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子どもの送り迎え、自動運転車で支援します…JAXAなど実証実験

2025年04月19日クルマ・鉄道・航空
子どもの送り迎え、自動運転車で支援します…JAXAなど実証実験

走行時のドカリドライ(JAXA・東海クラリオン提供)

近年は共働きの夫婦が増え、子どものいる家庭では学校や習い事などの送り迎えに時間を取られるのは負担の一つ。だからといって幼い子ども一人で外出させるのは不安だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)とつくば市、東海クラリオン(名古屋市中区、安部源太郎社長)は、つくばセンター地区で子どもや保護者の外出を支援する移動サービスの実証実験を行った。先端技術を活用した安心安全で住みやすい地域づくりを目指す。

東海クラリオンは、低速自動運転モビリティー「YADOCAR―i(ヤドカリ)ドライブ」を開発した。時速20キロメートル未満で公道を走れる電動車を活用した小型の移動サービス「グリーンスローモビリティー」が基盤で、最小限の機材で低コストに構築できる。さらに2人乗りのマイクロ電気自動車(EV)や8人乗りのマイクロバスなどを自動運転に変えられる「後のせ自動運転システム」を既存車に簡単に組み込めるように設計している。ヤドカリドライブには車両の加速度や向きといった車の挙動や障害物を検知するセンサーやAI(人工知能)が生成した地図データを表示するモニター、自動運転を制御する機構などを組み込んだ。

ヤドカリドライブに搭載された装置

さらに米全地球測位システム(GPS)や準天頂衛星「みちびき」を利用して位置を測定するアンテナも搭載。JAXAが開発に取り組む測位衛星に起因する誤差を「みちびき」の信号を使って補正し、測定の精度を向上させる高精度測位補強サービス「MADOCA―PPP」を適用することで、自動運転の測位情報の高精度化につなげる。

つくば市は子育て世代向けに子どもの安全な移動を支援するサービスとして、低速自動走行の移動手段の社会実装を目指している。自動車で送迎なしに公園や科学を体験できる施設に行けるようにするとともに、児童クラブや習い事などの子ども単独での安全な移動も支援したい考えだ。

実証実験では、小学生から高校生を中心に約170人がヤドカリドライブに乗車した。乗車した子どもは「実現が楽しみ」と期待し、保護者は「共働き世帯にとって親の送迎負担が軽くなる」と強調した。

JAXAの山川宏理事長は「人通りが多い環境での自動運転走行の実証事例は少ない中で、今回の実証実験で貴重なデータが得られた」と語った。子育て支援だけでなく、子どもが自動運転に興味を持ち、楽しく乗れる移動サービスになるだろう。(飯田真美子)

日刊工業新聞 2025年04月15日

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