「レーダー照射」なぜ中国は素直に謝罪しないのか 非を認めず反論、逆ギレ...「ごめんなさい」と言えない国情
2025年12月6日、沖縄周辺の上空で、中国軍機による航空自衛隊機への「レーダー照射」問題が発生した。日本政府が中国側に抗議したところ、中国外務省の郭嘉昆報道官は「日本はわざと焦点をずらし、国際社会をミスリードしようとしているのか」と強硬に反発した。【画像】中国人船長の釈放が波紋を広げる事態に――2010年、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した決定的場面 こうした対応は、ここ数年の中国の対外姿勢から見ても、ごく典型的なパターンであり、今回に限ったことではない。しかし、あらためて一連の反応を並べてみると、ひとつ素朴な疑問が浮かんでくる。■中国が謝罪をしない複雑なメカニズム 日本側からすれば、レーダー照射という軍事的に重大な行為であっても、認めない・謝らない・逆に批判するという反応は異常に映る。しかしその背景には、中国のさまざまな事情や文化が複雑に絡み合ったメカニズムが存在する。 たとえば、日本では場の空気を和ませるために、とりあえず「ごめんなさい」と謝罪する、という風潮がある。 だが、中国社会ではとりあえず謝っておくという振る舞いは一般的とは言いがたい。 日常会話には「对不起」「不好意思」などの謝罪表現はあるものの、「軽い謝罪」を頻繁に口にすることが美徳とされているわけではない。 一方で、「下跪」や「跪下」のように、ひざまずくという動作を通じて謝罪や服従を示す表現もあり、これは敗北や屈服を強く連想させる。 そして、中国は実質上、中国共産党の一党独裁政権だ。 ただ、軍や政府の失態を認めることは、政権基盤そのものに傷をつけかねない。とくに近年、SNSを中心にナショナリズムが強まる中では、謝罪は政治的に極めてリスクが高い。 だからこそ、中国政府としては謝るわけにはいかない。国内政治が強硬姿勢を要求し、謝罪が政権の弱体化と捉えられてしまう以上、中国政府は謝罪よりも反論・反転・否定を優先する。 また、中国には「核心的利益」という言葉がある。 先にあげた一党支配体制の維持、そして台湾・チベット・新疆ウイグル自治区・東シナ海などの領土に関する問題、経済社会の安定かつ持続的な発展については、中国にとって妥協する余地のない国益(核心的利益)として譲れないドグマなのだ。
【関連記事】
アクセスランキング(国内)
- 1
国会が「238秒停止」「3連続音声オフ」 代打・小泉大臣にも大音量ヤジ 起立する議員続出…高市総理の発言めぐり紛糾
ABEMA TIMES - 2
ある日突然4人の男に連れ去られ精神科へ強制入院、薬漬けの絶望…同意したのはまさかの人物 「医療保護入院」制度の闇
47NEWS - 3
「パンダがいなくなってさみしい? アホか」 山岸久朗弁護士が強烈批判
日刊スポーツ - 4
れいわ議員「母親はね、子どもを戦争に行かせるために産んだんじゃないんだよ」「女性初の総理だからって絶対にだまされないで」 高市総理に“10秒回答”迫り、残り5分は“独壇場”
ABEMA TIMES - 5
小泉防衛相、パイロットの“決意”刻まれた手袋を公開 中国の「試み」に反論「問題の本質は、レーダー照射」
よろず~ニュース
雑誌アクセスランキング(国内)
- 1
「別人になってた」“号泣県議”こと野々村竜太郎氏の“驚きの転身姿”にネット騒然
女性自身 - 2
《監修は超有名タレント》月額39万円の「超高級サウナ」で男女2人が死亡事故…当面の間営業停止へ
女性自身 - 3
吉村代表「国会は茶番」発言が招く特大ブーメラン、“身を切る改革”の裏に見え隠れする維新の本当の狙い
東洋経済オンライン - 4
《尖閣有事シミュレーション》中国の海上民兵が尖閣に上陸したらどうなるのか? 高市首相に迫られる「排除のための自衛隊出動」という決断 遅れれば中国軍が本格介入の可能性
NEWSポストセブン - 5
〈韓国人男性と日本人女性の結婚が過去最多〉「国から逃げたい」韓国男性が就職も恋愛も日本を選ぶ切実な理由
集英社オンライン

