トヨタ・日産・ホンダ…乗用車メーカー世界生産は10カ月ぶりプラス、追加関税で予断許さず
乗用車メーカー8社の2月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比3・2%増の197万759台となり、10カ月ぶりに前年同月実績を上回った。前年の同時期に認証問題があった日本国内の生産が回復。海外生産のマイナスを補った。海外は中国の価格競争激化やタイなどのローン審査厳格化の影響が継続。トランプ米大統領は4月3日から全ての輸入車に25%の追加関税を課す方針で、各社にとって予断を許さない状況が続く。

世界生産はトヨタ自動車、ダイハツ工業、SUBARU(スバル)を除く5社が前年割れとなった。前年同期に認証不正の影響で出荷を停止していたダイハツの反動増などで全体の数字が押し上がった格好だ。
トヨタは認証問題からの回復に加え、新車投入効果もあり国内生産が伸長。スバルも前年同月にあった労働災害発生に伴う工場の稼働停止と、その後の生産調整の反動増で国内生産が前年同月比2・2倍に増えた。
一方、日産自動車は世界生産が同12・1%減となり、9カ月連続で減少した。米国でスポーツ多目的車(SUV)「エクストレイル/ローグ」、中国でセダン「シルフィ」の減少が響いた。三菱自動車も主力のタイ生産が振るわず、世界生産は同9・6%減と13カ月連続で減少した。ホンダは7カ月連続、マツダは2カ月ぶりに世界生産が減少した。
スズキの世界生産は日本の生産減が響き4カ月ぶりに減少。ただ、インドの生産はインド国内向けや輸出が好調に推移し、2月として過去最高となった。
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日刊工業新聞 2025年03月31日