
僕が32歳で1億貯めて気づいたこと
こんにちは、スーホです。
今回は私のちっぽけな人生をベースにですが、お金と人生について書きたいと思います。
はじめに
僕は以下のポストの通り、32歳で1億円の金融資産を築きました。
給料入って金融資産1億達成。目の前に札束がある訳ではないので現実味がないが、金融資産1億を目指して半ばプライベートを捨てて本業、副業、資産運用に取り組んできたので、スマホ上の数字だけでも達成感がある。32歳、まだまだこれからだがとりあえず人生の大きな目標をクリアした。あざした。pic.twitter.com/c110uK5Zp2
— スーホ (@sukhswhitehorse)November 24, 2023
新卒で入社した総合商社時代から、休む間もなくハードに働き、余暇時間も資産運用やベンチャー事業投資などに没頭した結果、色々ラッキーもあって1億円の金融資産を築くことができました。
多くの人から「若くして成功したね」「凄いね」と称賛されるようになりました。
しかし、正直に言うと、その数字を目にしたときの感情は少しの達成感と深い虚しさだけでした。
1億円という金額は、一見すると大きな成功のように思えるかもしれません。
しかし、その裏には、僕が20代で失ってしまったものが多くありました。
仲間と笑い合う時間、恋愛やデートを楽しむ時間、趣味に没頭する時間、そして温かい家庭を築くこと。
カリスマ性のない僕にとって1億円というお金は、それらを犠牲にすることでしか得られないものだったのです。
今回は、僕が資産1億円を達成するまでの簡単な軌跡と、その先に感じた虚しさ、そしてそこから得た学びについて、カッコつけず、ありのままに語っていきたいと思います。
「何が何でも金を稼ぎたい」「年収を上げたい」と自分の時間を犠牲にしてお金稼ぎと向き合っている人に読んで欲しいです。
1億円を貯めるまでの軌跡
僕の資産形成の旅は、総合商社での社会人生活から始まりました(資産運用という意味では大学1年生からですが)。
新卒として入社した当初から、すでに「資産運用は未来への投資」という考えに取り憑かれていました。
生活費を出来るだけ抑え、浮いたお金を日本株や米国株に少額でも投資し、経済の流れをつかむべく、日々日経新聞を読み漁るだけでなく、四季報やダイヤモンドZAi、日経マネーを読み、それを基に自分なりに戦略を考えて実践を重ねました。
市場の動向に一喜一憂しながらも、着実に資産は積み上がっていきました。
さらに、早い段階で仮想通貨にも手を出し、結果的にアーリーアダプターとして大きな利益を得ましたが、その激しいボラティリティの中で、リスクとリターンの厳しさを身をもって学びました。
仕事のストレスと投資のストレスが重なり合って素敵なハーモニーを奏で、僕の胃に穴をあけたこともありました。
すべては「1億円」という一大目標のため。
目の前の数字を追いかけるための努力でした。
入社して数年経ってから海外駐在をすると、仕事の環境はさらに過酷になりました。
最初の駐在はインドでしたが、インド駐在時は高いハードシップ手当をもらいながら、ほとんど娯楽を持たない修行僧のような生活をしました。
周りの駐在員は高級ホテルのレストランに頻繁に行ったり、アジアの国を旅行したりしてお金を浪費していましたが、僕は野犬に怯えながら散歩をしたり、地元の方々とヨガをしたり、狂ったようにうどんを打ったり、お金を使わずに過ごすことを心がけました。
米国駐在にスライドになってからは、米国在住というチャンスを存分に活かし、現地での資産運用に取り組みました。
駐在手当や生活費の補助があったおかげで、普段の生活費は徹底して抑え、その分を投資に回しました。
インド貯金もあったのですべて投資に回しました。
また、友人のつてでリスクを取ったベンチャー事業への投資も並行して行い、大きなリターンも狙いました。
どんなに不確かな市場であっても、すべては1億円達成への道だと自分に言い聞かせ、血眼になって取り組んでいました。
帰国後は、転職して一度家業に専念する時期がありました。
家業時代は一時的に資産のブーストが停滞してしまう局面もあり、焦りと焦燥感を募らせる日々でもありました。
その後、色々あって家業を畳み、再び転職をして外資系コンサルティングファームに身を投じることになりました。
ここからは、働く環境が一変しました。
朝7時に出社し、夜24時まで働くという過酷なスケジュールが当たり前の毎日。
帰宅はタクシーで、深夜2時まで米国株の値動きをチェックし、売買タイミングを逃さぬよう、スマートフォンとにらめっこする日々。
土日でさえ、会社の仕事に追われるか、あるいは資金を出していた友人の事業を手伝うために、休む間も惜しんで働きました。
ストレスが溜まりまくっていましたが、出来る限り贅沢をせず、生活コストも出来るだけ抑えました。
精神が崩壊しない程度の贅沢だけをして、後はほとんどのお金を投資に回していました。
すべては「1億円達成のため」。
全力で稼ぎ、全ての収入を投資に回す。
その信念だけが、僕を突き動かしていました。
転職してからあまり時間が経たないうちに、更に年収を上げるべく競合他社に転職し、さらなるハードワークの日々を続けました。
ここでは、案件ごとのプレッシャーや、常に高いパフォーマンスを求められる環境の中で、更に自分自身の限界と向き合う毎日でした。
仕事に全てを捧げ、友人との付き合いも、趣味やリラックスする時間も、ほとんど削り取っていきました。
お金を貯めるという一途な目標が、僕の全てを支配していたのです。
こうして、数々の転職と環境の変化を経て、やがて1億円という数字に辿り着くまでの道のりが、険しくも確実に刻まれていったのでした。
ついに資産1億円を達成して感じたこと
そして、その日が訪れました。
マネーフォワードの画面に表示された1億円という数字を目の当たりにしたとき、僕は歓喜の声を上げるはずでした。
しかし、実際に感じたのは、予想もしなかった虚しさでした。
達成感はあったものの、その直後に湧き上がったのは、「これで何が変わったんだろう?」という疑問でした。
次に目指すべき目標が見えなくなって、虚無感を覚えました。
20代の時、夜な夜なクラブやコンパでオールで盛り上がったり、恋愛に積極的に取り組んだり、休日には趣味やサークル活動で充実した時間を過ごしていた同期や友人達の姿が、走馬灯のようによみがえってきました。
私も彼らのように夜な夜な外に出て、恋愛経験を積み、旅行やデートを楽しみ、趣味に没頭する生活がしたかった。
そんな自由で楽しい時間を、僕は数字に縛られ、すべて投資に回す日々の中で、あっという間に失ってしまったのではないかと、強い焦燥感に駆られました。
マネーフォワードの1億円という数字を眺めながら、「これが本当に自分の幸せなのか?」と自問自答しました。
達成の歓喜が過ぎ去った後、次第に心に広がるのは、「これだけを追い求めてきた自分は、果たして本当に大切なものを手に入れたのだろうか」という疑念でした。
僕の人生は、マネーフォワードの数字だけが増えていく一方で、笑い合える仲間や本当に信頼できるパートナー、そして温かな家族の姿は、どこにも存在しなかったのです。
また、ハードな労働と投資活動の中で、僕は自分自身の健康や精神面のケアを犠牲にしてきたことにも気づきました。
深夜までスマホと睨めっこし、タクシーで帰宅する生活。
それは確かに結果を生み、1億円という数字を実現させましたが、その一方で、体も心も疲弊しきっていました。
その疲弊の蓄積が、何のために生きているのか分からなくなった瞬間に追い打ちをかけました。
その結果、僕はその日から、ハードに働き続けることに疑問を抱くようになりました。
仕事を優先したがために身内の最期にも立ち会うことが出来なかったこともあり、ついに僕は会社を辞める決断をしました。
そして、より穏やかな生活を求め、ハードに働く必要のない一般企業へと転職することにしました。
振り返ってみると、普通に稼ぎ、普通に遊び、普通に恋愛をし、結婚し、日常の中で小さな幸せを積み重ねる生活が、今の僕にとってどれほど温かいものだったのか、痛感せずにはいられませんでした。
私の学びと皆さんに伝えたいこと
この経験から僕が学んだ最も大きな教訓は、「お金を貯めること自体が目的になってはいけない」ということです。
確かに、将来に対する備えや大きな目標を実現するためには、資産形成は必要不可欠です。
何か大きな夢や目標があって、そのためにお金が必要だというのであれば、計画的に貯めるのは賢明な戦略です。
しかし、目標が不明確なまま、ただ数字だけを追い求め続けると、結果として本当に大切なもの、つまり、心を満たす経験や人との絆、温かな家庭のあり方などを見失ってしまうリスクがあるのです。
20代という、二度と戻ってこない貴重な時間は、お金では買えない経験に溢れています。
例えば、仲間と旅行をしたり、色々挑戦して自分に合う趣味を見つけたり、夜な夜なクラブで友と笑い合い、合コンで新たな出会いに胸を躍らせたり、恋愛をして一喜一憂したり。
そんな瞬間は、1億円という数字では決して代替できない宝物です。
僕自身、これらの機会を自ら遠ざけ、数字の世界に閉じこもってしまったことを、今になって深く後悔しています。
もしこれから先、20代のうちにあなたが本当にやりたいことがあるなら、その情熱に従ってほしいです。
20代でなくても、お金にとらわれているなら、自分が今すべきことは本当にお金を貯めることなのかを考えて欲しいです。
恋愛や趣味、仲間との絆を大切にし、適度に遊び、適度に挑戦し、心豊かな時間を過ごすことこそが、本当に価値ある投資だと思います。
お金はあくまで「手段」であり、「目的」そのものではありません。
お金を貯めることに夢中になりすぎて、後になって「本当に大切なもの」を見失わないよう、常に自分自身に問いかけることが大切だと僕は痛感しました。
また、働くことも大切ですが、働きすぎは心と体を蝕み、最終的には自分自身の本来の幸福感を奪ってしまいます。
僕は今、失った時間と機会を取り戻すために、これからは適度に遊び、趣味を見つけ、そして本命のパートナーとの出会いや、心から信頼できる仲間との絆を築くことを目指しています。
これこそが、1億円という数字以上に、人生を豊かにする真の投資だと信じています。
終わりに
人生は、私たちが思っている以上にあっという間に過ぎ去ってしまいます。
特に20代という、二度と取り戻せない貴重な時間は、実はお金でどれだけ豊かになっても埋めることのできない宝物です。
僕は1億円という数字を達成したものの、その先に待っていたのは、虚しさと孤独、そして何をすれば良いのかわからなくなる混乱でした。
もし、あなたが今、お金を貯めることだけに没頭しているなら、一度立ち止まって、本当に大切なものは何なのか、自分自身に問い直してほしいと心から願います。
どうか、あなたも自分自身の人生において、何が一番大切なのかを見失わずに、豊かで温かな未来を築いていってほしいと思います。
僕スーホも、これからはお金とどう向き合い、どのように本当の幸せを見つけ出すか、その道を模索し続ける決意です。
20代のうちに失ったものを、これからの人生で取り戻せるよう、日々自分自身に問いかけながら、一歩一歩進んでいくつもりです。
以上が、僕が1億円を貯めるために費やしてきた日々と、その先に感じた虚しさ、そしてそこから学んだ大切な教訓です。
どうか、あなたの20代が、お金以上に大切な経験や出会いで満たされ、後悔のない人生となることを心から願っています。

