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EV「リーフ」・SUV「ローグ」…日産が新型車で反転へ、次期社長が描く経営再建の道程

2025年03月28日クルマ・鉄道・航空
EV「リーフ」・SUV「ローグ」…日産が新型車で反転へ、次期社長が描く経営再建の道程

新型「リーフ」は現行車比で航続距離を大幅に改善する

日産自動車は市場戦略・商品戦略の変革を通じて経営再建を加速する。4月1日付で社長に就任するイバン・エスピノーサチーフプランニングオフィサー(CPO)は「日産をあるべき姿に戻す」と意気込む。地域の需要に合わせた車種を速やかに投入。再建策で進めるコスト削減とともに商品力を磨き、反転につなげる方針だ。(編集委員・村上毅)

「ラインアップの隙間に対処する」。エスピノーサ次期社長はこう強調する。業績不振の背景の一つに、市場のニーズに合わせて効果的に車種を投入できていないことがある。米国でハイブリッド車(HV)を持たず、中国では競争力のある電気自動車(EV)に乏しい。戦略を見直し、2025―26年度に市場ごとに最適な車種を投入する。

北米では新型EV「リーフ」や、スポーツ多目的車(SUV)「ローグ」に三菱自動車との協業でプラグインハイブリッド車(PHV)を設定するなど、26年度までに10車種以上の新型車・マイナーチェンジ車を投入する。欧州では仏ルノーとの協業で新型小型EV「マイクラ」など現地生産の電動車4車種を展開。日本では主力車種の刷新や次世代電動車を投入する。中国では新型EV「N7」で巻き返しを図る。

魅力ある商品の一つとして期待するのが新型リーフだ。3代目となる新型車は洗練されたデザインと室内空間を併せ持つクロスオーバーとして一新。現行車比で航続距離を大幅に改善する。25年度に米国を皮切りに日本、欧州などで展開する。

日産次期社長のエスピノーサチーフプランニングオフィサー(CPO)㊧

高速走行時の燃費性能を向上した第3世代のハイブリッドシステム「e―POWER」を欧州でSUV「キャシュカイ」に搭載するほか、26年度は北米向けのSUV「ローグ」、日本で刷新する大型ミニバンに順次採用していく。

「私たちはスローだった。変化に対応するすべはスピード」(エスピノーサ次期社長)と認識。従来50カ月以上かかる新型車開発を15―20カ月短縮する。開発期間を短縮することでいち早く車種を投入し、商品構成を短期間で柔軟に変えられる。関税や法規制など事業環境の変化への対応力を高める。

「業界の将来は『インテリジェントカー』だ。独自の開発力を蓄えなければならない」とエスピノーサ次期社長は指摘する。日産ではEV「アリア」や高級車ブランド「インフィニティ」の「QX80」に搭載するコネクテッドカー(つながる車)技術にAI(人工知能)などを導入する進化版を26年にも展開する。独自の車載基本ソフト(OS)、応用プログラミングインターフェース(API)でソフトウエア定義車両(SDV)化に対応。他社との差別化に生かす。

電動化・知能化の取り組みには開発を加速し投資を分担できるパートナーとの協業がカギだ。経営統合協議が破談したホンダとはソフト領域で引き続き協議を進めるほか業界外のプレーヤーも選択肢となる。「ホンダや他のパートナーでも議論する用意はある。タブーはない」(エスピノーサ次期社長)。企業価値を高めるため協業戦略を模索していく。


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日刊工業新聞 2025年3月27日

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