生産性3倍…清水建設が開発、耐火被覆吹き付けロボットの実力
清水建設は17日、工事現場における耐火被覆の吹き付け作業向けに、手作業に比べて生産性を3倍程度高めたロボット「Robo―SprayII=写真」を開発したと発表した。ロボットの自動位置補正機能の搭載や、タッチパネルによる簡易操作の採用、吐出する材料の増量によりロボットの移設・位置合わせ作業をなくし、作業速度を向上させた。今後、低コスト化を図りつつ現場への適用を進めていく。
Robo―SprayIIは、アーム部、アーム部の高さを調整するリフター、リフターを搭載した台車で構成。6軸のロボットアームでノズルを自在に操りながら、被覆材を満遍なく吹き付ける。作業員が耐火被覆を吹き付ける鉄骨梁(はり)の形状をタッチパネルから選択した後、画面上の作業ボタンに都度触れるだけで一連の作業が完結する。
都内の大規模病院の現場における実証施工を行った。手作業による従来の吹き付け作業と同様に作業員が3人1組となって操作したところ、ロボット1台で1日に約150平方メートルを吹き付けられることを確認。3人1組でロボット2台を操作した場合、手作業による1日約100平方メートルの出来高に比べて生産性が約3倍となった。
日刊工業新聞社 2025年4月18日