太陽光パネルの国内出荷、3期ぶり好転の背景事情
10ー12月は10%増171kW
太陽光発電協会(山口悟郎代表理事=京セラ会長)によると、2024年10―12月の太陽光パネルの国内出荷量は前年同期比10%増の171万キロワットだった。プラスは3四半期ぶり。工場やビルの屋上や敷地内で使われる500キロワット未満の用途が大幅に増加した。発電した電気を建物で使う自家消費目的での活用が広がっているようだ。

住宅向けは39万キロワットと同8%増。住宅の新築時に太陽光パネルの設置が検討されるようになっており、24年7―9月と比べても12%増となった。東京都と川崎市では25年度から一部の新築住宅への設置が義務化されることもあり、今後も堅調に推移しそうだ。
発電事業向け(500キロワット以上)は前年同期比4%減の67万キロワット。7―9月からは回復したが、減少傾向のまま。設置による景観悪化が問題視されるようになり、大型の太陽光発電所は新設が難しくなっている。
自家消費に使われる一般事業向け(500キロワット未満)は同31%増の63万キロワット。7―9月からも9%増加した。企業が温室効果ガス排出量の削減に加え、エネルギー価格高騰への防衛策として設置している。総出荷量のうち国産のシェアは5%だった。
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日刊工業新聞 2025年03月21日