母校で思い出を語るあじなさん㊧と斎木さん

　広島学院中高（広島市西区）で同級生だった漫画家のあじな優さん（34）=千葉県松戸市=と、講談社編集者の斎木淳史さん（33）=東京都=がタッグを組み、プロ野球の球団を題材にした漫画「君が監督!」をウェブで連載している。広島東洋カープをイメージしたシーンを盛り込むなど地元愛を感じさせる内容となっている。【画像】漫画「君が監督！」の表紙　8月上旬からヤンマガWebで連載している漫画は、弱小球団の監督にファンの女子高生が抜てきされ、チームを改革するストーリー。本拠地のモデルはマツダスタジアム（広島市南区）で広島弁の選手も登場する。 　中高時代は付き合いが薄かった2人だが、数年前にあじなさんが講談社の編集部に漫画を持ち込んだ際に再会。昨年9月、斎木さんが青年誌の担当になった際に声をかけ、企画が実現した。商業誌での活動を諦めかけていたあじなさんは「この絵ならいける、と言ってもらえて救われた」。斎木さんは「絵から漫画への執念が伝わってきた。それを信じたくなった」と振り返る。 　あじなさんにとって原作、作画両方を手がける連載は初めて。作品への思い入れは強く、作中に登場しない6球団420人分の選手データを作り、斎木さんを驚かせたこともある。仕事上でも気を使わず、言い合える関係で「作家と編集者は持ちつ持たれつだから」と笑い合う。　2人は8月下旬、母校を訪れ、連載の開始と9月19日の単行本発売を恩師に報告した。斎木さんは「野球漫画だけどヒューマンドラマとしても楽しめる」と胸を張る。あじなさんは「上京したことで広島への思いが強まった。カープファンがにやりとするような場面にも注目してほしい」とほほ笑む。