工事不要で柔軟走行…日本車両製造が開発、大型キャリアー自動運転システムの機能
日本車両製造は重量物を運搬する大型自走式キャリアー向けの自動運転システム「N―SEMAC(エヌセマック)」を開発した。無人搬送車でこれまでに培ってきた車両制御技術と、複数のセンシング技術を活用。誘導磁石の埋設などの路面工事が不要で、走行ルートも柔軟に変更・修正できる。運転技量が求められる狭い場所においても高精度に自動走行できるシステムを実現した。
今後、同社の新型車両は同システムに全て対応させていく方針。技能が求められる工場構内の重量物搬送では、運転手不足の課題が深刻化している。同社は製鉄所や造船所などの顧客からの引き合いを想定し、普及に向けてユーザーとの議論を進める。
全地球航法衛星システム(GNSS)や慣性計測装置(IMU)を組み合わせた位置推定システムで、走行・停止精度を高めた。社内試験では、熟練運転手のみが可能な100ミリメートル以内の停止精度を実現した。高性能センサーLiDAR(ライダー)の活用により、走行時に人や障害物を検知すると自動停止する。斜行や横行モードも搭載しており、狭い場所でも小回りが利く。
日刊工業新聞 2025年01月27日