見た時に得られる「達成感」や「幸福感」というのはものすごいんです。
仲間と一緒にがんばってそれが日本の社会のあり方を変える。
「PayPayのお陰で生活が便利になったよ」と感謝の言葉をもらえる。
こんな感動、なかなか味わえるものではありません。
今思い返しても最高にスリリングでエキサイティングな経験でした。
Testosterone:それはもう、とてつもない偉業ですよね。人生で一度でも経験できたら超ラッキーぐらいのイベントだと思います。
川邊:ところがですね……。
PayPayの成功で得られた幸福感と、たった1回アイドルのライブに行って「推し」が活躍している姿を見た時の幸福感。
この2つの幸福感が、「実はそんなに変わらない」という驚愕の事実に気づいてしまったんです!
Testosterone:いやいやいや(笑)
川邊:いやむしろ、瞬間的な「幸福のボルテージ」の高さで言えば、ハロプロのライブのほうが上かもしれない。
Testosterone:(爆笑)
川邊:これを聞いて「じゃあビジネスはがんばらなくていいや」とか「推し活だけしてればいいや」とは思ってほしくないんですけどね。
ただ、超現実的なことを言うと、人間の感情って最後はすべて脳内物質の話に集約されるじゃないですか。
ビジネスの成功もライブの興奮も、脳内で何らかの物質が分泌されて、
「ああ、幸せだ」と感じる。その仕組み自体は同じ。
もちろん、出ている物質がドーパミンなのかオキシトシンなのかセロトニンなのか、種類の違いはあるかもしれませんが、抽象的な概念としての「幸福」のメカニズムは同じで、脳内の生理反応です。
Testosterone:川邊さんの話を聞いて思い出したんですけど、「ダンバー数」で世界的に知られ、人類学のノーベル賞と言われる“トマス・ハクスリー記念賞”を受賞したロビン・ダンバーさんの著書に
『宗教の起源』
という本があります。
その中で彼は、
「宗教がなぜここまで広まり、人類にとって不可欠な存在になったのか」
という問いに対し、非常に興味深い仮説を提示しています。
結論から言うと、
鍵は“エンドルフィン” です。
エンドルフィンが大量に分泌されているとき、人は強い安心感・幸福感・一体感を覚える。
では、そのエンドルフィンはどんな時に出るのか?
ダンバーがわかりやすい例として挙げているのが教会の礼拝 です。
みんなで集まり、
同じ歌を歌い、
同じスピーチを聴き、
最後に全員でタイミングを合わせて「アーメン」と唱和する。
こうした 「隣の人と同期(シンクロ)している瞬間」、
あるいは 「集団で同じ行動を取っている状態」 が、
エンドルフィン分泌を最大化するというわけです。
そしてこの“集団シンクロ”によって得られる強烈な一体感こそが、
宗教という仕組みが世界中で巨大なコミュニティへと成長していった理由のひとつだ、とダンバーは説いています。
で、これって…
推しのライブと構造が一緒なんですよね。
アーティストの登場にみんなで合わせて歓声を上げ、
同じリズムで手を振り、
同じ歌詞を合唱し、
最後はみんなで「ありがとー!」と叫ぶ。
あの瞬間、空間にいる全員が“同じものを感じている”。
それって人類の生物学に根ざした“共同体の快感” なんです。
川邊さんもやはり、ライブ会場では周りの人と一緒になって“コール”とかやられているんですか?
※ここでいう「コール」とは、曲に合わせて観客が声をそろえて掛け声を入れたり、決まったフレーズを合唱したりする、あの一体感の象徴みたいなアレです。
川邊:愚問ですね。
ライブの真髄は「コール」にあります。コール、超楽しいんですよ!
脳内物質という観点でいえば、例えばそのライブでコールをしている時の高揚感を数値で「100」としましょう。
一方で、私が経営者としてPayPayという事業を立ち上げ、成功を仲間たちと祝い、街中の人たちがみんな「PayPay!」の決済音を鳴らしてくれている。その幸せの数値はだいたい103ぐらいです。
Testosterone:103!(笑)
川邊:ええ、3ぐらいしか違いません。いや、2と言っても過言では、、、
そう考えると、数千億円の勝負をして得る「102」と、単に対象を好きになって、コンサートに行って応援するだけで得られる「100」。
この2つを比較した時、手軽に100を得られる推し活の方が、
断然ROIが良いのでは?
とか思ったりするわけです。
Testosterone:しかも、PayPay規模のビジネスの成功を経験するのは極めて困難ですが、ライブは推しが引退しない限り何回も行けますしね。
川邊:そう、再現性が高いんです。
とにかく私が言いたいのは、現代における「推し活」というシステムは、人間の生理学をハックしたものすごい発明なんだということです。
Testosterone:同意です!
◆これからの時代「お金持ち」よりも「時間持ち」?
川邊:ハロプロの推し活をしてきて、ある心境の変化が起きているんです。
「これからはお金持ちではなく、『時間持ち』を目指すべき」だと。
「ハロプロの推し活をしよう」と思うと、必要なリソースはお金じゃなくて「時間」なんですよ、どう考えても。
お金があっても、ライブに行く時間、コンテンツを見る時間がなければ推し活は成立しません。
時間はどうしても制約事項になってしまうので、これからはお金よりも時間が欲しいなと切実に思います。
これはハロプロや推し活に限らず、今の時代は価値観として「お金持ち」よりも「時間持ち」の方が重要になってくるんじゃないかと。
Testosterone:大企業の会長が、推し活にもっと時間を使いたくて頭を悩ませてるの面白すぎます(笑)
川邊:面白くないですよ!僕にしてみたら幸福を左右する死活問題ですから!そろそろ推し活が最高ってことはわかってもらえたと思うので、ハロプロの良さについてもちょっと語らせてください。(圧)
Testosterone: 今回は推し活全般の話をしたかったのでハロプロの話は大丈夫です!
川邊:(Testosteroneを無視)
私が今応援している「ハロプロ」は、伝統的にファンにお金がかかりすぎないような配慮がなされているんですね。昨今流行りの「ダイナミックプライシング(需要に応じた価格変動制)」も導入しておらず、チケット代も良心的です。これってものすごいことだと思いませんか?!この判断を下せるのは、経営者視点で見ても、もはや神です!
Testosterone:え、そうなんですね!それは本当にすごいですね!僕も推し活はめっちゃ推しますけど、ファンからお金を搾り取るようなビジネスモデルは良くないなと思っており、その点ハロプロは素晴らしいですね!ハロプロに限らず、ファンの幸せまでちゃんと考えて仕組みが設計されているグループは最高ですよね。
◆結論
川邊:結論、私が言いたいのはこれです。
"Don't think,feel."(考えるな、感じろ)
ROIで物事を考えるのもいいのですが、まずは自分で体験してみてください。
自分でない主役に向けてみんなでコールした時の一体感はたまらんですよ。
先日も横アリでコールしてきました。 騙されたと思って、
L•O•V•E、ラブリー、まりあ! って、コール、してみてください
me, we
Testosterone&川邊:
推し活は裏切らない!
ここまで読んでくれたみなさんならお分かりと思いますが、川邊さん、めちゃくちゃ面白いのでXやYouTube、Podcastなどもぜひチェックしてみてください!