ただひたすらモイちゃんの服を見て解説していくエントリ
はじめに古参の皆さまに謝っておく。
俺は完全なニワカだ。
ニワカの俺が偉そうにWitch Watchを語ることを許してほしい。
ごめん。
ウィッチウォッチを今月(注:2025年4月)から始まったアニメ版で初めて見て、ニコ役の川口莉奈にやられた。
マジで良い。ああニコかわいい。川口莉奈の演技いい。
そしてニコまじポンコツ。ポンコツかわいい。
大好きな種崎敦美は売れっ子になりすぎ、素直に好きと言えなくなってきていた。いや大好きだけど。
俺はまほよめの智世のころからのファンなんだぞとか言っちゃいそうになる。かまそうぜ老害ムーブ。
言っちゃってるし、全然古参でもねーじゃねーか、という誹りは甘んじて受ける。
ので、これからは川口莉奈も推す。
とにかく、彼女をニコ役にキャスティングした人と、川口さんご本人には感謝の気持ちを込めてアンティークフレンチリネンのワンピースを贈りたい。
え?
贈るものが怖い?
それには理由があるんだってばよ。
きっかけは1話のエンディング
エンディングっつーか、あれ2話以降のオープニングだよねたぶん。
開始後9秒あたりで登場するモリヒト、Saint Jamesのボーダーバスク着てない?
あ、le minorかもしんないし、orcivalかもしんない。
ま、あとでセントジェームズってわかるんだけどさ。
お前は何を言っているんだ、という洋服好き以外の方に説明する。
モリヒトが着ている、ボーダー(しましま柄)のTシャツみたいなやつ。
あれだ。
俺らが日常的に着るTシャツやポロシャツ、スウェットなど編み物の生地を裁断して(cut)縫った(sewn)衣服をカットソーと呼ぶ。
つまりボーダーのカットソーを着ているわけだが、ひとくちにボーダーのカットソーと言っても、そこにはいくつか種類があり、モリヒトが着ているものはバスクシャツと呼ばれるものなのである。
首まわりが横方向に空いているものをボートネックといい、ボートネックにコットンでガサッと編まれた独特のラッセル生地、そしてボーダー柄という条件を備えたカットソーをバスクシャツという(無地のものもあるのでボーダーは必須というわけではないが)。
フランスとスペインの境界あたりバスク地方で主に船乗りや漁師が着ていたとされ、のちにフランス海軍の制服にもなった。
そして
・saint james セントジェームス
・le minor ルミノア/ルミノール
・orcival オーシバル/オーチバル
この3つが、バスクシャツの3大メーカーであると日本ではよく説明される。
モリヒト、Saint Jamesのボーダーバスク着てない?
あ、le minorかもしんないし、orcivalかもしんない。
ま、あとでセントジェームズってわかるんだけどさ。
冒頭の、俺が早口にしゃべった魔法の詠唱みたいなやつ、バスクシャツのメーカーだったのである。
saint james セントジェームス
le minor ルミノア
orcival オーシバル違いがわからない!!という方、安心してください。
遠目には俺にも見分けられない。
そしてこの3つ、どれも左上腕のあたりにブランド名が入った小さなタグが縫い付けられているのがわかると思う。
OP映像のモリヒトのバスクシャツの左袖にはこのタグが描き込まれているのだ。
服好きがこれを見るとこの3つのブランドが一瞬で思い浮かぶのだが、カットソーの左上腕にタグを描き込んでいるアニメや漫画を今まで見た記憶がない。
そこで働く俺のセンサー(ぴっこーん)
絶対服好きだろこの作者
見つけてみせるぜそのアンサー
こりゃすぐ原作読むしかないな
ってフロウしたくなるじゃん?
え?ならない?
普通にオープニング映像もめちゃめちゃいいしね。
負けインのOPもかなりよかったけどそれに匹敵する。
んで、1話見終わって。
ジャンプ+で数話無料で読んで、
秒で全巻買ったよね。
江口寿史とか窪之内栄策に通じるようなイラストレーションみのある線のきれいな絵柄もめっちゃ好き。余談だがツルモク独身寮は俺のバイブル。
で、読むじゃん。
ガチじゃん。
第1話
第1話当然のように原作でもさ、モイちゃんさ、ボートネックのカットソー着てるよね??
いやまさか。
そんな細かいディテイルの書き込みする??
まあまあ落ち着け。
偶然ボートネックのような服を着ていただけかもしれない。
これだけで服ガチ勢かどうかの判断は時期尚早というもの。
読み進めよう。
第1話うん、ガチだね。
モリヒトお前、saint jamesかle minorかorcival着てるじゃん。
orcivalは左裾に蜂みたいな紋章みたいなのついてる(後述)から、前2者のうちのどっちかだな。
のちのちsaint jamesだってわかるんだけどね(2回目)。
こうなるとさ、履いてるパンツもさ、なんかウォバッシュみたいに見えてくる。
これがウォバッシュ1900年代初頭にワークウエアとして使用された生地がウォバッシュ。
インディゴ一色に染められた生地にドットストライプ柄を抜染してつくる。戦前のレイルローダーのユニフォームとか要はワークパンツに使われてた生地なんだけど、1960年くらいで消えたといわれてる。
こいつァ読み進めていくのが楽しみだぜ!!!
2話
2話 モールスキンジャケットとジャーマントレーナーガチだーーーー!!
確定だよーーー!!!
作者の篠原健太さん、ガチだよこのひと!!
この全身のコーディネート見たらすぐわかる。
俺でなきゃ見逃しちゃうね、とかいうレベルでなくすぐわかる。
絶対ユーロ古着好きだろ。
なぜそう言い切れるか説明しよう。
このコマでモイちゃんが着ているのはおそらくフレンチワーク独特のインクブルーのモールスキンジャケットであり、履いているスニーカーはジャーマントレーナーというスニーカーなのだ。
(追記:4/14午前1時、2話目を見たらオープニング曲の冒頭にしっかりジャーマントレーナーも描かれてた。セントジェームスに気を取られて完全に見落としてた)
このあたりはもう形態学の世界であり、古着好きが見たらほぼそれだけでどういう服なのかがわかる、という現象が発生する。
バードウォッチャーが鳥を見て種類を同定できるのと同じだ。
このジャケットはモールスキンジャケット特有のデザインをしており、モールスキンジャケットのほとんどがインクブルーと呼ばれる色合いなので、カラーではない原稿にも関わらず俺は色まで特定したのである。
ジャーマントレーナーも特徴的なデザインなので特定容易。
この組み合わせ(というか特にモールスキンが)、どっぷりヨーロッパの古着が好きじゃないとありえないコーディネイトなんだよね。
どういうことなのか、ここでまた解説を入れる。
ビンテージのフレンチのモールスキンジャケットは普通の服好きが選ぶアイテムではない。
モールスキンジャケットは着ているだけで、だいぶこじらせているのがわかってしまう、本当にヨーロッパの古着が好きな人だけが選ぶアイテムだ。
服に興味を持ち始めたばかりの人間や少しかじった程度の人間が「これいいよね」となるような服では絶対にないのである。
服好きを自称しているひとですらその存在を知らないことも多く、古着の世界にある程度足を踏み入れていないと触れることすらないものなのだ。
なぜそんなことが起こるかというと、世の古着屋の大半の商品はいわゆるアメカジの製品だからだ。
世間のひとびとが古着と聞いてイメージする、ひび割れたロゴのプリントのスウェットや着古されたネルシャツはほとんどがアメリカに端を発する洋服で、したがってほとんどの古着屋はアメカジメインの店、ということになる。
もちろんイギリスやフランスなどのヨーロッパの古着も混じってはいるが、それらはユーロ古着として区別されて陳列されたりするくらい古着の中でもジャンルが異なるものなのである。だから古着が好きでもある程度掘っていかないとユーロ古着にはたどりつかず、たどり着いた後もある程度掘り進めないとフレンチワークというジャンル、モールスキンジャケットというプロダクトには出会わないことが多い。
このあたりは通う古着屋にもかなり左右されるので個人差はあると思う。
初心者にいきなりフレンチワークをゴリ推ししてくるような店はまずなく、あったとしたら多分、店長はどこかの魔女にポンコツな魔法をかけられている。
そしてここで勘違いしないでほしいのだが、俺はモイちゃんをつまりは篠原先生を貶しているのでは決してない。
褒めている。
モールスキンジャケット 仙台の古着屋ann-treさんから引用モグラの皮膚みたいな生地感だからモールスキン。
フレンチワークの代表。
インクブルーと称される紫がかったやや明るいブルーが特徴的。
有名なメーカーとしてはモンサンミシェル(LE MONT ST MICHEL)がある。
ブラックのモールスキンもなかなか味わい深い。
今後も唐突に解説が入るのでよろしく。
ジャーマントレーナー1950年代~1990年代、東ヨーロッパ(主にチェコ、スロバキア、ボスニア)には大規模な靴の製造工場が数多くあり、良質な軍用シューズを生産することで知られていました。ドイツ軍は兵士に配給するジャーマントレーナーを、ヨーロッパ各地の靴工場へ入札形式で製造の依頼をし、兵士は配給されたジャーマントレーナーをトレーニングシューズとして使用していました。ジャーマントレーナーは、スロバキア、ポーランド、ボスニア、ポルトガルなど、ヨーロッパ各地の靴工場で作られていたようですが、製造終了後すぐにすべての機材を廃棄していたので、直近のモデルしか残らず、過去に製造していたジャーマントレーナーの詳細は謎のままです。1994年、タナカユニバーサル社の創業者であり伝説のシューズデザイナーとしてすでに世界で活躍していた田中清司が、ジャーマントレーナーを製造し終えた靴工場で廃棄前の機材を発見し、それを基にジャーマントレーナーを作り始めました。
タナカユニバーサルジャーマントレーナーも、1足目に選ぶ靴では決してない。
服がだいぶ好きな、それも、それなりに酸いも甘いも通ってきた人間にしか選ばれない靴なのである。
ナイキもアディダスもコンバースも通らずいきなりジャーマントレーナーを買うやつがいたら、そいつもどこかの魔女にポンコツな魔法をかけられている。
つまり、モールスキンジャケットにジャーマントレーナーという組み合わせは見る人が見れば、それだけで拗らせたチョイス、コーディネイトというわけだ。
100歩譲ってジャーマントレーナーだけならそこまで拗らせてるとも言えない。
なぜなら現在、そこらへんのセレクトショップにはジャーマントレーナーのレプリカやそれを元ネタにしたスニーカーが普通に売られているからだ。
何も知らずかっこいいと思い、買うということは全然起こりうる。
ただしモールスキンジャケット、テメーはダメだ。
こいつに偶然遭遇するなんてことはあり得ない。
野生のモールスキンジャケットがとつぜん襲いかかってきた!というエンカウントは絶対に起こらないのである。
ジャーマンとモールスキンが組み合わされることで生じる破壊力は、相加効果にとどまらない、つよつよ相乗効果を生み出す。
要はオタクみが爆上がりするのである。
繰り返すが褒めている。
で、俺は作者がわりとガチのユーロ古着好きであるという確信を得て、物語を読み進めつつ、モイちゃんの格好にも注目しつつ、スクショを撮りためていった。
普通に漫画としても面白すぎてついモイちゃんの格好を見忘れて数話読み進めてしまうということがたびたび起こった。
それくらい面白い。
40代の漫画好きにもめちゃめちゃぶっ刺さると思う。
実在のアニメや界隈をネタにしまくるのは個人的に大好き。
われわれが若き日に見た作品のパロディが様々にちりばめられているし、完結して間もないものも堂々とネタにしていて清々しい。
銀魂の空知英秋先生のアシスタントをされていたんですね篠原先生。
で、6話なのよ
6話早々にカミングアウトきた。
思った通り過ぎた。
6話 モンサンミシェルじゃなくてアドルフラフォンだった・・・!篠原先生・・・・
あんた漫画で何やってんだよ!!!!
ビンテージフレンチワークの雄、Adolf Lafont(アドルフ・ラフォン)。
少年誌でやるにはマニアックすぎる。
先のモールスキンジャケットの解説でもフレンチワークの代表的なメーカーとして俺は敢えてモンサンミシェルしか挙げなかった。
だってまさかジャンプ連載作でアドルフ・ラフォンの名前を出してくるなんて思わないでしょ。
普通モンサンミシェルだよ。
頭おかしいよ篠原先生ェ・・・・(泣きじゃくりながら)。
さ、さあ、気を取り直して、さくさく、いくよ!!
でも多すぎてさくさくいかねンだわ、これが。
ちなみに古着界隈では100年を過ぎたものをアンティーク、50-100年くらいのものをビンテージとざっくり定義することが多いです。
8話
8話次はグランパシャツかよ・・・・。
マジもんのガチじゃん・・・。
スウェーデン軍とかスイス軍のものが有名で、簡単に言えば丈の長いプルオーバーシャツになる。プルオーバーというのはボタンが胸のあたりまでしかない、頭からかぶって着るシャツの種類の名称です。
そして裾に長めのスリットが入ることが多いのも特徴的。
つまり
・着丈の長い
・裾のサイドに長めのスリットの入った
・プルオーバーシャツ
がグランドファーザーシャツとかグランパシャツと呼ばれている。
グランパは大きく分けると普通のカジュアルなやつとミリタリーものに分けられるけど、カジュアル物もミリタリーからの派生。
近年のオーバーサイズ流行りとマッチして今着るのは全然ありだと思うが、実際に着るとモイちゃんのようにかっこよくならないのはなぜなんだぜ??
モイちゃんがかっこよく見える理由は最後らへんで説明するね。
1950年代のsweden軍のpull over shirtモイちゃんのこれミリタリーものかなあ。
でも似たようなのはほかにもあるしね。
どんどんいくのよ。
10話
10話ヘインズか?
パックTなのか?
1パック3枚セットヘインズかどうか全く判別する術がないが、そんなことはどうでもいい、ぐいぐい進めさせてもらう。
なお3Pのヘインズはユーロでも古着でもないが鬼ファッション界隈の十二鬼月ともいえる高レベル者モイちゃんが着る白無地Tシャツには何か意味があるに違いないという俺の完全な妄想のもと早口で解説する。
無地の白Tというのは服好きの試金石、一種の篩となる。
ほぼ全てが同じに見える無地の白Tだが、同じがゆえに何を選ぶかが問われるのだ。
シルエットにこだわる、素材にこだわる、ブランドにこだわる、編みにこだわる、いくらでも追求ポイントがある。
白T専門店があるくらい、なかなかにディープな世界なのだが、1周もしくは2-3周したのちにたどり着くと、なんかわかってる感を醸し出せるのがヘインズのパックTなのだ。
プラダの白T(139000円になりまーす)とブルネロクチネリの白T(115000円でーす)が醜い争いをしている横で、何の意匠もなくチープな工業製品であるヘインズパックT(1枚あたり520円)、こいつを無造作につかみ無頓着を装って頭からかぶったあと、気怠そうにこう言ってやるのだ。
俺もさ、今まで数え切れないくらいいろんなTシャツ着てきたよ・・・でももうパックT(コイツ)でいいやって領域(トコ)まで来ちゃったんだよね、と。
ケイゴじゃん。
これはいわば、LV99ひのきのぼうでのゾーマ殺しなのである。
エクスカリバーで神を屠ったところで、それは借り物の力で力をねじ伏せたに過ぎない。
こじらせた服好きはユニクロでギャルソンを倒すのだ。
15話
15話ストライプの多分バンドカラーのロングシャツ。
バンドカラーってのは襟のないデザインのことね。要はグランパシャツです。
アイルランド製下はジーンズかな。
サンダルはわかんないのよ。
実はニコもかわいい、たぶんリネンのワンピース着てるんだよねいつも。
6話でフランスのひいおばあちゃんのおさがりっていってたし。
てか、ニコにはフランス人の血が流れてるってことだよね?
現代の日本に魔女っ子設定を違和感なく持ち込むために、出自に魔女の本場ヨーロッパのDNAを潜ませるという手法には脱帽せざるを得ないし、当然2人の親同士の関わりにもヨーロッパ要素を織り込むことができる。
するとモイちゃんパパがユーロ系の服を持っていることに必然性が生まれ(もともと好きなだけかもしれないけど)、それを受け継いだモイちゃんが高校生にも関わらずユーロ古着を好きになるのもなんら不自然ではないという一連の見事な流れは、まさにパリの街を静かに潤すセーヌの流れさながらであり、ニコに流れるフランスの血脈はモイちゃんのキャラ設定をエッフェル塔のごとく力強く立ち上がらせているのである。
篠原先生こわいよォォ(嗚咽
19話
19話
19話マルチストライプっぽい。
これも多分バンドカラーロングシャツ。
アイルランド製 LEE VALLEYかばんはフランス軍のM38 ブレッドバッグ(bread bag)かなあ。
似てるけどちょっとサイズ感が違う?
もしかしたら小さいサイズのとかもあるのかもしれない。
40-50年代 M3821話
21話
30話若干袖が長めの半袖のセントジェームズと言えばピリアック(商品名)かな。
モイちゃん、ちょいちょい着てるのよ。
ピリアック半袖には一応ウエッソンとピリアックがあって生地の薄さが違うんだけど、さすがに生地の厚みまで読み取れねえ。
漫画のキャラが着ている服の生地の厚さを読み取ろうとした人間は俺が世界で初めてなんじゃないだろうか。
33話
33話お・・・ロング丈で襟がラペルみたいになってる。
多分パジャマシャツじゃないかな。
60年代 ヘインズ裾のディテイルはグランパシャツだから、篠原先生は普通の襟として描いたのを俺がラペルっぽく読み取っただけなのかもしれない。
古着界隈でパジャマシャツといえばNirvanaのカート、試験の頻出問題です。
Kurt Cobain RIPそしてデニムとジャーマントレーナーかな。
33話
33話ヘンリーネックシャツですね。
胸元がボタンで開きになっている下着のことです。
細かなディテイルがわかんないけど、バランス的に3つボタンで長めの開き、モイちゃんの好みからするとミリタリーっぽい。
袖を捲ってて袖口の仕様も見れないから確定ではないけど、おそらく軍ものでsleeping shirts スリーピングシャツと呼ばれるものでしょう。
最近はロシア軍のスリーピングシャツが人気みたいですね。
russian militaryモイちゃんの趣味的にはUSではないような気がする。
USミリタリースウェーデン軍のM-55とかも人気。
SWEDEN軍 M-55
50-60年代 sweden軍 サーマルシャツ40話
40話無地のセントジェームズですね。渋い。俺も大好き。
ウエッソンかピリアック。
ピリアックピリアックの生地は薄いので正確にはバスクシャツとは言わないのだろうが、とても着やすいので正直ウェッソンより俺はピリアックのほうが好き。
特に半袖は。
でもモイちゃん原理主義者っぽいからウェッソンかもしれない。
はいここで50話です
50話ねえマジで篠原先生ジャンプで何やってんだよ
「セカンドウォッシュを行うと言ってるんだ!」じゃないのよ。
ジーンズ入門編としてなかなかよいのでみなさん課金して読んでください。
50話この50話、Tシャツはカンニコチャンネルの公式(?)Tシャツで草。
今後もちょいちょい着てくる。
ここでLVC 47モデルについて一言解説。
LEVI'SLVC 1947モデルジーンズのオリジネイターは言わずと知れたリーバイスである。
ジーンズが誕生してから150年余り、リーバイスはこの150年間でさまざまなジーンズを生産してきた。その代表が501と呼ばれるジーンズである。
なかでも1890年頃から1960年ころまでに生産された501はビンテージと呼ばれすべてのジーンズメーカーのお手本となっている。
LVCというのは現在のリーバイスの中のLevi'sVitageClothingというラインで、そもそもジーンズのオリジネイターであるリーバイスが自らのビンテージを復刻しているラインだ。
そして1947年というのは、辛く激しい第二次世界大戦が終わり、物資の厳しい使用制限が解除され、それまで様々に試行錯誤されたジーンズのディテイルが現在の形になった、いわばジーンズが完成し最終形態となった年なのだ。
モイちゃんの履いているLVC 47モデルというのはそういう意味合いを帯びたジーンズなのであるのである。
どこが一言だ。
54話
54話マイクロチェックっぽいグランパシャツ。
パンツのスクリーントーン(なのかデジタル処理なのか)がデニムと同じ感じなのでジーンズかな。
54話セントジェームズに・・・・ショートスカーフだと・・・?
小粋・・・!小粋(エスプリ)なのよ・・・・!!
こんな高校生いてたまるか。
61話
61話ストライプ、バンドカラーのプルオーバーロングシャツ・・・かな。
でもあんまり裾が長くないし、スリットも浅めだし、フィッシャーマンシャツかな?
70年代ドイツ フィッシャーマンシャツ64話
64話
64話バンドカラーのロングシャツで右胸にワークっぽいフラップ付きのポケットがある。
あんまりこういう個体見たことないなあ。
1940年代 sweden軍 グランパシャツカーキならあるんだけど、白は普通の襟のシャツしか検索にひっかからなかった。
それにしてもグランパシャツは本当にモイちゃんの定番ですね。
なんか俺も着たくなってきたのよ。
69話
69話長袖のセントジェームズ。
ウェッソンかモーレかな。
ウエッソンモーレはピリアックの長袖版。
繰り返すがウェッソンより生地が薄い。
71話
71話 白無地Tヘインズ・・・の話はもういいか。
71話ユーロものでラペルで胸ポケしかないジャケットって、わりと特殊じゃない?
これくらいしか見つからなかった。
50年代 ヘリンボーンツイル フレンチワークジャケットM43かとも思ったけど、M43はUS ARMYだしなあ・・・。
リーバイスとかデニムの色落ちとかも好きみたいだからアメリカ物が混じっても別におかしくはないんだけどねえ。

75話
75話 セントジェームズ 無地長袖
まあまあ洋服回 76話
76話デニムの履きおろしレクチャー回。
デニムの書き込みがなかなかえぐい。
好きな人じゃないと絶対かけないやつ。
参考に俺のジーンズ載せとく。
ビンテージではなく現代のジーンズ。
岡山のworkersというメーカーの805という品番で、5年くらいかなりの頻度で履いたもの。
鬼、ではないマイルドめなヒゲ
ハチノスと言えるほどでない膝裏の色落ちでもデニムだけじゃない。
どの服も愛をもって描かれてるなあと思う。
79話
79話
79話久しぶりのモールスキンジャケット。
覚えましたね?
アドルフ・ラフォンです。
上のコマ、襟や縫製の色の抜け、いわゆるアタリが細かく描かれていて、ひときわ愛を感じるのは俺だけではないはず。
アタリについて話そう。
おそらく多くの人が1本は持っているデニムで説明する。
ジーンズの後ろ、腰のあたりに2本の縫い線が交差するところがあるがこれをバックヨークという。
新品のデニムのバックヨークたいていの洋服は着込んでいくうちに着用に伴う擦れや洗濯の影響で多少なりとも色が落ちていくのだが、デニムやモールスキンのようにコットンの製品はそれが顕著で、しかもビンテージの製品はその時代の染料の性質上、かつ経年変化でさらに色落ち・変化が目立つ。
アタリジーンズを履きこんでいくと、どうだろう、上の画像のように色が落ちたところと残ったところがウネウネとした表情を見せるのだ・・・(恍惚とした表情を浮かべて)。
こ、これをアタリとかパッカリングと呼ぶのである。
俺の語感としてはアタリは色落ちを伴うもの、パッカリングは縫製に伴う形状の変化を指していると捉えている。
上のコマをもう一度見てみると、肩と袖の縫製のところのアタリや襟のあたりを感情豊かに描いているのがわかる。
ただ写実的に描いたのではない。
内からあふれる情熱が描かせたに違いない
ここをきっちり描きこむ漫画家は皆無と言っていいのではないか。
ここ!!中に着てるのは首の開きからバスクシャツ。
最初に勉強したようにセントジェームズかluminorかorcival。
胸元と肩口が無地なのでセントジェームズならナヴァルという商品名、ルミノアは製品に固有の名称がないのかなパネルボーダーシャツ、OrcivalならRachelという商品名です。
2枚目のほう、無地になってますが多分書き忘れです。
saint james naval82話
82話まず目に入るのが軍パン、いわゆるカーゴパンツですね。
いつか絶対来ると思ってたM-47。
M-47 後期型1947年から1960年代にかけてフランスで生産されていた軍もののパンツで通称M-47。
縫製の良さなどからミリタリーの最高傑作ともいわれ、サンプリングするメーカーは数知れず。
微妙にテーパーしてるようにみえるのでM-47の後期モデルかな。
前期はもっと腿と裾の幅の差が少ない太めのズドンとしたシルエットが特徴。
M47 前期型M-47といえばAutomaticの宇多田ヒカルですね。
これ、M-47だと言われています。真偽はわかりません。そしてsaint jamesのnavalかと思いきや!
左裾に小さな何かがついているのがわかるだろうか。
Orcivalです。
orcivalMen's Rachel Basque Shirtということは79話のバスクはセントジェームズではなくOrcivalだな。
83話
83話このトップスがちょっとわかんなかった。
UK フィッシャーマンスモックスモック系のシャツだよね。
ぱっと見はフィッシャーマンスモックかなと思ったんだけど。
襟の羽根はなさそうで、右裾にポケットもある。しかもフラップ付き。
わかる人いたら教えてください。
スニーカーはジャーマントレーナー。
91話
91話セントジェームズ+デニム。
92話
92話セントジェームズ+M-47。
98話
98話モールスキンジャケット+インナーわかんない+デニム+ジャーマントレーナー。
これまであまりクルーネックのインナーが出てきてないので特定不可。
ちょっとモックネックにも見えるな。
101話
101話セントジェームズ率高い。
104話
104話久々のグランパシャツと思いきや丈があまり長くない。
バンドカラーに少し持ち出し(チンストラップ)がついてるようにも見える。
チロリアンシャツかな。
オーストリアとか山岳地方の民族的なシャツ。
刺繍が特徴だけど割とシンプルなのもある。
61話のフィッシャーマンシャツかもしれない。
60年代のチロリアンシャツ105話
105話
61話と同じ?やっぱり61話の時に着てたシャツっぽいかな。
スニーカーはいつものジャーマントレーナー。
106話
106話左裾に注目。Orcivalですね。
はい来ました洋服回 106話
106話モイちゃん・・・
癖ェ・・・
106話ていうか篠原先生あんた何やってんだよ。
でも・・・!
わかる、わかるのよ!!
このニコは萌える。
でもあまりにも癖がダダ洩れすぎなのよ。
108話
108話偶然にもインディゴリネンスモックにあてられて魂が抜けたモイちゃんみたいになった。
左裾が隠れているが、オーシバルの可能性が極めて高い。
同じ色デザインで違うメーカー2枚持ちはお金のない高校生モイちゃんには厳しいはず。
スニーカーはジャーマントレーナー。
モイちゃんジャーマントレーナーで1点突破してるのすごく高校生っぽい。
そう、意外とモイちゃん持ってる服の数も多くなくて、そのあたりも高校生らしさ、というかリアル感まで計算して出してそうで篠原先生ヤバい。
108話ひさびさのスウェーデン軍ロングプルオーバー(推定)。
112話
112話モールスキンジャケット+インナーはネックの開きからセントジェームズっぽい。
トートはビーントートだろうか。
でもなあ、LLビーンはアメリカなんだよなあ。
L.L.BeanSolid Boat and Tote114話
114話これは見た瞬間わかるね。
フランス軍のスモックパーカーだ。
60年代 フランス軍スモックパーカー山岳部隊用として使われていた。
山岳地で戦闘を行う空挺部隊にも支給されてたらしい。
アルパインパーカとかアルパインスモックパーカともいう。
モイちゃんが着てるとかっこいんだけどなあ。
けっこう縦のラインが強くて俺は着てもあんまり様にならなかった。
127話
127話これ50話のリーバイスLVC47モデルだね。
スニーカーはモイちゃんの大事なジャーマントレーナー。
132話
132話上はいつものセントジェームズ。
ちゃんと左腕にタグが付いてる。
それから、おー、ベイカーパンツみたいなの履いてる。
これは初出だな。
ベイカーパンツは1940年ころにつくられ始めたといわれている。
パン職人が履いていたパンツが語源らしい。
バックポケットのフラップとパッチポケットの前ポケが特徴。
前のビューがあったら確実に判別できたんだけど。
これは古着ではなくWorkersの133話
133話両胸にフラップ付きのポケット、深めのスリットがはいったグランパシャツ。これは特徴があるからM-35だってすぐわかる。
1940年代 フランス軍 M-35
Nigel Cabournグランパシャツこれは古着じゃなくてナイジェルの。
ナイジェルケーボンはイギリスの洋服メーカーでデザイナーがめちゃめちゃビンテージマニア&コレクター。ビンテージを元にした服を作ってる。
139話
139話Vネックの長袖+デニム。
Vネックはここが初出のはず。
141話
141話さすがにわからん。
デニムとジャーマンはいつもの。
144話
144話柄物のニットが出てきた。
ヘリンボーン柄っぽいな。
ぱっと思い浮かんだのがラルフの古着なんだよな。
でもラルフもアメリカだから多分違うんだよな。
ラルフローレンLL BEANのクラシックラグウールセーターのバーズアイ柄では?というご意見をいただきました。
アメリカものだけど可能性はある。
柄をヘリンボーンと捉えてたので候補に挙げなかった。
LL BEANウエインセーター調べてみたらハリウッドランチマーケットで扱ってる現行品のウェインセーターがすごく似てた。
情報ありがとうございました!
147話
147話モールスキンジャケット+ハイネックのインナー。
パンツはわかんない。
147話お、スエットだ。
Vガゼットがある。
背中のデザインとか袖付の仕様がわかればもう少し特定できるかもしれない。さすがにこれでは古着か現行品かはわかんない。
150話
150話またハイネック気味の何かを着てる。
なんとなく裾はリブっぽくね?
147話でモールスキンジャケットの中に着てたやつっぽくね?
モリヒトさんははかれない。
152話
152話何の変哲もないパーカ。
フーディって言うな。
152話
152話前述144話のセーター。
古着の中でもニット類は特定難しい。
153話
153話もう覚えたよね。
セントジェームスなのよ。
153話モールスキンジャケット+セントジェームズ+ジャーマントレーナー。
154話
154話セントジェームズ+デニム。
155話
155話133話でも着てたグランパシャツ、M-35。
155話え?チャンピオンのスエット?
急に?
しかもネックとリブがカラーのやつ。
90年代が懐かしいのよ!!
90年代のチャンピオンVネックやスウェットはカンシやケイゴからの借り物では?というコメントをいただきました。
確かにそうかも!!
その視点はなかったなあ。
すごい。
157話
157話ストライプのプルオーバーシャツ。
61話、105話のやつですね。
モイちゃん基本かぶりのトップスしか着てない。
157話ちょっとネックが広いモックネックかな。
ボートネックにしては少し狭い?
161話
161話スウェーデン軍(推定)グランパシャツ+ちょっと丈短めパンツ+ジャーマントレーナー。
もう明日にでも俺グランパシャツ買ってこようかな。
ずっと見てたら欲しくなってきた。
164話
164話安定の組み合わせ。
セントジェームズ+デニム。
167話
167話の扉絵にはインディゴ染めみたいなストライプのバンドカラーグランパシャツ+M-47+ジャーマントレーナーという素敵なモイちゃんが描かれているのですがネタバレを含む構図だったので割愛しました。
167話
167話はいここでセントジェームスであることが確定するわけですね。
168話
168話グランパグランパ。
169話
169話セントジェームス。
セントジェームズなのかジェームスなのかははっきり言って日本の表記も発音も一定していない。
英語の発音のルールではmのあと、つまり有声音のあとのsなのでズが正しい。
スになるのはsの前が無声音の時だけ(例:speaks スピークス)。
だけどsaint jamesは公式サイトの表記すらジェームスになっている。
だからどっちでもいいと思う。
そもそもフランス語読みだったらサンジャムだろうしね。
海外の人もけっこうまちまちに発音しているらしい、というのはどこかで目にした。
170話
170話グランパシャツ+デニム+ジャーマントレーナー。
お待ちかね洋服回 171話
171話
171話133話で出てきたシャツ、やっぱりM35で正解。
114話のパーカーもアルパインスモックでしたね。
さすが俺。
171話グランパシャツ+ベルギー軍のパンツ+ジャーマントレーナー。
上のコマだと左腿にカーゴポケットがないので何のパンツか同定できなかったんだけど、この171話の中でモイちゃんが履いてるパンツがベルギー軍のものだ、というシーンがある。
171話1960年代のイギリス軍のパンツが元祖と言われている。
P1960とかフィールドパンツ、フィールドコンバットパンツなどと呼ばれることもある。
左右非対称のポケットが特徴。
ベルギー軍 フィールドコンバットパンツ P1960裾にアジャスターがないので、同じ軍パンではあるものの先のM-47とはこの点で鑑別ができる。
171話このシャツ初出。
171話はガチの洋服回なので、このシャツについてはぜひ課金して読んでください。
ここでやっとわかった。
ずっともやもやしていた既視感。
こち亀なのよ。
両さんが中川たちに丁寧に界隈の知識を教えてあげるが如く、モイちゃんもカンシたちに知識をシェアする。
読者も置いてけぼりになることなくその分野のディープな一端を垣間見ることができる優しい世界。
秋本先生、先生のDNAは次世代に確実に引き継がれてますよ。
172話
172話セントジェームス+M-47。
174話
174話M-35。
176話
176話セントジェームス。
186話
186話黒無地のクルーネック+リーバイス47年モデル
187話
187話
187話やっぱりベーカーパンツだったのよ。
上はタグの書き忘れかな、セントジェームス。
まとめ
モイちゃんたちは高校生なので、学生服の回も多い。
学生服やジャージなど、学校で着ているものを除いて、拾えるほぼすべての私服を取り上げた。
ざっくりまとめると、
【トップス】
バスクシャツ、グランパシャツ、モールスキンジャケット、アルパインスモック、M-35
【パンツ】
デニム(リーバイス1947年モデル)、M-47、ベイカーパンツ
【スニーカー】
ジャーマントレーナー
がモイちゃんの基本ラインのようだ。
先にも述べたが、そこまでべらぼうに多い数の服を持っているわけではないようで、いろいろ組み合わせながらコーディネイトしているのがよくわかった。
ヨーロッパの古着という軸がきちんと1本あるので、かなり統一感がある。
こんな高校生いたらマジすげえ。
そして最後に、モイちゃんの格好についてかなり大事な点に言及したい。
それは着こなしだ。
当アカウントは恥ずかしげもなくコーディネイトの自撮りを晒しているアカウントだ。
だから俺が思うモイちゃんの着こなしのうまさについて述べないわけにはいかない。
尋常じゃない文字数で俺に説明されるまでもなく、読者のみなさんはなんとなしにモイちゃんてオシャレじゃね??と感じていたのではないだろうか?
当然生身の人間ではないし、頭部も小さく、手足は長く描かれているのでそれだけでおしゃれには見えるのだが、何よりその着こなしに理由があるように俺は思う。
ひとつめは袖。
モイちゃんはかなりの確率で袖を前腕の途中くらいまで捲っている。
あれがかなりバランスを良くしている。
特に着丈の長いグランパなどは袖を捲ることで野暮ったさがなくなる。
そしてふたつめはパンツの丈である。
くるぶし丈くらいであまりもたつかせないパンツが多く、長くてもワンクッション程度、ジャーマントレーナーはいつもその姿をしっかり見せている。
だらしなさがないのだ。
袖を捲るとなぜ野暮ったくなくなるのかについて明確な理由を説明するのは難しい。
これは数値化できるようなものではなくあくまで印象だから、根拠となるようなものをデータで示せない。
しかしそれらは言語化をあきらめていい理由にはならない。
挑戦を終えたとき、ひとの青春は静かに終わりを迎える。
ファッションの世界では昔から首、手首、足首の3首を見せるとよいとまことしやかに伝えられているが、これはおそらくその通りで、それは緊張と緩和が理由なのだろうと個人的には考えている。
モイちゃんがニコの着るワンピースの揺れ、ドレープ=生地のひだにフェティシズムを感じていたように、ある種の曲線や不安定感は人を惹きつける。しかしそれだけでは美は完成しない。その不安定さのなかに手首や足首といったような不動の骨格=直線的な安定感が提示されることでメリハリが生まれ、二項対立はフェティシズムをより高みへと引き上げる。
特にモイちゃんの着るグランパシャツは、胸より下に空気をはらんで重力方向に落ちてゆくシルエットなのでドレープが顕著に出る。アルパインスモックは生地的にやや硬くドレープが出にくいものの、やはり縦のラインが強く出る服である。
手首を出すことでちょうど身頃と同じ高さにある袖のドレープは消え、自然と視線は身頃のドレープへと移り、曲線と直線、ひいては不安定/安定、緊張と緩和の対比が鮮やかになり、洗練された印象を与えるのではないかと思う。ではなぜこれを人が洗練されている、美しいと感じるのかについて論じ始めると堂々巡りになるため、これ以上はやめておく。
パンツの裾の丈・形も同様で、パンツの生地と靴の間にいちど足首というアクセントを与えることで緊張と緩和を生み出しているのだと俺は俺の中で一応の決着をつけている。
このエントリはWitch Watchを題材にしており、これを読んでいいただいている方のほとんどはそれほど服に強い興味はないだろうと思う。
したがって俺のほかのエントリ(完全に服がメイン、自撮りあり)を読んでもらえるとは思っていないが、俺の普段のコーディネイトも完全にこの理論で組み立てている。
上に着るものにボリュームを取り、パンツは細めで必ず靴の全景が見えるように裾の処理をしている。
長袖のシャツは俺もほぼ前腕あたりまで袖をまくる。
肘を見せてはいけない。強い直線は一か所にひとつでいい。
・・・・・・この話の展開では俺の着こなしが上手くかつおしゃれだということになるな・・・
とっ、とにかく、あの雰囲気はさすがに高校生に出せるものではないが、篠原先生ご自身がかなり着こなしも上手いのではないかと俺は睨んでいる。
50話、76話、106話、171話はガチの洋服回なのでぜひ課金して読んでほしい。
これからもモイちゃんの私服は追っていくので、随時更新するか新たなエントリーを立ち上げたり、カンシ、ケイゴ、ニコのそれぞれを取り上げてもいいかもしれない。
でもなあ、ウィメンズの古着、ビンテージは全然詳しくないんだよなあ。
ここまで見てきて、篠原健太先生はけっこうガチめのユーロ中心の古着好き、かつ、めちゃくちゃ絵がうまい漫画家だということがよく分かった。
俺もそれなりに服が好きなのもあるが、パッと見てモイちゃんが着ている服がなんなのかがほぼすぐ分かるくらいに現物に忠実に描かれている。
しかも着こなしまで含めて、である。
それを成しえるのは愛しかない。
もちろん技術も必要だがそれだけでは十分ではない。
愛だ。
俺にはわかる。
Witch Watchで描かれる服には愛が込められている。
ひとつひとつのアイテムを描くことは愛がなくてもできる。
しかし、それらの組み合わせを間違えてしまうとモイちゃんがユーロ古着の愛好家であるという「世界観」を出すことは決してできない。
世界観を他者に伝えることができるのは、その世界を心から愛している者が発する熱だけなのだ。
そして俺はその熱でしっかりとあたためられたのである。
俺は本当の漫画好きからすると多分とても中途半端だし、とてもじゃないがガチの服オタなどとは言えない。
これは謙遜じゃない。俺などガチのマニアの足元にも及ばない。この程度の知識では恥ずかしくてとてもオタクなどとは自称できない。
そんな俺が偉そうに講釈を垂れてしまい非常に恐縮しているのだが、この2つの世界を繋げられる人間は多分それほど多くない。
いや、いるとは思う、いるとは思うが、そこに橋をかけようと、文章なりアクションを起こす人間となると、かなり少ないだろうと思った。
中途半端ながらも2つの世界を愛する者として、これは俺が篠原先生の愛の深さをみんなにきちんと伝えなければという謎の使命感に駆られてしまった。篠原先生にしたらいい迷惑かもしれないが。
相当な分量になって読みづらいところもあったと思う。
なにせ総文字数18514文字、400字詰め原稿用紙で46枚分だからね。
あれーなにかまほうでもかけられたかなー?
だが、ここまで俺を衝き動かしたのは服の描き込みのすごさではない。
やはりその作品そのものが面白いからだ。
幸いにも、ほんの少しだけ俺の得意なジャンルである服が作中にあったから、それを伝えるための手段となったに過ぎない。
好きな分野だから、ということもあるだろうが、篠原先生はおそらく細部/ディテイルをとても大事にする作家なのだと思う。
だから、というのはこじつけかもしれないが、物語の進め方もとても自然で無理がないし、キャラ設定やキャラ同士の相関関係にも破綻がない。
伏線を回収しオチをつけるのもとてもうまい。
売れている作品にあったって、こじつけのようにしか思えない展開や整合性の取れないストーリーをもつものも少なくない。
だがWitch Watchにおいては作品全体に通底する細やかさが見える。
それはきっと、細部をおろそかにしないという基本姿勢の表れではないかと思うのだ。
ニワカの俺がいうのは本当におこがましいが、これまで読んできた漫画家の中でうまいと思う作家トップ10に確実に入る。
アニメの方はここまで洋服の詳しいディテイルは書き込まれていない。だからアニメでは純粋に喋り動き回るニコたちを楽しみ、原作の方で服を含めて楽しんでほしい。
偉そうに言ってごめんなのよ。
今回はネタバレを極力避け、服のことしか取り上げなかったが、ストーリー、絵、ギャグ性、エンタメ性すべてが超高レベルだから、なるべくたくさんのひとに読んでほしい。
ほんとに面白いからさ。
マジで魔法みたいだよ。
追記
幸い、とても多くの方に読んでいただけている(4/18時点で10万8000PV、3000を超えるいいね)ので、今回のnote作成にあたり注意して執筆した点について、以下に明記しておきます。
・iOSアプリ ジャンプ+で自らで購入した1〜21巻 1〜188話をiPhoneまたはiPadで表示して、モリヒトの私服姿のみをスクリーンショットし切り抜いた画像および公式が発表している画像(以下、スクショ)を使用

・スクショは極力ネタバレにならないよう細心の注意を払う
・スクショはあくまで資料で自らの文章がメインのコンテンツ
・witch watchという作品そのものと篠原健太先生の評判を下げたり、これを読んだ方々の購買意欲を落とすようなnoteにしない
・どんなに大きなボリュームになっても商用利用せず無料記事にする
スクリーンショットの使用について
漫画のスクリーンショットを転載するという行為は、著作権法について考慮しなければなりません。
2021年に「数コマであれば違反にならない」という解釈が出されましたが、当noteで使用したスクリーンショットはとても数コマとは言えず、著作権侵害に当たる可能性があることは理解しています。
この点においては188話に対する当noteで使用したスクショのコマ数の割合から「全体のおけるごく一部である」という解釈が成立するのではないかと考えて、使用・執筆を行いました。
「筆者の意図をより正確に表現するために複数のスクショが必要であった」「作品を貶める内容ではないから」などという主張は欺瞞だと思います。
その分というわけではないですが、ネタバレにつながるような画像は極力使用しないよう配慮したつもりです。
もし関係者の皆さまの目に留まることがあり、このnoteの取り下げが必要な場合には速やかに応じますのでご一報ください。
それでは、長い長いnote、読んでいただいてありがとうございました。