私は日本ファースト!
「手取りを増やす」政策を掲げて現役世代の心を鷲掴みにする国民民主党の勢いが止まらない。女性問題や候補者選定で逆風も吹いたが、結党5年の新興政党は時代に取り残された氷河期世代を救うことができるのか? 代表にして日本一の政治家YouTuberである玉木雄一郎氏が本音で語った。

玉木雄一郎氏(国民民主党代表)
昨年の衆院選で「103万円の壁の引き上げ」を掲げて議席を4倍に増やし、(※1)参院選でも「手取りを増やす」と訴え続けて躍進した国民民主党。比例得票数では野党第一党に躍り出たが、同党を率いる玉木雄一郎代表に気の緩みは見られない。8月27日には今回の参院選を(※2)「薄氷の勝利」と総括したのだ。果たして国民民主党は本当に我々の手取りを増やしてくれるのか? 「次期首相に」との呼び声も高い(※3)“たまキング” に迫った。──参院選では目標を上回る17議席を獲得したのに、「薄氷の勝利」と総括したのはなぜ?
玉木:時代はどんどん進んでいる。それに合わせてアップデートしていかないと取り残されてしまう、という意味合いを込めた総括です。実は、先人の教訓を参考にさせてもらいました。1964年に日本社会党書記長だった成田知巳さんが、党としての体質的欠陥として「日常活動の不足」「議員党的体質」「労組依存」の3つを指摘したのです。当時は池田勇人内閣の所得倍増政策が行き詰まるなど、社会党に追い風が吹いていた。実際、(※4)1963年の衆院選では7議席増やしたのですが、期待していたほどの伸びじゃなかった。その原因は、駅頭などでの地道な政治活動の不足や、国民・党員の声に耳を傾けずに議員の声ばかり大きくなった党の体質、そして支持基盤に依存した選挙活動にあると分析したのです。──労組依存が一つの課題?
玉木:我が党の支持基盤である連合(日本労働組合総連合会)さんに入っている人だけが労働者ではありませんからね。むしろ、入っていない人のほうが多くて8割くらいいる。同じ労働者だけど伝わる政策は異なる、ということを意識して政策を出していかないといけない。──その“非連合”の労働者の代表格は、非正規雇用が多いとされる就職氷河期世代(40代~50代前半)だと思いますが、(※5)年代別比例得票数を見ると、参政党のほうが支持が厚かった。