オペレーターの熟練度に依存しない…大林組、ケーブルクレーンの自動・自律運転に成功した
大林組はダム建設工事で、コンクリート運搬に使用するケーブルクレーンの自動・自律運転に成功した。オペレーターの熟練度に依存することなく、安定した工事の進捗(しんちょく)や品質の確保が可能となる。クレーンのフックに搭載したカメラで撮影した4K映像が監視室へリアルタイムに伝送され、高解像度の映像が自動・自律運転における安全機能や監視などの安全性の向上に寄与する。
KDDIエンジニアリング(東京都渋谷区)と連携し、自動・自律運転の制御信号の送受信に必要となる無線通信規格にローカル第5世代通信(5G)を活用。国土交通省中部地方整備局発注の新丸山ダム建設工事(岐阜県八百津町、御嵩町)で、従来はオペレーターとコンクリート放出地点の合図者が連携して行っていたクレーン操作の自動・自律運転システムを構築した。
両社は今後も、新丸山ダム建設工事での「自律型コンクリート打設システム」の進展を目指す。また多様な事業者と協力し、建設業におけるデジタル変革(DX)技術の発展に向け研究開発や実証、導入に取り組む。
日刊工業新聞 2025年4月18日