天使も驚く、ふわふわ食感。
そんなキャッチコピーのもと、2025年3月14日、「ふわふわおたべ」が新発売されました。
「ふわふわおたべ」は、京都銘菓「つぶあん入り生八つ橋 おたべ」や「京ばあむ」などを製造・販売する「美十」の新商品。着想から12年をかけて誕生したといいます。私も試食させていただいたのですが、これまで経験したことのない柔らかさに衝撃を受けました。
代表取締役社長 CEO 酒井宏彰氏会社設立60周年「美十グループ ブランド合同試食会」
今回、会社設立60周年を迎えた「美十グループ ブランド合同試食会」を取材することができました。新商品「ふわふわおたべ」をはじめ、全国5エリアで展開するブランドについて、代表の酒井氏やシェフパティシエから貴重なお話を伺い、試食もさせていただきました。
渾身の新商品!未知の食感「ふわふわおたべ」
美十の看板商品「つぶあん入り生八つ橋 おたべ」は、1966年の誕生以来、春夏秋冬の季節限定商品や、ショコラなど洋の素材を取り入れた商品、ひと口サイズの「こたべ」など、常に進化を続けてきました。
その中で今回こだわったのが「食感」。着想から12年をかけて開発され、ついに誕生したのが「ふわふわおたべ」です。

手に取った瞬間、真っ白で繊細な見た目がまるで雲のよう。この上ない柔らかさで、持ち上げるのが大変なほどです。

また、食べやすさを考慮し、トレイにもこだわっているとのこと。指で押して取り出しやすい設計になっています。

生地は、まるでつきたてのお餅のような滑らかさ。きめ細やかなもち粉にメレンゲを合わせることで、独特の食感を実現しています。

そして中に詰まっているのは、北海道十勝産小豆のこしあんバター。なめらかに炊き上げたこしあんは、舌の上でとろけるような質感。そこに国産バターのコクが加わり、まろやかさとほんのりした塩気が広がります。

ひと口食べると、まず驚くのは生地の食感。まるで雲を食べているかのような、ふんわり軽やかな口どけ。中のこしあんバターのリッチな風味が小豆と絶妙に溶け合い、洋菓子のような甘さも感じられます。
生産者の顔がわかる原料
美十グループでは、契約農家が生産した小豆だけを使用する「おたべ会」を2013年に結成。「つぶあん入り生八つ橋 おたべ」に使用する小豆は、北海道十勝産のものを「おたべ会」から仕入れています。
また、お米は契約農家から国産コシヒカリを玄米で仕入れ、自社で精米・製粉。石臼で挽いた新鮮な米粉を使用するなど、原料へのこだわりが感じられました。
お酒に合う糖質オフクッキー「洋菓子ぎをんさかい」
京都・祇園発の「洋菓子ぎをんさかい」は、和菓子屋をルーツに持つシェフが「和の見た目×洋の中身」をコンセプトに展開するパティスリー。「粋」をテーマに、こだわりのある商品づくりを行っています。

特に印象的だったのが、美しいパッケージに包まれた「朔音」という大人のためのクッキー缶。甘みと塩味を楽しめるクッキーで、いくつか試食させていただきました。

たとえば手前左の「白味噌トマト」は、トマトのクッキーという珍しい一品。ほんのりスパイシーで、味噌のコクが感じられる、大人の味でした。中央の「枝豆昆布」はメレンゲ仕立てで、口の中でシュワッと溶ける軽やかさ。一粒一粒に驚きがあり、上品で高級感のあるクッキーでした。
京都生まれのバームクーヘン「京ばあむ」

宇治抹茶と京都産豆乳を使ったバームクーヘン。商品名であり店舗名でもある「京ばうむ」は21層が重なる美しさと柔らかさが魅力です。

抹茶はグレードや温度などによっては甘みが強くなってしまい、抹茶特有の苦みを感じられなくなってしまうそう。試行錯誤を重ねた結果、京ばうむは「森半」の宇治抹茶に煎茶を合わせています。

試食では京ばうむの他、ほうじ茶ばうむ、宇治抹茶ピレネーをいただきました。しっとりほわっと柔らかい口当たりです。
伝統と新しさ、和と洋を結ぶ「MIYUKA」
株式会社美十がこれまでに培った技術を生かし、和と洋の美味しさを結びつけたブランドがMIYUKAです。

生八つ橋を作ってきた美十が得意とする和の素材「あずき」を様々なかたちで洋菓子に組み合わせています。

こちらは自家製こしあんと、生バターシュガーをラングドシャでサンドした「美結菓(みゆか)生バターとあずきのふわシャリサンド」です。ぬれ煎餅に着想を得たというこちらのお菓子、通常サクサクしているラングドシャがしっとりしています。柔らかなラングドシャにシャリっとした歯触りの砂糖が楽しい逸品。

40年以上も地元で愛される「菓子工房エピナール」
大阪の箕面市に店舗を構える「エピナール」は創業が1982年。長年地元で愛される洋菓子店です。

創業当時から変わらない製法で作り続けられているのが、生チョコレート「トリュフ·オ·ショコラ」で看板商品となっています。

一見地味なのですが、一口食べると想像以上の滑らかさ!これまでの生チョコレートの概念を覆す美味しさです。ガナッシュをチョコレートで薄く包み、たっぷりのカカオパウダーで仕上げているそう。すべて職人の手作業で作られており、温度変化にも繊細なお菓子のため販売期間が10月〜4月までとなっています(※気温によって異なる)

濃厚な抹茶の味わいが豊かでとても美味しかったです。
沖縄でしか買えないお菓子「バナナパラダイス」
沖縄のお土産品はその7割が県外で作られているのですが、すべて沖縄県うるま市に構える美十の沖縄工場で作っているのが「バナナパラダイス」です。

沖縄産原料を使用することで地元沖縄を応援していきたいと考えているそう。そんな美十のバームクーヘン作りノウハウを生かした沖縄限定商品が「沖縄黒糖ばあむ」や「しあわせの沖縄バナナパン」です。

生バナナを練り込み、バターと卵をたっぷり使用したリッチなパンで、毎朝うるま市の工場で焼き上げています。
旬の素材にこだわる「ラ・テール」
季節ごとの旬の果物を使ったお菓子など、徹底的に素材にこだわったお菓子を販売しているブランド「ラ・テール」。1998年に世田谷三宿でオープンした洋菓子店です。

試食でいただいたのが巨峰のレーズンサンド。ホワイトチョコレートが隠し味のバタークリームに大きな巨峰が挟まれていて絶品!口に入れると体温でバタークリームが優しく溶けていく中、ホロっと崩れるクッキーと混ざり夢心地。

北海道や国産の素材を使ったものづくりを発信するブランド「フェルムラ・テール美瑛」が開発したMADELE(マドレ)も試食させていただきました。コンセプトは「果実×マドレーヌ」。焼き菓子のふんわりした生地と、自家製コンフィチュールのジューシーな果実感を同時に楽しめる新感覚マドレーヌです。
まとめ
「つぶあん入り生八つ橋 おたべ」や「京ばあむ」は以前から知っていましたが、美十グループがこれほど多彩なブランドや商品を展開しているとは驚きでした。
各ブランドのパティシエの方々の熱意と卓越した技術、契約農家と連携した原料へのこだわりなど、美十グループならではの強みを感じた試食会でした。
※今回の記事は取材時に試食をいただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。