質屋アプリ「CASH」が狙いを外した残念な理由
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貸金業法2条1項本文は「貸金業」の定義について、「売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。」としていますが、ここをどうやって乗り越えたのかに興味があります。
<追記>
もう少し細かく言うと「売買契約」の目的物の所有権の移転時期はおそらく「売買契約」の成立時であると思われるのに、運営者側は当該目的物を2ヶ月間転売しないことが所与の前提とされているあたりが気になっています。「CASHは質と貸金という大きな政府の規制を巧妙にかわし(全くノーリスクでないにせよ)、審査のコストを貸し倒れコストに吸収させるという斬新性で世に勝負を挑んだサービスという見方も」もできるというのが筆者の見解のようです。
つまり「古物商」としてこのサービスを行うことはぎりぎり大丈夫かもしれないという見解。
しかし、「no look 小額金融」のビジネスモデルが成立するかどうかは、法律問題とは別であり、その部分が筆者の分析対象。
ビジネスモデル問題は、お金を返すつもりの人(2ヶ月で15%の利子)がどれくらいいるかの問題であって、悪意ある人(いいかげんな質草の写真を送ってきて、最初からそれを差出すつもりの人、さらに品物さえ送らず返金もしない人)がいるかどうかの問題ではないです。(いても、一定比率以下であれば、収益は確保できる可能性あり。)
データ的には、
・サービス停止するまでの実積は、
・アイテムがキャッシュ化された回数=72,796 回
・「キャッシュを返さない」と選択されたアイテム数=7,512 個
ということで、少なくとも申し込みする際には、返金する気のある人が9割弱いるらしい、、、。これは比較的バランス感覚の良い記事。質屋貸金に当てはまらないという説明のロジックの一例が理解できた。また利益の源泉になりそうな、二万円以上の価格の製品をユーザーが売却してしまいそうな傾向も理解。サービス再開はいつ頃で、どう調整するかみもの。
追記 山田PROの紹介されてる条文が、この記事のいう貸金ではないという解釈を上書きしてしまうのかも?いずれにせよ、グレー金融業は規制業種、当たり前だが様々な法規制がある。新しいサービスをその法規制に当てたときの論点について解説されている記事で助かる。
記事にあるように審査がずさんな印象。もう一つ気になったのは、2ヶ月の期限が来たときに、全員がモノ・カネを送ってくれるとは限らない。そのときに回収をどうやってするつもりだったのかということ。まぁ、あまり多く回収できないという算段での、この実質金利だったのかもしれないが…本記事では、『「審査システム」の出来に難がありすぎた』と結論づけており、僕も最初は、そう思っていたのですが、
『“性善説”にもとづいたビジネスを--質屋アプリ「CASH」が細かく査定しない理由』
https://japan.cnet.com/article/35103479/
によると、「本気で性善説にもとづいたビジネスを作り上げられないかと思って」いるそうで、あえて査定らしい査定はしていないと。今回のヘアゴムのような「えげつない」ユーザーは一定数いても、善良なユーザーが多数であれば、ビジネスとして成立すると踏んでいたわけです。
実際、サービス停止するまでの実積は、
- アイテムがキャッシュ化された回数=72,796 回
- 「キャッシュを返さない」と選択されたアイテム数=7,512 個
ということで、最初から金を返すつもりはなく、価値の低いものを送って金儲けをしようとしている人は、1割程度だったと推測できます。(あくまでも推測です)
仮に「えげつない」ユーザーが1割で、残りの9割が善良なユーザーであれば、ビジネスとして成立するのか。それによって、査定システムのブラッシュアップ程度でサービスが再開できるか、ビジネスモデルとして破綻していて、二度と再開することはないのかが決まるでしょう。私の周りでも相当議論されてます。仮に貸金業法に触れた場合は、上限金利を大幅に超えるので、過払い金問題が発生する可能性があります。
少額なので貸し倒れリスクを低く見積もることができたとしても、オペレーションコストやリーガルコストが相当かかるのではないでしょうか?
こういったコストが少額融資マーケットのサイズに対して、大きくなりそうな気がしてます。
そして仮に業法違反でないとすると、ノールック融資は模倣することが比較的容易で、古物商のみであれば参入障壁が低い気がしてます。価格査定も、既存の中古マーケットサイトをスクレイピングすることでおおよそ自動化できるかと。
画像をAIで精緻に認識して、適切な買取価格やクレジットヒストリーによる融資を自動化できれば、面白いことになる気がしてます。
