Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


見出し画像

筆者が女性向け同人イベント、COMIC CITY SPARK 20にて実施した転売対策(不審購入防止)とその結果についてのまとめです。
転売対策にも色々なパターンがありますが、今回実施したのは「転売ヤーに買わせない」に特化した作戦です。
とある二次創作ジャンルの一例として、転売に悩む方の参考になれば嬉しいです。


転売対策を導入した経緯

長くなってしまうので結果だけ知りたい方は読み飛ばし推奨です!

私は現在、海外発スマホゲームが原作の二次創作をしており、主にCP有り漫画とオールキャラグッズをメインに5年ほどサークル活動をしています。
(同人誌やグッズの有償頒布についてはガイドラインにて許可が出ているジャンルです。)

活動初期はオールキャラのグッズが中心でしたが、ここ2年ほどはCP創作が活動のメインとなっており、オールキャラのグッズは持ち込みしておりませんでした。

そんな中2025年5月のスパコミにて、久しぶりにオールキャラグッズをメインに参加することに。グッズ自体は5年前に出した物の再販+同じシリーズの新作となっており、過去の頒布時は転売は愚かサークルに列ができるような事もないような物でした。

しかし当日開場してみるとすぐに想定の数倍の列が出来てしまいました。
通販の状況や、別イベントでのグッズサークルさんの転売や混雑についての情報を目にしていた為、壁配置を頂いた自サークルもある程度の混雑は予想し、個数制限や、お並びの際に記入頂く注文シートを用意するなど会計時間の短縮に努めましたが、周りのサークルさんの前を塞ぐような状態で列が伸び続けてしまい、結果的に2時間近く近隣スペースにご迷惑をお掛けする形になってしまいました。


また、並んでいる方の内9.5割が【あるグッズ全部】といった不審な注文をする海外の方で占めており、順番の多少の前後で大声で怒鳴ってくる人がいるなど普通のイベントでは考えられない異様な状況となりました。

そんな怒涛のイベントを終えた後、FF様からのご連絡で中国の通販サイト「淘宝網」にて弊サークルのグッズが高額で転売されていると知る事になりました。


正直なところ、頒布をしている時点で怪しい人が多いとは感じていました。明らかに同人イベント慣れしていなそうで、電子マネー決済やレシートを求めてくる方などもいましたし…。

しかし、自ジャンルは海外発ゲームという都合上、海の向こうにもファンの多い作品。私は欲しいと思ってわざわざ代行を頼んでくれている海外のゲームファンを蔑ろにはしたくないと思っていた為、これまで代理購入については受け入れていました。
その為転売目的での購入と代理購入の見分けが付けられない状況で頒布を断るという事をせずに、怪しいと感じつつそのまま頒布を続けてしまったのです。

その結果、普通にイベントに参加していた作品ファンの方が長時間並んだ末にグッズを手にできなかったり、在庫切れによるラインカットでそもそも列に並ぶことすら出来ないという悲しい結果を招いてしまいました。

私はこのイベントまで転売は個数制限を付けることである程度抑止できるだろうと考えていましたが、転売の為に商品を仕入れに来ている人達は人海戦術で人を雇ってでも大人数で押し寄せます。


例え1人1つの個数制限でも、100人、200人と転売ヤーが来たら狩り尽くされてしまいます。

企業の物販などでも問題の転売ヤーですが、あれが同人イベントに来ている状況です。

作品ファンの方の手に取って貰うには、個数制限以外の対策が必要だと実感しました。



今回した転売対策

上述した前回イベントの状況を踏まえて私は転売対策をした上でイベントに参加する事にしました。

色々考えた結果今回実施したのは、頒布時の「原作ゲームの画面の確認」です。

事前に公開した案内。これの多言語版も投稿しました。

事前の告知ではグッズをお求めの際は「原作のファンであることを確認させて頂く」ことのみを告知し、どういった方法で確認をするかは当日まで公開しませんでした。

なぜ確認方法を先に公開しなかったのかというと、転売対策自体が初めての試みだった為、確認方法を事前に公開することで、スクショの共有など事前対策をされないようにしたかったからです。

他にも転売のターゲットとなっている缶バッジのシリーズを新作以外持ち込まないなどの対策も実施しました。



転売対策の結果

当日スペースに置いていた注意書き

上記のお願いをした結果、転売目的が疑われる外国人参加者はほとんど条件を満たせず退散して行きました。

周りの他のオールキャラグッズを頒布している壁サークルさんが長蛇の列になっている中、自サークルはそれらの人をシャットアウトしたお陰か列も伸びず平和に過ごせました。

転売目的の人達は大体グループで来ており、1人が並べないとなると他の人も諦める為、大人数にゲーム画面の件を説明する必要ができて混雑するなどもしませんでした。

スペース前でごねて怒鳴られるなどのトラブルも起きることもなく、ゲームを出してくれと言うとモゴモゴと口ごもったりはするものの、最後には素直に立ち去る方が多かったです。

一度立ち去ったあとゲーム画面のスクショを持って戻ってくる人などもいましたが極少数でした。(その中には他の人からスクショの提供をされてることがわかった人もいたので、判明した時点で今回の頒布はお断りしました。)


転売についても今のところは確認していません。やった!


一般の参加者の方々の反応 

頒布に一々ゲームの確認をするなんて、端的にいって面倒臭いサークルだっただろうに、皆様とても快くご協力してくださいました。本当にありがとうございました。

もちろん事前の告知を知らずに通りがかった方で困惑されている場合もありましたが、事情を説明すると理解を示して頂けました。
通信量の関係でゲームを開くのが難しい方などもいたと思います。本当にご協力ありがとうございました。

また、「ゲーム画面の確認」を明記してはいましたが、原作ファンであることがわかれば良かった為、通信の関係で今ゲームを開けなかったり、PCやiPadでゲームをしてる方でも

公式のグッズを持っている
・コスプレ参加
・お話ししてゲームが好きなのがわかる。

(好きなキャラを言えるなど)

こういった方にはゲーム画面の提示を免除していました。
それでも方針を尊重してゲームを開いて見せてくださったり、スクショを探してくださる方も多くとても嬉しかったです。



メリットとデメリット 

「ゲーム画面の確認」を頒布条件にした場合にメリットに感じたこと、デメリットに感じた事をまとめてみます。

メリット
・転売目的の不審な購入を防止できる。
・転売ヤーにより列が伸びることがない為、少人数でも対応できる。
・作品を好きな同士の方にのみ頒布ができる。
・遅い時間でも在庫を残せる。それにより事前に告知を見ていた方以外にも手に取って頂けた。

デメリット

・参加者の方にゲームを開くという負担を強いることになる。
・ひとりひとりのご対応に時間がかかる。
・今ゲームをやっていない、ゲームをスマホでやっていない方を遠ざけてしまう可能性がある。
・即売会だからこその気軽さが失われる。
・頒布数が減り在庫を抱えるリスクもある。
・条件を満たした人の中に転売ヤーがいた場合、より高額で転売されるリスクもある。


ざっとまとめるとこのように感じましたが、正直デメリットの中の多くは上述したような免除枠を設けることで解決できる為、私はメリットの方が大きいと感じました。



最後に。


デメリットなども書かせて頂きましたが、私は今回の対策はやって良かったと思っています。

実際に全員に確認するかは置いておいて、ゲーム画面提示などの頒布条件を設けることで断る理由を作れますし、条件を書いた紙を置いておくだけでも魔除けとして転売目的の購入の防止に効果を発揮するはずです。

私はたまたま通りかかった方が「かわいい」と立ち止まってくださるような、一期一会の出会いがある即売会の空間が大好きな為、今後もこの対策を続けていこうと思っています。

長々とした文章をお読み頂きありがとうございました。転売ヤーによる襲撃に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。



--------------------

余談ですが今回のイベントでも転売目的と見られる、大きなキャリーケースを1人複数持った外国人男性や子供連れの外国人女性が数人いました。明らかに異常です。早く落ち着く事を願っています。

【追記】
思った以上の反響を頂いており大変驚いております。念のためですが、こちらの記事は国外転売への対策のひとつとして共有する事が目的であり、特定の国や地域、そこに住む方を差別や攻撃をするような意図はございません。

事実ベースとしてわかっていることのみ国名を表記しており、日本語を話せない方が多かった点からその方々を総称して海外の方と表記しております。ご理解のほどよろしくお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!


[8]ページ先頭

©2009-2025 Movatter.jp