「なんで玉木雄一郎さんがこんなに叩かれてるの」ってのはあるんです。
今回の野党連合での首班指名で、いま勢いのある国民民主党さんからすれば、現状の立憲民主党さんと組んで「いまの」首班指名に向けた動きでリーダーシップを取られるよりは、早期に解散総選挙に追い込んで多くの議席を確保したほうがメリットがあるに決まっています。
玉木さんを叩いているアカウントを見ると、保守層よりもむしろ「国民民主党は同じく連合を支持母体としている立憲民主党と一致して行動すべきだ」と考えるリベラル層が8割近くになってます。裏を返せば、立憲さんと同じく国民民主党さんもリベラル回帰し、ポピュリズムとは一線を画すべきだという主張になるんでしょうか。
玉木雄一郎さんも榛葉賀津也さんも「話は聞く」スタイルを続けていて、協議には応じる姿勢のままであるのは立派です。個人的には、さっさとテーブルを蹴って「小沢一郎の仕込みなんて一緒にやっていられるか」と破談にしちゃって良かったと思いますけどね。
自由民主党について言えば、麻生太郎さんが早期から副総裁・財務大臣のポストを玉木さんにという話があったのは聞きました。まあ空手形なんですが、一昨年も国民民主党さんとの連立を仕込もうとした麻生太郎さんからすれば、自分の目の黒いうちに国民民主党さんとの連立政権で非公明党の政治状況を作りたいってことなんでしょう。
ただ、仮に将来、四産別さんも折れて国民民主党さんと自由民主党で連立政権をやるとなっても、やはり公明党さんを座組に戻してくる必要に迫られるでしょうし、玉木さんも「いつまでも国民民主党に勢いがあるわけではない」と分かっているからこそ、勝負所はいまじゃないと判断しているんだと思います。
本来ならここで小池百合子さんも交えて3年後の都民ファーストどうするんだ問題なんかもオーバーラップしてくるところで、都民ファーストが自民党と都連ごと合流して森村派ができ、都知事候補に玉木雄一郎をという話さえも可能じゃないのかと思ったりもします。
維新さんの話はというと、いろいろ条件出ししていただくのは構わないけど本当に35議席ちゃんとグリップできてるんでしたっけというのがポイントです。譲る閣僚にしても連立が組まれるなら彼らの言う内閣府副首都担当大臣と、もう一個、国土交通省っぽいポストを維新さんに譲ることになるのではないかと思います。文部科学省だったりして。毎回試される文部科学省かわいそう。
なもんで、あんまり選挙とか身体検査とか考えずにとりあえず首班指名の一回目にちゃんと過半数取って高市早苗総理爆誕を目指す戦術である以上、ここから先が勝負です。選挙区調整とかどうするんでしょう。また、維新さんとの同棲生活に違和感があった場合、なるだけ解散にならないように丁寧に協議離婚できる仕組みと、併せて政権を安定せしめるための公明党さんとの再連立・閣外協力の枠組みの構築、そしてやっぱり玉木雄一郎さんら国民民主党さんと何をどう握ってやっていくかってのが大事になっていくでしょう。
今回の政変は、いかんせん26年間依存してきた佐藤浩さんがブチ切れ退場したことで菅義偉さんも木原誠二さんも使えないわ両党幹事長もあまりのことにもじもじしてるわで大変です。こんなの自民党内の疑似政権交代後2週間で安定した政治環境を作るなんてできるはずがありません。見ている限り、高市早苗さんに調整能力がないとか、玉木雄一郎さんがいかれているとかではなく、状況が酷すぎて誰も先が見えないのでどうにかするしかないのです。
現場からは以上です。
