コンビニ大手3社で唯一の増収増益、ローソンが過去最高益を更新した要因
コンビニエンスストア大手3社の2025年2月期連結決算が17日出そろい、ローソンのみ増収増益だった。ローソンは売上高に当たる営業収益、営業利益、当期利益の全てで過去最高を更新した。消費者の節約志向が続く中、各社は商品力の強化とともにデジタルを活用した生産性向上の取り組みを進める。

ローソンの国内コンビニ事業は、客数・客単価がともに前年を上回った。25年度を最終年度とする中期経営方針で掲げた当期利益500億円の目標を2年連続で上回ったことから、新たに30年度を最終年度とする経営方針を策定した。
日販30%アップ、店舗オペレーション30%削減、オーナー1人当たりの店利益と本部利益をそれぞれ2倍とする目標を掲げた。AI(人工知能)による次世代発注システムやデリバリー強化、オペレーション削減など、あらゆる分野でテック技術を活用する。竹増貞信社長は「リアルとテックを重ね合わせ、30年にナンバーワンのリテールグループを目指す」と語った。
ファミリーマートは既存店日商が42カ月連続で前年超えと好調を維持した。細見研介社長は「電力コストなどさまざまなコストが上昇した」と振り返るも、中食や文具、衣料などオリジナルブランド商品が売り上げをけん引した。
今期は中食事業をさらに強化する。全国のおにぎり工場に最新機器を導入して食感を改良したほか、高騰する米価に対しては親会社の伊藤忠グループの調達力を活用する。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)はインフレによる海外事業の低迷が響いた。下期に商品を手頃な価格で提供する「うれしい値」キャンペーンが若年層の来店増につながるなど国内コンビニ事業は回復の兆しを見せた。
日刊工業新聞 2025年4月18日