10月は……恐ろしいことに29冊聞いてました。
毎日1冊ペース。自分でもちょっと引いてます。
あまりの大量具合に自分でも持て余してしまってnoteの更新が出来ませんでした。

内舘牧子さんの「就活シリーズ」「高齢者シリーズ」を中心に、“人生の終わりの奥底”みたいな話をじーっと聞いてました。終活シリーズどれも面白いのよ！
先月、「いろんなジャンルに広げよう」と思って宇宙とか文化人類学とか頑張ってたんですけど、今月は完全に諦めて、「気になる小説を片っ端から」作戦に変更。
結果の29冊w
聞きごたえたっぷり、満足度120％の一ヶ月でした！♪( ´θ｀)ノ
ヒマだったのね…

ちょいちょい健康本も混じってましたが、
総じて「物語の濃度が高い月」でした。

🥇第1位　塩田武士『踊りつかれて』

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イントロからもう最高。
「匿名で誹謗中傷していた人の実名と経歴が83人分さらされる」という衝撃のザマア的な幕開けです
ネットリンチをしていた人が、今度は自分が叩かれる側になる！
というところから始まります。ワクワク

で、これがただの炎上物語じゃないの。
犯人はすぐ捕まって、その動機の部分が静かなミステリーとして進んでいくんですね
登場人物たちは漫画的な派手さはないけど、
ひとりひとり実在感があって、読んで（聞いて）るうちに、生身の人間が立ち上がってくる感じ。

それにしても昔のアイドルって、どうしようもない環境から突然「降臨」してきたような人が多かったなあって思います。
泥の中から立ち上がる誰にも止められない輝きがこの作品にも通じてて、カッコ良さに掴まれました。

題材もキャッチーで、ドラマを聴きたい人に超おすすめ。

🥈第2位　櫻井みわ『アカシアの朝』

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これはK-POPアイドルを目指す15歳の女の子が、韓国で過酷なレッスンを受けてKpopアイドルになる話。
多分綿密な取材に基づいて書かれていて、現実の“アイドル工場”を覗き見しているようなリアリティがあります。

K-POPの世界って、ほんとにデスゲーム。
頂点の椅子はひとつ。
全員が完璧なパッケージで、死にものぐるいでそこを取りに行く。
だから1つでも弱点があると即アウト。

K-POPアイドルに対しては「束アイドルみんな同じ顔www」なんて思ってたけど、この本を聞いたら考えが変わりました。
あれは“個性の消去”じゃなくて、“完成された製品”なんです。
受け取る側も、もう「K-POPという味」をそのまま楽しむしかない。
個々はカールのチーズ味とカレー味くらいの差ですが製品開発には才能と、とんでもない努力が必要。
そう思ったら、尊敬の念すら湧いてきました。

リアリティショーを見てるみたいな面白さで一気に聞きました。
若い女子を品質管理して市場価値をキープすることの大変さよ…

🥉第3位　三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

タイトルからして身に覚えがありすぎるやつ。
でもこれ、ただの「忙しいから読めない」話じゃないんです。

そもそもかつて“本を読んでいた人たち”は誰だったのか？
昔はなぜあんなに本が売れていたのか？
というところから、文化史的に掘っていく。
この分析がめちゃくちゃ面白い。

途中で『花束みたいな恋をした』が例として出てきて、
「働き始めて本を読まなくなるカップル」って、
まさに現代の象徴だなって思いました。
自己啓発書だけが売れる時代、
“読む”という行為の意味が少し変わってきているのかもしれない。

その他10月を彩る名作

あと個人的に良かったのが、
金原ひとみの『ミーツthe World』、オタクのキモさと気持ちが分かる。
中島らも『ガダラの豚』。
特に『ガダラの豚』は、20年以上前の作品なのに「霊能ビジネスの構造」みたいなものが全く古びてないのに驚きました。ナレーションの人がめちゃくちゃ上手い。演劇の音声版みたいです。

10月はアシスタントの仕事が少し落ち着いていたこともあって、Audible時間がぐんと増えました。
たまにはこれくらいオーディブルに全振りした1ヶ月もいいですね( ＾∀＾)

今月は本当にAudibleに感謝です
来月も引き続き、耳から世界を広げていきたいと思います

🪶おまけメモ
・内舘牧子シリーズは人生の名台詞の宝庫。
・小説は“ながら聴き”に向いてる。
・でも29冊は、正直やりすぎ。